以下、本発明の実施の形態によるスイング式建設機械を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
まず、図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1はスイング式の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。
ここで、作業装置4は、ブーム4Aと、該ブーム4Aの先端側に俯仰動可能に取付けられるアーム4Bと、該アーム4Bの先端側に回動可能に取付けられる作業具としてのバケット4C等とにより大略構成されている。そして、ブーム4Aの基端部であるブームフート部4A1が、後述のスイングポスト11に俯仰動可能に取付けられている。
また、スイングポスト11とブーム4Aとの間にはブーム4Aを作動させるブームシリンダ4Dが設けられ、ブーム4Aとアーム4Bとの間にはアーム4Bを作動させるアームシリンダ4Eが設けられ、アーム4Bとバケット4Cとの間にはバケット4Cを作動させる作業具シリンダとしてのバケットシリンダ4Fが設けられている。ここで、ブームシリンダ4Dは、一端側となるボトム側がブームフート部4A1の下側に位置して後述のスイングポスト11に設けられると共に他端側となるロッド4D1の先端側がブーム4Aに取付けられている。
さらに、作業装置4には、ブーム4Aの背面に沿って延びる複数本の油圧配管からなる油圧配管群4Gが設けられている。そして、油圧配管群4Gの先端側は、ホース4Hを介してアームシリンダ4E、バケットシリンダ4Fに接続され、油圧配管群4Gの基端側には、後述するアームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36が接続される構成となっている。
5は上部旋回体3のベースとなる旋回フレームで、該旋回フレーム5は強固な支持構造体をなし、下部走行体2上に旋回可能に取付けられている。そして、旋回フレーム5の前端側には、後述のポスト支持部10が設けられている。また、旋回フレーム5上にはオペレータが着席する運転席6が設けられ、旋回フレーム5の後端側には作業装置4との重量バランスをとるカウンタウエイト7が設けられている。
また、カウンタウエイト7の上部にはカバー8が設けられ、該カバー8内には、旋回フレーム5に搭載されたエンジン、油圧ポンプ等(いずれも図示せず)の搭載機器が収容されている。さらに、旋回フレーム5の前側でポスト支持部10よりも後側には油圧機器としての制御弁装置9(図1参照)が配設されている。
ここで、制御弁装置9は複数の方向制御弁の集合体からなり、制御弁装置9の流入口は、油圧ポンプ(図示せず)の吐出口に接続され、制御弁装置9の吐出口には、後述するブーム用ホース33,34、アームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36、追加ホース37の基端側が接続されている。そして、制御弁装置9は、作業装置4の各シリンダ4D,4E,4F、旋回モータ、走行モータ(いずれも図示せず)等のアクチュエータに対する圧油の供給と排出を切換えることにより、当該アクチュエータの動作を制御するものである。
10は旋回フレーム5の前端側に設けられたポスト支持部で、該ポスト支持部10は、後述のスイングポスト11を左,右方向に揺動可能に支持するものである。ここで、ポスト支持部10は、図1ないし図3に示すように、旋回フレーム5に設けられた上,下の支持ブラケット10A,10Bと、後述の連結ピン12(図2,7参照)が挿嵌される支持筒10Cとにより構成されている。
11は上部旋回体3のポスト支持部10に連結ピン12を介して揺動可能に支持されたスイングポストで、該スイングポスト11は、連結ピン12を中心として左,右方向に揺動可能な状態で、作業装置4のブーム4Aを俯仰動可能に支持するものである。そして、スイングポスト11は、図6ないし図8に示すように、後述の後面板13、左側面板14、右側面板15、シリンダ取付ブラケット18、ホース挿通孔20、ホースカバー21等により構成されている。
13は連結ピン12を介して上部旋回体3のポスト支持部10に揺動可能に取付けられる後面板で、該後面板13は、ポスト支持部10を上,下方向から挟むようにコ字状に形成され、上,下方向に延びている。ここで、後面板13の上,下方向の両端側は、後方に向けて水平に延びる上面部13A、下面部13Bとなっている。
また、後面板13の上面部13Aと下面部13Bとには、ポスト支持部10の支持筒10Cと同心にピン挿嵌孔13C,13Cがそれぞれ形成されている。そして、図2に示すように、後面板13の上面部13Aと下面部13Bとに形成された各ピン挿嵌孔13Cと、ポスト支持部10の支持筒10Cとに連結ピン12を挿嵌することにより、スイングポスト11が、ポスト支持部10に左,右方向に揺動可能に取付けられる構成となっている。
14,15は後面板13の左,右両側に互いに対向して設けられた左,右の側面板で、これら左,右の側面板14,15は、後面板13から上方及び前方に張出した板状をなしている。そして、左側面板14の上端側は、後面板13の上面部13Aよりも上方に突出したブーム取付ブラケット14Aとなり、左側面板14の前端側には、右側面板15に向けて突出する円筒状のシリンダ取付ボス14Bが設けられている。一方、右側面板15の上端側もブーム取付ブラケット15Aとなり、右側面板15の前端側には、左側面板14に向けて突出する円筒状のシリンダ取付ボス15Bが設けられている。
そして、左,右の側面板14,15のブーム取付ブラケット14A,15Aには、作業装置4を構成するブーム4Aのブームフート部4A1がピン16を介して回動可能に取付けられている。また、左,右の側面板14,15のシリンダ取付ボス14B,15Bには、ブームシリンダ4Dのボトム側がピン17を介して回動可能に取付けられている(図2参照)。
18は右側面板15に設けられたシリンダ取付ブラケットで、該シリンダ取付ブラケット18は、右側面板15から右側方に突出して設けられている。そして、図4ないし図5に示すように、シリンダ取付ブラケット18にはスイングシリンダ19のロッドが取付けられ、該スイングシリンダ19を伸縮させることにより、スイングポスト11が連結ピン12を中心として左,右方向に揺動する構成となっている。
20は後面板13と左側面板14とが交わる角隅部に形成されたホース挿通孔で、該ホース挿通孔20は、後面板13と左側面板14とに跨って形成され、後述のホース収容空間27内に開口するものである。そして、ホース挿通孔20は、連結ピン12を挟んでシリンダ取付ブラケット18とは反対側に配置され、図1に示す制御弁装置9から延びる後述のブーム用ホース33,34、アームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36、追加ホース37は、ホース挿通孔20を通じて後述のホース収容空間27内に導かれる構成となっている。
この場合、ホース挿通孔20を、連結ピン12を挟んでシリンダ取付ブラケット18とは反対側に配置することにより、ブーム用ホース33,34、アームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36、追加ホース37が、シリンダ取付ブラケット18、スイングシリンダ19等と干渉することなく、円滑にホース挿通孔20を通じてホース収容空間27内に導入される構成となっている。
21はスイングポスト11を構成する後面板13の前側に位置して左,右の側面板14,15間に配置されたホースカバーで、該ホースカバー21は、後面板13との間に後述のホース収容空間27を形成し、後述するブーム用ホース33,34、アームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36、追加ホース37を保護するものである。ここで、ホースカバー21は、図8等に示すように、互いに別部材として形成された後述の前カバー部22と上カバー部23とにより大略構成され、上カバー部23により少なくとも連結ピン12の上部を覆うように構成している。
22はホースカバー21を構成する前カバー部で、該前カバー部22は、後面板13と対面しつつ上,下方向に延びる板体として形成されている。ここで、前カバー部22の上,下方向の途中部位は、前方に突出するように屈曲した屈曲部22Aとなり、前カバー部22のうち屈曲部22Aよりも上側となる部位は、後方に向けて斜め上向きに傾斜した傾斜面22Bとなっている。
また、傾斜面22Bの上端側には、左,右方向に離間して2個のボルト挿通孔22C,22Cが形成され、傾斜面22Bの上端側で各ボルト挿通孔22C,22Cよりも左,右方向外側には2個の溶接クリップ22D,22Dが溶接等により固定されている。そして、前カバー部22の下端側は、スイングポスト11を構成する後面板13の下面部13Bに取付けられた略L型の取付板22Eに後述のボルト25を用いて固定されている(図2参照)。この状態で、後述するブーム用ホース33,34がクリップバンド(図示せず)を介して溶接クリップ22D,22Dに保持されることにより、ブーム4Aを最も下側に下げた際にもこのブーム4Aの下面(腹面)とブーム用ホース33,34とが干渉しないようにしている。
23は前カバー部22の上端側に取付けられ連結ピン12の上側を覆う上カバー部で、該上カバー部23は、前カバー部22の上端側から後方へと延びる板体として形成されている。そして、上カバー部23の前端側には、前カバー部22の傾斜面22Bと平行して前,後方向に延びる傾斜面23Aが設けられ、該傾斜面23Aの後側には、後面板13の上面部13Aと平行して前,後方向に延びる水平面23Bが設けられている。
ここで、傾斜面23Aには、前カバー部22の各ボルト挿通孔22Cと対応する位置に、裏ナット等により形成された2個の雌ねじ部23C,23Cが設けられている。また、傾斜面23Aの左,右両端部には、後述するホース保持具28に当接する左,右の当接片23D,23Dが設けられている。一方、水平面23Bの後端部には、裏ナット等により形成された2個の雌ねじ部23F,23Fが設けられている。
そして、前カバー部22の傾斜面22Bと上カバー部23の傾斜面23Aとの間に、後述するホース保持具28を挟込んだ状態で、前カバー部22の各ボルト挿通孔22Cに挿通したボルト24を、上カバー部23の各雌ねじ部23Cに螺合することにより、前カバー部22と上カバー部23とが一体化されたホースカバー21が形成される。
そして、図8に示すように、前カバー部22の下端側を、スイングポスト11を構成する後面板13の下面部13Bに取付けられた取付板22Eにボルト25を用いて取付けると共に、上カバー部23の水平面23Bを、ボルト26を用いて後面板13の上面部13Aに取付けることにより、ホースカバー21は、左側面板14と右側面板15との間に配置される。これにより、ホースカバー21の前カバー部22と後面板13との間には、後述するブーム用ホース33,34、アームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36、追加ホース37の途中部位が収容されるホース収容空間27が形成される構成となっている。
28はホースカバー21を構成する前カバー部22と上カバー部23との境界部に配置されたホース保持具で、該ホース保持具28は、後述するブーム用ホース33,34、アームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36、追加ホース37の途中部位を把持するものである。ここで、ホース保持具28は、図8等に示すように、ゴム等の弾性材料を用いて左,右方向に延びる直方体状に形成されている。また、ホース保持具28には、前,後方向に貫通する複数のホース保持孔28A,28A,・・・が、左,右方向(長さ方向)に並んで設けられている。さらに、ホース保持具28の左,右方向の中央部には、前カバー部22のボルト挿通孔22Cと対応する2個のボルト挿通孔28B,28Bが左,右に離間して設けられている。
そして、ホース保持具28は、前カバー部22と上カバー部23とを締結するボルト24をボルト挿通孔28B内に挿通することにより、前カバー部22の傾斜面22Bと上カバー部23の傾斜面23Aとの間で挟持される。これにより、ホース保持具28は、図2に示すように、連結ピン12の近傍でブームフート部4A1よりも下側に位置して前記スイングポスト11の左,右の側面板14,15間に設けられ、ブーム用ホース33,34、アームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36、追加ホース37の途中部位をホース保持孔28A内で保持する構成となっている。
29,30はホース保持具28から導出された各ホース33,34,35,36,37のうちブーム用ホース33,34をブームフート部4A1側に折返す折返し部材としての1対のパイプ体で、該各パイプ体29,30は、金属管等の中空状の素材を折返すように(例えば略U字状に)屈曲させることにより形成されたものである。ここで、各パイプ体29,30は、左,右方向に延びる帯板状の支持板31の両端側にそれぞれ溶接等により固定され、支持板31に挿通したボルト32を、ホースカバー21を構成する上カバー部23の雌ねじ部23Fに螺着することにより、支持板31を介してホースカバー21に取付けられる。従って、ホースカバー21をスイングポスト11に取付けた状態で、上記各パイプ体29,30が、連結ピン12の上部近傍で、かつ、スイングポスト11を構成する左,右の側面板14,15間に配置される構成となっている。
ここで、支持板31の左端側に固定されたパイプ体29は、ブームシリンダ4Dのボトム側に設けられたシリンダ配管4Iと上部旋回体3に設けられた制御弁装置9との間を接続する後述のブーム用ホース33の途中部位に設けられている。このために、パイプ体29の両端部にはアダプタ29A,29Bが設けられ、一方のアダプタ29Aには、制御弁装置9から導出されたブーム用ホース33の基端側ホース33Aを接続すると共に、他方のアダプタ29Bには、シリンダ配管4Iに接続されたブーム用ホース33の先端側ホース33Bを接続している。
一方、支持板31の右端側に固定されたパイプ体30は、ブームシリンダ4Dのロッド側に設けられたシリンダ配管4Jと上部旋回体3に設けられた制御弁装置9との間を接続する後述のブーム用ホース34の途中部位に設けられている。このために、パイプ体30の両端部にもアダプタ30A,30Bが設けられ、一方のアダプタ30Aには、制御弁装置9から導出されたブーム用ホース34の基端側ホース34Aを接続すると共に、他方のアダプタ30Bには、シリンダ配管4Jに接続されたブーム用ホース34の先端側ホース34Bを接続している。
33,34は上部旋回体3に搭載された制御弁装置9とブームシリンダ4Dとの間を接続して設けられた1対のブーム用ホースを示している。ここで、一方のブーム用ホース33は、制御弁装置9とパイプ体29との間を接続する基端側ホース33Aと、ブームシリンダ4Dのシリンダ配管4Iとパイプ体29との間を接続する先端側ホース33Bとに分割されている。そして、基端側ホース33Aは、制御弁装置9から連結ピン12の左側方を通って前方へと延び、スイングポスト11のホース挿通孔20からホース収容空間27内に導入され、左,右の側面板14,15間をホースカバー21に沿って下側から上側へと延びている。この場合、基端側ホース33Aの途中部位は、ホース保持具28によって把持され、ホース保持具28からスイングポスト11の上側に導出された基端側ホース33Aの先端は、パイプ体29のアダプタ29Aに接続されている。
一方、ブーム用ホース33の先端側ホース33Bは、パイプ体29からブームフート部4A1の下側を通り、かつ、ブームシリンダ4Dの基端側(ボトム側)を通って前方に延び、その先端はブームシリンダ4Dに設けられたシリンダ配管4Iに接続されている。
次に、他方のブーム用ホース34も、制御弁装置9とパイプ体30との間を接続する基端側ホース34Aと、ブームシリンダ4Dのシリンダ配管4Jとパイプ体30との間を接続する先端側ホース34Bとに分割されている。そして、基端側ホース34Aは、制御弁装置9から連結ピン12の左側方を通って前方へと延び、スイングポスト11のホース挿通孔20からホース収容空間27内に導入され、左,右の側面板14,15間をホースカバー21に沿って下側から上側へと延びている。この場合、基端側ホース34Aの途中部位は、ホース保持具28によって把持され、ホース保持具28からスイングポスト11の上側に導出された基端側ホース34Aの先端は、パイプ体30のアダプタ30Aに接続されている。
一方、ブーム用ホース34の先端側ホース34Bは、パイプ体30からブームフート部4A1の下側を通り、かつ、ブームシリンダ4Dの基端側(ボトム側)を通って前方に延び、その先端はブームシリンダ4Dに設けられたシリンダ配管4Jに接続されている。
このように、ホース保持具28から導出されたブーム用ホース33,34の途中部位をホースカバー21の上部に設けられたパイプ体29,30に接続することより、ブーム用ホース33,34をブームフート部4A1側に折返す構成としている。このため、ブーム用ホース33,34の先端側ホース33B,34Bを、それぞれブームフート部4A1の下側を通してブームシリンダ4Dの基端側(ボトム側)に最短距離で配設することができ、ブーム用ホース33,34を短くすることができる。また、ブーム用ホース33,34の先端側ホース33B,34Bを、ブームシリンダ4Dのボトム部(基端部)の近傍に配置することで、ブーム4Aの上下動作時にブーム用ホース33,34が無駄に揺動することを防止でき、この面からもブーム用ホース33,34の短縮化を図ることができる。
35は上部旋回体3に搭載された制御弁装置9と作業装置4に設けられたアームシリンダ4Eとの間を接続して設けられた1対のアームシリンダ用ホースで、該各アームシリンダ用ホース35は、ブーム用ホース33,34の基端側ホース33A,34Aと同様に、途中部位がスイングポスト11内を通過している。すなわち、各アームシリンダ用ホース35は、基端側が制御弁装置9の吐出口に接続され、該制御弁装置9から連結ピン12の左側方を通って前方へと延びている。
そして、各アームシリンダ用ホース35は、スイングポスト11のホース挿通孔20からホース収容空間27内に導入され、左,右の側面板14,15間をホースカバー21に沿って下側から上側へと延び、途中部位がホース保持具28によって把持されている。そして、ホース保持具28からスイングポスト11の上側に導出された各アームシリンダ用ホース35の先端側は、ブーム4Aの背面側へと延び、該ブーム4Aの背面に配設された油圧配管群4Gの基端側に接続されている。
36は上部旋回体3に搭載された制御弁装置9と作業装置4に設けられたバケット4Cとの間を接続して設けられた作業具シリンダ用ホースとしての1対のバケットシリンダ用ホースで、該各バケットシリンダ用ホース36も、各アームシリンダ用ホース35と同様に、基端側が制御弁装置9の吐出口に接続されると共に、途中部位がホース保持具28によって把持されている。そして、ホース保持具28からスイングポスト11の上側に導出された各バケットシリンダ用ホース36の先端側は、ブーム4Aの背面側へと延び、該ブーム4Aの背面に配設された油圧配管群4Gの基端側に接続されている。
37は1対の追加ホースで、該各追加ホース37は、例えば作業装置4のアーム4Bの先端側に、バケット4Cに代えてコンクリート等を破砕するブレーカ(図示せず)を取付けた場合に、当該ブレーカに作動用の圧油を給排するものである。そして、各追加ホース37も、バケットシリンダ用ホース36と同様に、基端側が制御弁装置9の吐出口に接続されると共に、途中部位がホース保持具28によって把持されている。そして、ホース保持具28からスイングポスト11の上側に導出された各追加ホース37の先端側は、ブーム4Aの側面側へと延び、該ブーム4Aの側面に配設された油圧配管4Kの基端側に接続されている。
本実施の形態によるスイング式の油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベル1を用いて側溝掘り作業等を行う場合には、スイングシリンダ19により連結ピン12を中心としてスイングポスト11を左,右方向に揺動させると共に、上部旋回体3をスイングポスト11の揺動方向とは反対側に旋回させる。これにより、作業装置4を左,右方向に平行移動させることができ、この状態で作業装置4を俯仰動させることにより、側溝掘り作業を行うことができる。
ここで、作業装置4のブームシリンダ4Dと制御弁装置9との間を接続するブーム用ホース33,34(基端側ホース33A,34A)の途中部位は、アームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36、追加ホース37と共に、スイングポスト11のホースカバー21に取付けられたホース保持具28によって把持されている。そして、ホース保持具28から導出されたブーム用ホース33,34の基端側ホース33A,34Aを、ホースカバー21に取付けた略U字状のパイプ体29,30に接続し、このパイプ体29,30とブームシリンダ4Dのシリンダ配管4I,4Jとの間を先端側ホース33B,34Bによって接続している。
このように、本実施の形態によれば、連結ピン12の上部近傍に位置してスイングポスト11のホースカバー21にパイプ体29,30を設けることにより、ホース保持具28から導出されたブーム用ホース33、34をブームフート部4A1側に折返すことができる。
この結果、ブーム用ホース33,34をブームフート部4A1の下側を通してブームシリンダ4Dのボトム側に最短距離で配設することができ、ブーム用ホース33,34を短くすることができる。このため、ブーム用ホース33,34の配管を簡素に構成できコストの低減を図れると共に、スイング式の油圧ショベル1の作動時に、ブーム用ホース33,34が周囲の障害物に干渉するのを抑え、作動時の安定性を確保できる。
しかも、アームシリンダ用ホース35、バケットシリンダ用ホース36、追加ホース37の途中部位も、ブーム用ホース33,34と共にホース保持具28によって保持する構成としているので、これら各ホース33,34,35,36,37がスイングポスト11内で同方向に立ち上る。このため、スイングポスト11内で各ホース33,34,35,36,37が互いに干渉するのを抑えることができ、これら各ホース33,34,35,36,37の耐久性を確保できると共に、ブーム用ホース33,34の配置設計の自由度を高めることができる。
また、スイングポスト11内に設けたホースカバー21にホース保持具28とパイプ体29,30とを設ける構成としているので、これらホース保持具28とパイプ体29,30とをスイングポスト11に安定して支持できる。また、これらホース保持具28とパイプ体29,30とをスイングポスト11の左,右の側面板14,15間に配置する構成としているので、これら左,右の側面板14,15によりブーム用ホース33,34が左,右方向にばたつくことを抑えられる。このため、ブーム用ホース33,34を確実に保持して、スイングポスト11の揺動時の安定性を確保できる。
また、ホースカバー21の前カバー部22と上カバー部23との境界部にホース保持具28を配置すると共に、上カバー部23の上部にパイプ体29,30を配置する構成としているので、ホース保持具28とパイプ体29,30とをホースカバー21を介して容易にスイングポスト11に取付けることができる。
さらに、パイプ体29,30は金属管等に折曲げ加工を施すことにより形成できるので、容易に製造でき、コストを低減できる。
次に、図9ないし図12は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、折返し部材をブロック体により構成したことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41はホース保持具28から導出されたブーム用ホース33,34をブームフート部4A1側に折返す折返し部材としてのブロック体で、該ブロック体41は、例えば左,右方向に延びる直方体状の金属ブロックにL字状に屈曲した2本の油路41Aを穿孔等により形成することにより構成されたものである。ここで、ブロック体41の各油路41Aは、ブロック体41をホースカバー21を介してスイングポスト11に取付けた状態でこのブロック体41の前面と上面とにそれぞれ開口している。そして、左側に位置する一方の油路41Aの両端開口部には、ブーム用ホース33の基端側ホース33Aまたは先端側ホース33Bを接続するためのアダプタ42が設けられ、右側に位置する他方の油路41Aの両端開口部には、ブーム用ホース34の基端側ホース34Aまたは先端側ホース34Bを接続するためのアダプタ43が設けられている。
また、ブロック体41の前部には左右方向に離隔して2個のねじ挿通孔41Bが形成されており、ブロック体41は、これら各ねじ挿通孔41Bに挿通したボルト44を用いてホースカバー21の上カバー部23の上部に固定されている。
ここで、ブロック体41に形成された一方の油路41Aには、ブームシリンダ4Dに設けられたシリンダ配管4Iと制御弁装置9とを接続するブーム用ホース33の途中部位が接続されている。すなわち、一方の油路41Aのうちブロック体41の前面側の開口部に設けられたアダプタ42には、制御弁装置9から導出されたブーム用ホース33の基端側ホース33Aが接続され、ブロック体41の上面側の開口部に設けられたアダプタ42には、ブームシリンダ4Dのシリンダ配管4Iに接続されるブーム用ホース33の先端側ホース33Bの基端側がL字継手45を介して接続されている。
また、ブロック体41に形成された他方の油路41Aには、ブームシリンダ4Dのシリンダ配管4Jと制御弁装置9とを接続するブーム用ホース34の途中部位が接続されている。すなわち、他方の油路41Aのうちブロック体41の前面側の開口部に設けられたアダプタ43には、制御弁装置9から導出されたブーム用ホース34の基端側ホース34Aの先端側が接続され、ブロック体41の上面側の開口部に設けられたアダプタ43には、ブームシリンダ4Dのシリンダ配管4Jに接続されるブーム用ホース34の先端側ホース34Bの基端側がL字継手45を介して接続されている。
本実施の形態によるスイング式の油圧ショベル1は、上述の如きブロック体41により、ホース保持具28から導出された各ホース33,34,35,36,37のうちブーム用ホース33,34をブームフート部4A1側に折返す構成としている。従って、本実施の形態においても、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
しかも、第2の実施の形態では、2本の油路41Aを形成したブロック体41により折返し部材を構成しているので、穿孔加工等を施すことにより容易に製造できると共に、部品点数の低減も図れ、コストを低減できる。
なお、上述した実施の形態では、1対のブーム用ホース33,34をブームシリンダ4Dの左,右方向両側にそれぞれ1本ずつ配設させた場合を例に挙げて説明したが、1対のブーム用ホースをブームシリンダの左,右方向の一方側にまとめて配設させてもよい。この場合には、支持板に対する各パイプ体の固定位置やブロック体に形成する油路の位置をブーム用ホースの配設位置に合わせて適宜調節する。
また、上述した実施の形態では、ホースカバー21を、互いに別部材からなる前カバー部22と上カバー部23とにより構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば一体型のホースカバーを用いてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、建設機械としてスイングポスト11を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、スイングポストを備えた他の建設機械にも広く適用することができる。