JP2015114672A - Icタグ及び複合タグ - Google Patents

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克裕 川島
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Abstract

【課題】ICタグの設計自由度を高めることを可能にする。【解決手段】本発明の一側面に係るICタグは、ICチップと、ダイポールアンテナと、を備え、ダイポールアンテナは、第1方向に延びる第1領域及び第2領域を有する第1素子部と、第1方向に延びる第1領域及び第2領域を有する第2素子部であって、第1方向において所定間隔をあけて各第1領域の端部同士が対向するように配置される第2素子部と、各素子部の第2領域同士を連結することで、第1方向と直交する第2方向において各第1領域との間に隙間領域を形成し、ICチップとダイポールアンテナとの間でインピーダンス整合をとるインピーダンス整合部と、各第1領域における端部からインピーダンス整合部とは第2方向の反対側に延びる一対の引出し配線部と、を備え、ICチップは、第1素子部及び第2素子部とは重ならないように一対の引出し配線部に連結される。【選択図】図1

Description

本発明は、ICタグ及び複合タグに関する。
近年、書籍などの商品の管理や盗難防止等の様々な場面において、ICタグ(RFIDタグと称してもよい)が用いられている。このICタグには、利用する周波数帯によって、さまざまな形態が提案されている。例えば、UHF帯(300MHz〜3GHz)に用いるICタグとして、ICチップとダイポールアンテナとからなるICタグが提案されている。
特表2002−522999号公報 国際公開第2007/116829号
図13及び図14を用いて、ICチップ91及びダイポールアンテナ92からなるICタグ90を説明する。図13は、従来例に係るICタグ90を模式的に例示する平面図である。また、図14は、従来例に係るICタグ90におけるICチップ91とダイポールアンテナ92との接続部分(給電点)を例示する拡大図である。
図13で示されるように、従来例に係るICタグ90のダイポールアンテナ92は、x軸方向の左右に離間する第1素子部921及び第2素子部922を備えている。第1素子部921は、x軸方向においてスリット925から近い順に第1領域9211及び第2領域9212を有している。同様に、第2素子部922も、x軸方向においてスリット925から近い順に第1領域9221及び第2領域9222を有している。
各第1領域(9211、9221)は、各第2領域(9212、9222)に連結している。各第2領域(9212、9222)は、各第1領域(9211、9221)よりも幅(y軸方向の長さ)が広くなっており、各第2領域(9212、9222)の端部は各第1領域(9211、9221)からy軸方向に突出している。
インピーダンス整合部923は、各第2領域(921、9222)の各第1領域(9211、9221)からy軸方向に突出した端部の一部を連結している。そのため、インピーダンス整合部923と各第1領域(9211、9221)とのy軸方向における間には、開口領域924が形成される。
一方、各第1領域(9211、9221)の各第2領域(9212、9222)とはx軸方向の反対側に位置する端部、換言すると、各第1領域(9211、9221)のスリット925を挟んで対向する端部には、ICチップ91が連結している。そのため、ダイポールアンテナ92内では、ICチップ91を含む領域において、この開口領域924を囲うようにループ回路が形成される。従来例に係るICタグ90では、このループ回路の作用によって、ICチップ91とダイポールアンテナ92との間でインピーダンス整合をとることができる。
ここで、このICチップ91は、図13で例示されるように各第1領域(9211、9221)の端部に連結している。具体的には、図14で例示されるように、各第1領域(9211、9221)の端部の一部がエッチング等によって切除されることで、2つの補強支持部(926、927)が形成される。そして、ICチップ91は、各第1領域(9211、9221)の端部及び各補強支持部(926、927)によって支持されることで、ダイポールアンテナ92に接続している。
このように、従来例に係るICタグ90では、ICチップ91をダイポールアンテナ92に接続するために、ICチップ90の形状に応じて各素子部(921、922)の端部を加工する必要があった。そのため、各素子部(921、922)の各第1領域(9211、9221)の幅(y軸方向の長さ)及び端部形状は、ICチップ90の大きさ及び形状に応じて設計しなければならず、これにより、各第1領域(9211、9221)の設計の自由度は低くなってしまう。
また、各第1領域(9211、9221)の幅及び端部形状は、インピーダンス整合部923の幅、開口領域924の幅等にも影響を与える。そのため、各第1領域(9211、9221)の設計の自由度が低下することで、インピーダンス整合部923及び開口領域924の設計の自由度も低下してしまう可能性があった。すなわち、これらの理由によって、従来例に係るICタグ90では、設計の自由度が低いという問題点があった。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、ICタグの設計自由度を高めることである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の第1形態は、ICチップと、前記ICチップに電気的に接続されるダイポールアンテナと、を備え、前記ダイポールアンテナは、前記ダイポールアンテナの軸方向に沿う第1方向に延びる第1領域及び第2領域を有し、当該第1領域は当該第2領域と連結している第1素子部と、前記第1方向に延びる第1領域及び第2領域を有し、当該第1領域は当該第2領域と連結している第2素子部であって、前記第1素子部の第1領域における端部と当該第2素子部の第1領域における端部とが前記第1方向において所定間隔をあけて対向するように配置される第2素子部と、前記第1素子部における第2領域及び前記第2素子部における第2領域を連結することで、前記第1方向と直交する第2方向において前記第1素子部及び前記第2素子部それぞれの前記第1領域との間に隙間領域を形成し、前記ICチップと前記ダイポールアンテナとの間でインピーダンス整合をとるインピーダンス整合部と、前記第1素子部及び前記第2素子部それぞれの第1領域における端部から前記インピーダンス整合部とは前記第2方向の反対側に延びる一対の引出し配線部と、を備え、前記ICチップは、前記第1素子部及び前記第2素子部とは重ならないように前記一対の引出し配線部に連結することで、前記ダイポールアンテナに電気的に接続される、ICタグである。
当該構成に係るICタグでは、ダイポールアンテナの備える第1素子部及び第2素子部はそれぞれ、軸方向に沿う第1方向に延びる第1領域及び第2領域を有している。そして、第1素子部及び第2素子部それぞれにおいて、第1領域と第2領域とは互いに連結している。
第1素子部及び第2素子部の各第1領域は、互いの端部が所定の間隔をあけて対向するように配置されている。一方、この第1素子部及び第2素子部の各第2領域は、インピーダンス整合部によって、互いに連結されている。インピーダンス整合部は、各第2領域を連結するとともに、第1方向と直交する第2方向において各素子部の第1領域との間に隙間領域を形成する。
そして、当該構成に係るダイポールアンテナでは、各素子部の第1領域における端部からインピーダンス整合部とは第2方向の反対側に延びるように、一対の引出し配線部が設けられる。ここで、上記隙間領域は、第1領域とインピーダンス整合部との間に形成される。そのため、一対の引出し配線部は、インピーダンス整合部及び隙間領域の形成される領域から離れる方向に向けて形成される。
つまり、一対の引出し配線部は、ダイポールアンテナの他の構成要素から離間する方向に延びるよう形成されている。そして、本発明の第1形態では、ICチップは、インピーダンス整合部とは第2方向の反対側に延びるこれら一対の引出し配線部に連結することで、ダイポールアンテナに電気的に接続される。
そのため、当該構成によれば、引出し配線部を除く他の構成要素の外部にICチップを配置できるようになるため、各第1領域の幅及び端部形状は、ICチップの大きさ及び形状に応じて設計しなくてもよいようになる。これにより、本発明の第1形態では、ICタグの設計自由度を高めることができる。
また、本発明の第2形態は、前記各第2領域の前記第2方向の幅が、前記各第1領域よりも大きく、前記各第1領域が、前記各第2領域の端部に接続され、前記インピーダンス整合部が、前記第1素子部の第2領域、及びこれと前記第1方向で対向する前記第2素子部の第2領域の前記端部同士を連結する、上記第1形態に記載のICタグである。当該構成によって、幅の広い領域を設けて、アンテナ性能を高めることができる。
また、本発明の第3形態は、前記各引出し配線部の端部から前記第2方向において所定間隔をあけてそれぞれ配置される一対の補強支持部を更に備え、前記ICチップが、矩形状に形成されることで、4つの角を有し、前記各引出し配線部の端部及び前記各補強支持部が、前記ICチップの4つの角のいずれかを支持する、上記第1形態又は第2形態のICチップである。当該構成によれば、ICチップを安定して支持することができる。
また、本発明の第4形態は、前記第2方向の幅が3mm以下である、上記第1形態から第3形態のいずれかの形態に係るICタグである。当該構成によれば、ICタグを小型にすることができるため、小型の本(例えば、A6判(105mm×148mm)の本)にも利用することができる。
また、本発明の第5形態は、前記第1方向の長さが100mm以下である、上記第1形態から第4形態のいずれかの形態に係るICタグである。当該構成によれば、ICタグを小型にすることができるため、小型の本(例えば、A6判(105mm×148mm)の本)にも利用することができる。
また、本発明の第6形態は、前記各第1領域からの前記各引出し配線部の前記第2方向における長さが0.05mm以上1.0mm以下である、上記第1形態から第5形態のいずれかの形態に係るICタグである。当該構成によれば、ICチップに関する領域の大きさを抑えることができる。そのため、ダイポールアンテナの引出し配線部以外の領域に係る設計自由度を高めることができる。
また、本発明の第7形態は、上記第1形態から第6形態のいずれかの形態に係るICタグと、前記第1方向に所定間隔をおいて配置された複数の磁気セグメント、及び前記複数の磁気セグメントを前記第1方向に接続する磁気テープ、を有する磁気タグと、を備え、前記磁気タグは、前記ICタグに重ね合わせられており、前記複数の磁気セグメント及び前記磁気テープは、前記ICタグ及び前記磁気タグの積層方向において前記ICチップに重ならないように配置される、複合タグである。
ICタグと磁気タグとを重ね合わせた従来例に係る複合タグでは、ICタグ及び磁気タグの積層方向において、ICタグのICチップと磁気タグの磁気テープ及び磁気セグメントとが重ね合わせられていた。この場合、磁気テープ及び磁気セグメントの磁気がICチップに作用することで、ICタグの通信性能に悪影響を与える可能性があった。当該構成によれば、ICタグ及び磁気タグの積層方向において、磁気テープ及び磁気セグメントはICチップに重ならないように配置されるため、磁気セグメント及び磁気テープによるICタグ(ICチップ)への干渉を防ぐことができる。
また、本発明の第8形態は、前記複数の磁気セグメント及び前記磁気テープが、更に前記隙間領域に重ならないように、前記ICタグに重ね合わされる、上記第7形態に係る複合タグである。磁気セグメント及び前記磁気テープがダイポールアンテナの隙間領域を塞ぐことで、ICタグの通信性能に悪影響が生じる場合がある。当該構成によれば、磁気セグメント及び前記磁気テープが隙間領域に重ならないように配置されるため、当該ICタグに生じる悪影響を防ぐことができる。
また、本発明の第9形態は、前記各第1領域及び前記各第2領域の前記第2方向の幅が、前記複数の磁気セグメント及び前記磁気テープの前記第2方向の幅よりも大きく、前記複数の磁気セグメント及び前記磁気テープが、前記第2方向において、前記各第1領域及び前記各第2領域に収まるように配置されることで、前記ICチップ及び前記隙間領域に重ならないように、前記ICタグに重ね合わされる、上記第8形態に係る複合タグである。当該構成によれば、ダイポールアンテナの各第1領域及び各第2領域を目安に磁気セグメント及び磁気テープを配置することが可能になる。そのため、ICタグと磁気タグとを重ね合わせやすくすることができる。
本発明によれば、ICタグの設計自由度を高めることができる。
図1は、実施の形態に係るICタグを模式的に例示する平面図である。 図2は、実施の形態に係るICチップを模式的に例示する平面図である。 図3は、実施の形態に係る引出し配線部とICチップとの接続状態を模式的に例示する拡大図である。 図4は、実施の形態に係るICタグを模式的に例示する断面図である。 図5Aは、実施の形態に係るICタグの製造過程における一状態を例示する断面図である。 図5Bは、実施の形態に係るICタグの製造過程における一状態を例示する断面図である。 図5Cは、実施の形態に係るICタグの製造過程における一状態を例示する断面図である。 図5Dは、実施の形態に係るICタグの製造過程における一状態を例示する断面図である。 図6は、実施の形態に係る磁気タグを模式的に例示する平面図である。 図7は、実施の形態に係る磁気タグを模式的に例示する断面図である。 図8Aは、実施の形態に係る磁気タグの製造過程における一状態を例示する断面図である。 図8Bは、実施の形態に係る磁気タグの製造過程における一状態を例示する断面図である。 図9は、実施の形態に係る複合タグを模式的に例示する平面図である。 図10は、実施の形態に係る複合タグを模式的に例示する断面図である。 図11Aは、実験例に用いたICタグの寸法を例示する。 図11Bは、実施例に用いた磁気タグの寸法を例示する。 図11Cは、実施例に用いたICタグ及び磁気タグの厚さを例示する。 図11Dは、実施例における複合タグの状態を例示する。 図11Eは、実験例における複合タグの状態を例示する。 図12Aは、他の形態に係る引出し配線部とICチップとの接続状態を模式的に例示する拡大図である。 図12Bは、他の形態に係る引出し配線部とICチップとの接続状態を模式的に例示する拡大図である。 図12Cは、他の形態に係る引出し配線部とICチップとの接続状態を模式的に例示する拡大図である。 図13は、従来例に係るICタグを例示する平面図である。 図14は、従来例に係るICタグにおける給電点の状態を例示する。 図15は、従来例に係る複合タグを例示する平面図である。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
§1 ICタグ
[構成例]
まず、図1から図4を用いて、本実施形態に係るICタグ1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係るICタグ1を模式的に例示する平面図である。図2は、本実施形態に係るICチップ10を模式的に例示する平面図である。図3は、本実施形態に係る一対の引出し配線部26とICチップ10との接続部分(給電点)を模式的に例示する拡大図である。また、図4は、本実施形態に係るICタグ1を模式的に例示する断面図である。
なお、各図では、ICタグ1の各構成要素のうち、番号とアルファベットの付されている構成要素が存在する場合がある。以下では、同じ番号の付された複数の構成要素をそれぞれ区別する場合には、引出し配線部26a、26b等のようにアルファベットまで称することとする。
図1で例示されるように、本実施形態に係るICタグ1は、矩形状のICチップ10と、ICチップ10に電気的に接続される矩形状のダイポールアンテナ20と、を備えている。このダイポールアンテナ20は、逆L字状の第1素子部21及びL字状の第2素子部22を備えており、第1素子部21及び第2素子部22は左右対称になっている。各素子部(21、22)は、x軸方向に沿って延びる矩形状の第1領域(211、221)及び第2領域(212、222)を有している。
ここで、各図において引用する各方向について説明する。各図におけるx軸方向は、ダイポールアンテナ20の軸方向を示している。これに応じて、本実施形態では説明の便宜のため、各図におけるy軸方向を「幅方向」とも、各図におけるz軸方向を「厚さ方向」とも称してもよい。なお、これらの方向のうち、本実施形態に係るx軸方向は、本発明の「第1方向」に相当する。また、本実施形態に係るy軸方向は、本発明の「第2方向」に相当する。
第1素子部21において、第2領域212は、第1領域211よりも幅が広くなっている。第1領域211は、第2領域212のy軸方向負側の端辺と第1領域211のy軸方向負側の端辺とが一致するように、第2領域212の端部2121に連結している。同様に、第2素子部22において、第2領域222は、第1領域221よりも幅が広くなっており、第1領域221は、第2領域222のy軸方向負側の端辺と第1領域221のy軸方向負側の端辺とが一致するように、第2領域222の端部2221に連結している。
第1素子部21の第1領域211及び第2素子部22の第1領域221の間には、図1及び図3で例示されるように、スリット25が設けられている。第1素子部21の第1領域211における端部2111、及び第2素子部22の第1領域221における端部2211は、スリット25の幅(x軸方向の長さ)の分の間隔をあけて配置されている。すなわち、このスリット25の幅は、本発明の「第1素子部と第2素子部との間の所定間隔」に相当する。
これら各第1領域(211、221)のy軸方向正側には、開口領域24を隔てて、矩形状のインピーダンス整合部23が設けられている。インピーダンス整合部23の両端は、各第2領域(212、222)のy軸方向正側の端辺とインピーダンス整合部23のy軸方向正側の端辺とが一致するように、各第2領域(212、222)の端部(2121、2221)の一領域に連結している。
ここで、各第2領域(212、222)の幅は、インピーダンス整合部23及び各第1領域(211、221)の幅の合計よりも広くなるように設計されている。そのため、各第1領域(211、221)及びインピーダンス整合部23の間には、矩形状の開口領域24が形成される。この開口領域24は、本発明の「隙間領域」に相当し、矩形状のダイポールアンテナ20において、スリット25とT字状の隙間を構成する。
図1で例示されるように、このインピーダンス整合部23が各第2領域(212、222)を連結することによって、ダイポールアンテナ20内のICチップ10を含む領域において、開口領域24を囲うようにループ回路が形成される。本実施形態では、このインピーダンス整合部23に基づいて形成されるループ回路の作用によって、ICチップ10とダイポールアンテナ20との間でインピーダンス整合をとることができる。なお、このループ回路の作用は、インピーダンス整合部23のx軸方向の長さ、y軸方向の幅等によって、調節される。
一方、図1及び図3で例示されるように、各第1領域(211、221)の端部(2111、2211)からy軸方向負側に向けて一対の引出し配線部26が設けられている。詳細には、各引出し配線部26は、各第1領域(211、221)のy軸方向負側の端辺から、インピーダンス整合部23とはy軸方向の反対側に向かって、矩形状に延びている。この一対の引出し配線部26には、ICチップ10が連結される。
なお、本実施形態では、第1引出し配線部26aのx軸方向負側の端辺と第1領域211のx軸方向負側の端辺とは一致しており、第2引出し配線部26bのx軸方向正側の端辺と第1領域221のx軸方向正側の端辺とは一致している。これによって、各引出し配線部26は成形しやすくなっている。
ここで、図2を用いて、ICチップ10を説明する。ICチップ10は、商品を識別するための個体識別情報等の所定の情報を保持する集積回路であり、4つの角にはそれぞれ第1〜4パッド11〜14が設けられている。このうち、第1パッド11、第2パッド12、及び第4パッド14は、外部の構成と電気的に接続するためのパッドである。一方、第3パッド13は、非接触式(non-contact)のパッドであり、導通には無関係なパッドである。
なお、本実施形態では、(第1パッド11、第4パッド14)、(第2パッド12、第4パッド14)、及び(第1パッド11及び第2パッド12、第4パッド14)のいずれかの組で利用することで、ICチップ10内を導通させることができる。そのため、第1パッド11及び第2パッド12の少なくとも一方と第4パッド14とに各素子部(21、22)のいずれかを電気的に接続することで、ダイポールアンテナ20に基づいて得られる電力をICチップ10に供給することができる。
本実施形態では、図3で例示されるように、このようなICチップ10の第1パッド11に第1引出し配線部26aが接続している。また、第4パッド14に第2引出し配線部26bが接続している。つまり、第1パッド11は第1素子部21に電気的に接続し、第4パッド14は第2素子部22に電気的に接続する。これによって、ICチップ10は、ダイポールアンテナ20と電気的に接続し、ダイポールアンテナ20によって得られる電力を受け取ることができるようになる。
ここで、ICチップ10の接続する各引出し配線部26は、インピーダンス整合部23及び開口領域24から離間する方向に設けられている。そして、ICチップ10は、図1及び図3で示されるように、y軸方向において各素子部(21、22)と重ならないように配置されている。そのため、本実施形態では、ICチップ10は、引出し配線部26を除くICタグ1の他の構成要素の外部に配置されるようになる。これによって、各第1領域(211、221)の幅及び端部形状は、ICチップ10の大きさ及び形状の影響を受けにくくなるため、ICタグ1の設計の自由度を高めることができる。
また、各引出し配線部26は、各素子部(21、22)とICチップ10とを電気的に接続すればいかなる形状でもよい。そのため、高い寸法精度を要求されずに各引出し配線部26を形成することができる。これにより、ICタグ1のダイポールアンテナ20の形成を平易にすることができる。
なお、各引出し配線部26をy軸方向に長くすると、ICタグ1のy軸方向の幅Bが長くなってしまう。そのため、ICタグ1のy軸方向の幅Bを抑えるためには、各引出し配線部のy軸方向の長さD1は、0.05mm〜1.0mmの範囲内で設定されるのが好ましい。
また、本実施形態では、各引出し配線部26からy軸方向負の向きに所定間隔をあけた位置に、一対の補強支持部27が設けられている。各補強支持部27は、ダイポールアンテナ20のアンテナパターンから物理的に離間している。そのため、各補強支持部27は、ICチップ10とダイポールアンテナ20との電気的な接続には寄与しない。各補強支持部27は、各引出し配線部26とICチップ10の4角を支持するために利用される。
ここで、各補強支持部27を各引出し配線部26と同じ厚みで形成することで、各補強支持部27と各引出し配線部26とで均等にICチップ10の4つの角を支持することができるようになる。これにより、ICチップ10を安定して支持することができるようになる。なお、本実施形態では、第1補強支持部27aが第2パッド12を支持し、第2補強支持部27bが第3パッド13を支持している。
また、図14で示される従来例では、エッチング等による加工で各補強支持部(926、927)を形成する場合に、加工箇所がずれると、各素子部(921、922)に影響を及ぼしてしまう可能性があった。これに対して、各補強支持部27は、各引出し配線部26に比べて、各素子部(21、22)の第1領域(211、221)から更にy軸方向負側に離れて形成される。つまり、各補強支持部27は、各引出し配線部26に比べて、ダイポールアンテナ20のその他の構成要素から更に離間して配置される。そのため、エッチング等による加工で各補強支持部27を形成する場合に、加工箇所が多少ずれたとしても、ダイポールアンテナ20のその他の構成要素に影響を及ぼしにくい。つまり、本実施形態では、高い寸法精度を要求されずに各補強支持部27を形成することができる。
このようなICタグ1のICチップ10及びダイポールアンテナ20は、図1及び図4で例示されるように基材シート30の上に形成される。そして、図4及び後述する図5Cで例示されるように、ICチップ10、ダイポールアンテナ20、及び基材シート30は、2枚の両面テープ40によって、上下方向(z軸方向)に挟持されている。各両面テープ40は、テープ材41、テープ材41の上面に設けられる第1粘着剤層42、第1粘着剤層42に接着している第1剥離シート43、テープ材41の下面に設けられる第2粘着剤層44、及び第2粘着剤層44に接着している第2剥離シート45を備えている。
図4では、両面テープ40aは、第1剥離シート43aを剥がした状態で、基材シート30の下面に貼り付けられている。一方、両面テープ40bは、第2剥離シート45bを剥がした状態で、基材シート30の上面から貼り付けられている。そのため、このICタグ1は、両面テープ40aの第2剥離シート45a及び両面テープ40bの第1剥離シート43bをそれぞれ剥がすことによって、所望の物品に貼り付けることができるようになっている。
なお、基材シート30、テープ材41、及び各剥離シート(43、45)を構成する材料は、各粘着剤層(42、44)からそれぞれ剥離可能であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G(テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体)、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、ABS、ポリアクリル酸エステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、等で形成することができる。また、基材シート30、テープ材41、及び各剥離シート(43、45)は、透明、半透明、または着色されたもののいずれも使用することができる。ただし、基材シート30、テープ材41、及び各剥離シート(43、45)は、ICタグ1を視認できるように、透明又は半透明であることが好ましい。そして、基材シート30、テープ材41、及び各剥離シート(43、45)の厚さは、特には限定されず、後述するような製造及び取り扱いに支障のない厚さであればよい。
また、第1粘着剤層42及び第2粘着剤層44は、天然ゴム系、ニトリルゴム系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリル系、アクリル酸エステル共重合体系、ポリビニルアルコール系、フェノール樹脂系、等の各種材料を使用できる。
また、本実施形態に係るICタグ1は、UHF帯の中でも、特に、800〜1000MHzで利用されるRFIDタグである。そして、このICタグ1は、書籍等に貼り付けて利用され、書籍の識別や盗難防止に利用される。そのため、小型の本(例えば、A6判(105mm×148mm)の本)にも差し込みやすく、かつ、取り付けた後の隠蔽性を高めるためには、ICタグ1のx軸方向の長さA(図1参照)は100mm以下が好ましい。また、ICタグ1のy軸方向の幅Bは、1〜10mm程度が好ましく、3〜7mm程度がさらに好ましく、3mm以下が特に好ましい。更に、ICタグ1の厚みC(図4参照)は、0.3〜0.6mm程度が好ましく、0.4〜0.5mm程度がさらに好ましい。
[製造工程]
次に、図5A〜図5Dを用いて、本実施形態に係るICタグ1の製造工程を説明する。図5A〜図5Dは、本実施形態に係るICタグ1の製造過程における一状態を例示する。なお、以下で説明する製造工程は、本実施形態に係るICタグ1を製造する方法の一例に過ぎず、各製造工程は、実施の形態に応じて、適宜、変更されてもよい。本実施形態では、一度に複数個のICタグ1を製造する方法を説明する。
まず、第1工程として、図5Aで例示されるように、複数のダイポールアンテナ20を形成するために、アルミニウム、銅等の金属を基材シート30の上に所定間隔をあけて塗布する。そして、エッチング、打ち抜き等によってそれぞれに塗布した箇所の金属を成形し、図1で例示されるダイポールアンテナ20の各構成要素及び各補強支持部27を形成する。
次の第2工程では、図5Bで例示されるように、接着剤等によって、基材シート30上に所定間隔をあけて形成された複数のダイポールアンテナ20それぞれにICチップ10をボンディングする。ICチップ10は、図3で例示されるように、y軸方向において第1素子部21及び第2素子部22と重ならないようにしつつ、各引出し配線部26及び各補強支持部27上に固定される。
そして、第3工程では、図5Cで例示されるように、両面テープ40aの第1剥離シート43aを剥がして、両面テープ40aを基材シート30の下面に接着する。また、両面テープ40bの第2剥離シート45bを剥がして、ICチップ10上から、基材シート30の上面に接着する。これによって、図5Dで例示されるように、複数個(図では7個)のICタグ1が製造される。図5Dの点線部分で切り離すことによって、それぞれ独立したICタグ1として利用することができるようになる。
§2 複合タグ
[磁気タグの構成例]
次に、図6、図7、図8A及び図8Bを用いて、後述する複合タグ8に用いる磁気タグ5について説明する。図6は、本実施形態に係る磁気タグ5を模式的に例示する平面図である。図7は、本実施形態に係る磁気タグ5を模式的に例示する断面図である。また、図8A及び図8Bは、本実施形態に係る磁気タグ5の製造過程における一状態を例示する。
磁気タグ5は、所定間隔をおいて配置された複数の半硬質磁性体からなる磁気セグメント51と、これら磁気セグメント51を接続する軟磁性体の磁気テープ50と、で構成することができる。この磁気タグ5は、一般の万引き等の盗難防止を目的として使用されるもの(軟磁性体と半硬質磁性体とを組み合わせた構成)であれば、特に限定されるものではないが、軟磁性体としては、好ましくは、5mOe,1kHzの励振磁界における初透磁率が1000以上の高透磁率を持つ金属材料が良い。具体的には、Ni-Feを主成分とするパーマロイ,Fe-Si合金,アモルファス合金等が挙げられ、なかでも、Co-Fe-Si-B,Co-Fe-Ni-Si-Bを主成分とするアモルファス金属材料は、高透磁率特性を示すことから、特に好ましい。
また、軟磁性体の形態としては、円形断面、楕円断面、多角形断面を有する線材や、細幅の矩形断面を有する薄板や薄帯のものを用いることができる。また、磁化過程において、ある特定の励磁磁界(逆磁区形成限界磁界値)において急速に磁化反転を生じる大バルクハウゼン不連続という磁気特性を示すFe-Co-Si-B主成分とするアモルファス金属材料も本願発明の軟磁性体として用いることができる。
また、半硬質磁性体としては、保磁力が10エルステッド以上500エルステッド以下のものを用いることができ、種々のFe合金やCo合金を用いることができる。なかでも、Fe-Co-Cr系合金は、30エルステッド以上150エルステッド以下の優れた半硬質磁気特性を示すので、好ましい材料である。また、半硬質磁性材料としては、長さが3mm以上のものを用いれば、半硬質磁性材料が着磁した場合に軟磁性体材料に充分な失活性能を付与することができ、好ましい。
本実施形態では、このような磁気テープ50及び磁気セグメント51が、片面テープ60と両面テープ70とによって挟持されている。図7及び後述する図8Aで例示されるように、両面テープ70は、第1剥離シート73を剥がした状態で、磁気テープ50及び磁気セグメント51の下側から貼り付けられる。また、片面テープ60は、剥離シート63を剥がした状態で、磁気テープ50及び磁気セグメント51の上側から貼り付けられる。なお、図7は、磁気タグ5単体の状態を例示しており、図8A及び図8Bは、複数個の磁気タグ5を同時に作製する場合の状態を例示している。図8A及び図8Bで例示されるように、上記ICタグ1と同様に、磁気タグ5も複数個を同時に作製することができる。
なお、テープ材71は、上記両面テープ40のテープ材41と同様に構成される。各剥離シート(73、75)は、上記両面テープ40の各剥離シート(43、45)と同様に構成される。各粘着剤層(72、74)は、上記両面テープ40の各粘着剤層(42、44)と同様に構成される。
また、片面テープ60も、上側に粘着剤層及び剥離シートが設けられていない点を除いて、両面テープ70と同様に構成される。つまり、テープ材61、粘着剤層62、及び剥離シート63はそれぞれ、テープ材61、第2粘着剤層74(第1粘着剤層72)、及び第2剥離シート75(第1剥離シート73)と同様に構成される。
また、後述するように、この磁気タグ5は上記ICタグ1と重ね合わせて利用されるため、ICタグ1と同様の寸法で作製されるのが好ましい。つまり、磁気タグ5のx軸方向の長さは100mm以下が好ましい。また、磁気タグ5のy軸方向の幅は、1〜10mm程度が好ましく、3〜7mm程度が更に好ましく、3mm以下が特に好ましい。更に、磁気タグ5の厚みは、0.3〜0.6mm程度が好ましく、0.4〜0.5mm程度が更に好ましい。
[複合タグの構成例]
次に、図9及び図10を用いて、上記ICタグ1と上記磁気タグ5とによって作製される複合タグ8について説明する。図9は、本実施形態に係る複合タグ8を模式的に例示する平面図である。また、図10は、本実施形態に係る複合タグ8を模式的に例示する断面図である。
本実施形態では、図9及び図10で示されるように、磁気タグ5の上にICタグ1を重ねることで、複合タグ8が形成される。詳細には、ICタグ1の下側に貼り付けられている両面テープ40aの第2剥離シート45aを剥がし、磁気タグ5の上側からICタグ1を貼り付けることで、複合タグ8が形成される。そのため、各図のz軸方向が本発明の「積層方向」に相当する。
ここで、図9及び図10で示されるように、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50は、z軸方向においてICチップ10に重ならないように配置される。その理由を、図15を用いて説明する。なお、図15は、従来例に係る複合タグ9を模式的に例示する平面図である(例えば、特許文献1及び2)。
図15で例示されるように、従来例に係るICタグ90では、ICチップ91は、ICタグ90の構成要素の内部、具体的には、各素子部の第1領域に沿って配置されていた。そのため、従来例に係るICタグ90と磁気タグ93とを重ね合わせて複合タグ9を作製する場合に、複数の磁気セグメント932及び磁気テープ931は、ICチップ91に重なるように配置されていた。そうすると、後述する実験例でも示されるように、複数の磁気セグメント932及び磁気テープ931がICタグ90の通信性能に悪影響を与え、ICタグ90の通信距離が低下してしまう可能性があった。
そこで、本実施形態では、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50をz軸方向においてICチップ10に重ならないように配置することで、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50によるICタグ1への干渉を防止している。なお、本実施形態では、このような配置を比較的容易に実現することができる。それは、ICタグ1において、ICチップ10が、引出し配線部26を除くICタグ1の他の構成要素の外部に離間して配置されるようになっているからである。
また、本実施形態では、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50は、z軸方向において開口領域24に重ならないように配置されている。その理由は次のとおりである。開口領域24の周囲にはインピーダンス整合部23に基づくループ回路が形成される。そのため、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50で開口領域24を埋めてしまうと、インピーダンス整合部23によって行われるダイポールアンテナ20とICチップ10とのインピーダンス整合に悪影響を及ぼしてしまう可能性がある。本実施形態によれば、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50は、z軸方向において開口領域24に重ならないように配置されているため、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50が開口領域24を塞がないようにすることができる。これによって、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50がICタグ1内で行われるインピーダンス整合に悪影響を及ぼしてしまう可能性を低減することができる。
なお、本実施形態では、ICタグ1においてダイポールアンテナ20の各第1領域(211、221)のy軸方向の幅は、磁気タグ5のy軸方向の幅E(図6参照)よりも広くなっている。また、ダイポールアンテナ20の各第2領域(212、222)は、各第1領域(211、221)よりもy軸方向の幅が広くなっている。
そのため、本実施形態では、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50を各第1領域(211、221)に沿うように配置することで、y軸方向において磁気タグ5は各第1領域(211、221)内に収まる。すなわち、複数の磁気セグメント51及び磁気テープ50は、z軸方向において開口領域24及びICチップ10に重ならないように配置される。この場合、磁気タグ5は、各第1領域(211、221)を目安に配置すればよいため、比較的容易に磁気タグ5の位置決めを行うことができるようになる。
§3 実験例
次に、図11A〜図11Eを用いて、複合タグにおける磁気タグのICタグへの影響を確認した実験例を説明する。図11Aは、この実験に用いたICタグの寸法を示す平面図である。また、図11Bは、この実験に用いた磁気タグの寸法を示す平面図である。更に、図11Cは、この実験に用いた複合タグの各構成要素の厚さを示す断面図である。
図11A及び図11Cに示されるように、この実験では、従来例に係るICタグ90と同様の形状のICタグを利用した。ICタグのx軸方向の長さは95mmであり、ICタグの幅(y軸方向の長さ)は3mmである。ICタグに設けられる開口領域のx軸方向の長さは25mmであり、この開口領域の幅は1mmである。そして、各第1領域の幅は1mmであり、インピーダンス整合部の幅も1mmである。
また、ICチップ1000の厚さ(z軸方向の長さ)は0.070mmである。ダイポールアンテナ1001の厚さは0.010mmであり、基材シート1003の厚さは0.050mmである。各粘着剤層及びテープ材の厚さはそれぞれ0.025mmである。つまり、両面テープ(1002、1004)の厚さはそれぞれ0.075mmである。合計すると、ICタグの厚さは0.28mmである。
一方、図11B及び図11Cに示されるように、磁気タグ(ユニチカ株式会社、L130L−1K)の幅は1.5mmである。磁気テープ1005の幅は0.5〜0.6mmである。そして、磁気セグメント1006のx軸方向の長さは5mmであり、隣接する磁気セグメント1006間のx軸方向の長さは6mmである。
また、磁気テープ1005の厚さは、0.035mmであり、磁気セグメント1006の厚さは0.050mmである。また、片面テープ1007の厚さは0.050mmであり、両面テープ1008の厚さは0.075mmである。そのため、磁気タグの厚さは、0.21mmである。
このようなICタグと磁気タグとを用いて、複数の磁気セグメント1006及び磁気テープ1005がICチップ1000にz軸方向において重なっている複合タグ1100(実験例1)と、重なっていない複合タグ1200(実験例2)を作製した。図11Dは、実験例1の構成を模式的に例示する平面図である。また、図11Eは、実験例2の構成を模式的に例示する平面図である。
実験例1では、図11Dで例示されるように、磁気タグは、ダイポールアンテナ1001の各第1領域に沿うように配置されている。そのため、各第1領域に沿って配置されているICチップ1000は、複数の磁気セグメント1006及び磁気テープ1005とz軸方向において重なり合う。一方、実験例2では、図11Eで例示されるように、磁気タグは、インピーダンス整合部に沿うように配置されている。そのため、ICチップ1000は、複数の磁気セグメント1006及び磁気テープ1005とz軸方向において重なっていない。
これらの複合タグ(1100、1200)について、920MHzの周波数帯におけるICタグの通信距離を計測した。この通信距離の計測には、UHF帯ICタグハンディリーダライタ(型番:XIT−260−G)を用いた。測定結果を表1に示す。なお、x軸方向、y軸方向、及びz軸方向は、各図のx軸、y軸及びz軸に対応する。また、x軸方向の通信距離は、x軸方向における複合タグの端部から測定した。
なお、磁気タグと重ね合わせない状態でICタグの通信距離を測定した場合、x軸方向の通信距離は20cm〜25cmであり、y軸方向の通信距離は105cm〜125cmであり、z軸方向の通信距離は98cm〜122cmであった。この結果から、以下のことが言える。
複数の磁気セグメント1006及び磁気テープ1005をICチップ1000にz軸方向において重ね合わせた実験例1では、各方向の通信距離が顕著に短くなった。特に、x軸方向及びz軸方向の通信距離が短くなった。一方、複数の磁気セグメント1006及び磁気テープ1005がICチップ1000にz軸方向で重ね合わさっていない実験例2では、各方向ともに通信距離はそれほど低下しなかった。つまり、これらの実験例から、複数の磁気セグメント1006及び磁気テープ1005をICチップ1000にz軸方向において重ね合わせた場合に、ICタグの通信距離が著しく低下してしまう可能性があることが分かった。なお、実験例2において、y軸方向及びz軸方向の通信距離が若干低下している理由は、磁気タグがICタグの開口領域を若干塞いでいるからと考えられる。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。上記ICタグ1等の具体的な構成に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び、追加が行われてもよい。また、本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、ICチップ10に保持される情報は、実施の形態に応じて、適宜、設定されてよい。また、ICタグ1のx軸方向の長さA、y軸方向の長さB等の上記各長さは、実施の形態に応じて、適宜、設定されもよい。更に、上記複合タグ8のICタグ1と磁気タグ5とのz軸方向の位置関係は入れ替わってもよい。
また、各第1領域(211、221)及び各第2領域(212、222)の形状は、矩形状に限られなくてもよく、実施の形態に応じて、適宜、設定されてもよい。例えば、各第2領域(212、222)は、メアンダ状のように蛇行する形状であってもよい。また、各第2領域(212、222)の幅は、各第1領域(211、221)よりも広くなくてもよく、実施の形態に応じて、適宜、設定されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、各図のx軸方向、すなわち、ダイポールアンテナ20の軸方向と一致する方向として、本発明の「第1方向」を説明した。しかしながら、本発明の「ダイポールアンテナの軸方向に沿う第1方向」は、ダイポールアンテナの軸方向と一致する方向に限られなくてもよく、アンテナとして利用可能な程度にダイポールアンテナの軸方向からずれてもよい。本発明の「第2方向」についても同様である。なお、本発明の「第2方向」は、「第1方向」と90度で交わっている状態の他、アンテナとして利用可能な程度に90度からずれてもよい。更に、各第1領域(211、221)と各第2領域(212、222)とは、必ずしも直線状に連結されていなくてもよく、アンテナとして利用可能な程度にずれて連結されていてもよい。
また、各引出し配線部26及び各補強支持部27の形状は、実施の形態に応じて、適宜、設計されてもよい。例えば、図12A〜図12Cで例示されるように、各引出し配線部26及び各補強支持部27が形成されてもよい。図12A〜図12Cはそれぞれ、変形例に係る各引出し配線部26とICチップ10との接続状態を模式的に例示する拡大図である。
図12Aで示される変形例では、第1素子部21の端部2111の一部が、第2素子部22の端部2211とは異なり、y軸方向正の向きに削られている。このように、第1素子部21の第1領域211における端部2111と第2素子部22の第1領域221における端部2211とは互いに形状が一致していなくてもよい。
また、第2引出し配線部26bは、x軸正の向きにも延びるL字状に形成されている。このように、引出し配線部26は矩形状に形成されず、L字状に形成されてもよいし、その他の形状に形成されてもよい。
更に、ICチップ10は、スリット25からx軸方向正の向きにずれて配置される。このように、ICチップ10は、上記実施形態のようにスリット25に合わせて配置されてもよいし、スリット25からずれて配置されてもよい。ICチップ10に接続する部分(引出し配線部26等)は、このように必ずしも左右対称になっていなくてもよい。
また、図12Bで示される変形例では、第2素子部22の端部2211の一部が、y軸方向正の向きに削られている。そして、第1引出し配線部26aは、第1パッド11ではなく、第2パッド12に接続している。このICチップ10は、第2パッド12及び第4パッド14の組み合わせでも導通させることができるため、この変形例のように、第1引出し配線部26aは、第1パッド11ではなく、第2パッド12に接続してもよい。
更に、図12Cで例示される変形例では、第1素子部21の端部2111から、2つの第1引出し配線部26aが延びており、それぞれ、第1パッド11及び第2パッド12と接続している。このICチップ10は、第1パッド11及び第2パッド12並びに第4パッド14の組み合わせでも導通させることができるため、この変形例に用に、第1引出し配線部26aは、第1パッド11だけではなく、第2パッド12とも接続してもよい。なお、接続関係を第1素子部21と第2素子部22とで反転させても同様のことがいえることは明らかである。
1…ICタグ(RFIDタグ)、
10…ICチップ、
11…第1パッド、12…第2パッド、13…第3パッド、14…第4パッド、
20…ダイポールアンテナ、
21…第1素子部、211…第1領域、212…第2領域、
2111…(第1領域の)端部、 2121…(第2領域の)端部、
22…第2素子部、221…第1領域、222…第2領域
2211…(第1領域の)端部、 2221…(第2領域の)端部、
23…インピーダンス整合部、
24…開口領域(隙間領域)、25…スリット
26a…第1引出し配線部、26b…第2引出し配線部、
27a…第1補強支持部、27b…第2補強支持部、
30…基材シート、
40a、40b…両面テープ、41a、41b…テープ材、
42a、42b…第1粘着剤層、43a、43b…第1剥離シート、
44a、44b…第2粘着剤層、45a、45b…第2剥離シート、
5…磁気タグ、
50…磁気テープ、51…磁気セグメント、
60…片面テープ、61…テープ材、62…粘着剤層、63…剥離シート、
70…両面テープ、71…テープ材、72…第1粘着剤層、
73…第1剥離シート、74…第2粘着剤層、75…第2剥離シート、
8…複合タグ、
9…複合タグ、
90…ICタグ、
91…ICチップ、
92…ダイポールアンテナ、
921…第1素子部、9211…第1領域、9212…第2領域、
922…第2素子部、9221…第1領域、9222…第2領域、
923…インピーダンス整合部、
924…開口領域、925…スリット、
926、927…補強支持部、
93…磁気タグ、931…磁気テープ、932…磁気セグメント、
1000…ICチップ、1001…ダイポールアンテナ、
1002…両面テープ、1003…基材シート、1004…両面テープ、
1005…磁気テープ、1006…磁気セグメント、
1007…片面テープ、1008…両面テープ、
1100…複合タグ、1200…複合タグ





Claims (9)

  1. ICチップと、
    前記ICチップに電気的に接続されるダイポールアンテナと、
    を備え、
    前記ダイポールアンテナは、
    前記ダイポールアンテナの軸方向に沿う第1方向に延びる第1領域及び第2領域を有し、当該第1領域は当該第2領域と連結している第1素子部と、
    前記第1方向に延びる第1領域及び第2領域を有し、当該第1領域は当該第2領域と連結している第2素子部であって、前記第1素子部の第1領域における端部と当該第2素子部の第1領域における端部とが前記第1方向において所定間隔をあけて対向するように配置される第2素子部と、
    前記第1素子部における第2領域及び前記第2素子部における第2領域を連結することで、前記第1方向と直交する第2方向において前記第1素子部及び前記第2素子部それぞれの前記第1領域との間に隙間領域を形成し、前記ICチップと前記ダイポールアンテナとの間でインピーダンス整合をとるインピーダンス整合部と、
    前記第1素子部及び前記第2素子部それぞれの第1領域における端部から前記インピーダンス整合部とは前記第2方向の反対側に延びる一対の引出し配線部と、を備え、
    前記ICチップは、前記第1素子部及び前記第2素子部とは重ならないように前記一対の引出し配線部に連結することで、前記ダイポールアンテナに電気的に接続される、
    ICタグ。
  2. 前記各第2領域の前記第2方向の幅は、前記各第1領域よりも大きく、
    前記各第1領域は、前記各第2領域の端部に接続され、
    前記インピーダンス整合部は、前記第1素子部の第2領域、及びこれと前記第1方向で対向する前記第2素子部の第2領域の前記端部同士を連結する、
    請求項1に記載のICタグ。
  3. 前記各引出し配線部の端部から前記第2方向において所定間隔をあけてそれぞれ配置される一対の補強支持部を更に備え、
    前記ICチップは、矩形状に形成されることで、4つの角を有し、
    前記各引出し配線部の端部及び前記各補強支持部は、前記ICチップの4つの角のいずれかを支持する、
    請求項1又は2に記載のICチップ。
  4. 前記第2方向の幅が3mm以下である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のICタグ。
  5. 前記第1方向の長さが100mm以下である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のICタグ。
  6. 前記各第1領域からの前記各引出し配線部の前記第2方向における長さが0.05mm以上1.0mm以下である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のICタグ。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のICタグと、
    前記第1方向に所定間隔をおいて配置された複数の磁気セグメント、及び前記複数の磁気セグメントを前記第1方向に接続する磁気テープ、を有する磁気タグと、
    を備え、
    前記磁気タグは、前記ICタグに重ね合わせられており、
    前記複数の磁気セグメント及び前記磁気テープは、前記ICタグ及び前記磁気タグの積層方向において前記ICチップに重ならないように配置される、
    複合タグ。
  8. 前記複数の磁気セグメント及び前記磁気テープは、更に前記隙間領域に重ならないように、前記ICタグに重ね合わされる、
    請求項7に記載の複合タグ。
  9. 前記各第1領域及び前記各第2領域の前記第2方向の幅は、前記複数の磁気セグメント及び前記磁気テープの前記第2方向の幅よりも大きく、
    前記複数の磁気セグメント及び前記磁気テープは、前記第2方向において、前記各第1領域及び前記各第2領域に収まるように配置されることで、前記ICチップ及び前記隙間領域に重ならないように、前記ICタグに重ね合わされる、
    請求項8に記載の複合タグ。
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