JPH09111202A - 再剥離用粘着テープもしくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニングシステム - Google Patents

再剥離用粘着テープもしくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニングシステム

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JPH09111202A
JPH09111202A JP7274054A JP27405495A JPH09111202A JP H09111202 A JPH09111202 A JP H09111202A JP 7274054 A JP7274054 A JP 7274054A JP 27405495 A JP27405495 A JP 27405495A JP H09111202 A JPH09111202 A JP H09111202A
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peeling
force
adherend
tape
sensitive adhesive
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JP7274054A
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English (en)
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Kazuhisa Maeda
和久 前田
Katsumi Hori
勝美 堀
Masaaki Arakawa
正章 荒川
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄層のフィルムやシート状物、不織布、織布
などの各種被着体に、十分な接着力及び保持力で接着固
定できるにもかかわらず、経時後において再剥離を繰り
返し行っても、被着体を破ったり損傷したりすることな
く、何回も繰り返し再接着及び再剥離できる。 【解決手段】 (1) 剥離速度が1〜50m/分で剥離し
たときの各剥離速度における平均剥離力が、100〜1
000g/25mm、(2) 被着体との貼り付け保存後の剥離
力と剥離速度との関係において、剥離力のピークが剥離
速度50m/分以下の領域に存在しない、(3) ころがり
初期タック力が30〜800g/25mm、(4) 保持力が5
00g荷重下で15分以上、の条件をすべて満足する再
剥離用粘着テープおよびファスニングシステム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄層のフィルムや
シート状物、不織布、織布などの各種被着体、特に非常
にやわらかい、あるいは強度が小さい上記被着体に対し
ても、十分な接着力及び保持力で接着固定できるにもか
かわらず、かつ経時後において再剥離を繰り返し行って
も、被着体を破ったり損傷したりすることなく、何回も
繰り返し再接着及び再剥離できる再剥離用粘着テープも
しくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニングシステ
ムに関する。
【0002】なお、本発明の再剥離用粘着テープ等は、
上記被着体が必要に応じて裏面から例えばプラスチック
フィルムもしくは粘着テープなどで補強等されている場
合にも、その被着体の表面に好適に用いることができ
る。
【0003】その具体的な用途は特に限定されるもので
はないが、例えば、紙オムツのファスニングテープ、生
理用ナプキンの個装袋止めテープ等の各種吸収性物品の
止着テープ、食品などの軽包装、ゴミ袋などの止着テー
プ、表面保護用テープなどに用いられる。
【0004】
【従来の技術】再剥離用粘着剤や粘着テープとしては、
種々知られているが、代表的には例えば3M社のポスト
イット(商品名)タイプが知られており、かかるタイプ
の再剥離用粘着剤は、非常に再剥離性に優れたものであ
る。 しかし、かかる再剥離用粘着剤は、再剥離性を重
視した仮止め的機能を目的とするものであって、種々の
被着体との接着固定による止着や封止を目的とするもの
ではないため、接着力や保持力という点では不十分であ
り、例えば紙オムツ用ファスナーテープ等の固定用テー
プとして用いることはできなかった。 すなわち、かか
るタイプの粘着テープを、例えば紙オムツの用途に用い
ると、再剥離性は良好であるため被着体としてのバック
シートの破れは発生しないが、接着力、保持力、初期タ
ック力などが不十分なため、テープの外れやそれによる
汚物のもれなどが生じるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、例えば、使い捨
て紙オムツのファスナーテープ用として、種々の粘着剤
組成物が知られており、例えば、特定の剥離速度におい
て剥離力が最大を示すことを目的として、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体等のA−B−Aブ
ロック共重合体、固型及び液体の粘着付与樹脂及び末端
ブロック強化樹脂よりなる粘着剤組成物が提案されてい
る(特開平1−95175号公報)。 しかし、かかる
粘着剤組成物を、例えば使い捨て紙オムツのファスナー
テープ用として用いた場合、大きい保持力を有し外れに
くい反面、人がテープを剥がす速度領域における接着力
(剥離力)が大きすぎて、特に紙オムツのバックシート
が非常に薄いプラスチックフィルムでできている場合、
バックシートを破いてしまうという問題があった。 さ
らに、テープ貼り付け後に、保存による時間経過や温度
上昇などにより、経時的にバックシート(被着体)に対
する接着力が初期接着力より大幅に上昇してしまい、特
に剥離力がピークを示す剥離速度以上の速度で剥離が行
われると、周期的に剥離力が増減する振動破壊の現象が
生じ、たとえ剥離力の最大値が被着体の破断強度以下で
あっても、被着体の一点に応力集中が起こりやすくな
り、バックシートが破れてしまうなどの問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来の
問題点を改善するためになされたもので、複数の特定の
物性値を同時に満足する再剥離用粘着剤を設計すること
により、十分な接着力や保持力を有するにもかかわら
ず、経時後において再剥離を繰り返し行っても、被着体
を破ったり損傷したりすることなく、何回も繰り返し再
接着及び再剥離できる再剥離用粘着テープもしくは粘着
剤、及びこれらを用いたファスニングシステムを提供す
ることを目的とする。
【0007】即ち本発明は、被着体に自在に貼着でき、
かつ被着体を破くことなく繰り返し接着及び再剥離可能
であって、下記条件をすべて満足することを特徴とする
再剥離用粘着テープもしくは粘着剤に関する。 (1) 剥離速度が1〜50m/分で剥離したときの各剥離
速度における平均剥離力が、100〜1000g/25m
m、(2) 被着体との貼り付け保存後の剥離力と剥離速度
との関係において、剥離力のピークが剥離速度50m/
分以下の領域に存在しない、(3) ころがり初期タック力
が、30〜800g/25mm、(4) 保持力が、500g荷
重下で15分以上。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の再剥離用粘着剤、及びこ
れを任意の基材上に設けた粘着テープ(以下、これらを
単に再剥離用粘着剤等ということがある)は、まず、
(1) 剥離速度が1〜50m/分で被着体から剥離したと
きの平均剥離力が、100〜1000g/25mmとなるよ
うに設計することが必要である。 平均剥離力が小さす
ぎると、容易に剥離できる反面、保持力に劣りテープが
被着体から外れるおそれがあり、逆に大きすぎると、被
着体が破れたり、破れないまでも剥離が非常に困難にな
るので好ましくない。
【0009】本発明の再剥離用粘着剤等は、さらに剥離
速度が1〜50m/分で剥離したときの各剥離速度にお
ける平均剥離力が、100g/25mm以上で、かつ剥離力
の最大値が被着体の破断強度以下であることが好まし
い。 剥離力が被着体の破断強度を超える場合は、剥離
の際に被着体が破れるなどの損傷を受けるおそれがあ
る。 ここで、被着体の破断強度とは、MD方向もしく
はTD方向、好ましくは粘着テープが被着体に貼着され
剥離される方向に、300m/分の速度で引っ張り破断
する際の強度をいう。
【0010】本発明の再剥離用粘着剤等はさらに、(2)
被着体との貼り付け保存(以下で定義する)後の剥離力
と剥離速度との関係において、剥離速度の上昇とともに
剥離力も上昇し、剥離速度50m/分以下の領域には剥
離力のピークが存在しないことが重要である。 剥離速
度50m/分以下の領域に剥離力のピークが存在する
と、ピークを示す剥離速度以上の速度で剥離が行われる
と、周期的に剥離力が増減する振動破壊の現象が生じ、
たとえ剥離力の最大値が被着体の破断強度以下であって
も、被着体の一点に応力集中が起こりやすくなり、被着
体が破断してしまうため好ましくない。
【0011】ここで剥離力とは、室温(通常23℃)に
てステンレス板に被着体を両面粘着テープで貼り付け、
この被着体に本発明の再剥離用粘着テープを2kgローラ
ー1往復で貼着し、すぐに所定の剥離速度にて180°
方向のピーリング接着力を測定したもので、また貼り付
け保存後の剥離力とは、上記のように貼り付けた後50
℃で1日保存し、再び室温に戻し2時間放置した後に1
80°方向のピーリング接着力を測定したものである。
また、平均剥離力とは、得られた剥離チャートパター
ン(時間変化に対する剥離力を示すグラフ)において最
大値10点、最小値10点の平均値から計算した剥離力
をいい、剥離力の最大値とは、剥離チャートパターンに
おける最大値をいう。 また、剥離力のピークとは、各
剥離速度に対する平均剥離力の最大値をいう。
【0012】本発明の再剥離用粘着剤等はさらに、(3)
以下で定義するころがり初期タック力が、30〜800
g/25mm、好ましくは50〜500g/25mmであること
が必要である。 このころがり初期タック力が30g/
25mm未満の場合は、接着力が不十分で外れやすく、80
0g/25mmを超えると、被着体が破れるおそれがあるた
め好ましくない。
【0013】ここで、ころがり初期タック力とは、以下
の方法により得られる。まず、図1に示す如く直径90
mm、幅50mmのロールに被着体シートを巻き付け、
端だけ止める。 次いで試験片(テープ長さ100m
m、幅25mm)を垂らし、手を離して試験片を被着体
に接着させる。 次いで、1000mm/分の引っ張り
速度でロールを下方へ動かし、その際に測定される最大
接着力を本発明におけるころがり初期タック力とする。
なお、測定条件は、23℃×60%RHの雰囲気下と
する。
【0014】本発明の再剥離用粘着剤等はさらに、(4)
保持力が500g荷重下で15分以上、好ましくは30
分以上であることが必要である。 この保持力は長けれ
ば長いほど好ましく、例えば23℃で500g荷重下で
4時間以上を目標レベルとすることができる。 ここ
で、保持力が15分未満では、粘着テープと被着体の接
着力が剪断方向の外力によって容易に弱められてしま
い、しいては外れてしまい、例えばオムツ用ファスニン
グシステムに用いた場合、テープの外れにより汚物のも
れにつながることになるので好ましくない。 ここで、
保持力とは、ステンレス板に被着体を両面粘着テープで
貼り付け、その被着体上に本発明の再剥離用粘着テープ
を、2kgローラー1往復で貼着し、テープの下に500
gの荷重をつるし、予め40℃雰囲気下に30分間平置
きし、その後鉛直方向に荷重500gをかけて落下した
ときの時間をいう。
【0015】本発明における再剥離用粘着剤の組成は、
少なくとも上記複数の特性(1) 〜(4) を同時に満足する
限り特に限定されず、例えばゴム系、アクリル系粘着剤
が挙げられ、具体的にはゴム系としては、少なくともビ
ニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなる
ブロック共重合体であるエラストマーを含むことが望ま
しい。 ここで特に好ましいエラストマーとしては、例
えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体(SBS)、またはこれらの水添タイプ(SI
PS、SEBS)等のスチレン系ブロックコポリマーの
1種又は2種以上の混合物が用いられる。
【0016】本発明においてはさらに上記エラストマー
が、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA
と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
らなるブロック共重合体であって、ブロックA(スチレ
ン)の含有量が17重量%以上でかつカップリング率が
50%以上のブロック共重合体が好ましく用いられ、特
に好ましくはブロックA(スチレン)の含有量が17〜
50重量%でかつカップリング率が70〜100%であ
るブロック共重合体、さらに3つ以上の末端重合体ブロ
ックAを有する分岐状又は放射状ブロック共重合体が挙
げられる。 ここでブロック重合体は一般に、ビニル芳
香族化合物より誘導された少なくとも2個の末端重合体
ブロックと共役ジエン化合物より誘導された少なくとも
1個の中間重合体ブロックを有するトリブロックと呼ば
れるブロック重合体と、共役ジエン又はビニル芳香族化
合物のホモ重合体、1個のビニル芳香族化合物より誘導
されたブロックが結合したジブロックなどからなってお
り、ここで、全ブロックに対するトリブロックの占める
割合をカップリング率という。
【0017】かかるエラストマーの具体例としては、例
えば、商品名クレントン G-1657 (シェル化学社製、ス
チレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体、スチレン含有量30重量%、カップリング率65
%)、SH-108、(日本ゼオン社製、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有量25重
量%、カップリング率60%、分岐状)、クインタック
3450 (日本ゼオン社製、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体、スチレン含有量19重量%、カ
ップリング率70%)、ベクター V-4111D(トーネック
ス社製、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体、スチレン含有量18重量%、カップリング率99
%以上)、ベクター V-4211D(トーネックス社製、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレ
ン含有量30重量%、カップリング率99%以上)、 R
P-6405(シェル化学社製、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体、スチレン含有量30重量%、カ
ップリング率80%)、 RP-6404(シェル化学社製、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン含有量30重量%、カップリング率70%)、クレ
ントン D-1114X(シェル化学社製、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有量19重
量%、カップリング率100%)、クレイトン D-1320X
(シェル化学社製、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体、スチレン含有量10重量%、カップリ
ング率90%)などが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0018】また、アクリル系の場合は、エマルジョン
系、溶剤系共に用いられるが、エマルジョン系では特に
凝集力が高い方が好ましく、溶剤系では例えばアクリル
酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシルな
どの単独、あるいはこれらのブレンド物が好ましい。
さらに、衛生材料用途や食品包装用途などでは、におい
や安全性が重視されるという点からは、アクリル未反応
モノマーの少ないことが好ましく、少なくとも93%以
上の重合率で更に架橋されていることが好ましい。
【0019】本発明の再剥離用粘着剤は、必要に応じて
粘着付与樹脂を配合させることができ、その配合量は例
えば、ポリマー成分100重量部に対して粘着付与樹脂
20〜200重量部、特に30〜180重量部とするこ
とが望ましい。 粘着付与樹脂が20重量部未満の場
合、経時や温度上昇に従って弾性率が低下して接着力が
低下する、又はもともと粘着性(タッキネス)が弱い、
接着力が小さいという問題があり、一方、200重量部
を越えると、低温域での粘着性、接着性に劣るという問
題がある。 かかる粘着付与樹脂としては、常温で固型
もしくは液状である限り限定されないが、接着力の上昇
を抑えるという目的により、粘着剤の凝集力や弾性率を
低下させないなどの点から、固型の場合その軟化点が6
0〜150℃程度が好ましい。 例えば、丸善石油社
製のマルカレッツシリーズ、トーネックス社のエスコレ
ッツシリーズ等の石油系樹脂、荒川化学社製のアルコン
Mシリーズ等の脂環族樹脂、ヤスハラケミカル社製のク
リアロンシリーズ等のテルペン系樹脂等の単独もしくは
ブレンド物を挙げることができる。
【0020】また上記粘着剤には、必要に応じて、老化
防止剤、パラフィンオイルなどの軟化剤、着色剤や充填
剤(チタン白、亜鉛華、炭酸カルシウム、タルク、白マ
イカ、顔料等)などを含有させることもできる。
【0021】さらにこの種の粘着剤は、ホットメルト化
が容易であるため、溶剤タイプに比べて生産性が向上し
かつ無公害化が図れるという利点もある。 また粘着剤
層の厚さは、特に本発明の各物性を満足する限り限定さ
れないが、通常20〜100μm程度が好ましい。
【0022】本発明の再剥離用粘着剤は、粘着剤層のみ
でも構成し得るが、図2に示す如く、適宜の基材2の片
面に、本発明の特定の物性を満足する再剥離用粘着剤1
を形成してなる粘着テープAあるいはシートとして提供
することが好ましい。 さらに他面にシリコーン系剥離
剤などからなる背面処理層3を設けることもできる。
【0023】上記基材は特に限定されないが、例えば、
ポリエステル系、ポリオレフィン系(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、あるいはこれらのブレンド物)等
の単独あるいは積層体などのプラスチックフィルム、不
織布等が挙げられる。
【0024】また、図3の如く、基材2の片面側に本発
明の再剥離用粘着剤1と通常の粘着剤からなる固定用粘
着剤4を併設した粘着テープとすることもでき、この固
定用粘着剤4により例えば紙オムツや他の被着体に予め
固定しておくことができ、他方の再剥離用粘着剤1を手
で開け閉めすることができるファスナーテープとして使
用できる。
【0025】また、図4の如く、再剥離用粘着剤1の厚
さを端部にいくほど厚くなるように変化させることによ
り、剥がし始め(低速剥離領域)を重くし、剥がし終わ
り(高速剥離領域)では軽くすることができ、被着体を
破れにくくすることができると共に、低速剥離領域で剥
離が重いのでじわじわと剥がれてくるような外れに対し
ても強くすることができるという効果がある。
【0026】本発明は、さらに上記再剥離用粘着テープ
もしくは粘着剤が、種々の被着体に再剥離可能に貼着さ
れてなるファスニングシステムも提供するものである。
ここで適用される被着体は、特に限定されるものでは
ないが、比較的強度の小さいものにも好適であり、例え
ばその破断強度(前記
〔0009〕で定義)が、0.0
2〜10kg/10mm、好ましくは0.02〜5kg/10mmで
ある被着体にも適用できる。 本発明の再剥離用粘着剤
は、上記の特定の物性を有するため、かかる破断強度し
かもたない比較的強度の小さい被着体に貼着しかつ再剥
離しても、その被着体を破くことがないという利点をも
有する。
【0027】この被着体の具体例としては、例えば厚さ
5〜200μmの薄いポリオレフィン系(ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなど)フィルム、坪量5〜200g
/m2のポリオレフィン系不織布もしくは織布、あるい
はこれらの複合物などが挙げられる。
【0028】本発明の再剥離用粘着テープは、その用途
には特に限定されないが、好適な用途として吸収性物品
や包装物品の止着用テープが挙げられ、例えば、紙オム
ツのファスナーテープとして使い捨てオムツのバックシ
ートの表面に貼着して固定、再剥離用に用いてなる使い
捨てオムツのファスニングシステムが挙げられる。
【0029】かかる使い捨てオムツのファスニングシス
テムにおける被着体であるバックシートは、通常ポリオ
レフィン系プラスチックフィルムもしくはシートであ
り、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げ
られる。 また、これらポリオレフィン系フィルムと
紙、布、不織布などとの複合品も好ましい。 また、か
かるバックシートとして透湿性を有する多孔質タイプを
用いることもできる。 また、前述の如く、さらにバッ
クシートの裏面に必要に応じて補強テープを貼付した
り、ホットメルトを塗工して、不織布などの構成部材と
の複合化を図ることにより、さらにファスナーテープの
貼付される部位の明示や強度アップが図れ、バックシー
トの破れ防止に効果的である。
【0030】本発明の再剥離用粘着剤、粘着テープは、
その用途に何ら限定されるものではないが、上記使い捨
てオムツのファスニングシステム以外にも、例えば、生
理用ナプキンの個装袋止め用、食品などの包装止め用、
その他軽包装止め用、表面保護用等に用いることができ
る。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、特定の物性を満足する
再剥離用粘着テープもしくは粘着剤を採用することによ
り、薄層のフィルムやシート状物、不織布、織布などの
種々の被着体や、さらに非常にやわらかい、あるいは強
度が小さい被着体に対しても、十分な接着力及び保持力
で接着固定できるにもかかわらず、経時後において再剥
離を繰り返し行っても、被着体を破ったり損傷したりす
ることなく、何回も繰り返し再接着及び再剥離できると
いう極めて実用的な利点を有する。
【0032】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に何ら限定されない。 なお、ここで
部とは重量部を示す。各実施例及び比較例においては、
下記配合の再剥離用粘着剤を、配向ポリプロピレン(O
PP)フィルム(厚さ40μm)の片面上に糊厚40μ
mとなるように設け、他面にはシリコーン系背面処理剤
層(塗布量0.5g/m2 )を設けて、図2の如く本発
明の再剥離用粘着テープを得た。
【0033】実施例1 アクリル酸2エチルヘキシル 98部 アクリル酸 2部 ロジン系樹脂(スーパーエステルA-125、荒川化学社製) 10部 イソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 2部
【0034】実施例2 スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体 100部 (スチレン含有量30重量%、カップリング率65%、 線状、クレイトン G-1657 、シェル化学社製) 石油系樹脂(マルカレッツH-700F、丸善石油化学社製) 30部 液状テルペン系樹脂(YSレジン、ヤスハラケミカル社製) 5部 老化防止剤(イルガノックス 1010 、チバガイギー社製) 1部
【0035】実施例3 スチレン−イソプレン−スチレン共重合体 100部 (スチレン含有量25重量%、カップリング率60%、 分岐状、 SH-108 、日本ゼオン社製) 水添テルペン系樹脂(クリアロンP-125 、ヤスハラケミカル社製) 70部 パラフィンオイル 20部 老化防止剤(イルガノックス 1010 、チバガイギー社製) 1部
【0036】比較例1 スチレン−イソプレン−スチレン共重合体 100部 (スチレン含有量15重量%、カップリング率85%、クレイトン D-1107 、 シェル化学社製) 水添石油系樹脂(アルコン M-135、荒川化学社製) 70部 老化防止剤(イルガノックス 1010 、チバガイギー社製) 1部
【0037】比較例2 アクリル酸2エチルヘキシル 98部 アクリル酸 2部 イソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 2部
【0038】比較例3 アクリル酸ブチル 98部 アクリル酸 2部 イソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン社製) 2部
【0039】一方、低密度ポリエチレン100部及び炭
酸カルシウム110部をTダイで押し出し、延伸して4
0μm厚のシート状に成型し、被着体Aとした。かかる
被着体Aを用いて、各実施例及び比較例で得られた再剥
離用粘着テープの初期と貼り付け保存後(50℃×1日
後)の平均剥離力及びその最大値、ころがり初期タック
力、保持力をそれぞれ前記方法で測定し、その結果を表
1に示した。 なお、保存後を50℃×1日としたの
は、テープが使用されている条件を体温に近いとして
(約40℃×1日)、それより厳しい条件として設定し
たからである。
【0040】
【表1】
【0041】〔実用テスト〕各実施例及び比較例で得ら
れた再剥離用粘着テープを接着固定した被着体Aをバッ
クシートとする紙オムツを、母親15名に5枚ずつ配布
し、実用テストにより以下の基準で評価してもらい、そ
の結果を表2に示した。 ○ 15名中10名以上の人が良好と判断した。 △ 15名中6〜9名の人が良好と判断した。 × 15名中5名以下の人が良好と判断した。
【0042】
【表2】
【0043】〔被着体シートの破れテスト〕下記のそれ
ぞれの被着体シートに、各実施例及び比較例で得られた
再剥離用粘着テープを貼着し、23℃の雰囲気で貼付直
後と、40℃、92%RHの条件で12時間貼付保存後
のものを準備し、手剥がしにて破れテストを行った。
このときの剥離速度は10〜50m/分であった。 そ
の結果を表3に示した。
【0044】また破断強度は、前記
〔0009〕に記載
した方法により得、その結果を表3に併せて示した。 シートA:実施例で用いた被着体A(厚さ40μm) シートB:シートAの薄手タイプ(厚さ20μm) シートC:ポリエチレン/ポリエステル複合繊維状不織
布(坪量50g/m2) シートD:ポリプロピレン不織布(坪量50g/m2) シートE:シートBとシートDとの貼り合わせタイプ
(粘着テープが接するのはシートD側とする) シートF:非多孔質ポリエチレンフィルム(厚さ30μ
m)
【0045】なお、各シートの破れテストの結果は以下
の基準にて評価した。 ○ 良好 △ 伸び発生 × 破れ発生
【0046】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のころがり初期タック力の測定方法を示
す概略図である。
【図2】本発明の再剥離用粘着テープの一例を示す断面
図である。
【図3】本発明の再剥離用粘着テープの一例を示す断面
図である。
【図4】本発明の再剥離用粘着テープの一例を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 再剥離用粘着剤 2 基材 3 背面処理層 4 通常の固定用粘着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61F 13/58 C09J 5/00 JGQ 13/56 7/00 JHL C09J 5/00 JGQ 201/00 JAQ 7/00 JHL A41B 13/02 J 201/00 JAQ A61F 13/18 350

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被着体に自在に貼着でき、かつ被着体を
    破くことなく繰り返し接着及び再剥離可能であって、下
    記条件をすべて満足することを特徴とする再剥離用粘着
    テープもしくは粘着剤。 (1) 剥離速度が1〜50m/分で剥離したときの各剥離
    速度における平均剥離力が、100〜1000g/25m
    m、 (2) 被着体との貼り付け保存後の剥離力と剥離速度との
    関係において、剥離力のピークが剥離速度50m/分以
    下の領域に存在しない、 (3) ころがり初期タック力が、30〜800g/25mm、 (4) 保持力が、500g荷重下で15分以上。
  2. 【請求項2】 剥離速度が1〜50m/分で剥離したと
    きの各剥離速度における平均剥離力が、100g/25mm
    以上で、かつ剥離力の最大値が被着体の破断強度以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の再剥離用粘着テー
    プもしくは粘着剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の再剥離用粘着テー
    プもしくは粘着剤が、被着体に再剥離可能に貼着されて
    なるファスニングシステム。
  4. 【請求項4】 被着体の破断強度が、0.02〜10kg
    /10mmであることを特徴とする請求項3記載のファスニ
    ングシステム。
  5. 【請求項5】 吸収性物品の止着テープとして用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の再剥離用粘
    着テープもしくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニ
    ングシステム。
  6. 【請求項6】 包装物品の止着テープとして用いること
    を特徴とする請求項1〜4いずれか記載の再剥離用粘着
    テープもしくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニン
    グシステム。
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EP96112748A EP0758008A3 (en) 1995-08-07 1996-08-07 Re-peeling pressure-sensitive adhesive tape
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