第1の発明の燃料電池システムは、炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器、改質器により生成された水素含有ガス中の一酸化炭素を低減するCO低減器、及び、CO低減器の温度を検知するCO低減器温度検知器、を備えた水素生成装置と、水素生成装置からの水素含有ガスを用いて発電する燃料電池と、外部からの入力に基づく手動起動を設定する設定器と、制御器と、を備えた燃料電池システムであって、制御器は、通常起動時に、前記CO低減器の温度が第1下限温度以上となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御し、手動起動時にCO低減器の温度が前記第1下限温度より低い第2下限温度以上となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御し、前記手動起動の回数が第1回数を上回った場合、または、前記燃料電池の通常運転時の最大発電量が第1発電量以下となった場合、または、前記燃料電池システムの累積運転時間が第1時間以上となった場合のいずれかの場合に、前記手動起動を行わず、前記通常起動を行うよう制御する。
これにより、手動起動時に水素含有ガス供給開始可能なCO低減器の温度下限条件が通常起動より低くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を通常起動時の温度条件を用いたときと比べて短縮することができる。そのため、使用者の起動に時間が掛かるという不満を解消できる上に、メンテマンが試運転させる際の拘束時間を短くすることができる。さらに手動起動をしていない場合の起動は燃料電池に負荷がかからない起動になるため商品の耐久性も維持できる。さらに、制御器は、場合によって、手動起動を行わずに通常起動を行うよう制御する構成であり、手動起動の回数が所定の回数を上回る場合に、手動起動を行わずに通常起動を行うよう制御器を構成すれば、手動起動を繰り返すことによる燃料電池への一酸化炭素による蓄積負荷が、燃料電池の許容負荷を超えることを防げるため、燃料電池の劣化を抑制できる。また、燃料電池の発電量や燃料電池システムの運転時間から燃料電池の劣化度合を推定できるので、燃料電池の通常運転時の最大発電量が第1発電量以下となった場合、または、燃料電池システムの累積運転時間が第1時間以上となった場合のどちらかの場合に、手動起動を行わずに通常起動を行うよう制御器を構成すれば、劣化度合が一定量を超えたと推定される燃料電池に一酸化炭素濃度の高いガスを送らないことで、燃料電池システムの信頼性を維持できる。
第2の発明は、特に、第1の発明における制御器が、通常起動時に、CO低減器の温度が第1下限温度より高い第1上限温度以下となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御し、手動起動時に、CO低減器の温度が第1上限温度より高い第2上限温度以下となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御する。
これにより、手動起動時に水素含有ガス供給開始可能なCO低減器の温度上限条件が通常起動より高くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を通常起動時の温度条件を用いたときと比べて短縮することができる上に、上限値を設けることで、CO低減器においてさらに適正な触媒温度範囲での一酸化炭素低減反応を行えるため、より適正な一酸化炭素濃度のガスを供給することができる。
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明におけるCO低減器が、変成器及び選択酸化器を備え、水素生成装置は、変成器の温度を検知する変成器温度検知器をさらに備え、CO低減器温度検知器は、選択酸化器の温度を検知する選択酸化器温度検知器であり、制御器は、通常起動時に、変成器の温度が第3下限温度以上となり、かつ、選択酸化器の温度が第1下限温度以上となった場合に、水素生成装置から前記燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御し、手動起動時に、変成器の温度が第3下限温度より低い第4下限温度以上となった場合、又は、選択酸化器の温度が第2下限温度以上となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御する。
これにより、手動起動時に水素含有ガス供給開始可能な変成器と選択酸化器の温度下限条件が通常起動より低くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を通常起動時の温度条件を用いたときと比べて短縮することができる上に、変成器および選択酸化器の両方の温度に基づいて制御を行うため、より精度よく一酸化炭素濃度を制御することができる。
第4の発明は、特に、第3の発明における制御器が、通常起動時に、変成器の温度が第3下限温度より高い第3上限温度以下となり、かつ、選択酸化器の温度が第1上限温度以下となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御し、手動起動時に、変成器の温度が第3上限温度より高い第4上限温度以下となった場合、又は、選択酸化器の温度が第2上限温度以下となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御する。
これにより、手動起動時に水素含有ガス供給開始可能な変成器と選択酸化器の温度上限条件が通常起動より高くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を通常起動時の温度条件を用いたときと比べて短縮することができる上に、上限値を設けることで、変成器および選択酸化器においてさらに適正な触媒温度範囲での一酸化炭素低減反応を行えるため、より適正な一酸化炭素濃度のガスを供給することができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明における水素生成装置が、原料及び水素含有ガスのうちの少なくとも一方を燃焼し、改質器又はCO低減器を加熱する燃焼器を備え、制御器が、通常起動時に、燃焼器が第1加熱量で改質器又はCO低減器を加熱するよう制御し、手動起動時に、燃焼器が第1加熱量より大きい第2加熱量で改質器又はCO低減器を加熱するよう制御する。
これにより、手動起動時は通常起動時より大きい加熱量で加熱し、CO低減器の温度上
昇速度を増加させることができるため、起動時間を短くすることができる。
第6の発明の燃料電池システムの運転方法は、炭化水素を含む原料を改質して水素含有ガスを生成する改質器、改質器により生成された水素含有ガス中の一酸化炭素を低減するCO低減器、及び、CO低減器の温度を検知するCO低減器温度検知器、を備えた水素生成装置と、水素生成装置からの水素含有ガスを用いて発電する燃料電池と、外部からの入力に基づく手動起動を設定する設定器と、を備えた燃料電池システムの運転方法であって、通常起動時に、CO低減器の温度が第1下限温度以上となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するステップと、手動起動時に、CO低減器の温度が第1下限温度より低い第2下限温度以上となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するステップと、手動起動の回数が第1回数を上回った場合、または、燃料電池の通常運転時の最大発電量が第1発電量以下となった場合、または、燃料電池システムの累積運転時間が第1時間以上となった場合のいずれかの場合に、手動起動を行わず、通常起動を行うステップと、を備える。
これにより、手動起動時に水素含有ガス供給開始可能なCO低減器の温度下限条件が通常起動より低くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を通常起動時の温度条件を用いたときと比べて短縮することができる。そのため、使用者の起動に時間が掛かるという不満を解消できる上に、メンテマンが試運転させる際の拘束時間を短くすることができる。さらに手動起動をしていない場合の起動は燃料電池に負荷がかからない起動になるため商品の耐久性も維持できる。さらに、場合によって、手動起動を行わずに通常起動を行うようにしており、手動起動の回数が所定の回数を上回る場合に、手動起動を行わずに通常起動を行うようにすれば、手動起動を繰り返すことによる燃料電池への一酸化炭素による蓄積負荷が、燃料電池の許容負荷を超えることを防げるため、燃料電池の劣化を抑制できる。また、燃料電池の発電量や燃料電池システムの運転時間から燃料電池の劣化度合を推定できるので、燃料電池の通常運転時の最大発電量が第1発電量以下となった場合、または、燃料電池システムの累積運転時間が第1時間以上となった場合のどちらかの場合に、手動起動を行わずに通常起動を行うようにすれば、劣化度合が一定量を超えたと推定される燃料電池に一酸化炭素濃度の高いガスを送らないことで、燃料電池システムの信頼性を維持できる。
第7の発明は、特に、第6の発明において、通常起動時に、CO低減器の温度が第1下限温度より高い第1上限温度以下となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御するステップと、手動起動時に、CO低減器の温度が第1上限温度より高い第2上限温度以下となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御するステップと、を備える。
これにより、手動起動時に水素含有ガス供給開始可能なCO低減器の温度上限条件が通常起動より高くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を通常起動時の温度条件を用いたときと比べて短縮することができる上に、上限値を設けることで、CO低減器においてさらに適正な触媒温度範囲での一酸化炭素低減反応を行えるため、より適正な一酸化炭素濃度のガスを供給することができる。
第8の発明は、特に、第6又は第7のいずれか1つの発明におけるCO低減器が、変成器及び選択酸化器を備え、水素生成装置が、変成器の温度を検知する変成器温度検知器をさらに備え、CO低減器温度検知器は、選択酸化器の温度を検知する選択酸化器温度検知器であり、通常起動時に、変成器の温度が第3下限温度以上となり、かつ、選択酸化器の温度が第1下限温度以上となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するステップと、手動起動時に、変成器の温度が第3下限温度より低い第4下限温度以上となり、かつ、選択酸化器の温度が第2下限温度以上となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するステップと、を備える。
これにより、手動起動時に水素含有ガス供給開始可能な変成器と選択酸化器の温度下限条件が通常起動より低くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を通常起動時の温度条件を用いたときと比べて短縮することができる上に、変成器および選択酸化器の両方の温度に基づいて制御を行うため、より精度よく一酸化炭素濃度を制御することができる。
第9の発明は、特に、第8の発明において、通常起動時に、変成器の温度が第3下限温度より高い第3上限温度以下となり、かつ、選択酸化器の温度が第1上限温度以下となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御するス
テップと、手動起動時に、変成器の温度が第3上限温度より高い第4上限温度以下となった場合、又は、選択酸化器の温度が第2上限温度以下となった場合に、水素生成装置から燃料電池への水素含有ガスの供給を開始するよう制御するステップと、を備える。
これにより、手動起動時に水素含有ガス供給開始可能な変成器と選択酸化器の温度上限条件が通常起動より高くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を通常起動時の温度条件を用いたときと比べて短縮することができる上に、上限値を設けることで、変成器および選択酸化器においてさらに適正な触媒温度範囲での一酸化炭素低減反応を行えるため、より適正な一酸化炭素濃度のガスを供給することができる。
以下、本発明を、実施の形態でさらに詳しく説明するが、本発明が、これら実施の形態により制限されないことは勿論である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1において、改質器1は、原料及び水蒸気を用いて、改質反応により水素含有ガスを生成する。原料は、都市ガスとする。ここで、都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。改質反応は、水蒸気改質反応とする。
原料供給器2は、原料を改質器1に供給する。原料供給器2は、昇圧器によって構成される。水供給器3は、水を改質器1に供給する。水供給器3はポンプによって構成され、水の流量を調整する。水量の調整は水流量検知器によって行う。なお、水量調整は、ポンプの操作量に基づいて行ってもよい。
CO低減器11は、ここでは、改質器1から出た水素含有ガス中のCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化反応器とするが、シフト反応により一酸化炭素を低減する変成器であってもよい。CO低減器温度検知器12は、サーミスタによって構成され、CO低減器11の触媒温度を検知する。選択酸化用空気供給器6は、CO低減器11へ選択酸化用空気を供給するブロアである。
水素生成装置100で生成された水素含有ガスは、水素供給路8を介して燃料電池150に供給される。水素供給路8はCO低減器11から燃料電池150まで繋がっている。水素供給路8中に電磁弁で構成される封止器7がある。燃料電池150は、ここでは固体高分子型燃料電池とするが、リン酸型燃料電池やアルカリ燃料電池であってもよい。
加熱器4は、改質器1を加熱する燃焼器とする。加熱器4の燃焼に用いる燃料には、少なくとも改質器1より排出される水素含有ガスが用いられる。加熱器4に供給される水素含有ガスは、CO低減器11と封止器7との間で水素供給路8から分岐して加熱器4に接続された燃料供給路10を介して加熱器4に直接供給される。
なお、水素含有ガスの加熱器4への供給は、燃料電池150を経由し、燃料電池150から排出されたものを加熱器4に供給してもよいし、加熱器4において、燃料供給器9から水素含有ガスに燃料を追加して燃焼されてもよい。燃料供給器9はポンプによって構成される。空気供給器5は、ファンにより構成され、加熱器4に燃焼空気を供給する。
手動起動設定器51は、ボタンで構成される。手動起動設定器51は、燃料電池システム200の発電量や蓄熱量などの状態情報を表示する操作画面と共に、燃料電池システム200の初期設定や各種運転モードなどをユーザーが選択・変更し設定する入力部を備えたリモコンや、燃料電池システム200本体に設置された入力操作パネルとしてもよい。
制御器50は、燃料電池システム200全体を制御可能な制御装置であって、演算処理部(図示せず)であるCPUと、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)であるメ
モリとを備える。制御器50は、ここでは集中制御を行う単独の制御器で構成されているが、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。この点は、後述の他の実施の形態の制御器においても同様である。
以上のように構成された本実施の形態の燃料電池システム200について、以下その動作、作用を説明する。なお、以下の動作は、制御器50が燃料電池システム200を制御することによって、行われる。
手動起動は、使用者が手動起動設定器51において、手動起動を選択することで、開始する。
手動起動が選択されていない場合は、通常起動モードでの運転が行われ、使用者の電力の需要に応じて自動で起動する。なお、燃料電池システム200の過去の運転パターンに基づいて需要が増加すると想定される時間に電力が供給できるよう自動的に前もって起動させてもよい。また、手動起動は、試運転やメンテナンス時にも設定することができる。通常起動は、水素生成装置100の耐久性を維持させるのに最適な起動方法である。
水素生成装置100が起動すると、加熱器4における燃焼を開始する。このとき、封止器7を閉止しているが、水素供給路8から分岐して延び、加熱器4に至る燃焼用の燃料供給路10が、ガス通気状態となっている。
よって、原料供給器2の動作開始により、原料が改質器1に供給されると、改質器1を通過した原料は、上記燃焼用の燃料供給路10を通って加熱器4に供給される。同時に、空気供給器5の動作開始により、燃焼用の空気が加熱器4に供給される。そして、加熱器4において、点火電極(図示せず)により着火動作が行われ、燃焼用の空気を用いて、燃料の燃焼が起こる。
このようにして、加熱器4から供給される燃焼熱により、改質器1が第1加熱量で加熱される。第1加熱量をQ1とし、Q1を500Wとする。
なお、系統電源からの電力が得られない停電起動の場合は、自立起動用電源(図示せず)から電力供給して起動する。
次いで、水供給器3の動作開始により、改質器1に水が供給される。水の供給開始後、改質器1で生成された水素含有ガスの組成が、燃料電池150への供給に適した組成になった段階で、燃料電池150に水素含有ガスが供給される。
燃料電池システム200を停止させる場合は、原料供給器2と水供給器3とを停止させる。
以下、水素含有ガスが供給開始される条件について、詳しく説明する。
図2は、本発明の実施の形態1の燃料電池システム200における水素含有ガス供給開始判定に関するフローチャートである。
水素含有ガスの供給開始判定は、図2のフローチャートに従って行われる。
まず、水素含有ガス供給開始判定スタート(S100)後、手動起動かどうかを判定する(S101)。判定の結果、通常起動の場合には、改質器1をQ1で加熱する(S122)。そして、CO低減器温度が第1下限温度以上であれば(S111をYes側に分岐
)、水素含有ガスの供給を開始する(S104)。CO低減器温度をTCO、第1下限温度をT1とし、T1は150℃とする。S111で、TCOがT1より低い場合はS101に戻る。
S101で判定の結果、手動起動の場合には、S121で加熱器4による加熱量を第2加熱量に変更する(改質器1を加熱器4により第2加熱量で加熱する)。第2加熱量をQ2とし、Q2はQ1の500Wより大きい700Wとする。
その後、S102に移行し、TCOがT1より低い第2下限温度以上であれば、S103に移行する。第2下限温度をT2とし、T2は130℃とする。
S102で、TCOがT2より低い場合はS102に戻る。
S102からS103に移行した場合、手動起動での起動回数が第1回数以下かどうかを判定する。手動起動回数をx、第1回数をAとし、Aは30とする。
x≦Aのとき、水素含有ガスの供給を開始する(S104)。x>Aのとき、S122に移行する。
また、S103では、燃料電池システム200の手動起動回数に基づいて燃料電池150への劣化を推定しているが、燃料電池150の累積運転時間から燃料電池150への劣化が推定できるので、累積運転時間が所定の時間以下であった場合にS122に移行するようにしても構わない。
なお、本実施の形態では、加熱器4を燃焼器とした場合を説明したが、加熱器4はヒーターであっても、同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、手動起動の場合、加熱器4による加熱量を通常起動時より増加させているが、通常起動時より加熱量を増加させない場合でも、CO低減器11の温度下限条件が通常起動より低くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を、通常起動時の温度条件を用いたときと比べて短縮することができる。
以上のように、実施の形態1における燃料電池システム200は、手動起動時に加熱器4による加熱量が増加して、CO低減器11の温度上昇速度を増加させることができる上に、水素含有ガス供給開始可能なCO低減器11の温度下限条件が、通常起動より低くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を、通常起動時の温度条件を用いたときと比べて、短縮することができる。また、手動起動回数上限を設けることで、燃料電池150への一酸化炭素による蓄積負荷が、燃料電池150の許容負荷を超えることを防げるため、燃料電池150の劣化を抑制できる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における燃料電池システムの構成は、図1に示された実施の形態1と同様である。
実施の形態1と異なるのは、CO低減器11の水素含有ガス供給開始温度条件に上限を設けた点であり、CO低減器11の水素含有ガス供給開始温度条件に上限値を設けることで、CO低減器11において、さらに適正な触媒温度範囲での一酸化炭素低減反応を行えるため、より適正な一酸化炭素濃度のガスを供給することができる。その他の構成要素については、実施の形態1と同様であるので、同一の符号及び用語を用いる。
図1において、改質器1は、原料及び水蒸気を用いて、改質反応により水素含有ガスを生成する。原料は、都市ガスとする。ここで、都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。改質反応は、水蒸気改質反応とする。
原料供給器2は、原料を改質器1に供給する。原料供給器2は、昇圧器によって構成される。水供給器3は、水を改質器1に供給する。水供給器3はポンプによって構成され、水の流量を調整する。水量の調整は水流量検知器によって行う。なお、水量調整は、ポンプの操作量に基づいて行ってもよい。
CO低減器11は、ここでは、改質器1から出た水素含有ガス中のCOを選択酸化反応により低減させる選択酸化反応器とするが、シフト反応により一酸化炭素を低減する変成器であってもよい。CO低減器温度検知器12は、サーミスタによって構成され、CO低減器11の触媒温度を検知する。選択酸化用空気供給器6は、CO低減器11へ選択酸化用空気を供給するブロアである。
水素生成装置100で生成された水素含有ガスは、水素供給路8を介して燃料電池150に供給される。水素供給路8はCO低減器11から燃料電池150まで繋がっている。水素供給路8中に電磁弁で構成される封止器7がある。燃料電池150は、ここでは固体高分子型燃料電池とするが、リン酸型燃料電池やアルカリ燃料電池であってもよい。
加熱器4は、改質器1を加熱する燃焼器とする。加熱器4の燃焼に用いる燃料には、少なくとも改質器1より排出される水素含有ガスが用いられる。加熱器4に供給される水素含有ガスは、CO低減器11と封止器7との間で水素供給路8から分岐して加熱器4に接続された燃料供給路10を介して加熱器4に直接供給される。
なお、水素含有ガスの加熱器4への供給は、燃料電池150を経由し、燃料電池150から排出されたものを加熱器4に供給してもよいし、加熱器4において、燃料供給器9から水素含有ガスに燃料を追加して燃焼されてもよい。燃料供給器9はポンプによって構成される。空気供給器5は、ファンにより構成され、加熱器4に燃焼空気を供給する。
手動起動設定器51は、ボタンで構成される。手動起動設定器51は、燃料電池システム200の発電量や蓄熱量などの状態情報を表示する操作画面と共に、燃料電池システム200の初期設定や各種運転モードなどをユーザーが選択・変更し設定する入力部を備えたリモコンや、燃料電池システム200本体に設置された入力操作パネルとしてもよい。
制御器50は、燃料電池システム200全体を制御可能な制御装置であって、演算処理部(図示せず)であるCPUと、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)であるメモリとを備える。制御器50は、ここでは集中制御を行う単独の制御器で構成されているが、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。この点は、後述の他の実施の形態の制御器においても同様である。
以上のように構成された本実施の形態の燃料電池システム200について、以下その動作、作用を説明する。なお、以下の動作は、制御器50が燃料電池システム200を制御することによって、行われる。
手動起動は、使用者が手動起動設定器51において、手動起動を選択することで、開始する。
手動起動が選択されていない場合は、通常起動モードでの運転が行われ、使用者の電力の需要に応じて自動で起動する。なお、燃料電池システム200の過去の運転パターンに
基づいて需要が増加すると想定される時間に電力が供給できるよう自動的に前もって起動させてもよい。また、手動起動は、試運転やメンテナンス時にも設定することができる。通常起動は、水素生成装置100の耐久性を維持させるのに最適な起動方法である。
水素生成装置100が起動すると、加熱器4における燃焼を開始する。このとき、封止器7を閉止しているが、水素供給路8から分岐して延び、加熱器4に至る燃焼用の燃料供給路10が、ガス通気状態となっている。
よって、原料供給器2の動作開始により、原料が改質器1に供給されると、改質器1を通過した原料は、上記燃焼用の燃料供給路10を通って加熱器4に供給される。同時に、空気供給器5の動作開始により、燃焼用の空気が加熱器4に供給される。そして、加熱器4において、点火電極(図示せず)により着火動作が行われ、燃焼用の空気を用いて、燃料の燃焼が起こる。
このようにして、加熱器4から供給される燃焼熱により、改質器1が第1加熱量で加熱される。第1加熱量をQ1とし、Q1を500Wとする。
なお、系統電源からの電力が得られない停電起動の場合は、自立起動用電源(図示せず)から電力供給して起動する。
次いで、水供給器3の動作開始により、改質器1に水が供給される。水の供給開始後、改質器1で生成された水素含有ガスの組成が、燃料電池150への供給に適した組成になった段階で、燃料電池150に水素含有ガスが供給される。
燃料電池システム200を停止させる場合は、原料供給器2と水供給器3とを停止させる。
以下、水素含有ガスが供給開始される条件について、詳しく説明する。
図3は、本発明の実施の形態2の燃料電池システム200における水素含有ガス供給開始判定に関するフローチャートである。
水素含有ガスの供給開始判定は、図3のフローチャートに従って行われる。
まず、水素含有ガス供給開始判定スタート(S200)後、手動起動かどうかを判定する(S201)。判定の結果、通常起動の場合には、CO低減器温度が第1下限温度以上で第1上限温度以下であれば(S211をYes側に分岐)、水素含有ガスの供給を開始する(S204)。CO低減器温度をTCO、第1下限温度をT1とし、T1は155℃、第1上限温度をT11とし、T11は200℃とする。
通常起動は、水素生成装置100の耐久性を維持させるのに最適な起動方法である。S211で、TCOがT1より低い、又は、T11より高い場合は、S201に戻る。
S201で判定の結果、手動起動の場合には、S203に移行し、前回運転時の燃料電池の最大発電量が第1発電量以下かどうかを判定する。燃料電池の最大発電量をWMAX、第1発電量をW1とし、W1は600Wとする。そして、WMAX≦W1のときは、S211に移行する。
WMAX>W1のときは、S202に移行し、TCOが第2下限温度以上、T11より高い第2上限温度以下の場合、水素含有ガスの供給を開始する。第2下限温度をT2とし
、T2を135℃、第2上限温度をT12とし、T12は220℃とする。
S202で、TCOがT2より低い、又は、T12より高い場合は、S201に戻る。
以上のように、実施の形態2における燃料電池システム200は、手動起動時に、水素含有ガス供給開始可能なCO低減器11の温度条件の幅が通常起動より大きくなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を、通常起動時の温度条件を用いたときと比べて、短縮することができ、水素含有ガス供給開始の下限と上限の条件を設けることで、一酸化炭素濃度をより適正な範囲に抑えることができるため、実施の形態1と比べて燃料電池150への負荷を軽減できる。また、燃料電池150の発電量から燃料電池150の劣化度合を推定でき、燃料電池150の劣化度合が一定量を超えた場合には、一酸化炭素濃度の高いガスを燃料電池150へ送らないことで、燃料電池システム200の信頼性を維持できる
(実施の形態3)
図4は、本発明の実施の形態3における燃料電池システムの構成の一例を示すブロック図である。
実施の形態3の燃料電池システム200は、CO低減器11を、水素含有ガス中のCOをシフト反応で低減する変成器13と、選択酸化反応で低減する選択酸化器15とで構成した点で、図1に示す実施の形態1の燃料電池システム200と大きく異なる。
それに伴い、選択酸化用空気供給器6が選択酸化器15に選択酸化用空気を供給し、変成器温度検知器14によって変成器13の温度を検知し、選択酸化器温度検知器16によって選択酸化器15の温度を検知するように構成している。その他の構成については、実施の形態1と同様であるので、同一の符号及び用語を用いる。
図4において、改質器1は、原料及び水蒸気を用いて、改質反応により水素含有ガスを生成する。原料は、都市ガスとする。ここで、都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。改質反応は、水蒸気改質反応とする。
原料供給器2は、原料を改質器1に供給する。原料供給器2は、昇圧器によって構成される。水供給器3は、水を改質器1に供給する。水供給器3はポンプによって構成され、水の流量を調整する。水量の調整は水流量検知器によって行う。なお、水量調整は、ポンプの操作量に基づいて行ってもよい。
変成器13は、改質器1から出た水素含有ガス中の一酸化炭素(CO)をシフト反応により低減させる。変成器温度検知器14は、熱電対によって構成され、変成器13の触媒温度を検知する。
選択酸化器15は、変成器13の下流に設置され、選択酸化反応により一酸化炭素(CO)をさらに低減させる。選択酸化器温度検知器16は、サーミスタによって構成され、選択酸化器15の触媒温度を検知する。選択酸化用空気供給器6は、選択酸化器15へ選択酸化用空気を供給するブロアである。
水素生成装置100で生成された水素含有ガスは、水素供給路8を介して燃料電池150に供給される。水素供給路8は選択酸化器15から燃料電池150まで繋がっている。水素供給路8中に電磁弁で構成される封止器7がある。燃料電池150は、ここでは固体高分子型燃料電池とするが、リン酸型燃料電池やアルカリ燃料電池であってもよい。
加熱器4は、改質器1を加熱する燃焼器とする。加熱器4の燃焼に用いる燃料には、少
なくとも改質器1より排出される水素含有ガスが用いられる。加熱器4に供給される水素含有ガスは、選択酸化器15と封止器7との間で水素供給路8から分岐して加熱器4に接続された燃料供給路10を介して加熱器4に直接供給される。
なお、水素含有ガスの加熱器4への供給は、燃料電池150を経由し、燃料電池150から排出されたものを加熱器4に供給してもよいし、加熱器4において、燃料供給器9から水素含有ガスに燃料を追加して燃焼されてもよい。燃料供給器9はポンプによって構成される。空気供給器5は、ファンにより構成され、加熱器4に燃焼空気を供給する。
手動起動設定器51は、ボタンで構成される。手動起動設定器51は、燃料電池システム200の発電量や蓄熱量などの状態情報を表示する操作画面と共に、燃料電池システム200の初期設定や各種運転モードなどをユーザーが選択・変更し設定する入力部を備えたリモコンや、燃料電池システム200本体に設置された入力操作パネルとしてもよい。
制御器50は、燃料電池システム200全体を制御可能な制御装置であって、演算処理部(図示せず)であるCPUと、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)であるメモリとを備える。制御器50は、ここでは集中制御を行う単独の制御器で構成されているが、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。この点は、後述の他の実施の形態の制御器においても同様である。
以上のように構成された本実施の形態の燃料電池システム200について、以下その動作、作用を説明する。なお、以下の動作は、制御器50が燃料電池システム200を制御することによって、行われる。
手動起動は、使用者が手動起動設定器51において、手動起動を選択することで、開始する。
手動起動が選択されていない場合は、通常起動モードでの運転が行われ、使用者の電力の需要に応じて自動で起動する。なお、燃料電池システム200の過去の運転パターンに基づいて需要が増加すると想定される時間に電力が供給できるよう自動的に前もって起動させてもよい。また、手動起動は、試運転やメンテナンス時にも設定することができる。通常起動は、水素生成装置100の耐久性を維持させるのに最適な起動方法である。
水素生成装置100が起動すると、加熱器4における燃焼を開始する。このとき、封止器7を閉止しているが、水素供給路8から分岐して延び、加熱器4に至る燃焼用の燃料供給路10が、ガス通気状態となっている。
よって、原料供給器2の動作開始により、原料が改質器1に供給されると、改質器1を通過した原料は、上記燃焼用の燃料供給路10を通って加熱器4に供給される。同時に、空気供給器5の動作開始により、燃焼用の空気が加熱器4に供給される。そして、加熱器4において、点火電極(図示せず)により着火動作が行われ、燃焼用の空気を用いて、燃料の燃焼が起こる。
このようにして、加熱器4から供給される燃焼熱により、改質器1が第1加熱量で加熱される。第1加熱量をQ1とし、Q1を500Wとする。
なお、系統電源からの電力が得られない停電起動の場合は、自立起動用電源(図示せず)から電力供給して起動する。
次いで、水供給器3の動作開始により、改質器1に水が供給される。水の供給開始後、
改質器1で生成された水素含有ガスの組成が、燃料電池150への供給に適した組成になった段階で、燃料電池150に水素含有ガスが供給される。
燃料電池システム200を停止させる場合は、原料供給器2と水供給器3とを停止させる。
以下、水素含有ガスが供給開始される条件について、詳しく説明する。
図5は、本発明の実施の形態3の燃料電池システム200における水素含有ガス供給開始判定に関するフローチャートである。
水素含有ガスの供給開始判定は、図5のフローチャートに従って行われる。
まず、水素含有ガス供給開始判定スタート(S300)後、手動起動かどうかを判定する(S301)。判定の結果、通常起動の場合には、選択酸化器温度が第1下限温度以上で、かつ、変成器温度が第3下限温度以上の条件を満たしていれば(S311をYes側に分岐)、水素含有ガスの供給を開始する(S304)。
選択酸化器温度をTP、変成器温度をTS、第1下限温度をT1とし、T1を145℃、第3下限温度をT3とし、T3は200℃とする。S311で、TPがT1より低い、又は、TSがT3より低い場合は、S311に戻る。
S301で手動起動の場合は、S303に移行し、燃料電池150の累積運転時間が第1時間以下かどうかを判定する。燃料電池150の累積運転時間をtTOTAL、第1時間をt1とし、t1は50000時間とする。
tTOTAL≦t1のとき、S302に移行し、TPが第2下限温度以上で、かつTSがT3より低い第4下限温度以上の場合は、水素含有ガスの供給を開始する(S304)。ここで、第2下限温度をT2とし、T2を130℃、第4下限温度をT4とし、T4は180℃とする。S302で、TPがT2より低い、又は、TSがT4より低い場合は、S301に戻る。S303で、tTOTAL>t1のとき、S311に移行する。
これにより、燃料電池システム200の運転時間から水素生成装置100の劣化度合を推定でき、水素生成装置100の劣化により一酸化炭素濃度が高くなった場合に、手動起動時に、燃料電池150が許容できない一酸化炭素濃度のガスが流れ込むことを防げるため、燃料電池150の劣化を抑制できる。
また、S303では、燃料電池システム200の運転時間に基づいて燃料電池150への劣化を推定しているが、手動起動の回数が所定の回数を上回った場合にS311に移行するようにしても、手動起動の回数により燃料電池150の劣化度合を推定でき同様の効果が得られる。
以上のように、実施の形態3における燃料電池システム200は、手動起動時に水素含有ガス供給開始可能な変成器13と選択酸化器15の温度条件の幅が、通常起動より大きくなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を、通常起動時の温度条件を用いたときと比べて、短縮することができる上に、変成器13および選択酸化器15の両方の温度が所定の温度範囲に入った場合に、水素含有ガスを供給するため、燃料電池150の劣化をより抑えることができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4における燃料電池システムの構成は、図4に示された実施の形態3と同様である。
実施の形態3と異なるのは、変成器温度および選択酸化器温度について、少なくとも、どちらか一方が条件を満たせば、水素含有ガス供給開始が可能とする点であり、これにより、より早く燃料電池システム200を起動できる。
図4において、改質器1は、原料及び水蒸気を用いて、改質反応により水素含有ガスを生成する。原料は、都市ガスとする。ここで、都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。改質反応は、水蒸気改質反応とする。
原料供給器2は、原料を改質器1に供給する。原料供給器2は、昇圧器によって構成される。水供給器3は、水を改質器1に供給する。水供給器3はポンプによって構成され、水の流量を調整する。水量の調整は水流量検知器によって行う。なお、水量調整は、ポンプの操作量に基づいて行ってもよい。
変成器13は、改質器1から出た水素含有ガス中の一酸化炭素(CO)をシフト反応により低減させる。変成器温度検知器14は、熱電対によって構成され、変成器13の触媒温度を検知する。
選択酸化器15は、変成器13の下流に設置され、選択酸化反応により一酸化炭素(CO)をさらに低減させる。選択酸化器温度検知器16は、サーミスタによって構成され、選択酸化器15の触媒温度を検知する。選択酸化用空気供給器6は、選択酸化器15へ選択酸化用空気を供給するブロアである。
水素生成装置100で生成された水素含有ガスは、水素供給路8を介して燃料電池150に供給される。水素供給路8は選択酸化器15から燃料電池150まで繋がっている。水素供給路8中に電磁弁で構成される封止器7がある。燃料電池150は、ここでは固体高分子型燃料電池とするが、リン酸型燃料電池やアルカリ燃料電池であってもよい。
加熱器4は、改質器1を加熱する燃焼器とする。加熱器4の燃焼に用いる燃料には、少なくとも改質器1より排出される水素含有ガスが用いられる。加熱器4に供給される水素含有ガスは、選択酸化器15と封止器7との間で水素供給路8から分岐して加熱器4に接続された燃料供給路10を介して加熱器4に直接供給される。
なお、水素含有ガスの加熱器4への供給は、燃料電池150を経由し、燃料電池150から排出されたものを加熱器4に供給してもよいし、加熱器4において、燃料供給器9から水素含有ガスに燃料を追加して燃焼されてもよい。燃料供給器9はポンプによって構成される。空気供給器5は、ファンにより構成され、加熱器4に燃焼空気を供給する。
手動起動設定器51は、ボタンで構成される。手動起動設定器51は、燃料電池システム200の発電量や蓄熱量などの状態情報を表示する操作画面と共に、燃料電池システム200の初期設定や各種運転モードなどをユーザーが選択・変更し設定する入力部を備えたリモコンや、燃料電池システム200本体に設置された入力操作パネルとしてもよい。
制御器50は、燃料電池システム200全体を制御可能な制御装置であって、演算処理部(図示せず)であるCPUと、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)であるメモリとを備える。制御器50は、ここでは集中制御を行う単独の制御器で構成されているが、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。この点は、後述の他の実施の形態の制御器においても同様である。
以上のように構成された本実施の形態の燃料電池システム200について、以下その動作、作用を説明する。なお、以下の動作は、制御器50が燃料電池システム200を制御することによって、行われる。
手動起動は、使用者が手動起動設定器51において、手動起動を選択することで、開始する。
手動起動が選択されていない場合は、通常起動モードでの運転が行われ、使用者の電力の需要に応じて自動で起動する。なお、燃料電池システム200の過去の運転パターンに基づいて需要が増加すると想定される時間に電力が供給できるよう自動的に前もって起動させてもよい。また、手動起動は、試運転やメンテナンス時にも設定することができる。通常起動は、水素生成装置100の耐久性を維持させるのに最適な起動方法である。
水素生成装置100が起動すると、加熱器4における燃焼を開始する。このとき、封止器7を閉止しているが、水素供給路8から分岐して延び、加熱器4に至る燃焼用の燃料供給路10が、ガス通気状態となっている。
よって、原料供給器2の動作開始により、原料が改質器1に供給されると、改質器1を通過した原料は、上記燃焼用の燃料供給路10を通って加熱器4に供給される。同時に、空気供給器5の動作開始により、燃焼用の空気が加熱器4に供給される。そして、加熱器4において、点火電極(図示せず)により着火動作が行われ、燃焼用の空気を用いて、燃料の燃焼が起こる。
このようにして、加熱器4から供給される燃焼熱により、改質器1が第1加熱量で加熱される。第1加熱量をQ1とし、Q1を500Wとする。
なお、系統電源からの電力が得られない停電起動の場合は、自立起動用電源(図示せず)から電力供給して起動する。
次いで、水供給器3の動作開始により、改質器1に水が供給される。水の供給開始後、改質器1で生成された水素含有ガスの組成が、燃料電池150への供給に適した組成になった段階で、燃料電池150に水素含有ガスが供給される。
燃料電池システム200を停止させる場合は、原料供給器2と水供給器3とを停止させる。
以下、水素含有ガスが供給開始される条件について、詳しく説明する。
図6は、本発明の実施の形態4の燃料電池システム200における水素含有ガス供給開始判定に関するフローチャートである。
水素含有ガスの供給開始判定は、図6のフローチャートに従って行われる。
まず、水素含有ガス供給開始判定スタート(S400)後、手動起動かどうかを判定する(S401)。判定の結果、通常起動の場合には、選択酸化器温度が第1下限温度以上で、かつ、変成器温度が第3下限温度以上の条件を満たしていれば(S411をYes側に分岐)、水素含有ガスの供給を開始する(S404)。
選択酸化器温度をTP、変成器温度をTS、第1下限温度をT1とし、T1を145℃
、第3下限温度をT3とし、T3は200℃とする。S411で、TPがT1より低い、又は、TSがT3より低い場合は、S411に戻る。通常起動は、水素生成装置100の耐久性を維持させるのに最適な起動方法である。
S401で手動起動の場合は、S402に移行し、TPが第2下限温度以上、又は、TSがT3より低い第4下限温度以上のうち少なくとも一方の条件を満たしていれば、水素含有ガスの供給を開始する(S404)。ここで、第2下限温度をT2とし、T2を130℃、第4下限温度をT4とし、T4は180℃とする。S402において、TPがT2より低い、かつ、TSがT4より低い場合は、S401に戻る。
以上のように、実施の形態4における燃料電池システム200は、手動起動時に、水素含有ガス供給開始可能な温度下限条件が、通常起動より低くなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を、通常起動時の温度条件を用いたときと比べて、短縮することができる上に、変成器13および選択酸化器15のどちらか一方の温度が所定の温度範囲に入った場合に、水素含有ガスを供給するため、燃料電池システム200の起動時間を、実施の形態3と比べて短くすることができる。
また、燃料電池システム200の運転時間から燃料電池150の劣化度合を推定でき、燃料電池150の劣化度合が一定量を超えた場合には、一酸化炭素濃度の高いガスを燃料電池150へ送らないことで、燃料電池システム200の信頼性を維持できる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5における燃料電池システムの構成は、図4に示された実施の形態3と同様である。
図4において、改質器1は、原料及び水蒸気を用いて、改質反応により水素含有ガスを生成する。原料は、都市ガスとする。ここで、都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。改質反応は、水蒸気改質反応とする。
原料供給器2は、原料を改質器1に供給する。原料供給器2は、昇圧器によって構成される。水供給器3は、水を改質器1に供給する。水供給器3はポンプによって構成され、水の流量を調整する。水量の調整は水流量検知器によって行う。なお、水量調整は、ポンプの操作量に基づいて行ってもよい。
変成器13は、改質器1から出た水素含有ガス中の一酸化炭素(CO)をシフト反応により低減させる。変成器温度検知器14は、熱電対によって構成され、変成器13の触媒温度を検知する。
選択酸化器15は、変成器13の下流に設置され、選択酸化反応により一酸化炭素(CO)をさらに低減させる。選択酸化器温度検知器16は、サーミスタによって構成され、選択酸化器15の触媒温度を検知する。選択酸化用空気供給器6は、選択酸化器15へ選択酸化用空気を供給するブロアである。
水素生成装置100で生成された水素含有ガスは、水素供給路8を介して燃料電池150に供給される。水素供給路8は選択酸化器15から燃料電池150まで繋がっている。水素供給路8中に電磁弁で構成される封止器7がある。燃料電池150は、ここでは固体高分子型燃料電池とするが、リン酸型燃料電池やアルカリ燃料電池であってもよい。
加熱器4は、改質器1を加熱する燃焼器とする。加熱器4の燃焼に用いる燃料には、少なくとも改質器1より排出される水素含有ガスが用いられる。加熱器4に供給される水素
含有ガスは、選択酸化器15と封止器7との間で水素供給路8から分岐して加熱器4に接続された燃料供給路10を介して加熱器4に直接供給される。
なお、水素含有ガスの加熱器4への供給は、燃料電池150を経由し、燃料電池150から排出されたものを加熱器4に供給してもよいし、加熱器4において、燃料供給器9から水素含有ガスに燃料を追加して燃焼されてもよい。燃料供給器9はポンプによって構成される。空気供給器5は、ファンにより構成され、加熱器4に燃焼空気を供給する。
手動起動設定器51は、ボタンで構成される。手動起動設定器51は、燃料電池システム200の発電量や蓄熱量などの状態情報を表示する操作画面と共に、燃料電池システム200の初期設定や各種運転モードなどをユーザーが選択・変更し設定する入力部を備えたリモコンや、燃料電池システム200本体に設置された入力操作パネルとしてもよい。
制御器50は、燃料電池システム200全体を制御可能な制御装置であって、演算処理部(図示せず)であるCPUと、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)であるメモリとを備える。制御器50は、ここでは集中制御を行う単独の制御器で構成されているが、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。この点は、後述の他の実施の形態の制御器においても同様である。
以上のように構成された本実施の形態の燃料電池システム200について、以下その動作、作用を説明する。なお、以下の動作は、制御器50が燃料電池システム200を制御することによって、行われる。
手動起動は、使用者が手動起動設定器51において、手動起動を選択することで、開始する。
手動起動が選択されていない場合は、通常起動モードでの運転が行われ、使用者の電力の需要に応じて自動で起動する。なお、燃料電池システム200の過去の運転パターンに基づいて需要が増加すると想定される時間に電力が供給できるよう自動的に前もって起動させてもよい。また、手動起動は、試運転やメンテナンス時にも設定することができる。通常起動は、水素生成装置100の耐久性を維持させるのに最適な起動方法である。
水素生成装置100が起動すると、加熱器4における燃焼を開始する。このとき、封止器7を閉止しているが、水素供給路8から分岐して延び、加熱器4に至る燃焼用の燃料供給路10が、ガス通気状態となっている。
よって、原料供給器2の動作開始により、原料が改質器1に供給されると、改質器1を通過した原料は、上記燃焼用の燃料供給路10を通って加熱器4に供給される。同時に、空気供給器5の動作開始により、燃焼用の空気が加熱器4に供給される。そして、加熱器4において、点火電極(図示せず)により着火動作が行われ、燃焼用の空気を用いて、燃料の燃焼が起こる。
このようにして、加熱器4から供給される燃焼熱により、改質器1が第1加熱量で加熱される。第1加熱量をQ1とし、Q1を500Wとする。
なお、系統電源からの電力が得られない停電起動の場合は、自立起動用電源(図示せず)から電力供給して起動する。
次いで、水供給器3の動作開始により、改質器1に水が供給される。水の供給開始後、改質器1で生成された水素含有ガスの組成が、燃料電池150への供給に適した組成にな
った段階で、燃料電池150に水素含有ガスが供給される。
燃料電池システム200を停止させる場合は、原料供給器2と水供給器3とを停止させる。
以下、水素含有ガスが供給開始される条件について、詳しく説明する。
図7は、本発明の実施の形態5の燃料電池システム200における水素含有ガス供給開始判定に関するフローチャートである。
水素含有ガスの供給開始判定は、図7のフローチャートに従って行われる。
まず、水素含有ガス供給開始判定スタート(S500)後、手動起動かどうかを判定する(S501)。判定の結果、通常起動の場合には、選択酸化器温度が第1下限温度以上第1上限温度以下、かつ、変成器温度が第3下限温度以上かつ第3上限温度以下の条件を満たしていれば(S511をYes側に分岐)、水素含有ガスの供給を開始する(S504)。
選択酸化器温度をTP、変成器温度をTS、第1下限温度をT1とし、T1を160℃、第1上限温度をT11とし、T11を200℃、第3下限温度をT3とし、T3を220℃、第3上限温度をT13とし、T13は290℃とする。
S511で、TPがT1より低い、又は、TPがT11より高い、又は、TSがT3より低い、又は、TSがT13より高い場合は、S501に戻る。
S501で手動起動の場合は、S502に移行し、TPが第2下限温度以上第2上限温度以下、かつ、TSが第4下限温度以上、T13より高い第4上限温度以下の条件を満たしていれは、S503に移行する。
第2下限温度をT2とし、T2を130℃、第2上限温度をT12とし、T12を220℃、第4下限温度をT4とし、T4を230℃、第4上限温度をT14とし、T14は310℃とする。
S502で、TPがT2より低い、又は、TPがT12より高い、又は、TSがT4より低い、又は、TSがT14より高い場合は、S502に戻る。
S502からS503に移行した場合、前回運転時の燃料電池150の最大発電量が第1発電量以下かどうかを判定する。燃料電池150の最大発電量をWMAX、第1発電量をW1とし、W1は600Wとする。WMAX>W1のときは、水素含有ガスの供給を開始する(S504)。WMAX≦W1のときは、S511に移行する。
以上のように、実施の形態5における燃料電池システム200、手動起動時に、水素含有ガス供給開始可能な変成器13と選択酸化器15の温度条件の幅が、通常起動より大きくなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を、通常起動時の温度条件を用いたときと比べて、短縮することができる上に、変成器13および選択酸化器15の両方の温度が所定の温度範囲に入った場合に水素含有ガスを供給するため、より精度よく一酸化炭素濃度を抑えたガスを燃料電池150に供給でき、温度条件において下限と上限の条件を設けることで、一酸化炭素濃度をより適正な範囲に抑えることができるため、燃料電池150への負荷をさらに軽減できる。また、燃料電池150の発電量から燃料電池150の劣化度合を推定でき、燃料電池150の劣化度合が一定量を超えた場合には、一
酸化炭素濃度の高いガスを燃料電池150へ送らないことで、燃料電池システム200の信頼性を維持できる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6における燃料電池システムの構成は、図4に示された実施の形態3、実施の形態5と同様である。
実施の形態5と異なるのは、変成器温度および選択酸化器温度について、少なくとも、どちらか一方が条件を満たせば、水素含有ガス供給開始が可能とする点であり、これにより、より多く燃料電池システム200を起動でき、手動時の電力供給が可能となる。
図4において、改質器1は、原料及び水蒸気を用いて、改質反応により水素含有ガスを生成する。原料は、都市ガスとする。ここで、都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。改質反応は、水蒸気改質反応とする。
原料供給器2は、原料を改質器1に供給する。原料供給器2は、昇圧器によって構成される。水供給器3は、水を改質器1に供給する。水供給器3はポンプによって構成され、水の流量を調整する。水量の調整は水流量検知器によって行う。なお、水量調整は、ポンプの操作量に基づいて行ってもよい。
変成器13は、改質器1から出た水素含有ガス中の一酸化炭素(CO)をシフト反応により低減させる。変成器温度検知器14は、熱電対によって構成され、変成器13の触媒温度を検知する。
選択酸化器15は、変成器13の下流に設置され、選択酸化反応により一酸化炭素(CO)をさらに低減させる。選択酸化器温度検知器16は、サーミスタによって構成され、選択酸化器15の触媒温度を検知する。選択酸化用空気供給器6は、選択酸化器15へ選択酸化用空気を供給するブロアである。
水素生成装置100で生成された水素含有ガスは、水素供給路8を介して燃料電池150に供給される。水素供給路8は選択酸化器15から燃料電池150まで繋がっている。水素供給路8中に電磁弁で構成される封止器7がある。燃料電池150は、ここでは固体高分子型燃料電池とするが、リン酸型燃料電池やアルカリ燃料電池であってもよい。
加熱器4は、改質器1を加熱する燃焼器とする。加熱器4の燃焼に用いる燃料には、少なくとも改質器1より排出される水素含有ガスが用いられる。加熱器4に供給される水素含有ガスは、選択酸化器15と封止器7との間で水素供給路8から分岐して加熱器4に接続された燃料供給路10を介して加熱器4に直接供給される。
なお、水素含有ガスの加熱器4への供給は、燃料電池150を経由し、燃料電池150から排出されたものを加熱器4に供給してもよいし、加熱器4において、燃料供給器9から水素含有ガスに燃料を追加して燃焼されてもよい。燃料供給器9はポンプによって構成される。空気供給器5は、ファンにより構成され、加熱器4に燃焼空気を供給する。
手動起動設定器51は、ボタンで構成される。手動起動設定器51は、燃料電池システム200の発電量や蓄熱量などの状態情報を表示する操作画面と共に、燃料電池システム200の初期設定や各種運転モードなどをユーザーが選択・変更し設定する入力部を備えたリモコンで構成され、パソコンやスマートフォンなどの端末の通信手段を介して遠隔で操作できる。
制御器50は、燃料電池システム200全体を制御可能な制御装置であって、演算処理部(図示せず)であるCPUと、制御プログラムを記憶する記憶部(図示せず)であるメモリとを備える。制御器50は、ここでは集中制御を行う単独の制御器で構成されているが、互いに協働して分散制御を行う複数の制御器で構成されていてもよい。この点は、後述の他の実施の形態の制御器においても同様である。
以上のように構成された本実施の形態の燃料電池システム200について、以下その動作、作用を説明する。なお、以下の動作は、制御器50が燃料電池システム200を制御することによって、行われる。
手動起動は、使用者が手動起動設定器51において、手動起動を選択することで、開始する。
手動起動が選択されていない場合は、通常起動モードでの運転が行われ、使用者の電力の需要に応じて自動で起動する。なお、燃料電池システム200の過去の運転パターンに基づいて需要が増加すると想定される時間に電力が供給できるよう自動的に前もって起動させてもよい。また、手動起動は、試運転やメンテナンス時にも設定することができる。通常起動は、水素生成装置100の耐久性を維持させるのに最適な起動方法である。
水素生成装置100が起動すると、加熱器4における燃焼を開始する。このとき、封止器7を閉止しているが、水素供給路8から分岐して延び、加熱器4に至る燃焼用の燃料供給路10が、ガス通気状態となっている。
よって、原料供給器2の動作開始により、原料が改質器1に供給されると、改質器1を通過した原料は、上記燃焼用の燃料供給路10を通って加熱器4に供給される。同時に、空気供給器5の動作開始により、燃焼用の空気が加熱器4に供給される。そして、加熱器4において、点火電極(図示せず)により着火動作が行われ、燃焼用の空気を用いて、燃料の燃焼が起こる。
このようにして、加熱器4から供給される燃焼熱により、改質器1が第1加熱量で加熱される。第1加熱量をQ1とし、Q1を500Wとする。
なお、系統電源からの電力が得られない停電起動の場合は、自立起動用電源(図示せず)から電力供給して起動する。
次いで、水供給器3の動作開始により、改質器1に水が供給される。水の供給開始後、改質器1で生成された水素含有ガスの組成が、燃料電池150への供給に適した組成になった段階で、燃料電池150に水素含有ガスが供給される。
燃料電池システム200を停止させる場合は、原料供給器2と水供給器3とを停止させる。
以下、水素含有ガスが供給開始される条件について、詳しく説明する。
図8は、本発明の実施の形態6の燃料電池システム200における水素含有ガス供給開始判定に関するフローチャートである。
水素含有ガスの供給開始判定は、図8のフローチャートに従って行われる。
まず、水素含有ガス供給開始判定スタート(S600)後、手動起動かどうかを判定す
る(S601)。判定の結果、通常起動の場合には、選択酸化器温度が第1下限温度以上第1上限温度以下、かつ、変成器温度が第3下限温度以上かつ第3上限温度以下の条件を満たしていれば(S611をYes側に分岐)、水素含有ガスの供給を開始する(S604)。
選択酸化器温度をTP、変成器温度をTS、第1下限温度をT1とし、T1を160℃、第1上限温度をT11とし、T11を200℃、第3下限温度をT3とし、T3を220℃、第3上限温度をT13とし、T13は290℃とする。
S611で、TPがT1より低い、又は、TPがT11より高い、又は、TSがT3より低い、又は、TSがT13より高い場合は、S601に戻る。
S601で手動起動の場合は、S602に移行し、TPが第2下限温度以上第2上限温度以下、又は、TSが第4下限温度以上第4上限温度以下のうち少なくとも一方の条件を満たしていれは、S603に移行する。
第2下限温度をT2とし、T2を130℃、第2上限温度をT12とし、T12を220℃、第4下限温度をT4とし、T4を230℃、第4上限温度をT14とし、T14は310℃とする。
S602で、TPが、T2より低いか、T12より高いのいずれかの場合で、かつ、TSが、T4より低いか、T14より高いのいずれかの場合は、S601に戻る。
S602からS603に移行した場合、前回運転時の燃料電池150の最大発電量が第1発電量以下かどうかを判定する。燃料電池150の最大発電量をWMAX、第1発電量をW1とし、W1は600Wとする。WMAX>W1のときは、水素含有ガスの供給を開始する(S604)。WMAX≦W1のときは、S611に移行する。
以上のように、実施の形態6における燃料電池システム200は、手動起動時に、水素含有ガス供給開始可能な温度条件の幅が、通常起動より大きくなるため、手動起動開始からの水素含有ガス供給までの時間を、通常起動時の温度条件を用いたときと比べて、短縮することができる上に、変成器13および選択酸化器15のどちらか一方の温度が所定の温度範囲に入った場合に水素含有ガスを供給するため、燃料電池システム200の起動時間を、実施の形態5と比べて短くすることができる。
また、燃料電池150の発電量から燃料電池150の劣化度合を推定でき、燃料電池150の劣化度合が一定量を超えた場合には、一酸化炭素濃度の高いガスを燃料電池150へ送らないことで、燃料電池システム200の信頼性を維持できる。
上記の説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。