JP2013205813A - 保持枠付き光学素子及びその製造装置並びに保持枠付き光学素子の製造方法 - Google Patents

保持枠付き光学素子及びその製造装置並びに保持枠付き光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学素子に傷や汚れを付けることなく、製造・組立工程における光学素子のハンドリング性を向上できる保持枠付き光学素子、保持枠付き光学素子の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】外周が円環状の光学素子の一例としてのレンズ部11と、光学素子の外周の少なくとも一部に接合される保持枠13と、が一体に成形された保持枠付き光学素子100であって、レンズ部11と保持枠13とが互いに相溶性のない材料からなり、相互に分離可能に接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、保持枠付き光学素子及びその製造装置並びに保持枠付き光学素子の製造方法に関する。
携帯電話やデジタルカメラ等の機器に搭載される撮像部の光学系には、小型のレンズが搭載されている。この種のレンズは、射出成形や圧縮成形、又はこれらを組み合わせて成形される。しかし、射出成形により成形されるレンズは、金型から成形品を取り出してレンズを切り出す際、ゲート切断により破断片等のゴミが発生しやすい。このとき発生するゴミは、製品の歩留まり低下を招く一原因になり得る。一方、圧縮成形により成形されるレンズは、ゲート切断工程がないため上記ゴミの発生は無いが、レンズの外径寸法や外径部の形状が不安定になる不利がある。さらに、光学系の組立工程におけるレンズのハンドリングでは、レンズの外径部を把持する方式では安定しないため、レンズ面を吸着してレンズを支持する方式を採用している。このようなレンズ面の吸着支持構造は、例えば特許文献1に記載されている。
特開平7−81949号公報
ところが、特許文献1のようにレンズ面を真空吸着すると、精密に加工されたレンズ面に真空吸着ノズルを押し当てるため、レンズ面の汚れやキズ付きが生じることがあり、これにより歩留まりが低下するおそれがある。
そこで本発明は、光学素子に傷や汚れを付けることなく、製造・組立工程における光学素子のハンドリング性を向上できる保持枠付き光学素子及びその製造装置並びに保持枠付き光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
(1) 外周が円環状の光学素子と、光学素子の外周の少なくとも一部に接合される保持枠と、が一体に成形された保持枠付き光学素子であって、光学素子と保持枠とが互いに相溶性のない材料からなり、相互に分離可能に接合された保持枠付き光学素子。
(2) 一対の成形型により、互いに相溶性のない材料からなる光学素子と、保持枠とを一体に成形加工する保持枠付き光学素子の製造装置であって、一対の成形型の型閉時に形成されるキャビティが、外周が円環状を呈する光学素子を成形するための圧縮成形用空間と、圧縮成形用空間の外周縁の一部に沿って接合され保持枠を成形するための射出成形用空間とを有し、射出成形用空間が、圧縮成形用空間の外周縁のうち、圧縮成形用空間の中心軸に対して60°以上、190°以下の中心角の範囲に配置された保持枠付き光学素子の製造装置。
(3) 一対の成形型により、外周が円環状の光学素子と、光学素子の外周の少なくとも一部に接合される保持枠と、を一体に成形加工する保持枠付き光学素子の製造方法であって、一対の成形型の型閉時に形成されるキャビティが、光学素子を成形するための圧縮成形用空間と、圧縮成形用空間の外周縁の一部に接続され保持枠を成形するための射出成形用空間とを有し、成形型の圧縮成形用空間に圧縮成形材料を投入し、型閉じして成形型の転写面を圧縮成形材料に転写する圧縮成形工程と、成形型の型閉じ状態で射出成形用空間に射出成形材料を射出して、圧縮成形された圧縮成形材料の外周縁の一部に射出成形部を形成する射出成形工程と、を含み、圧縮成形材料と射出成形材料とが、互いに相溶性のない材料をからなる保持枠付き光学素子の製造方法。
本発明によれば、光学素子に傷や汚れを付けることなく、製造・組立工程における光学素子のハンドリング性を向上できる。
本発明の実施形態を説明するための図で、保持枠付き光学素子の模式的な外観図である。 図1の保持枠付き光学素子からレンズ部を取り出してレンズフレーム内に挿入するレンズの組立工程を示す模式的な説明図である。 図1の保持枠付き光学素子からレンズ部を取り出してレンズフレーム内に挿入するレンズの組立工程を示す模式的な説明図である。 図1の保持枠付き光学素子を成形する成形用金型の模式的な断面図である。 成形型の胴部示す模式的な外観図である。 図3の成形用金型を用いた圧縮成形工程と射出成形工程を説明する模式的な断面図である。 図1の保持枠付き光学素子の他の例を示す模式的な外観図である。 図7の保持枠付き光学素子を成形する成形用金型の模式的な断面図である。 図8の保持枠付き光学素子を成形する成形用金型を用いた圧縮成形工程と射出成形工程を説明する模式的な断面図である。 保持枠付き光学素子の中心角の意義を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態を説明するための図で、保持枠付き光学素子100の模式的な外観図である。
保持枠付き光学素子100は、外周が円環状の光学素子であるレンズ部11と、レンズ部11の外周の少なくとも一部に接合される保持枠13とを有する。
レンズ部11は、平面視円形であって、表裏に凸面の光学面と円環状の側面を有するレンズ本体部11Aと、レンズ本体部11Aと一体成形された円環状のリブ11Bを有する。
なお、レンズ部11は、平面視円形のものであればよい。例えば、レンズ本体部11Aは、両凹レンズ、メニスカスレンズや非球面レンズ等を構成するための任意の光学面を採用することができる。
レンズ部11の外周には、保持枠13が、レンズ部11に対して相互に分離可能に接合されている。保持枠13は、レンズ部11のリブ11Bに接合する円弧部15と、レンズ部11の外周から外側に向けて延出されたハンドル部17とを有する。
保持枠13は、レンズ部11の外周のうち、レンズ本体部11Aのレンズ光軸Oを中心に、60°以上、190°以下の中心角θの円弧範囲でレンズ部11と接合される。なお、好ましくは、60°≦θ≦180°、更に好ましくは90°≦θ≦120°がよい。中心角θは、保持枠13のハンドル部17の延出方向である軸線Lにより二等分されるよう、軸線Lに対して対称に設定されるのが望ましい。
ハンドル部17は、円弧部15と一体に形成され、円弧部15からレンズ部11の半径方向外側に延出する。なお、ハンドル部17は、円弧部15からレンズ部11の光軸に沿って延出された構成等、他の方向に延出されていてもよい。
レンズ部11と保持枠13は、互いに相溶性のない材料(樹脂)で形成される。すなわち、レンズ部11と保持枠13は、互いに非相溶性の関係にある材料で形成される。ここで、非相溶性の関係は、各材料の表面自由エネルギー(極性)に依存する。一般に、ポリオレフィン系のポリプロピレン樹脂(PP)やポリエチレン樹脂(PE),シクロオレフィン系のシクロオレフィンポリマー樹脂(COP)等の表面自由エネルギーの低い材料は、各種の材料との相溶性・容着性が悪い。
このため、レンズ部11の材料が表面自由エネルギーの低いCOP(例えば、ゼオネックス(登録商標))の場合には、保持枠13の材料の幅が広い。例えば、ポリカーボネート樹脂(PC),ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA),アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)等を用いることができる。
一方、レンズ部11の材料の表面自由エネルギーが高い場合には、保持枠13の材料として、表面エネルギーの低い材料を適宜選択すればよい。例えば、レンズ部11の材料として、PC,PMMA,ポリエステル樹脂(PEN),ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC),ポリスチレン樹脂(PS),アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)等を用いた場合は、保持枠13の材料として、ポリオレフィン系のPPやPEを使用すればよい。
上記構成の保持枠付き光学素子100によれば、レンズ部11と保持枠13とを互いに非相溶性の材料で形成することで、レンズ部11を保持枠13から容易に分離できる。
図2から図3は、保持枠付き光学素子100からレンズ部11を取り出してレンズフレーム12内に挿入するレンズの組立工程を示す模式的な説明図である。
保持枠付き光学素子100は、後述する成形用金型31(図3及び図4参照)により成形された後、成形用金型31内から取り出される。図2に示すように、保持枠付き光学素子100のハンドル部17を掴む図示しない作業者又は組立ロボットのアーム部は、保持枠付き光学素子100をレンズフレーム12の上方に搬送する。
次に、レンズフレーム12の上方で、保持枠13の複数のピン18−1及びピン18−2を下ろし、これらを保持枠13に3点で押し当てる。ピン18−1は、保持枠13の円弧部15の端部に接触する。ピン18−2は、保持枠13のハンドル部17に接触する。ピン18−2の接触位置は、ハンドル部17の軸線L上にある。
ピン18−1とピン18−2を保持枠13に押し当てた状態で、さらに保持枠13に押圧部材19を接触させる。そして、押圧部材19を所定量押し上げる。これにより、保持枠13が撓む。押圧部材19としては、プッシュロッド等を用いることができる。図2に示すように、押圧部材19が保持枠13に力を加える力点Fは、軸線L上であって、ピン18−2の接触位置よりも、レンズ部11に近い位置にある。すなわち、力点Fは、ハンドル部17上にあって、ピン18−2の接触位置よりも円弧部15に近い位置にある。
なお、力点Fは、保持枠13へのピン18−1の2つの接触位置とピン18−2の1つ接触位置の3点を結んでできる三角形の領域内の任意の位置であればよい。各ピン18−1から力点Fまでの距離とピン18−2から力点Fまでの距離が略等しいことが好ましい。保持枠13に均等に力が伝わるためである。
保持枠13の撓みにより、レンズ部11と保持枠13が、破断片を生じることなく双方が分離し、レンズ部11は、下方にあるレンズフレーム12内に落下する。
次に、図3に示すように、落下したレンズ部11をスリーブ20によってレンズフレーム12に押し込む。
レンズフレーム12は、円筒形状を有するレンズ鏡筒であり、内部に段差状のレンズ支持部16が設けられている。レンズ支持部16は、レンズ部11の押し込み方向に略垂直な円環状の端面14と、端面14よりもさらに内側に形成された円環状の端面16aを有する。
スリーブ20は、レンズフレーム12に挿入可能な円筒形状を有する。スリーブ20の外径は、レンズフレーム12内の端面14の外径よりも小さく、端面16aの外径よりも大きい。スリーブ20の内径は、端面14の内径よりも小さい。スリーブ20の内径は、レンズ部11のレンズ本体部11Aの光学面には接触しない大きさであることが好ましく、レンズ本体部11Aの光学面の径よりも大きければよい。
このようなスリーブ20によって、落下したレンズ部11をスリーブ20の端面が端面14に接触するまで押し込む。押し込まれたレンズ部11は、リブ11Bを介して端面16aに接触する。レンズ部11は、レンズフレーム12の円筒状に形成されたレンズ支持部16に固定される。
詳細には、図3に示すように、スリーブ20をレンズフレーム12内に挿入していくと、スリーブ20とレンズ部11が接触する。さらにスリーブ20を挿入すると、スリーブ20に接触しているレンズ部11が押し込まれる。さらにスリーブ20を挿入していくと、スリーブ20の端面が端面14に接触し、それ以上、スリーブ20を挿入することができなくなる。また、レンズ部11が端面16aに接触し、レンズ部11はレンズフレーム12内に収容・保持される。
以上により、レンズ本体部11Aの光学面は、成形後、どこにも接触することなくレンズフレーム12内に収容でき、レンズ本体部11Aの光学面に汚れやキズを付けることがない。すなわち、レンズ部11を成形した後、レンズ部11を清浄な状態で組立てることができ、レンズ部11の歩留まりの低下を抑制できる。
なお、保持枠13を下方から押圧部材19により押し上げることとしたが、これに限られない。例えば、下方からピンにより保持枠13を支持し、上方から押圧部材19で保持枠13に力を加えることとしてもよい。
また、図2では、保持枠13を撓ませて、保持枠13とレンズ部11を分離したが、これに限られない。例えば、保持枠13に衝撃を加えて、これらを分離するようにしてもよい。
次に、上記の保持枠付き光学素子100の製造方法を説明する。
ここでは、一対の成形型を用いて光学素子の一例としてのプラスチックレンズと、保持枠13とを一体に成形加工する場合を説明する。レンズ部11の製造工程は、レンズ部11の最終形状に近い形状に予め形成されたプリフォームを圧縮成形する圧縮成形工程と、その後、レンズ部11の外周に保持枠13の一部を射出成形により成形する射出成形工程との2段階の工程を有する。また、この2段階の工程を一対の成形型の内部で行う。
図4は、保持枠付き光学素子100を成形する成形用金型31の模式的な断面図である。
成形用金型31は、一対の上型33と下型35を備え、ランナを有する金型ダイセット(図示せず)に装填される。図4に示す状態は、熱可塑性の圧縮成形材料M1からなるプリフォームを下型35に載置した状態である。
上型33は、円柱形状のコア部37と、コア部37が内挿され、コア部37に対して相対移動可能に嵌め合わされた略円筒形状の胴部39(図5参照)とを有する。上型33は、成形時にはコア部37と胴部39が互いに固定され、相対移動が不能となる。また、上型33の下側端面及び下型35の上側端面は、それぞれ圧縮成形材料M1に所定のレンズ形状を転写するための上型転写面41及び下型転写面43を有する。
図5に示すように、胴部39は内部に、円弧面48と、この円弧面48に接続したゲート面47が形成されている。
保持枠付き光学素子100を形成するための空間となるキャビティは、上型33と下型35の型閉じ時において、互いに対向して配置される上型33の下側端面と下型35の上側端面との間で画成される。キャビティは、レンズ部11を成形するための圧縮成形用空間45(図6参照)と、圧縮成形用空間45の外周縁に接続され、保持枠13の一部を成形するための射出成形用空間49と、を有する(図6参照)。
圧縮成形用空間45は、上型転写面41と下型転写面43との間で画成される。すなわち、コア部37の下側端面と、圧縮成形用空間45の中心軸Ax方向において、この下側端面に対向する、下型35の上側端面との間で画成される。
一方、射出成形用空間49は、この円弧面48及びゲート面47と、これらに対向する下型35の上側端面との間で画成される。円弧面48は、保持枠13の円弧部15を成形するための面であり、ゲート面47は、保持枠13のハンドル部17の一部を成形するための面である。
射出成形用空間49は、上型33と下型35の型閉じ時において、下型35の上側端面とゲート面47で形成される開口47aを有し、成形用金型31を装填するランナ付きの射出成形用金型ダイセットと通じる。この開口47aから射出成形材料M2が射出成形用空間49に供給可能となっている。
射出成形用空間49は、圧縮成形用空間45の外周縁に沿って設けられ、圧縮成形用空間45の外周縁のうち、圧縮成形用空間45の中心軸Axに対して60°以上190°以下の中心角αの範囲に形成されている。この中心角αは、レンズ部11と保持枠13の接合範囲を示す中心角θと同一である。
次に、成形用金型31を用いた圧縮成形工程と射出成形工程を説明する。
圧縮成形工程では、上型33と下型35を型閉じし、上型33の上型転写面41と下型35の下型転写面43を圧縮成形材料M1に転写する。まず、上型33と下型35を近接させていくと、上型33の上型転写面41が圧縮成形材料M1に接する(FIG.6A)。そして、圧縮成形材料M1をガラス転移温度以上に加熱し、上型33と下型35をさらに近接させると、圧縮成形用空間45内で圧縮成形材料M1は押圧され、上型転写面41と下型転写面43に沿って展延する。上型33の下側端面(胴部39の端面の一部)と下型35と上側端面とが接した型閉じ状態となると、上型転写面41と下型転写面43が圧縮成形材料M1に十分に転写される(FIG.6B)。なお、型閉じ状態では、圧縮成形材料M1の外周縁を形成する界面51が形成される。この界面51は自由曲面を有し、界面51の一部が圧縮成形用空間45の外周縁に接する。
続いて、射出成形工程を実施する。
射出成形工程では、型閉じ状態で、射出成形用空間49に射出成形材料M2を射出して、圧縮成形された圧縮成形材料M1の外周縁の一部に保持枠13を形成する。まず、上型33と下型35が型閉じ状態のまま、射出成形材料M2を、上型33に設けた開口47aから射出成形用空間49内に射出を開始する。FIG.6Bでは、射出された射出成形材料M2が射出成形用空間49内に入り始めた直後を示している。
射出された射出成形材料M2は、圧縮成形用空間45の上記中心角αの範囲で射出成形用空間49に行き渡り、圧縮成形材料M1の外周縁を構成する界面51の一部と結合する(FIG.6C)。
射出成形材料M2の射出成形後、上型33と下型35を型閉じ状態のまま、一体となった圧縮成形材料M1及び射出成形材料M2を冷却し、これらを十分に硬化させる。その後、成形された保持枠付き光学素子100を上型33と下型35から離型する。つまり、上型33を下型35から離間させ、更に上型33のコア部37を胴部39に対して軸方向に相対移動させる。こうすることで、下型転写面43が転写されたレンズ部11が下型35から剥離され、また、胴部39から保持枠13が剥離される。
以上の工程により、レンズ部11とこれと一体に保持枠13が成形された保持枠付き光学素子100が成形用金型31から取り出される。
図7は、保持枠付き光学素子100の他の例を示す模式的な外観図である。
図7に示すように、保持枠付き光学素子200は、図1で示した保持枠13とは形状の異なる保持枠23を備える。
保持枠23は、レンズ部11の側面には、レンズ部11の外周に相互に分離可能に接合されている。保持枠23は、保持枠13と同様、レンズ部11の外周から外側に向けて延出されたハンドル部27とを有する。さらに、保持枠23は、ハンドル部27に接合され、二股に分かれた複数の円弧部25を有する。
図7に示すように、保持枠付き光学素子200には、中心角θの範囲内において、レンズ部11が一部、保持枠13に保持されない隙間Gが形成される。隙間Gは、ハンドル部27の延出方向である軸線L上であって、ハンドル部27とレンズ部11の間に形成されている。
成形用金型81は、コア部37を内挿し、図5で示した胴部39とは形状の異なる胴部89を有する上型83を備える。
胴部89は、円弧面48から下型35の上側端面に向かって突出した分岐壁88を有し、圧縮成形用空間45の外周縁に沿った内周面88aと、開口47aに対向する外周面88bを有する。分岐壁88は、中心角αの範囲より、小さい角度範囲で形成されている。分岐壁88は、軸線L上において、開口47aから導入された射出成形材料M2を左右に分離する。外周面88bは、開口47aと軸線L上において対向する。
次に、成形用金型81を用いた圧縮成形工程と射出成形工程を説明する。
圧縮成形工程では、上型83と下型35を型閉じし、上型83の上型転写面41と下型35の下型転写面43を圧縮成形材料M1に転写する。まず、上型83と下型35を近接させていくと、上型83の上型転写面41が圧縮成形材料M1に接する(FIG.9A)。そして、圧縮成形材料M1をガラス転移温度以上に加熱し、上型83と下型35をさらに近接させると、圧縮成形用空間45内で圧縮成形材料M1は押圧され、上型転写面41と下型転写面43に沿って展延する。上型83の下側端面(胴部89の端面の一部)と下型35の上側端面とが接した型閉じ状態となると、上型転写面41と下型転写面43が圧縮成形材料M1に十分に転写される(FIG.9B)。なお、型閉じ状態では、胴部89の分岐壁88の端面が、下型35の上側端面と接する。また、圧縮成形材料M1の外周縁を形成する界面51の一部が、分岐壁88の内周面88aに接する。
続いて、射出成形工程を実施する。
射出成形工程では、型閉じ状態で、射出成形用空間49に射出成形材料M2を射出して、圧縮成形された圧縮成形材料M1の外周縁の一部に保持枠23を形成する。まず、上型83と下型35が型閉じ状態のまま、射出成形材料M2を、上型83に設けた開口47aから射出成形用空間49内に射出を開始する。FIG.9Bでは、射出された射出成形材料M2が射出成形用空間49内に入り始めた直後を示している。
射出された射出成形材料M2は、圧縮成形用空間45の上記中心角αの範囲で射出成形用空間49に行き渡り、圧縮成形材料M1の外周縁を構成する界面51の一部と結合する。ここで、胴部89には、分岐壁88が設けられているため、射出された射出成形材料M2は、分岐壁88によって軸線L上で進行が遮られ、二手に分岐する。このため、圧縮成形材料M1のうち分岐壁88の内周面88aと対向する界面51の部分と、射出成形材料M2は接しない(FIG.9C)。
射出成形材料M2の射出成形後、上型83と下型35を型閉じ状態のまま、一体となった圧縮成形材料M1及び射出成形材料M2を冷却し、一体となった圧縮成形材料M1及び射出成形材料M2を十分に硬化させる。その後、成形された保持枠付き光学素子200を上型83と下型35から離型する。つまり、上型83を下型35から離間させ、更に上型83のコア部37を胴部89に対して軸方向に相対移動させる。こうすることで、下型転写面43が転写されたレンズ部11が下型35から剥離され、また、胴部89から保持枠23が剥離される。
以上のように、分岐壁88を設けると以下のような効果がある。圧縮成形材料M1を圧縮した直後に射出成形材料M2を導入すると、この射出成形材料M2の射出圧力によって、開口47aに対向する圧縮成形材料M1の一部が押されてしまう。これにより、レンズ部11の外周の形状悪化を招き、レンズフレーム12にレンズ部11を保持する際の、位置決め精度が低下することがある。しかし、分岐壁88を設けることによって、射出成形に伴う圧縮収縮による面精度の低下が抑制でき、高精度なレンズ部11を得ることができる。また、分岐壁88は、圧縮してから射出するまでの時間を短縮して、生産性を向上する上でも有効である。
<実施例>
次に、保持枠付き光学素子の実施例と比較例を説明し、中心角θの意義について説明する。
以下の寸法の保持枠付き光学素子を作成し、保持枠とレンズ部との結合性を評価した。
レンズ部の材料 PC
保持枠の材料 PP
レンズ部の直径 φ20mm
レンズ部の最大厚み 3mm
保持枠の厚み 1mm
レンズと保持枠の接合範囲は、中心角を30度から200度まで変えて実験した。
図10は、中心角の変化に応じて変化する押圧部材の押上量の変化と、形成されたレンズ部の状態を示す実験結果を表した図である。
実験結果では、中心角が30度では、ハンドリング時の振動でレンズ部が自然分離して落下してしまった。中心角が50度では、レンズ部を連続成形した場合における、ハンドリング時の自然落下の頻度は1%未満に減少したが、依然としてハンドリング時の自然落下が発生した。
中心角が60度では、自然落下することはなくなったが、3本のピンを押し当てると落下しまうことがあった。保持枠に対する3本のピンの接触位置を適宜調整することで、ピンの押し当てによる落下が無くなり、適切にレンズ部を分離することができた。中心角が90度では、3本のピンの押し当てが多少強くても、レンズ部が落下してしまうこともなくなり、ハンドリング性が向上した。中心角が120度では、押圧部材の押上量が増加するが、レンズ部を分離した際、レンズ部の内部にひずみも生じなかった。
しかし、中心角が150度から190度までは、レンズ部の分離は良好であったが、レンズ部の内部にひずみが生じてしまった。ただし、ひずみは、一般に、射出成形により形成したレンズ部と比較すると小さく、光学性能上問題になるレベルではなかった。中心角が210度となると、レンズ部を分離した際に、内部にひずみが生じるほか、レンズ部が慣性によって過剰な勢いで飛び出してしまい、レンズフレームに落下しなくなってしまった。
以上のように、中心角が60度から190度までであれば、レンズ部を分離するハンドリングが可能である。中心角が90度から120度までであれば、レンズ部のハンドリング性が向上し、レンズ内部にひずみも生ずることなく、レンズの分離も良好であった。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 外周が円環状の光学素子と、上記光学素子の外周の少なくとも一部に接合される保持枠と、が一体に成形された保持枠付き光学素子であって、上記光学素子と上記保持枠とが互いに相溶性のない材料からなり、相互に分離可能に接合された保持枠付き光学素子。
(2) (1)に記載の保持枠付き光学素子であって、上記保持枠が、上記光学素子の外周のうち、60°以上、190°以下の中心角の範囲で上記光学素子と接合された保持枠付き光学素子。
(3) (2)に記載の保持枠付き光学素子であって、上記保持枠が、上記光学素子の外周のうち、90°以上、120°以下の中心角の範囲で上記光学素子と接合された保持枠付き光学素子。
(4) (1)から(3)のいずれか一つに記載の保持枠付き光学素子であって、上記保持枠が、上記光学素子の外周から外側に向けて延出されたハンドル部を備える保持枠付き光学素子。
(5) (1)から(4)のいずれか一つに記載の保持枠付き光学素子であって、上記光学素子が、樹脂からなる保持枠付き光学素子。
(6) 一対の成形型により、互いに相溶性のない材料からなる光学素子と、保持枠とを一体に成形加工する保持枠付き光学素子の製造装置であって、上記一対の成形型の型閉時に形成されるキャビティが、外周が円環状を呈する上記光学素子を成形するための圧縮成形用空間と、上記圧縮成形用空間の外周縁の一部に沿って接合され上記保持枠を成形するための射出成形用空間とを有し、上記射出成形用空間が、上記圧縮成形用空間の外周縁のうち、上記圧縮成形用空間の中心軸に対して60°以上、190°以下の中心角の範囲に配置された保持枠付き光学素子の製造装置。
(7) (6)に記載の保持枠付き光学素子の製造装置であって、上記保持枠が、上記光学素子の外周のうち、90°以上、120°以下の中心角の範囲で上記光学素子と接合された保持枠付き光学素子の製造装置。
(8) 一対の成形型により、外周が円環状の光学素子と、上記光学素子の外周の少なくとも一部に接合される保持枠と、を一体に成形加工する保持枠付き光学素子の製造方法であって、上記一対の成形型の型閉時に形成されるキャビティが、上記光学素子を成形するための圧縮成形用空間と、上記圧縮成形用空間の外周縁の一部に接続され上記保持枠を成形するための射出成形用空間とを有し、上記成形型の上記圧縮成形用空間に圧縮成形材料を投入し、型閉じして上記成形型の転写面を上記圧縮成形材料に転写する圧縮成形工程と、上記成形型の型閉じ状態で上記射出成形用空間に射出成形材料を射出して、圧縮成形された上記圧縮成形材料の外周縁の一部に射出成形部を形成する射出成形工程と、
を含み、上記圧縮成形材料と上記射出成形材料とが、互いに相溶性のない材料をからなる保持枠付き光学素子の製造方法。
(9) (8)に記載の保持枠付き光学素子の製造方法であって、上記射出成形用空間が、上記圧縮成形用空間の外周縁のうち、上記圧縮成形用空間の中心軸に対して60°以上190°以下の中心角の範囲に配置される保持枠付き光学素子の製造方法。
(10) (9)に記載の保持枠付き光学素子の製造方法であって、上記保持枠が、上記光学素子の外周のうち、90°以上、120°以下の中心角の範囲で上記光学素子と接合された保持枠付き光学素子の製造方法。
11 レンズ部
13 保持枠
15 円弧部
17 ハンドル部
31 成形用金型
33 上型
35 下型
45 圧縮成形用空間
49 射出成形用空間
100 保持枠付き光学素子
M1 圧縮成形材料
M2 射出成形材料

Claims (10)

  1. 外周が円環状の光学素子と、該光学素子の外周の少なくとも一部に接合される保持枠と、が一体に成形された保持枠付き光学素子であって、
    前記光学素子と前記保持枠とが互いに相溶性のない材料からなり、相互に分離可能に接合された保持枠付き光学素子。
  2. 請求項1に記載の保持枠付き光学素子であって、
    前記保持枠が、前記光学素子の外周のうち、60°以上、190°以下の中心角の範囲で前記光学素子と接合された保持枠付き光学素子。
  3. 請求項2に記載の保持枠付き光学素子であって、
    前記保持枠が、前記光学素子の外周のうち、90°以上、120°以下の中心角の範囲で前記光学素子と接合された保持枠付き光学素子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の保持枠付き光学素子であって、
    前記保持枠が、前記光学素子の外周から外側に向けて延出されたハンドル部を備える保持枠付き光学素子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の保持枠付き光学素子であって、
    前記光学素子が、樹脂からなる保持枠付き光学素子。
  6. 一対の成形型により、互いに相溶性のない材料からなる光学素子と、保持枠とを一体に成形加工する保持枠付き光学素子の製造装置であって、
    前記一対の成形型の型閉時に形成されるキャビティが、外周が円環状を呈する前記光学素子を成形するための圧縮成形用空間と、該圧縮成形用空間の外周縁の一部に沿って接合され前記保持枠を成形するための射出成形用空間とを有し、
    前記射出成形用空間が、前記圧縮成形用空間の外周縁のうち、前記圧縮成形用空間の中心軸に対して60°以上、190°以下の中心角の範囲に配置された保持枠付き光学素子の製造装置。
  7. 請求項6に記載の保持枠付き光学素子の製造装置であって、
    前記保持枠が、前記光学素子の外周のうち、90°以上、120°以下の中心角の範囲で前記光学素子と接合された保持枠付き光学素子の製造装置。
  8. 一対の成形型により、外周が円環状の光学素子と、該光学素子の外周の少なくとも一部に接合される保持枠と、を一体に成形加工する保持枠付き光学素子の製造方法であって、
    前記一対の成形型の型閉時に形成されるキャビティが、前記光学素子を成形するための圧縮成形用空間と、該圧縮成形用空間の外周縁の一部に接続され前記保持枠を成形するための射出成形用空間とを有し、
    前記成形型の前記圧縮成形用空間に圧縮成形材料を投入し、型閉じして前記成形型の転写面を前記圧縮成形材料に転写する圧縮成形工程と、
    前記成形型の型閉じ状態で前記射出成形用空間に射出成形材料を射出して、圧縮成形された前記圧縮成形材料の外周縁の一部に射出成形部を形成する射出成形工程と、
    を含み、
    前記圧縮成形材料と前記射出成形材料とが、互いに相溶性のない材料をからなる保持枠付き光学素子の製造方法。
  9. 請求項8に記載の保持枠付き光学素子の製造方法であって、
    前記射出成形用空間が、前記圧縮成形用空間の外周縁のうち、前記圧縮成形用空間の中心軸に対して60°以上190°以下の中心角の範囲に配置される保持枠付き光学素子の製造方法。
  10. 請求項9に記載の保持枠付き光学素子の製造方法であって、
    前記保持枠が、前記光学素子の外周のうち、90°以上、120°以下の中心角の範囲で前記光学素子と接合された保持枠付き光学素子の製造方法。
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