JP2013204365A - 作業機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮蔽機能を損なわずに油圧ホースの増設を容易にする。
【解決手段】下部走行体2の上に機械本体3が設置された作業機械1である。機械本体3は、支持ベース10や、開口部47を有するガード42aで覆われた機械室40、開口部47を通じて機械室40から引き出された配管50aを支持するとともに開口部47を塞ぐクランプ60を備える。クランプ60は、クランプ要素64や、ガイド部63、一対の挟持部材61,62を有している。挟持部材62に遮蔽板62bが設けられ、遮蔽板62bが、クランプ要素64の連結数に応じてガード42aに沿って移動しながら開口部47を遮蔽する。
【選択図】図4

Description

本発明は、油圧ショベル等の作業機械、その中でも、油圧ホース等を支持するクランプの構造に関するものであり、特に、遮蔽機能が求められるクランプの構造に関する。
この種のクランプの一例として、建設機械の建屋カバーとその外部との境界部分に設置されたホース固定具がある(特許文献1)。
建屋カバーには、右辺が開放された矩形の開口部が形成されており、ホース固定具は、その開口部を塞ぐように設置されている。ホース固定具は、開口部の左側に位置する取付板から前後に離れて右横方向に延びた2本の案内ロッドや、形状が各々異なる前後方向に長い第1〜第3のゴム製クランプ、挟持用ブラケット、固定ボルトなどで構成されている。
第1クランプ及び第2クランプには、それぞれ3個のホース嵌合凹部が形成されており、これらホース嵌合凹部に油圧ホースが圧入されている。第1〜第3のクランプは、それぞれ、前後の両端に案内ロッドを挿入した状態で右横方に連結されている。
挟持用ブラケットは、右端の第3クランプに押し当てた状態で、各案内ロッドに固定ボルトで締結され、更に開口部の前後に設けられたねじ座板にボルト止めして固定されている。
特開2011−163035号公報
上述したホース固定具では、開口部を遮蔽するために、第1〜第3のクランプの形状や寸法に合わせて、開口部の大きさや案内ロッドの長さ、ねじ座板の位置などが設計されている。従って、油圧ホースの増設が必要になった場合には、開口部等の全体を見直す必要があり、容易には対応できない。
例えば、クランプを4個以上に増やすことが示唆されているが、クランプを増やせば、それに合わせて建屋カバーや案内ロッド等も交換する必要がある。
ホース嵌合凹部を増やせば、建屋カバー等の交換無しに油圧ホースの増設ができるが、新たにクランプを作製する必要があるうえ、ホース嵌合凹部が増えればそれだけクランプの強度が低下するため、油圧ホースの支持が不安定になってしまう。
そこで、本発明の目的は、遮蔽機能を損なうことなく油圧ホースの増設が容易にできる作業機械を提供することにある。
本発明に係る作業機械は、下部走行体の上に機械本体が設置された作業機械である。前記機械本体は、前記下部走行体に支持された支持ベースと、前記支持ベースの上に設置された機械室と、開口部を有し、前記機械室を覆うガードと、前記開口部を通じて前記機械室から引き出された配管と、前記配管を支持するとともに前記開口部を塞ぐクランプとを備えている。前記クランプは、前記配管を支持し、互いに連結可能なクランプ要素と、前記クランプ要素の連結を誘導するガイド部と、前記クランプ要素を挟持する一対の挟持部材とを有している。そして、前記挟持部材の一方に、前記クランプ要素と協働して前記開口部を塞ぐ遮蔽板が設けられ、前記遮蔽板が、前記クランプ要素の連結数に応じて前記ガードに沿って移動しながら前記開口部を遮蔽する。
この作業機械によれば、機械室を覆うガードに開口した開口部を通じて引き出される配管が、開口部を塞ぐクランプで支持されている。そして、クランプを構成している挟持部材の一方に、配管を支持するクランプ要素の連結数が変わっても、それに応じて開口部を遮蔽する遮蔽板が設けられているので、遮蔽機能を損なうことなく油圧ホースなどの配管の増設が容易にできる。
例えば、前記クランプは、更に、前記配管が挿入されるブッシングを有し、前記クランプ要素が、前記ブッシングが嵌合される嵌合凹部を有しているようにするのが好ましい。
そうすれば、組み付け作業の際には、組み付けられたクランプ要素の嵌合凹部に、配管を挿入したブッシングを嵌合するだけで配管を安定的に支持することができる。従って、手で配管を押さえたりする必要がなく、作業性に優れる。
具体的には、前記機械本体は、油圧で作動するアタッチメントを備え、前記アタッチメントは、前記支持ベースに立設された縦板に起伏自在に支持され、前記配管は、前記アタッチメントに作動油を送る油圧ホースを含み、他方の前記挟持部材が前記縦板に固定されているものとすることができる。
この場合、油圧ホースは、アタッチメントの起伏動作に連動して揺動するため、それを支持するクランプには強い負荷が加わるが、挟持部材が強度部材である縦板に固定されているため、クランプを安定して支持できる。
より具体的には、前記遮蔽板は、前記クランプ要素の連結方向における、当該クランプ要素1個分の長さよりも大きく、かつ、前記開口部の長さよりも小さな長さを有するとともに、前記クランプ要素の連結方向と直交する方向における前記開口部の幅よりも大きな幅を有しているようにするとよい。
そうすれば、クランプ要素の個数にかかわらず、効率よく、クランプ要素と遮蔽板とで開口部を遮蔽できる。
本発明によれば、遮蔽機能を損なうことなく配管の増設が容易にできる。従って、汎用性に優れ、コストの削減などが図れる作業機械を提供できる。
本実施形態の作業機械を示す概略側面図である。 図1における矢印X方向から見た機械本体部分の概略斜視図である。 側部機械室の内部を示す概略斜視図である。 クランプを示す概略図である。(a)は斜視図であり、(b)は(a)のY−Y線での断面図である。 クランプの分解斜視図である。 取り替え可能なアタッチメントの一例を示す概略図である。 増設した時のクランプの一例を示す概略図である。(a)は斜視図であり、(b)は(a)のZ−Z線での断面図である。 クランプ要素の変形例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図には、前後、左右、及び上下の方向を示している。特に言及しない限り、説明中の前後等の方向はこれら表示に従うものとする。
図1及び図2に、本発明を適用した油圧ショベル1(作業機械の一例)を示す。この油圧ショベル1では、クローラ式の下部走行体2の上に機械本体3が旋回自在に設置されている。機械本体3には、支持ベース10やアタッチメント20、キャブ30、機械室40などが備えられている。
支持ベース10は、機械本体3の底壁を構成しており、下部走行体2に旋回自在に支持されている。支持ベース10は、肉厚な鋼板からなる底板11や、底板11から左右に張り出すサイドデッキ12などで構成されている。
底板11の上面には、各々が肉厚な鋼板からなる一対の縦板13,13が立設されている。これら縦板13は左右に対向した状態で前後方向に延びており、その前側には、アタッチメント20を起伏自在に支持する支持部13aが設けられている。
アタッチメント20は、ブーム21やアーム22、バケット23、油圧シリンダ24a,24b,24cなどで構成されている。詳しくは、ブーム21は、柱状の強度部材である。ブーム21の基端部は支持部13aに軸支されており、ブーム21は、支持部13aを支点にして前後方向に揺動する。
アーム22も、ブーム21と同じく柱状の強度部材である。アーム22の基端部はブーム21の先端部に軸支されており、アーム22は、ブーム21の先端部を支点にして前後方向に揺動する。バケット23は、例えば土砂等を掘削する容器状の部材である。バケット23の基端部はアーム22の先端部に軸支されており、バケット23は、アーム22の先端部を支点にして前後方向に揺動する。
ブーム21、アーム22及びバケット23は、それぞれの動作に対応して配置された油圧シリンダ24a,24b,24cによって駆動される。詳しくは、ブーム21を駆動する第1油圧シリンダ24aは、ブーム21の基端部の近傍に設置されている。アーム22を駆動する第2油圧シリンダ24bは、ブーム21の背面に設置されている。バケット23を駆動する第3油圧シリンダ24cは、アーム22の背面に設置されている。
ブーム21には、第2油圧シリンダ24b及び第3油圧シリンダ24cから延びる複数の油圧配管25が設置されている。これら油圧配管25の末端25aは、ブーム21の長手方向における中間部位にまとめて配置されている。末端25aの各々には、可撓性を有する油圧ホース50aが接続されている。これら一群の油圧ホース(油圧ホース群50)については、別途後述する。
キャブ30は、機械本体3の前部左側に配置された箱形の運転室である。具体的には、キャブ30は、一対の縦板13,13の左側に隣接し、サイドデッキ12の上に設置されている。
機械室40は、機械本体3の後部に左右方向に亘って位置する後部機械室41と、機械本体3の前部右側に前後方向に亘って位置する側部機械室42とを有している。側部機械室42は、一対の縦板13,13の右側に隣接し、サイドデッキ12の上に設置されている。後部機械室41及び側部機械室42は連なって一体的に構成されている。
後部機械室41には、エンジンや油圧ポンプ等が設置されている(図示せず)。側部機械室42には、図3に示すように、作動油タンク44やコントロールバルブ45等が設置されている。
作動油タンク44は、油圧制御に用いられる作動油を貯留する箱形容器である。この機種の作動油タンク44は、側部機械室42の後方寄りに配置されている。コントロールバルブ45は、作動油タンク44や油圧ポンプと協働して運転操作に応じた油圧制御を行う装置である。第2油圧シリンダ24bや第3油圧シリンダ24cとの間で作動油の送りや戻しを行うため、油圧ホース群50はコントロールバルブ45に接続されている。
図2に示したように、側部機械室42の左右側面、前面及び上面は、鋼板からなる複数のパネルで構成されたガード42aで覆われている。そして、図3に示したように、ガード42aは、支持部13aの右側に隣接した左パネル46を含み、その左パネル46に油圧ホース群50を側部機械室42から引き出す開口部47が形成されている。
具体的には、左パネル46は、支持部13aと左右方向に隣接して側部機械室42の左側面を覆う側壁部46aと、側壁部46aの前側の縁に沿って右側に張り出した前壁部46bとを有している。前壁部46bは、前方に向かって下り傾斜した傾斜面部46cを含み、その傾斜面部46cに前後方向ないし上下方向に長い矩形の開口部47が開口している。
そして、その開口部47を通じて油圧ホース群50が上方、詳しくは前方に向かって斜め上向きに延びるように引き出されている。
開口部47から引き出された油圧ホース群50は、S字状に湾曲した状態で、それぞれ対応した油圧配管25に接続されている。特に、油圧ホース群50の油圧配管寄りの部分は、後方に向かって凸状に湾曲している(湾曲部51)。ブーム21が起伏する際、油圧ホース群50も揺動するため、湾曲部51を設けて油圧ホース群50の負荷を軽減している。
そして、特に強い負荷が加わる開口部47の部分には、油圧ホース群50を強固に支持するクランプ60が設置されている。
クランプ60は、これら油圧ホース群50の中間部分をまとめて支持している。油圧ホース群50の各油圧ホース50aは、略平行に延びた姿勢でクランプ60によって強固に支持されている。開口部47は、クランプ60によって塞がれており、雨水や塵埃が開口部47を通じて側部機械室42に浸入するのを防止している。
図4及び図5に、クランプ60を示す。図示のクランプ60は、支持部材61(挟持部材)やクランプ要素64、ブッシング65、押さえ部材62(挟持部材)、ガイド棒63(ガイド部)などで構成されている。
支持部材61は、所定形状の金属板を曲げ加工した部材からなり、互いの板面が略直交した、取付部61aと、支持部61bとを有している。取付部61aは、その板面を左右方向に向けた状態で、右側の縦板13にボルトBで固定されている。すなわち、支持部材61は、支持ベース10と一体化され、強固に支持されている。
支持部61bは、傾斜面部46cと略直交した状態で、開口部47の内側に設置されている。支持部61bの上面は、その前端部分が開口部47の下縁に沿って密接している。支持部61bには、板面を貫通する一対の第1貫通孔61cが左右方向に離れて形成されている。各第1貫通孔61cと連通するように、支持部61bの下面に固定ナット61dが2個溶接されている。
クランプ要素64は、剛性に優れた金属部材や樹脂部材であり、左右方向に長い直方体形状の輪郭を有している。本実施形態では、標準装備として、同一のクランプ要素64が3個用いられている。クランプ要素64は、上下方向に縦並びに連結して用いられる。本実施形態では、開口部47の長手方向の寸法は、クランプ要素64を5個連結したものの前面の上下方向の寸法と略同一に設定されている。
各クランプ要素64には、いずれも同一の内寸法を有する2個の嵌合凹部64a,64aが左右方向に並んで形成されている。各嵌合凹部64aは、クランプ要素64の上面を、前面から見てU字状に切り欠いたように形成されている。
クランプ要素64は、開口部47の左右の幅(短手側)寸法よりも左右方向に長く形成されている。クランプ要素64の左右方向の両端部には、第1貫通孔61cの配置に対応して、その上下面を貫通する要素孔64bがそれぞれ1個形成されている。
ブッシング65は、前後方向に貫通するホース挿入孔65bを有する円筒状の部材である。ブッシング65は、ゴムや合成樹脂等、弾性を有する素材で形成されており、嵌合凹部64aに圧入して嵌合される。本実施形態では、同一のブッシング65が4個用いられている。ブッシング65を嵌合しない嵌合凹部64aには、蓋部材66が前方から嵌め込まれている。
各ブッシング65には、ホース挿入孔65bへの油圧ホース50aの側方からの挿入を可能にする割れ目65cが形成されている。ブッシング65は、クランプ要素64よりも僅かに前後寸法が大きく形成されており、ブッシング65の前後の縁の各々には、クランプ要素64の前後の面に接する鍔部65aが張り出している。
従って、クランプ要素64にブッシング65を嵌合すれば、ブッシング65の前後の動きが鍔部65aによって規制される。更に、ホース挿入孔65bとブッシング65との間に生じる隙間が鍔部65aによって塞がれる。
押さえ部材62は、金属板を曲げ加工した断面L字状の板部材からなり、互いに略直交した矩形状の、押さえ板部62aと、遮蔽板部62bとを有している。押さえ板部62aは、クランプ要素の上面と略同形同寸法に形成されており、要素孔64bの配置に対応して、第2貫通孔62cが2箇所形成されている。
遮蔽板部62bは、押さえ板部62aの前側の辺に連なって上方に延びている。遮蔽板部62bの左右の幅寸法は、開口部47の幅寸法よりも大きく形成されている。一方、遮蔽板部62bの上下の長さは、少なくとも、クランプ要素64の1個分の上下の長さよりも大きく、開口部47の長手側寸法よりも小さく形成されている。ちなみに、この実施形態の遮蔽板部62bの上下の長さは、クランプ要素64の2個分よりも大きく、3個分よりも小さく形成されている。
遮蔽板部62bは、組み付けたときに傾斜面部46cの裏面に沿うように構成されている。遮蔽板部62bは、傾斜面部46cと上下に重なり合って、開口部47のうち、クランプ要素64で塞がれた部分以外の部分を塞ぐ。
ガイド棒63は、両端に雄ネジを有する長軸状の部材からなり、左右一対で用いられる。ガイド棒63の長さは、支持部61bの板厚、押さえ板部62aの板厚、及び連結されたクランプ要素64の上下の長さ寸法を合算した寸法よりも大きく設定されている。本実施形態のガイド棒63は、開口部47の長手寸法よりも僅かに長く形成されている。
ガイド棒63は、支持部61bと押さえ板部62aとの間に各クランプ要素64を配置したときに、互いに重なり合って連通する第1貫通孔61c、各要素孔64b、及び第2貫通孔62cに挿入されている。各要素孔64bにガイド棒63を挿入することにより、各クランプ要素64が位置決めされて適切な連結が誘導される。
そして、第1貫通孔61c等に挿入された各ガイド棒63の両端にナットNをねじ込むことにより、連結された各クランプ要素64が支持部61bと押さえ板部62aとで挟持されている。
このクランプ60では、例えば次のようにして油圧ホース50aを容易に組み付けることができる。
開口部47を通じて側部機械室42から油圧ホース群50を引き出す。ホース挿入孔65bに油圧ホース50aを挿入し、ブッシング65を油圧ホース50aに取り付ける。各ガイド棒63は、予め支持部61bに取り付けておく。
そうして、左右の要素孔64bにガイド棒63を挿入しながら1段目のクランプ要素64を支持部61bの上に載置する。本実施形態の1段目のクランプ要素64では、嵌合凹部64aに蓋部材66が嵌め込まれている。
1段目のクランプ要素64と同様にして、1段目のクランプ要素64の上に2段目のクランプ要素64を載置する。それにより、両クランプ要素64,64は密着して連結される。2段目のクランプ要素64の嵌合凹部64aには、油圧ホース50aを保持したブッシング65が圧入される。
そうすることで、ブッシング65は、鍔部65aで前後の動きが規制され、更にその左右及び下側が剛性に優れたクランプ要素64で支持されるため、クランプ要素64から容易には外れない。従って、油圧ホース50aを手で支持せず作業できるため、作業性に優れる。
更に、2段目のクランプ要素64の上に3段目のクランプ要素64を載置する。それにより、2段目のクランプ要素64に組み付けたブッシング65は、その上側が塞がれるため、抜け外れが阻止される。3段目のクランプ要素64の嵌合凹部64aにも、油圧ホース50aを保持したブッシング65が圧入される。
そして最後に、3段目のクランプ要素64の上側に押さえ板部62aを重ねて、第2貫通孔62cから突出するガイド棒63にナットNを締結する。それにより、連結したクランプ要素64は、油圧ホース50aを保持した状態で支持部61bと押さえ板部62aとの間に挟まれ、強固に固定される。
そして、3段目のクランプ要素64の上側に生じる開口部47の隙間は、遮蔽板部62bによって遮蔽される。
この油圧ショベル1では、用途に応じて、アタッチメント20の構成変更ができる。例えば、リサイクル現場などでの解体作業向けに、バケット23を、図6に示すような圧砕機70に取り替えることができる。
この圧砕機70の場合、前後方向の揺動動作に加えて、一対の挟み部71,71の開閉動作や、回動軸72を中心とする回動動作が油圧制御によって行われる。従って、バケット23から圧砕機70に取り替える際には、油圧ホース50aを増設する必要がある。圧砕機70に限らず、アタッチメント20の構成変更に伴い、油圧シリンダ等のアクチュエータが追加される場合には、同様に油圧ホース50aの増設が必要になる。
そこで、この油圧ショベル1では、予め油圧ホース50aの増設が容易にできるように工夫されている。
図7に、増設時のクランプ60を例示する。この例では、先の実施形態から更に4本の油圧ホースが増設されている。この場合、例えば次のようにして油圧ホース50aの増設ができる。
まず、ガイド棒63の上端のナットNを外して押さえ部材62を取り外す。そうすれば、各クランプ要素64は脱着可能になる。その後、再度、油圧ホース50aを挿入したブッシング65を嵌合凹部64aに圧入しながら、各クランプ要素64を連結すればよい。この場合、3段目のクランプ要素64の上に、新たに4段目のクランプ要素64を重ねて連結することにより、8本の油圧ホース50aを支持している。
遮蔽板部62bは、新たに4段目のクランプ要素64が連結されたことにより、傾斜面部46cに沿って上方に移動する。すなわち、クランプ要素64の連結数の増減に応じて、遮蔽板部62bが傾斜面部46cに沿って上下に移動するため、連結されたクランプ要素64の上側に生じる開口部47の隙間は、遮蔽板部62bによって常に遮蔽することができる。
油圧ホース50aが増える分だけ、同じブッシング65やクランプ部材64を追加すればよいため、部材の共有化が図れる。油圧ホース50aの設置本数を変更しても、開口部47は常に塞がれるため、大掛かりな設計変更を伴うこともない。従って、油圧ホース50aの増設が容易にできる。
なお、本発明にかかる作業機械は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、図8に示すように、クランプ要素64自体をゴム等の弾性部材で形成し、ブッシング65の機能である、ホース挿入孔65b及び割れ目65cをクランプ要素64に組み込んでもよい。そうすれば、部材点数が削減できる。
クランプ要素64の連結数や嵌合凹部64aの個数は、仕様に応じて選択できる。開口部47の寸法も仕様に応じて選択できる。遮蔽板部62bの寸法は、開口部47に生じる隙間を塞ぐことができる範囲で任意に設定できる。
クランプ要素64の連結が誘導できるものであれば、ガイド部の構成も仕様に応じて適宜設定できる。例えば、要素孔64bは溝であってもよいし、凹凸嵌合でクランプ要素どうしの連結を誘導してもよい。ガイド棒63は、クランプ要素64の連結数に応じて取り替えてもよい。配管は油圧ホースに限らない。例えば金属配管であってもよい。
押さえ部材62は一体に形成しなくてもよい。例えば、押さえ板部62aに遮蔽板部62bをボルト止めすれば、仕様に応じて遮蔽板部62bだけを取り替え可能ることができる。
1 油圧ショベル(作業機械)
2 下部走行体
3 機械本体
10 支持ベース
13 縦板
20 アタッチメント
40 機械室
42a ガード
47 開口部
50a 油圧ホース(配管)
60 クランプ
61 支持部材(挟持部材)
62 押さえ部材(挟持部材)
62b 遮蔽板部
63 ガイド棒(ガイド部)
64 クランプ要素
64a 嵌合凹部
65 ブッシング

Claims (4)

  1. 下部走行体の上に機械本体が設置された作業機械であって、
    前記機械本体は、
    前記下部走行体に支持された支持ベースと、
    前記支持ベースの上に設置された機械室と、
    開口部を有し、前記機械室を覆うガードと、
    前記開口部を通じて前記機械室から引き出された配管と、
    前記配管を支持するとともに前記開口部を塞ぐクランプと、
    を備え、
    前記クランプは、
    前記配管を支持し、互いに連結可能なクランプ要素と、
    前記クランプ要素の連結を誘導するガイド部と、
    前記クランプ要素を挟持する一対の挟持部材と、
    を有し、
    前記挟持部材の一方に、前記クランプ要素と協働して前記開口部を塞ぐ遮蔽板が設けられ、
    前記遮蔽板が、前記クランプ要素の連結数に応じて前記ガードに沿って移動しながら前記開口部を遮蔽する作業機械。
  2. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記クランプは、更に、前記配管が挿入されるブッシングを有し、
    前記クランプ要素が、前記ブッシングが嵌合される嵌合凹部を有している作業機械。
  3. 請求項1又は2に記載の作業機械において、
    前記機械本体は、油圧で作動するアタッチメントを備え、
    前記アタッチメントは、前記支持ベースに立設された縦板に起伏自在に支持され、
    前記配管は、前記アタッチメントに作動油を送る油圧ホースを含み、
    他方の前記挟持部材が前記縦板に固定されている作業機械。
  4. 請求項1に記載の作業機械において、
    前記遮蔽板は、前記クランプ要素の連結方向における、当該クランプ要素1個分の長さよりも大きく、かつ、前記開口部の長さよりも小さな長さを有するとともに、前記クランプ要素の連結方向と直交する方向における前記開口部の幅よりも大きな幅を有している作業機械。
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