JP2007287633A - 燃料電池発電装置及び制御プログラム並びに制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】定格運転時において、燃料電池スタックの温度を迅速かつ正確に制御することができる燃料電池発電装置及び制御プログラム並びに制御方法の提供。
【解決手段】燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、燃料ガス供給系と、空気供給系と、燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、少なくとも空気供給手段を制御する制御部とを少なくとも備える燃料電池発電装置において、制御部は、燃料電池スタックの温度が所定温度範囲を超えた場合に燃料電池スタックに供給する空気の流量を第1の流量まで増加させる第1の制御と、燃料電池スタックの温度が所定時間内に所定温度範囲に戻らない場合に運転を停止させる第2の制御と、燃料電池スタックの温度が所定温度範囲に戻った場合に燃料電池スタックに供給する空気の流量を第1の流量よりも少ない第2の流量に減少させる第3の制御とを行う。
【選択図】図4
【解決手段】燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、燃料ガス供給系と、空気供給系と、燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、少なくとも空気供給手段を制御する制御部とを少なくとも備える燃料電池発電装置において、制御部は、燃料電池スタックの温度が所定温度範囲を超えた場合に燃料電池スタックに供給する空気の流量を第1の流量まで増加させる第1の制御と、燃料電池スタックの温度が所定時間内に所定温度範囲に戻らない場合に運転を停止させる第2の制御と、燃料電池スタックの温度が所定温度範囲に戻った場合に燃料電池スタックに供給する空気の流量を第1の流量よりも少ない第2の流量に減少させる第3の制御とを行う。
【選択図】図4
Description
本発明は、燃料電池発電装置及び該燃料電池発電装置を制御するための制御プログラム並びに制御方法に関する。
ガスの電気化学反応により電気を発生させる燃料電池発電装置は、発電効率が高く、排出されるガスがクリーンで環境に対する影響が極めて少ないことから、近年、発電用途などに利用されている。この燃料電池発電装置は、反応温度や電解質の種類によって分類することができ、反応温度が300℃程度以下の低温型には、固体高分子型(PEFC)、アルカリ型(AFC)、リン酸型(PAFC)などがあり、高温型には、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体酸化物型(SOFC)などがある。
この中で、固体酸化物型は、運転温度が高いために触媒を使用する必要がなく、排熱が利用しやすく、また、電池構成材料が全て固体でできていることから構成がシンプルであり、高い発電効率が得られるなどの特徴があり、近年盛んに開発が行われている。また、燃料電池発電装置は、発電セルの形状により、円筒型、モノリス型、平板積層型の3つに分類されるが、発電セルの形成が容易な平板積層型が広く採用されている。
上記平板積層型の固体酸化物型燃料電池装置は、発電セルとセパレータとが交互に積層されて燃料電池スタックが構成されている。発電セルは、酸化物イオン導電体からなる固体電解質層を空気極(カソード)層と燃料極(アノード)層とで挟み込んだ積層構造を有し、空気極側には酸化剤ガスとしても酸素(空気)が供給され、燃料極側には燃料ガスが供給されるようになっている。
上記空気極層及び燃料極層は、酸素や燃料ガスが固体電解質層との界面に到達することができるように多孔質材料で形成されている。また、セパレータは、発電セル間を電気的に接続すると共に、燃料ガスや酸化剤ガスをセパレータ外周面から導入して燃料極層に向かって吐出させる通路を有している。また、セパレータと空気極層との間には空気極集電体が配置され、セパレータと燃料極層との間には燃料極集電体が配置されている。
上記構成の固体酸化物燃料電池では、セパレータを介して発電セルの空気極側に供給された酸化剤ガス(酸素)は、空気極層内の気孔を通って固体電解質層との界面近傍に到達し、空気極から電子を受け取って酸化物イオン(O2−)になる。この酸化物イオンは、燃料極に向かって固体電解質層内を拡散移動し、燃料極との界面近傍で燃料ガスと反応して反応生成物(H2O等)となり、燃料極に電子を放出する。そして、この電子を燃料極集電体から取り出すことによって電流が発生する。上記電極反応(発電反応)は、燃料ガスとして水素を用いた場合は以下のようになる。
空気極: 1/2O2 + 2e− → O2−
燃料極: H2 + O2− → H2O + 2e−
全体 : H2 + 1/2O2 → H2O
燃料極: H2 + O2− → H2O + 2e−
全体 : H2 + 1/2O2 → H2O
ここで、燃料ガスとして水素を使用する場合、水素の濃度をコントロールするために窒素が混合され、燃料電池発電装置を起動する際には、水素と窒素を用いて燃料極の還元状態が保持される。例えば、1kW級モジュールでは、窒素20NL/min(”N”は0℃基準を意味する。)と水素2NL/minの混合ガスを用いてパージを行っており、装置が大型化するにつれて窒素の使用量が増加してしまう。特に、燃料電池スタックが密閉されていないシールレスタイプの燃料電池発電装置では上記混合ガスの使用量が更に増加するため、発電に利用されない窒素を無駄に消費してしまい、発電コストが増加するという問題があった。
そこで、燃料ガスとして水素に代えて都市ガスや天然ガスなどの炭化水素系ガスを使用する燃料電池発電装置が提案されている(例えば、下記引用文献1参照)。この燃料電池発電装置は、例えば、図5に示すように、燃料ガスの流量と酸化剤ガスの流量とに応じて直流出力電力を発生する燃料電池スタック3と、燃料電池スタック3に酸化剤ガスとしても空気を導入する空気ブロア6や熱交換器20、空気供給配管などの空気供給系と、燃料電池スタック3に燃料ガスを導入する燃料ガス昇圧器7や燃料ガス供給配管などの燃料ガス供給系と、燃料ガス供給系から送られる炭化水素ガスを水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質器4と、燃料ガス供給系に水蒸気を導入する水移送ポンプ8や水蒸気発生器10、水蒸気供給配管などの水蒸気供給系と、各種制御を行う制御部5などで構成され、燃料電池スタック3と燃料改質器4とで燃料電池モジュール2が構成される。
ここで、上述した発電反応は発熱反応であるため、上記いずれのタイプの装置でも発電時に燃料電池スタックの温度は上昇し、その温度が燃料電池スタックの耐熱温度以上に達した場合には、発電セルが破損したり、セパレータが熱によって変形するなどの不具合が生じる。従って、燃料電池発電装置では燃料電池スタックの温度をいかに制御するかが重要であり、従来より様々な制御方法が提案されている。
例えば、下記特許文献2では、燃料ガスを燃料電池へ供給せずにバイパスして流す燃料ガスバイパス手段と酸化ガスを燃料電池へ供給せずにバイパスして流す酸化ガスバイパス手段とを備える燃料電池発電システムに、燃料電池の異常を検出する燃料電池異常検出装置と、燃料電池異常検出装置の異常信号を入力して燃料ガスバイパス弁と酸化ガスバイパス弁とを制御するバイパス制御装置とを設け、燃料ガスや酸化ガスをバイパスさせて燃料電池スタックに供給しないことにより発電反応を抑え、燃料電池スタックの温度上昇を抑制している。
上述したように、燃料電池スタックの温度が上昇した場合に、燃料ガスや酸化ガスをバイパスさせることにより燃料電池スタックの発熱を抑えることは可能であるが、この方法は発熱を抑えるだけであり、燃料電池スタックを強制的に冷却するものではないため、燃料電池スタックの温度を迅速に低下させることができず、上記不具合の発生を有効に防止することができないという問題があった。
また、燃料電池スタックに供給する空気の流量を増加させて強制的に冷却する方法もあるが、従来は空気の流量を徐々に増加させる制御を行っていたため、燃料電池スタックの温度が低下するまでに時間を要し、上記不具合の発生を確実に防止することができず、また、安定して発電を継続させることができないという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その主たる目的は、定格運転時において、燃料電池スタックの温度を迅速かつ正確に制御することができる燃料電池発電装置及び該燃料電池発電装置の制御プログラム並びに制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、少なくとも前記空気供給手段を制御する制御手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置において、前記制御手段は、前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御を行うものである。
また、本発明は、炭化水素系の燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタック及び前記燃料ガスを改質する燃料改質器を含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料ガスの供給経路に水蒸気を導入する水蒸気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、少なくとも前記空気供給手段を制御する制御手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置において、前記制御手段は、前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御を行うものである。
本発明においては、前記制御手段は、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲を超えてから予め定めた時間が経過するまでに、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻らない場合に、前記運転を停止させる第2の制御を行う構成とすることができる。
また、本発明においては、前記制御手段は、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻った場合に、前記空気の流量を、前記第1の流量よりも少なく前記初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御を行う構成とすることもできる。
また、本発明においては、前記空気供給手段は、熱交換器を通して温めた温空気を供給する第1の空気供給系と熱交換器を通さない冷空気を供給する第2の空気供給系とを含み、前記第1の空気供給系と前記第2の空気供給系とは、前記燃料電池モジュール内で連結して前記燃料電池スタックに接続され、前記制御手段では、前記第1及び第3の制御において、前記第2の空気供給系を制御して、前記冷空気の流量を増減させる構成とすることもできる。
また、本発明は、燃燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置を制御するためのプログラムであって、コンピュータを、前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御を行う制御手段、として機能させるものである。
また、本発明は、炭化水素系の燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタック及び前記燃料ガスを改質する燃料改質器を含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料ガスの供給経路に水蒸気を導入する水蒸気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置を制御するためのプログラムであって、コンピュータを、前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御を行う制御手段、として機能させるものである。
また、本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置の制御方法であって、前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度を監視するステップと、前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御ステップと、を少なくとも有するものである。
また、本発明は、炭化水素系の燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタック及び前記燃料ガスを改質する燃料改質器を含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料ガスの供給経路に水蒸気を導入する水蒸気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置の制御方法であって、前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度を監視するステップと、前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御ステップと、を少なくとも有するのである。
本発明においては、更に、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲を超えてから予め定めた時間が経過するまでに、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻らない場合に、前記運転を停止させる第2の制御ステップを有する構成とすることができる。
また、本発明においては、更に、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻った場合に、前記空気の流量を、前記第1の流量よりも少なく前記初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御ステップを有する構成とすることもできる。
このように、本発明の制御手段では、運転時において、空気の流量を、初期流量から燃料電池スタックを所定温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御や、運転を停止させる第2の制御、空気の流量を、第1の流量よりも少なく初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御を行うため、燃料電池スタックの温度を迅速かつ正確に制御することができる。特に、温空気を供給する第1の空気供給系と冷空気を供給する第2の空気供給系とを備える場合に、冷空気の流量を制御することによって燃料電池スタックの温度をより迅速かつ正確に制御することができる。
本発明の燃料電池発電装置及び制御プログラム並びに制御方法によれば、燃料電池スタックの温度を迅速かつ正確に制御することができる。
その理由は、制御手段では、運転時において燃料電池スタックの温度が所定温度範囲を超えた場合に、燃料電池スタックに供給する空気の流量を、初期流量から燃料電池スタックを所定温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御や、燃料電池スタックの温度が所定時間内に所定温度範囲に戻らない場合に運転を停止させる第2の制御、燃料電池スタックの温度が所定温度範囲に戻った場合に燃料電池スタックに供給する空気の流量を第1の流量よりも少なく初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御を行うからである。
また、燃料電池スタックに空気を供給する空気供給系が、熱交換器を通して温めた空気(温空気)を供給する第1の空気供給系と、熱交換器を通さずに外部からの冷えた空気(冷空気)をそのまま供給する第2の空気供給系の2系統とで構成される場合において、制御手段では、第2の空気供給系の冷空気の流量を制御するため、温空気の流量を制御する場合に比べて効率的に温度を制御することができるからである。
そして、これらの効果により、燃料電池スタックの温度上昇に起因する不具合の発生を未然に防止することができると共に、安定して発電を継続させることができる。
上述したように、燃料電池発電装置では、該燃料電池スタックの温度上昇により、発電セルが破損したり、セパレータが変形するなどの不具合が生じる場合がある。そこで、上記特許文献2では、燃料電池発電装置に燃料ガスバイパス手段と酸化ガスバイパス手段とを設け、燃料電池スタックの温度が上昇した場合に、燃料ガスや酸化ガスをバイパスさせることにより発熱を抑える制御を行っているが、この方法は燃料電池スタックを強制的に冷却する方法ではないため、燃料電池スタックの温度を迅速に低下させることができず、上記不具合を有効に防止することができないという問題があった。また、燃料電池スタックに供給する空気の流量を増加させる方法もあるが、従来は空気の流量を徐々に増加させる制御を行っていたため、燃料電池スタックの温度が低下するまで時間を要し、上記不具合を確実に防止することができず、安定して発電を継続させることができないという問題があった。
そこで、本発明では、燃料電池スタックに供給する空気の流量を徐々に増加させるのでなく、空気の流量を初期流量から燃料電池スタックを所定温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させて迅速に燃料電池スタックの温度を低下させる第1の制御を行う。また、第1の制御により燃料電池スタックの温度が低下した場合を考慮して、所定時間内に所定温度範囲に戻らない場合に運転を停止させる第2の制御や、所定温度範囲に戻った場合に空気の流量を第1の流量よりも少なく初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御を行う。以下、その具体的構成について、図面を参照して説明する。
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の一実施例に係る燃料電池発電装置及び燃料電池発電装置の制御プログラム並びに制御方法について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本実施例の燃料電池発電装置の構成を模式的に示す図であり、図2は、燃料電池発電装置の他の構成を示す図である。また、図3は、燃料電池スタックの具体的構成例を示す図であり、図4は、本実施例の燃料電池発電装置を用いた制御手順を示すフローチャート図である。
図1に示すように、本実施例の燃料電池発電装置1は、燃料ガス(都市ガスや天然ガス、LPGガスなどの炭化水素ガス)の流量と酸化剤ガス(酸素や空気など)の流量とに応じて直流出力電力を発生する燃料電池スタック3と、燃料電池スタック3に酸化剤ガス(本実施例では空気とする。)を導入する空気供給系と、燃料電池スタック3に燃料ガスを導入する燃料ガス昇圧器7や燃料ガス供給配管などの燃料ガス供給系と、燃料電池モジュール2内に配設され、燃料ガス供給系から送られる炭化水素ガスを水素リッチな燃料ガスに改質する燃料改質器4と、燃料ガス供給系に水蒸気を導入する水移送ポンプ8や水蒸気発生器10、水蒸気供給配管などの水蒸気供給系と、少なくとも燃料電池モジュール2の温度を測定する温度測定手段(図示せず)と、水や燃料ガス、空気の流量制御などを行う制御部5と、燃料電池スタック3からの直流出力を交流出力に変換して交流電力を外部負荷に供給するインバータ(図示せず)などで構成されている。
また、上記空気供給系は、空気ブロア6aや熱交換器20、空気供給配管などを含み、熱交換器20で温めた空気(以下、温空気と呼ぶ。)を供給する第1の空気供給系(図の右上側の系)と、空気ブロア6bや空気供給配管などを含み、外部からの空気(以下、冷空気と呼ぶ。)を供給する第2の空気供給系(図の右下側の系)とで構成され、第1の空気供給系と第2の空気供給系とは、燃料電池モジュール2内部で連結した後、燃料電池スタック3に接続され、温空気と冷空気を混合した空気(以下、混合空気と呼ぶ。)が燃料電池スタック3に供給されるようになっている。
また、制御部5は、温度測定手段で測定した燃料電池スタック3の温度が発電を継続可能な温度範囲(以下、所定温度範囲と呼ぶ。)を超えた場合に第2の空気供給系を制御して冷空気の流量を、予め定めた初期流量から燃料電池スタック3を所定温度範囲以下に冷却可能な流量として予め定めた第1の流量まで増加させる第1の制御と、予め定めた時間内に燃料電池スタック3の温度が所定温度範囲に戻らない場合に運転を停止させる第2の制御と、燃料電池スタック3の温度が所定温度範囲に戻った場合に第2の空気供給系を制御して冷空気の流量を第1の流量よりも少なく初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御とを実行するように構成される。この制御部5は制御装置内にハードウェアとして構成されていてもよいし、コンピュータ(ソフトウェアを実行可能なハードウェア資源の総称)を、上記制御部5として機能させる制御プログラムとして構成し、該制御プログラムを制御装置で実行させるようにしてもよい。
また、燃料電池スタック3は、例えば、図3に示すように、固体電解質層12の両面に燃料極層13と空気極層11とを配置した発電セル14と、燃料極層13の外側に配置した燃料極集電体19と、空気極層11の外側に配置した空気極集電体18と、各集電体の外側に配したセパレータ17とからなる単セルが縦方向に多数積層されて構成されている。
固体電解質層12はイットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)等で構成され、燃料極層13はNi、Co等の金属又はNi−YSZ、Co−YSZ等のサーメットで構成され、空気極層11はLaMnO3、LaCoO3等で構成されている。また、燃料極集電体19はNi基合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、空気極集電体18はAg基合金等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、セパレータ17はステンレス等で構成されている。
また、セパレータ17は、発電セル14間を電気的に接続すると共に、発電セル14に対してガスを供給する機能を有し、燃料ガスをセパレータ17の外周面から導入して燃料極集電体19に対向する面のほぼ中央部から吐出する燃料ガス通路と、酸化剤ガス(空気)をセパレータ17の外周面から導入して空気極集電体18に対向する面に吐出する酸化剤ガス通路とを備えている。
また、この燃料電池スタック3の両側にはステンレス等で形成された一対の端板15、16が配置されており、燃料電池スタック3の電力はこの上下一対の端板15、16を介して外部に取り出すことができるようになっている。
この燃料電池スタック3は、発電セル14の外周部にガス漏れ防止シールを設けないシールレス構造となっており、運転時には、燃料ガス通路及び酸化剤ガス通路を通してセパレータ17の略中心部から発電セル14に向けて供給される燃料ガス及び酸化剤ガス(空気)を発電セル14の外周方向に拡散させながら燃料極層13及び空気極層11の全面に良好な分布で行き渡らせて発電反応を生じさせると共に、発電反応で消費されなかった余剰ガス(高温排ガス)を発電セル14の外周部からハウジング内に自由に放出するようになっており、ハウジングの内部空間に放出された排ガスは排気穴より燃料電池モジュール2外に排出されるようになっている。
なお、図1では、温空気を供給する第1の空気供給系と冷空気を供給する第2の空気供給系の2系統の空気供給系を備える燃料電池発電装置1を示したが、例えば、図5に示すような1系統の空気供給系のみを備える構成や、図2に示すように、本願発明者が先願(特開2005−5074号公報)において開示した構成(第1の空気供給系の温空気と第2の空気供給系の冷空気とを混合せずに供給する構成)においても適用可能である。また、本実施例の燃料電池発電装置1は、空気供給系の制御方法に特徴を有するものであり、燃料電池モジュール2や燃料電池スタック3、燃料ガス供給系、水蒸気供給系などの他の構成物の構造や形状、配置などは特に限定されない。
次に、図1の構成の燃料電池発電装置1を用いた具体的な制御手順について、図4のフローチャート図を参照して説明する。
まず、ステップS101で、コールドスタンバイ状態(常温状態)において制御装置のボタン操作などによって起動を指示すると、ステップS102で、燃料電池モジュール2内の設けられたヒータ等の加熱手段(図示せず)によって、燃料電池スタック3が加熱、昇温される。
次に、ステップS103で、第1の空気供給系及び第2の空気供給系を用いて、燃料電池スタック3に混合空気を供給する。その際、1系統の空気供給系のみで構成される装置では空気の温度を細かく制御することができず、また、第1の空気供給系と第2の空気供給系とが独立して燃料電池スタック3に接続されている構造(本願発明者の先願)では、温空気が供給される部分と冷空気が供給される部分とで温度差が生じるために燃料電池スタック3の温度を均一に上昇させることが難しいが、図1の構成では、温空気と冷空気とを混合した混合空気を用いているため燃料電池スタック3の温度を正確かつ均一に制御することができる。
次に、水蒸気供給系を用いて燃料ガス供給配管に水蒸気を導入する。その際、水蒸気供給配管の温度が低いと燃料ガス供給系に水が混入してしまうため、制御部5で水蒸気発生器10の出口近傍の温度を監視し、その温度が気化可能な所定の温度以上になってから水蒸気発生器10に水を投入することが好ましい。また、初期投入時に少量の水を投入し、その後、徐々に水の流量を増やすと、発電に必要な水蒸気量を生成するまでに時間がかかり、装置を迅速に起動することができないため、水の初期投入時に定常状態よりも多い流量で水を供給した後、水蒸気発生器10の出口近傍の温度の低下量が予め定められた所定の範囲を超えたら、上記流量よりも少ない流量で水を供給するように制御することが好ましい。
次に、燃料ガス供給系に炭化水素系の燃料ガスを供給する。その際、水の供給量が多いと燃料ガス供給系に水が混入したり燃料ガスの温度が低下し、また、水の供給量が少ないと発電に必要な水蒸気量を生成するまでに時間がかかるため、燃料ガス投入後、燃料ガス供給配管の水蒸気供給配管との合流点近傍の温度を監視し、この部分の温度が低下したら水蒸気発生器10への水の供給量を減少又は水の供給を停止し、逆にこの部分の温度が上昇したら水の供給量を増やす制御を行うことが好ましい。
次に、ステップS104で、制御部5は、予め配設された温度測定手段を用いて燃料電池スタック3の温度を監視し、ステップS105で、燃料電池スタック3が所定の温度(運転可能温度)以上となったら、ステップS106で、自動運転モードで発電を開始する。この自動運転モードは、例えば、ホットスタンバイ状態(出力0W)から燃料電池スタック3の温度を上げながら定格(例えば、出力300W)まで徐々に取得電流を増加させる第1の運転パターンと、定格出力到達後、定格出力範囲内(例えば、出力300〜1KW)において燃料電池スタック3の温度と出力を一定に保持する第2の運転パターンと、定格出力時に燃料電池スタック3の温度を下げながら徐々に取得電流を下げてホットスタンバイ状態(出力0W)に移行する第3の運転パターンなどで構成される。
そして、上記第2の運転パターンでは、取り出す電流を一定にした時の出力電圧が略一定の値になるように、ステップS107で、制御部5は、温度測定手段を用いて燃料電池スタック3の温度を監視し、ステップS108で、燃料電池スタック3の温度が所定温度範囲を超えた場合、制御部5は、燃料電池スタック3の温度を下げるように制御する。具体的には、ステップS109で、制御部5は、第2の空気供給系を制御し、冷空気の流量を、初期流量から燃料電池スタック3を所定温度範囲以下に冷却できる流量として予め設定した第1の流量まで増加させる制御(第1の制御)を行い、燃料電池スタック3を急速に冷却する。
その際、温空気と冷空気とを混合した混合空気の流量が変動すると発電条件が変動するため、冷空気の流量を増加させた分だけ温空気の流量を減らし、混合空気の流量が略一定に保たれるようにすることもできる。なお、上記第1の流量の具体的な値は特に限定されず、温度の下降速度や燃料電池スタック3の熱容量、燃料電池スタック3内における空気の吐出構造や吐出部の配置などを参照して、実験やシミュレーションの結果に基づいて適宜設定することができるが、例えば、電気出力1kW級モジュールの場合、増加させる前の通常の流量(初期流量)を60NL/min程度とする時は、第1の流量を90NL/min程度とすることができる。
通常、上述した第1の制御で燃料電池スタック3の温度を所定温度範囲内に戻すことができるが、例えば、燃料電池スタック3の温度が急に上昇した場合には、空気の流量を第1の流量まで増加させても燃料電池スタック3の温度を所定温度範囲に戻すことができず、そのまま発電を続行すると発電セル14が破損したりセパレータ17が変形してしまう。そこで、本実施例では、ステップS110で、制御部5は燃料電池スタック3の温度が所定温度範囲に戻ったかを判断し、所定温度範囲に戻らない場合は、ステップS111で、燃料電池スタック3の温度が所定温度範囲を超えてからの時間が予め定めた所定時間を経過したかを判断し、所定時間を経過した場合には、ステップS114にスキップして運転を停止させる制御(第2の制御)を行う。なお、上記時間の具体的な値も特に限定されず、燃料電池スタック3の各部材の耐熱温度などを考慮して適宜設定することができる。
一方、ステップS110で、燃料電池スタック3の温度が所定温度範囲に戻った場合には、制御部5は、燃料電池スタック3の温度を上げるように制御する。その際、冷空気の流量を初期流量に戻すと再び燃料電池スタック3の温度が上昇すると考えられることから、本実施例では、ステップS112で、制御部5は、第2の空気供給系を制御して冷空気の流量を第1の流量よりも少なく初期流量よりも多い第2の流量に減少させる制御(第3の制御)を行い、冷空気により燃料電池スタック3を適度に冷却する。
その際、上述したように混合空気の流量が変動すると発電条件が変動するため、冷空気の流量を減少させた分だけ温空気の流量を増やし、混合空気の流量が略一定に保たれるようにすることもできる。なお、上記第2の流量の具体的な値も特に限定されず、温度の上昇速度や燃料電池スタック3の熱容量、燃料電池スタック3内における空気の吐出構造や吐出部の配置などを参照して、実験やシミュレーションの結果に基づいて適宜設定することができるが、例えば、初期流量を60NL/min程度、第1の流量を90NL/min程度とする場合は、第2の流量を70NL/min程度とすることができる。
そして、上記制御を自動運転モード(特に第2の運転パターン)の間、継続して行い、その後、ステップS113で、制御装置のボタン操作などによって停止を指示すると、ステップS114で、制御部5は、燃料ガス及び水蒸気の供給量を徐々に減らすと共に、混合空気の供給量を増やして燃料電池スタック3の温度を下げ、コールドスタンバイ状態(常温状態)戻して一連の処理を終了する。
このように、本実施例の燃料電池発電装置1では、制御部5で、燃料電池スタック3の温度が所定温度範囲を超えた場合に、空気(好ましくは冷空気)の流量を、初期流量から、燃料電池スタック3を所定温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御と、所定時間内に燃料電池スタック3の温度が所定温度範囲に戻らない場合に、運転を停止させる第2の制御と、燃料電池スタック3の温度が所定温度範囲に戻った場合に、空気(好ましくは冷空気)の流量を第1の流量よりも少なく初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御とを行うため、効率的に燃料電池スタック3を冷却又は昇温することができ、燃料電池スタック3の温度を迅速かつ正確に制御することができる。そして、これにより、燃料電池スタックの温度上昇に起因する不具合の発生を未然に防止しつつ、安定した発電を継続させることができる。
なお、上記実施例では、燃料ガスとして炭化水素系ガスを使用する燃料電池発電装置を示したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、水素を使用する燃料電池発電装置に対しても同様に適用することができる。また、上記実施例では、シールレスタイプの燃料電池発電装置1について記載したが、シールタイプの燃料電池発電装置1に対しても同様に適用することができる。
本発明の制御方法は、作動温度の高い固体酸化物型燃料電池発電装置において特に有効であるが、固体高分子型燃料電池発電装置、アルカリ型燃料電池発電装置、リン酸型燃料電池発電装置、溶融炭酸塩型燃料電池発電装置などの他の種類の燃料電池発電装置に対しても適用することが可能である。
1 燃料電池発電装置
2 燃料電池モジュール
3 燃料電池スタック
4 燃料改質器
5 制御部
6a、6b 空気ブロア
7 燃料ガス昇圧器
8 水移送ポンプ
9 純水タンク
10 水蒸気発生器
11 空気極層
12 固体電解質層
13 燃料極層
14 発電セル
15、16 端板
17 セパレータ
18 空気極集電体
19 燃料極集電体
20 熱交換器
2 燃料電池モジュール
3 燃料電池スタック
4 燃料改質器
5 制御部
6a、6b 空気ブロア
7 燃料ガス昇圧器
8 水移送ポンプ
9 純水タンク
10 水蒸気発生器
11 空気極層
12 固体電解質層
13 燃料極層
14 発電セル
15、16 端板
17 セパレータ
18 空気極集電体
19 燃料極集電体
20 熱交換器
Claims (15)
- 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、少なくとも前記空気供給手段を制御する制御手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置において、
前記制御手段は、前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御を行うことを特徴とする燃料電池発電装置。 - 炭化水素系の燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタック及び前記燃料ガスを改質する燃料改質器を含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料ガスの供給経路に水蒸気を導入する水蒸気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、少なくとも前記空気供給手段を制御する制御手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置において、
前記制御手段は、前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御を行うことを特徴とする燃料電池発電装置。 - 前記制御手段は、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲を超えてから予め定めた時間が経過するまでに、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻らない場合に、前記運転を停止させる第2の制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
- 前記制御手段は、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻った場合に、前記空気の流量を、前記第1の流量よりも少なく前記初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の燃料電池発電装置。
- 前記空気供給手段は、熱交換器を通して温めた温空気を供給する第1の空気供給系と熱交換器を通さない冷空気を供給する第2の空気供給系とを含み、前記第1の空気供給系と前記第2の空気供給系とは、前記燃料電池モジュール内で連結して前記燃料電池スタックに接続され、
前記制御手段では、前記第1及び第3の制御において、前記第2の空気供給系を制御して、前記冷空気の流量を増減させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の燃料電池発電装置。 - 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置を制御するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御を行う制御手段、として機能させることを特徴とする制御プログラム。 - 炭化水素系の燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタック及び前記燃料ガスを改質する燃料改質器を含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料ガスの供給経路に水蒸気を導入する水蒸気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置を制御するためのプログラムであって、
コンピュータを、
前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御を行う制御手段、として機能させることを特徴とする制御プログラム。 - 前記制御手段は、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲を超えてから予め定めた時間が経過するまでに、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻らない場合に、前記運転を停止させる第2の制御を行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の制御プログラム。
- 前記制御手段は、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻った場合に、前記空気の流量を、前記第1の流量よりも少なく前記初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御を行うことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一に記載の制御プログラム。
- 前記空気供給手段は、熱交換器を通して温めた温空気を供給する第1の空気供給系と熱交換器を通さない冷空気を供給する第2の空気供給系とを含み、前記第1の空気供給系と前記第2の空気供給系とは、前記燃料電池モジュール内で連結して前記燃料電池スタックに接続され、
前記制御手段では、前記第1及び第3の制御において、前記第2の空気供給系を制御して、前記冷空気の流量を増減させることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一に記載の制御プログラム。 - 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタックを含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置の制御方法であって、
前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度を監視するステップと、
前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御ステップと、を少なくとも有することを特徴とする燃料電池発電装置の制御方法。 - 炭化水素系の燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により電力を発生させる燃料電池スタック及び前記燃料ガスを改質する燃料改質器を含む燃料電池モジュールと、前記燃料電池スタックに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池スタックに前記酸化剤ガスとして空気を供給する空気供給手段と、前記燃料ガスの供給経路に水蒸気を導入する水蒸気供給手段と、前記燃料電池スタックの温度を測定する温度測定手段と、を少なくとも備える燃料電池発電装置の制御方法であって、
前記燃料電池発電装置の運転時に、前記温度測定手段で測定した前記燃料電池スタックの温度を監視するステップと、
前記燃料電池スタックの温度が予め定めた温度範囲を超えた場合に、前記空気の流量を、初期流量から、前記燃料電池スタックを前記温度範囲以下に冷却可能な第1の流量まで増加させる第1の制御ステップと、を少なくとも有することを特徴とする燃料電池発電装置の制御方法。 - 更に、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲を超えてから予め定めた時間が経過するまでに、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻らない場合に、前記運転を停止させる第2の制御ステップを有することを特徴とする請求項11又は12に記載の燃料電池発電装置の制御方法。
- 更に、前記燃料電池スタックの温度が前記温度範囲に戻った場合に、前記空気の流量を、前記第1の流量よりも少なく前記初期流量よりも多い第2の流量に減少させる第3の制御ステップを有することを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一に記載の燃料電池発電装置の制御方法。
- 前記空気供給手段は、熱交換器を通して温めた温空気を供給する第1の空気供給系と熱交換器を通さない冷空気を供給する第2の空気供給系とを含み、前記第1の空気供給系と前記第2の空気供給系とは、前記燃料電池モジュール内で連結して前記燃料電池スタックに接続され、
前記第1及び第3の制御ステップでは、前記第2の空気供給系を制御して、前記冷空気の流量を増減させることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一に記載の燃料電池発電装置の制御方法。
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