JP6015293B2 - 非接触ic媒体 - Google Patents
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Description
ICラベルは、封印ラベル(ラベル基材)の粘着面の一部に、高いセキュリティ機能を有するICインレット(非接触IC媒体)が貼り付けられた構成からなる。このICラベルによれば、ICインレットに埋め込まれたICチップに固有の識別情報が記憶させることで、個々の判別が可能となる。
そのため、このようなICラベルの他の用途として、従来の偽造防止用途以外に、ICチップに商品情報を格納しておき、消費者が自らIC読取機で広告、特典、クーポンなどの商品情報を取得する、という使い方が可能となってきている。
そこで、本発明では、商品やその包装物に貼り付けて使用する非接触IC媒体において、初期状態読取ることが不可能でありながら、その後に読取ることが可能とすることができる非接触IC媒体を提供することを課題とする。
図2に示すように、非接触IC媒体1は、非接触通信が可能なICインレット2とインレットの一方の面に電磁遮蔽性スクラッチ層6を設けてなり、他方の面にCD、DVDや書籍等の被着体9に貼り合わせるための接着(粘着)層7を設けてなる。なお、電磁遮蔽性スクラッチ層6とインレット2の間には適宜他の中間層があってもよい。
このようにすることで、商品の購入前など初期状態では電磁遮蔽性スクラッチ層が通信を遮蔽するため、不正なICチップの読み取りを防ぐことができ、商品購入後などその後消費者が、非接触IC媒体の上側の電磁遮蔽性スクラッチ層を削ると、ICチップの中身を読取ることができる。
アンテナ素子5は、導電性材料により回路形成できるものであれば特に限定するものではなく様々なものを用いることができる。例えば、金属薄膜をエッチングによりパターン状に形成する方法や、導電性ワイヤーを配置する方法、導電性インキを印刷によりパターン状に形成したものなどが挙げられる。
導電性ワイヤーを配置する方法としては、銅などの金属線を布線機等によりパターン状に形成する方法が挙げられる。なお、金属線は絶縁被膜で被覆することができ、コイル状のアンテナとする場合は、アンテナコイルとアンテナコイルが交差する部分において、ジャンパー線加工など施すことなく配線できるため好ましい。
導電性インキを印刷によりパターン状に形成する方法としては、導電性材料からなる粒子をバインダー中に溶解又は分散した導電性ペーストからなることが好ましい。上記した導電性材料としては銀系が好ましく、導電性ペーストとしてはバインダーの樹脂、溶剤及び銀粉を含みそれらの接触により導電性を得る蒸発乾燥型の銀ペーストが挙げられる。ただし、導電性材料は、銀系に限らず、例えば、銅やニッケルなどの金属粉末や、導電性カーボン粉末、導電性繊維、導電性ウィスカーなどを樹脂バインダーとともに溶媒に溶解又は分散したものを使用できる。印刷方法としては例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などの印刷方式で印刷して形成することができる。また、導電性のインクをプリンタでプリントすることも可能である。
ICチップは、アンテナ素子電気的に接続されてインレット基材上に実装される。通常はアンテナ素子を形成した後に実装する。実装する際、例えばICモジュールを用いる場合、ICモジュールの厚みを緩和するためにインレット基材に開口を設けておき、開口内にICモジュールのチップ部等を部分的に収納するように実装することができる。
また、ICチップは、非接触通信機能を有し、またメモリ部に広告、ポイント、特典などの商品情報又は商品情報のアドレスを記憶してなる。
例えば、金属材料を含むスクラッチインキを用いることができる。
スクラッチインキとしては、バインダー樹脂に金属材料を混練したものがあげられ、バインダー樹脂としては、天然ゴムや塩酸ゴム等のゴム系天然樹脂と、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等のジエン系樹脂の中から選ばれる1種または2種以上の樹脂を用いることができ、金属材料としては、アルミニウム微粉末、黄銅微粉末、銅微粉末等の金属微粉末やそれらの酸化微粉末及びカーボンラック微粉末があげられる。
また、バインダー樹脂にカーボンや導電性高分子などを添加することで導電性を向上させ、電波又は磁界を遮蔽性をあげることができる。
さらに、金属材料として鱗状又は板状の金属材料を用いたり、銀ペーストなどを添加することで導電性を向上させ、電波又は磁界を遮蔽性をあげることができる。
また、スクラッチインキは、適宜溶剤を加え、印刷法により塗布することができる。スクラッチインキを用いた層の膜厚としては特に限定はしないが、1〜15μm程度、好ましくは5〜10μm程度の範囲内で設定できる。
金属薄膜層としては、アルミニウム、銅等の金属からなる金属薄膜や、これらの金属を蒸着したもの、金属ペーストを塗布したものなどがあげられる。
金属薄膜層の厚みは、充分な遮蔽性があり、かつ硬化などの硬質材料で削る際、下層のスクラッチ層と合わせて削りとることが可能であれば特に限定するものではなく、材質など合わせて適宜設定できるが、例えば1〜15μm程度、好ましくは5〜10μm程度の範囲内で設定できる。
スクラッチ層としては、上記スクラッチインキを塗布したものがあげられる。
スクラッチ層は1〜15μm程度、好ましくは5〜10μm程度の範囲内で設定できる。
なお、金属薄膜層のかわりに非金属材料からなる導電性薄膜層を用いても良い。
また、スクラッチ層は適宜色材を添加してもよい。
易剥離層を設けることで、スクラッチオフしやすくすることができる。
易剥離層としては、公知のニス材料などを用いることができる。
接着(粘着)層7の厚みとしては、特に限定するものではないが0.1μm〜5mm、好ましくは10〜50μmの範囲内で設けることができる。
溶剤型としては、天然ゴム、ブロック共重合体系を含む合成ゴムを主成分とし、ロジンとそのエステル、テルペン樹脂等の粘着付与樹脂、フタル酸エステル、リン酸エステル等の軟化剤をトルエン、N−ヘキサンなどの溶媒に溶解したもの、あるいは酢酸エチルやトルエンが主体の溶媒中でラジカル重合で得られたポリアクリル酸エステルを主体としたアクリル系樹脂に、ロジンとそのエステル、テルペン樹脂等の粘着付与樹脂、フタル酸エステル、リン酸エステル等の可塑剤、ジイソシアネート、アジリジニル基化合物などの硬化剤等でなるものがある。
水系エマルション型としては、水中での乳化重合で得られたポリアクリル酸エステルを主体としたアクリル系樹脂を消泡剤、レベリング剤、増粘剤ネチタン分散体等添加剤等でなるエマルションとしたものがある。
ホットメルト型(無溶剤型)としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分としたものがあり、上記溶剤型、水系エマルション型、ホットメルト型(無溶剤型)のいずれもが使用できるが、その中でもアクリル系樹脂を主要樹脂とした水系エマルション型の粘着剤を用いた粘着剤層がローラー間での柔軟性においてより好適なものであり、かつ環境問題への対応、安全性、経済性などの観点からもより有利な粘着剤である。
また、その他、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル系、ポリ塩化ビニル系、天然ゴム、合成ゴム、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系、ポリウレタン系などの非水溶性高分子材料を用いることもできる。
これらの材料は、添加剤、分子量などの最適化により前述の接着強度の範囲に設定できる。
非接触IC媒体をラベルとする場合、インレット基材のサイズ(面積)がラベルのサイズ(面積)に対し小さい場合や、インレット基材の機械強度が充分でない場合に中間基材をラベル基材として用いることが効果的である。
中間基材としては、塩化ビニルや塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、テレフタル酸と、シクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールとの共重合体、テレフタル酸とイソフタル酸及びエチレングリコールとの共重合体、またはその共重合体とポリカーボネート及び、またはポリアリレートとのポリマーアロイからなる非晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ABS樹脂、紙、含浸紙、ゴム系基材等があげられる。
磁性層としては、磁性材料を含むものであれば特に限定はないが、例えば磁性材料を樹脂や溶剤に混ぜて塗布したものが挙げられる。
磁性材料としては、特に限定はないが、カーボニル鉄粉末、パーマロイ等のアトマイズ粉末、還元鉄粉末等等の、鉄や鉄を含む合金又は化合物の粉体などがあげられる。
なお、粘着テープ又は粘着シートには予め文字や絵柄等の印刷を施しておいても良い。
カード基材としては、非晶質ポリエステル系基材、ポリエチレン系基材、塩化ビニル系基材、ポリカーボネート系基材、アクリル系基材、紙系基材、多孔質ポリオレフィン系基材などを用いることができる。
<実施例1>
インレット基材として、サイズ18×50μmで厚み50μmからなるポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、一方の面にエッチング法により形成した銅箔からなる8×37mmのサイズで12巻のコイル状アンテナからなるアンテナ素子を形成した。なお、コイルが交差する部分については、短冊状の銅箔付PETのPET側をコイル上に配置し、かしめ加工により導通させた。そしてアンテナコイルの端部にICチップを接続し、実装しインレットを得た。
インレット基材の他方の面に、スクラッチ層を形成した。スクラッチ層は、アルミペースト(平均粒径15μmのアルミ粉60%、MFG系溶剤40%)とバインダー樹脂としてスチレン・ブタジエン共重合体を含む組成物に溶剤を加え、印刷法により乾燥膜厚が5μmになるように形成した。このスクラッチ層上に厚み10μmのアルミニウム箔を貼り合わせ、電磁遮蔽性スクラッチ層を得た。電磁遮蔽性スクラッチ層のサイズは18×50μmとしアンテナコイルの100%を覆うようにした。
次にインレットのアンテナ面にアクリル系粘着剤からなる粘着層を介してアクリル板からなる被着体に貼り合わせた。なおこの粘着層の強度は3N/10mmであった。
電磁遮蔽性スクラッチ層のサイズを6×37μmに変更し、アンテナコイルの75%を覆うように変更した以外は実施例1と同様に作成した。
電磁遮蔽性スクラッチ層のサイズを5.2×37μmに変更し、アンテナコイルの65%を覆うように変更した以外は実施例1と同様に作成した。
実施例1〜3のサンプルについて、電磁遮蔽性スクラッチ層を除去する前と、除去した後について、読取用RW(TAKAYA製 TR3XM−SU01)を用いて、通信状態を確認した。電磁遮蔽性スクラッチ層の除去は硬化を用いて削ることにより除去した。
結果実施例1〜3のサンプル全てにおいて、金属層を剥離する前は通信が不可能であったが、金属層を剥離した後は通信が可能となった。
2・・・・インレット
3・・・・インレット基材
4・・・・ICチップ(ICモジュール)
5・・・・アンテナ素子
6・・・・電磁遮蔽性スクラッチ層
6a・・・金属薄膜層
6b・・・スクラッチ層
7・・・・接着(粘着)層
8・・・・被着体
9・・・・磁性層
10・・・カード基材
Claims (7)
- インレット基材とインレット基材に設けられたアンテナ素子と、アンテナ素子に接続されたICチップとを有するインレットを備え、
該インレットの一方の面に電磁遮蔽性スクラッチ層を設けてなり、
該電磁遮蔽性スクラッチ層が、スクラッチ加工層と該スクラッチ加工層上に形成された厚みが1〜15μmの範囲内である金属薄膜層を含むこと特徴とする非接触IC媒体。 - さらにインレットの他方の面に物品に貼付するための接着層を有することを特徴とする請求項1に記載の非接触IC媒体。
- 前記電磁遮蔽性スクラッチ層が易剥離層を介してインレット上に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の非接触IC媒体。
- 前記電磁遮蔽性スクラッチ層の厚みが5μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非接触IC媒体。
- 前記インレットのアンテナ素子がコイル状アンテナであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非接触IC媒体。
- 前記電磁遮蔽性スクラッチ層がインレットのアンテナ素子の65%以上を覆っていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の非接触IC媒体。
- 前記インレットと物品に貼付するための接着層の間に磁性層を有することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の非接触IC媒体。
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