JP5894036B2 - ブラシレスモータ - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、前記ロータの磁極の数をn個とした場合に、前記ステータコアは、同一の打ち抜き型で打ち抜かれたコアシート、又は同一の打ち抜き型で打ち抜かれたままの周方向の角度で予め設定された数だけ積層されたコアシート群が、(i(但しiは自然数)×n)<(nとmの最小公倍数)を満たし、且つ、(i×n×j(但しjは自然数)×(360/m))=(360×N(但しNは自然数))を満たさないjの解における1つの解と、スロット間隔角度であるkとの積の角度だけ周方向に回転されつつ積層されてなることを要旨とする。
上記構成によれば、形状変化部が固定部材の周面に対して点接触するようになるため、ステータコアに生じる応力を全体としてより低減することが可能になる。
図1に示すように、ブラシレスモータ1の固定部材としてのケース2は、有底筒状に形成された筒状ハウジング3と、該筒状ハウジング3のフロント側(図1中、左側)の開口部を閉塞するフロントエンドプレート4とを有している。また、筒状ハウジング3のリア側(図1中、右側)の端部には、回路基板等の電源回路を収容した回路収容ボックス5が取着されている。
図2(a),(b)に示すように、ステータ6のステータコア7は、電磁鋼板からなる複数のコアシート11〜16が軸方向に積層されてなり、環状部21と該環状部21から径方向内側に延びるm個のティース22とを有する。本実施形態では、ティース22は、60個形成されており(m=60)、ティース22間に形成されるスロットSの数mも60個とされている。また、ティース22において、後述するセグメント巻線31が巻装される部分は、径方向内側ほど周方向の幅が狭くなる縮幅部22aとされている。なお、ティース22における縮幅部22aよりも径方向内側には、周方向両側に僅かに突出した形状のロータ対向部22bが形成されている。そして、ステータコア7は、図1に示すように、ティース22の径方向外側端部同士を繋ぐ環状部21が筒状ハウジング3の内周面に圧接されて保持されている。
詳述すると、コアシート11〜16は、図示しない同一の打ち抜き型で(電磁鋼板から)打ち抜かれている。そして、ステータコア7は、コアシート11〜16を、
(i(但しiは自然数)×n)<(nとmの最小公倍数)を満たし、且つ、
(i×n×j(但しjは自然数)×(360/m))=(360×N(但しNは自然数))を満たさないjの解における1つの解と、スロットSの間隔角度であるk(即ち360°/m)との積の角度だけ周方向に回転させつつ積層することにより形成されている。
(i(但しiは自然数)×n)<(nとmの最小公倍数)を満たすという条件より、
(i(但しiは自然数)×10)<60を満たすことになり、
更にi(但しiは自然数)<6を満たすことになり、
iの解は、1、2、3、4、5(即ち1〜5の整数)となる。
(i×n×j(但しjは自然数)×(360/m))=(360×N(但しNは自然数))を満たさないという条件より、
(i(但しiは1〜5の整数)×10×j(但しjは自然数)×(360/60))=(360×N(但しNは自然数))を満たさないことになり、
更に、j(但しjは自然数)=(6×N(但しNは自然数))/i(但しiは1〜5の整数)を満たさないことになり、
j(但しjは自然数)=6N(但しNは自然数)を満たさず、且つj(但しjは自然数)=3N(但しNは自然数)を満たさず、且つj(但しjは自然数)=2N(但しNは自然数)を満たさず、且つj(但しjは自然数)=1.5N(但しNは自然数)を満たさず、且つj(但しjは自然数)=1.2N(但しNは自然数)を満たさないことになる。
本実施形態では、図示しない同一の打ち抜き型で(電磁鋼板から)打ち抜かれたコアシート11〜16は、jの解における1つの解である「5」を採用して「5」と、スロットSの間隔角度であるk(本実施形態では360°/m=「6°」)との積の角度である「30°」だけ周方向に回転させつつ積層されている。
詳しくは、本実施形態では、磁極の数nが10(n=10)で、スロットSの間隔角度であるk(即ち360°/m)が6°(k=6)であるため、(10×6)と360との最小公倍数(即ち360)を(10×6)で割り算した値(即ち6)の倍数である24枚だけコアシート11〜16が積層されてステータコア7が形成されている。
詳述すると、図3に示すように、形状変化部53は、コアシート11〜16が回転される角度(j×k)である30°と360°との公約数の角度間隔で形成されている。本実施形態では、形状変化部53は、コアシート11〜16が下方のコアシート11〜16に対して回転される角度である30°と360°との最大公約数の角度間隔である30°間隔で、12箇所に形成されている。これにより、各形状変化部53はそのティース22に対する位置が同一となるとともに、図4に示すように、コアシート11〜16の各形状変化部53が軸方向に沿って並置されている。また、図3に示すように、形状変化部53は、複数(本実施形態では、一対)の円弧状の凹凸を組み合わせてなる波形状とされている。そして、形状変化部53における波形状の径方向外側に突出した部分の先端53aは、ティース22の周方向中央位置と径方向において対向した位置に形成されている。
本実施形態のステータコアの製造方法は、上記(j×k)の角度だけ周方向に回転させつつ積層してステータコア7を形成する「回転積層工程」を備えている。
上記ブラシレスモータ1では、回路収容ボックス5内の電源回路からセグメント巻線31に駆動電流が供給されると、ステータ6でロータ41を正回転又は逆回転させるための回転磁界が発生され、ティース22とロータ41間で磁束が授受されつつロータ41が回転駆動される。そして、各磁極(磁石磁極である永久磁石44、及び疑似磁極である突極49)がティース22の先端(ロータ対向部22b)の近傍を横切る際の磁束の流れの変化により、図6に示す特性Xのコギングトルクが発生する。
(1)コアシート11〜16に、筒状ハウジング3の内周面との接触面積を小さくする複数の形状変化部53が周方向に間隔を空けて形成したため、ステータコア7をケース2(筒状ハウジング3)の内周面に固定する際に、該ステータコア7の一部にのみ筒状ハウジング3から荷重が作用するようになる。これにより、ステータコア7に生じる応力を全体として低減することができ、電磁鋼板からなるコアシート11〜16の磁気特性が劣化することが抑制できる。したがって、インナロータ型のブラシレスモータ1において、ステータコア7をケース2の内周面に圧接させて固定しても鉄損が増加し難くなり、モータ効率の低下を抑制することができる。
・上記実施形態では、有底筒状に形成された筒状ハウジング3を用いたが、この底部に相当する部位には筒状ハウジング3と別体の例えば円板状のリヤエンドプレートを用いてもよい。
・上記実施形態では、形状変化部53をコアシート11〜16が回転される角度(j×k)と360°との公約数の角度間隔を空けて形成したが、当該角度間隔以外の任意の角度間隔を空けて形成してもよい。なお、この場合において、各形状変化部53のティース22に対する周方向の相対位置が同一となるように形成することで、コアシート11〜16を積層する際に、形状変化部53を基準として、容易にコアシート11〜16を周方向に所定角度だけ回転させることができる。これにより、コアシート11〜16に周方向の位置決めをするための位置決め部を別途形成せずともよくなり、コアシート11〜16の形状が複雑化することを抑制できる。
また、この場合、圧入凹部51及び圧入凸部52は、m個、即ち6°毎に形成する。
このようにすると、コアシート11〜16の環状部21には、スロットS(ティース22)と同数であるm個の固定部(圧入凹部51及び圧入凸部52)が周方向に等角度間隔で形成されるため、各ティース22に対する固定部の位置が全て同じとなり、固定部によるコギングトルク特性の悪化を防ぐことができる。
・上記実施形態では、ティース22の巻線(セグメント巻線31)が巻装される部分が、ロータ41と対向する側ほど周方向の幅が狭くなる縮幅部22aとされるとしたが、これに限定されず、巻線が巻装される部分の幅が一定とされたものに変更してもよい。
Claims (11)
- 筒状の固定部材と、前記固定部材の周面に固定されるステータと、前記ステータと径方向に対向配置されるロータとを備え、
前記ステータは、径方向に延びる複数のティースを有するステータコア、及び前記ティース間のスロットに配置されるとともに前記ティースに巻装される巻線を有し、前記ステータコアは、複数のコアシートが周方向に回転されつつ軸方向に積層されてなるとともに前記固定部材の周面に圧接されて保持されたブラシレスモータであって、
前記コアシートには、前記固定部材の周面との接触面積を小さくする複数の形状変化部が周方向に間隔を空けて形成されており、
前記スロットの数をm個とした場合に、
前記コアシートにおける前記ティースの径方向端部同士を繋ぐ環状部には、積層されるコアシート同士を固定するための固定部が、前記コアシートが回転される角度と360°との公約数の角度間隔で、m個よりも少ない数だけ形成されたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、
前記ロータの磁極の数をn個とした場合に、
前記ステータコアは、
同一の打ち抜き型で打ち抜かれたコアシート、又は同一の打ち抜き型で打ち抜かれたままの周方向の角度で予め設定された数だけ積層されたコアシート群が、
(i(但しiは自然数)×n)<(nとmの最小公倍数)を満たし、且つ、
(i×n×j(但しjは自然数)×(360/m))=(360×N(但しNは自然数))を満たさないjの解における1つの解と、スロット間隔角度であるkとの積の角度だけ周方向に回転されつつ積層されてなることを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項2に記載のブラシレスモータにおいて、
前記形状変化部は、前記コアシートが回転される角度と360°との公約数の角度間隔で形成されたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項2又は3に記載のブラシレスモータにおいて、
前記ステータコアは、
前記コアシート、又は前記コアシート群が、
(n×k)と360との最小公倍数を(n×k)で割り算した値の倍数の数だけ積層されてなることを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記各形状変化部は、該各形状変化部の前記ティースに対する位置が同一となるように形成されたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記形状変化部は、波形状とされたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項6に記載のブラシレスモータにおいて、
前記形状変化部における波形状の径方向外側に突出した部分の先端は、前記ティースの周方向中央位置と径方向において対向した位置に形成されたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記固定部は、前記ティースの周方向中央位置と径方向において対向した位置に形成されたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記固定部材は、筒状のケースであり、
前記ステータコアは、前記ティースの径方向外側端部同士を繋ぐ環状部が前記ケースの周面である内周面に圧接されて保持されたことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記巻線は、複数のセグメント導体同士が電気的に接続されて構成されるセグメント巻線であり、前記スロットには前記セグメント導体が径方向に沿って並ぶように配置されることを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1〜10のいずれか一項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記ティースの前記巻線が巻装される部分は、前記ロータと対向する側ほど周方向の幅が狭くなる縮幅部とされたことを特徴とするブラシレスモータ。
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