JP2013209528A - 重質残油の水素化精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い脱硫活性と高い脱窒素活性の両方を満足する、流動接触分解重質残油(CLO)の水素化精製方法を提供する
【解決手段】流動接触分解重質残油(CLO)の水素化精製において、140〜200Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンまたはタングステンが担持された触媒と65〜110Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンが担持された触媒とを積層した触媒システムを用いることでCLO中の硫黄および窒素を高度に除去することができた。
【選択図】なし

Description

本発明は水素の存在下で流動接触分解重質残油中の硫黄および窒素を除去する水素化精製方法に関する。
近年、硫黄含有量が低いクリーンな液体燃料への要求が急速に高まってきている。これに呼応して燃料油製造業界においても既に種々のクリーン燃料製造法が検討されている。特にガソリンにおいては硫黄分10質量ppm以下の規制があり、そのため石油会社は触媒の改良や設備の増設等によりクリーン燃料を製造する体制をとってきた。例えば、ガソリンの主基材は流動接触分解装置(FCC)で生成する分解ガソリンであり、その硫黄分を高度に除去するために流動接触分解の原料である減圧軽油の硫黄分を事前に除去してきた。
このFCC装置で処理する原料は、間接脱硫装置で水素化精製された減圧軽油(VGO:一般に沸点範囲が340℃〜550℃)単独または直接脱硫装置で水素化精製された常圧残油留分(AR:一般に沸点範囲が340℃以上)を一部混合した油である。これらを原料とし、FCC装置ではガソリンを主に製造するが、ガソリン以外にボトム分として重質残油(CLO:一般に沸点340℃以上)が得られ、これは重油基材として一般に使用されている。また、CLOは重油基材以外にコークス製造の原料として使用することも可能である。
しかしながら、CLOを原料として電極材料となるコークスを製造する場合、CLO中の硫黄分および窒素分を高度に除去する必要がある。
CLOなどの重質油を原料としたコークス製造に関しては、例えば非特許文献1〜3に開示されており、積極的な研究がなされてきた。
通常の減圧軽油の水素化精製(間接脱硫)に関する報告は、例えば特許文献1および2に開示されており、多くの研究例がある。しかしながら、コークス製造の原料となるCLOの水素化精製は、沸点範囲が減圧軽油と大部分重複するにもかかわらず、研究報告例は無いに等しい。特に、常圧残油留分を原料とした直接脱硫装置の生成油を原料としてFCC装置で得られたCLOを一部原料とするコークス製造に関する研究例はない。
特開2010−221117号公報 特開2010−221118号公報
「Carbon」,Vol.25,1987年,p259−264 「Carbon」,Vol.26,1988年,p49−55 「Carbon」,Vol.27,1989年,p359−365
上述のように、コークス製造の原料であるCLOの水素化精製においては、その触媒技術は未完成といえる。これは、CLOが熱分解残渣油のために、通常のVGOと比較して芳香族炭化水素類を多く含有しているので、高度な脱硫および脱窒素が困難なためと思われる。
触媒性能として高い脱硫活性が得られないとCLOの水素化精製処理量が下がることになり、または触媒寿命が短くなることになるので、生産性が悪化する。
本発明の目的は、高い脱硫活性と高い脱窒素活性の両者を満足する、CLOの水素化精製方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、140〜200Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンまたはタングステンを含有する触媒と65〜110Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンを含有する触媒とを積層した触媒システムを用いることで、水素気流下で流動接触分解重質残油(CLO)中の硫黄および窒素を高度に除去できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、140〜200Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンまたはタングステンを含有する触媒と65〜110Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンを含有する触媒とを積層した触媒システムを用いることを特徴とする、水素気流下で流動接触分解重質残油中の硫黄および窒素を除去する水素化精製方法に関する。
本発明に係る140〜200Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンまたはタングステンを含有する触媒と65〜110Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンを含有する触媒とを積層した触媒システムを用いて流動接触分解重質残油を水素化精製することにより、流動接触分解重質残油中の硫黄および窒素を高度に除去することができる。
以下に本発明を詳述する。
本発明において流動接触分解重質残油(CLO)とは、石油精製における流動接触分解装置(FCC)で処理した際の生成油ボトム(塔底油)で、沸点が340〜550℃の留分を70容量%以上、好ましくは90容量%以上含んだ留分である。FCCで処理される油は特に限定されないが、石油系の直留VGO、石油系の直接脱硫装置で得られた生成油、オイルサンド由来のVGOまたはこれらを水素化精製した生成油などを挙げることができる。
特に直接脱硫装置で得られた生成油をFCC処理して得られるCLOが含まれる場合、本発明の効果は大きくなる。
本発明における触媒システムは前段触媒と後段触媒からなる。
初めに前段触媒について説明する。前段触媒の担体の85質量%以上を占める主成分として、アルミナ、シリカアルミナ、アルミナボリア、アルミナジルコニア、アルミナチタニア、またはこれらを組合せたものを挙げることができ、好ましくはアルミナおよびシリカアルミナである。また、これら担体にリンを担体基準で0.5〜5質量%含有しても良い。リンを含有させることにより脱硫活性が向上するので好ましい。また、後述する金属を担持して得られる触媒の平均細孔径は140〜200Åの範囲にあることが重要である。140Å未満では脱硫活性が低下する傾向にあるので好ましくない。また、200Åを超えると、触媒強度が大きく減少し実用に耐えられなくなる傾向にあるので好ましくない。
なお、本発明において、担体の平均細孔径は水銀圧入法の方法またはBJH法により求められる値である。
上記担体に担持する金属としてモリブテンまたはタングステンが必須である。その担持量は、その酸化物基準で触媒全量に対して3〜22質量%であることが好ましく、より好ましくは8〜15質量%である。3質量%未満では十分な脱硫および脱窒素活性が得られない傾向にあるので好ましくない。また、22質量%を超えると金属が凝集し、脱硫活性が減少する傾向にあるので好ましくない。
脱硫活性を更に向上させるために、助触媒としてニッケルおよび/またはコバルトを使用することができる。助触媒の担持量は、その酸化物基準で触媒全量に対して0.2〜12質量%が好ましく、1〜10質量%が更に好ましい。
触媒システム全体に対する前段触媒の割合は、10〜30容量%が好ましく、15〜25容量%が更に好ましい。10容量%未満または30容量%を超えると、脱硫活性が低下する傾向にあるので本発明の効果を発揮できなくなるので好ましくない。
次に後段触媒について説明する。後段触媒の担体の85質量%以上を占める主成分として、アルミナ、シリカアルミナ、アルミナボリア、アルミナジルコニア、アルミナチタニアを挙げることができ、好ましくはアルミナボリア、シリカアルミナ、アルミナチタニアであり、特に好ましくはアルミナボリア、アルミナチタニアである。また、これら担体にリンを担体基準で0.5〜5質量%含有しても良い。リンを含有させることにより脱硫活性が向上するので好ましい。また、金属担持後の触媒の平均細孔径は65〜110Åの範囲にあることが重要であり、好ましくは70〜100Å、さらに好ましくは80〜95Åである。65Å未満または110Åを超えると脱硫活性が低下する傾向にあるので好ましくない。
上記担体に担持する金属としてモリブテンが必須である。その担持量は、その酸化物基準で触媒全量に対して15〜22質量%であることが好ましく、より好ましくは17〜20質量%である。15質量%未満では十分な脱硫および脱窒素活性が得られない傾向にあるので好ましくない。また、22質量%を超えると金属が凝集し、脱硫活性が減少する傾向にあるので好ましくない。
脱硫活性を更に向上させるために、助触媒としてコバルトおよび/またはニッケルを使用することができる。助触媒の担持量は、その酸化物基準で触媒全量に対して0.2〜10質量%が好ましく、1〜8質量%が更に好ましい。
触媒システム全体に対する後段触媒の割合は、70〜90容量%が好ましく、75〜85容量%が更に好ましい。70容量%未満または90容量%を超えると、脱硫活性が低下する傾向にあるので本発明の効果を発揮できなくなるので好ましくない。
後段触媒を担持金属種が異なる以下に示す上段触媒と下段触媒との積層システムとして使用することもできる。特に水素消費量が問題となり運転が困難な水素化精製装置に対しては、水素消費量を抑えつつ、脱硫活性および脱窒素活性を更に高めることができる。すなわち、上段触媒はモリブテン、コバルトおよびニッケルを含有し、下段触媒はモリブテンおよびニッケルを含有する。後段触媒全体に対する上段触媒の割合は50〜90容量%が好ましい。50容量%未満では脱硫活性が向上するが水素消費量が多くなる傾向にあるので好ましくない。また、90容量%を超えると水素消費量が減少するものの、脱硫活性が低下する傾向にあるので好ましくない。
前段触媒および後段触媒において、担体に金属を担持する方法として含浸法を挙げることができる。含浸法では全ての金属を同時に担持することが望ましい。例えば、モリブテンとコバルトとを初めに同時含浸し、その後ニッケルのみを担持した場合、高い脱硫活性が得られるものの、脱窒素活性はやや低くなる傾向にある。また、モリブテンとニッケルとを初めに同時含浸し、その後コバルトのみを担持した場合、脱硫活性および脱窒素活性がやや低くなる傾向にある。
上述の組成を有する触媒をCLOの水素化精製触媒として使用する場合、活性を発現させるために予備硫化処理を行う。
本発明における予備硫化条件は、水素分圧が2MPa以上において硫化剤を流通させ、昇温後の最高温度が240〜380℃、好ましくは250〜350℃である。水素分圧が2MPa未満の場合、モリブテンまたはタングステンの硫化度合いが低く、脱硫活性および脱窒素活性が低くなる傾向にあるので好ましくない。また、予備硫化時の最高温度が240℃未満ではモリブテンまたはタングステンの硫化の度合いが低く、380℃を超えるとコーキングが起こり、脱硫活性が低下する傾向にあるので好ましくない。予備硫化処理で使用される硫化剤として、製油所の水素化精製で用いられる硫化水素、二硫化炭素、ジメチルジスルフィドなどを挙げることができる。
本発明におけるCLOの水素化精製は、固定床反応装置に触媒を充填して水素雰囲気下、高温高圧条件で行なわれる。
反応圧力(水素分圧)は4〜12MPaであることが好ましく、より好ましくは5〜11MPaである。4MPa未満では脱硫および脱窒素が著しく低下する傾向にあり、また、12MPaを超えると水素消費が大きくなり運転コストが増加するので好ましくない。
反応温度は280〜400℃の範囲が好ましく、より好ましくは300〜360℃である。280℃未満では脱硫および脱窒素活性が著しく低下する傾向にあり実用的でない。また、400℃を超えると触媒劣化が顕著になると共に、反応装置の耐熱温度(通常約425℃)に近づくため好ましくない。
液空間速度は特に制限されないが、0.2〜3h−1が好ましく、より好ましくは0.5〜2h−1である。0.2h−1未満では処理量が低いので生産性が低くなり実用的ではない。また、3h−1を超えると反応温度が高くなり、触媒劣化が速くなるので好ましくない。
水素/油比は180〜700Nm/mであることが好ましく、より好ましくは250〜600Nm/mである。水素/油比が180Nm/m未満では脱硫活性が低下するので好ましくない。また、700Nm/mを超えると脱硫活性に大きな変化がない一方で運転コストが増加するだけなので好ましくない。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(触媒1の製造)
塩基性アルミニウム塩水溶液と酸性アルミニウム塩水溶液とを中和して得られたアルミナ水和物スラリー(Al換算で3kg)を洗浄して副生塩を除去し得たアルミナ水和物をpH10.5に調整し、95℃で10時間熟成した。熟成終了後のスラリーを脱水し、所定の水分量までニーダーで濃縮捏和し、アルミナ捏和物を得た。得られたアルミナ捏和物に硝酸50gを添加し、再度所定の水分量まで濃縮捏和した後、1.8mmの円柱形状に成型し110℃で乾燥した。乾燥した成型品は550℃の温度で3時間焼成し、担体を得た。この担体中のアルミナ量は100質量%であった。
得られた担体1kgを取り出し、これに硝酸ニッケル562gをメタタングステン酸アンモニウム571gに溶解した溶液を用いて金属を担持した。
この含浸品を乾燥した後、550℃で1時間焼成して目的の触媒1を得た。触媒の平均細孔径を測定すると150Åであった。本発明での平均細孔径は、水銀圧入法により測定したものであり、水銀の表面張力480dyne/cm、接触角140°を用いて計算した値である。酸化ニッケルおよび酸化タングステンの含有量は、触媒基準でそれぞれ10質量%および20質量%であった。
(触媒2の製造)
担体調製において、硝酸50gの替わりに、硝酸150gとホウ酸280gを用いたこと以外は触媒1と同様の調製を行い、担体を得た。この担体中のアルミナ量は95質量%、ボリア量は5質量%であった。
次いで三酸化モリブデン263g、塩基性炭酸ニッケル24g及び炭酸コバルト65gをイオン交換水で懸濁し、この懸濁液にリンゴ酸132gを加えて溶解させた含浸液を得、前述の担体1kgに噴霧含浸させた。この含浸品を乾燥した後、550℃で1時間焼成して目的の触媒2を得た。触媒の平均細孔径を測定すると80Åであった。酸化ニッケル、酸化コバルトおよび酸化モリブデンの含有量は、触媒基準でそれぞれ1質量%、3質量%および20質量%であった。
(触媒3の製造)
担体調製において、硝酸100gとホウ酸280gを用いたこと、含浸液調製において、三酸化モリブデン260g、塩基性炭酸ニッケル71gを用いたこと以外は触媒2と同様の調製を行い、触媒3を得た。この担体中のアルミナ量は95質量%、ボリア量は5質量%で、触媒の平均細孔径は88Åであった。酸化ニッケルおよび酸化モリブデンの含有量は、触媒基準でそれぞれ3質量%および20質量%であった。
(触媒4の製造)
担体調製において、硝酸を用いなかったこと、含浸液調製において、三酸化モリブデン231g、塩基性炭酸ニッケル93gを用いたこと以外は触媒1と同様の調製を行い、触媒4を得た。この担体中のアルミナ量は100質量%であった。触媒の平均細孔径は180Åであり、酸化ニッケルおよび酸化モリブデンの含有量は、触媒基準でそれぞれ4質量%および18質量%であった。
(触媒5の製造)
担体調製において、硝酸を用いなかったこと、ホウ酸の代わりに市販シリカゾルS−20L(日揮触媒化成(株)製)306gを用いたこと以外は触媒2と同様の調製を行い、担体を得た。この担体中のアルミナ量は98質量%、シリカ量は2質量%であった。含浸液調製においては触媒4と同様の調製を行い、触媒5を得た。触媒の平均細孔径は180Åであり、酸化ニッケルおよび酸化モリブデンの含有量は、触媒基準でそれぞれ4質量%および18質量%であった。
(触媒6の製造)
TiO濃度換算で5質量%硫酸チタニル水溶液6kgに25質量%硫酸4.1kgを入れ、攪拌しながらSiO濃度換算で8.5質量%水ガラス31.8kgを一定速度で滴下した。この溶液にpHが7.2になるまで15%アンモニア水を入れ、シリカチタニアスラリー水和物を得た。以降は触媒1と同様の調製を行い、担体を得た。この担体中のシリカ量およびチタニア量は90質量%および10質量%であった。
含浸液調製において、三酸化モリブデン245g、塩基性炭酸ニッケル12g及び炭酸コバルト63gを用いたこと以外は触媒2と同様の調製を行い、触媒6を得た。触媒の平均細孔径は78Åであり、酸化ニッケル、酸化コバルトおよび酸化モリブデンの含有量は、触媒基準でそれぞれ0.5質量%、3質量%および19質量%であった。
(触媒7の製造)
担体調製において、硝酸50gとホウ酸の代わりに市販シリカゾルS−20L306gを用いたこと以外は触媒2と同様の調製を行い、担体を得た。この担体中のアルミナ量は98質量%、シリカ量は2質量%であった。含浸液調製においては触媒4と同様の調製を行い、触媒7を得た。触媒の平均細孔径は150Åであり、酸化ニッケルおよび酸化モリブデンの含有量は、触媒基準でそれぞれ4質量%および18質量%であった。
[予備硫化方法]
流通式固定床反応装置に触媒を充填し、混合ガス(水素:硫化水素=97容量%:3容量%)を30L/時間の流速で流しながら、全圧6MPaにて反応塔を室温から10℃/分の速度で昇温し、240℃で4時間保持した後、再び340℃まで10℃/分の速度で昇温し、340℃で24時間保持し予備硫化を終了する。
(実施例1)
固定床反応塔に入り口から触媒1および触媒2をそれぞれ20ml、80ml充填し、予備硫化を行った。その後、流動接触分解重質残油(沸点範囲342〜548℃、硫黄分0.54質量%、窒素分0.077質量%)を70ml/時間の速度で流通し、水素気流下で水素化精製を行なった。この時の反応条件は、水素分圧6MPa、液空間速度0.7h−1、水素/油比460Nm/m、反応温度310℃および330℃である。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(比較例1)
触媒1を使用せずに、触媒2を100ml使用したこと以外は、実施例1と同様の予備硫化および水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(比較例2)
触媒2を使用せずに、触媒1を100ml使用したこと以外は、実施例1と同様の予備硫化および水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(実施例2)
固定床反応塔に入り口から触媒1、触媒2および触媒3をそれぞれ20ml、50ml、30ml充填したこと以外は、実施例1と同様の予備硫化および水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(比較例3)
触媒1を使用せずに、触媒2および触媒3をそれぞれ62.5ml、37.5ml使用したこと以外は、実施例2と同様の予備硫化および水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(実施例3)
触媒2の代わりに触媒3を使用したこと、および水素分圧を8MPaに変更したこと以外は、実施例1と同様の水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(比較例4)
触媒1を使用せずに触媒3を100ml使用したこと以外は、実施例3と同様の水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(実施例4)
触媒1の代わりに触媒4を使用したこと、および水素分圧を8MPaに変更したこと以外は、実施例1と同様の水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(比較例5)
触媒4を使用せずに、触媒2を100ml使用したこと以外は、実施例4と同様の水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(実施例5)
触媒1の代わりに触媒5を使用したこと、および触媒2の代わりに触媒6を使用したこと以外は、実施例1と同様の水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(比較例6)
触媒5を使用せずに、触媒6を100ml使用したこと以外は、実施例5と同様の水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(実施例6)
固定床反応塔に入り口から触媒7、触媒6および触媒3をそれぞれ15ml、60ml、25ml充填したこと、および水素分圧を5MPaとしてこと以外は、実施例1と同様の水素化精製を行なった。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
(比較例7)
触媒7を使用せずに、触媒6および触媒3をそれぞれ70.6ml、29.4ml使用したこと以外は、実施例6と同様の水素化精製を行った。各反応温度における脱硫率および脱窒素率の結果を表1に示す。
Figure 2013209528
以上のように、140〜200Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンまたはタングステンが担持された触媒と65〜110Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンが担持された触媒とを積層した触媒システムを用いることで、水素気流下で流動接触分解重質残油(CLO)中の硫黄および窒素を高度に除去できることができる。

Claims (6)

  1. 140〜200Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンまたはタングステンを含有する触媒と65〜110Åの範囲の平均細孔径を有しモリブテンを含有する触媒とを積層した触媒システムを用いることを特徴とする、水素気流下で流動接触分解重質残油中の硫黄および窒素を除去する水素化精製方法。
  2. 140〜200Åの範囲の平均細孔径を有する触媒がさらにニッケルおよび/またはコバルトを含有することを特徴とする請求項1に記載の水素化精製方法。
  3. 65〜110Åの範囲の平均細孔径を有する触媒がさらにニッケルおよび/またはコバルトを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の水素化精製方法。
  4. 65〜110Åの範囲の平均細孔径を有する触媒が、モリブデン、ニッケルおよびコバルトを含有する触媒とモリブデンとニッケルを含有する触媒の2種類からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水素化精製方法。
  5. 140〜200Åの範囲の平均細孔径を有する触媒が全触媒量に対して10〜30容量%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水素化精製方法。
  6. 水素化精製における水素分圧が4〜12MPa、反応温度が280〜400℃、水素/油比が180〜700Nm/m、液空間速度が0.2〜3.0h−1であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の流動接触分解重質残油の水素化精製方法。
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