JP2013228001A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】引き摺りトルクを低減することができるとともに、クラッチにおける耐久性の低下を抑制することができる駆動力伝達装置を提供する。
【解決手段】駆動力伝達装置1において、装置ケース4は、一方の空間42aから他方の空間42bに作動油を導入するための油導入部47、及び油導入部47の油導入能力よりも低い油導出能力をもって他方の空間42bからその外部に作動油を導出するための油導出部48を有し、所定圧以上の油圧を作動油から受けて開放状態とする圧力調整弁151が油導入部47に配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車における入力軸からの駆動力を出力軸に伝達する駆動力伝達装置に関する。
従来の駆動力伝達装置として、例えば四輪駆動車に搭載され、一対の回転部材をクラッチによってトルク伝達可能に連結するようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
この駆動力伝達装置は、入力軸と共に回転する第1の回転部材と、第1の回転部材の軸線上で回転可能な第2の回転部材と、第2の回転部材と第1の回転部材とをトルク伝達可能に連結する摩擦式のクラッチと、クラッチにそのクラッチ動作力となる押付力を付与する押付力付与機構とから構成されている。
第1の回転部材は、一方に開口する有底円筒状のハウジングからなり、入力軸に連結されている。そして、第1の回転部材は、車両用のエンジンなど駆動源の駆動力を入力軸から受けて回転する。
第2の回転部材は、第1の回転部材に相対回転可能に配置され、かつ出力軸に連結されている。そして、第2の回転部材は、第1の回転部材と共に装置ケース内に収容されている。
クラッチは、インナクラッチプレート及びアウタクラッチプレートを有し、第1の回転部材と第2の回転部材との間に配置されている。そして、クラッチは、インナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとが摩擦係合して第1の回転部材と第2の回転部材とをトルク伝達可能に連結する。
押付力付与機構は、装置ケース(シリンダ)内で進退可能なピストン、及びピストンの移動力を押付力としてクラッチに付与する押付力付与部材を有し、クラッチの入力側に配置されている。
以上の構成により、エンジン側からの駆動力が入力軸を介して第1の回転部材に入力されると、第1の回転部材がその軸線回りに回転する。ここで、シリンダ内に作動油を供給すると、作動油による圧力がピストンに作用する。
このため、押付力付与機構が作動し、これに伴いピストンがクラッチ側に移動し、この移動力が押付力として押付力付与部材からクラッチに付与される。
そして、クラッチのインナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとが互いに接近して摩擦係合し、この摩擦係合によって第1の回転部材と第2の回転部材とがトルク伝達可能に連結される。これにより、エンジン側の駆動力が入力軸から駆動力伝達装置を介して出力軸に伝達される。
特開2008−121796号公報
ところで、特許文献1に示す駆動力伝達装置によると、四輪駆動車の二輪駆動による走行時に潤滑油の粘性に基づいて発生する所謂引き摺りトルクによる悪影響を低減するには、ハウジング内の潤滑油を少量にする(油面位置を低くする)ことが望ましい。
一方、四輪駆動車の四輪駆動による走行時にハウジング内の潤滑油が過度に少量であると、クラッチのインナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとの摩擦係合による各クラッチプレートの発熱によって各クラッチプレートが損傷し、クラッチの耐久性が低下する虞がある。
従って、本発明の目的は、装置ケース内の潤滑油の油面位置を所望の油面高さに確保することができ、もって引き摺りトルクを低減することができるとともに、クラッチにおける耐久性の低下を抑制することができる駆動力伝達装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、(1)〜(8)の駆動力伝達装置を提供する。
(1)車両の駆動源によって回転する第1の回転部材と、前記第1の回転部材にその回転軸線上で相対回転可能に配置された第2の回転部材と、前記第2の回転部材と前記第1の回転部材との間に介在して配置され、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを断続可能に連結するクラッチと、前記クラッチに作動油の供給による移動によって押付力を付与するピストンを有する押付力付与機構と、前記押付力付与機構の前記ピストンを介して互いに隣接する2つの空間を有する装置ケースとを備え、前記装置ケースは、前記2つの空間のうち油供給側の空間からクラッチ側の空間に作動油を導入するための油導入部、及び前記油導入部の油導入能力よりも低い油導出能力をもって前記クラッチ側の空間からその外部に作動油を導出するための油導出部を有し、所定圧以上の油圧を作動油から受けて開放状態とする圧力調整弁が前記油導入部に配置されている駆動力伝達装置。
(2)上記(1)に記載の駆動力伝達装置において、前記装置ケースは、前記油導入部及び前記油導出部にそれぞれ油流通路を有し、前記油導入部の油流通路の開口面積が前記油導出部の油流通路の開口面積よりも大きい面積に設定されている。
(3)上記(1)又は(2)に駆動力伝達装置において、前記押付力付与機構は、前記圧力調整弁の開放動作に先行してクラッチプレート間隔を短縮するための第1の押付力を、またクラッチプレート同士を摩擦係合させるための第2の押付力をそれぞれ前記押付力として前記ピストンが前記クラッチに付与する。
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の駆動力伝達装置において、前記装置ケースは、前記ピストンを初期位置に復帰させるためのばね力をもつ復帰用スプリングを内蔵し、前記復帰用スプリングのばね力が前記押付力よりも小さい。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の駆動力伝達装置において、前記装置ケースは、作動油を貯溜するオイルタンクを有し、前記オイルタンクが前記油供給側の空間にポンプを介して、また前記クラッチ側の空間に前記油導出部を介してそれぞれ接続されている。
(6)上記(5)に記載の駆動力伝達装置において、前記装置ケースは、前記クラッチ側の空間における作動油の油面高さの上限高さを決定するための油流通孔を有し、前記油流通孔が配管を介して前記オイルタンクに接続されている。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の駆動力伝達装置において、前記装置ケースは、前記油導入部が前記ピストンに配置されている。
(8)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の駆動力伝達装置において、前記装置ケースは、前記油導入部が前記油供給側の空間及び前記クラッチ側の空間の外部に配置されている。
本発明によると、押付力付与時は装置ケース内の潤滑油の油面位置を所望の油面高さに確保することができ、クラッチにおける耐久性の低下を抑制することができる。また、押付力を要さない時は油が装置ケースの油導出部からタンクへ排出されるので、クラッチ空間側の油が減少し、引き摺りトルクを低減することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置が搭載された車両の概略を説明するために示す平面図。 本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置の全体を説明するために示す断面図。同図において、上半分はディスコネクト状態を、また下半分はコネクト状態をそれぞれ示す。 本発明の第1の実施の形態に係る駆動力伝達装置における第2の回転部材とクラッチのクラッチプレートとの嵌合状態を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態に係る駆動力伝達装置の全体を説明するために示す断面図。同図において、上半分はディスコネクト状態を、また下半分はコネクト状態をそれぞれ示す。
[第1の実施の形態]
図1は四輪駆動車の概略を示す。図1に示すように、四輪駆動車200は、駆動力伝達系201,エンジン202,トランスミッション203,主駆動輪としての前輪204L,204R及び補助駆動輪としての後輪205L,205Rを備えている。
駆動力伝達系201は、四輪駆動車200におけるトランスミッション203側から後輪205L,205R側に至る駆動力伝達経路にフロントディファレンシャル206及びリヤディファレンシャル207と共に配置され、かつ四輪駆動車200の車体(図示せず)に搭載されている。
そして、駆動力伝達系201は、駆動力伝達装置1,プロペラシャフト2及び駆動力断続装置3を有し、四輪駆動車200の四輪駆動状態を二輪駆動状態に、また二輪駆動状態を四輪駆動状態にそれぞれ切り替え可能に構成されている。駆動力伝達装置1の詳細については後述する。
フロントディファレンシャル206は、サイドギヤ209L・209R,一対のピニオンギヤ210,ギヤ支持部材211及びフロントデフケース212を有し、トランスミッション203と駆動力断続装置3との間に配置されている。サイドギヤ209Lは前輪側のアクスルシャフト208Lに、またサイドギヤ209Rは前輪側のアクスルシャフト208Rにそれぞれ連結する。一対のピニオンギヤ210は、サイドギヤ209L,209Rにギヤ軸を直交させて噛合する。ギヤ支持部材211は、一対のピニオンギヤ210を回転可能に支持する。フロントデフケース212は、ギヤ支持部材211,一対のピニオンギヤ210及びサイドギヤ209L・209Rを収容する。
リヤディファレンシャル207は、サイドギヤ214L・214R,一対のピニオンギヤ215,ギヤ支持部材216及びリヤデフケース217を有し、プロペラシャフト2と駆動力伝達装置1との間に配置されている。サイドギヤ214Lは後輪側のアクスルシャフト213Lに、またサイドギヤ214Rは後輪側のアクスルシャフト213Rにそれぞれ連結する。一対のピニオンギヤ215は、サイドギヤ214L,214Rにギヤ軸を直交させて噛合する。ギヤ支持部材216は、一対のピニオンギヤ215を回転可能に支持する。リヤデフケース217は、ギヤ支持部材216,一対のピニオンギヤ215及びサイドギヤ214L・214Rを収容する。
エンジン202は、トランスミッション203及びフロントディファレンシャル206を介して前輪側のアクスルシャフト208L,208Rに駆動力を出力することにより前輪204L,204Rを駆動する。
また、エンジン202は、トランスミッション203,駆動力断続装置3,プロペラシャフト2及びリヤディファレンシャル207を介して一方の後輪側のアクスルシャフト213Lに駆動力を出力することにより一方の後輪205Lを、トランスミッション203,駆動力断続装置3,プロペラシャフト2,リヤディファレンシャル207及び駆動力伝達装置1を介して他方の後輪側のアクスルシャフト213Rに駆動力を出力することにより他方の後輪205Rをそれぞれ駆動する。
プロペラシャフト2は、駆動力伝達装置1と駆動力断続装置3との間に配置されている。そして、プロペラシャフト2は、エンジン202の駆動力をフロントデフケース212から受けて前輪204L,204R側から後輪205L,205R側に伝達する。
プロペラシャフト2の前輪側端部には、互いに噛合するドライブピニオン60及びリングギヤ61からなる前輪側の歯車機構6が配置されている。プロペラシャフト2の後輪側端部には、互いに噛合するドライブピニオン70及びリングギヤ71からなる後輪側の歯車機構7が配置されている。
駆動力断続装置3は、フロントデフケース212に対して回転不能な第1のスプライン歯部30、リングギヤ61に対して回転不能な第2のスプライン歯部31、及び第1のスプライン歯部30,第2のスプライン歯部31にスプライン嵌合可能なスリーブ32を有する例えばドグクラッチからなり、四輪駆動車200の前輪204L,204R側に配置され、かつアクチュエータ(図示せず)を介して車両用のECU(Electronic Control Unit:図示せず)に接続されている。そして、駆動力断続装置3は、プロペラシャフト2とフロントデフケース212とを断続可能に連結する。
(駆動力伝達装置1の全体構成)
図2は駆動力伝達装置を示す。図2に示すように、駆動力伝達装置1は、装置ケース4,クラッチ(多板クラッチ)8,ハウジング12,インナシャフト13及び押付力付与機構15を有し、四輪駆動車200(図1に示す)の後輪205R(図1に示す)側に配置されている。
そして、駆動力伝達装置1は、プロペラシャフト2(図1に示す)と後輪側のアクスルシャフト213R(図1に示す)とを断続可能に連結する。すなわち、後輪側のアクスルシャフト213Rとプロペラシャフト2とは駆動力伝達装置1を介在させて連結されている。後輪側のアクスルシャフト213L(図1に示す)とプロペラシャフト2とは駆動力伝達装置1を介在させることなく連結されている。
これにより、駆動力伝達装置1による連結時には、一方の後輪側のアクスルシャフト213Lとプロペラシャフト2とが及び他方の後輪側のアクスルシャフト213Rとプロペラシャフト2とが歯車機構7及びリヤディファレンシャル207(共に図1に示す)を介してトルク伝達可能に連結される。一方、駆動力伝達装置1による連結の解除時には、一方の後輪側のアクスルシャフト213Lとプロペラシャフト2とが歯車機構7及びリヤディファレンシャル207を介して連結されたままであるが、他方の後輪側のアクスルシャフト213Rとプロペラシャフト2との連結が遮断される。
(装置ケース4の構成)
装置ケース4は、回転軸線Oに沿って互いに並列する2つのケース40,41からなり、四輪駆動車200(図1に示す)の車体(図示せず)に取り付けられている。装置ケース4には、押付力付与機構15のピストン150(後述)を介して互いに隣接する2つの空間42a,42bが設けられている。一方の空間42aは油供給側の空間(シリンダ)として、また他方の空間42bはクラッチ側の空間としてそれぞれ機能する。装置ケース4内には、一方の空間42aから他方の空間42bに作動油(潤滑油)を導入するための油導入部47、及び他方の空間42bから外部に潤滑油を導出するための油導出部48が配置されている。油導入部47の詳細については後述(押付力付与機構15において説明)する。
油導出部48は、オイルタンク43及び他方の空間42bに連通(接続)する貫通孔(丸孔)からなる油流通路によって形成され、一方のケース40の胴部400(後述)に設けられている。そして、油導出部48は、他方の空間42bからオイルタンク43に潤滑油を流出させる。
一方のケース40は、胴部400及び底部401を有し、全体が他方のケース41側(図2の右側)に開口する有底円筒部材によって形成されている。
胴部400は、回転軸線O両方向に開口し、全体がハウジング12の一部を収容する無底円筒部材によって形成されている。胴部400のピストン150側開口端面は、復帰用スプリング49のばね力を受けるスプリング受面400aで形成されている。胴部400の外周囲には、その外周面と他方のケース41の内周面との間で潤滑油を貯溜するオイルタンク43が形成されている。胴部400のピストン150側開口端部には、その外周面と他方のケース41の内周面との間に介在し、かつオイルタンク43を封止するシール部材50が取り付けられている。
底部401は、ピストン150にクラッチ8等を介して対向し、全体が胴部400におけるピストン150側開口部と反対側の開口部を閉塞する円環部材によって形成されている。そして、底部401は、胴部400及び他方のケース41と共にオイルタンク43を形成する。底部401には、ハウジング12を回転軸線O上で挿通させる挿通孔401aが設けられている。挿通孔401aの外側開口周縁には、リヤディファレンシャル207(図1に示す)側に突出して回転軸線Oを中心軸線とする円筒部401bが設けられている。円筒部401bには、内周面と前記インナシャフト13の外周面との間に介在するシール機構51が取り付けられている。また、底部401には、他方の空間42bに連通して他方の空間42bにおける潤滑油の油面位置(油面高さ)の上限高さを決定するための第1の油流通孔401c、及びオイルタンク43に連通する第2の油流通孔401dが設けられている。第1の油流通孔401cと第2の油流通孔401dとは配管52によって接続されている。
他方のケース41は、インナシャフト13(後述)を回転軸線O上で挿通させる挿通孔41aを有し、全体が一方のケース40側(図2の左側)に開口する有底円筒部材によって形成されている。挿通孔41aの内側開口周縁には、クラッチ8側に突出して回転軸線Oを中心軸線とする円筒部410aが設けられている。挿通孔41aの外側開口周縁には、円筒部410aの突出方向と反対側に突出して回転軸線Oを中心軸線とする円筒部411aが設けられている。
円筒部410aのクラッチ8側端部には、その内周面から突出する円環状の内フランジ412aが設けられている。円筒部410aには、内周面とインナシャフト13の外周面との間に内フランジ412aにおけるクラッチ8側と反対側で介在する針状ころ軸受53が取り付けられている。
円筒部411aには、内周面とインナシャフト13の外周面との間に介在するシール機構54が取り付けられている。円筒部411aの外周面には、一方の空間42aに、またオイルタンク43に油流動路417を介してそれぞれ連通する配管部413aが設けられている。配管部413aには、その内部に連通して圧力センサ55を取り付けるセンサ取付孔414aが設けられている。
油流動路417には、オイルタンク43から配管部413aを介して一方の空間42aに潤滑油を送り込み、また一方の空間42aからオイルタンク43に潤滑油を吐き出すためのポンプ418が配置されている。ポンプ418は、例えばトロコイドポンプが用いられ、駆動源419に接続されている。駆動源419によってポンプ418が正方向に駆動されると、潤滑油がオイルタンク43から一方の空間42aに油流動路417及び配管部413a等を介して送り込まれる。また、駆動源419によってポンプ418が負方向に駆動されると、潤滑油が一方の空間42aからオイルタンク43に配管部413a及び油流動路417等を介して吐き出される。
(クラッチ8の構成)
クラッチ8は、複数のインナクラッチプレート80及び複数のアウタクラッチプレート81を有する摩擦式のクラッチからなり、第1の回転部材としてのハウジング12と第2の回転部材としてのインナシャフト13との間に配置されている。
そして、クラッチ8は、複数のインナクラッチプレート80及び複数のアウタクラッチプレート81のうち互いに隣り合う2つのクラッチプレートを摩擦係合させ、またその摩擦係合を解除してハウジング12とインナシャフト13とを断続可能に連結する。
複数のインナクラッチプレート80及び複数のアウタクラッチプレート81は、回転軸線Oに沿って交互に配置され、全体が円環状の摩擦板によって形成されている。複数のインナクラッチプレート80及び複数のアウタクラッチプレート81のうち互いに隣り合う2つのクラッチプレート間のクリアランスCは、四輪駆動車200(図1に示す)の二輪駆動時に潤滑油の粘性に基づく引き摺りトルクによってクラッチプレート同士が摩擦係合しない寸法に設定されている。
複数のインナクラッチプレート80は、その内周部にストレートスプライン嵌合部80aを有し、ストレートスプライン嵌合部80aを円筒部13a(インナシャフト13)のストレートスプライン嵌合部130aに嵌合させてインナシャフト13に相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
複数のインナクラッチプレート80には、その円周方向に沿って並列し、かつ回転軸線O両方向に開口する複数の油孔80bが設けられている。
複数のアウタクラッチプレート81は、その外周部にストレートスプライン嵌合部81aを有し、ストレートスプライン嵌合部81aを円筒部12a(ハウジング12)のストレートスプライン嵌合部120a(後述)に嵌合させてハウジング12に相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
複数のアウタクラッチプレート81のうちピストン150側最端部のアウタクラッチプレートは、クラッチ8の入力部として機能し、押付力付与機構15のピストン150からクラッチ8側に押付部材11を介して第1の押付力Pを受けると、この押付方向への移動によって互いに隣り合うインナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81との間のクリアランスCを例えばC=0に短縮する。また、複数のアウタクラッチプレート81のうちピストン150側最端部のアウタクラッチプレートは、押付力付与機構15のピストン150から第1の押付力Pの付与後にクラッチ8側に押付部材11を介して第2の押付力P(P≧P)を受けると、この押付方向への移動によって互いに隣り合うインナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81とを摩擦係合させる。
押付部材11は、装置ケース4の他方の空間42bに露出するストレートスプライン嵌合部11aを有し、全体が円環部材によって形成されている。そして、押付部材11は、ストレートスプライン嵌合部11aを押付力付与機構15のクラッチ8側で円筒部12aのストレートスプライン嵌合部120aに嵌合させてハウジング12に相対回転不能かつ相対移動可能に連結され、かつ押付力付与機構15のピストン150に針状ころ軸受44を介して回転可能に支持されている。
(ハウジング12の構成)
図3はハウジングとアウタクラッチプレートとのスプライン嵌合状態を示す。ハウジング12は、図2に示すように、円筒部12a及び軸部12bを有し、一方の後輪側のアクスルシャフト213R(図1に示す)の軸線(回転軸線O)上に配置され、かつ一方のケース40における挿通孔401aの内周面に玉軸受20を介して回転可能に支持されている。また、ハウジング12は、円筒部12aの底部が一方のケース40の底部401に針状ころ軸受21を介して回転可能に支持されている。
円筒部12aは、装置ケース4の他方の空間42bに開口し、ハウジング12の一方側端部(図2の右側端部)に配置されている。そして、円筒部12aは、その内部空間がクラッチ収容空間として機能する。円筒部12aの内周面には、アウタクラッチプレート81のストレートスプライン嵌合部81a及び押付部材11のストレートスプライン嵌合部11aに嵌合するストレートスプライン嵌合部120aが設けられている。円筒部12aには、図3に示すように、ストレートスプライン嵌合部120aにおける複数のスプライン歯121aのうち互いに隣り合う2つのスプライン歯間に位置し、ハウジング12の軸線(回転軸線O)と直交する軸線Lをもつ貫通孔122aが設けられている。
軸部12bは、ハウジング12の他方側端部(図2の左側端部)に配置され、かつサイドギヤ214Rの開口部内に先端部を挿入させてサイドギヤ214Rにスプライン嵌合によって相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。軸部12bには、円筒部12a内に連通する凹孔120bが設けられている。
(インナシャフト13の構成)
インナシャフト13は、円筒部13a〜13c(13bは軸部)及び段差面13d,13eを有し、ハウジング12の回転軸線O上に配置され、全体が軸線方向片側(図2の右側)に開口する有底円筒部材によって形成されている。円筒部13a〜13cは、各外径が互いに異なる寸法に設定されている。円筒部13aの外径は最大の寸法(最大外径)に、軸部13bの外径は最小の寸法(最小外径)に、また円筒部13cの外径は円筒部13aの外径と軸部13bの外径との間の寸法(中間外径)にそれぞれ設定されている。そして、インナシャフト13は、その開口部内に後輪側のアクスルシャフト213R(図1に示す)の先端部を挿入させて収容する。後輪側のアクスルシャフト213Rは、インナシャフト13にスプライン嵌合によって相対回転不能かつ相対移動可能に連結されている。
最大外径の円筒部13aは、最小外径の軸部13bと中間外径の円筒部13cとの間に介在してインナシャフト13の軸線方向中央部に配置されている。また、最大外径の円筒部13aは、ハウジング12における円筒部12aの底部401に段差面13d上のスペーサ23及び針状ころ軸受24を介して、他方のケース41における内フランジ412aのフランジ端面に段差面13e上のスペーサ25及び針状ころ軸受26を介して回転可能に支持されている。最大外径の円筒部13aの外周面には、ハウジング12の円筒部12a内に露出し、クラッチ8におけるインナクラッチプレート80のストレートスプライン嵌合部80aに嵌合するストレートスプライン嵌合部130aが設けられている。
最小外径の軸部13bは、インナシャフト13の一方側(図2の左側)に配置され、かつハウジング12の凹孔120b内に針状ころ軸受27を介して回転可能に支持されている。
中間外径の円筒部13cは、インナシャフト13の他方側(図2の右側)に配置され、他方のケース41における円筒部410aの内周面に針状ころ軸受53を介して回転可能に支持されている。
段差面13dは円筒部13a,13b間に、また段差面13eは円筒部13a,13c間にそれぞれ介在して配置されている。
(押付力付与機構15の構成)
図2に示すように、押付力付与機構15は、ピストン150及び圧力調整弁151を有し、装置ケース4(他方のケース41)内に収容されている。そして、押付力付与機構15は、ピストン150が潤滑油による油圧の供給を一方の空間42a側で受けてクラッチ8側に移動し、クラッチ8に押付力(第1の押付力P及び第2の押付力P)を付与する。
ピストン150は、円環部150a〜150cを有し、押付部材11のピストン150側端面と他方のケース41の底面との間に介在して進退可能に配置され、全体が円筒部410aを挿入させる円環部材によって形成されている。そして、ピストン150は、圧力調整弁151の開放動作に先行してクラッチプレート間隔を短縮するための第1の押付力Pを、またクラッチプレート同士を摩擦係合させるための第2の押付力Pをそれぞれクラッチ8に付与する。第1の押付力P及び第2の押付力Pは、復帰用スプリング49のばね力a(a<P≦P)よりも大きい。
円環部150a〜150cは、各外径が互いに異なる寸法に設定されている。円環部150aは最大外径の寸法に、円環部150bは最小外径の寸法に、また円環部150cは円環部150aの外径と円環部150bの外径との間の中間外径の寸法にそれぞれ設定されている。
最大外径の円環部150aは、ピストン150の軸線方向一方側(図2の右側)に配置されている。また、最大外径の円環部150aは、外周面と他方のケース41の内周面との間で介在するシール部材57が、また内周面と円筒部410aの外周面との間で介在するシール部材58がそれぞれ取り付けられている。最大外径の円環部150aのクラッチ8側端面は、一方のケース40のスプリング受面400aに復帰用スプリング49を介して対向するスプリング受面150dで形成されている。
最小外径の円環部150bは、押付部材11を挿通してクラッチ8(インナクラッチプレート80のピストン150側端面)に対向し、ピストン150の軸線方向他方側(図2の左側)に配置されている。
中間外径の円環部150cは、押付部材11のピストン150側端面に針状ころ軸受44を介して対向し、ピストン150の軸線方向中央部に配置されている。中間外径の円環部150cは、その外周面が最大外径の円環部150aから最小外径の円環部150bに向かって外径を漸次小さくするテーパで形成されている。
ピストン150には、回転軸線O回りに等間隔をもって並列する複数(本実施の形態では例えば6個)の油導入部47が設けられている。
複数の油導入部47は、各孔径を互いに異にする2つの孔47a,47b(大孔47a,小孔47b)、及び両孔47a,47b間に介在する円環状の座面47cを有し、最大径外径の円環部150aから最小外径の円環部150bに貫通する貫通孔(丸孔)からなる油流通路によって形成されている。油導入部47の油導入能力は油導出部48の油導出能力よりも高い。すなわち、一方の空間42aから油導入部47を介して他方の空間42bに導入される潤滑油の導入量Qは、他方の空間42bから油導出部48を介してその外部(オイルタンク43)に導出される潤滑油の導出量Q(Q<Q)よりも大きい流量に設定されている。この流量差(Q−Q)は、例えば油導入部47の開口面積を油導出部48の開口面積よりも小さい面積に設定することにより行われる。
このため、四輪駆動車200(図1に示す)の四輪駆動による走行時に油導入部47の開放後に一方の空間42aに供給された潤滑油が油導入部47を流動して他方の空間42bに流入した後、一部の潤滑油が他方の空間42bから油導出部48を流動して外部に流出するが、他方の空間42bに所定量の潤滑油が確保される。また、四輪駆動車200の二輪駆動による走行時には、他方の空間42bから油導出部48を流動してその外部(オイルタンク43)に流出する。これにより、四輪駆動車200において、四輪駆動による走行時に他方の空間42bすなわちクラッチ側の空間の潤滑油が過度に少量であることが、また二輪駆動による走行時にクラッチ側の空間の潤滑油が引き摺りトルクを発生させる収容量となることがそれぞれ回避される。
複数の油導入部47には、装置ケース4の一方の空間42aに供給される潤滑油の油圧を受けて開閉する圧力調整弁151が配置されている。
圧力調整弁151は、複数の油導入部47の大孔47a内に配置されている。そして、圧力調整弁151は、所定圧P(P>P)以上の油圧を受けて開放状態とする。すなわち、圧力調整弁151の開放状態においては油導入部47が開放される。所定圧未満の油圧に対しては、圧力調整弁56が開放状態とせずに閉塞状態を維持する。すなわち、圧力調整弁151の閉塞状態においては油導入部47が閉塞される。このため、ピストン150は、第1の押付力Pに対応する油圧を潤滑油から受けると、油導入部47を開放しない状態でクラッチ8側に移動して押付部材11と共にクラッチ8に第1の押付力Pを付与する。この後、ピストン150は、第2の押付力Pに対応する油圧を潤滑油から受けると、油導入部47を開放しない状態でクラッチ8側に移動して押付部材11と共にクラッチ8に第2の押付力Pを付与する。圧力調整弁151としては、例えば油導入部47を開閉して座面47cに着座可能な弁体152、及び油導入部47を閉塞する方向のばね力を弁体152に付与するスプリング153を有するリリーフ弁が用いられる。
(駆動力伝達装置1の動作)
次に、本実施の形態に示す駆動力伝達装置の動作につき、図1及び図2を用いて説明する。
図1において、四輪駆動車200の二輪駆動時には、エンジン202の回転駆動力がトランスミッション203を介してフロントディファレンシャル206に伝達される。そして、フロントディファレンシャル206から前輪側のアクスルシャフト208L,208Rを介して前輪204L,204Rにエンジン202の回転駆動力が伝達され、前輪204L,204Rが回転駆動される。
この場合、図2(上半分)において、ポンプ418が非駆動状態にあるため、第1の押付力付与機構15が作動することはない。
このため、押付力付与機構15のピストン150からクラッチ8にそのクラッチ動作力となる第2の押付力Pが押付部材11を介して付与されず、クラッチ8のインナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81とが互いに摩擦係合せず、エンジン202の回転駆動力はハウジング12からインナシャフト13に伝達されない。この場合、装置ケース4においては、他方の空間42bすなわちクラッチ側の空間の潤滑油が油導出部48を介してオイルタンク43に導出されているため、クラッチ8のインナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81との間で潤滑油の粘性に基づく引き摺りトルクの発生が抑制される。
一方、二輪駆動状態にある四輪駆動車200を四輪駆動状態に切り替えるには、駆動力伝達装置1によってプロペラシャフト2と後輪側のアクスルシャフト213Rとをトルク伝達可能に連結した後、駆動力断続装置3によってフロントデフケース212とプロペラシャフト2とをトルク伝達可能に連結する。
ここで、プロペラシャフト2と後輪側のアクスルシャフト213Rとの連結時には、駆動源419によってポンプ418を正方向に駆動し、オイルタンク43内の潤滑油を装置ケース4の一方の空間42aに供給する。この場合、ポンプ418が駆動されると、オイルタンク43内の潤滑油が油流動路417を流動して配管部413aに流入した後、配管部413aを流動して一方の空間42aに流入する。
このため、ピストン150が図2(上半分)に示す初期状態から潤滑油による油圧を受け、押付力付与機構15が作動する。この場合、押付力付与機構15が作動すると、ピストン150が油導入部47を閉塞した状態でクラッチ8側に一方の空間42a及び他方の空間42bを移動してピストン150及び押付部材11に第1の押付力Pを付与する。
これに伴い、押付部材11が復帰用スプリング49のばね力に抗してクラッチ8側に他方の空間42b内をピストン150と共に移動し、クラッチ8全体を移動させてハウジング12の底部に当接させる。
これにより、インナクラッチプレート80及びアウタクラッチプレート81のうち互いに隣り合う2つのクラッチプレート間のクリアランスCが例えばC=0となる。
引き続き、駆動源419によってポンプ418を正方向に駆動し、オイルタンク43内の潤滑油を一方の空間42aに供給する。この場合、一方の空間42aに潤滑油が供給されると、ピストン150は第1の押付力Pよりも大きい油圧を潤滑油から受け、油導入部47を開放しない態で復帰用スプリング49のばね力に抗して一方の空間42a及び他方の空間42bを移動し、押付部材11に第2の押付力Pを付与する。
これに伴い、押付部材11が第2の押付力Pを受けると、復帰用スプリング49のばね力に抗して他方の空間42bをピストン150と共にクラッチ8側に移動し、クラッチ8全体をハウジング12の底部にさらに押し付けて移動させる。この際、第2の押付力Pよりも大きい油圧を潤滑油からピストン150が受けると、圧力調整弁151を開放状態とし、一方の空間42aから油導入部47を介して他方の空間42bに潤滑油が導入される。この場合、他方の空間42bの潤滑油が油導出部48を介してオイルタンク43に導出されるが、潤滑油の導入量Qが導出量Qよりも大きいため、他方の空間42bの潤滑油が過度に少量であることが回避される。
これにより、インナクラッチプレート80及びアウタクラッチプレート81のうち互いに隣り合う2つのクラッチプレートが摩擦係合し、ハウジング12とインナシャフト13とがクラッチ8を介して連結される。
このため、エンジン202の回転駆動力がハウジング12からインナシャフト13に伝達され、さらにインナシャフト13から後輪側のアクスルシャフト213Rを介して後輪205Rに伝達され、後輪205Rが回転駆動される。
また、プロペラシャフト2と後輪側のアクスルシャフト213Lとは駆動力伝達装置1を介在させることなく連結されているため、フロントデフケース212とプロペラシャフト2との連結時にエンジン202の回転駆動力がプロペラシャフト2から後輪側のアクスルシャフト213Lを介して後輪205Lに伝達され、後輪205Lが回転駆動される。
なお、プロペラシャフト2と後輪側のアクスルシャフト213Rとの連結を解除するには、駆動源419によってポンプ418を負方向に駆動し、一方の空間42aの潤滑油をオイルタンク43内に戻すことにより行われる。この場合、ポンプ418が駆動されると、一方の空間42aの潤滑油が配管部413aに流出した後、配管部413aから油流動路417を流動してオイルタンク43に流出する。また、他方の空間42bの潤滑油が油導出部47を流動してオイルタンク43に流出する。
[第1の実施の形態の効果]
以上説明した第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
(1)四輪駆動車200の四輪駆動及び二輪駆動による走行時に装置ケース4(他方の空間42b)における潤滑油の油面位置を所望の油面位置に確保することができ、引き摺りトルクを低減することができるとともに、クラッチ8における耐久性の低下を抑制することができる。この場合、ハウジング12とインナシャフト13との接続が第1の押付力P及び第2の押付力Pをクラッチ8に付与して行われるため、クラッチ8のクラッチプレート間隔を広げることができ、引き摺りトルクの低減効果を一層高めることができる。
(2)復帰用スプリング49によってピストン150を初期位置に復帰するため、ピストン150によって装置ケース4外に潤滑油を排出することができ、オイルタンク43に対する潤滑油の回収を円滑に行うことができる。
(3)ポンプ418を駆動してオイルタンク43から一方の空間42aに潤滑油を供給した後、一方の空間42aから油導入部47を介して他方の空間42bに導入してから油導出部48を介してオイルタンク43に導出する油圧回路が形成され、この油圧回路での潤滑油の流動が円滑に行われる。
(4)第1の油流通孔401cにより他方の空間42bにおける潤滑油の油面高さの上限高さが決定されるため、他方の空間42bにおいて潤滑油の油面位置が上限高さよりも高い油面位置とはならず、他方の空間42bに潤滑油を過度に収容することが回避される。
(5)油導入部47がピストン150に配置されているため、油導入部47が装置ケース4内に有する構造となり、油導入部47が装置ケース4外に有する場合と比べて装置全体の小型化を図ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2実施の形態に係る駆動力伝達装置につき、図4を用いて説明する。図4は駆動力伝達装置を示す。図4において、図2と同一又は同等の機能をもつ部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る駆動力伝達装置100は、第1の実施の形態に示すように装置ケース4の内部に有する油導入部47に代え、装置ケース4の外部(油供給側の空間42a及びクラッチ側の空間42b外部)に有する油導入部101を備えた点に特徴がある。
このため、油導入部101は、油流通路101aを有し、一方端部が一方の空間42aに配管102を介して、また他方端部が他方の空間42bに配管103を介してそれぞれ接続されている。油導入部101の油導入能力は、第1の実施の形態と同様に油導出部48の油導出能力よりも高い。
また、油導入部101には、装置ケース4の一方の空間42aに供給される潤滑油の油圧を受けて開閉する圧力調整弁151が配置されている。
このように構成された駆動力伝達装置100においては、四輪駆動車200(図1に示す)の四輪駆動による走行時に油導入部101の開放後に一方の空間42aに供給された潤滑油が油導入部101を流動して他方の空間42bに流入した後、一部の作動油が他方の空間42bから油導出部48を流動して外部に流出するが、他方の空間42bに所定量の作動油が確保される。また、四輪駆動車200の二輪駆動による走行時には、他方の空間42bの潤滑油が油導出部48を流動してその外部(オイルタンク43)に流出する。これにより、四輪駆動車200において、四輪駆動による走行時に他方の空間42bすなわちクラッチ側の空間の潤滑油が過度に少量であることが、また二輪駆動による走行時にクラッチ側の空間の潤滑油が引き摺りトルクを発生させる収容量となることがそれぞれ回避される。
[第2の実施の形態の効果]
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態に示す効果(1)〜(4)に加え、次に示す効果が得られる。
油導入部101が装置ケース4の外部に配置されているため、第1の実施の形態において採用した構成(ピストン150に油導入部を設ける構成)を採用する必要がなくなる。これにより、ピストン150の形状が複雑にならず、ピストン150の形成を簡単に行うことができる。
以上、本発明の駆動力伝達装置を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
(1)上記実施の形態では、押付力付与機構15の作動によってインナクラッチプレート80とアウタクラッチプレート81との間のクリアランスCを例えばC=0に短縮するための第1の押付力Pをピストン150に付与する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、押付力付与機構15の作動によってクラッチ8にクラッチプレート同士のクリアランスが初期状態の場合と比べて小さくなるような第1の押付力Pをピストン150に付与してもよい。すなわち要するに、本発明は、押付力付与機構がクラッチのクラッチプレート間隔を短縮するための第1の押付力をピストンに付与するものであればよい。
(2)上記実施の形態では、ハウジング12が入力軸側に、またインナシャフト13が出力軸側にそれぞれ連結されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、ハウジングを出力軸側に、またインナシャフトを入力軸側にそれぞれ連結しても本実施の形態と同様の効果を奏する。
1…駆動力伝達装置、2…プロペラシャフト、3…駆動力断続装置、20…玉軸受、21…針状ころ軸受、23…スペーサ、24…針状ころ軸受、25…スペーサ、26…針状ころ軸受、27…針状ころ軸受、30…第1のスプライン歯部、31…第2のスプライン歯部、32…スリーブ、4…装置ケース、40…一方のケース、400…胴部、400a…スプリング受面、401…底部、401a…挿通孔、401b…円筒部、401c…第1の油流通孔、401d…第2の油流通孔、41…他方のケース、41a…挿通孔、410a…円筒部、411a…円筒部、412a…内フランジ、413a…配管部、414a…センサ取付孔、42a…一方の空間、42b…他方の空間、43…オイルタンク、44…針状ころ軸受、47…油導入部、47a…大孔、47b…小孔、47c…座面、48…油導出部、49…復帰用スプリング、50…シール部材、51…シール機構、52…配管、53…針状ころ軸受、54…シール機構、55…圧力センサ、57,58…シール部材、417…油流動路、418…ポンプ、419…駆動源、6…歯車機構、60…ドライブピニオン、61…リングギヤ、7…歯車機構、70…ドライブピニオン、71…リングギヤ、8…クラッチ、80…インナクラッチプレート、80a…ストレートスプライン嵌合部、80b…油孔、81…アウタクラッチプレート、81a…ストレートスプライン嵌合部、11…押付部材、11a…ストレートスプライン嵌合部、12…ハウジング、12a…円筒部、120a…ストレートスプライン嵌合部、121a…スプライン歯、122a…貫通孔、12b…軸部、120b…凹孔、13…インナシャフト、13a…円筒部、130a…ストレートスプライン嵌合部、13b…軸部、13c…円筒部、13d,13e…段差面、15…押付力付与機構、150…ピストン、150a〜150c…円環部、151…圧力調整弁、152…弁体、153…スプリング、100…駆動力伝達装置、101…油導入部、101a…油流通路、102,103…配管、200…四輪駆動車、201…駆動力伝達系、202…エンジン、203…トランスミッション、204L,204R…前輪、205L,205R…後輪、206…フロントディファレンシャル、207…リヤディファレンシャル、208L,208R…前輪側のアクスルシャフト、209L,209R…サイドギヤ、210…ピニオンギヤ、211…ギヤ支持部材、212…フロントデフケース、213L,213R…後輪側のアクスルシャフト、214L,214R…サイドギヤ、215…ピニオンギヤ、216…ギヤ支持部材、217…リヤデフケース、P…第1の押付力、P…第2の押付力、P…所定圧、C…クリアランス、L…軸線、O…回転軸線、Q…油導入量、Q…油導出量

Claims (8)

  1. 車両の駆動源によって回転する第1の回転部材と、
    前記第1の回転部材にその回転軸線上で相対回転可能に配置された第2の回転部材と、
    前記第2の回転部材と前記第1の回転部材との間に介在して配置され、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とを断続可能に連結するクラッチと、
    前記クラッチに作動油の供給による移動によって押付力を付与するピストンを有する押付力付与機構と、
    前記押付力付与機構の前記ピストンを介して互いに隣接する2つの空間を有する装置ケースとを備え、
    前記装置ケースは、前記2つの空間のうち油供給側の空間からクラッチ側の空間に作動油を導入するための油導入部、及び前記油導入部の油導入能力よりも低い油導出能力をもって前記クラッチ側の空間からその外部に作動油を導出するための油導出部を有し、所定圧以上の油圧を作動油から受けて開放状態とする圧力調整弁が前記油導入部に配置されている
    駆動力伝達装置。
  2. 前記装置ケースは、前記油導入部及び前記油導出部にそれぞれ油流通路を有し、前記油導入部の油流通路の開口面積が前記油導出部の油流通路の開口面積よりも大きい面積に設定されている請求項1に記載の駆動力伝達装置。
  3. 前記押付力付与機構は、前記圧力調整弁の開放動作に先行してクラッチプレート間隔を短縮するための第1の押付力を、またクラッチプレート同士を摩擦係合させるための第2の押付力をそれぞれ前記押付力として前記ピストンが前記クラッチに付与する請求項1又は2に記載の駆動力伝達装置。
  4. 前記装置ケースは、前記ピストンを初期位置に復帰させるためのばね力をもつ復帰用スプリングを内蔵し、前記復帰用スプリングのばね力が前記押付力よりも小さい請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駆動力伝達装置。
  5. 前記装置ケースは、作動油を貯溜するオイルタンクを有し、前記オイルタンクが前記油供給側の空間にポンプを介して、また前記クラッチ側の空間に前記油導出部を介してそれぞれ接続されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の駆動力伝達装置。
  6. 前記装置ケースは、前記クラッチ側の空間における作動油の油面高さの上限高さを決定するための油流通孔を有し、前記油流通孔が配管を介して前記オイルタンクに接続されている請求項5に記載の駆動力伝達装置。
  7. 前記装置ケースは、前記油導入部が前記ピストンに配置されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駆動力伝達装置。
  8. 前記装置ケースは、前記油導入部が前記油供給側の空間及び前記クラッチ側の空間の外部に配置されている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の駆動力伝達装置。
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