JP2013210947A - 金属貼付用データキャリアおよび無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄くかつ安価に製造することができる金属貼付用データキャリアおよび無線通信方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る金属貼付用データキャリア10は、金属に貼付するデータキャリアであって、基材フィルム13と、基材フィルム13の一方の面11aに設けられる非接触データキャリア要素14とを有するICインレット11と、ICインレット11に積層するように設けられる粘着剤層12とを有し、含有量が50%のシートを作成した時の周波数1MHzにおける実数部透磁率μ’が20以上となる磁性粉体を、粘着剤層12中に200g/m2以上含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属貼付用データキャリアおよび無線通信方法に関するものである。
近年、無線周波数識別(RFID:Radio Frequency−IDentification)システムが普及している。RFIDシステムは、人や物品等に取り付けられるデータキャリアと、このデータキャリアとの間で電磁誘導方式により電波を送受信してデータキャリアの内部メモリにアクセスし、情報の読み書き(リード/ライト)をするリーダ/ライタと、このリーダ/ライタを制御する電子計算機とを備えて構成されている。なお、データキャリアは、その形状や大きさ等に応じてRFIDタグ(非接触ICタグ)、非接触ICカード等と呼ばれる(以下、総称して、ICタグと呼ぶ)。
RFIDシステムは、人や物品等に取り付けられる非接触型のICタグを、電磁波を放出するリーダ/ライタなどの情報取得装置にかざすことで、ICタグ内に内蔵されたICチップに記憶してあるデータから情報を入手できる。RFIDシステムは、電磁波による情報交信で人や物品等の識別、追加情報の書き込み等ができるため、人や物品等の所在管理、製品の物流、加工工程の履歴の情報管理等に使用可能である。そのため、RFIDシステムは、例えば各種の交通機関の定期券、企業の建物等における人の入出管理、商品の在庫管理、物流管理等に用いることができることから、物流分野および流通分野等で実用化されている。
ICタグを金属等の導電性部材に貼付した場合は、ICタグの送受信用の電磁波によって生成する交流磁界により背後の物体の金属内に渦電流が発生する。この渦電流は送受信用の磁束を打ち消す方向に磁束を生成し、それによって送受信用の磁束が減衰し、通信が困難になる場合が多い。
そこで、金属のような導電性材料からなる部材に非接触型のICタグを取り付ける場合、送受信用の磁束が減衰し、通信が困難になるのを抑制する方法として以下のものが提案されている。例えば、特許文献1では、非接触型のICタグと導電性部材との間に軟磁性のICタグ用補助シートを配置する技術が開示されている。また、特許文献2では、磁性の樹脂で封止し、そこへ送受信用磁束を通すことにより金属の磁束が入り込んで生じる渦電流発生を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−233508号公報 特開2005−327245号公報
しかしながら、金属のような導電性材料からなる部材に非接触型のICタグを取り付ける場合、特許文献1、2に記載のような方法では、ICタグの厚みが厚くなり、高価になってしまうため、ICタグの厚みおよび製造コストを抑えつつ製造することが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、薄くかつ安価に製造することができる金属貼付用データキャリアおよび無線通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る金属貼付用データキャリアは、被着体として金属に貼付する金属貼付用データキャリアであって、基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に設けられる非接触データキャリア要素とを有するICインレットと、前記ICインレットに積層するように設けられる粘着剤層とを有し、含有量が50%のシートを作成した時の周波数1MHzにおける実数部透磁率μ’が20以上となる磁性粉体を、前記粘着剤層中に200g/cm2以上含有することを特徴とする。
また、本発明においては、前記磁性粉体が、Fe−Al系合金であることが好ましい。
また、本発明に係る無線通信方法は、金属貼付用データキャリアとリーダ/ライタとの間で、無線通信を行う無線通信方法であって、前記金属貼付用データキャリアは、基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に設けられる非接触データキャリア要素とを有するICインレットと、前記ICインレットに積層するように設けられる粘着剤層を有し、前記粘着剤層には、含有量が50%のシートを作成した時の周波数1MHzにおける実数部透磁率μ’が20以上となる磁性粉体を、前記粘着剤層中に200g/cm2以上含有し、前記金属貼付用データキャリアを金属に貼付することを特徴とする。
本発明によれば、被着体に貼付するために既存の構成である粘着層に磁性粉体を含有するので追加の構成を必要としないため薄くすることができ、追加の構成がないので工程数の増加はなく既存の設備をそのまま利用できるため安価に製造することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る金属貼付用データキャリアを模式的に示す平面図である。 図2は、図1のA−A断面図である。 図3は、端子部同士の間にジャンパ線を配置し、ICチップを実装したICインレットの状態を示す平面図である。
以下、本発明に係る金属貼付用データキャリアおよび無線通信方法を実施するための形態(以下、実施形態という)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、下記実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
<金属貼付用データキャリア>
図1は、本発明の実施形態に係る金属貼付用データキャリアを模式的に示す平面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。図1、2に示すように、本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10は、ICチップ実装電子回路(ICインレット)11と、ICインレット11に積層するように設けられる粘着剤層12とを有する。金属貼付用データキャリア10は、いわゆる粘着ラベルに形成され、管理すべき被着体である金属体に貼付して使用するICタグである。
[ICインレット]
ICインレット11は、基材フィルム(基材シート)13、その一方の表面上に形成された非接触データキャリア要素14とを有する。
(基材フィルム)
基材フィルム13は、電子回路および端子部など非接触データキャリア要素14を保持する支持体として機能する。基材フィルム13は、非接触データキャリア要素14を安定に保持することができる支持体としての機能を有する限り、特に限定されるものではなく、透明又は不透明でもよい。基材フィルム13は、上質紙、含浸紙、グラシン紙、コート紙などの紙や、不織布、合成樹脂フィルム若しくはシートなどが好ましい。合成樹脂フィルム若しくはシートを構成する樹脂材料としては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリブテン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、トリ酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの各種樹脂を挙げることができる。
基材フィルム13は、一軸延伸または二軸延伸されたものであってもよい。基材フィルム13は、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。また、基材フィルム13は、耐水性のあるものが好ましい。耐水性があると、水に濡れても破れる等の破損が生じることがない。また、基材フィルム13は電子回路を視認しにくくするために隠蔽性のあるものが好ましく、基材フィルム13に隠蔽性がない場合は、基材フィルム13の表面に隠蔽性のあるシートを貼合することが好ましい。
基材フィルム13の厚さは特に限定されるものではないが、3〜500μmであればよく、好ましくは5〜200μmであり、より好ましくは25〜125μmである。基材フィルム13の厚さが3μm未満の場合には、支持体としての機械的強度(引張り、引き裂き、破裂など)が不足したり、基材フィルム13が薄くてコシがないために製造工程時のハンドリング性に劣る場合がある。また、基材フィルム13の厚さが500μmを超える場合には、コシがありすぎるため、ハンドリング性に支障が生じたり、金属貼付用データキャリア10の小型化、薄型化の観点からも好ましくない。
基材フィルム13と積層される粘着剤層12との接着力を増すために、基材フィルム13の表面を表面処理してもよい。表面処理方法としては、例えば、コロナ放電処理、化学処理、樹脂コーティング等が挙げられる。
(非接触データキャリア要素)
非接触データキャリア要素14は、電子回路とそれに接続するICチップ22とからなる。図3は、ICインレット11の概略平面図である。電子回路は、回路線23と該回路線23に接続している端子部24および端子部25、さらに端子部24、25と間隔を空けて配置されている端子部26、27と、端子部26、27を連結するリード線28とを有する。
なお、非接触データキャリア要素14は、電子回路とICチップ22とによって構成することもできるが、それらに加えて、その他の電子部品、例えば、電池、コンデンサ、抵抗器、コイル、ダイオード又は接続線等を含むこともできる。
端子部24と端子部27は、ジャンパ線29で接続される。端子部24は、回路線23の最内側の末端に接続しており、ジャンパ線29の一端を接続するためのジャンパ端子部である。端子部25は、回路線23の最外側の末端に接続しており、ICチップ22の一端を実装するためのICチップ実装端子部である。端子部26は、端子部25と共にICチップ実装端子部を形成し、回路線23とは接続していない端子である。端子部27は、回路線23の最外側に設けられ、ジャンパ線29の一端を接続するためのジャンパ端子部である。
回路線23、端子部24、25、26、27、リード線28は、導電性材料で構成されている。導電性材料としては、例えば、金属線、金属箔、蒸着膜、スパッタリングによる薄膜等の金属単体等が挙げられる。金属単体としては金、銀、ニッケル、銅、アルミニウムなどが使用できる。また、その他の導電性材料としては、金、銀、ニッケル、銅等の金属の粒子をバインダー又は溶媒に分散させた導電性ペースト、導電性インクが使用できる。
金属の粒子の平均粒子径は、0.001〜15μmが好ましく、0.001〜10μmが特に好ましい。バインダーとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
溶媒としては、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノールなどのアルコール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トリメチルペンタンなどの長鎖アルカン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの環状アルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、アセトン、水などを例示できる。これらの溶媒は、1種のみで用いてもよいが、2種以上の数種を選択して混合溶媒として用いてもよい。
端子部24と端子部27の間のラセン環状回路線23の上面部分に、絶縁層30を設けている。絶縁層30の表面にジャンパ線29を設けることにより、端子部24と端子部27がジャンパ線29で接続される。
ジャンパ線29を形成する導電性材料としては、銀ペースト等の導電性ペーストや、導電性インキを用いて形成することができる。ジャンパ線29の形成方法は、端子部24と端子部27との間のラセン環状回路線23の上面部分に、絶縁インクをスクリーン印刷等により帯状に印刷し、乾燥して絶縁層30を形成した後、その絶縁層30の上に導電性ペーストをスクリーン印刷等により線状に印刷し、乾燥してジャンパ線29を形成し、端子部24と端子部27を連結する方法等が挙げられる。導電性ペーストは、導電性材料として例示した導電性ペーストを用いることができる。絶縁インクとしては、アクリル樹脂やウレタン樹脂を主成分とした紫外線硬化型インク等の光硬化型インクなどが挙げられる。
ジャンパ線29は、端子部24、27を電気的に接続できていれば良く、その形状や厚みは特に限定されない。例えば、長方形の直線的な形状や、図1に示すような長方形を直角に曲げた形状であってもよい。また、ジャンパ線29の厚みは1μm〜100μmが好ましく、特に3μm〜50μmが好ましい。ジャンパ線29の厚みが1μm未満の場合には、塗膜強度が不足し、割れが生じて導通が切断されてしまう場合がある。また、ジャンパ線29の厚みが100μmを超える場合には、製膜の乾燥工程で長時間が必要になったり、薄膜化の観点から好ましくない。
絶縁層30としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂などの絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁層30は、端子部24と端子部27との間の回路線23の上面を覆うように、スクリーン印刷法により形成することができる。絶縁層30は、回路線23と絶縁層30の上面とが電気的に絶縁できる厚みがあれば良く、特に制限されないが、1μm〜100μmが好ましく、特に3μm〜50μmが好ましい。絶縁層30の厚みが1μm未満の場合には、絶縁性樹脂を塗布して製膜する際にハジキが生じる虞があり、それにより絶縁できない箇所が生じる場合がある。また、絶縁層30の厚みが100μmを超える場合には、製膜の乾燥・硬化工程で長時間が必要になったり、薄膜化の観点から好ましくない。
基材フィルム13上に回路線23、端子部24、25、26、27、リード線28等を形成するには、例えば、導電性ペーストや導電性インキを用いて、スクリーン印刷法により製造する方法、金属箔を接着剤で基材フィルム13に貼り合わせ、スクリーン印刷法などにより回路線23、端子部24、25、26、27、リード線28などの形状のレジストパターンを印刷した後、金属箔をエッチング処理して回路線23、端子部24、25、26、27、リード線28以外の部分の金属箔を除去し、レジストを洗浄することにより、回路線23、端子部24、25、26、27、リード線28などを形成する方法等、通常の電子回路製造用の各種方法が挙げられる。エッチング処理は、通常のエッチング処理と同様な処理により行うことができる。また、基材フィルム13の表面への回路線23、端子部24、25、26、27、リード線28などの形成は、導電性ペーストあるいは導電性インクを、グラビア方式、フレキソ方式、インクジェット方式などの印刷、塗布などの手段により回路線23、端子部24、25、26、27、リード線28などの形状に付着させることによっても行うことができる。
回路線23および端子部24、25、26、27、リード線28等のレジストを用いる製造方法としては、具体的には、銅箔とポリエチレンテレフタレートフィルムとを貼り合わせたラミネートフィルムの銅箔面に、ラセン環状回路線等形成用のレジストパターンを印刷した後、銅箔部分をエッチングすることにより、不要な銅箔部分を除去して回路線23および端子部24、25、26、27、リード線28等を形成する方法が挙げられる。
なお、回路線23および端子部24、25、26、27、リード線28等を形成する導電性材料等の厚みは1〜100μmが好ましく、特に3〜50μmが好ましい。導電性材料等の厚みが1μm未満の場合には、機械的強度が不足したり、製造工程でのハンドリング性に劣る場合がある。また、導電性材料等の厚みが100μmを超える場合には、コシがありハンドリング性に支障が生じたり、軽量化、薄膜化の観点から好ましくない。
端子部25と端子部26は、ICチップ22で連結される。ICチップ22を連結させる方法としては、端子部25と端子部26の表面に異方性導電フィルム又は異方性導電ペーストを介して、フリップチップボンディング法により連結する方法等が挙げられる。フリップチップボンディング法は、ICチップ22の電極部にスタッドバンプを設け、端子部25と端子部26の表面に被覆された異方性導電フィルム又は異方性導電ペーストの上に、ICチップ22のスタッドバンプがある面を押し付けて、異方性導電フィルム又は異方性導電ペーストの中にスタッドバンプが入り込み、端子部25と端子部26とICチップ22を導通し易くする方法である。このようにICチップ22を端子部25と端子部26に連結させることにより、ICチップ22が接続された電子回路、すなわちICインレット11を作成することができる。
なお、端子部24と端子部27は、ラセン環状の回路線23の上をジャンパ線29で接続させないで、端子部24と端子部27をスルーホールで基材フィルム13の裏面に導いて回路線23を接続させてもよい。
電子回路の形状は、例えば、図3に示された形状のものが挙げられる。図3には、一本の導電性材料から成る回路線23が長方形状の基材フィルム13の外周から内側に向けて六重のラセン環状に所定間隔を空けて配置されてアンテナとして機能する電子回路を形成している。電子回路は、図3のように六重のラセン環状に配置されていてもよいが、一重〜五重のラセン環状であってもよいし、七重以上のラセン環状であってもよい。また、電子回路の形状は、図3に示すような四角形のラセン環状でなくてもよく、例えば、四角形以外の多角形のラセン環状、円形のラセン環状、楕円形、不定形などのラセン環状のいずれの形状であってもよい。さらに、電子回路は環状に巻かれた形状でなくてもよく、一本の直線状又は曲線状の中間部に断線箇所があり、この断線箇所に一組のICチップ実装端子部を有するような形状でもよい。つまり、電子回路の形状は、電波の共振周波数に適した任意の形状を選択すればよい。
また、本実施形態においては、ICチップ22は、電子回路のラセン環状の回路線23の外側に設けられているが、ラセン環状の回路線23の電子回路の内側に設けてもよいし、ラセン環状の回路線23の電子回路の途中に設けてもよい。ICチップ22を電子回路のラセン環状の内側に設ける場合、端子部24を外側に設け、端子部25および端子部26を内側に設ければよい。
なお、上記説明においては、一対の対向電極を形成する例を用いて説明したが、これに限られず、多数の対向電極を形成し、これら電極と平面コイル回路部の各部分とを連結することによりコイルのインダクタンスを任意に選択できるようにしても良く、またジャンパ線29を絶縁基材に形成したスルーホールを介して絶縁基材の反対面に形成するようにしても良く、更には、絶縁基材の両面にそれぞれ表面回路を形成しても良い。
[粘着剤層]
粘着剤層12は、基材フィルム13および基材フィルム13の一面11aに形成された非接触データキャリア要素14を覆うものであり、磁性粉体を含んでいる。
粘着剤層12は、有機溶剤溶解型粘着剤、有機溶剤分散型粘着剤、水分散型粘着剤、水溶解型粘着剤などを用いて形成される。粘着剤層12に用いられる粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、ポリエステル樹脂系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤などが挙げられる。合成ゴム系粘着剤の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。アクリル樹脂系粘着剤の具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリルなどの単独重合体もしくは共重合体などが挙げられる。ポリエステル樹脂系粘着剤は、多価アルコールと多塩基酸の共重合体であり、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールなどが挙げられ、多塩基酸としては、テレフタル酸、アジピン酸、マレイン酸などが挙げられる。ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤の具体例としては、ポリビニルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなどが挙げられる。シリコーン樹脂系粘着剤の具体例としては、ジメチルポリシロキサンなどが挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、粘着剤層12には、必要に応じて粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、填料、染料又は顔料などの着色剤などを配合することができる。粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂などが挙げられる。軟化剤としては、プロセスオイル、液状ゴム、可塑剤などが挙げられる。填料としては、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
粘着剤層12の厚さは、特に制限されないが、通常1μm〜200μmであればよく、好ましくは3μm〜100μmである。粘着剤層12の厚みが1μm未満の場合には、粘着性が不足したり、粘着剤を塗布して製膜する際にハジキが生じる場合がある。また、粘着剤層12の厚みが200μmを超える場合には、粘着剤層12を塗布して乾燥するのに長時間を要したり、端面から粘着剤がはみ出したり、薄膜化の観点から好ましくない。
なお、本実施形態における粘着剤層12とは、シート状の中間基材の両側に粘着剤を積層した両面テープタイプのものも含む。中間基材としては、基材フィルム13として前述したものの中から選択でき、中間基材の両側に積層する粘着剤としては、上記で例示した粘着剤を使用することができる。
また、粘着剤層12は、磁性粉体を含んでいる。粘着剤層12に含まれる磁性粉体は、樹脂シート中の含有量が50%の時の周波数1MHzにおける実数部透磁率μ’が20以上のものである。
なお、本明細書における実数部透磁率μ’とは、各種磁性粉体を塩素化ポリエチレン樹脂に体積濃度で50%配合したシートを、Agilent technologies社製インピーダンスアナライザー(品番E4991A)で測定した値のことをいう。好ましい実数部透磁率μ‘は、30以上であり、40以上がさらに好ましい。実数部透磁率μ‘が20未満であると、金属に貼付した時に交信性能が発揮できない場合がある。
磁性粉体は、粘着剤層12中に一定面積あたりの重量で表される密度が200g/m2以上含有されており、好ましくは、230g/m2以上であり、より好ましくは、250g/m2以上である。所定の磁性粉体が粘着剤層12中に上記範囲内で含まれることで、データキャリアを金属に貼付しても読み取ることができると共に、被着体に貼付するに充分な粘着力を有することができる。粘着剤層12中の磁性粉体の配合量が200g/m2未満であると、金属に貼付した時に交信性能が発揮できない場合がある。
磁性粉体としては、センダストやフェライトなどを挙げることができ、Fe−Ni−Cr−Si系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Si系合金、Fe−Co系合金、Fe−Al系合金などを例示でき、中でもFe−Al系合金が好ましい。Fe−Al系合金としては、例えば、Fe−Al系合金、Fe−Al−Cr系合金、Fe−Al−Si系合金などが挙げられる。磁性粉体はこれらの1種類又は2種類以上を混合して用いてもよい。本実施形態において用いられる磁性粉体の保磁力は、600A/m以下が好ましく、400A/m以下がさらに好ましい。600A/mを超えると、金属に貼付した時に交信性能が発揮できない場合がある。なお、保磁力は、自動計測保磁力計(商品名「K−HC1000」、東北特殊鋼社製)を用いて測定した値である。
磁性粉体の平均粒子径は、0.1μm〜200μmであることが好ましく、より好ましくは1μm〜100μmである。磁性粉体の平均粒子径が上記範囲内であれば、磁性粉体は粘着剤層12に高い分散性を有した状態で粘着剤層12内に含めることができる。なお、磁性粉体の平均粒子径は、シンパテック社製レーザー測定機(商品名「HELOS」)で測定した値である。本実施形態で用いられる磁性粉体は、大きさの違う粒子径のものを併用することが好ましい。それにより大きな磁性粉体の隙間を小さな磁性粉体で埋めるようにすることができる。例えば、磁性粉体の粒子径として5〜15μm、20〜30μm、50〜100μmなど複数種類の粒子径のものを併用することが好ましい。
磁性粉体の形状は、特に限定されるものではないが、球体形状、立方体形状、扁平形状、円柱形状、円錐形状などが挙げられる。中でも、粘着剤層12中での平面を覆うという観点から、磁性粉体の形状は、扁平形状であることが好ましい。
電子回路が設けられている基材フィルム13の表面に粘着剤層12を形成する方法としては、例えば、基材フィルム13、ICチップ22、回路線23、端子部24および端子部26、ジャンパ線29などを覆うように、その表面に粘着剤を塗布する方法がある。その他、剥離シートの剥離剤層面に粘着剤を塗布し粘着剤層12を形成した後、基材フィルム13、回路線23、端子部24および端子部26、ICチップ22、ジャンパ線29などを覆うように、その表面に貼り合わせて粘着剤層12を形成する方法などがある。粘着剤層12は、電子回路が設けられている基材フィルム11の反対面に積層するようにしてもよい。この場合には、電子回路を保護するために後述の保護シートを電子回路を覆うように積層して設けることが好ましい。
粘着剤の塗布方法としては、特に制限なく種々の方法を用いることができ、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーターなどが挙げられる。
(剥離材)
剥離材31は、粘着剤層12の上面に剥離自在に貼着されている。剥離材31としては、基材フィルム13と同様のものを用いることができ、例えば、上質紙、含浸紙、グラシン紙、コート紙などの紙や、不織布、合成樹脂フィルム若しくはシート等が挙げられる。これらを基材とした剥離材31の粘着剤層12との接合面に必要により剥離処理が施されたものを用いることができる。この場合、剥離処理としては、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂、ブタジエン樹脂、イソプレン樹脂等よりなる剥離剤を塗布して剥離剤層を形成する方法などが挙げられる。
剥離剤層の厚みは特に制限されず、0.01〜5μmが好ましく、より好ましくは0.1〜3μmである。剥離剤層が0.01μm未満であると剥離性能が不足したり、均一な塗膜を得るのが困難な場合がある。
剥離剤を塗布する方法としては、例えばエアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤバーコーター、キスコーターなどで塗布、乾燥する方法が挙げられる。
剥離材31の積層は、粘着剤層12の表面に剥離材31を貼り合わせることにより行われる。なお、剥離材31が積層されていない基材フィルム13の表面に、別の粘着剤層を設けてもよい。この粘着剤層は、上記粘着剤層と同様なものが使用できる。さらに、粘着剤層の表面に剥離材31を積層してもよい。
また、粘着剤層12を積層した基材フィルム13の反対面に保護シートを積層して設けるようにしてもよい。保護シートは、ICインレット11の表面を保護するものであればよく、基材フィルム13と同様なものが挙げられる。具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン/エチレン/環状オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂などの各種樹脂からなるシートや、ポリエチレンラミネート紙、ポリプロピレンラミネート紙、クレーコート紙、樹脂コート紙、グラシン紙、上質紙などの各種紙材などが挙げられる。
保護シートの厚さは特に限定されるものではないが、100μm以下のものが好ましい。
<無線通信方法>
次に、本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10を用いた無線通信方法について説明する。本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10を用いる際には、先ず、剥離材31を粘着剤層12から剥がし、データ管理対象物である金属の被着体に本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10をICタグとして貼着する。この状態で被着体が流通等をすると、本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10とリーダ/ライタとで無線通信が行われる。本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10とリーダ/ライタとの間で送受信される電波の共振周波数は13.56MHz帯域、例えば13.56MHz±7kHz、13.56MHz±150kHz、13.56MHz±450kHz等とされる。リーダ/ライタは金属貼付用データキャリア10内に設けたICチップ22の情報を読み取る。読み取られた情報は、リーダ/ライタで参照され、管理される。これにより、このICタグの情報に関する役割は終了する。
このように、本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10は、電子回路の回路線23、端子部24、25、26、27およびICチップ22などが設けられている表面に粘着剤層12や粘着剤層12を介して積層した剥離材31を積層することにより得られるものである。粘着剤層12は、所定の磁性粉体を、所定量以上含有するものである。そのため、本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10は、金属のような導電性材料からなる部材に非接触型のICタグを取り付ける場合でもリーダ/ライタとの交信を行なうことができ、ICタグの厚みを厚くすることなく、低コストに製造することができる。したがって、本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10を用いれば、薄くかつ安価に製造することができる。
よって、本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10は、被着体として金属表面に、データキャリア(応答器)として貼付して有効に用いることができる。例えば、物流品表面への貼付用ラベルとして用いたり、あるいは、金属製カード、家電製品、電子計算機等の表面に貼付して、各種交通機関の定期券としたり、各種機関や企業における入出管理カードとして用いることができる。
なお、本実施形態においては、本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10が、ICチップを有するデータキャリアの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本実施形態に係る金属貼付用データキャリア10は、ICチップを有さない共振型の盗難防止タグなどの場合についても同様に適用できる。当該盗難防止タグとしては、ICチップを有さない金属製の回路のみで構成されている閉回路となっており、リーダ/ライタからの電波に共振して反射波を返信し、存在の有無を判断することができるタグなどを挙げることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの例によって、何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(ICタグの作製)
銅箔(厚さ35μm)とポリエチレンテレフタレートシート(厚さ50μm)を貼り合わせた銅箔積層シート(商品名「ニカフレックスF−10T50C−1」、ニッカン工業製)の銅箔面に、スクリーン印刷法により図3に示すような回路線23、端子部24、25、26、27、リード線28の形状にレジストパターンを印刷した。これをエッチングして不要な銅箔部分を除去し、図3に示すような一体配線パターンを製造した。回路線23の線幅は、130μmであった。また、四角形の環状回路線23の長辺方向の長さは22.5mmであり、短辺方向の長さは16mmであった。
端子部24は最内側の回路線23の末端で接続し、端子部25は最外側の回路線23の末端で接続した。
次いで、前記端子部24と端子部27の間に、絶縁レジストインク(商品名「FR−100G−35」、東洋紡績社製)をスクリーン法により印刷してラセン環状回路線を覆い、乾燥して、厚さ25μmの絶縁層30を形成した。さらに、端子部24と端子部27との間に銀ペースト(商品名「DW250L−1」、東洋紡績社製)をスクリーン法により印刷して、乾燥し、厚さ15μmのジャンパ線29を形成し、端子部24と端子部27をジャンパ線29で接続し、電子回路を形成した。
作成した電子回路へRFID−ICチップ(NXP社製、商品名「I−CODE SLI」)を実装した。実装は、フリップチップ実装機(九州松下社製、商品名「FB30T−M」)を用いた。接合材料には、異方導電性接着剤(京セラケミカル社製、商品名「TAP0402E」)を使用してICインレット11を作成した。
次に、アクリル系樹脂を用いて形成した粘着剤(商品名「PA−T1」、リンテック社製)に、実数部透磁率が40μ’で保持力が400A/mのFe−Al合金である磁性粉体を90.9wt%含有させ、樹脂化し、塗布量316g/m2(厚み50μm)で製膜し、粘着剤層12を形成した。この粘着剤層12を作成したICチップ実装電子回路が形成されているICインレット11の表面に、貼り合わせ、ICタグを作成した。このICタグを22枚作成した。ICタグの外形は、長辺方向の長さが30mmであり、短辺方向の長さが20mmであった。このようにして得られたICタグをステンレス板(商品名「SUS304」、パルテック社製)に貼付し、リーダ/ライタによる読み取り距離評価を行った。
粘着力の評価は、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート上に粘着剤層を塗布量316g/m2で製膜したものを試験片とし、温度23℃、湿度50RH%の環境下で、2kgゴムローラーを用いて、当該試験片(n=5、25mm幅)を被着体である金属板(SUS304)に貼付した。24時間経過後、万能型引張試験機(オリエンテック社製、商品名:テンシロンUTM−4−100)を用いて剥離角度180°、剥離速度300mm/minで剥離力を測定した。また、使用したリーダ/ライタ(読取装置)は、商品名:TR3−A401(微弱タイプ)、タカヤ社製を使用した。
通信テストの交信距離については、ステンレス板の中心にICタグを貼付し、このICタグとリーダ/ライタのそれぞれの中心部を接触させた後、徐々に平行に離間してリーダ/ライタがICタグを検知する最大の間隔の平均値(試験数22回)を交信距離とした。ICタグの通信テストの評価については、リーダ/ライタがICタグを検知した場合を○、検知しなくなった場合を×で表記した。
(実施例2)
粘着剤層12の塗布量を442g/m2(厚み70μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(実施例3)
粘着剤層12中の磁性粉体の配合量を85.4wt%とし、粘着剤層12の塗布量を302g/m2(厚み50μm)としたたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(実施例4)
磁性粉体として、実数部透磁率が40μ’で保磁力が400A/mのFe−Al−Cr合金である磁性粉体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(実施例5)
磁性粉体として、実数部透磁率が90μ’で保磁力が150A/mのFe−Al−Si合金である磁性粉体を用い、粘着剤層12の塗布量を343g/m2(厚み50μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(実施例6)
粘着剤として、合成ゴム系樹脂(商品名「PV−2」、リンテック社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(比較例1)
粘着剤層12に磁性粉体を含有させないこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(比較例2)
粘着剤にFe−Al合金である磁性粉体を71.4wt%含有し、粘着剤層12の塗布量を257g/m2(厚み50μm)としたさせたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(比較例3)
粘着剤層12の塗布量126g/m2(厚み20μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(比較例4)
磁性粉体として、実数部透磁率が90μ’で保磁力が150A/mのFe−Al−Si合金である磁性粉体を用い、粘着剤層12の塗布量137g/m2(厚み20μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(比較例5)
磁性粉体として、実数部透磁率が5μ’で保磁力が1000A/mのSr−Cr合金である磁性粉体を用い、粘着剤層12の塗布量442g/m2(厚み70μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
(比較例6)
感圧型接着剤として合成ゴム系樹脂(商品名「PV−2」、リンテック社製)を用い、粘着剤層12の塗布量126g/m2(厚み20μm)としたこと以外は、実施例1と同様にして、ICタグを22枚作成した。
実施例1〜6、比較例1〜6の粘着剤の種類、磁性粉体とその透磁率、粘着剤層12の厚み、粘着剤層12中の磁性粉体の配合量、および試験結果を、表1に示す。実施例および比較例で用いた磁性粉体は全て扁平形状であり、大きさの違う3種類の下記平均粒子径のものを配合したものである。
Fe−Alの平均粒子径:10、25、75μm
Fe−Al−Crの平均粒子径:10、25、75μm
Fe−Al−Siの平均粒子径:18、55、100μm
Sr−Crの平均粒子径:10、25、50μm
Figure 2013210947
表1に示すように、磁性粉体としては、Fe−Al、Fe−Al−Cr、Fe−Al−Siを用い、これらの磁性粉体を粘着剤層12中に200g/m2以上含んで形成されたICタグを用いた場合には、金属に貼付した場合にも読み取ることができると共に金属に対して安定した粘着力を有していた(実施例1〜6参照)。一方、磁性粉体を含まない粘着剤層を用いて形成されたICタグ(比較例1参照)、磁性粉体としてFe−Alを用いてもこれらの磁性粉体の含有量が少ない粘着剤層を用いて形成されたICタグ(比較例2参照)、磁性粉体としては、Fe−Al、Fe−Al−Siを用いてもこれらの磁性粉体を含む粘着剤層12の厚みが小さい粘着剤層を用いて形成されたICタグ(比較例3、4、6参照)、実数部透磁率μ’が20以上でないSr−Cr合金を磁性粉体として含む粘着剤層を用いて形成されたICタグ(比較例5参照)を用いた場合には、金属に貼付した時に読み取ることができなかった(比較例1〜6参照)。よって、所定の磁性粉体が粘着剤層12中に上記範囲内で含まれることで、読み取ることができると共に被着体に貼付するのに充分な粘着力を有することができる。
以上より、本発明に係る金属貼付用データキャリアラベルを用いれば、金属のような導電性材料からなる部材に非接触型のICタグを取り付ける場合でも、薄くかつ安価に製造することができ、金属体に貼付して用いるデータキャリアとして有効に用いることができる。
10 金属貼付用データキャリア
11 ICチップ実装電子回路(ICインレット)
12 粘着剤層
13 基材フィルム(基材シート)
14 非接触データキャリア要素
21 電子回路
22 ICチップ
23 回路線
24、25、26、27 端子部
28 リード線
29 ジャンパ線
30 絶縁層
31 剥離材

Claims (3)

  1. 被着体として金属に貼付する金属貼付用データキャリアであって、
    基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に設けられる非接触データキャリア要素とを有するICインレットと、
    前記ICインレットに積層するように設けられる粘着剤層とを有し、
    含有量が50%のシートを作成した時の周波数1MHzにおける実数部透磁率μ’が20以上となる磁性粉体を、前記粘着剤層中に200g/m2以上含有することを特徴とする金属貼付用データキャリア。
  2. 請求項1において、
    前記磁性粉体が、Fe−Al系合金であることを特徴とする金属貼付用データキャリア。
  3. 金属貼付用データキャリアとリーダ/ライタとの間で、無線通信を行う無線通信方法であって、
    前記金属貼付用データキャリアは、基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に設けられる非接触データキャリア要素とを有するICインレットと、前記ICインレットに積層するように設けられる粘着剤層を有し、
    前記粘着剤層には、含有量が50%のシートを作成した時の周波数1MHzにおける実数部透磁率μ’が20以上となる磁性粉体を、前記粘着剤層中に200g/m2以上含有し、
    前記金属貼付用データキャリアを金属に貼付することを特徴とする無線通信方法。
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