JP5021895B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents
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Description
即ち、燃料電池の電気負荷の減少制御に応じて原燃料の供給量を減少制御するときには、燃料電池の電気負荷を減少制御する時点で燃料電池に供給されているアノードガスの内の未反応分が増大して燃焼器に供給されるアノード排ガスの供給量が増大することを考慮して、燃焼器への燃焼用空気の供給量が原燃料の供給量に応じて求められる原燃料対応目標量よりも多い増加供給量へ増大されることになる。その結果、燃焼器に供給されるアノード排ガスを完全燃焼させることができる量の燃焼用空気が燃焼器に供給されることとなるので、燃焼器における不完全燃焼を抑制して、一酸化炭素の発生を抑制することが可能となる。
加えて、燃焼用空気供給手段が、燃料電池の電気負荷を減少制御するのと同時に原燃料の供給量を減少制御するのに先立って、つまり、燃料電池において未反応のアノードガスが増大することにより、燃料電池から燃焼器に供給されるアノード排ガスが増加するのに先立って、原燃料の供給量に応じて求められる原燃料対応目標量よりも多い増加供給量の燃焼用空気を燃焼器に供給するようになるので、増加したアノード排ガスが燃焼器に流入するのに先立って、そのアノード排ガスを完全燃焼させることができる量の燃焼用空気が燃焼器に確実に供給されている状態を作り出すことが可能となる。その結果、燃焼器におけるアノード排ガスの不完全燃焼を確実に抑制して、一酸化炭素の発生を抑制することが可能となる。
従って、一酸化炭素の発生が抑制されて環境的に問題の無い運転制御が行われる燃料電池発電システムが提供されることになる。
図1に示すのは、アノードガス生成装置Rで生成された水素を主成分とするアノードガスが燃料電池1に供給され、アノードガスとカソードガスとを反応させて発電された電力を燃料電池用電力供給ラインL2及びインバータ8を介して、電気負荷装置9が接続されている電力供給ラインLへ供給するように構成されている燃料電池発電システムのブロック図の例である。図1では省略しているが、燃料電池1に供給されるカソードガスには空気が用いられる。
そして、アノードガス生成装置Rにおいて行われるアノードガスの生成処理制御、上述したインバータ8の制御及び余剰電力回収装置10の制御は制御部Cによって行われる。
この制御において、上記原燃料対応目標量は、原燃料用調節弁12で供給量が調節された原燃料が、脱硫器2、改質装置4、一酸化炭素変成器6及び一酸化炭素選択酸化器7を経てアノードガスとして燃料電池1に供給され、燃料電池1において発電反応に使用されなかったアノード排ガスとして燃焼器5に供給される量のアノード排ガスを完全燃焼させることができる燃焼用空気の供給量に相当し、アノードガス生成装置Rの内部構造及び行われる反応状態や、燃料電池1の内部構造及び行われる反応状態や、これらのガスの流速に基づいて導出可能である。
制御部Cは、電気負荷装置9の電気負荷が燃料電池1の出力電力よりも小さい状態にあり、燃料電池1の出力を減少させるべきであることを、商用系統用電力計測部P1、燃料電池用電力計測部P2及び余剰電力回収装置10での回収電力などの監視結果に基づいて判定すると、インバータ8を制御して、燃料電池用電力供給ラインL2に供給される電力を減少させる制御を行う。燃料電池1では、このインバータ8の制御に連動してアノードガスとカソードガスとの発電反応が必要量だけに限定され、アノードガスが余る(つまり、未反応のアノードガスであるアノード排ガスが増加する)ことになるので、制御部Cは、原燃料の供給量が減少するように原燃料用調節弁12を制御してアノードガス生成装置Rで生成されるアノードガスの量を減少させる。
図2に示すグラフでは、制御部Cが、定格出力の約97%の発電を行っていた燃料電池1を定格出力の75%で発電運転させるように時刻t2から時刻t3までの間にインバータ8を制御した状態を示している。
この制御において、上述の燃料電池1からのアノード排ガスの排出量が原燃料の供給量に応じた基準量よりも多い期間は、原燃料が、原燃料用調節弁12で供給量の調節がおこなわれてから脱硫器2、改質装置4、一酸化炭素変成器6及び一酸化炭素選択酸化器7を経てアノードガスとして燃料電池1に供給され、燃料電池1において発電反応に使用されなかったアノード排ガスとして燃焼器5に供給されるまでに要する期間に相当し、アノードガス生成装置Rの内部構造及び行われる反応状態や、燃料電池1の内部構造及び行われる反応状態や、これらのガスの流速に基づいて導出可能である。
以上の結果、アノード排ガスの燃焼に関与しない余分な燃焼用空気によって燃焼器5内の熱が奪われて改質触媒の温度維持の妨げとなることを防止できるので、改質触媒の温度維持が出来なかった場合に生じる原燃料の改質効率の低下や、それに伴う燃料電池の運転効率の低下といった問題を回避することが可能となる。
この比較例は従来の燃料電池発電システムと同様に、図3に示すように制御部Cが、燃料電池1の電気負荷を減少制御するのと同時に原燃料の供給量を減少制御するとき、同時期に燃焼用空気の供給量を減少制御している。その結果、燃料電池1の電気負荷を減少制御するのに応じて原燃料の供給量を減少制御する時点では、減少制御前の原燃料の供給量で生成されて燃料電池に供給されているアノードガスの内の未反応分が増大し、燃焼器に供給されるアノード排ガスの供給量が増大するため、減少制御された燃焼用空気の供給量が過少となって、燃焼器5からの燃焼排ガス中には不完全燃焼によって発生した一酸化炭素が図3に示すように現れている。
以下に説明する他の実施形態の燃料電池発電システムは、制御部Cが、燃料電池1の電気負荷を減少制御するのと同時に原燃料の供給量を減少制御するときに、燃料電池1から排出されて燃焼器5に供給されるアノード排ガス(燃料電池1における未反応のアノードガス)の供給量を導出し、導出したアノード排ガスの供給量に応じた量の燃焼用空気を燃焼器5に供給するように構成されている点で上記実施形態で説明した燃料電池発電システムと異なっている。以下に他の実施形態の燃料電池発電システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
制御部Cは、電気負荷装置9の電気負荷が燃料電池1の出力電力よりも小さい状態にあり、燃料電池1の出力を減少させるべきであることを、商用系統用電力計測部P1、燃料電池用電力計測部P2及び余剰電力回収装置10での回収電力などの監視結果に基づいて判定すると、インバータ8を制御して、燃料電池用電力供給ラインL2に供給される電力を減少させる制御を行う。そしてステップ102において制御部Cは、燃料電池1での発電反応に必要なだけの量のアノードガスを燃料電池1に供給するために、アノードガス生成装置Rへの原燃料の供給量が減少するように原燃料用調節弁12を制御する。
以上の結果、上記実施形態の場合と同様に、燃料電池1の電気負荷を減少制御するのと同時に原燃料の供給量を減少制御するときに、燃焼器5においてアノード排ガスが完全燃焼されることで、燃焼器5においてアノード排ガスの不完全燃焼が抑制されて、燃焼器5の燃焼排ガスには一酸化炭素が含まれないようにすることが可能となる。
<1>
上記実施形態では、燃焼部5においてアノード排ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる場合における燃焼用空気の供給量の制御について説明したが、燃焼部5において原燃料及びアノード排ガスを燃焼用空気と共に燃焼させてもよい。
燃焼部5において原燃料及びアノード排ガスを燃焼用空気と共に燃焼させるとき、制御部Cは、上記実施形態と同様にして燃焼器5においてアノード排ガスを完全燃焼させるために必要となる燃焼用空気の量を上記原燃料対応目標量として導出することができる。一方で、制御部Cは、燃焼器5への原燃料の供給量を原燃料用調節弁18を制御して調節しているので、燃焼器5に供給される原燃料を完全燃焼させるために必要となる燃焼用空気の量を導出することができる。従って、燃焼部5において原燃料及びアノード排ガスを燃焼用空気と共に燃焼させる場合であっても、燃焼器5に供給される原燃料及びアノード排ガスを完全燃焼させるために必要となる燃焼用空気の量を導出することができるのである。
また上記実施形態において説明した、燃料電池1の電気負荷を減少制御するのと同時に原燃料の供給量を減少制御するときに、原燃料の供給量に応じて求められる上記原燃料対応目標量よりも多い増加供給量の値、及び、上記排ガス対応目標量の値についても同様に導出することができる。具体的には、燃焼器5に供給される原燃料を完全燃焼させるために必要となる燃焼用空気の量を上述したように別に導出して、燃焼器5に供給されるアノード排ガスを完全燃焼させるために必要となる燃焼用空気の量に加算すればよい。
上記実施形態では、制御部Cが、インバータ8を制御して燃料電池1の電気負荷を減少制御するのと同時にアノードガスの生成のための原燃料の供給量を減少制御するように構成されている例について説明したが、燃料電池1の電気負荷を減少制御するタイミングと、アノードガスの生成のための原燃料の供給量を減少制御するタイミングとが同時ではなく時間的に前後してもよい。また、上述したように、原燃料の供給量を減少制御するのに先立って上記増加供給量の燃焼用空気を燃焼器5に供給することが好ましいが、原燃料の供給量を減少制御するタイミングに対して時間的に近いタイミングで上記増加供給量の燃焼用空気を燃焼器5に供給すればよい。
4 改質装置
5 燃焼器
12 原燃料用調節弁(原燃料供給手段)
15 ブロア(燃焼用空気供給手段)
C 制御部(運転制御手段)
Claims (2)
- アノードガス及びカソードガスを反応させて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池から排出されるアノード排ガスを燃焼用空気と共に燃焼器で燃焼させて改質触媒を加熱しながら原燃料を改質して、前記アノードガスを生成する改質装置と、
前記燃料電池の電気負荷に応じて前記原燃料の供給量を増減制御する原燃料供給手段を制御し、且つ、前記原燃料の供給量に応じて求められる原燃料対応目標量の燃焼用空気を前記燃焼器に供給するように制御する燃焼用空気供給手段を制御する運転制御手段とが設けられている燃料電池発電システムであって、
前記運転制御手段が、燃料電池の電気負荷を減少制御するのと同時に、改質装置に供給する前記原燃料の供給量を減少制御するときには、前記原燃料の供給量を減少制御するのに先立って、前記原燃料の供給量に応じて求められる原燃料対応目標量よりも多い増加供給量の燃焼用空気を前記燃焼器に供給するように構成されている燃料電池発電システム。 - 前記運転制御手段が、前記増加供給量の燃焼用空気の供給を開始したのち、前記アノード排ガスの排出量が前記原燃料の供給量に応じた基準量よりも多い期間が経過すると、前記原燃料の供給量に応じて求められる原燃料対応目標量の燃焼用空気を前記燃焼器に供給するように構成されている請求項1記載の燃料電池発電システム。
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