JP2015070405A - アンテナ、情報通信端末及び近距離無線通信方法 - Google Patents

アンテナ、情報通信端末及び近距離無線通信方法 Download PDF

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大雅 松下
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香織 松下
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Abstract

【課題】厚み及び製造コストを抑制できる非接触データキャリア用リーダライタのアンテナ、情報通信端末及び近距離無線通信方法を提供する。
【解決手段】アンテナ10は、非接触データキャリア用リーダライタのアンテナであって、基材シート11と、基材シート11の一方の面11fに設けられ、導電性材料の導電パターンが巻回された回路線23と、磁性粉体を含有する樹脂層13と、を含む。樹脂層13は、基材シート11上の一方の面11f又は他方の面11bに一部が直接接するように設けられ、かつ一方の面11fに対し垂直な方向において回路線23に重なり合う位置にある。
【選択図】図3

Description

本発明は、非接触データキャリア用リーダライタのアンテナ、情報通信端末及び近距離無線通信方法に関するものである。
近年、無線周波数識別(RFID:Radio Frequency−IDentification)システムが普及している。RFIDシステムは、人や物品等に取り付けられるデータキャリアと、このデータキャリアとの間で電磁誘導方式により電波を送受信して非接触データキャリアの内部メモリにアクセスし、非接触で情報の読み書き(リード/ライト)をするリーダライタのアンテナと、このリーダライタのアンテナを制御する制御回路とを備えている。なお、非接触データキャリアは、その形状や大きさ等に応じてRFIDタグ(非接触ICタグ)、非接触ICカード等と呼ばれる(以下、総称して、ICタグと呼ぶ)。
RFIDシステムは、人や物品等に取り付けられる非接触型のICタグを、電磁波を放出するリーダ/ライタ等の情報取得装置にかざすことで、ICタグ内に内蔵されたICチップに記憶してあるデータから情報を入手できる。RFIDシステムは、電磁波による情報交信で人や物品等の識別、追加情報の書き込み等ができるため、人や物品等の所在管理、製品の物流、加工工程の履歴の情報管理等に使用可能である。そのため、RFIDシステムは、例えば各種の交通機関の定期券、企業の建物等における人の入出管理、商品の在庫管理、物流管理等に用いることができることから、物流分野及び流通分野等で実用化されている。
リーダライタのアンテナと、このリーダライタのアンテナを制御する制御回路とは、小型の情報通信端末に搭載されることが多い。リーダライタのアンテナは、比較的面積を取ることが多く、金属部材に隣接する場合がある。リーダライタのアンテナが金属部材に隣接する場合、リーダライタのコイルから発せられる送受信用の電磁波によって生成する交流磁界により背後の物体の金属内に渦電流が発生する。この渦電流は送受信用の磁束を打ち消す方向に磁束を生成し、それによって送受信用の磁束が減衰し、通信が困難になる可能性がある。
そこで、例えば、特許文献1では、非接触型のICタグと金属部材との間に軟磁性の磁性シートを配置する技術が開示されている。また、特許文献2では、磁性の樹脂で封止し、そこへ送受信用磁束を通すことにより金属の磁束が入り込んで生じる渦電流発生を抑制する技術が開示されている。
特表2012−527813号公報 特開2012−146869号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載のような技術は、別途高価な磁性シートが必要になり、磁性シートを貼り付ける粘着層の分厚みが厚くなる。磁性シートは、アンテナの外周形状に合わせて打ち抜き加工され廃却部分が発生し、製造コストが増加してしまう。さらに、既存のアンテナに磁性シートを積層しなくてはならないので、磁性シートのコストに加え、製造工程数が増加し、新規設備が必要となってしまう。そのため、特許文献1、2に記載のような技術では、厚み及び製造コストを抑えることが困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、金属部材が隣接していても通信ができ、厚み及び製造コストを抑制できる非接触データキャリア用リーダライタのアンテナ、情報通信端末及び近距離無線通信方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、アンテナは、非接触データキャリア用リーダライタのアンテナであって、基材シートと、前記基材シートの一方の面に設けられ、導電性材料の導電パターンが巻回された回路線と、磁性粉体を含有する樹脂層と、を含み、前記樹脂層は、前記基材シート上の前記一方の面又は他方の面に一部が直接接するように設けられ、かつ前記一方の面に対し垂直な方向において前記回路線に重なり合う位置にあることを特徴とする。
また、本発明の望ましい形態として、前記一方の面に対し垂直な方向において、前記回路線の少なくとも一部が金属部材と重なり合う場合、前記樹脂層は、前記一方の面に対し垂直な方向において前記金属部材及び前記回路線に重なり合う位置にあることが好ましい。
また、本発明の望ましい形態として、前記金属部材に重なり合う前記回路線の部分に対する、前記樹脂層に重なり合う前記回路線の部分の面積の割合が、百分率で49%以上100%以下であることが好ましい。
また、本発明の望ましい形態として、前記金属部材に重なり合う前記回路線の部分に対する、前記樹脂層に重なり合う前記回路線の部分の面積の割合が、百分率で59%以上100%以下であることが好ましい。
また、本発明の望ましい形態として、前記磁性粉体を塩素化ポリエチレン樹脂中に体積濃度で50%含有するシートを作成して測定した場合の透磁率は、周波数1MHzにおける実数部透磁率μ’が8以上であることが好ましい。
また、本発明の望ましい形態として、前記樹脂層は、アクリル樹脂系粘着剤又はウレタン樹脂系粘着剤のいずれかであることが好ましい。
また、本発明に係る情報通信端末は、上述したアンテナを搭載することを特徴とする。
また、本発明に係る近距離無線通信方法は、上述したアンテナを有するリーダライタとデータキャリアとが無線通信を行うことを特徴とする。
本発明によれば、金属部材が隣接していても通信ができ、厚み及び製造コストを抑制できる非接触データキャリア用リーダライタのアンテナ、情報通信端末及び近距離無線通信方法を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る情報通信端末を模式的に説明するための分解斜視図である。 図2は、図1に示す情報通信端末の内部構造を模式的に説明するための説明図である。 図3は、実施形態1に係るリーダライタのアンテナを模式的に示す平面図である。 図4は、図3に示すA−A線の断面図である。 図5は、実施形態2に係るリーダライタのアンテナを模式的に示す平面図である。 図6は、図3に示すA−A線の変形例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、下記実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る情報通信端末を模式的に説明するための分解斜視図である。図2は、図1に示す情報通信端末の内部構造を模式的に説明するための説明図である。図1及び図2に示すように、情報通信端末100は、筐体100Bと、背面カバー100Cと、アンテナ10と、表示パネル100DSと、回路基板80と、電池91と、通信モジュール92と、外部メモリ93と、撮像装置94と、を備えている。
情報通信端末100は、筐体100Bの表面100FFに露出するように表示パネル100DSが設けられている。表示パネル100DSは、タッチパネル等の入力機器とともに液晶表示装置を有している。情報通信端末100は、筐体100Bの裏面100BFであって、背面カバー100Cで覆われる位置に電池91と、通信モジュール92と、外部メモリ93とが収容されている。撮像装置94は、筐体100Bの裏面100BFであって、レンズが背面カバー100Cより露出する位置に収容されている。情報通信端末100は、回路基板80が電池91の電力を受けて動作し、通信モジュール92により携帯電話網を通じて、外部ネットワークと接続し、通話又はデータ通信をすることができる。情報通信端末100は、回路基板80が電池91の電力を受けて動作し、撮像装置94を介して取得した撮像データを外部メモリ93に保存することもできる。
アンテナ10は、非接触で情報の読み書き(リード/ライト)をするリーダライタのアンテナである。回路基板80は、導体81を介して、アンテナ10に接続し、リーダライタとなる。リーダライタは、非接触データキャリア(応答器)19と、この非接触データキャリア19との間で電磁誘導方式により電波Rwを送受信して非接触データキャリア19の内部メモリにアクセスし、非接触で情報の読み書き(リード/ライト)をする近接無線通信機器である。非接触データキャリア19は、貼付して有効に用いることができる。例えば、物流品表面への貼付用ラベルとして用いたり、あるいは、カード、家電製品、電子計算機等の表面に貼付して、各種交通機関の定期券としたり、各種機関や企業における入出管理カードとして用いることができる。そして、アンテナ10は、筐体100Bと、背面カバー100Cとの間に挟まれて図1に示す貼付領域10Pの位置に固定され、情報通信端末100に搭載されている。電波Rwを透過するため、背面カバー100Cは、非導電性の樹脂材料で成形されている。
<アンテナ>
図3は、実施形態1に係るリーダライタのアンテナを模式的に示す平面図である。図4は、図3に示すA−A線の断面図である。図3及び図4に示すように、アンテナ10は、基材シート11と、その一方の表面上に形成された回路線23、その回路線23を覆う樹脂層13と、を備えている。
電池91、通信モジュール92及び外部メモリ93は、その構造に導電性の金属材料を含む金属部材90である。リーダライタのアンテナ10によって生成する交流磁界により背後の物体の導電性の金属材料内に渦電流が発生する。この渦電流は送受信用の磁束を打ち消す方向に磁束を生成し、それによって送受信用の磁束が減衰し、通信が困難になる可能性がある。このため、磁性体粉を含む樹脂層13は、基材シート11上の一方の面11f又は他方の面11bに一部が直接接するように設けられ、かつ一方の面11fに対し垂直な方向において回路線23に重なり合う位置にある。その結果、リーダライタは、渦電流が抑制され、アンテナ10と非接触データキャリア19との間で電波Rwを送受信できるようになる。
(基材シート)
基材シート11は、回路線23を保持する支持体として機能する。基材シート11は、回路線23を安定に保持することができる支持体としての機能を有する限り、特に限定されるものではなく、透明又は不透明でもよい。基材シート11は、上質紙、含浸紙、グラシン紙、コート紙等の紙や、不織布、合成樹脂フィルム若しくはシート等が好ましい。合成樹脂フィルム若しくはシートを構成する樹脂材料としては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリブテン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、トリ酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等の各種樹脂を挙げることができる。
基材シート11は、一軸延伸、二軸延伸又はキャスト法によりされたものであってもよい。基材シート11は、単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。また、基材シート11は、耐水性のあるものが好ましい。耐水性があると、水に濡れても破れる等の破損が生じることがない。また、基材シート11は電子回路を視認しにくくするために隠蔽性のあるものが好ましく、基材シート11に隠蔽性がない場合は、基材シート11の表面に隠蔽性のあるシートを貼合することが好ましい。
基材シート11の厚さは特に限定されるものではないが、3μm〜500μmであればよく、好ましくは5μm〜200μmであり、より好ましくは25μm〜125μmである。基材シート11の厚さが3μm未満の場合には、支持体としての機械的強度(引張り、引き裂き、破裂等)が不足し、基材シート11が薄くてコシがないために製造工程時のハンドリング性に劣る場合がある。また、基材シート11の厚さが500μmを超える場合には、コシがありすぎるため、ハンドリング性に支障が生じ、アンテナ10の小型化、薄型化の観点からも好ましくない。
基材シート11と積層される樹脂層13との接着力を増すために、基材シート11の表面は表面処理してあってもよい。表面処理方法としては、例えば、コロナ放電処理、化学処理、樹脂コーティング等が挙げられる。
(回路線)
回路線23は、基材シート11の一方の面に設けられ、導電性材料の導電パターンが巻回され、スパイラル状又はラセン状に形成されている。回路線23の両端には、回路基板80からの電力が給電される導電性の端子部21及び端子部22を備えている。なお、本実施形態1では、回路線23は、ICチップ等の電子回路、その他の電子部品、例えば、電池、コンデンサ、抵抗器、インダクタ、ダイオード、センサ(温度、湿度、磁気、光等)又は接続線等を含むこともできる。
端子部21及び端子部22は、回路線23の末端にある。回路線23、端子部21及び端子部22は、導電性材料でできている。導電性材料としては、例えば、金属線や金属箔、蒸着膜、スパッタリングによる薄膜等の金属等が挙げられる。金属としては、金、銀、ニッケル、銅、アルミニウム等の金属単体又は金属単体を2種類以上組み合わせた合金等が使用できる。また、その他の導電性材料としては、金、銀、ニッケル、銅等の金属の粒子をバインダー又は溶媒に分散させた導電性ペースト、導電性インクが使用できる。
金属粒子の平均粒子径は、0.001μm〜15μmが好ましく、0.001μm〜10μmが特に好ましい。バインダーとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
溶媒としては、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、シクロヘキサノール等のアルコール、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トリメチルペンタン等の長鎖アルカン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の環状アルカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、アセトン、水等を例示できる。これらの溶媒は、1種のみで用いてもよいが、2種以上の数種を選択して混合溶媒として用いてもよい。
なお、回路線23、端子部21及び端子部22等を形成する導電性材料の厚みは1μm〜100μmが好ましく、特に3μm〜50μmが好ましい。導電性材料の厚みが1μm未満の場合には、機械的強度が不足し、製造工程でのハンドリング性に劣る場合があり、さらに表皮効果により導電性材料の抵抗値が高くなりすぎる可能性がある。また、導電性材料の厚みが100μmを超える場合には、コシがありハンドリング性に支障が生じ、軽量化、薄膜化の観点から好ましくない。
なお、端子部21は、端子部21と端子部22と並ぶように、回路線23と絶縁されたジャンパ線で回路線を跨ぐようにしてもよい。端子部21は、端子部21と端子部22と並ぶように、ラセン環状の回路線23の上をジャンパ線で接続させないで、スルーホールで基材シート11の裏面に導いて配置させてもよい。
回路線23の形状は、例えば、図3に示された形状のものが挙げられる。図3には、一本の導電性材料から成る回路線23が長方形状の基材シート11の外周から内側に向けて四重のラセン環状に所定間隔を空けて配置される。回路線23は、図3のように四重のラセン環状に配置されていてもよいが、一重〜三重のラセン環状であってもよいし、五重以上のラセン環状であってもよい。また、回路線23の形状は、図3に示すような長方形のラセン環状でなくてもよく、例えば、長方形以外の多角形のラセン環状、円形のラセン環状、楕円形、不定形等のラセン環状のいずれの形状であってもよい。
(樹脂層)
樹脂層13は、基材シート11上の電子回路形成面に設けられ、基材シート11及び基材シート11の一面に形成された回路線23を覆うものであり、磁性粉体を含んでいる。樹脂層13は、基材シート11上の回路線23の最外周と最内周との間に少なくとも設けられている。
樹脂層13を形成する材料としては、絶縁性樹脂を用いることができる。絶縁性樹脂に粘着剤を用いる場合には、有機溶剤溶解型粘着剤、有機溶剤分散型粘着剤、水分散型粘着剤、水溶解型粘着剤等を用いて形成される。樹脂層13に用いられる粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、ポリエステル樹脂系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、ウレタン樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等が挙げられる。合成ゴム系粘着剤の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、イソプレンゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル熱可塑性エラストマー等が挙げられる。アクリル樹脂系粘着剤の具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル等の単独重合体若しくは共重合体等が挙げられる。ポリエステル樹脂系粘着剤は、多価アルコールと多塩基酸の共重合体であり、多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等が挙げられ、多塩基酸としては、テレフタル酸、アジピン酸、マレイン酸等が挙げられる。ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤の具体例としては、ポリビニルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等が挙げられる。シリコーン樹脂系粘着剤の具体例としては、ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これら材料の中で、樹脂層13は、アクリル樹脂系粘着剤又はウレタン樹脂系粘着剤のいずれかであることがより好ましい。安価であり、磁性体粉との分散性が良く、基材シートとの密着性が良い。
また、樹脂層13には、必要に応じて粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、難燃剤、填料、染料又は顔料等の着色剤等を配合することができる。粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂、芳香族炭化水素変性テルペン樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。軟化剤としては、プロセスオイル、液状ゴム、可塑剤等が挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系、リン系、水和金属系、窒素系等が挙げられる。填料としては、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等が挙げられる。
樹脂層13の厚さは、特に制限されないが、通常1μm〜250μmであればよく、好ましくは3μm〜150μmである。樹脂層13の厚みが1μm未満の場合には、樹脂を塗布して製膜する際にハジキが生じ、非接触データキャリアによる通信ができない場合がある。また、樹脂層13の厚みが250μmを超える場合には、樹脂を塗布して乾燥するのに長時間を要したり、端面から樹脂がはみ出したり、薄膜化の観点からも好ましくない。
なお、樹脂層13は、シート状の中間基材の両側に粘着剤を積層した両面テープタイプのものも含む。中間基材としては、基材シート11として前述したものの中から選択でき、中間基材の両側に積層する粘着剤としては、上記で例示した粘着剤を使用することができる。
また、樹脂層13は、磁性粉体を含んでいる。樹脂層13に含まれる磁性粉体は、樹脂層13に対する固形分で、20wt%以上95wt%以下が好ましく、30wt%以上90wt%以下が特に好ましい。磁性粉体は、樹脂層13に対する固形分で、95wt%を超えると、磁性体粉が多すぎて樹脂層13に形成できない可能性がある。磁性粉体は、樹脂層13に対する固形分で、20wt%未満であると、樹脂層13に含有している磁性粉体が少なすぎて必要な透磁率を得られず、アンテナ10が通信できない可能性がある。
磁性粉体の透磁率は、磁性粉体を塩素化ポリエチレン樹脂中に体積濃度で50%含有するシートを作成して測定した場合の透磁率であって、周波数1MHzにおける実数部透磁率μ’が8以上のものが好ましい。なお、本明細書における実数部透磁率μ’とは、各種磁性粉体を塩素化ポリエチレン樹脂に体積濃度で50%配合したシートを、Agilent Technologies社製インピーダンス/マテリアルアナライザー(品番E4991A)で測定した値のことをいう。より好ましい実数部透磁率μ’は、10以上であり、30以上がさらに好ましく、40以上が特に好ましい。実数部透磁率μ’が8未満であると、金属に貼付した時に交信ができない場合がある。
磁性粉体としては、センダストやフェライト等を挙げることができ、Fe−Ni−Cr−Si系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Si系合金、Fe−Co系合金、Fe−Al系合金等を例示でき、中でもFe−Al系合金が好ましい。Fe−Al系合金としては、例えば、Fe−Al合金、Fe−Al−Cr系合金、Fe−Al−Si系合金等が挙げられる。磁性粉体はこれらの1種類又は2種類以上を混合して用いてもよい。本実施形態1において用いられる磁性粉体の保磁力は、600A/m以下が好ましく、400A/m以下がさらに好ましい。600A/mを超えると、金属に貼付した時に交信性能が発揮できない場合がある。なお、保磁力は、自動計測保磁力計(商品名「K−HC1000」、東北特殊鋼社製)を用いて測定した値である。
磁性粉体の平均粒子径は、0.1μm〜200μmであることが好ましく、より好ましくは1μm〜100μmである。磁性粉体の平均粒子径が上記範囲内であれば、磁性粉体は高い分散性を有した状態で樹脂層13内に含めることができる。なお、磁性粉体の平均粒子径は、シンパテック社製レーザー測定機(商品名:「HELOS」)で測定された値である。
磁性粉体は、大きさの違う粒子径のものを併用することが好ましい。それにより大きな磁性粉体の隙間を小さな磁性粉体で埋めるようにすることができる。例えば、5μm〜15μm、20μm〜30μm、50μm〜100μmの3種類等複数の粒子径のものを併用することが好ましい。
磁性粉体の形状は、特に限定されるものではないが、球体形状、立方体形状、扁平形状、円柱形状、円錐形状、針状等が挙げられる。中でも、実数部透磁率が高く少量で必要な実数部透磁率μ’を得られるという観点から、磁性粉体の形状は、扁平形状、円柱形状、円錐形状、針状が好ましく、中でも高アスペクト比(長さ/厚み)のものがさらに好ましい。
図4に示すように、回路線23の最外周の外縁より外側にはみ出した距離を最外周外縁からの距離Ctとし、回路線23の最内周の内縁より内側にはみ出した距離を最内周内縁からの距離Ciとし、回路線23の最外周の外縁と最内周の内縁との最短距離を最短距離Cwとする。
アンテナ10は、樹脂層13を基材シート11上に直接備えている。このため、粘着剤層等を介して磁性シート等を積層する必要はなく、アンテナ10を薄くすることができる。樹脂層13の外縁13OUTは、回路線23の最外周に沿った形状である。このため、樹脂層13は、基材シート11上に回路線23に沿うようにパターン化して形成され、樹脂層13は、基材シート11上に効率良く形成されている。また、樹脂層13は磁性粉体を含有しているので、別途高価な磁性シート等を貼付する必要もない。そのため、磁性シートの打ち抜きによって生じる廃棄される材料の軽減を図ることができる。よって、構成材料や工程数の増加を伴うことなく、安価に既存の設備で製造することができる。
図4は、樹脂層13を形成した状態を示す回路線23の平面図である。図4に示すように、樹脂層13を形成した箇所はハッチングで表示した。樹脂層13は、回路線23の最外周の外縁と最内周の内縁との最短距離を最短距離Cwとしたとき、回路線23の外側には最外周外縁からの距離Ctの分だけはみ出し、回路線23の内側には最内周内縁からの距離Ciの分だけはみ出していてもよい。距離Ctは回路線23の最外周の外縁を基準とし、樹脂層13の外縁13OUT側を正、樹脂層13の内縁13IN側を負で表し、距離Ciは回路線の最内周の内縁を基準とし、樹脂層13の内縁13IN側を正、樹脂層13の外縁13OUT側を負で表すものとする。そして、樹脂層13の外縁13OUTと内縁13INとの最短距離である幅Wが、最短距離Cw以上となっている。幅Wは、最短距離Cwと同じでもよい。また、樹脂層13は、回路線23の最外周の外縁と最内周の内縁との最短距離を最短距離Cwとしたとき、樹脂層13の外縁13OUTと内縁13INとの最短距離である幅Wが、最短距離Cwより小さくてもよい。このため、樹脂層13の外縁13OUTは、回路線23の最外周の外縁から距離−Ctの分だけ離れた位置にある。距離Ctが負の場合、回路線23の最外周の外縁から最内周側に距離Ctだけ回路線23が露出していることになる。そして、距離Ciが負の場合、回路線23の最内周の外縁から最外周側に距離Ciだけ回路線23が露出することになる。
(実施形態2)
図5は、実施形態2に係るリーダライタのアンテナを模式的に示す平面図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図5に示すように、アンテナ10Aは、アンテナ10と同様に、基材シート11と、その一方の表面上に形成された回路線23、その回路線23を覆う樹脂層13と、を備えている。樹脂層13は、基材シート11上の一方の面又は他方の面に一部が直接接するように設けられ、かつ一方の面に対し垂直な方向において回路線23及び金属部材90に重なり合う位置にある。その結果、リーダライタは、渦電流が抑制され、アンテナ10Aと非接触データキャリア19との間で電波Rwを送受信できるようになる。樹脂層13は、一方の面に対し垂直な方向において金属部材90に重なり合わない位置には、塗布されていない。このため、アンテナ10Aは、アンテナ10に比べ、樹脂層13の量を低減できる。その結果、アンテナ10Aの製造コストが抑制される。
図5に示すアンテナ10Aは、金属部材90が回路線23の一部と重なりあっている。例えば、回路線23は略長方形であり長手方向の全体の長さをCL、短手方向の全体の幅をWLとした場合、金属部材90は、回路線23の全体の幅WLを覆っているが、回路線23の全体の長さCLのうち一部の距離、つまり金属部材90が回路線23を覆う距離MLだけ、回路線23と重なりあっている。そして、金属部材90は、回路線23の全体の長さCLのうち一部の距離、つまり回路線23の全体の長さCLから金属部材90が回路線23を覆う距離MLを減算した分、回路線23と重なり合っていない。樹脂層13は、回路線23の全体の幅WLの内の回路線23の部分を覆っているが、回路線23の全体の長さCLのうち一部の距離CGだけ、回路線23と重なりあっている。回路線23の金属部材90に重なり合う部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で100%であることが望ましい。回路線23に重なり合う部分とは、回路線23の最外周の外縁と最内周の内縁とに囲まれる部分に対して、金属部分9又は樹脂層部分が重なり合う部分のことをいう。アンテナ10Aは、非接触データキャリア19までの交信距離を確保するにあたり、回路線23の金属部材90に重なり合う部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で100%以下であってもよい。回路線23の金属部材90に重なり合う部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で49%以上100%以下であることが好ましく、59%以上100%以下であることがより好ましい。金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で49%以上である場合、非接触データキャリア19までの交信距離が、樹脂層13の面積によって変化しにくくなり、非接触データキャリア19との交信が安定する。
図6は、図3に示すA−A線の変形例を示す断面図である。図6に示すアンテナ10Bのように、基材シート11の他方の面11bの表面の一部が直接接するように、樹脂層13を、形成してもよい。この場合には、回路線23を保護するために回路線23を覆うように保護シートを積層して設けてもよい。
アンテナ10の製造方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。まず最初に基材シート11を準備する準備工程を行う。
次に、基材シート11の一方の面11fに回路線23、端子部21及び端子部22を形成する回路形成工程を行う。基材シート11上にある回路線23、端子部21及び端子部22の形成方法は、通常の電子回路製造用の各種方法が用いられる。通常の電子回路製造用の各種方法としては、例えば、導電性ペーストや導電性インクを用いて、スクリーン印刷法、グラビア方式、フレキソ方式、インクジェット方式等の印刷、塗布等により製造する方法、金属箔を接着剤で基材シート11に貼り合わせ、スクリーン印刷法等により回路線23、端子部21及び端子部22等の形状のレジストパターンを印刷した後、金属箔をエッチング処理して端子部21及び端子部22以外の部分の金属箔を除去し、レジストを洗浄することにより、回路線23、端子部21及び端子部22を形成する方法等が挙げられる。エッチング処理は、通常のエッチング処理と同様の処理により行うことができる。
回路線23、端子部21及び端子部22等のエッチングを用いる製造方法としては、具体的には、銅箔とポリエチレンテレフタレートフィルムとを貼り合わせたラミネートフィルムの銅箔面に、スパイラル状又はラセン状に巻回された回路線等形成用のレジストパターンを印刷した後、銅箔部分をエッチングすることにより、不要な銅箔部分を除去して回路線23、端子部21及び端子部22を形成する方法が挙げられる。
次は、基材シート11の一方の面11fの表面の一部が直接接するように、樹脂層13を、例えば塗布形成する樹脂層形成工程を行う。
回路線23が設けられている基材シート11の表面に樹脂層13を形成する方法としては、例えば、基材シート11、回路線23、端子部21及び端子部22を覆うように、その表面に磁性粉体含有樹脂を印刷又は塗布する方法がある。その他、剥離シートの剥離剤層面に磁性粉体を含有する粘着剤を印刷又は塗布し樹脂層13を形成した後、基材シート11、回路線23、端子部21及び端子部22を覆うように、その表面に貼り合わせて樹脂層13を形成する方法等がある。
印刷又は塗布の方法としては、特に制限されるものではなく、印刷方法としては、スクリーン方式、グラビア方式、フレキソ方式、インクジェット方式等の既存の印刷方法を用いることができ、塗布方法としては、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等を用いて塗布することができる。このとき、樹脂層13は、金属部材90と基材シート11の表面を垂直方向にみて重なり合う範囲に形成されるように、マスキングされ、塗布される。
次は、樹脂層13を乾燥させて固定する固定工程を行う(ステップS4)。例えば、アンテナ10Aが、情報通信端末100の内部に搭載されても、樹脂層13は、一方の面11fに対し垂直な方向において金属部材90及び回路線23に重なり合う位置にあるので、渦電流を抑制できる。このため、小型化された情報通信端末100は、筐体100Bの裏面100BFにアンテナ10Aを取り付ける位置に制約を受けない。その結果、情報通信端末100は、設計の自由度が高まる。そして、アンテナ10Aの製造コストが低減されるので、情報通信端末100の製造コストも低減できる。情報通信端末100としては、パーソナルコンピュータ、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話等が挙げられる。
<近距離無線通信方法>
次に、アンテナ10、10A又は10Bを用いた無線通信方法について説明する。アンテナ10、10A又は10Bを有するリーダライタの、非接触データキャリア19との間で送受信される電波の共振周波数は13.56MHz帯域、例えば13.56MHz±7kHz、13.56MHz±150kHz、13.56MHz±450kHz等とされる。リーダライタは、アンテナ10、10A又は10Bを介して、非接触データキャリア19内に設けたICチップの情報を読み取る。読み取られた情報は、リーダライタで参照され、管理される。これにより、このICタグの情報に関する役割は終了する。
なお、本実施形態においては、非接触データキャリア19が、ICチップを有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、非接触データキャリア19は、ICチップを有さない共振型の盗難防止タグ等の場合についても同様に適用できる。当該盗難防止タグは、ICチップを有さない金属製の回路のみで構成されている閉回路となっており、リーダライタからの電波に共振して反射波を返信し、存在の有無を判断することができるタグ等を挙げることができる。
(実施例1)
(アンテナの作製)
次に、本発明を評価例により具体的に説明する。表1は、評価結果1の試験結果を示している。ただし、本発明は、これらの評価例によって、何ら限定されるものではない。
Figure 2015070405
銅箔(厚さ18μm)とポリエチレンテレフタレートシート(厚さ50μm)を貼り合わせた銅箔積層シート(商品名「ニカフレックスF−10T50C−1」、ニッカン工業社製)の銅箔面に、スクリーン印刷法により図3に示すような回路線23、端子部21及び端子部22の形状にレジストパターンを印刷した。これをエッチングして不要な銅箔部分を除去し、図3に示すような一体配線パターンを製造し、長方形型の回路線を作成した。回路線23の線幅は、200μmであり、線間380μmであり、巻き数は7ターンであった。また、長辺方向の長さは61mmであり、短辺方向の長さは32mmであった。また、評価用の金属部材90は、ステンレス板(SUS304、パルテック社製)を用いた。
次に、アクリル樹脂系粘着剤(商品名「PA−T1」、リンテック社製)に、実数部透磁率μ’が40で保磁力が400A/mのFe-Al合金である磁性粉体を固形分で71.4wt%含有させ、回路線23の最外周の外縁と最内周の内縁との最短距離Cwを基準とした時樹脂層13の外縁13OUTと内縁13INとの最短距離である幅Wが、最短距離Cwと同じようになるように、回路線23上の全面(CG/CL×100=100%)にスクリーン印刷で乾燥後の厚さが50μmとなるように樹脂層13を塗布した。そして、実施例1のアンテナを、回路線23の全面がステンレス板(SUS304、パルテック社製)に重なるように樹脂層13により貼付した。このため、実施例1のアンテナは、金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で100%である(ML=CG)。
(実施例2)
実施例2のアンテナは、樹脂層13が回路線23上の全面に対して一部(CG/CL×100=25%)にスクリーン印刷で塗布したこと以外は、実施例1と同様にして作成した。樹脂層13は、回路線23の全体の幅WLを覆っているが、回路線23の全体の長さCLのうち1/4となる一部の距離CGだけ、回路線23と重なりあっている。そして、実施例2のアンテナは、金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で100%である(ML=CG)ように、回路線23とステンレス板(SUS304、パルテック社製)とが重なり合うようにした。
(実施例3)
実施例3のアンテナは、樹脂層13を幅Wが回路線23上の全面に対して一部(CG/CL×100=50%)にスクリーン印刷で塗布したこと以外は、実施例1と同様にして作成した。樹脂層13は、回路線23の全体の幅WLを覆っているが、回路線23の全体の長さCLのうち1/2となる一部の距離CGだけ、回路線23と重なりあっている。そして、実施例3のアンテナは、金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で100%である(ML=CG)ように、回路線23とステンレス板(SUS304、パルテック社製)とが重なり合うようにした。
(実施例4)
実施例4のアンテナは、樹脂層13を幅Wが回路線23上の全面に対して一部(CG/CL×100=75%)にスクリーン印刷で塗布したこと以外は、実施例1と同様にして作成した。樹脂層13は、回路線23の全体の幅WLを覆っているが、回路線23の全体の長さCLのうち3/4となる一部の距離CGだけ、回路線23と重なりあっている。そして、実施例4のアンテナは、金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で100%である(ML=CG)ように、回路線23とステンレス板(SUS304、パルテック社製)とが重なり合うようにした。
(比較例1)
比較例1のアンテナは、樹脂層13を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にして作成した。そして、比較例1のアンテナは、回路線23の全面がステンレス板(SUS304、パルテック社製)に重なるようにした。比較例1のアンテナは、金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で0%である。
(評価結果1)
このようにして得られた実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、比較例1のアンテナを、サムスン社製情報通信端末商品番号「SC−05D」の情報通信端末のリーダライタ(読取装置)に接続し、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、比較例1のそれぞれのアンテナから非接触データキャリア19までの交信距離の評価を行った。また、非接触データキャリア19は、リンテック社製商品名「Britem TS−L102LC」を用いた。
通信テストの交信距離については、非接触データキャリアと実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、比較例1、比較例2のそれぞれの中心部を接触させた後、徐々に平行に離間してリーダライタが非接触データキャリアを検知する最大の間隔を3回測定した平均値を交信距離とした。
表1に示す評価結果1によれば、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4のアンテナを使用したリーダライタは、非接触データキャリアを検知することができる。比較例1のアンテナを使用した場合は、リーダライタは非接触データキャリアを検知することができない。
表2は、評価結果2の試験結果を示している。ただし、本発明は、これらの評価例によって、何ら限定されるものではない。
Figure 2015070405
(実施例5)
次に、実施例5のアンテナは、実施例2と同様に、樹脂層13が回路線23上の全面に対して一部(CG/CL×100=25%)にスクリーン印刷で塗布して作成した。樹脂層13は、回路線23の全体の幅WLを覆っているが、回路線23の全体の長さCLのうち1/4となる一部の距離CGだけ、回路線23と重なりあっている。そして、実施例5のアンテナは、金属部材90が回路線23を覆う距離MLが25mmであるように、回路線23とステンレス板(SUS304、パルテック社製)とが重なり合うようにした。実施例5のアンテナは、金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で73%であるように、回路線23とステンレス板(SUS304、パルテック社製)とが重なり合うようなっている。実施例5のアンテナは、磁性粉体を含む樹脂層13の端部からはみ出る金属部材の距離(ML−CG)が10mmである。
(実施例6)
次に、実施例6のアンテナは、実施例2と同様に、樹脂層13が回路線23上の全面に対して一部(CG/CL×100=25%)にスクリーン印刷で塗布して作成した。樹脂層13は、回路線23の全体の幅WLを覆っているが、回路線23の全体の長さCLのうち1/4となる一部の距離CGだけ、回路線23と重なりあっている。そして、実施例6のアンテナは、金属部材90が回路線23を覆う距離MLが35mmであるように、回路線23とステンレス板(SUS304、パルテック社製)とが重なり合うようにした。実施例6のアンテナは、金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で59%であるように、回路線23とステンレス板(SUS304、パルテック社製)とが重なり合うようなっている。実施例5のアンテナは、磁性粉体を含む樹脂層13の端部からはみ出る金属部材の距離(ML−CG)が20mmである。
(実施例7)
次に、実施例7のアンテナは、実施例2と同様に、樹脂層13が回路線23上の全面に対して一部(CG/CL×100=25%)にスクリーン印刷で塗布して作成した。樹脂層13は、回路線23の全体の幅WLを覆っているが、回路線23の全体の長さCLのうち1/4となる一部の距離CGだけ、回路線23と重なりあっている。そして、実施例7のアンテナは、金属部材90が回路線23を覆う距離MLが45mmであるように、回路線23とステンレス板(SUS304、パルテック社製)とが重なり合うようにした。実施例5のアンテナは、金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で49%であるように、回路線23とステンレス板(SUS304、パルテック社製)とが重なり合うようなっている。実施例5のアンテナは、磁性粉体を含む樹脂層13の端部からはみ出る金属部材の距離(ML−CG)が30mmである。
(評価結果2)
このようにして得られた実施例2、実施例5、実施例6、実施例7、比較例2のアンテナを、サムスン社製情報通信端末商品番号「SC−05D」の情報通信端末のリーダライタ(読取装置)に接続し、実施例2、実施例5、実施例6、実施例7、比較例2のそれぞれのアンテナから非接触データキャリア19までの交信距離の評価を行った。また、非接触データキャリア19は、リンテック社製商品名「Britem TS−L102LC」を用いた。
通信テストの交信距離については、非接触データキャリアと実施例2、実施例5、実施例6、実施例7、比較例2のそれぞれの中心部を接触させた後、徐々に平行に離間してリーダライタが非接触データキャリアを検知する最大の間隔を3回測定した平均値を交信距離とした。
表2に示す評価結果2によれば、実施例2、実施例5、実施例6、実施例7のアンテナを使用したリーダライタは、非接触データキャリアを検知することができる。評価結果2によれば、金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で49%以上100%以下であることが好ましく、59%以上100%以下であることがより好ましい。金属部材90に重なり合う回路線23の部分に対する、樹脂層13に重なり合う回路線23の部分の面積の割合が、百分率で49%以上である場合、非接触データキャリア19までの交信距離が、樹脂層13の面積によって変化しにくくなり、安定した非接触データキャリア19との交信が実現する。
以上より、実施形態に係るアンテナ10、10A及び10Bを用いれば、金属部材に隣接する場合でも、非接触データキャリア19と通信することができる。そして、実施形態に係るアンテナ10、10A及び10Bは、安価に既存の設備で製造できるため、薄くかつ安価に製造することができる。
10、10A、10B アンテナ
11 基材シート
13 樹脂層
21、22 端子部
23 回路線
90 金属部材
100 情報通信端末

Claims (8)

  1. 非接触データキャリア用リーダライタのアンテナであって、
    基材シートと、
    前記基材シートの一方の面に設けられ、導電性材料の導電パターンが巻回された回路線と、
    磁性粉体を含有する樹脂層と、を含み、
    前記樹脂層は、前記基材シート上の前記一方の面又は他方の面に一部が直接接するように設けられ、かつ前記一方の面に対し垂直な方向において前記回路線に重なり合う位置にあることを特徴とするアンテナ。
  2. 請求項1において、
    前記一方の面に対し垂直な方向において、前記回路線の少なくとも一部が金属部材と重なり合う場合、
    前記樹脂層は、前記一方の面に対し垂直な方向において前記金属部材及び前記回路線に重なり合う位置にあることを特徴とするアンテナ。
  3. 請求項2において、
    前記金属部材に重なり合う前記回路線の部分に対する、前記樹脂層に重なり合う前記回路線の部分の面積の割合が、百分率で49%以上100%以下であることを特徴とするアンテナ。
  4. 請求項3において、
    前記金属部材に重なり合う前記回路線の部分に対する、前記樹脂層に重なり合う前記回路線の部分の面積の割合が、百分率で59%以上100%以下であることを特徴とするアンテナ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項において、
    前記磁性粉体を塩素化ポリエチレン樹脂中に体積濃度で50%含有するシートを作成して測定した場合、周波数1MHzにおける実数部透磁率μ’が8以上であることを特徴とするアンテナ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項において、
    前記樹脂層は、アクリル樹脂系粘着剤又はウレタン樹脂系粘着剤のいずれかであることを特徴とするアンテナ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナを搭載したことを特徴とする情報通信端末。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載のアンテナを有するリーダライタとデータキャリアとで無線通信を行うことを特徴とする近距離無線通信方法。
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