JP2010238417A - 固体酸化物形燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】可燃性ガスが発電室に過剰に残留することを抑制しつつ発電運転を停止できる固体酸化物形燃料電池システムを提供する。
【解決手段】スタック1の発電運転を停止させるにあたり、燃料原料および改質水を改質器2に供給させてアノードガスを生成させると共に水蒸気改質反応の吸熱により発電室32を吸熱させる吸熱操作と、発電室32にカソードガスを供給させる空冷操作とを実行する。その後、スタック1の温度が第1閾値温度T1に到達したら、吸熱操作および空冷操作を停止させ、且つ、改質水を改質器2に供給させて水蒸気を生成させ、水蒸気を発電室32に溜めると共にアノードガスまたは燃料原料を発電室32およびスタック1から排出させる水蒸気溜め操作を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、改質水を蒸発させる改質器と固体酸化物形の燃料電池とを有する燃料電池システムに関する。
特許文献1には、スタックの発電を停止させる際、水、水素および炭化水素系の燃料原料の流量を減少させつつ燃料電池に供給することにより、燃料電池のアノード側を還元状態に保持させつつスタックの温度を低下させる運転停止方法が開示されている。このものによれば、燃料電池モジュールの余熱により水を気化させて水蒸気を生成させると共に、水蒸気を利用して燃料原料を水蒸気改質させることにより水素を生成させ、水素と水蒸気との混合ガスを燃料電池に供給して、燃料電池における金属成分の酸化を抑制することにしている。しかしこのものによれば、可燃性ガスである水素がスタックの内部に残留するおそれがある。
また特許文献2には、高温形燃料電池の発電を停止させる際に、燃料電池のアノードにおける金属成分の酸化による劣化を抑制する技術が開示されている。このシステムによれば、炭化水素ガスと空気との混合ガスを改質部に供給することにより部分酸化改質(発熱反応)を実施し、水素を含む還元性ガスを生成させ、これを燃料電池に供給させることにより、燃料電池のアノード(燃料極)の酸化劣化を抑制する。更に、空気を燃料電池に冷却ガスとして供給することにより燃料電池を冷却させるとともに、水素を含む還元性ガスを燃焼させることにより、可燃性のガスの放出を防止することにしている。更にスタックが冷えて低温化すると、空気をスタックに供給させスタックの内部を空気で置換させることにしている。
更に、特許文献2には、炭化水素ガスと空気との混合ガスに、水蒸気改質用の水蒸気を加える技術が開示されている。このものによれば、水蒸気改質法(吸熱反応)および部分酸化改質法(発熱反応)の双方が実施される併用改質法が採用されている。このものによれば、水蒸気改質を実施した場合には、吸熱反応であるため、改質器の温度降下が大きく、改質反応において水蒸気不足になり、炭素が改質部に生成されるおそれがある。そこで部分酸化法による発熱を利用することで、改質器の温度を維持し、水蒸気不足を抑制し、炭素析出を防止することにしている。
特開2006−294508号公報 特開2007−12313号公報
上記した技術によれば、固体酸化物形燃料電池システムの発電運転を停止させるにあたり、可燃性ガスが発電室に過剰に残留させるのを抑えるためには、必ずしも充分ではない。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、可燃性ガスが発電室に過剰に残留することを抑制しつつ、固体酸化物形燃料電池システムの発電運転を停止できる固体酸化物形燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、(i)改質水を蒸気化させて水蒸気により燃料原料を水蒸気改質させて水素を含有するアノードガスを生成させる改質器と、改質器で生成されたアノードガスが供給されるアノードとカソードガスが供給されるカソードとを有する固体酸化物形の燃料電池のスタックと、スタックおよび改質器を収容する発電室を有する断熱壁と、改質器に接続され液相状の改質水を改質器に供給する改質水供給通路と、改質器に接続され燃料原料を改質器に供給する燃料原料供給通路と、スタックの発電を制御する制御部とを具備しており、
(ii)制御部は、スタックの発電運転を停止させるにあたり、燃料原料および改質水を改質器に供給させて水蒸気改質反応により水素を含有するアノードガスを生成させると共に水蒸気改質反応により発電室を吸熱させる吸熱操作と、発電室にカソードガスを供給させてスタックを冷却させる空冷操作とを含むスタック冷却処理を実行し、(iii)その後、スタックの温度が低下して第1閾値温度T1に到達したら、吸熱操作および空冷操作を停止させ、且つ、改質水供給通路から改質水を改質器に供給させて水蒸気を生成させ、水蒸気を発電室およびスタックの内部に溜めると共にアノードガスまたは燃料原料を発電室およびスタックから排出させる水蒸気溜め操作を実行する。
本発明に係るシステムによれば、制御部は、スタックの発電運転を停止させるにあたり、スタック冷却処理を実行する。スタック冷却処理では、制御部は、燃料原料および改質水を改質器に供給させて水蒸気改質反応により水素を含有するアノードガスを生成させると共に水蒸気改質反応により発電室を吸熱させる吸熱操作と、発電室にカソードガスを供給させて発電室内のスタックを冷却させる空冷操作とを実行する。
水素を含有するアノードガスが生成する水蒸気改質反応は、吸熱反応であるため、発電室を冷却できると共に、水素により還元性を与えることができる。このようなスタック冷却処理では、スタックを収容する断熱発電室にカソードガスを供給させるため、スタックを積極的に冷却させることができる。
その後、スタックの温度が低下して第1閾値温度T1に到達したら、制御部は、吸熱操作および空冷操作を停止させ、且つ、改質水供給通路から改質水を改質器に供給させて水蒸気を生成させる。これにより生成された水蒸気を発電室に溜める水蒸気溜め操作を実行する。水蒸気溜め操作が実施されると、発電室に溜まっている可燃性をもつアノードガスまたは燃料原料は、発電室から発電室の外方に排出される。このため、アノードガスまたは燃料原料が発電室に過剰に残留することを抑制できる。
本発明によれば、可燃性をもつアノードガスまたは燃料原料といった可燃性ガスが発電室に過剰に残留することを抑制しつつ、固体酸化物形燃料電池システムの発電運転を停止できる。
固体酸化物形燃料電池システムの概念を模式的に示す図である。 発電室に収容されているスタックおよび改質器付近を示す図である。 他の実施形態に係り、制御部が実行するフローチャートである。 更に他の実施形態に係り、固体酸化物形燃料電池システムの概念を模式的に示す図である。
好ましい形態によれば、発電室に連通可能な凝縮水排出部が設けられている。この場合、制御部は、水蒸気溜め操作を実施した後、発電室およびスタックの内部に水蒸気が溜められている状態において、空気を発電室に供給させることにより発電室における過剰の凝縮水を凝縮水排出部から発電室の外方に排出させる凝縮水排出操作を実施することができる。
好ましい形態によれば、スタックの発電運転を停止させるにあたり、制御部は、スタック冷却処理に先立ち、スタックの電力負荷(一般的には発電出力に相当する)をゼロにさせ、スタックの温度を低下させる操作を実施する。スタックの電力負荷をゼロにすれば、アノードおよびカソードにおける発電反応が抑えられ、スタックの発電電力がゼロとなるため、スタックの温度は低下する。スタックの電力負荷をゼロにするためには、スタックと電力負荷とを電気的に繋ぐスイッチ(図略)を遮断すればよい。
好ましい形態によれば、制御部は、スタックの電圧が第2閾値電圧Va以下となったとき、または、改質器およびスタックのうちの少なくとも一方の温度が第2閾値温度Ta以上となったとき、異状発生と判定し、スタック冷却処理および水蒸気溜め操作を実行させる。第2閾値電圧Vaおよび第2閾値温度Taは、システムの異状を判定する閾値として機能する。
(実施形態1)
図1および図2は実施形態1を示す。図1は固体酸化物形の固体酸化物形燃料電池システムの概念を示す。図1ではスタック1は模式化されている。図2はスタック1付近を示す。図2に模式的に示すように、固体酸化物形燃料電池システムにおいて搭載されているスタック1は、燃料電池モジュール3の発電室32において、カソードガスが通過できる通路32rを形成するように複数の燃料電池10を並設して形成されている。燃料電池10は、アノードガスが供給される燃料極として機能するアノード11と、カソードガスが供給される酸化剤極として機能するカソード12と、アノード11およびカソード12で挟まれた固体酸化物を母材とする膜状の電解質15とを有する。
電解質15を構成する固体酸化物は、酸素イオン(O2−)を伝導させる性質をもつものであり、イットリアを添加した安定化ジルコニア系、ランタンガレート系が例示される。アノードガスを通過させる通路11rがアノード11に隣設された状態で燃料電池10の内部に形成されている。アノード11の材料としては、ニッケルやコバルト等の金属が例示され、更に、ニッケル等の金属相とジルコニアとが混在するサーメットが例示される。このようにアノード11は金属成分を有するため、高温状態において酸化雰囲気に長時間晒されると、酸化物を生成させるおそれがある。酸化物はアノード11の長寿命化を損なうおそれがあるため、アノード11の過剰酸化は好ましくない。カソード12は、サマリウムコバルタイト、ランタンマンガナイトが例示される。材質は上記に限定されるものではない。なお、スタック1の下部には、アノードガスをスタック1の入口に案内するアノードガスマニホルド13が配置されている。
図1に示すように、改質器2は、蒸発部20と、燃料原料が供給される改質部22とを備えている。蒸発部20は、改質水系4から蒸発部20に供給される液相状の改質水を水蒸気化させる。改質部22は蒸発部20の下流に設けられており、蒸発部20で生成された水蒸気で燃料原料を水蒸気改質させてアノードガス(水素リッチのため還元性雰囲気)を生成させ、アノードガスをアノードガス通路14を介してスタック1の内部の通路11rに供給させる。アノードガスは水素ガスまたは水素含有ガスである。
筐体9は、筐体9の収容室91と、外気とを連通させる外気取込口92をもつ。燃料電池モジュール3は筐体9の内部に収容されており、発電室32を形成する断熱材で形成された容器状の断熱壁30を有する。断熱壁30の発電室32にスタック1および改質器2を燃焼用空間23を介して収容することにより、燃料電池モジュール3は形成されている。燃料電池モジュール3では、スタック1の上側には改質器2(改質部22および蒸発部20)が配置されている。燃料電池モジュール3では、スタック1と改質器2(改質部22および蒸発部20)との間には、燃焼用空間23が形成されている。殊に、スタック1の上部と改質器2(改質部22および蒸発部20)の下部との間には、燃焼用空間23が形成されている。
図1に示すように、改質水系4は、改質部22における水蒸気改質において水蒸気として消費される液相状の改質水を蒸発部20を介して改質部22に供給するものであり、水精製器40と改質器2とを結ぶ改質水供給通路41と、改質水ポンプ42(改質水搬送源)と、給水バルブ43とを有する。水精製器40は、水を浄化させ得るイオン交換樹脂等の水精製材40aを有する。
図1に示すように、燃料原料供給系5は、炭化水素系の燃料原料を改質器2に供給させるために燃料源50に繋がる燃料原料供給通路51と、入口バルブ52と、流量計53、脱硫器54と、燃料原料ポンプ55(燃料原料搬送源)とを有する。カソードガス供給糸6は、空気であるカソードガスをスタック1のカソード12に供給するカソードガス供給通路60と、除塵フィルタ61と、カソードガスポンプ62(カソードガス搬送源)と、流量計63とを有する。
カソードガスポンプ62(カソード流体搬送源)が駆動すると、外気は外気取込口92から収容室91に流入し、除塵フィルタ61およびカソードガス供給通路60を介してカソードガスとしてスタック1の入口からカソード12に供給される。外気取込口92から取り込まれる外気(カソードガス)の温度を検知する温度センサ102が、筐体9の外気取込口92付近において設けられている。蒸発部20で生成される水蒸気の温度を検知する温度センサ103が蒸発部20に設けられている。改質器2の改質部22の温度を検知する温度センサ104が改質器22に設けられている。スタック1の温度を検知する温度センサ105がスタック1に設けられている。スタック1の発電電圧を検知する電圧センサ106が設けられている。センサ102,103,104,105,106の各信号は制御部100に入力される。
図1に示すように、貯湯系7は、熱交換器74および貯湯タンク70を循環する循環通路71と、循環通路71に設けられた貯湯ポンプ72(貯湯用水の搬送源)とを有する。貯湯ポンプ72が作動すると、貯湯タンク72の水は、循環通路71から熱交換器74に供給され、熱交換器74における排気ガスとの熱交換により加熱される。加熱された水は貯湯タンク70に戻る。これにより貯湯タンク70は温水を貯留させる。燃料電池モジュール3の近傍には熱交換器74が設けられている。
熱交換器74は、燃料電池モジュール3から排出される排気ガスが通過するガス通路74gと、貯湯系7の循環通路71の水が通過する水通路74wとをもつ。そして、熱交換器74を流れる排気ガスの熱は、貯湯系7の循環通路71の水に伝達される。熱交換器74のガス通路74gから排気通路75が筐体9の排気口76に向けて延設されており、燃料電池モジュール3の発電室32で生成された排気ガスは、熱交換器74で冷却された後、排気通路75を介して排気口76から筐体9の外部に排出される。熱交換器74のガス通路74gから凝縮水通路77が水精製器40に向けて延設されている。従って排気ガスに含まれている気相状の水分は、熱交換器74において冷却されて凝縮水を生成する。凝縮水は凝縮水通路77から水精製器40に供給される。
さて、スタック1の発電運転時には、バルブ52が開放した状態で燃料原料ポンプ55が駆動し、燃料原料が燃料原料供給通路51を介して改質器2の蒸発部20に供給される。また改質水ポンプ42が駆動し、貯水タンク44の液相状の改質水が改質水供給通路41を介して蒸発部20に供給される。ここで、蒸発部20は加熱されているため、蒸発部20は改質水を水蒸気化させる。水蒸気は改質部22に供給される。改質部22は燃料原料を水蒸気改質させ、アノードガスを生成させる。燃料原料がメタン系である場合には、水蒸気改質ではアノードガスの生成は、次の(1)式に基づくと考えられている。固体酸化物形のスタック1では、Hの他にCOも燃料となりうる。
(1)…CH+2HO→4H+CO
CH+HO→3H+CO
生成されたアノードガスは、アノードガス通路14およびアノードガスマニホルド13を介して、スタック1に設けられているアノードガス通路11rの入口に供給されて発電に使用される。またカソードガスポンプ62が駆動しているため、筐体9の外部の外気がカソードガスとして除塵フィルタ61およびカソードガス供給通路60を介して、発電室32に供給され、更に隣設する燃料電池10間の通路32rを介して、スタック1のカソード12に供給される。これによりスタック1は発電する。燃料電池10同士は図略の集電部材を介して電気的に接続されている。
発電反応においては、水素含有ガスで供給されるアノード11では基本的には(2)の反応が発生すると考えられている。酸素が供給されるカソード12では基本的には(3)の反応が発生すると考えられている。カソード12において発生した酸素イオン(O2−)がカソード12からアノード11に向けて電解質15を伝導する。
(2)…H+O2−→HO+2e
COが含まれている場合には、CO+O2−→CO+2e
(3)…1/2O+2e→O2−
発電反応後のアノードオフガスは、スタック1の上方の燃焼用空間23に排出され、発電反応後のカソードオフガスおよび発電反応を経ていないカソードガスにより燃焼し、燃焼火炎24を燃焼用空間23において形成し、その後、排気ガスとして、熱交換器74および逃がし弁78を経て排気通路75の先端の排気口76から筐体9の外部に放出される。排気ガスに含まれる水分が凝縮した凝縮水は、熱交換器74から導出される凝縮水通路77から水精製器40に供給され、水精製器40で精製される。精製された水は、貯水タンク44に改質水44wとして貯留される。
なお、アノードガス(燃料原料)の流量としては、スタック1のアノード11における発電反応で使用される流量と、燃焼用空間23においてアノードオフガスが燃焼火炎24を形成する流量とを含むように加算した流量が設定されている。カソードガスの流量としては、スタック1のカソード12における発電反応で使用される流量と、燃焼用空間23において燃焼用空気として燃焼火炎24を形成する流量と、余裕流量とを加算した流量が設定されている。
蒸発部20は、燃焼用空間23の燃焼火炎24により加熱される。蒸発部20は、炭化水素系のガス状をなす燃料原料を水蒸気改質させる改質触媒220を有する水蒸気改質反応室(吸熱室)を有する改質部22に繋がる。改質触媒220は、水蒸気改質反応を促進させる触媒と、触媒を担持するセラミックス担体(例えばアルミナ、マグネシア)とを有する。触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、金等の貴金属系、または、ニッケル等の卑金属系等の公知のものが例示される。
さて、本実施形態の要部について説明する。すなわち、スタック1と電力負荷とを電気的に繋いだ状態でスタック1が発電運転(例えば定格発電運転)しているとき、スタック1の温度は高温状態に維持される(例えば600〜900℃程度となるが、これに限定されるものではない)。スタック1の発電電圧が第2閾値電圧Vaよりも低下するとき、または、改質器2の温度もしくはスタック1の温度が高温側の第2閾値温度Ta(例えば850℃であるが、これに限定されない)よりも高温となるときがある。この場合には、材料劣化やスタック1における金属成分の酸化による劣化が加速されるおそれがあるため、システムにおける異状と考えられる。この場合、制御部100は、やむをえず、スタック1の発電運転を緊急的に停止させる制御を実施する。なお、異状の有無を判別する第2閾値電圧Vaは、スタック1の定格発電式の発電運転を100として相対表示するとき、60以下、50以下が例示される。上記したスタック冷却処理の前において、スタック1の電力負荷および発電電力を異状検知前よりも低下させることが好ましい。このようにすれば、スタック1の温度を低下させることができるため、異状を回避できることがあるためである。
上記したようにスタック1の電力負荷を低減させたとしても、スタック1の温度が低下しないときには、制御部100は、スタック1の発電運転を停止させる必要がある。そこで制御部100は、スタック1の発電運転を停止させるにあたり、スタック1の電力負荷をゼロにしてスタック1の発電電力をゼロにし、その後、下記のスタック冷却処理を実行してスタック1の温度を低下させる。高温状態のスタック1の温度が低下すれば、スタック1における金属成分の酸化による劣化が抑制される。
上記したスタック冷却処理では、制御部100は、スタック1の温度が低下して第1閾値温度T1以下(T1<Ta)に到達するまで、燃料原料ポンプ55および改質水ポンプ42の作動により、ガス状の燃料原料および液相状の改質水を改質器4の蒸発部20に供給させる吸熱操作を実行する。この場合、発電室32および改質器2は高温であるため、水蒸気改質反応により、水素を含有するアノードガス(水素リッチであるため、還元性ガス)が改質部22において生成される。更に、吸熱反応である水蒸気改質反応により、改質部22が吸熱されて冷却される。ひいては燃料電池モジュール3の発電室32内の改質器2およびスタック1が吸熱されて冷却される。
更に、制御部100は、スタック1の温度が低下して第1閾値温度T1以下(T1<Ta)に到達するまで、カソードガスポンプ62の作動により、断熱壁30の発電室32に大量のカソードガス(空気)を冷却用空気として供給させ、燃料電池モジュール3の発電室32内の改質器2およびスタック1を積極的に冷却させる空冷操作を実行する。この場合、スタック1を冷却させる空冷効果を高めるため、カソードガスポンプ62の単位時間あたりの回転数を、スタック冷却処理を実行する前よりも増加させることができる。但しこれに限定されるものではなく、カソードガスポンプ62の単位時間あたりの回転数を、スタック冷却処理を実行する前の同じ程度でも良いし、減少させても良い。
上記したスタック冷却処理では、スタック1と電力負荷との導通が遮断されている。このためスタック1のアノードに水素リッチな還元性ガスが供給され、カソードに空気が供給されるものの、スタック1のアノードおよびカソードにおける発電反応は発生しない。この場合、スタック1は開放回路電圧(OCV)を示す。このとき、スタック1のアノードガスから燃焼用空間23に排出された水素を含むアノードオフガスは、燃焼用空間23において燃焼火炎24により燃焼しているため、改質部22および蒸発部20の温度はある程度は維持され、蒸発部20における水蒸気化反応は維持され、改質部22において水素リッチな還元性ガスを生成させる水蒸気改質反応は維持される。この場合、発電室32およびスタック1の内部は、水素およびカソードガス(空気)の混合雰囲気となる。具体的には、スタック1のアノード付近は水素リッチな還元雰囲気となり、スタック1のカソード付近は空気雰囲気になると推察される。このようなスタック冷却処理では、燃料電池モジュール3の発電室32にカソードガスを供給させたスタック1を空冷させるため、発電室32内のスタック1を効率よく早期に冷却させることができる。なお、第1閾値温度T1は、スタック1の金属成分の酸化劣化を抑制することを目指してスタック1の種類、アノードやカソードの材質などに応じて適宜設定できる。例えば、150〜550℃の範囲内、200〜450℃の範囲内、200〜400℃の範囲内、200〜300℃の範囲内の温度を適宜選択できる。但しこれらに限定されるものではない。
その後、スタック1の温度が低下して第1閾値温度T1(100℃<T1<Ta)に到達したら、スタック1は過熱されていないため、スタック1における金属成分の酸化による劣化が抑制されると考えられる。そこで制御部100は水蒸気を生成させて発電室32に溜める水蒸気溜め操作を実行する。すなわち、制御部100は、燃料原料ポンプ55の作動を停止させて、燃料原料を改質器2の蒸発部20に供給させる操作を停止させる。これにより水素リッチな還元性ガスを生成させる改質部22における水蒸気改質反応は抑えられる。還元性ガスの生成は抑えられるものの、スタック1は既に過熱されていないため、酸化による劣化の問題は抑えられる。
更に、スタック1の温度が低下して第1閾値温度T1(T1<Ta)に到達すると、制御部100は、カソードガスポンプ62の作動を停止させ、空気を燃料電池モジュール3の発電室30に供給させる空冷操作を停止させる。更に水蒸気溜め操作においては、制御部100は、改質水ポンプ42の作動を継続させ、改質水供給通路41から液相状の改質水を改質器2の蒸発部20に供給させる。ここで、改質器2の温度は第4閾値温度T4(液相状の改質水をまだ水蒸気化できる温度領域)よりも高温であるため、液相状の改質水が水蒸気化し、水蒸気が蒸発部20において生成される。生成された水蒸気は、改質部22を介して燃料電池モジュール3の発電室32内のスタック1のアノード11の通路11rに流入し、更に燃料電池モジュール3の発電室32に溜められる。このようにして水蒸気を燃料電池モジュール3の断熱壁30の発電室32およびスタック1の内部に充満させる水蒸気溜め操作が実行される。
このように水蒸気溜め操作が実施されると、発電室32の内部、発電室32に収容されているスタック1のカソード12およびアノード11には、水蒸気が充満状態に貯留される。改質器2の内部も水蒸気が貯留される。
このように本実施形態によれば、スタック1の発電運転が停止するに当たり、水蒸気溜め操作が実施される結果、発電室32およびスタック1の内部に溜まっていた水素を含有する還元性ガス(アノードガス)またはガス状の燃料原料といった可燃性ガスは、発電室32から発電室32の外方に水蒸気により追い出される。さらに、上記した可燃性ガスは、排気通路75および排気口76を介して筐体9の外部に向けて排出される。このため、発電室32およびスタック1の内部に貯留するアノードガスまたは燃料原料が発電室に過剰に残留することを抑制できる。このため、保守管理性が向上する。
なお、燃料電池モジュール3の発電室32は完全密閉構造ではない。このためスタック1の発電運転が停止している状態において、発電室32およびスタック1の内部に水蒸気が貯留されているものの、筐体9の収容室91の空気または外気が排気通路75等を介して発電室32およびスタック1の内部に進入する可能性がある。従って、システムの発電運転が停止されているとき、発電室32およびスタック1の内部は、水蒸気および空気の混合雰囲気であると考えられる。ここで、スタック1の発電運転の停止中にスタック1の内部に、酸素を含む空気が進入したとしても、スタック1の温度は既に低いため、スタック1における金属成分の酸化劣化は抑制される。
上記したように本実施形態によれば、システムの異状によりシステムの発電運転を緊急的に停止させるにあたり、水素を含有する還元性ガス(アノードガス)またはガス状の燃料原料といった可燃性ガスが発電室32およびスタック1の内部に過剰に残留することを抑制しつつ、固体酸化物形燃料電池システムの発電運転を停止することができる。本実施形態によれば、システムの停止時に改質器2の蒸発部20にパージ用の空気を導入させる空気導入配管が改質器2に接続されていない。このため本実施形態は、スタック1の発電運転を停止させるとき、空気導入配管から改質器2に空気を積極的に供給させてアノードガスや燃料原料を発電室32から追い出す方式ではない。従って、空気導入配管を廃止できる。更に、空気導入配管に据え付けるポンプ等の搬送源も廃止できる。
(実施形態2)
図3は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1および図2を準用する。すなわち、スタック1の発電電圧が第2閾値電圧Vaよりも低下したとき、または、改質器2の改質部22の温度もしくはスタック1の温度が第2閾値温度Taよりも高温となったときには、異状発生と考えられ、スタック1の発電運転を停止させることが好ましい。この場合、制御部100はスタック1の発電運転を停止させる制御を実施する。なお、第2閾値電圧Vaは、スタック1の定格運転時の発電電圧を100として相対表示するとき、40以下または50以下が例示される。
従って図3に示すように、制御部100は、通常の発電運転において、スタック1の発電電圧、または、改質器2の温度もしくはスタック1の温度を読み込む(ステップS102)。スタック1の発電電圧が第2閾値電圧Vaよりも低下したとき、または、改質器2の改質部22の温度もしくはスタック1の温度が高温側の第2閾値温度Taよりも高温となったときには、第1異状状態と考えられ(ステップS104のYES)ため、制御部100はスタック1の発電運転を停止させる準備に入る。
システムが第1異状状態であれば、スタック1の発電運転を停止させるにあたり、制御部100は、スタック1の電力負荷を減少させる(ステップS106)。すなわち、スタック1の発電電力を減少させる。この場合、低減させる直前の発電電力を100として相対表示するとき、発電電力を例えば70〜95の範囲にできる。但しこれら限定されるものではない。このようにスタック1の発電電力を減少させれば、第1異状が解消され易くなり、スタック1の発電電圧が増加したり、改質器2の温度もしくはスタック1の温度が適温領域に低下しやすい。制御部100は、所定時間待機した後(ステップS108)に、第1異状が解消されたか否か判定する(ステップS110)。
スタック1の発電電圧が第2閾値電圧Vaよりも上昇したとき、または、改質器2の改質部22の温度もしくはスタック1の温度が第2閾値温度Taよりも低温となったときには、第1異状状態が解消したと考えられるため(ステップS110のYES)、制御部100は通常の発電モード(例えば定格発電運転)に移行し(ステップS112)、ステップS102に戻る。第1異状状態が解消しないとき(ステップS110のNO)、更に第2異状判定を実行する(ステップS116)。
第2異状判定では、スタック1の発電電圧が第3閾値電圧Vb(Vb<Va)よりも低下したとき、または、改質部22の温度もしくはスタック1の温度が第3閾値温度Tb(Tb>Ta)よりも高温となったか否かを判定する。
スタック1の発電電圧が第3閾値電圧Vb(Vb<Va)よりも低下したとき、または、改質部22の温度もしくはスタック1の温度が第3閾値温度Tb(Tb>Ta)よりも高温となったときには(ステップS116のYES)、異状が進行しているため、スタック1の電力負荷をゼロにしてスタック1の発電電力をゼロにする(ステップS118)。この場合、スタック1と電力負荷とを繋ぐ図略のスイッチを遮断させる。スタック1の電力負荷がゼロになれば、スタック1のアノードおよびカソードにおける発電反応が抑えられ、スタック1の発電電力がゼロとなるため、スタック1の温度は低下する。なお、スタック1と電力負荷とは遮断されているため、スタック1の電圧は基本的には発電電圧ではなく、開回路電圧(OCV)を示す。
次に、制御部100は、次のスタック冷却処理を実行してスタック1の温度を更に低下させる。スタック冷却処理では、制御部100は、スタック1の温度が第1閾値温度T1以下(T1<Tb,T1<Ta)に低下するまで、燃料原料ポンプ55および改質水ポンプ42の作動により燃料原料および改質水を改質器2に供給させる吸熱操作を実行する(ステップS120)。これにより水蒸気改質反応(吸熱反応)により、水素を含有する還元性ガス(アノードガス)を改質部22において生成させる吸熱操作を実行する。更に、カソードガスポンプ62の作動により、燃料電池モジュール3の発電室32に冷却用空気(カソードガス)を供給させ、スタック1を積極的に冷却させる空冷操作を実行する(ステップS120)。
ここで、水素を含有する還元性ガス(アノードガス)が生成する水蒸気改質反応は前述したように吸熱反応であるため、発電室32内を冷却できると共に、水素により発電室32、スタック1のアノード11に還元性を与えることができる。このようなスタック冷却処理(ステップS120)では、スタック1のカソード12に空気(カソードガス)を供給させてスタック1を冷却させるため、発電室32、スタック1および改質器2等を更に冷却させることができる。ステップS120に示されるスタック冷却処理は、スタック1の温度が第1閾値温度T1以下(T1<Tb,T1<Ta)に低下するまで実行される(ステップS122のNO)。
なお、第1閾値温度T1は、スタック1の金属成分の酸化劣化を抑制することを目指してスタック1の種類、アノードやカソードの材質などに応じて適宜設定できる。例えば、150〜550℃の範囲内、200〜450℃の範囲内、200〜400℃の範囲内、200〜300℃の範囲内の温度を適宜選択できる。但しこれらに限定されるものではない。
その後、改質部22またはスタック1の温度が低下して第1閾値温度T1に到達したら(ステップS122のYES)、制御部100は水蒸気溜め操作を実行する(ステップS124)。すなわち、制御部100は、燃料原料ポンプ55の作動を停止させて燃料原料を改質器2の蒸発部20に供給させる吸熱操作を停止させる。且つ、制御部100は、カソードガスポンプ62の作動を停止させて、スタック1のカソード12に空気(カソードガス)を供給させる空冷操作を停止させる。この場合、制御部100は、改質水ポンプ42の作動により、改質水供給通路41から液相状の改質水を改質器2の蒸発部20に供給させ、改質器2の蒸発部20において水蒸気を生成させる。水蒸気は、アノードガス通路14を介して発電室32に流れる。このようにして制御部100は、改質器2で生成された水蒸気を発電室32に積極的に溜める。
このような水蒸気溜め操作(ステップS124)が実施されると、発電室32に溜まっている水素リッチな還元性ガス(アノードガス)またはガス状の燃料原料といった可燃性ガスは、発電室32から発電室32の外方に排出されるため、保守管理性が向上する。このため、水素リッチな還元性ガス(アノードガス)またはガス状の燃料原料が発電室に過剰に残留することを抑制できる。このように本実施形態によれば、水素リッチな還元性ガス(アノードガス)またはガス状の燃料原料といった可燃性ガスが、燃料電池モジュール3の発電室32およびスタック1の内部に過剰に残留することを抑制しつつ、固体酸化物形燃料電池システムの発電運転を停止することができる。
(実施形態3)
本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図1〜図3を準用する。本実施形態においても、上記した発電室32およびスタック1の内部に水蒸気を溜める水蒸気溜め操作を実施する。その後、燃料電池モジュール3は放置されるため、次第に冷却される。このため燃料電池モジュール3の発電室32において気相状の水蒸気が凝縮して液相状の凝縮水を過剰に生成させるおそれがある。
そこで本実施形態によれば、制御部100は、前記した水蒸気溜め操作を実施した後、凝縮水排出操作を実施する。凝縮水排出操作においては、制御部100はカソードガスポンプ62を所定時間作動させる。これにより、筐体9の収容室91の空気(カソードガス)を、凝縮水追出し用の空気として、カソードガス供給通路60から燃料電池モジュール3の発電室32に供給させる。これにより燃料電池モジュール3の断熱壁30の発電室32およびスタック1の内部に溜まっていた過剰の凝縮水を、熱交換器74および排気通路75を経て排気口76から排出させる。これにより過剰の凝縮水が発電室32に残留することが抑制され、システムの次回の起動に支障を与えない。
上記した排気通路75および排気口76は、凝縮水を発電室32の外方に排出させる凝縮水排出部として機能できる。上記した凝縮水排出操作では、燃料原料ポンプ55および改質水ポンプ42が停止しており、燃料原料および改質水は改質器2に供給されない。上記した凝縮水排出操作では、カソードガスポンプ62を所定時間連続的に作動させても良いし、あるいは、デューティ制御などによりカソードガスポンプ62を間欠的に作動させて脈動的な空気流を形成し、凝縮水を移動させ易くさせても良い。
(実施形態4)
図4は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1,2と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有するため、図2および図3を準用できる。本実施形態においても、上記した発電室32およびスタック1の内部に水蒸気を溜める水蒸気溜め操作を実施する。その後、燃料電池モジュール3は次第に冷却されるため、発電室32において気相状の水蒸気が凝縮して液相状の凝縮水を過剰に生成させるおそれがある。
そこで本実施形態によれば、図4に示されるように、燃料電池モジュール3の発電室32に連通可能な凝縮水排出部47が改質水供給通路41に分岐して設けられている。凝縮水排出部47は、改質水供給通路41に連通する排出通路48と、排出通路48を開閉可能な常閉型の排出バルブ49とで形成されている。通常の状態では排出バルブ49は閉鎖されている。排出通路48の先端48cは水精製器40に繋がるため、排出通路48から排出された凝縮水は、水精製材40aで精製されて浄化される。なお、これに限らず、排出通路48の先端48cは筐体9の外方に延設されて露出されており、凝縮水を筐体9の外部に排出させることにしても良い。
上記したように発電室32およびスタック1の内部に水蒸気を溜める水蒸気溜め操作を実施した後、燃料電池モジュール3は次第に冷却されるため、発電室32において気相状の水蒸気が凝縮して液相状の凝縮水を過剰に生成させるおそれがある。そこで、制御部100は、前記した水蒸気溜め操作を実施した後、凝縮水排出操作を実施する。凝縮水排出操作においては、制御部100は、給水バルブ43を閉鎖させると共に排出バルブ49を開放させた状態において、カソードガスポンプ62を所定時間作動させる。これにより、筐体9の収容室91の空気(カソードガス)をカソードガス供給通路60から燃料電池モジュール3の発電室32に供給させる。これにより燃料電池モジュール3の発電室32に溜まっていた過剰の凝縮水を凝縮水排出部47の排出バルブ49から水精製器40に排出させる。この結果、過剰の凝縮水が発電室32に残留することが抑制され、システムの次回の起動に支障を与えない。なお、凝縮水排出装置においては、給水バルブ43が閉鎖されているため、精製水を溜める貯水タンク44に発電室32の凝縮水が戻ることは抑制され、貯水タンク44の精製水の精製度が良好に維持される。
上記した凝縮水排出操作では、燃料原料ポンプ55および改質水ポンプ42が停止しており、燃料原料および改質水の双方は改質器2および発電室32に供給されない。上記した凝縮水排出操作を終了したら、排出バルブ49を閉鎖させることが好ましい。上記した凝縮水排出操作では、カソードガスポンプ62を所定時間連続的に作動させても良いし、あるいは、デューティ制御などによりカソードガスポンプ62を間欠的に作動させて脈動的な空気流を形成し、凝縮水を移動させ易くさせても良い。
(その他)本発明は上記し且つ図面に示した実施形態および実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。スタック1は平板のアノード11、カソード12を組み付けて形成された平板積層構造であるが、これに限らず、チューブ型でも良い。蒸発部20は改質部22と一体的に形成されているが、これに限らず、蒸発部20は改質部22から物理的に分離されていても良い。改質水ポンプ42、燃料原料ポンプ55およびカソードガスポンプ62はポンプに限らず、コンプレッサ、ファンでも良い。燃料電池10はアノードおよびカソードをシート状にしたものでも良いし、ロール状に巻回したものでも良い。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
[付記項1]改質水を蒸気化させて水蒸気により燃料原料を水蒸気改質させて水素を含有するアノードガスを生成させる改質器と、改質器で生成されたアノードガスが供給されるアノードとカソードガスが供給されるカソードとを有する固体酸化物形の燃料電池のスタックと、スタックおよび改質器を収容する発電室を有する断熱壁と、改質器に接続され液相状の改質水を改質器に供給する改質水供給通路と、改質器に接続され燃料原料を前記改質器に供給する燃料原料供給通路とを具備する燃料電池システムの運転停止方法において、スタックの発電運転を停止させるにあたり、スタックの温度が第1閾値温度T1以下に低下するまで、燃料原料および改質水を改質器に供給させて改質反応により水素を含有するアノードガスを生成させると共に、改質反応により発電室を吸熱させる吸熱操作と、発電室にカソードガスを供給させてスタックを冷却させる空冷操作とを含むスタック冷却処理を実行し、その後、スタックの温度が第1閾値温度T1に到達したら、吸熱操作および空冷操作を停止させ、且つ、改質水供給通路から改質水を改質器に供給させて水蒸気を生成させ、且つ、水蒸気を発電室に溜めると共にアノードガスまたは燃料原料を発電室およびスタックから排出させる水蒸気溜め操作を実行する固体酸化物形燃料電池システムの運転停止方法。この場合、システムの発電運転を停止させるにあたり、水素を含有するアノードガスまたはガス状の燃料原料といった可燃性ガスが発電室に過剰に残留することを抑制しつつ、固体酸化物形燃料電池システムの発電運転を停止することができる。
本発明は例えば定置用、車両用、電子機器用、電気機器用の固体酸化物形燃料電池システムに利用することができる。
1はスタック、11はアノード、12はカソード、2は改質器、20は蒸発部、22は改質部、220は改質触媒、23は燃焼用空間、24は燃焼火炎、3は燃料電池モジュール、30は断熱壁、32は発電室、4は改質水系、40は水精製器、41は改質水供給通路、42は改質水ポンプ(改質水搬送源)、44は給水タンク、5は燃料原料供給系、51は燃料原料供給通路、55は燃料原料ポンプ(燃料原料搬送源)、6はカソードガス供給系、60はカソードガス供給通路、62はカソードガスポンプ(カソードガス搬送源)、100は制御部を示す。

Claims (4)

  1. 改質水を蒸気化させて水蒸気により燃料原料を水蒸気改質させて水素を含有するアノードガスを生成させる改質器と、前記改質器で生成されたアノードガスが供給されるアノードとカソードガスが供給されるカソードとを有する固体酸化物形の燃料電池のスタックと、前記スタックおよび前記改質器を収容する発電室を有する断熱壁と、前記改質器に接続され液相状の改質水を前記改質器に供給する改質水供給通路と、前記改質器に接続され燃料原料を前記改質器に供給する燃料原料供給通路と、前記スタックの発電を制御する制御部とを具備しており、
    前記制御部は、
    前記スタックの発電運転を停止させるにあたり、
    燃料原料および改質水を改質器に供給させて水蒸気改質反応により水素を含有するアノードガスを生成させると共に前記水蒸気改質反応により前記発電室を吸熱させる吸熱操作と、前記発電室にカソードガスを供給させて前記スタックを冷却させる空冷操作とを含むスタック冷却処理を実行し、
    その後、前記スタックの温度が低下して第1閾値温度T1に到達したら、前記吸熱操作および前記空冷操作を停止させ、且つ、改質水を前記改質器に供給させて水蒸気を生成させ、水蒸気を前記発電室に溜めると共にアノードガスまたは燃料原料を前記発電室および前記スタックから排出させる水蒸気溜め操作を実行する固体酸化物形燃料電池システム。
  2. 請求項1において、前記発電室に連通可能な凝縮水排出部が設けられており、前記制御部は、前記水蒸気溜め操作後、前記発電室および前記スタックの内部に水蒸気が溜められている状態において、空気を前記発電室に供給させることにより、前記発電室における過剰の凝縮水を前記凝縮水排出部から前記発電室の外方に排出させる凝縮水排出操作を実施する固体酸化物形燃料電池システム。
  3. 請求項1または2において、前記制御部は、前記スタック冷却処理に先立ち、前記スタックの電力負荷をゼロにして前記スタックを冷却させる操作を実施する固体酸化物形燃料電池システム。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、前記制御部は、前記スタックの電圧が第2閾値電圧Va以下となったとき、または、前記改質器および前記スタックのうちの少なくとも一方の温度が第2閾値温度Ta以上となったとき、前記スタック冷却処理および前記水蒸気溜め操作を実行させる固体酸化物形燃料電池システム。
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