JP6722893B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本開示は、燃料電池システムに関するものである。
分散型エネルギー供給源として、燃料電池スタック(以下、単に「燃料電池」という)を用いた燃料電池システムの開発が進められている。燃料電池は、小型装置ではあるが、高効率に発電を行うことができる。特許文献1には、燃料電池システムの一例が記載されている。
燃料電池システムの発電部の本体は、燃料電池である。燃料電池には、水素含有ガスと酸素含有ガスとが供給される。これにより、水素と酸素との電気化学反応が進行する。燃料電池システムでは、このようにして、化学的なエネルギーが、電気的なエネルギーとして取り出される。
一般的には、水素含有ガスは、インフラストラクチャーから供給されていない。このため、燃料電池システムには、改質器が設けられている。改質器では、既存のインフラストラクチャーから供給される都市ガス又はLPG等が原料として用いられる。
具体的には、改質器は、改質部を備えている。改質部は、Ru触媒、Ni触媒等の改質触媒を備えている。改質部では、600〜700℃の温度で上記原料と水蒸気との改質反応が行われる。これにより、水素含有ガスが生成される。
改質反応により得られる水素含有ガスは、通常、原料に由来する一酸化炭素を含んでいる。一酸化炭素の濃度が高いと、燃料電池の発電特性が低下する。この問題を緩和するために、改質器は、さらに、変成部を備えている場合がある。変成部は、Cu−Zn系触媒、貴金属系触媒等の変成触媒を備えている。変成部では、200℃〜350℃の温度で一酸化炭素と水蒸気との変成反応が進行する。これにより、一酸化炭素が低減される。
改質器は、さらに、選択酸化部を備えている場合もある。選択酸化部は、Ru触媒、PT触媒等の選択酸化触媒を備えている。選択酸化部では、100℃〜200℃の温度で一酸化炭素を選択的に酸化反応させる。これにより、一酸化炭素がさらに低減される。
燃料電池の発電時にアノードから排出される水素含有ガス(以下、「アノードオフガス」という)を改質器で燃焼させ、改質反応に用いることもある。このようにすれば、燃料電池システムの効率を向上させることができる。
特開2004−31280号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1の技術には、改質器の触媒の劣化を防止する観点から、改善の余地がある。
本開示は、
原料ガスと水蒸気とを改質触媒を用いて改質反応させることにより水素を含む燃料ガスを生成する改質部と、前記燃料ガスにおける一酸化炭素の濃度を変成触媒を用いて低減させる変成部と、可燃性ガスを燃焼させて熱を生成する燃焼部と、を有する改質器と、
前記改質器から供給される前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
前記改質器に前記原料ガスを供給する原料供給部と、
前記改質触媒の温度を検出する改質温度検出部と、
前記変成触媒の温度を検出する変成温度検出部と、
前記燃料電池が発電しているときにおいて前記改質温度検出部の検出温度が目標温度となるように前記原料供給部を制御する制御部と、
を備えた燃料電池システムであって、
前記可燃性ガスは、(i)前記原料ガス、(ii)前記燃料電池に供給される前の前記燃料ガス及び(iii)前記燃料電池から排出された前記燃料ガスであるオフ燃料ガスのうちの少なくとも1つであり、
前記燃料電池の発電量を第1目標発電量に上昇させる制御を第1立ち上がり制御と定義し、前記第1目標発電量よりも小さい目標発電量を第2目標発電量と定義し、前記燃料電池の発電量を前記第2目標発電量に上昇させる制御を第2立ち上がり制御と定義し、前記変成温度検出部の検出温度が第1温度よりも高い状態を第1状態と定義したとき、前記制御部は、前記第1立ち上がり制御の開始後における前記第1状態の累積期間が第1期間に達した場合に、前記燃料電池を一旦停止させ、前記第2立ち上がり制御を実行する、燃料電池システムを提供する。
本開示に係る技術は、改質器の触媒の劣化を防止するのに適している。
実施の形態に係る燃料電池システムの構成図 実施の形態に係る燃料電池システムの制御の一例を示すフローチャート 実施の形態に係る燃料電池システムにおける発電量、原料ガス流量及び各種温度の時系列変化を示すグラフ 実施の形態に係る燃料電池システムにおける発電量、原料ガス流量及び各種温度の時系列変化を示すグラフ 比較形態に係る燃料電池システムにおける発電量、原料ガス流量及び各種温度の時系列変化を示すグラフ
(本発明者らによる知見)
改質器の触媒は、高温になると、劣化することがある。触媒は、著しく高温になると、メルトダウンすることもある。このため、触媒の温度は適切に管理される必要がある。そのような触媒としては、改質触媒、変成触媒及び選択酸化触媒が例示される。
特許文献1の燃料電池システムには、原料供給部が設けられている。この原料供給部は、ブースターポンプを有している。特許文献1には、原料供給部によって改質器に供給される原料の供給量を制御することが記載されている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、原料供給部により原料の供給量を制御するのみでは、改質器の触媒の温度の過上昇を防止することが難しい場合がある。特に、外気温が高いときに燃料電池システムを立ち上げると、触媒の温度が著しくオーバーシュートするおそれがある。触媒の温度のオーバーシュートは、触媒を劣化させる。
本開示の第1態様は、
原料ガスと水蒸気とを改質触媒を用いて改質反応させることにより水素を含む燃料ガスを生成する改質部と、前記燃料ガスにおける一酸化炭素の濃度を変成触媒を用いて低減させる変成部と、可燃性ガスを燃焼させて熱を生成する燃焼部と、を有する改質器と、
前記改質器から供給される前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
前記改質器に前記原料ガスを供給する原料供給部と、
前記改質触媒の温度を検出する改質温度検出部と、
前記変成触媒の温度を検出する変成温度検出部と、
前記燃料電池が発電しているときにおいて前記改質温度検出部の検出温度が目標温度となるように前記原料供給部を制御する制御部と、
を備えた燃料電池システムであって、
前記可燃性ガスは、(i)前記原料ガス、(ii)前記燃料電池に供給される前の前記燃料ガス及び(iii)前記燃料電池から排出された前記燃料ガスであるオフ燃料ガスのうちの少なくとも1つであり、
前記燃料電池の発電量を第1目標発電量に上昇させる制御を第1立ち上がり制御と定義し、前記第1目標発電量よりも小さい目標発電量を第2目標発電量と定義し、前記燃料電池の発電量を前記第2目標発電量に上昇させる制御を第2立ち上がり制御と定義し、前記変成温度検出部の検出温度が第1温度よりも高い状態を第1状態と定義したとき、前記制御部は、前記第1立ち上がり制御の開始後における前記第1状態の累積期間が第1期間に達した場合に、前記燃料電池を一旦停止させ、前記第2立ち上がり制御を実行する、燃料電池システムを提供する。
第1態様では、第1立ち上がり制御の開始後に第1状態の累積期間が第1期間に達した場合に、燃料電池を停止させる。このようにすれば、変成触媒の温度の過上昇を防止することができる。これにより、変成触媒の劣化を防止することができる。また、この劣化に伴う変成触媒の耐久性低下を防止することができる。
第1態様では、燃料電池を一旦停止させた後に、第2立ち上がり制御を実行する。第2立ち上がり制御では、第1立ち上がり制御に比べ、目標発電量が低い。目標発電量が低いため、燃料電池での発電で必要となる水素量が少なくて済み、改質器における水素改質反応をある程度抑制することができる。つまり、原料ガスの単位体積あたりのガス熱量をある程度抑制しても、水素不足による発電の不安定化を招き難い。従って、第1態様は、燃料電池の発電を安定的に継続させつつ、変成触媒の温度のオーバーシュートを防止する観点から有利である。また、第1態様によれば、変成触媒の劣化を防止しつつ改質触媒の温度を目標温度まで上昇させることができる。
以上の理由で、第1態様に係る技術は、改質器の触媒の劣化を防止するのに適している。
本開示の第2態様は、第1態様に加え、
前記燃料電池の発電量を前記第2目標発電量に追従させる制御を第2追従制御と定義し、前記燃料電池の発電量を前記第2目標発電量から前記第1発電量に増加させる制御を増加制御と定義したとき、前記制御部は、前記第2立ち上がり制御を実行することによって前記燃料電池の発電量が前記第2目標発電量に達した後に、前記第2追従制御を実行し、その後、前記増加制御を実行する、燃料電池システムを提供する。
第2態様によれば、変成触媒の温度が高過ぎないレベルで安定してから燃料電池の発電量を第1目標発電量に増加させることができる。このことは、変成触媒の温度のオーバーシュートによる変成触媒の劣化を防止する観点から有利である。
本開示の第3態様は、第2態様に加え、
前記変成温度検出部の検出温度が前記第1温度以下である状態を第2状態と定義したとき、前記制御部は、前記第2追従制御の開始後における前記第2状態の累積期間が第2期間に達した場合に、前記増加制御を実行する、燃料電池システムを提供する。
第2状態の累積期間は、変成触媒の温度が高過ぎないレベルで安定しているか否かを判断する指標として利用することができる。第3態様では、その累積期間に基づいて増加制御を実行するか否かが決定される。このことは、変成触媒の温度のオーバーシュートによる変成触媒の劣化を防止する観点から有利である。
本開示の第4態様は、
原料ガスと水蒸気との改質反応により水素を含む燃料ガスを生成する改質器であって、改質触媒を含む少なくとも1つの触媒と、可燃性ガスを燃焼させて熱を生成する燃焼部と、を有する改質器と、
前記改質器から供給される前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
前記改質器に前記原料ガスを供給する原料供給部と、
前記燃料電池が発電しているときにおいて前記改質触媒の温度が目標温度となるように前記原料供給部を制御する制御部と、
を備えた燃料電池システムであって、
前記可燃性ガスは、(i)前記原料ガス、(ii)前記燃料電池に供給される前の前記燃料ガス及び(iii)前記燃料電池から排出された前記燃料ガスであるオフ燃料ガスのうちの少なくとも1つであり、
前記燃料電池の発電量を第1目標発電量に上昇させる制御を第1立ち上がり制御と定義し、前記第1目標発電量よりも小さい目標発電量を第2目標発電量と定義し、前記燃料電池の発電量を前記第2目標発電量に上昇させる制御を第2立ち上がり制御と定義し、前記改質触媒又は前記少なくとも1つの触媒における前記改質触媒以外の1つの触媒を対象触媒と定義し、前記対象触媒の温度が第1温度よりも高い状態を第1状態と定義したとき、前記制御部は、前記第1立ち上がり制御の開始後における前記第1状態の累積期間が第1期間に達した場合に、前記燃料電池を一旦停止させ、前記第2立ち上がり制御を実行する、燃料電池システムを提供する。
第4態様では、第1立ち上がり制御の開始後に第1状態の累積期間が第1期間に達した場合に、燃料電池を停止させる。このようにすれば、対象触媒の温度の過上昇を防止することができる。これにより、対象触媒の劣化を防止することができる。また、この劣化に伴う対象触媒の耐久性低下を防止することができる。
また、第4態様では、燃料電池を一旦停止させた後に、第2立ち上がり制御を実行する。第2立ち上がり制御では、第1立ち上がり制御に比べ、目標発電量が低い。目標発電量が低いため、燃料電池での発電で必要となる水素量が少なくて済み、改質器における水素改質反応をある程度抑制することができる。つまり、原料ガスの単位体積あたりのガス熱量をある程度抑制しても、水素不足による発電の不安定化を招き難い。従って、第4態様は、燃料電池の発電を安定的に継続させつつ、対象触媒の温度のオーバーシュートを防止する観点から有利である。また、第4態様によれば、対象触媒の劣化を防止しつつ改質触媒の温度を目標温度まで上昇させることができる。
以上の理由で、第4態様に係る技術は、改質器の触媒の劣化を防止するのに適している。
本開示の第5態様は、第4態様に加え、
(a)前記対象触媒は前記改質触媒であり、前記燃料電池システムは前記改質触媒の温度を検出する改質温度検出部を備えており、前記第1温度は前記目標温度よりも高い、
(b)前記対象触媒は変成触媒であり、前記燃料電池システムは前記変成触媒の温度を検出する変成温度検出部を備えている、又は、
(c)前記対象触媒は選択酸化触媒であり、前記燃料電池システムは前記選択酸化触媒の温度を検出する選択酸化触媒温度検出部を備えている、燃料電池システムを提供する。
第5態様の対象触媒は、対象触媒の具体例である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施の形態に限定されない。
〈燃料電池システムの構成〉
図1は、実施の形態に係る燃料電池システム100の概略構成図である。
燃料電池システム100は、水素生成装置1と、燃料電池8と、水素ガス供給経路12と、オフガス供給経路14とを備えている。水素生成装置1は、水素含有ガスを生成する。燃料電池8は、水素生成装置1から供給された水素含有ガスと、酸化剤ガス(典型的には空気中の酸素)と、を用いて発電を行う。水素ガス供給経路12は、水素生成装置1から切換弁9Aを介して燃料電池8へと水素含有ガスを供給する。オフガス供給経路14は、燃料電池8で排出されるアノードオフガス(燃焼オフガス)を、切換弁9Bを介して水素生成装置1の燃焼部2へと供給する。切換弁9A及び切換弁9Bは、燃料電池バイパス経路23によって接続されている。
水素生成装置1は、水供給部3と、脱硫部5と、改質器22と、原料供給部4と、制御部16とを備えている。水供給部3は、水素生成装置1への水の供給量を調節するのに用いられる。脱硫部5には、硫黄成分を含む炭化水素系の原料ガスが流入する。原料ガスが脱硫部5を通過することによって、原料ガスに含まれる硫黄成分は、脱硫部5に吸着し、除去される。改質器22は、脱硫部5を通過した後の原料ガスと水供給部3から供給される水とを用いて水素含有ガスを生成させる。原料供給部4は、脱硫部5に供給される原料ガスの流量を制御するのに用いられる。制御部16は、原料供給部4及び水供給部3の動作を制御する。
改質器22は、水蒸気発生部15と、改質部20と、変成部13と、選択酸化部17と、を備えている。改質器22には、改質温度検出部21と、変成温度検出部24とが設けられている。水蒸気発生部15は、水供給部3から供給される水を蒸発させるとともに、原料ガスと水蒸気の混合ガスを予熱する。改質部20は、原料ガスと水蒸気との改質反応を進行させる。変成部13は、改質部20で生成した水素含有ガス中の一酸化炭素と水蒸気とを変成反応させて、水素含有ガスの一酸化炭素濃度を低減させる。選択酸化部17は、変成部13を通過した後の水素含有ガス中に残留する一酸化炭素を、空気供給部19から変成部13を通過した後の水素含有ガスに供給される空気を用いて、主に酸化させて除去する。改質部20は、Ru系の改質触媒を有している。変成部13は、Cu−Zn系の変成触媒を有している。選択酸化部17は、Ru系の選択酸化触媒を有している。改質温度検出部21は、改質部20における改質触媒の温度を検出する。変成温度検出部24は、変成部13における変成触媒の温度を検出する。「改質触媒の温度を検出する」は、改質触媒の温度を直接的に検出する態様のみならず、改質触媒の温度を改質部20における水素含有ガスの反応温度の検出を通じて間接的に検出する態様を含む。「変成触媒の温度を検出する」は、変成触媒の温度を直接的に検出する態様のみならず、変成触媒の温度を変成部13における水素含有ガスの反応温度の検出を通じて間接的に検出する態様を含む。
また、改質器22は、燃焼部2を備えている。燃焼部2は、改質部20における改質反応に必要な反応熱を供給する。燃焼部2は、バーナーと、燃焼ファン18とを有している。バーナーは、加熱源となる可燃性ガスを燃焼させる。燃焼ファン18は、燃焼部2に燃料用空気を供給する。燃焼部2で燃焼させる可燃性ガスは、水素ガス供給経路12と、燃料電池バイパス経路23又は燃料電池8と、オフガス供給経路14とをこの順に通り、燃焼部2に供給される。なお、バイパス経路23、切換弁9A及び切換弁9Bを省略し、燃焼部2で燃焼させる可燃性ガスとしてアノードオフガスのみが用いられる態様も採用され得る。また、可燃性ガスは、原料ガスであってもよい。改質器22によって生成された水素含有ガスは、水素ガス供給経路12を介して燃料電池8に供給される。
改質器22は、燃焼部2で発生した燃焼排ガスの熱が内筒11の壁面を介して改質部20及び水蒸気発生部15に供給されるように構成されている。また、改質器22は、水蒸気発生部15が中筒25の壁面を介して変成部13及び選択酸化部17と熱交換するように構成されている。
脱硫部5に供給される炭化水素系の原料ガスは、少なくとも炭素及び水素元素を構成要素とする有機化合物(例えば、炭化水素)を含んでいればよい。そのような原料ガスとしては、メタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG等が例示される。図示の例では、原料ガスの供給源として都市ガスのガスインフラライン6を用いられ、そのガスインフラライン6に脱硫部5が接続されている。脱硫部5は、その上流側及び下流側に配置された脱硫接続部7に着脱可能な形状を有している。脱硫部5は、脱硫部5の硫黄成分に対する吸着量が飽和して吸着特性が低下すると、新しい脱硫部5に交換できるように構成されている。本実施の形態における脱硫部5には、ゼオライト系吸着除去剤が充填されている。ゼオライト系吸着除去剤には、都市ガス中の付臭成分である硫黄化合物を吸着させることができる。また、脱硫接続部7は、原料ガスの流通を制御する弁機能を有している。具体的に、脱硫接続部7は、電磁弁が設けられたものであってもよい。脱硫部5は、水添脱硫を用いたものであってもよい。
水供給部3は、流量調節機能を有するポンプを有している。原料供給部4は、脱硫部5と改質器22とを接続する原料供給経路10に配置されている。原料供給部4を用いて改質器22に供給される原料ガスの流量を制御することによって、ガスインフラライン6から脱硫部5に供給される原料ガスの流量を制御することができる。なお、原料供給部4は、脱硫部5に供給される原料ガスの流量を制御できればよく、原料供給部4の下流側に配置されていてもよい。原料供給部4は、ブースターポンプで構成され、例えば入力する電流パルス、入力電力等を制御することにより、脱硫部5に供給される原料ガスの流量を調節する機能を有している。
制御部16は、改質器22の水素含有ガスの生成動作を制御する。制御部16は、原料供給部4から改質器22に供給される原料ガスの供給量を制御する。制御部16は、水供給部3から改質器22に供給される水の供給量を制御する。制御部16は、接続部7及び切換弁9A、9Bの動作を制御する。また、制御部16は、燃料電池8の運転動作も制御する(詳細な動作説明は省略する)。本実施の形態では、運転制御部16は、半導体メモリー、CPU等により、改質器22の運転動作シーケンス、原料積算流量等の運転情報等を記憶している。そして、運転制御部16は、状況に応じた適切な動作条件を演算し、かつ、水供給部3、原料供給部4等の運転に必要な要素に動作条件を指令する。
以上の説明から理解されるように、燃料電池システム100は、水素生成装置1と、燃料電池8と、原料供給部4と、燃焼部2と、制御部16と、を備えている。水素生成装置1は、原料ガスと水蒸気との改質反応により水素を含む燃料ガスを生成する装置である。水素生成装置1は、改質触媒を含む少なくとも1つの触媒を有している。燃料電池8は、水素生成装置1から供給される燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する。原料供給部4は、改質器22に原料ガスを供給する。燃焼部2は、可燃性ガスを燃焼させて熱を生成する。本実施の形態では、改質器22は、改質部20と、変成部13とを有している。改質部20は、原料ガスと水蒸気とを改質触媒を用いて改質反応させることにより水素を含む燃料ガスを生成する。変成部13は、燃料ガスにおける一酸化炭素の濃度を変成触媒を用いて低減させる。また、本実施の形態では、燃料電池システム100は、改質温度検出部21と、変成温度検出部24と、を有している。改質温度検出部21は、改質触媒の温度を検出する。変成温度検出部24は、変成触媒の温度を検出する。
〈燃料電池システムの運転動作〉
次に、燃料電池システム100の起動動作、発電時の運転動作及び停止動作を、水素生成装置1の動作を中心にして説明する。
停止状態から水素生成装置1を起動させる場合、制御部16からの指令により、原料ガスは原料供給部4から原料供給経路10を通して改質器22へ供給される。原料ガスは、水蒸気発生部15、改質部20、変成部13、選択酸化部17、水素ガス供給経路12、燃料電池バイパス経路23及びオフガス供給経路14をこの順に通り、その後燃焼部2へと供給される。原料ガスは、燃焼部2で着火される。これにより、改質器22の加熱が開始される。
燃焼部2での加熱開始後に、水供給部3を動作させる。これにより、改質器22に水が給され、水と原料ガスとの改質反応が開始される。メタンを主成分とする都市ガスを原料ガスとした場合、水供給部3からの水供給量は、都市ガスの平均分子式中の炭素原子数1モルに対して水蒸気が3モル程度になるように制御される(S/Cで3程度;なお、「S/C」は、スチームカーボン比である)。さらに、空気供給部19を動作させる。これにより、改質器22に空気が供給される。空気供給部19からの空気供給量は、水素含有ガスに含まれる酸素量が一酸化炭素の約2倍のモル数となるよう制御される。改質器22では、改質部20で水蒸気改質反応が進行する。変成部13では、変成反応が進行する。選択酸化部17では、一酸化炭素の選択酸化反応が進行する。これらの進行中において、改質温度検出部21で検出される温度に基づいて、改質部20、変成部13及び選択酸化部17が各反応に適した温度になるように、燃焼部2の燃焼が制御される。
一酸化炭素濃度を所定濃度(本実施の形態では、ドライガスベースで20ppm以下)まで低減させた後、切換弁9A及び9Bを動作させ、水素ガス供給経路12を通して水素含有ガスを燃料電池8に供給する。そして、燃料電池8において発電動作が行われる。燃料電池8で排出されるアノードオフガスは、オフガス供給経路14を通り、燃焼部2へ供給される。なお、発電運転の際には、制御部16は、改質温度検出部21の検出温度が所定温度(目標温度)となるよう、原料供給部4、水供給部3、空気供給部19及び燃焼ファン18の動作を制御する。具体的には、制御部16は、原料供給量、水供給量、空気供給量及び燃焼空気供給量を制御する。
以上の説明から理解されるように、燃焼部2で燃焼される可燃性ガスは、(i)原料ガス、(ii)燃料電池8に供給される前の燃料ガス及び(iii)燃料電池8から排出された燃料ガスであるオフ燃料ガス(アノードオフガス)のうちの少なくとも1つである。
燃料電池システム100の運転を停止させる場合、運転制御部16からの指令により、切換弁9A及び9Bを動作させて、燃料電池8への水素含有ガスの供給を停止し、水素含有ガスを燃料電池バイパス経路23を通して燃焼部2に供給する。その後、水供給部3と原料供給部4と空気供給部19の動作を停止させて、水と原料ガスと空気の供給を停止させ、水素生成装置1の動作を停止させる。なお、水素生成装置1の停止動作は、切換弁9A及び9Bを動作させて改質器22を封止する動作や、改質器22が降温して体積減少する量に相当する量の原料ガスを供給する動作等の、改質器22内に外気の混入を極力防止する動作を含んでいることが好ましい。
<制御部16による制御の詳細>
本実施の形態の制御部16は、燃料電池8が発電しているときにおいて、改質温度検出部21の検出温度が目標温度となるように原料供給部4を制御する。
また、制御部16は、第1立ち上がり制御と、第1追従制御と、第2立ち上がり制御と、第2追従制御と、増加制御と、を実行することができるように構成されている。第1立ち上がり制御は、燃料電池8の発電量を第1目標発電量に上昇させる制御である。第1追従制御は、燃料電池8の発電量を第1目標発電量に追従させる制御である。第2立ち上がり制御は、燃料電池8の発電量を第2目標発電量に上昇させる制御である。第2目標発電量は、第1目標発電量よりも小さい目標発電量である。第2目標発電量は、例えば、第1目標発電量の1/3〜2/3である。第2追従制御は、燃料電池8の発電量を第2目標発電量に追従させる制御である。増加制御は、燃料電池8の発電量を第2目標発電量から第1発電量に増加させる制御である。以下、制御部16の制御の詳細について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。以下の説明では、第1状態及び第2状態という用語を用いる。第1状態は、変成温度検出部24の検出温度が第1温度よりも高い状態を指す。第2状態は、変成温度検出部24の検出温度が第1温度以下である状態を指す。
ステップS101において、制御装置16は、第1立ち上がり制御を開始する。本実施の形態では、第1立ち上がり制御により燃料電池8の発電量が第1目標発電量に達したときに、第1追従制御が開始される。ステップS101が終了すると、フローは、ステップS102に進む。
ステップS102において、改質温度検出部21及び変成温度検出部24は、改質温度Tk及び変成温度Thを取得する。改質温度Tkは、改質触媒の温度である。変成温度Thは、変成触媒の温度である。ステップS102が終了すると、フローは、ステップS103に進む。
ステップS103において、制御装置16は、変成温度Thが変成温度上限値ThHよりも大きいか否かを判断する。変成温度Thが変成温度上限値ThHよりも大きい場合(ステップS103でYESの場合)、ステップS104に進む。変成温度Thが変成温度上限値ThH以下である場合(ステップS103でNOの場合)、ステップS105に進む。
ステップS105において、制御装置16は、終了条件が成立しているか否かを判断する。終了条件は、例えば、燃料電池8の発電量が第1目標発電量に達した後に所定時間経過したという条件である。終了条件が成立している場合(ステップS105でYESである場合)、フローは終了する。終了条件が成立していない場合(ステップS105でNOの場合)、ステップS102に進む。
ステップS104において、制御装置16は、累積期間saが第1期間sth1以上であるか否かを判断する。累積期間saは、ステップS101により第1立ち上がり制御を開始した後における変成温度Thが第1温度(変成温度上限値)ThHよりも大きい期間の累積値である。改めて断るまでもないが、変成温度Thが変成温度上限値ThHよりも大きい期間が連続した期間である場合は、累積期間はその連続した期間と同じである。変成温度Thが変成温度上限値ThHよりも大きい期間が断続的に現れる場合には、累積期間はその断続的に現れる期間の合計である。別の言い方をすると、ステップS104において、制御装置16は、第1状態の累積期間saが第1期間sth1以上であるか否かを判断する。累積期間saが第1期間sth1以上である場合(ステップS104でYESである場合)、ステップS106に進む。累積期間saが第1期間sth1よりも小さい場合(ステップS104でNOである場合)、ステップS102に進む。
ステップS106において、制御装置16は、燃料電池8を停止させる。これにより、燃料電池8の発電量はゼロになる。また、改質器22への原料ガスの供給量はゼロになる。ステップS106が終了すると、フローは、ステップS107に進む。
ステップS107において、制御装置16は、累積期間sbが第3期間sth3以上であるか否かを判断する。累積期間sbは、ステップS106により燃料電池8を停止した後における変成温度Thが第3温度(起動時変成温度)Th1よりも小さい期間の累積値である。典型的には、累積期間sbは、変成温度Thが第3温度Th1よりも小さい連続した期間である。累積期間sbが第3期間sth3以上である場合(ステップS107でYESである場合)、ステップS108に進む。累積期間sbが第3期間sth3よりも小さい場合(ステップS107でNOである場合)、ステップS107を繰り返す。
ステップS108において、制御装置16は、第2立ち上がり制御を開始する。本実施の形態では、第2立ち上がり制御により燃料電池8の発電量が第2目標発電量に達したときに、第2追従制御が開始される。ステップS108が終了すると、フローは、ステップS109に進む。
ステップS109において、改質温度検出部21及び変成温度検出部24は、改質温度Tk及び変成温度Thを取得する。ステップS109が終了すると、フローは、ステップS110に進む。
ステップS110において、制御装置16は、変成温度Thが変成温度上限値ThHよりも大きいか否かを判断する。変成温度Thが変成温度上限値ThHよりも大きい場合(ステップS110でYESの場合)、ステップS111に進む。変成温度Thが変成温度上限値ThH以下である場合(ステップS110でNOの場合)、ステップS112に進む。
ステップS111において、制御装置16は、累積期間scが第1期間sth1以上であるか否かを判断する。累積期間scは、ステップS108により第2立ち上がり制御を開始した後における変成温度Thが第1温度(変成温度上限値)ThHよりも大きい期間の累積値である。つまり、ステップS111において、制御装置16は、第1状態の累積期間scが第1期間sth1以上であるか否かを判断する。累積期間scが第1期間sth1以上である場合(ステップS111でYESである場合)、ステップS106に進む。累積期間scが第1期間sth1よりも小さい場合(ステップS111でNOである場合)、ステップS112進む。
ステップS112において、制御装置16は、累積期間sdが第2期間sth2以上であるか否かを判断する。累積期間sdは、第2追従制御を開始した後における変成温度Thが第1温度(変成温度上限値)ThH以下である期間の累積値である。つまり、ステップS112において、制御装置16は、第2の状態の累積期間sdが第2期間sth2以上であるか否かを判断する。累積期間sdが第2期間sth2以上である場合(ステップS112でYESの場合)、ステップS113に進む。累積期間sdが第2期間sth2よりも小さい場合(ステップS112でNOの場合)、ステップS109に進む。
ステップS113において、制御装置16は、増加制御を開始する。これにより、燃料電池8の発電量が第2目標発電量から第1発電量に増加する。
本実施の形態では、ステップS113により燃料電池8の発電量が第1発電量に達したときに、制御装置16は、第1追従制御と同じ制御を開始する。
仮に、第1立ち上がり制御を変成温度Thとは無関係に継続させたとする。その場合の燃料電池システムの挙動を、図5に示す。図5の横軸は、時刻である。時刻t21において、原料ガス流量がゼロから増加し始めている。ここで、原料ガス流量は、原料供給部4を通じた改質器22への原料ガスの供給量である。原料ガス流量は、所定値まで増加し、その後時刻t22まで該所定値に維持されている。時刻t22において、燃料電池の発電が開始されている。燃料電池の発電量は、時刻t22から増加し始め、時刻t23において第1目標発電量に達し、時刻t23以降において第1目標発電量に維持されている。また、原料ガス流量は、時刻t22から再度増加し始め、時刻t23で上げ止まり、その後一定値に維持されている。改質温度及び変成温度は、時刻t21から上昇し始め、時刻t23よりも後にピークを迎え、その後低下している。本発明者らの検討によれば、第1立ち上がり制御を変成温度とは無関係に継続させた場合、これらのピークは高くなり易い。変成温度のピークが高いと、変成触媒は、劣化することがある。変成触媒がメルトダウンするおそれもある。第1立ち上がり制御を変成温度とは無関係に継続させた場合、改質温度が目標温度になるように原料供給部4を制御しても、改質温度は目標温度よりも大幅に高くなることがあり、従って変成触媒の温度も過度に高くなるおそれがあるのである。
これに対し、本実施の形態では、制御部16は、第1立ち上がり制御の開始後における第1状態の累積期間が第1期間に達した場合に、燃料電池8を一旦停止させ、第2立ち上がり制御を実行する。このように、本実施の形態では、変成温度Thが高い状態が続いた場合には、燃料電池8を停止させる。燃料電池8の停止後には、燃料電池8の発電量を第1目標発電量まで増加させるのではなく、同発電量を低めの第2目標発電量で上げ止める。このことは、変成触媒の温度のオーバーシュートを防止する観点から有利である。
図2のフローチャートに基づいた制御がなされた場合の燃料電池システム100の挙動を、図3及び4に示す。図3により、ステップS101〜ステップS107に基づく挙動が理解される。図4により、ステップS107〜S113に基づく挙動が理解される。図3及び4の横軸は、時刻である。
図3では、時刻t1において、原料ガス流量がゼロから増加し始めている。原料ガス流量は、所定値まで増加し、その後時刻t2まで該所定値に維持されている。時刻t2において、燃料電池8の発電が開始されている。燃料電池8の発電量は、時刻t2から増加し始め、時刻t3において第1目標発電量に達し、時刻t3から時刻t4までの期間において第1目標発電量に維持されている。また、原料ガス流量は、時刻t2から再度増加し始め、時刻t3で上げ止まり、時刻t3から時刻t4までの期間において一定値に維持されている。改質温度及び変成温度は、時刻t1から上昇し始め、時刻t4からは低下している。時刻t1は、ステップS101により第1立ち上がり制御が開始された時刻である。時刻t4は、ステップS104でYESと判断された時刻である。時刻t4でステップS106に従い燃料電池8が停止され、発電量及び原料ガス流量がゼロへと低下している。このため、時刻t4以降において、改質温度及び変成温度が低下している。このように、時刻t4以降における改質温度及び変成温度の上昇が防止されることによって、変成触媒の温度のオーバーシュートが防止されている。
図4では、時刻t5において、原料ガス流量がゼロから増加し始めている。原料ガス流量は、所定値まで増加し、その後時刻t6まで該所定値に維持されている。時刻t6において、燃料電池8の発電が開始されている。燃料電池8の発電量は、時刻t6から増加し始め、時刻t7において第2目標発電量に達し、時刻t7から時刻t8までの期間において2目標発電量に維持され、時刻t8から再度増加し始め、時刻t9において第1目標発電量に達し、時刻t9に以降において第1目標発電量に維持されている。原料ガス流量は、時刻t6から時刻t7までの期間において再度増加し、時刻t7以降において一旦低下した後再度増加し、時刻t9において上げ止まり、その後一定値に維持されている。改質温度及び変成温度は、時刻t5から上昇し始め、時刻t7よりも後に低めのピークを迎え、その後緩やかに低下している。時刻t5は、ステップS107でYESと判断された時刻である。時刻t5において、ステップS108に従い第2立ち上がり制御が開始されている。時刻t8は、ステップS112でYESと判断された時刻である。時刻t8において、ステップS113に従い増加制御が開始される。図4に示すように、燃料電池8の発電量は、一気に第1目標発電量まで増加していない。その代わりに、同発電量は、低めの第2目標発電量で一旦上げ止まり、その後第1目標発電量に増加している。第2目標発電量は低めであるため、燃料電池8での発電で必要となる水素量が一気に増加することがなく、改質器22における水素改質反応による改質器22の過度な温度上昇を回避し易い。つまり、原料ガスの単位体積あたりのガス熱量の上昇は、水素不足による発電の不安定化を招き難い。従って、燃料電池8の発電を安定的に継続させつつ、変成触媒の温度のオーバーシュートを防止することができる。
上記の説明から理解されるように、本実施の形態では、制御部16は、第2立ち上がり制御を実行することによって燃料電池8の発電量が第2目標発電量に達した後に、第2追従制御を実行し、その後、増加制御を実行する。このようにすれば、変成触媒の温度が高過ぎないレベルで安定してから燃料電池8の発電量を第1目標発電量に増加させることができる。このことは、変成触媒の温度のオーバーシュートによる変成触媒の劣化を防止する観点から有利である。
具体的には、本実施の形態では、制御部16は、第2追従制御の開始後における第2状態の累積期間が第2期間に達した場合に、増加制御を実行する。第2状態の累積期間は、変成触媒の温度が高過ぎないレベルで安定しているか否かを判断する指標として利用することができる。本実施の形態では、その累積期間に基づいて増加制御を実行するか否かが決定される。このことは、変成触媒の温度のオーバーシュートによる変成触媒の劣化を防止する観点から有利である。
なお、本実施の形態の技術は、変成触媒以外の触媒の劣化防止に応用することができる。すなわち、本開示は、より一般的には、
原料ガスと水蒸気との改質反応により水素を含む燃料ガスを生成する改質器22であって、改質触媒を含む少なくとも1つの触媒と、可燃性ガスを燃焼させて熱を生成する燃焼部2と、を有する改質器22と、
改質器22から供給される燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池8と、
改質器22に原料ガスを供給する原料供給部4と、
燃料電池8が発電しているときにおいて改質触媒の温度が目標温度となるように原料供給部4を制御する制御部16と、
を備えた燃料電池システム100であって、
可燃性ガスは、(i)原料ガス、(ii)燃料電池8に供給される前の燃料ガス及び(iii)燃料電池8から排出された燃料ガスであるオフ燃料ガスのうちの少なくとも1つであり、
燃料電池8の発電量を第1目標発電量に上昇させる制御を第1立ち上がり制御と定義し、第1目標発電量よりも小さい目標発電量を第2目標発電量と定義し、燃料電池8の発電量を第2目標発電量に上昇させる制御を第2立ち上がり制御と定義し、改質触媒又は上記の少なくとも1つの触媒における改質触媒以外の1つの触媒を対象触媒と定義し、対象触媒の温度が第1温度よりも高い状態を第1状態と定義したとき、制御部16は、第1立ち上がり制御の開始後における第1状態の累積期間が第1期間に達した場合に、燃料電池8を一旦停止させ、第2立ち上がり制御を実行する、燃料電池システム100を提供すると言える。
一具体例では、(a)対象触媒は改質触媒であり、燃料電池システム100は改質触媒の温度を検出する改質温度検出部21を備えており、第1温度は目標温度よりも高い。別の具体例では、(b)対象触媒は変成触媒であり、燃料電池システム100は変成触媒の温度を検出する変成温度検出部24を備えている。また別の具体例では、(c)対象触媒は選択酸化触媒であり、燃料電池システム100は選択酸化触媒の温度を検出する選択酸化触媒温度検出部を備えている。図3における変成温度及び改質温度の曲線から、本実施の形態によれば、変成温度Thのピークのみならず、改質温度のピークを抑制できることが理解される。また、本実施の形態によれば、同様に、選択酸化触媒の温度のピークを抑制することもできる。上記(a)の場合、改質触媒の温度のオーバーシュートによる改質触媒の劣化が好適に防止される。上記(b)の場合、変成触媒の温度のオーバーシュートによる変成触媒の劣化が好適に防止される。上記(c)の場合、選択酸化触媒の温度のオーバーシュートによる選択酸化触媒の劣化が好適に防止される。なお、選択酸化触媒温度検出部は、図1には示していないが、必要に応じて設けることができる。
図2のフローチャートは、対象触媒が変成触媒である上記(b)の場合用のフローチャートであると言える。この場合、上述の「より一般的な本開示」の説明において、第1状態は、変成温度検出部24の検出温度が第1温度よりも高い状態に対応する。第2状態は、変成温度検出部24の検出温度が第1温度以下である状態に対応する。
対象触媒が改質触媒である上記(a)の場合、上述の「より一般的な本開示」の説明において、第1状態は、改質温度検出部21の検出温度が第1温度よりも高い状態に対応する。第2状態は、改質温度検出部21の検出温度が第1温度以下である状態に対応する。また、この場合、図2のフローチャート及びこれに関連する説明において、「変成温度Th」を「改質温度Tk」に読み替えることができる。「変成温度上限値ThH」を「改質温度上限値TkH」に読み替えることができる。
対象触媒が選択酸化触媒である上記(c)の場合、上述の「より一般的な本開示」の説明において、第1状態は、選択酸化触媒温度検出部の検出温度が第1温度よりも高い状態に対応する。第2状態は、選択酸化触媒温度検出部の検出温度が第1温度以下である状態に対応する。また、この場合、図2のフローチャート及びこれに関連する説明において、「変成温度Th」を「選択酸化温度」に読み替えることができる。「変成温度上限値ThH」を「選択酸化温度上限値」に読み替えることができる。選択酸化温度は、選択酸化触媒の温度である。
なお、上記(a)の場合と、上記(b)の場合と、上記(c)の場合とで、第1温度を変更することができる。上記(a)の場合、第1温度は、例えば、改質触媒の融点から200℃を差し引いた温度よりも大きく、かつ、改質触媒の融点から100℃を差し引いた温度よりも小さい温度である。上記(b)の場合、第1温度は、例えば、変成触媒の融点から200℃を差し引いた温度よりも大きく、かつ、変成触媒の融点から100℃を差し引いた温度よりも小さい温度である。上記(c)の場合、第1温度は、例えば、選択酸化触媒の融点から200℃を差し引いた温度よりも大きく、かつ、選択酸化の融点から100℃を差し引いた温度よりも小さい温度である。
場合によっては、変成部13及び変成触媒を省略することができる。また、場合によっては、選択酸化部17及び選択酸化触媒を省略することができる。
1 水素生成装置
2 燃焼部
3 水供給部
4 原料供給部
5 脱硫部
6 ガスインフラライン
7 脱硫接続部
8 燃料電池
9A、9B 切換弁
10 原料供給経路
11 内筒
12 水素ガス供給経路
13 変成部
14 オフガス供給経路
15 水蒸気発生部
16 運転制御部
17 選択酸化部
18 燃焼ファン
19 空気供給部
20 改質部
21 改質温度検出部
22 改質器
23 燃料電池バイパス経路
24 変成温度検出部
25 中筒
100 燃料電池システム

Claims (5)

  1. 原料ガスと水蒸気とを改質触媒を用いて改質反応させることにより水素を含む燃料ガスを生成する改質部と、前記燃料ガスにおける一酸化炭素の濃度を変成触媒を用いて低減させる変成部と、可燃性ガスを燃焼させて熱を生成する燃焼部と、を有する改質器と、
    前記改質器から供給される前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
    前記改質器に前記原料ガスを供給する原料供給部と、
    前記改質触媒の温度を検出する改質温度検出部と、
    前記変成触媒の温度を検出する変成温度検出部と、
    前記燃料電池が発電しているときにおいて前記改質温度検出部の検出温度が目標温度となるように前記原料供給部を制御する制御部と、
    を備えた燃料電池システムであって、
    前記可燃性ガスは、(i)前記原料ガス、(ii)前記燃料電池に供給される前の前記燃料ガス及び(iii)前記燃料電池から排出された前記燃料ガスであるオフ燃料ガスのうち
    の少なくとも1つであり、
    前記燃料電池の発電量を第1目標発電量に上昇させる制御を第1立ち上がり制御と定義し、前記第1目標発電量よりも小さい目標発電量を第2目標発電量と定義し、前記燃料電池の発電量を前記第2目標発電量に上昇させる制御を第2立ち上がり制御と定義し、前記変成温度検出部の検出温度が第1温度よりも高い状態を第1状態と定義したとき、前記制御部は、前記第1立ち上がり制御の開始後における前記第1状態の累積期間が第1期間に達した場合に、前記燃料電池を一旦停止させ、前記第2立ち上がり制御を実行する、燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の発電量を前記第2目標発電量に追従させる制御を第2追従制御と定義し、前記燃料電池の発電量を前記第2目標発電量から前記第1目標発電量に増加させる制御を増加制御と定義したとき、前記制御部は、前記第2立ち上がり制御を実行することによって前記燃料電池の発電量が前記第2目標発電量に達した後に、前記第2追従制御を実行し、その後、前記増加制御を実行する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記変成温度検出部の検出温度が前記第1温度以下である状態を第2状態と定義したとき、前記制御部は、前記第2追従制御の開始後における前記第2状態の累積期間が第2期間に達した場合に、前記増加制御を実行する、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 原料ガスと水蒸気との改質反応により水素を含む燃料ガスを生成する改質器であって、改質触媒を含む少なくとも1つの触媒と、可燃性ガスを燃焼させて熱を生成する燃焼部と、を有する改質器と、
    前記改質器から供給される前記燃料ガスと酸化剤ガスとを反応させて発電する燃料電池と、
    前記改質器に前記原料ガスを供給する原料供給部と、
    前記燃料電池が発電しているときにおいて前記改質触媒の温度が目標温度となるように前記原料供給部を制御する制御部と、
    を備えた燃料電池システムであって、
    前記可燃性ガスは、(i)前記原料ガス、(ii)前記燃料電池に供給される前の前記燃料ガス及び(iii)前記燃料電池から排出された前記燃料ガスであるオフ燃料ガスのうち
    の少なくとも1つであり、
    前記燃料電池の発電量を第1目標発電量に上昇させる制御を第1立ち上がり制御と定義し、前記第1目標発電量よりも小さい目標発電量を第2目標発電量と定義し、前記燃料電池の発電量を前記第2目標発電量に上昇させる制御を第2立ち上がり制御と定義し、前記改質触媒又は前記少なくとも1つの触媒における前記改質触媒以外の1つの触媒を対象触
    媒と定義し、前記対象触媒の温度が第1温度よりも高い状態を第1状態と定義したとき、前記制御部は、前記第1立ち上がり制御の開始後における前記第1状態の累積期間が第1期間に達した場合に、前記燃料電池を一旦停止させ、前記第2立ち上がり制御を実行する、燃料電池システム。
  5. (a)前記対象触媒は前記改質触媒であり、前記燃料電池システムは前記改質触媒の温度を検出する改質温度検出部を備えており、前記第1温度は前記目標温度よりも高い、
    (b)前記対象触媒は変成触媒であり、前記燃料電池システムは前記変成触媒の温度を検出する変成温度検出部を備えている、又は、
    (c)前記対象触媒は選択酸化触媒であり、前記燃料電池システムは前記選択酸化触媒の温度を検出する選択酸化触媒温度検出部を備えている、請求項4に記載の燃料電池システム。
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