JP2013216853A - 粘着剤組成物および粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モノビニル置換芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体からなるベースポリマーと、水酸基価80mgKOH/g以上の粘着付与樹脂と、を含有する粘着剤組成物が提供される。かかる粘着剤組成物によると、継続的な応力に対する耐性の高い粘着シートが実現され得る。
【選択図】図5
Description
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、製品として実際に提供される本発明の粘着シートのサイズや縮尺を正確に表したものではない。
また、スチレン系ブロック共重合体に占めるジブロック体の割合(以下「ジブロック体比率」または「ジブロック比」ということがある。)は、次の方法により求められる。すなわち、スチレン系ブロック共重合体をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、東ソー(株)製GS5000H及びG4000Hの液体クロマトグラフ用カラムをそれぞれ2段づつ計4段を直列につなぎ、移動相にTHFを用いて、温度40℃、流量1ml/minの条件下で高速液体クロマトグラフィを行い、得られたチャートからジブロック体に対応するピーク面積を測定し、全体のピーク面積に対する前記ピーク面積の100分率を算出することにより求められる。
ここに開示される粘着シート(テープ状等の長尺状の形態であり得る。)は、例えば、図1に示す断面構造を有する両面粘着シートの形態であり得る。この両面粘着シート1は、基材としてのプラスチックフィルム15と、その基材15の両面にそれぞれ支持された第一粘着剤層11および第二粘着剤層12とを備える。より詳しくは、基材15の第一面15Aおよび第二面15B(いずれも非剥離性)に、第一粘着剤層11および第二粘着剤層12がそれぞれ設けられている。使用前(被着体への貼り付け前)の両面粘着シート1は、図1に示すように、前面21Aおよび背面21Bがいずれも剥離面である剥離ライナー21と重ね合わされて渦巻き状に巻回された形態であり得る。かかる形態の両面粘着シート1は、第二粘着剤層12の表面(第二粘着面12A)が剥離ライナー21の前面21Aにより、第一粘着剤層11の表面(第一粘着面11A)が剥離ライナー21の背面21Bにより、それぞれ保護されている。あるいは、第一粘着面11Aおよび第二粘着面12Aが2枚の独立した剥離ライナーによりそれぞれ保護された形態であってもよい。
ここに開示される技術における粘着剤(粘着剤組成物の固形分または粘着剤層の構成材料としても把握され得る。)は、ベースポリマーとして、モノビニル置換芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体を含有する。上記モノビニル置換芳香族化合物とは、ビニル基を有する官能基が芳香環に1つ結合した化合物を指す。上記芳香環の代表例として、ベンゼン環(ビニル基を有しない官能基(例えばアルキル基)で置換されたベンゼン環であり得る。)が挙げられる。上記モノビニル置換芳香族化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等が挙げられる。上記共役ジエン化合物の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。このようなブロック共重合体は、1種を単独で、または2種以上を併用してベースポリマーに用いることができる。
ここに開示される技術の好ましい一態様では、上記ベースポリマーがスチレン系ブロック共重合体である。例えば、上記ベースポリマーがスチレンイソプレンブロック共重合体およびスチレンブタジエンブロック共重合体の少なくとも一方を含む態様で好ましく実施され得る。粘着剤に含まれるスチレン系ブロック共重合体のうち、スチレンイソプレンブロック共重合体の割合が70質量%以上であるか、スチレンブタジエンブロック共重合体の割合が70質量%以上であるか、あるいはスチレンイソプレンブロック共重合体とスチレンブタジエンブロック共重合体との合計割合が70質量%以上であることが好ましい。好ましい一態様では、上記スチレン系ブロック共重合体の実質的に全部(例えば95〜100質量%)がスチレンイソプレンブロック共重合体である。他の好ましい一態様では、上記スチレン系ブロック共重合体の実質的に全部(例えば95〜100質量%)がスチレンブタジエンブロック共重合体である。これらの組成によると、継続的に加わる応力に対する耐性に優れ、かつ他の粘着特性とのバランスの良い粘着シートが好適に実現され得る。
ここに開示される技術における粘着剤は、ベースポリマー(例えばスチレン系ブロック共重合体)に加えて、粘着付与樹脂を含有する。かかる粘着付与樹脂としては、公知の石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、ロジン誘導体樹脂、ケトン系樹脂等の各種粘着付与剤樹脂から選択される1種または2種以上を用いることができる。上記石油樹脂としては、脂肪族系(C5系)石油樹脂、芳香族系(C9系)石油樹脂、C5/C9共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、これらの水素化物等が例示される。上記テルペン樹脂としては、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン樹脂(以下、後述する変性テルペン樹脂との区別を明確にするために「未変性テルペン樹脂」ということもある。);これらのテルペン樹脂を変性(フェノール変性、スチレン変性、水素添加変性、炭化水素変性等)した変性テルペン樹脂;等が挙げられる。上記変性テルペン樹脂の例としては、テルペンフェノール樹脂、スチレン変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂等が挙げられる。
ここに開示される技術における粘着剤は、上記粘着付与樹脂として、水酸基価(OH価)が80mgKOH/g以上(典型的には80〜250mgKOH/g、例えば80〜220mgKOH/g)の粘着付与樹脂(TH)を含有することによって特徴づけられる。かかる粘着付与樹脂(TH)を含む組成の粘着剤は、例えば、該粘着付与樹脂(TH)の全量をより水酸基価の低い(例えば、水酸基価が0〜60mgKOH/g程度の)粘着付与樹脂に置き換えた組成の粘着剤に比べて、継続的な応力に対する耐性(特に、湿熱条件下における耐性)が顕著に改善されたものとなり得る。したがって、上記粘着付与樹脂(TH)を含む組成の粘着剤によると、上記継続的な応力に対する耐性と粘着力とのバランスに優れた粘着シートが実現され得る。
[水酸基価の測定方法]
1.試薬
(1)アセチル化試薬としては、無水酢酸約12.5g(約11.8ml)を取り、これにピリジンを加えて全量を50mlにし、充分に攪拌したものを使用する。または、無水酢酸約25g(約23.5ml)を取り、これにピリジンを加えて全量を100mLにし、充分に攪拌したものを使用する。
(2)測定試薬としては、0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液を使用する。
(3)その他、トルエン、ピリジン、エタノールおよび蒸留水を準備する。
2.操作
(1)平底フラスコに試料約2gを精秤採取し、アセチル化試薬5mlおよびピリジン10mlを加え、空気冷却管を装着する。
(2)上記フラスコを100℃の浴中で70分間加熱した後、放冷し、冷却管の上部から溶剤としてトルエン35mlを加えて攪拌した後、蒸留水1mlを加えて攪拌することにより無水酢酸を分解する。分解を完全にするため再度浴中で10分間加熱し、放冷する。
(3)エタノール5mlで冷却管を洗い、取り外す。次いで、溶剤としてピリジン50mlを加えて攪拌する。
(4)0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液を、ホールピペットを用いて25mL加える。
(5)0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で電位差滴定を行う。得られた滴定曲線の変曲点を終点とする。
(6)空試験は、試料を入れないで上記(1)〜(5)を行う。
3.計算
以下の式により水酸基価を算出する。
水酸基価(mgKOH/g)=[(B−C)×f×28.05]/S+D
ここで、
B: 空試験に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、
C: 試料に用いた0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、
f: 0.5mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、
S: 試料の質量(g)、
D: 酸価、
28.05: 水酸化カリウムの分子量56.11の1/2、
である。
ここに開示される粘着剤は、上記高水酸基価粘着付与樹脂に加えて、水酸基価が0以上80mgKOH/g未満の粘着付与樹脂(低水酸基価粘着付与樹脂(TL))をさらに含有し得る。かかる粘着付与樹脂(TL)としては、上述した各種の粘着付与樹脂のうち水酸基価が上記範囲にあるものを、単独で、あるいは適宜組み合わせて用いることができる。例えば、水酸基価が0以上80mgKOH/g未満(典型的には0以上60mgKOH/g未満、好ましくは0以上40mgKOH/g未満、例えば0以上20mgKOH/g未満)の石油樹脂(例えば、C5系石油樹脂)、テルペン樹脂(例えば、β−ピネン重合体、テルペンフェノール樹脂等)、ロジン系樹脂(例えば、重合ロジン)、ロジン誘導体樹脂(例えば、重合ロジンのエステル化物)等を用いることができる。
ここに開示される粘着剤が高水酸基価粘着付与樹脂に加えて低水酸基価粘着付与樹脂を含む場合、それらの使用量の関係は、低水酸基価粘着付与樹脂:高水酸基価粘着付与樹脂の質量比が1:5〜3:1(より好ましくは1:5〜2:1)となるように設定することが好ましい。ここに開示される技術は、低水酸基価粘着付与樹脂よりも高水酸基価粘着付与樹脂を多く含む態様(例えば、低水酸基価粘着付与樹脂:高水酸基価粘着付与樹脂の質量比が1:1.2〜1:5)で好ましく実施され得る。かかる態様によると、継続的な応力に対する耐性がより高い粘着シートが実現され得る。
ここに開示される粘着剤が低軟化点樹脂と高軟化点樹脂とを含む場合、それらの使用量の関係は、低軟化点樹脂:高軟化点樹脂の質量比が1:5〜3:1(より好ましくは1:5〜2:1)となるように設定することが好ましい。ここに開示される技術は、低軟化点樹脂よりも高軟化点樹脂を多く含む態様(例えば、低軟化点樹脂:高軟化点樹脂の質量比が1:1.2〜1:5)で好ましく実施され得る。かかる態様によると、継続的な応力に対する耐性(例えば、定荷重剥離特性)により優れた粘着シートが実現され得る。
ここに開示される粘着剤組成物は、モノビニル置換芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体からなるベースポリマーと、粘着付与樹脂とを含む形態であって、上記粘着付与樹脂としてテルペンフェノール樹脂Aとテルペンフェノール樹脂Bとを少なくとも含む形態で好ましく実施され得る。ここで、テルペンフェノール樹脂Aおよびテルペンフェノール樹脂Bは、テルペンフェノール樹脂Aの水酸基価AOH(mgKOH/g)とテルペンフェノール樹脂Bの水酸基価BOH(mgKOH/g)とがAOH>BOHの関係を満たすように選択されることが好ましい。かかるテルペンフェノール樹脂A,Bを組み合わせて使用することにより、例えば、粘着シートの剥離強度(特に、経時後の剥離強度)が改善され得る。
ここに開示される技術は、上記粘着剤がベースポリマーおよび粘着付与樹脂に加えてさらにイソシアネート化合物を含む態様で好ましく実施され得る。かかる態様によると、継続的な応力に対する耐性(例えば耐反撥性)がさらに改善され得る。かかる効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、例えば、上述したミクロ相分離構造において相分離部の間に架橋構造が形成されることにより、より安定した性能向上効果が発揮され得るものと考えられる。
(1)モノビニル置換芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体からなるベースポリマーと、
水酸基価100〜220mgKOH/g(好ましくは110〜180mgKOH/g、例えば125〜170mgKOH/g)の高水酸基価粘着付与樹脂(TH)と、
を含有する、粘着剤組成物。
(2)上記高水酸基価粘着付与樹脂(TH)として、軟化点が120℃以上(より好ましくは120℃超、例えば125℃以上)の高軟化点樹脂を含む、上記(1)に記載の粘着剤組成物。
(3)上記高水酸基価粘着付与樹脂(TH)として、テルペンフェノール樹脂を含む、上記(1)または(2)に記載の粘着剤組成物。
(4)さらにイソシアネート化合物を含有する、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着剤組成物。
(5)水酸基価80mgKOH/g未満(好ましくは60mgKOH/g未満)の低水酸基価粘着付与樹脂(TL)をさらに含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着剤組成物。
(6)上記低水酸基価粘着付与樹脂(TL)として、石油樹脂およびテルペン樹脂の少なくとも一方を含む、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着剤組成物。
(7)上記低水酸基価粘着付与樹脂(TL)として、軟化点が120℃未満の低軟化点樹脂を含む、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の粘着剤組成物。
(8)上記低水酸基価粘着付与樹脂(TL)として、軟化点が120℃以上(より好ましくは120℃超、例えば125℃以上)の高軟化点樹脂を含む、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の粘着剤組成物。
(9)上記ベースポリマーは、スチレンイソプレンブロック共重合体およびスチレンブタジエンブロック共重合体の少なくとも一方からなる、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の粘着剤組成物。
(10)ここに開示されるいずれかの粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する、粘着シート。
両面粘着シートの一方の粘着面を覆う剥離ライナーを剥がし、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに貼り付けて裏打ちした。この裏打ちされた粘着シートを幅20mm、長さ100mmのサイズにカットして試験片を作製した。23℃、50%RHの環境下にて、上記試験片の他方の粘着面を覆う剥離ライナーを剥がし、該試験片を被着体の表面に、2kgのローラを1往復させて圧着した。これを同環境下に30分間放置した後、JIS Z 0237に準じて、引張試験機を使用して引張速度300mm/分の条件で180°引き剥がし粘着力(N/20mm幅)を測定した。
ステンレス鋼(SUS304)板、ABS板(新神戸電機株式会社製)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)板(日本テストパネル株式会社製)、およびポリカーボネート(PC)/ABSブレンド樹脂板(日本テストパネル株式会社製)の4種類の被着体について、上記手順に従って粘着力を測定した。
直径24mmのアルミニウム製円筒を被着体に用いて、両面粘着シートの耐反撥性を評価した。すなわち、両面粘着シート4の一方の粘着面4Aを、厚さ300μmのPETフィルム42に貼り付けて裏打ちした(図3参照)。この裏打ちされた粘着シート4を幅10mm、長さ40mmのサイズにカットして試験片44を作製した。23℃、50%RHの環境下にて、図3に示すように、試験片44の他方の粘着面4Bを、試験片44の長手方向が被着体(アルミニウム製円筒)46の円周方向となるようにして、2kgのローラを1往復させて圧着した。なお、被着体46は、あらかじめエチルアルコールで洗浄して使用した。これを以下の(A)〜(C)のいずれかの条件に保持した後、試験片44の長手方向の両端44A,44Bが被着体46の表面から剥がれて浮いているか否かを観察し、浮いていた場合にはその浮き距離(試験片44が被着体46の表面から浮き上がった部分の長さ)を測定した。試験片の両端が浮いていた場合には両端の浮き距離の平均値を当該試験片の浮き距離とした。
(A)室温(23℃、50%RH)で24時間放置
(B)70℃、80%RHの環境下に4時間放置
(C)70℃、80%RHの環境下に12時間放置
両面粘着シート5の一方の粘着面5Aを、厚さ25μmのPETフィルム52に貼り付けて裏打ちした(図4参照)。この裏打ちされた粘着シート5を幅10mm、長さ100mmのサイズにカットして試験片54を作製した。23℃、50%RHの環境下にて、試験片54の他方の粘着面5Bを被着体56の表面に、2kgのローラを1往復させて圧着した。これを同環境下に30分間放置した。その後、23℃、50%RHの環境下にて、図4に示すように、試験片54が貼り付けられた面が下方になるようにして被着体56を水平に保持した。その試験片54の一端に、剥離角度が90度となるように300g(2.9N)の荷重58を掛けて、24時間後の剥離距離を測定した。ABS板(新神戸電機株式会社製)、PC/ABSブレンド樹脂板(日本テストパネル株式会社製)およびHIPS板(日本テストパネル株式会社製)の3種類の被着体について、上記手順に従って、通常条件下における定荷重剥離特性(剥離距離)を測定した。
また、同様に23℃、50%RHの環境下で試験片を被着体表面に圧着して同環境下に30分間放置した後、50℃、80%RHの環境下(湿熱条件下)にて、試験片が貼り付けられた面が下方になるようにして被着体を水平に保持し、該試験片の一端に、剥離角度が90度となるように100g(0.98N)の荷重を掛けて、18時間後の剥離距離を測定した。ABS板(新神戸電機株式会社製)およびHIPS板(日本テストパネル株式会社製)の2種類の被着体について、上記手順に従って定荷重剥離特性(剥離距離)を測定した。
表1に示す割合で、スチレンイソプレンブロック共重合体(JSR株式会社製品、製品名「SIS5505」、ジブロック体比率50%、スチレン含有量16%)と、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製の製品名「PX1150N」(軟化点115℃、水酸基価1mgKOH/g未満)と、表1に示す軟化点および水酸基価を有する各種のテルペンフェノール樹脂(いずれもヤスハラケミカル株式会社製品)と、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製品、製品名「コロネートL」、イソシアネート含量13.6%)と、溶媒としてのトルエンとを撹拌混合して、NV50%の粘着剤組成物a1〜a7を調製した。
表2に示す割合で、スチレンイソプレンブロック共重合体(JSR株式会社製品、製品名「SIS5505」)と、水酸基価100mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製品、製品名「S145」)と、C5系石油樹脂(日本ゼオン株式会社製品、製品名「クイントン(登録商標)U−185」(以下、単に「U−185」と表記する。)、軟化点86℃、水酸基価1mgKOH/g未満)、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製品、製品名「コロネートL」)と、溶媒としてのトルエンとを撹拌混合して、NV50%の粘着剤組成物b1〜b4を調製した。また、イソシアネート化合物を使用しない点を除いては上記と同様にして、粘着剤組成物b5を調製した。これらの粘着剤組成物b1〜b5の各々を用いて、実験例1と同様にして両面粘着シートb1〜b5を作製した。各両面粘着シートの概略構成と評価結果を表2に示す。なお、b1の定荷重剥離特性は未評価である。
表3に示す割合で、スチレンイソプレンブロック共重合体(JSR株式会社製品、製品名「SIS5505」、ジブロック体比率50%)と、水酸基価100mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製品、製品名「S145」)および/または水酸基価40mgKOH/gのロジンエステル(荒川化学株式会社製品、製品名「D125」、軟化点125℃)と、C5系石油樹脂(日本ゼオン株式会社製品、製品名「U−185」)と、溶媒としてのトルエンとを撹拌混合して、固形分(NV)50%の粘着剤組成物c1〜c6を調製した。これらの粘着剤組成物c1〜c5の各々を用いて、実験例1と同様にして両面粘着シートc1〜c5を作製した。各両面粘着シートの概略構成と評価結果を表3に示す。図7は、耐反撥性の評価結果をグラフ化したものである。
表4,5に示すジブロック体比率およびスチレン含有量を有するスチレンイソプレンブロック共重合体(表中では「SIS」と表示)またはスチレンブタジエンブロック共重合体(表中では「SBS」と表示)を用いて、粘着剤組成物d1〜d13を調製した。すなわち、表4,5に示す割合で、各スチレン系ブロック共重合体と、低軟化点樹脂としてのC5系石油樹脂(日本ゼオン株式会社製品、製品名「U−185」)と、水酸基価100mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製品、製品名「S145」)と、溶媒としてのトルエンとを撹拌混合して、NV50%の粘着剤組成物d1〜d13を調製した。なお、d1,d6,d8,d9,d12で使用したスチレン系ブロック共重合体はJSR株式会社製、d2〜d5,d7,d10,d11で使用したスチレン系ブロック共重合体はクレイトンポリマージャパン株式会社製、d13で使用したスチレン系ブロック共重合体は日本ゼオン株式会社製である。
これらの粘着剤組成物d1〜d13の各々を用いて、実験例1と同様にして両面粘着シートd1〜d13を作製した。各両面粘着シートの概略構成と評価結果を表4,5に示す。
表6に示す割合で、スチレンイソプレンブロック共重合体(JSR株式会社製品、製品名「SIS5505」)と、水酸基価100mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製品、製品名「S145」)と、低軟化点樹脂と、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製品、製品名「コロネートL」)と、溶媒としてのトルエンとを撹拌混合して、NV50%の粘着剤組成物e1〜e7を調製した。低軟化点樹脂としては、日本ゼオン株式会社製の製品名「U−185」(C5系石油樹脂)、日本ゼオン株式会社製の製品名「S−100」(C5系石油樹脂、軟化点94℃、水酸基価1mgKOH/g未満)、またはヤスハラケミカル株式会社製の製品名「PX1150N」(テルペン樹脂)を使用した。これらの粘着剤組成物e1〜e7の各々を用いて、実験例1と同様にして両面粘着シートe1〜e7を作製した。各両面粘着シートの概略構成と評価結果を表6に示す。
表7に示す割合で、ベースポリマーとしてのスチレンイソプレンブロック共重合体(日本ゼオン株式会社製、製品名「クインタック(Quintac)3520」、ジブロック体比率78%、スチレン含有量15%)と、水酸基価100mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製品、製品名「S145」)と、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製の製品名「PX1150N」)と、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製品、製品名「コロネートL」)と、溶媒としてのトルエンとを撹拌混合して、NV50%の粘着剤組成物f1〜f6を調製した。これらの粘着剤組成物f1〜f6の各々を用いて、実験例1と同様に、PETフィルム(基材)の両面に粘着剤層を有する両面粘着シートf1〜f6を作製した。
ここで、表7に示す定荷重剥離特性の「剥離距離」は、被着体としてABS板(新神戸電機株式会社製)を用いて測定されたものである。また、表7に示す定荷重剥離特性の「剥離形態」とは、上記剥離距離測定において試験片が被着体から剥がれた部分を試験者が目視により確認して評価したものである。この「剥離形態」について、表7に示す「界面」とは、図4に示す例のように、粘着シート(試験片)5が被着体56と粘着面5Bとの間で剥離した形態、すなわち被着体56の表面に粘着剤を残さずに剥がれた形態を指す。これに対して「投錨」とは、図4において、粘着面5B側の粘着剤層と粘着シート5の基材(図1に示す基材15;本実験例では厚み12μmのPETフィルム)との間で剥離した形態、すなわち、粘着面5B側の粘着剤層を被着体56上に残して試験片が剥がれた形態を示している。
表8に示す割合で、ベースポリマーとしてのスチレンイソプレンブロック共重合体(日本ゼオン株式会社製、製品名「クインタック(Quintac)3520」)と、水酸基価100mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製品、製品名「S145」)と、水酸基価60mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製品、製品名「T145」)と、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル株式会社製の製品名「PX1150N」)と、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業社製品、製品名「コロネートL」)と、溶媒としてのトルエンとを撹拌混合して、NV50%の粘着剤組成物g1〜g5を調製した。これらの粘着剤組成物g1〜g5の各々を用いて、実験例1と同様に、PETフィルム(基材)の両面に粘着剤層を有する両面粘着シートg1〜g5を作製した。
なお、粘着剤組成物g2〜g4において、水酸基価が100mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂(S145)はテルペンフェノール樹脂Aに相当し、水酸基価が60mgKOH/gのテルペンフェノール樹脂(T145)はテルペンフェノール樹脂Bに相当する。
ここで、180度剥離強度の測定は、被着体としてステンレス鋼(SUS304)板を用い、上記により作製された後、特に保存期間を設けていない両面粘着シート(初期)、23℃、50%RHの環境下に7日間保持した後の両面粘着シート(r.t.保存 7日)、23℃、50%RHの環境下に14日間保持した後の両面粘着シート(r.t.保存 14日)、40℃、92%RHの湿熱環境下に3日間保持してから23℃、50%RHの環境下に戻した後の両面粘着シート(40℃92%RH保存 3日)、40℃、92%RHの湿熱環境下に7日間保持してから23℃、50%RHの環境下に戻した後の両面粘着シート(40℃92%RH保存 7日)および、40℃、92%RHの湿熱環境下に14日間保持してから23℃、50%RHの環境下に戻した後の両面粘着シート(40℃92%RH保存 14日)の各々について行った。また、定荷重剥離特性は、上述した定荷重剥離特性の評価において、50℃、80%RHの環境下(湿熱条件下)にて、試験片の一端に100g(0.98N)の荷重を掛けてから測定までの時間を18時間から24時間に変更して、該試験片の剥離距離を測定することにより評価した。
11 第一粘着剤層
12 第二粘着剤層
15 基材
21,22 剥離ライナー
Claims (14)
- モノビニル置換芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体からなるベースポリマーと、
水酸基価80mgKOH/g以上の粘着付与樹脂(TH)と、
を含有する、粘着剤組成物。 - 前記粘着付与樹脂(TH)として、軟化点が120℃以上の高軟化点樹脂を含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記粘着付与樹脂(TH)として、テルペンフェノール樹脂を含む、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
- 水酸基価80mgKOH/g未満の粘着付与樹脂(TL)をさらに含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 前記粘着付与樹脂(TL)として、石油樹脂およびテルペン樹脂の少なくとも一方を含む、請求項4に記載の粘着剤組成物。
- 前記粘着付与樹脂(TL)として、軟化点が120℃未満の低軟化点樹脂を含む、請求項4または5に記載の粘着剤組成物。
- 前記粘着付与樹脂(TL)として、軟化点が120℃以上の高軟化点樹脂を含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 前記ベースポリマーは、スチレンイソプレンブロック共重合体およびスチレンブタジエンブロック共重合体の少なくとも一方からなる、請求項1から7のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- 前記粘着剤組成物は、粘着付与樹脂として、テルペンフェノール樹脂Aおよびテルペンフェノール樹脂Bを含有し、
前記テルペンフェノール樹脂Aの水酸基価AOH(mgKOH/g)は、前記テルペンフェノール樹脂Bの水酸基価BOH(mgKOH/g)よりも高い、請求項1から8のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。 - 前記テルペンフェノール樹脂Aの水酸基価AOHは80mgKOH/g以上であり、前記テルペンフェノール樹脂Bの水酸基価BOHは80mgKOH/g未満である、請求項9に記載の粘着剤組成物。
- 前記テルペンフェノール樹脂Aの含有量mAと前記テルペンフェノール樹脂Bの含有量mBとの質量比(mA:mB)が1:5〜5:1である、請求項9または10に記載の粘着剤組成物。
- 前記テルペンフェノール樹脂Aおよび前記テルペンフェノール樹脂Bは、いずれも、軟化点が120℃以上の高軟化点樹脂である、請求項9から11のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
- モノビニル置換芳香族化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体からなるベースポリマーと、
水酸基価80mgKOH/g以上の粘着付与樹脂(TH)と、
を含む粘着剤層を有する、粘着シート。 - 請求項1から12のいずれか一項に記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する、粘着シート。
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