JPH0948956A - 再剥離用粘着テープもしくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニングシステム - Google Patents

再剥離用粘着テープもしくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニングシステム

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JPH0948956A
JPH0948956A JP7201048A JP20104895A JPH0948956A JP H0948956 A JPH0948956 A JP H0948956A JP 7201048 A JP7201048 A JP 7201048A JP 20104895 A JP20104895 A JP 20104895A JP H0948956 A JPH0948956 A JP H0948956A
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peeling
force
adherend
adhesive
tape
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JP7201048A
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Masaaki Arakawa
正章 荒川
Katsumi Hori
勝美 堀
Kazuhisa Maeda
和久 前田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄層のフィルムやシート状物、不織布、織布
などの各種被着体に、十分な接着力及び保持力で接着固
定できるにもかかわらず、経時後において再剥離を繰り
返し行っても、被着体を破ったり損傷したりすることな
く、何回も繰り返し再接着及び再剥離できる。 【解決手段】 (1) 各剥離速度における平均剥離力が、
50〜1000g/25mm、(2) 剥離力の最大値と最小値
との差が、平均剥離力の2/3以下もしくは500g/
25mm以下、(3) ころがり初期タック力が、30〜800
g/25mm、(4)保持力が、500g荷重下で15分以
上、の条件をすべて満足することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄層のフィルムや
シート状物、不織布、織布などの各種被着体、特に非常
にやわらかい、あるいは強度が小さい上記被着体に対し
ても、十分な接着力及び保持力で接着固定できるにもか
かわらず、経時後において再剥離を繰り返し行っても、
被着体を破ったり損傷したりすることなく、何回も繰り
返し再接着及び再剥離できる再剥離用粘着テープもしく
は粘着剤、及びこれらを用いたファスニングシステムに
関する。
【0002】なお、本発明の再剥離用粘着テープ等は、
上記被着体が必要に応じて裏面から例えばプラスチック
フィルムもしくは粘着テープなどで補強等されている場
合にも、その被着体の表面に好適に用いることができ
る。
【0003】その具体的な用途は特に限定されるもので
はないが、例えば、紙オムツのファスニングテープ、生
理用ナプキンの個装袋止めテープ等の各種吸収性物品の
止着テープ、食品、ゴミ袋などの軽包装の止着テープ、
表面保護用テープなどに用いられる。
【0004】
【従来の技術】再剥離用粘着剤や粘着テープとしては、
種々知られているが、代表的には例えば3M社のポスト
イット(商品名)タイプが知られており、かかるタイプ
の再剥離用粘着剤は、非常に再剥離性能に優れたもので
ある。 しかし、かかる再剥離用粘着剤は、再剥離性を
重視した仮止め的機能を目的とするものであって、種々
の被着体との接着固定による止着や封止を目的とするも
のではないため、接着力や保持力という点では不十分で
あり、例えば紙オムツ用ファスナーテープ等の固定用テ
ープとして用いることはできなかった。 すなわち、か
かるタイプの粘着テープを、例えば紙オムツの用途に用
いると、再剥離性は良好であるため被着体としてのバッ
クシートの破れは発生しないが、接着力、保持力、初期
タック力などが不十分なため、テープの外れやそれによ
る汚物のもれなどが生じるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、例えば、使い捨
て紙オムツのファスナーテープ用として、種々の粘着剤
組成物が知られており、例えば、特定の剥離速度におい
て剥離力が最大を示すことを目的として、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体等のA−B−Aブ
ロック共重合体、固型及び液体の粘着付与樹脂及び末端
ブロック強化樹脂よりなる粘着剤組成物が提案されてい
る(特開平1−95175号公報)。 しかし、かかる
粘着剤組成物を、例えば使い捨て紙オムツのファスナー
テープ用として用いた場合、大きい保持力を有し外れに
くい反面、人がテープを剥がす速度領域における接着力
(剥離力)が大きすぎて、特に紙オムツのバックシート
が非常に薄いプラスチックフィルムでできている場合、
バックシートを破いてしまうという問題があった。 さ
らに、テープ貼り付け後に、保存による時間経過や温度
上昇などにより、経時的にバックシート(被着体)に対
する接着力が初期接着力より大幅に上昇してしまい、特
に高速で剥離したときに剥離力が最大となるため、剥離
しにくくなったり、バックシートの破れ、糊残りの防止
などの問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる従来の
問題点を改善するためになされたもので、複数の特定の
物性値を同時に満足する再剥離用粘着剤を設計すること
により、十分な接着力や保持力を有するにもかかわら
ず、経時後において再剥離を繰り返し行っても、被着体
を破ったり損傷したりすることなく、何回も繰り返し再
接着及び再剥離できる再剥離用粘着テープもしくは粘着
剤、及びこれらを用いたファスニングシステムを提供す
ることを目的とする。
【0007】即ち本発明は、被着体に自在に貼着でき、
かつ被着体を破くことなく繰り返し接着及び再剥離可能
であって、下記条件をすべて満足することを特徴とする
再剥離用粘着テープもしくは粘着剤に関する。 (1) 剥離速度が10〜100m/分で剥離したときの各
剥離速度における平均剥離力が、50〜1000g/25
mm、(2) (1) における剥離により得られる剥離チャート
パターン(時間変化に対する剥離力を示すグラフ)の剥
離力の最大値と最小値との差が、平均剥離力の2/3以
下もしくは500g/25mm以下、(3) ころがり初期タッ
ク力が、30〜800g/25mm、(4) 保持力が、500
g荷重下で15分以上。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の再剥離用粘着剤、及びこ
れを任意の基材上に設けた粘着テープ(以下、これらを
単に再剥離用粘着剤等ということがある)は、まず、
(1) 剥離速度が10〜100m/分で被着体から剥離し
たときの剥離力が、50〜1000g/25mm、好ましく
は10〜50m/分で剥離したときの各剥離速度におけ
る平均剥離力が、100〜700g/25mmとなるように
設計することが必要である。 平均剥離力が小さすぎる
と、容易に剥離できる反面、保持力に劣りテープが被着
体から外れるおそれがあり、逆に大きすぎると、外れに
くいが剥離しにくくまた被着体が破れるなどの損傷を受
けるので好ましくない。
【0009】ここで平均剥離力とは、室温(通常23
℃)にてステンレス板に被着体を両面粘着テープで貼り
付け、この被着体に本発明の再剥離用粘着テープを2kg
ローラー1往復で貼着し、直ぐに所定の剥離速度にて1
80°方向のピーリング接着力を測定し、図1の如く得
られた剥離チャートパターン(時間変化に対する剥離力
を示すグラフ)において最大値10点、最小値10点の
平均値から計算した平均剥離力をいう。
【0010】本発明の再剥離用粘着剤等はさらに、(2)
上記の所定の剥離速度による剥離により得られる剥離チ
ャートパターンの剥離力の最大値と最小値との差が、上
〔0009〕で定義する平均剥離力の2/3以下もし
くは500g/25mm以下、好ましくは1/2以下もしく
は100〜300g/25mmとなるように設計することが
必要である。 剥離力の最大値と最小値との差が平均剥
離力の2/3を超えるかもしくは500g/25mmを超え
る場合は、剥離時の振動が大きくなり、その振動により
被着体の破れが発生するおそれがあり好ましくない。
【0011】本発明の再剥離用粘着剤等はさらに、(3)
以下で定義するころがり初期タック力が、30〜800
g/25mm、好ましくは50〜500g/25mmであること
が必要である。 このころがり初期タック力が30g/
25mm未満の場合は、接着力が不十分で外れやすく、80
0g/25mmを超えると、被着体が破れるおそれがあるた
め好ましくない。
【0012】ここで、ころがり初期タック力とは、以下
の方法により得られる。まず、図2に示す如く直径90
mm、幅50mmのロールに被着体シートを巻き付け、
端だけ止める。 次いで試験片(テープ長さ100m
m、幅25mm)を垂らし、手を離して試験片を被着体
に接着させる。 次いで、1000mm/分の引っ張り
速度でロールを下方へ動かし、その際に測定される最大
接着力を本発明におけるころがり初期タック力とする。
なお、測定条件は、23℃×60%RHの雰囲気下と
する。
【0013】本発明の再剥離用粘着剤等はさらに、(4)
保持力が500g荷重下で15分以上、好ましくは30
分以上であることが必要である。 この保持力は長けれ
ば長いほど好ましく、例えば23℃で500g荷重下で
4時間以上を目標レベルとすることができる。 ここ
で、保持力が15分未満では、粘着テープと被着体の接
着力が剪断方向の外力によって容易に弱められ、しいて
は外れてしまい、例えばオムツ用ファスニングシステム
に用いた場合、テープの外れにより汚物のもれにつなが
ることになるので好ましくない。 ここで、保持力と
は、室温(通常23℃)にてステンレス板に被着体を両
面粘着テープで貼り付け、その被着体上に本発明の再剥
離用粘着テープを、2kgローラー1往復で貼着し、テー
プの下に500gの荷重をつるし、予め23℃雰囲気下
に30分間平置きし、その後23℃雰囲気下でテープの
折れ角度が135°方向につるし、荷重500gをかけ
て落下したときの時間をいう。
【0014】本発明の再剥離用粘着剤等は、さらに50
〜100m/分の剥離速度における剥離力が、被着体の
破断強度以下であることが好ましい。 ここで剥離力と
は前記
〔0009〕で定義したものと同じである。 こ
の剥離力が被着体の破断強度を超える場合は、剥離の際
に被着体が破れるなどの損傷を受けるおそれがある。こ
こで、被着体の破断強度とは、MD方向もしくはTD方
向、好ましくは粘着テープが被着体に貼着され剥離され
る方向に、300m/分の速度で引っ張り破断する際の
強度をいう。
【0015】また、さらに本発明の再剥離用粘着テープ
は、その粘着剤や粘着テープ等を被着体に貼り付け保存
後に再剥離する際の被着体に対する接着力(剥離力)
が、貼り付け初期の接着力の4倍以下、好ましくは1.
2〜3.0倍程度しか上昇しないように設計することが
好ましい。 かかる接着力の上昇が4倍を超える場合は
接着力(剥離力)が強すぎて、例えば紙オムツのバック
シートなどの被着体を破いてしまうおそれがある。 こ
こで初期接着力とは、貼付直後から30分後程度以内に
剥離するときの接着力をいい、また再剥離時の接着力と
は、被着体と本テープとを貼り付け50℃×1日保存後
の180°ピーリング接着力(引っ張り速度300mm
/分)をいう。
【0016】本発明における再剥離用粘着剤の組成は、
少なくとも上記複数の特性(1) 〜(4) を同時に満足する
限り特に限定されず、例えば合成ゴム系、アクリル系粘
着剤が挙げられ、具体的に合成ゴム系としては、少なく
ともビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA
と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
らなるブロック共重合体であるエラストマーを含むこと
が望ましい。 ここで特に好ましいエラストマーとして
は、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体(SBS)、またはこれらの水添タイプ
(SIPS、SEBS)等のスチレン系合成ブロックコ
ポリマーの1種又は2種以上の混合物が用いられる。
【0017】本発明においてはさらに上記エラストマー
が、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックA
と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
らなるブロック共重合体であって、ブロックA(スチレ
ン)の含有量が17重量%以上でかつカップリング率が
50%以上のブロック共重合体が好ましく用いられ、特
に好ましくはブロックA(スチレン)の含有量が17〜
50重量%でかつカップリング率が70〜100%であ
るブロック共重合体、さらに3つ以上の末端重合体ブロ
ックAを有する分岐状又は放射状ブロック共重合体が挙
げられる。 ここでブロック重合体は一般に、ビニル芳
香族化合物より誘導された少なくとも2個の末端重合体
ブロックと共役ジエン化合物より誘導された少なくとも
1個の中間重合体ブロックを有するトリブロックと呼ば
れるブロック重合体と、共役ジエン又はビニル芳香族化
合物のホモ重合体、1個のビニル芳香族化合物より誘導
されたブロックが結合したジブロックなどからなってお
り、ここで、全ブロックに対するトリブロックの占める
割合をカップリング率という。
【0018】かかるエラストマーの具体例としては、例
えば、商品名クレントン G-1657 (シェル化学社製、ス
チレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体、スチレン含有量30重量%、カップリング率65
%)、SH-108、(日本ゼオン社製、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有量25重
量%、カップリング率60%、分岐状)、クインタック
3450 (日本ゼオン社製、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体、スチレン含有量19重量%、カ
ップリング率70%)、ベクター V-4111D(トーネック
ス社製、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体、スチレン含有量18重量%、カップリング率99
%以上)、ベクター V-4211D(トーネックス社製、スチ
レン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレ
ン含有量30重量%、カップリング率99%以上)、 R
P-6405(シェル化学社製、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体、スチレン含有量30重量%、カ
ップリング率80%)、 RP-6404(シェル化学社製、ス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチ
レン含有量30重量%、カップリング率70%)、クレ
ントン D-1114X(シェル化学社製、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有量19重
量%、カップリング率100%)、クレイトン D-1320X
(シェル化学社製、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体、スチレン含有量10重量%、カップリ
ング率90%)などが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0019】また、アクリル系の場合は、エマルジョン
系、溶剤系共に用いられるが、エマルジョン系では特に
凝集力が高い方が好ましく、溶剤系では例えばアクリル
酸、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシルな
どの単独、あるいはこれらのブレンド物が好ましい。
さらに、衛生材料用途や食品包装用途などでは、におい
や安全性が重視されるという点からは、アクリル未反応
モノマーの少ないことが好ましく、少なくとも93%以
上の重合率で更に架橋されていることが好ましい。
【0020】本発明の再剥離用粘着剤は、必要に応じて
粘着付与樹脂を配合させることができ、その配合量は例
えば、ポリマー成分100重量部に対して粘着付与樹脂
20〜200重量部、特に30〜180重量部とするこ
とが望ましい。 粘着付与樹脂が20重量部未満の場
合、経時や温度上昇に従って弾性率が低下して接着力が
低下する、又はもともと粘着性(タッキネス)が弱い、
接着力が小さいという問題があり、一方、200重量部
を越えると、低温域での粘着性、接着性に劣るという問
題がある。 かかる粘着付与樹脂としては、常温で固型
もしくは液状である限り限定されないが、接着力の上昇
を抑えるという目的により、粘着剤の凝集力や弾性率を
低下させないなどの点から、固型の場合その軟化点が6
0〜120℃程度、特に70〜100℃が好ましい。
例えば、丸善石油社製のマルカレッツシリーズ、トー
ネックス社のエスコレッツシリーズ等の石油系樹脂、荒
川化学社製のアルコンMシリーズ等の脂環族樹脂、ヤス
ハラケミカル社製のクリアロンシリーズ等のテルペン系
樹脂等の単独もしくはブレンド物を挙げることができ
る。
【0021】また上記粘着剤には、必要に応じて、老化
防止剤、パラフィンオイルなどの軟化剤、着色剤や充填
剤(チタン白、亜鉛華、炭酸カルシウム、タルク、白マ
イカ、顔料等)などを含有させることもできる。
【0022】さらにこの種の粘着剤は、ホットメルト化
が容易であるため、溶剤タイプに比べて生産性が向上し
かつ無公害化が図れるという利点もある。 また粘着剤
層の厚さは、特に本発明の各物性を満足する限り限定さ
れないが、通常25〜100μm程度、特に30〜70
μm程度が好ましい。
【0023】本発明の再剥離用粘着剤は、粘着剤層のみ
でも構成し得るが、図3に示す如く、適宜の基材2の片
面に、本発明の特定の物性を満足する再剥離用粘着剤1
を形成してなる粘着テープAあるいはシートとして提供
することが好ましい。 さらに他面にシリコーン系剥離
剤などからなる背面処理層3を設けることもできる。
【0024】上記基材は特に限定されないが、例えば、
ポリエステル系、ポリオレフィン系(例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、あるいはこれらのブレンド物)等
の単独あるいは積層体などのプラスチックフィルム、不
織布等が挙げられる。
【0025】また、図4の如く、基材2の片面側に本発
明の再剥離用粘着剤1と通常の粘着剤からなる固定用粘
着剤4を併設した粘着テープとすることもでき、この固
定用粘着剤4により例えば紙オムツや他の被着体に予め
固定しておくことができ、他方の再剥離用粘着剤1を手
で開け閉めすることができるファスナーテープとして使
用できる。
【0026】また、図5の如く、再剥離用粘着剤1の厚
さを端部にいくほど厚くなるように変化させることによ
り、剥がし始め(低速剥離領域)を重くし、剥がし終わ
り(高速剥離領域)では軽くすることができ、被着体を
破れにくくすることができると共に、低速剥離領域で剥
離が重いのでじわじわと剥がれてくるような外れに対し
ても強くすることができるという効果がある。
【0027】本発明は、さらに上記再剥離用粘着テープ
もしくは粘着剤が、種々の被着体に再剥離可能に貼着さ
れてなるファスニングシステムも提供するものである。
ここで適用される被着体は、特に限定されるものでは
ないが、比較的強度の小さいものにも好適であり、例え
ばその破断強度(前記〔0014〕で定義)が、0.0
2〜10kg/10mm、好ましくは0.02〜5kg/10mmで
ある被着体にも適用できる。 本発明の再剥離用粘着
剤は、上記の特定の物性を有するため、かかる破断強度
しかもたない比較的強度の小さい被着体に貼着しかつ再
剥離しても、その被着体を破くことがないという利点を
も有する。
【0028】この被着体の具体例としては、例えば厚さ
5〜200μmの薄いポリオレフィン系(ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなど)フィルム、坪量5〜200g
/m2のポリオレフィン系不織布もしくは織布、あるい
はこれらの複合物などが挙げられる。
【0029】本発明の再剥離用粘着テープは、その用途
には特に限定されないが、好適な用途として吸収性物品
や包装物品の止着用テープが挙げられ、例えば、紙オム
ツのファスナーテープとして使い捨てオムツのバックシ
ートの表面に貼着して固定、再剥離用に用いてなる使い
捨てオムツのファスニングシステムが挙げられる。すな
わち、使い捨てオムツのファスニングシステムに用いる
場合には、図7もしくは図8に示す如くいわゆるフロン
タルテープ(補強フィルム)FもしくはバックシートB
が被着体となり、本発明の再剥離性粘着剤1は、ファス
ナーテープCの粘着剤として機能する。 しかし、必要
に応じて、図6の如く、バックシートBの裏面に貼付位
置明示用や破れ防止用の補強テープDを設けることもで
きる。
【0030】かかる使い捨てオムツのファスニングシス
テムにおける被着体であるバックシートは、通常ポリオ
レフィン系プラスチックフィルムもしくはシートであ
り、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げ
られる。 また、これらポリオレフィン系フィルムと
紙、布、不織布などとの複合品も好ましい。 また、か
かるバックシートとして透湿性を有する多孔質タイプを
用いることもできる。 また、前述の如く、さらにバッ
クシートの裏面に必要に応じて補強テープを貼付した
り、ホットメルトを塗工して、不織布などの構成部材と
の複合化を図ることにより、さらにファスナーテープの
貼付される部位の明示や強度アップが図れ、バックシー
トの破れ防止に効果的である。
【0031】本発明の再剥離用粘着剤、粘着テープは、
その用途に何ら限定されるものではないが、上記使い捨
てオムツのファスニングシステム以外にも、例えば、生
理用ナプキンの個装袋止め用(図9)、食品などの包装
止め用、その他軽包装止め用、表面保護用等に用いるこ
とができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、特定の物性を満足する
再剥離用粘着テープもしくは粘着剤を採用することによ
り、薄層のフィルムやシート状物、不織布、織布などの
種々の被着体や、さらに非常にやわらかい、あるいは強
度が小さい被着体に対しても、十分な接着力及び保持力
で接着固定できるにもかかわらず、経時後において再剥
離を繰り返し行っても、被着体を破ったり損傷したりす
ることなく、何回も繰り返し再接着及び再剥離できると
いう極めて実用的な利点を有する。
【0033】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に何ら限定されない。 なお、ここで
部とは重量部を示す。各実施例及び比較例においては、
下記配合及び厚さの再剥離用粘着剤層を、配向ポリプロ
ピレン(OPP)フィルム(厚さ40μm)の片面上に
設け、他面にはシリコーン系背面処理剤層(塗布量0.
5g/m2 )を設けて、図3の如く本発明の再剥離用粘
着テープを得た。
【0034】 実施例1(粘着剤の厚さ40μm) アクリル酸ブチル 100部 アクリル酸 10部 老化防止剤(イルガノックス 1010 、チバガイギー社製) 1部
【0035】 実施例2(粘着剤の厚さ40μm) スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体 100部 (スチレン含有量30重量%、カップリング率65%、 線状、クレイトン G-1657 、シェル化学社製) 脂肪族石油系樹脂(クリアロン P-125、ヤスハラケミカル社製) 30部 液状テルペン系樹脂(YSレジン、ヤスハラケミカル社製) 5部 老化防止剤(イルガノックス 1010 、チバガイギー社製) 1部
【0036】 実施例3(粘着剤の厚さ40μm) スチレン−イソプレン−スチレン共重合体 100部 (スチレン含有量25重量%、カップリング率60%、 分岐状、 SH-108 、日本ゼオン社製) 水添石油系樹脂(アルコン M-135、荒川化学社製) 70部 老化防止剤(イルガノックス 1010 、チバガイギー社製) 1部 パラフィンオイル 20部
【0037】 比較例1(粘着剤の厚さ40μm) アクリル酸2エチルヘキシル 100部 アクリル酸 10部 老化防止剤(イルガノックス 1010 、チバガイギー社製) 1部
【0038】 比較例2(粘着剤の厚さ40μm) スチレン−イソプレン−スチレン共重合体 100部 (スチレン含有量15重量%、カップリング率85%、クレイトン D-1107 、 シェル化学社製) 水添石油系樹脂(アルコン M-100、荒川化学社製) 70部 老化防止剤(イルガノックス 1010 、チバガイギー社製) 1部
【0039】 比較例3(厚さ15μm) アクリル酸ブチル 100部 アクリル酸 10部 老化防止剤(イルガノックス 1010 、チバガイギー社製) 1部
【0040】一方、低密度ポリエチレン100部及び炭
酸カルシウム110部をTダイで押し出し、延伸して4
0μm厚のシート状に成型し、被着体Aとした。かかる
被着体Aを用いて、各実施例及び比較例で得られた再剥
離用粘着テープの初期平均剥離力、加熱後(50℃×1
日後の貼付保存後)の平均剥離力、剥離チャートパター
ンにおける最大剥離力と最小剥離力との差、ころがり初
期タック力、保持力をそれぞれ前記方法で測定し、その
結果を表1に示した。 なお、加熱後を50℃×1日と
したのは、テープが使用されている条件を体温に近いと
して(約40℃×1日)、それより厳しい条件として設
定したからである。
【0041】
【表1】
【0042】〔実用テスト〕各実施例及び比較例で得ら
れた再剥離用粘着テープ(図4のタイプ)を接着固定し
た被着体Aをバックシートとする紙オムツを、母親15
名に5枚ずつ配布し、実用テストにより以下の基準で評
価してもらい、その結果を表2に示した。 ○ 15名中10名以上の人が良好と判断した。 △ 15名中7名以下の人が良好と判断した。 × 15名中5名以下の人が良好と判断した。
【0043】
【表2】
【0044】〔被着体シートの破れテスト〕下記のそれ
ぞれの被着体シートに、各実施例及び比較例で得られた
再剥離用粘着テープを貼着し、23℃の雰囲気で貼付直
後と、40℃、92%RHの条件で12時間貼付保存後
のものを準備し、手剥がしにて破れテストを行った。
このときの剥離速度は20〜100m/分であった。ま
た破断強度は、前記〔0014〕に記載した方法により
得、その結果を表3に示した。 シートA:実施例で用いた被着体A(厚さ40μm) シートB:シートAの薄手タイプ(厚さ20μm) シートC:ポリエチレン/ポリエステル複合繊維状不織
布(坪量50g/m2) シートD:ポリプロピレン不織布(坪量50g/m2) シートE:シートBとシートDとの貼り合わせタイプ (粘着テープが接するのはシートD側とする) シートF:非多孔質ポリエチレンフィルム(厚さ30μ
m)
【0045】なお、各シートの破れテストの結果は以下
の基準にて評価した。 ○ 良好 △ 伸び発生 × 破れ発生
【0046】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の再剥離用粘着テープと被着体との剥離
テストにおける剥離チャートパターンの一例を示す概略
図である。
【図2】本発明のころがり初期タック力の測定方法を示
す概略図である。
【図3】本発明の再剥離用粘着テープの一例を示す断面
図である。
【図4】本発明の再剥離用粘着テープの一例を示す断面
図である。
【図5】本発明の再剥離用粘着テープの一例を示す断面
図である。
【図6】本発明の再剥離用粘着テープを用いたファスニ
ングシステムの一例を示す断面図である。
【図7】本発明の再剥離用粘着テープを用いた紙オムツ
のファスニングシステムの一例を示す概略図である。
【図8】本発明の再剥離用粘着テープを用いた紙オムツ
のファスニングシステムの一例を示す概略図である。
【図9】本発明の再剥離用粘着テープを用いた袋のファ
スニングシステムの一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 再剥離用粘着剤 2 基材 3 背面処理層 4 通常の固定用粘着剤 A 再剥離用粘着テープ B オムツのバックシート C ファスナーテープ D 補強テープ F フロンタルテープ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被着体に自在に貼着でき、かつ被着体を
    破くことなく繰り返し接着及び再剥離可能であって、下
    記条件をすべて満足することを特徴とする再剥離用粘着
    テープもしくは粘着剤。 (1) 剥離速度が10〜100m/分で剥離したときの各
    剥離速度における平均剥離力が、50〜1000g/25
    mm、(2) (1) における剥離により得られる剥離チャート
    パターン(時間変化に対する剥離力を示すグラフ)の剥
    離力の最大値と最小値との差が、平均剥離力の2/3以
    下もしくは500g/25mm以下、(3) ころがり初期タッ
    ク力が、30〜800g/25mm、(4) 保持力が、500
    g荷重下で15分以上。
  2. 【請求項2】 50〜100m/分の剥離速度における
    剥離力が、被着体の破断強度以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の再剥離用粘着テープもしくは粘着剤。
  3. 【請求項3】 被着体との貼り付け保存後の接着力の上
    昇が、初期接着力の4倍以下であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の再剥離用粘着テープもしくは粘着
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の再剥離用粘着テープ
    もしくは粘着剤が、被着体に再剥離可能に貼着されてな
    るファスニングシステム。
  5. 【請求項5】 被着体の破断強度が、0.02〜10kg
    /10mmであることを特徴とする請求項4記載のファスニ
    ングシステム。
  6. 【請求項6】 吸収性物品の止着テープとして用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜5記載の再剥離用粘着テープ
    もしくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニングシス
    テム。
  7. 【請求項7】 包装物品の止着テープとして用いること
    を特徴とする請求項1〜5記載の再剥離用粘着テープも
    しくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニングシステ
    ム。
JP7201048A 1995-08-07 1995-08-07 再剥離用粘着テープもしくは粘着剤、及びこれらを用いたファスニングシステム Pending JPH0948956A (ja)

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US08/692,467 US6120866A (en) 1995-08-07 1996-08-06 Re-peeling pressure-sensitive adhesive tape or pressure-sensitive adhesive, and fastening system using the same
EP96112748A EP0758008A3 (en) 1995-08-07 1996-08-07 Re-peeling pressure-sensitive adhesive tape
KR1019960032800A KR970010911A (ko) 1995-08-07 1996-08-07 재박리 가능한 감압성 접착 테이프 또는 감압성 접착제, 및 이를 이용한 고정 시스템

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018127524A (ja) * 2017-02-07 2018-08-16 リンテック株式会社 粘着体および包材

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JP2018127524A (ja) * 2017-02-07 2018-08-16 リンテック株式会社 粘着体および包材

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