JP2013214403A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】運転停止手段として、通常運転停止モードおよび即時停止モードに加えて、試運転停止モードを備える。試運転停止モードでは、発電出力を停止する(M1)とともに、燃料ガスおよび改質水の供給量を設定量まで絞り(M2)、それと同時に第2のタイマを起動し、ステップM3に移行して、第2のタイマで設定された特定時間が経過したかどうかを判断する。特定時間が経過したときには、ブザーを起動して(M4)試運転が終了したことを報知し、燃料ガスおよび改質水の供給を停止し、更に、空気の供給を停止する(M5)。これにより、待機している作業者に試運転が終了したことを知らせる。作業者は、燃料ガスの元栓を閉止するなどの処理を行って試運転停止に伴う作業を完了することができる。
【選択図】図5
Description
従来、そのような運転停止時の冷却の問題と再起動の時間短縮を図るために、次のようなものが提案されている。
一方、震災や不測の事故といった燃料ガス設備や水道設備などの供給源で問題を生じた場合には、システムの運転中であっても即時に運転を停止せざるを得ないため、燃料電池の構成材としては、そのような緊急時のダメージに対して、ある程度の回数耐えるようにはなっている。
ところが、その試運転の後、居住者が決まって実際に使用を開始するまでに期間があり、作業者は試運転終了後に燃料ガスなどの元栓を閉止しなければならない。しかも、設置が終わって試運転を終了しても、セルスタックの冷却のために微量の燃料ガスと水蒸気を6時間以上供給し続ける必要があり、冷却のための待機を余儀なくされ、必要以上に時間を要して作業者にかかる負担が大きい不都合があった。
燃料ガスを水蒸気改質して水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに変化させる改質器と、前記改質器からの改質ガスと空気とを反応させて発電するセルスタックと、前記改質器と前記セルスタックとを内包するモジュールの温度を制御上の代表温度として計測するモジュール温度センサとを備え、かつ、
運転停止手段として、
前記セルスタックによる発電出力を停止するとともに、燃料ガスおよび水の供給量を通常運転時の最少供給量以下の設定量まで減少させた後、前記モジュール温度センサで計測されるモジュール温度が設定温度以下になったときに燃料ガスおよび水の供給を停止し、更にその後設定時間経過後に空気の供給を停止する通常運転停止モードと、
前記セルスタックによる発電出力、燃料ガスおよび水ならびに空気の供給のいずれをも即座に停止する即時停止モードとを備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記運転停止手段として、前記通常運転停止モードおよび即時停止モードに加えて、
前記セルスタックによる発電出力を停止するとともに、燃料ガスおよび水の供給量を通常運転時の最少供給量以下の設定量まで減少させた後、15〜90分の範囲で設定した特定時間経過後に燃料ガスおよび水ならびに空気の供給のいずれをも停止する試運転停止モードを備えたことを特徴としている。
燃料ガスおよび水ならびに空気の供給のいずれをも停止するまでの設定時間を15〜90分としているのは、15分未満であると、セルスタックの温度が高温で、燃料電池の構成材などのシステムに与えるダメージが大きく、一方、90分を超えると作業者が待機する時間が長くなって負担が大きくなるからである。
請求項1に係る発明の固体酸化物形燃料電池システムの構成によれば、セルスタックでの運転停止後の温度変化が運転停止に伴って急激に低下することと、燃料電池の構成材に与えるダメージと温度との関係から、燃料ガスおよび水の供給量を通常運転時の最少供給量以下の設定量まで減少させて冷却運転する特定時間を15分以上に設定することで、燃料電池の構成材などのシステムに与えるダメージを低減できることを見出した。一方、特定時間を長くすれば、燃料電池の構成材に与えるダメージを一層低減できるが、その最長時間を90分とすることで、元栓の閉止などの最終処理を行う作業者の待機時間を短くできる。
したがって、試運転に際しては、試運転終了後に試運転停止モードとすることにより、試運転の際のシステムへのダメージを極力低減しながら、試運転時の作業者への負担を軽減できる。
前記試運転停止モードで特定時間経過したことに基づいて試運転終了を報知する報知手段を備えていることを特徴としている。
請求項2に係る発明の固体酸化物形燃料電池システムの構成によれば、待機している作業者が、特定時間が経過したことを適切に知ることができるから、時間を常に気にせずに済み、試運転時の作業者への負担を一層軽減できる。
前記試運転停止モードでの特定時間を変更設定可能に構成してあることを特徴としている。
請求項3に係る発明の固体酸化物形燃料電池システムの構成によれば、作業者側で、待機できる時間の余裕に合わせて特定時間を変更できるから、作業者がスケジュールを組む上で便利であり、試運転時の作業者への負担を一層軽減できる。
燃焼触媒部4は、ハニカムやボールなどにプラチナなどの触媒を担持させて構成されている。
これにより、燃料ガス中の付臭成分である硫黄分を除去した後に改質器1に供給し、燃料ガスを水蒸気改質して水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに変化させ、セルスタック2において改質ガスと空気とを反応させて発電し、発電電力をパワーコンディショナー9で安定した交流電流にして出力するようになっている。
熱交換器5では、オフガス燃焼部10から燃焼触媒部4を通じて排出される高温排気ガスの熱を回収し、その回収排熱を改質器1などに供給するようになっている。
室外に設置されているモジュール3の近傍のパネル(図示せず)に、システムを起動および停止する運転スイッチ13、試運転停止スイッチ14、即時停止スイッチ15、時間設定器16および試運転が終了したことを報知するブザー17が付設されている(図3参照)。
停止モード判断手段20では、運転スイッチ13、試運転停止スイッチ14および即時停止スイッチ15それぞれの操作に応じ、運転停止手段として、通常運転停止モード、試運転停止モード、即時停止モードのうちのいずれが選択されたかを判断するようになっている。
(1)通常運転停止モード
図5の(a)に示すように、先ず、発電出力停止指令手段21によりパワーコンディショナー9からの発電出力を停止する(L1)とともに、ガス量・給水量調節手段22により燃料ポンプ8および給水弁18を操作して燃料ガスおよび改質水の供給量を設定量まで絞り(L2)、ステップL3で、モジュール温度センサ11で計測されるモジュール温度と設定温度とを比較手段23で比較し、モジュール温度が設定温度になるまで(通常6時間程度)、燃料ガスおよび改質水の供給量を絞った状態を維持する。
図5の(b)に示すように、先ず、発電出力停止指令手段21によりパワーコンディショナー9からの発電出力を停止する(M1)とともに、ガス量・給水量調節手段22により燃料ポンプ8および給水弁18を操作して燃料ガスおよび改質水の供給量を設定量まで絞り(M2)、それと同時に第2のタイマ27を起動し、ステップM3に移行して、第2のタイマ27で設定された特定時間が経過したかどうかを判断する。
これにより、待機している作業者に試運転が終了したことを知らせる。作業者は、燃料ガスの元栓を閉止し、更に、必要に応じて電源を遮断したり、水道の元栓を閉止するなどの処理を行って試運転終了に伴う作業を完了することができる。
図5の(c)に示すように、発電出力停止指令手段21によりパワーコンディショナー9からの発電出力を停止し(N1)、かつ、ガス・給水停止指令手段24により燃料ポンプ8を停止するとともに給水弁18を全閉にして、燃料ガスおよび改質水の供給を停止し、更に、給気停止指令手段26により給気弁19を全閉にして、空気の供給を停止する(N2)。
図6は、通常の運転停止に伴うモジュール温度の経時的変化を示すグラフであり、図7は、セルスタック温度とニッケル酸化率との相関を示すグラフである。これらのグラフから、運転停止後15分経過した時点でモジュール温度AがT2に近い温度まで低下しており、90分経過した時点ではモジュール温度がT2とT3の中間温度以下まで低下していることがわかる。一方、ニッケル酸化率においては、セルスタック2の温度がT1からT2に低下するに伴って急激に減少し、更に、セルスタック2の温度がT3に低下するに伴って急激に減少していることがわかる。
上記結果から、特定時間として15〜90分の範囲の時間を設定することで、セルスタック2の構成材のダメージを低減できることが明らかである。また、45分経過した時点ではモジュール温度がT2よりも低い温度まで低下しており、上記特定時間として45〜90分に設定する方がより好ましいことが明らかである。
2…セルスタック
3…モジュール
11…モジュール温度センサ
13…運転スイッチ
14…試運転停止スイッチ
15…即時停止スイッチ
16…時間設定器
17…ブザー(報知手段)
Claims (3)
- 燃料ガスを水蒸気改質して水素と一酸化炭素とを含む改質ガスに変化させる改質器と、前記改質器からの改質ガスと空気とを反応させて発電するセルスタックと、前記改質器と前記セルスタックとを内包するモジュールの温度を制御上の代表温度として計測するモジュール温度センサとを備え、かつ、
運転停止手段として、
前記セルスタックによる発電出力を停止するとともに、燃料ガスおよび水の供給量を通常運転時の最少供給量以下の設定量まで減少させた後、前記モジュール温度センサで計測されるモジュール温度が設定温度以下になったときに燃料ガスおよび水の供給を停止し、更にその後設定時間経過後に空気の供給を停止する通常運転停止モードと、
前記セルスタックによる発電出力、燃料ガスおよび水ならびに空気の供給のいずれをも即座に停止する即時停止モードとを備えた固体酸化物形燃料電池システムであって、
前記運転停止手段として、前記通常運転停止モードおよび即時停止モードに加えて、
前記セルスタックによる発電出力を停止するとともに、燃料ガスおよび水の供給量を通常運転時の最少供給量以下の設定量まで減少させた後、15〜90分の範囲で設定した特定時間経過後に燃料ガスおよび水ならびに空気の供給のいずれをも停止する試運転停止モードを備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池システム。 - 前記試運転停止モードで特定時間経過したことに基づいて試運転終了を報知する報知手段を備えている請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
- 前記試運転停止モードでの特定時間を変更設定可能に構成してある請求項1または請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池システム。
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