JP2013219947A - ステータコアおよびそれを用いた回転電動機 - Google Patents

ステータコアおよびそれを用いた回転電動機 Download PDF

Info

Publication number
JP2013219947A
JP2013219947A JP2012089109A JP2012089109A JP2013219947A JP 2013219947 A JP2013219947 A JP 2013219947A JP 2012089109 A JP2012089109 A JP 2012089109A JP 2012089109 A JP2012089109 A JP 2012089109A JP 2013219947 A JP2013219947 A JP 2013219947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator core
slots
grooves
welding
stator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012089109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5844205B2 (ja
Inventor
Osamu Nakazaki
修 中▲崎▼
So Kinoshita
創 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=49591428&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2013219947(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Sumitomo Heavy Industries Ltd filed Critical Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority to JP2012089109A priority Critical patent/JP5844205B2/ja
Publication of JP2013219947A publication Critical patent/JP2013219947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5844205B2 publication Critical patent/JP5844205B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】コギングトルクを低減した回転電動機を提供する。
【解決手段】ステータコア100は、インナーロータ型の回転電動機に使用される。複数の鉄心片10は、それぞれの内周側に複数のスロット16および複数のティースが形成され、それぞれの外周側に実質的に等間隔に配置される複数の溶接溝18が形成される。複数の鉄心片10は厚み方向に積層され、対応する溶接溝18同士が溶接されて固着される。ステータコア100のスロット数をSとするとき、溶接溝18の個数Nは、値(S/N×2)が奇数であり、かつその値がスロット数Sの約数のうちの2つの公約数となるよう定められる。
【選択図】図7

Description

本発明は、インナーロータ型の回転電動機に関し、特に積層型のステータコア(固定子鉄心)を有する回転電動機に関する。
回転電動機のひとつに、インナーロータ型のブラシレスモータ(以下、単に回転電動機ともいう)が知られている。回転電動機は、インナーロータとアウターステータを備える。アウターステータは、ステータコアと、それに巻装された巻線(コイル)を有し、ステータコアは、プレス加工により切断、成形された薄型の鉄心片が積層されて構成される。図1(a)、(b)は、回転電動機のステータコア100の構成を示す図である。図1(a)は、鉄心片10の平面図であり、図1(b)は、鉄心片10の断面図であり、図1(c)はステータコア100全体を示す斜視図である。鉄心片10は、環状のヨーク12、複数のティース(歯部)14、複数のスロット(溝)16、複数の溶接溝18を備える。
複数のヨーク12は、環状のヨーク12から内側に突起している。隣接する2つのティース14の間には、巻線(不図示)が巻装されるスロット16が設けられる。ヨーク12の外側には、複数の溶接溝18が設けられる。
図1(c)に示すように、ステータコア100は円筒形状を有し、複数の鉄心片10が積層されて構成される。複数の鉄心片10同士は、ヨーク12の外側に設けられた溶接溝18において溶接によって機械的に接続される。
特開2007−14129号公報
回転電動機は、固定子巻線に電流を流さない状態において、ロータを回転させたときに回転角に応じて脈動する抗力が発生する。これはコギングトルクと称され、回転電動機を回転制御する際の外乱となり、装置の精度低下、効率の低下、騒音、振動の原因となるため、低減することが望まれる。
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、コギングトルクを低減した回転電動機の提供にある。
本発明のある態様は、インナーロータ型の回転電動機のステータコアに関する。ステータコアは、それぞれの内周側に複数のスロットおよび複数のティースが形成され、それぞれの外周側に実質的に等間隔に配置される複数の溶接溝が形成された複数の鉄心片を備える。複数の鉄心片は厚み方向に積層され、対応する溶接溝同士が溶接されて固着される。ステータコアのスロット数をSとするとき、溶接溝の個数Nは、値(S/N×2)が奇数であり、かつその値がスロット数Sの約数のうちの2つの公約数となるよう定められる。
本発明の別の態様もまた、ステータコアである。このステータコアは、それぞれの内周側に複数のスロットおよび複数のティースが形成され、それぞれの外周側に実質的に等間隔に配置されるM個(Mは偶数の整数)の溶接溝が形成された複数の鉄心片を備える。複数の鉄心片は厚み方向に積層され、対応する溶接溝同士が溶接されて固着される。N個の溶接溝のうち奇数番目のそれらにおいて複数の鉄心片を溶接したときのステータコアの内径の角度方向の分布と、N個の溶接溝のうち偶数番目のそれらにおいて複数の鉄心片を溶接したときのステータコアの内径の角度方向の分布とは、ある真円の径を基準として極性を反転した関係にある。
これらの態様によると、奇数番目の溶接溝により引き起こされるステータの内径の歪みと、偶数番目の溶接溝により引き起こされるステータの内径の歪みと、が互いに打ち消し合い、ステータを真円に近づけることができ、コギングトルクを低減できる。
本発明の別の態様は、回転電動機に関する。回転電動機は、ステータおよび永久磁石を有するロータを備える。ステータは、上述のステータコアと、ステータコアの複数のスロットそれぞれに巻装される複数の巻線と、を有する。
この態様によれば、コギングトルクが低減されるため、高効率化、静音化、低振動化などの効果を得ることができる。
本発明によれば、回転電動機のコギングトルクを低減できる。
図1(a)、(b)は、回転電動機のステータコアの構成を示す図である。 図2(a)、(b)は、磁極数P=16、スロット数S=18、N=6である鉄心片の構成を示す平面図である。 図2(a)の鉄心片を用いたステータコアおよび図1(a)の鉄心片を用いたステータコアそれぞれの、溶接による径方向の歪みの計算結果を示すチャート図である。 実施の形態に係るステータコアを備える回転電動機の構成を示す断面図である。 N=8、N=6それぞれにおける、高調波と、コギングトルクの計算結果を示す図である。 変形例に係る鉄心片の構成を示す平面図である。 図7(a)、(b)は、スロット数S=18、N=12である第2の実施の形態に係る鉄心片10aの構成を示す平面図である。 図2(a)の鉄心片、図2(b)の鉄心片、図7(a)の鉄心片、図7(b)の、それぞれを用いたステータコアの、溶接による径方向の歪みの計算結果を示す図である。 図2(a)の鉄心片、図2(b)の鉄心片、図7(a)の鉄心片、図7(b)の鉄心片、それぞれを用いたステータコアの、高調波と、コギングトルクの計算結果を示す図である。 さまざまなスロット数に対して、第1、第2条件のもとで選択可能な溶接溝の個数を示す図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(第1の実施の形態)
本発明者らは、図1に示すステータコア100について、コギングトルクを低減するための検討を行い、以下の着想を得た。なおこの検討により得られた知見は、当業者に周知ではなく、本発明者らが独自に認識したものである。
図1のステータコア100では、図1のステータコア100は、スロット数S=18であり、溶接溝18の個数としてN=8が選択されている。このようなステータコア100を用いて構成された回転電動機について、コギングトルクを解析したところ、コギングトルクは1.15[N・m]であり、さらに低減する必要がある。
本発明者らは、図1のステータコア100のコギングトルクが大きい理由として以下の2つの要因を見いだした。第1の要因は、溶接溝18の個数Nが、磁極数Pの約数となっていること、第2の要因は、溶接後のステータコア100が、楕円形状に変形していることである。
第1の要因について説明する。コギングトルクは、ロータの永久磁石の極数Pとスロット数Nの最小公倍数Xの脈動となって現れ、その大きさは脈動数Xに反比例する。したがってコギングトルクを低減するためには、脈動数Xを大きくすればよいことが知られている。
また、N個の溶接溝18において溶接されたステータコア100では、N次高調波が生ずる。上述のように磁極数Pとスロット数Sの最小公倍数Xの脈動が生ずるため、溶接溝18の個数Nは、磁極数Pを避けることが望ましい。また溶接溝18の個数Nが磁極数Pの約数である場合にも同様である。
第1の要因の検討結果から、溶接溝18の個数Nは、磁極数Pの非約数であることが望ましい。これを第1条件という。
第2要因について説明する。図1を参照すると、ある溶接溝18[1]、18[5]は、ティース14と対応する箇所に位置し、別の溶接溝18[3]、18[7]は、スロット16と対応する箇所に位置し、別の溶接溝18[2]、18[4]、18[6]、18[8]は、ティース14とスロット16の境界付近に位置する。鉄心片10の剛性は、必ずしも回転対称ではなく、ティース14の箇所とスロット16の箇所とでは、剛性が異なっている。したがって図1の鉄心片10を複数の溶接溝18において溶接すると、溶接溝18ごとに剛性が異なることにより、鉄心片10が楕円状に変形する。ステータコア100が楕円状に変形すると、2次高調波の成分が大きくなり、これによりコギングトルクが増大する。これが第2要因の原因である。なお、溶接溝18の分布に応じて、鉄心片10が真円から歪むという知見は当業者に知られたものではなく、本発明者らが初めて見いだしたものである。
第2の要因の検討結果から、複数の溶接溝18は、溶接後に鉄心片10が真円を保つように配置されることが望ましく、複数の溶接溝18それぞれが、鉄心片10の剛性が互いに等しい複数の箇所に均等に配置されることが望ましい。このためには、溶接溝18の個数Nは、スロット数Sの約数のうち2つの公倍数であることが望ましい。これを第2条件という。
以上の考察から、コギングトルクを低減するためには、第1条件および第2条件を満たすように溶接溝18の個数Nおよび配置を決定すればよい。
以下、磁極数P=16、スロット数S=18の回転電動機について、具体的に好ましい溶接溝の配置を説明する。
第1条件を考慮すると、溶接溝18の個数Nから、16の約数(1,2,4,8,16)が除外される。
第2条件を考慮する。スロット数S=18の約数は、1,2,3,6,9,18である。約数のうち2つの公倍数は、2,3,6,9,12,18,27,36,・・・54,108,162であり、これらの数が溶接溝18の個数Nに許容される候補となる。
第1条件および第2条件をともに満たす個数Nは、3,6,9,12,18,27,36,54,108,162となる。以下ではN=6の場合について、その効果を説明する。
図2(a)、(b)は、磁極数P=16、スロット数S=18、N=6である第1の実施の形態に係る鉄心片10の構成を示す平面図である。たとえば鉄心片10は、プレス加工により切断、成形される。6個の溶接溝18[1]〜18[6]は、実質的に等間隔に、すなわち60度ごとに配置される。図2(a)の鉄心片10では、6個の溶接溝18は、ティース14と対応する箇所に配置される。図2(b)の鉄心片10では、6個の溶接溝18は、スロット16と対応する箇所に配置される。
以上が実施の形態に係るステータコア100の構成である。続いてその利点を説明する。
図3は、図2(a)の鉄心片10を用いたステータコア100および図1(a)の鉄心片10を用いたステータコア100それぞれの、溶接による径方向の歪みの計算結果を示すチャート図である。計算は、FEM(有限要素法)構造解析を用いて行っており、図1(a)のN=8のモデルと、図2(a)のN=6のモデルについて行った。溶接による変形は、溶接溝18それぞれに対して、鉄心片10の外側から中心方向に向けて加重を与えることで模擬している。チャート中の1〜18はそれぞれティース14の位置を示している。N=8の場合、鉄心片10が楕円形状に変形するのに対して、N=6の場合、変形が抑制されており、溶接後においても真円に近い形状を維持できる。
図4は、実施の形態に係るステータコア100を備える回転電動機1の構成を示す断面図である。回転電動機1は、ステータ2とロータ4を備える。ロータ4は、永久磁石を有し、その磁極数Pは16である。ステータ2は、複数の鉄心片10を積層し、複数の溶接溝18において溶接することにより形成されるステータコア100と、ステータコア100のティース14を軸としてスロット16の部分に巻装される巻線20を備える。
図4の回転電動機1は、実施の形態に係るステータコア100を備えているため、コギングトルクを低減することができる。図5は、N=8、N=6それぞれにおける、高調波と、コギングトルクの計算結果を示す。N=8の場合、溶接により鉄心片10が楕円形に変形し、それによって2次高調波および8次高調波が顕著に表れることがわかる。このときのコギングトルクは1.15[N・m]である。N=6の場合、溶接による鉄心片10の変形が抑制されるため、2次高調波、8次高調波が低減される。その結果、コギングトルクは0.20[N・m]とN=8の場合の1.15[N・m]に比べて82%低減できる。
コギングトルクの低減によって、回転電動機1は、装置の精度の向上、効率の上昇、騒音、振動の低減などの効果を得ることができる。
以上、本発明について、第1の実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
実施の形態では、鉄心片10が一体形成される場合を説明したが、本発明はそれには限定されない。図6は、変形例に係る鉄心片10の構成を示す平面図である。鉄心片10は、複数S個のティース片22に分割して形成される。複数のティース片22が円環状に連結されることにより、鉄心片10が形成される。個々のティース片22はティース14の中央においてさらに2つのティース片22a、22bに分割されてもよい。
図6に示すように、鉄心片10が複数のティース片22の連結により形成される場合においても、図1の鉄心片10と同様に、溶接による変形が発生しうる。したがって複数のティース片を有する鉄心片10についても、第1条件、第2条件を満たすように溶接溝18の個数Nを決定することにより、コギングトルクを低減できる。
実施の形態では、スロット数S=18、磁極数P=16の場合を説明したが、本発明はそれには限定されず、任意のスロット数S、任意の磁極数Pの組み合わせに適用可能である。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、第1の実施の形態よりもさらにコギングトルクを低減可能なステータコア100の構成を説明する。
図7(a)、(b)は、スロット数S=18、N=12である第2の実施の形態に係る鉄心片10aの構成を示す平面図である。図7(a)の鉄心片10aは、N=12個の溶接溝18[1]〜18[12]を備えており、それらは実質的に等間隔に、すなわち30度ごとに設けられる。図7の溶接溝18[1]〜18[6]はティース14と対応する箇所に設けられており、図2(a)の溶接溝18[1]〜18[6]に対応する。また図7の溶接溝18[7]〜18[12]は、スロット16と対応する箇所に設けられており、図2(b)の溶接溝18[1]〜18[6]に対応する。
図7(b)の鉄心片10bは、図7(a)の鉄心片10aの変形例であり、図7(a)の鉄心片10aから、溶接溝18を7度時計回りに回転させたものである。
第2の実施の形態に係るステータコア100は、図7(a)、(b)の鉄心片10aあるいは10bを積層し、溶接溝18において溶接することにより構成される。
図8は、図2(a)の鉄心片、図2(b)の鉄心片、図7(a)の鉄心片、図7(b)の、それぞれを用いたステータコアの、溶接による径方向の歪みの計算結果を示す図である。横軸はティース14の番号を、縦軸はステータの内径を示す。(i)は図2(a)の鉄心片10を用いた場合、(ii)は図2(b)の鉄心片10を用いた場合、(iii)は図7(a)の鉄心片10aを用いた場合、(iv)は、図7(b)の鉄心片10bを用いた場合のステータの内径を示す。
図2(a)の鉄心片10において、溶接溝18は、3、6、9、12、15、18番目のティースと対応する箇所に設けられる。したがって(i)で示すように溶接溝18が設けられる箇所の内径が小さくなる。
図2(b)の鉄心片10において、溶接溝18は、1番目と2番目のティース14の間のスロット、4番目と5番目のティース14の間のスロット、10番目と11番目のティース14の間のスロット、13番目と14番目のティース14の間のスロット、16番目と17番目のティース14の間のスロットに対応する箇所に設けられる。このときステータの内径は、(ii)に示すように、3、6、9、12、15、18番目のティース14に対応する箇所で小さくなる。
(i)と(ii)を比較すると、図2(a)と図2(b)の鉄心片10を用いた場合で、ステータの内径の分布は、位相(極性)が反転していることがわかる。
図7(a)の鉄心片10aは、図2(a)と図2(b)の鉄心片10を組み合わせた構成と把握できる。図7(a)の鉄心片10aを用いた場合、(iii)に示すように、(i)と(ii)の内径の変動が打ち消し合い、内径を高い精度で均一化することができる。
(iv)に示すように、図7(b)の鉄心片10bを用いた場合、図7(a)の鉄心片10aを用いた場合に比べてステータの内径のばらつきはわずかに大きくなるが、図2(a)、(b)の鉄心片10に比べれば十分にばらつきが小さいことがわかる。すなわち溶接溝18は実質的に等間隔に配置されていれば、ステータの内径のばらつきを低減できる。
図9は、図2(a)の鉄心片、図2(b)の鉄心片、図7(a)の鉄心片、図7(b)の鉄心片、それぞれを用いたステータコアの、高調波と、コギングトルクの計算結果を示す図である。
図7(a)の鉄心片10aを用いた場合、図2(a)の鉄心片10を用いた場合に比べて、ステータが真円に近づき、6次の高調波成分を大幅に低減することができ、コギングトルクを82.7%低減することができる。同様に、図7(b)の鉄心片10bを用いた場合でも、図2(a)の鉄心片10を用いた場合に比べて、6次の高調波成分を大幅に低減することができ、コギングトルクを81.9%低減することができる。
以上、第2の実施の形態に係るステータコア100について説明した。
第1の実施の形態では、溶接溝18の個数Nが、磁極数Pの非約数であることが必要とされ、溶接溝18の個数を選択する上での大きな制約となる。一方で、第2の実施の形態で説明したコギングトルクの低減の効果は、図7(a)、(b)に示す鉄心片10a、10bのように、溶接後のステータが真円となるように複数の溶接溝18が配置できれば、溶接溝18の個数が、磁極数Pにより制約されないことを示唆している。
以上の考察から、第2の実施の形態における溶接溝18の個数Nの選定条件として、以下の第1、第2条件が導かれる。
ステータコアのスロット数をSとするとき、溶接溝18の個数Nは、値(S/N×2)が奇数でなければならない(第1条件)。また、値(S/N×2)が、スロット数Sの約数のうちの2つの公約数でなければならない(第2条件)。
図10は、さまざまなスロット数Sに対して、第1、第2条件のもとで選択可能な溶接溝18の個数Nを示す図である。具体的には、スロット数S=18のとき、溶接溝の個数Nは、12または36であればよい。スロット数S=24のとき、溶接溝の個数Nは、16または48であればよい。スロット数S=36のとき、溶接溝の個数Nは、8、24、72のいずれかであればよい。スロット数S=48のとき、溶接溝の個数Nは、32または96のいずれかであればよい。
さらに別の観点から見ると、第2の実施の形態におけるステータコア100は、以下のように把握することが可能である。すなわち、N個の溶接溝のうち奇数番目のそれらにおいて複数の鉄心片を溶接したときのステータコア100の内径の角度方向の分布と、N個の溶接溝のうち偶数番目のそれらにおいて複数の鉄心片を溶接したときのステータコアの内径の角度方向の分布とは、ある真円の径を基準として極性を反転した関係にあればよい。たとえばS=36、N=12の場合、図8に示すように奇数番目の溶接溝で溶接したときの内径分布(i)と、偶数番目の溶接溝で溶接したときの内径分布(ii)とは、仮想的な真円の内径89.95mmを基準として極性を判定した関係にある。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
1…回転電動機、2…ステータ、4…ロータ、100…ステータコア、10…鉄心片、12…ヨーク、14…ティース、16…スロット、18…溶接溝、20…巻線、22…ティース片。

Claims (10)

  1. インナーロータ型の回転電動機のステータコアであって、
    それぞれの内周側に複数のスロットおよび複数のティースが形成され、それぞれの外周側に実質的に等間隔に配置される複数の溶接溝が形成された複数の鉄心片を備え、
    前記複数の鉄心片は厚み方向に積層され、対応する溶接溝同士が溶接されて固着され、
    前記ステータコアのスロット数をSとするとき、前記溶接溝の個数Nは、値(S/N×2)が奇数であり、かつその値がスロット数Sの約数のうちの2つの公約数となるよう定められることを特徴とするステータコア。
  2. インナーロータ型の回転電動機のステータコアであって、
    それぞれの内周側に複数のスロットおよび複数のティースが形成され、それぞれの外周側に実質的に等間隔に配置されるM個(Mは偶数の整数)の溶接溝が形成された複数の鉄心片を備え、
    前記複数の鉄心片は厚み方向に積層され、対応する溶接溝同士が溶接されて固着され、
    前記N個の溶接溝のうち奇数番目のそれらにおいて前記複数の鉄心片を溶接したときの前記ステータコアの内径の角度方向の分布と、前記N個の溶接溝のうち偶数番目のそれらにおいて前記複数の鉄心片を溶接したときの前記ステータコアの内径の角度方向の分布とは、ある真円の径を基準として極性を反転した関係にあることを特徴とするステータコア。
  3. 前記複数の溶接溝は、奇数番目のそれらが、ティースに対応する箇所に配置され、偶数番目のそれらがスロットに対応する箇所に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のステータコア。
  4. スロット数S=18であり、前記溶接溝の個数Nは、12または36であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のステータコア。
  5. スロット数S=24であり、前記溶接溝の個数Nは、16または48であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のステータコア。
  6. スロット数S=36であり、前記溶接溝の個数Nは、8、24、72のいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のステータコア。
  7. スロット数S=48であり、前記溶接溝の個数Nは、32または96のいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のステータコア。
  8. 前記複数の鉄心片はそれぞれ、プレスにより一体形成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のステータコア。
  9. 前記複数の鉄心片はそれぞれ、ティースごとに分割形成されたティース片を円環状に連結して形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のステータコア。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のステータコアと、前記ステータコアの前記複数のスロットそれぞれに巻装される複数の巻線と、を有するステータと、
    永久磁石を有するロータと、
    を備えることを特徴とする回転電動機。
JP2012089109A 2012-04-10 2012-04-10 ステータコアおよびそれを用いた回転電動機 Active JP5844205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089109A JP5844205B2 (ja) 2012-04-10 2012-04-10 ステータコアおよびそれを用いた回転電動機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089109A JP5844205B2 (ja) 2012-04-10 2012-04-10 ステータコアおよびそれを用いた回転電動機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013219947A true JP2013219947A (ja) 2013-10-24
JP5844205B2 JP5844205B2 (ja) 2016-01-13

Family

ID=49591428

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012089109A Active JP5844205B2 (ja) 2012-04-10 2012-04-10 ステータコアおよびそれを用いた回転電動機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5844205B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019201460A (ja) * 2018-05-15 2019-11-21 三菱電機株式会社 回転電機
US10637308B2 (en) 2015-05-19 2020-04-28 Mitsubishi Electric Corporation Rotary electrical machine including an armature core
US11601021B2 (en) 2019-05-08 2023-03-07 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Stator and motor

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5317903A (en) * 1976-08-04 1978-02-18 Hitachi Ltd Manufacturing method of stator iron core
JPH1198793A (ja) * 1997-09-25 1999-04-09 Aisin Aw Co Ltd 電動機
JP2001136685A (ja) * 1999-11-09 2001-05-18 Tamagawa Seiki Co Ltd 鉄芯積層構造
JP2001258225A (ja) * 2000-03-09 2001-09-21 Toyoda Mach Works Ltd モータ
JP2004274970A (ja) * 2003-03-12 2004-09-30 Mitsubishi Electric Corp 回転電機
JP2007014129A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Mitsui High Tec Inc 固定子積層鉄心

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5317903A (en) * 1976-08-04 1978-02-18 Hitachi Ltd Manufacturing method of stator iron core
JPH1198793A (ja) * 1997-09-25 1999-04-09 Aisin Aw Co Ltd 電動機
JP2001136685A (ja) * 1999-11-09 2001-05-18 Tamagawa Seiki Co Ltd 鉄芯積層構造
JP2001258225A (ja) * 2000-03-09 2001-09-21 Toyoda Mach Works Ltd モータ
JP2004274970A (ja) * 2003-03-12 2004-09-30 Mitsubishi Electric Corp 回転電機
JP2007014129A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Mitsui High Tec Inc 固定子積層鉄心

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10637308B2 (en) 2015-05-19 2020-04-28 Mitsubishi Electric Corporation Rotary electrical machine including an armature core
JP2019201460A (ja) * 2018-05-15 2019-11-21 三菱電機株式会社 回転電機
US10992191B2 (en) 2018-05-15 2021-04-27 Mitsubishi Electric Corporation Rotating electrical machine
US11601021B2 (en) 2019-05-08 2023-03-07 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Stator and motor

Also Published As

Publication number Publication date
JP5844205B2 (ja) 2016-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101231024B1 (ko) 컨시퀀트 극 영구자석 모터
JP5974599B2 (ja) 回転電機
JP5751794B2 (ja) 電気式乗物のための牽引モータ
JP5885890B1 (ja) 回転電機用固定子コア、回転電機及び回転電機の製造方法
JP5575337B1 (ja) 回転電機
JP6161707B2 (ja) 同期電動機
JP2010098929A (ja) ダブルギャップモータ
JP2016111842A (ja) ダブルステータ型回転電機
JP2015154582A (ja) 三相回転電機のステータ
JP2008306849A (ja) 回転電機
JP6239090B2 (ja) 回転電機
JP2012016126A (ja) モータ
JP5844204B2 (ja) ステータコアおよびそれを用いた回転電動機
US10153673B2 (en) Production method for rotating electrical machine
JP2014150710A (ja) 回転電機
JP5835253B2 (ja) 回転電機
JP5844205B2 (ja) ステータコアおよびそれを用いた回転電動機
JP2011223676A (ja) 永久磁石式電動機
JP2014180193A (ja) 高い応答性を有する同期電動機
JP5860760B2 (ja) ブラシレスモータ及びブラシレスモータの製造方法
JP5337382B2 (ja) 永久磁石式同期モータ
JP5947744B2 (ja) 回転電機のステータ、および、回転電機
WO2010092724A1 (ja) 発電装置
JP5894036B2 (ja) ブラシレスモータ
JP5467840B2 (ja) 永久磁石モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150825

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151023

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5844205

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150