JP2013203571A - フッ素ガスの製造方法とその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素化ハロゲン間化合物から大量かつ安全にフッ素ガスを製造する。
【解決手段】高次フッ素化ハロゲン間化合物ガス(XF:Xはフッ素以外のハロゲン、nは3〜7の整数)を励起し、フッ素ガスと低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス(XFn−2:Xはフッ素以外のハロゲン、nは3〜7の整数)を生成させる工程[1]と、前記低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを捕集する工程[2]と、を含む、フッ素ガスの製造方法を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フッ素化ハロゲン間化合物を原料としたフッ素ガスの製造方法とその装置に関する。
フッ素ガスは、半導体デバイス、MEMSデバイス、液晶用TFTパネルおよび太陽電池等の製造工程における、基板のエッチングプロセスやCVD装置等の薄膜形成装置のクリーニングプロセス用のガス、あるいは、フルオロ製品合成のためのフッ素化剤等、広い範囲で使用されている。
フッ素ガスの製造および供給方法は、種々の方法が知られている。例えば、フッ素化剤を加熱することによって、フッ素ガスを発生させる方法(特許文献1)、また、ボンベにフッ素ガスを高圧充填し供給する方法などがよく知られている。
近年、オンサイト型フッ素ガス発生装置によって、フッ素ガスをより安全に、安定して供給する方法の一つとして、フッ化水素を含む溶融塩を電解槽中で電解処理し、フッ化水素を電気分解することによってフッ素ガスを発生させる方法が、本出願人より提案され、一部実用化されつつある(特許文献2)。
また、オンサイト型のフッ素ガス発生方法の一つとして、含フッ素化合物を減圧下で励起して活性種を生成させ、その後圧力を常圧または加圧状態にまで上昇させることで、生成した活性種の全てを実質的に失活させてフッ素ガスを発生させるフッ素ガス含有ガスの製造方法が開示されている(特許文献3)。
特開2003−327412号公報 特開2010−242125号公報 国際公開2005/095268号パンフレット
特許文献1に記載のフッ素を吸蔵した物質を加熱して、フッ素を発生させる方法では、発生するフッ素の量が十分でない問題点がある。ボンベにフッ素ガスを高圧充填し供給する方法では、フッ素ガス特有の毒性、反応性、腐食性のため、大量に保管、輸送することは望ましくない。また、ボンベを使用する場合、フッ素ガスの充填圧や濃度に制限があるため、大量にフッ素を供給する場合、ボンベの交換作業増加による作業負担が大きくなる。
特許文献2に記載のオンサイト型フッ素ガス発生装置は、クリーニング等に必要な十分量のフッ素ガスを発生させることが可能であるが、装置が大型であり煩雑なものになりやすく、装置の製作や消費電力などランニングコストが高くなる場合がある。
特許文献3に記載のオンサイト型のフッ素ガス発生方法は、含フッ素化合物含有ガスにエネルギーを付与し励起させ、フッ素ガスを発生させる、簡便な装置構造にて、大量かつ安全に、フッ素ガスを製造する優れた方法であるが、例えば、含フッ素化合物ガスとして、IF、BrFなどのフッ素化ハロゲン間化合物ガスを励起してフッ素ガスを発生させる場合、下記反応式(1)、(2)に示す平衡反応を経て反応が進行する。
Figure 2013203571
Figure 2013203571
上記の反応式(1)、(2)より、特許文献3に記載の方法では、フッ素化ハロゲン間化合物ガスなどの含フッ素化合物ガスを使用する場合、反応温度条件によって、上記反応式の平衡が左側にずれてしまい、フッ素ガスの製造効率が低下する。そのため、この方法では、フッ素ガスを効率的かつ大量に供給することが難しい問題点があった。
このように、これまで、数多くのフッ素ガスの製造方法が提案されているが、フッ素ガスの取り扱いや供給の安全性、製造及び供給効率、製造コストの観点から総合的に未だ十分な製造方法はなく、フッ素ガスの製造方法の更なる改善が求められている。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、フッ素化ハロゲン間化合物を原料として、大量かつ安全に、フッ素ガスを製造する簡便な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、フッ素化ハロゲン間化合物ガスを励起し、分解生成したガス生成物中のフッ素ガス以外の成分(低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス)を捕集し気相から速やかに除去することによって、平衡反応を制御し、高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスの再生成を抑制させ、フッ素ガスを効率的に製造できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、フッ素化ハロゲン間化合物を原料としたフッ素ガスの製造方法であって、高次フッ素化ハロゲン間化合物ガス(XF:Xはフッ素以外のハロゲン、nは3〜7の整数)を励起し、フッ素ガスと低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス(XFn−2:Xはフッ素以外のハロゲン、nは3〜7の整数)を生成させる工程[1]と、前記低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを捕集する工程[2]を含むフッ素ガスの製造方法である。
なお、本明細書において、「フッ素化ハロンゲン間化合物」とは、フッ素以外のハロゲンとフッ素との間に結合が形成された化合物を意味する。また、高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスとは、フッ素の原子数が3以上のフッ素化ハロゲン間化合物を意味する。一方、低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスとは、高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを励起分解させ、フッ素の発生によって、フッ素の原子数が減少したフッ素化ハロゲン間化合物を意味する。
また、本発明において、前記工程[2]にて捕集した低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを回収し、該低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスとフッ素ガスを反応させ、生成した高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを、フッ素化ハロゲン間化合物の原料として再利用する工程[3]を含むようにしてもよい。
本構成によれば、回収した低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを原料として、再度利用することができるため、回収物を無駄にすることがなく、効率的にフッ素ガスを製造することが可能となる。また、フッ素ガスの純度を高め、フッ素以外のハロゲン元素の利用効率を向上させることができる。
本発明によれば、励起によって生成したガス生成物中のフッ素ガス以外の成分を速やかに捕集により気相から除去する工程を有するので、低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスから高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスへの再生成を抑制することができる。そのため、フッ素化ハロゲン間化合物ガスを励起分解して、フッ素ガスを製造する際、平衡反応によってフッ素ガスの変換効率が低下することを防ぐことができる。したがって、大量かつ安全に、フッ素ガスを製造することが可能となる。
本発明に係る方法が適用可能なフッ素ガス製造装置の概略図である。 プラズマ励起分解装置を用いたフッ素ガス製造装置の一例である。 熱励起分解装置を用いたフッ素ガス製造装置の一例である。
本発明に係る方法が適用可能なフッ素ガス製造装置について図面を参照して詳細に説明する。フッ素ガス製造装置は、エッチングや薄膜形成プロセス等の半導体処理装置のガス供給系に配設され、フッ素ガスを供給するシステムとして用いられる。
図1に示すように、フッ素ガス製造装置100は、フッ素化ハロゲン間化合物ガスを供給するガス供給部30と、ガス供給部30から導入されるフッ素化ハロゲン間化合物ガスを励起分解し、フッ素ガスを発生させる励起分解装置10と、励起分解装置10の後段に接続され、フッ素ガス以外の成分を除去する捕集装置20と、を備える。
励起分解装置10は、フッ素ガスの原料となるフッ素化ハロゲン間化合物ガスを励起分解装置10に導入する供給配管10aと、励起分解装置10にて生成したガス生成物を導出する導出配管10bが接続される。導出配管10bの下流には、ガス生成物からフッ素ガス以外の成分を除去する捕集装置20が接続されている。なお、ガス供給部30にはガスを充填したボンベなどを使用し、供給配管10aにガスの流量を調整するマスフローコントローラー31を設けるとよい。
励起分解装置10には、フッ素化ハロゲン間化合物ガスにエネルギーを付与して基底状態より高いエネルギー状態に遷移させることができるものであれば限定されない。例えば、誘導結合プラズマ(ICP)、ヘリコン波プラズマ、または電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR)などのプラズマ励起、キセノンランプ、エキシマレーザーなど紫外線照射やレーザー照射などの光励起、電気炉による加熱などの熱励起などの方式を適用することができる。中でも、フッ素化ハロゲン間化合物ガスの分解率の観点から、誘導結合プラズマ(ICP)のプラズマ励起方式を適用することが好適である。
励起分解装置10において、プラズマ励起方式を適用する場合、装置内部を減圧状態にするための真空ポンプ(図示せず)が接続される。励起分解装置10と真空ポンプを接続する配管は、ステンレス鋼製、Ni、Ni合金、アルミ、アルミ合金、銅、などの金属を使用することができる。なお、配管の接ガス部表面には、窒素、フッ化窒素、フッ素のラジカルやイオンが通過するのを防ぐためにフッ素不動態膜を接ガス部表面に形成しておくとよい。また、アルミナや窒化アルミなどの素材を使用するとさらに好ましい。
真空ポンプは、装置内部を減圧状態に保つことができれば、特に制限はなく一般的なものが使用できるが、油回転ポンプでは油とフッ素が反応しやすいため、ドライポンプを使用するとよい。また、ポンプはモータ部を保護するためのパージ機構付きのものを用いるとよい。また。パージガスは、N、Ar、乾燥空気など種々のガスを用いることができる。
また、真空ポンプを使用する際、真空ポンプから排出されたガスを昇圧するためのポンプを設けるとよい(後述の実施例1〜3参照)。なお、昇圧ポンプの接ガス部は、ステンレス鋼製などの金属及びフッ素樹脂PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PCTFE(ポリモノクロロトリフルオロエチレン)、PFA(パーフルオロコキシアルカン)で構成されたベロースポンプを使用することができる。
励起分解装置10において、熱励起方式を適用する場合、装置内部を減圧状態にするための真空ポンプを設置する必要はなく、ガスを流通させることができる筒状の反応容器の外部にヒーターを設け、加熱するようにすればよい(後述の実施例4、5参考)。また、一般的な電気炉を使用することもできる。
捕集装置20には、フッ素ガス成分とフッ素ガス以外の成分(低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス)とを双方の凝縮点(沸点)の違いを利用して分離する種々の方式の装置を用いることができる。例えば、冷媒等を流通可能なジャケットを使用する外部ジャケット冷却方式、ガスを流通させるトラップの外周に取り付けたジャケットに液体窒素などを充填することで冷却する深冷精製方式を用いるとよい。なお、深冷精製方式において、液体アルゴンを使用する場合、デュワー瓶等を使用してもよい。
捕集装置20には、フッ素ガス以外の成分を除去したフッ素ガスを排出するための排出配管20aが設けられており、その下流には、捕集装置20から排出されたガスを昇圧するための昇圧ポンプ50と、昇圧されたガスを貯留するためのバッファタンク53を順に設けるとよい。
昇圧ポンプ50の前段には、図1に示すように、排出配管20aにおいて、反応系内の圧力を所望の値に調整するための圧力調整弁51を設けるとよい。系内の圧力は圧力計52に連動させた圧力調整弁51により、所定の圧力に調整される。バッファタンク53に貯留され圧力が調整されたフッ素ガスは半導体処理装置に導入される。
捕集装置20の後段に、必要に応じて、フッ素ガスの純度を高めるための精製塔(図示せず)を設けてもよい。精製塔には、フッ素ガスの純度を高めるために、不純物を除去する目的でNaF、KF、RbF、CsF等のアルカリ金属フッ化物を充填して使用するとよい。なお、精製塔を設ける位置は、ガスの流通を妨げるものでなければ特に制限はないが、例えば、昇圧ポンプ50とバッファタンク53の間に設けるとよい。
さらに、捕集装置20には、捕集したフッ素ガス以外の成分を回収し、貯留するための回収装置30を設けるようにしてもよい。回収装置30は、捕集装置20に設けられた排出配管20bを介して、捕集装置20と連結される。回収装置30にて貯留したフッ素ガス以外の成分(低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス)は、別途フッ素ガスと反応させることによって、高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを生成させガス供給部30の原料として使用することができる。例えば、回収装置30はボンベなどのガスシリンダーを使用することができる。
また、反応させるフッ素源として、バッファタンク53や排出配管20aの経路に、生成したフッ素ガスを抜き出すフッ素ガス排出ライン(図1参照)を設けて、抜き出したフッ素ガスを回収した低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスと反応させ、生成した高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスをガス供給部30の原料として使用するようにしてもよい。
次に、本発明に係るフッ素化ハロゲン間化合物を原料としたフッ素ガスの製造方法(工程[1]〜[3])について詳細に説明する。
まず、本発明の工程[1]について説明する。工程[1]は、原料となる高次フッ素化ハロゲン間化合物ガス(XF:Xはフッ素以外のハロゲン、nは3〜7の整数)を励起し、フッ素ガスと低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス(XFn−2:Xはフッ素以外のハロゲン、nは3〜7の整数)を含むガス生成物を生成させる工程である。
原料となるフッ素化ハロゲン間化合物ガスは、エネルギーを付与し励起することによってフッ素ガスを生成させることが可能なフッ素原子数が3以上の高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを使用することができる。
生成するフッ素ガスと低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスの分離し易さの観点から、フッ素ガスと低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスの沸点差(蒸気圧差)が大きくなるフッ素化ハロゲン間化合物ガスを使用することが好ましく、例えば、IF、IF、BrF、ClFの化合物ガスを使用することができる。特に、低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを固化捕集するにおいて、大気圧下におけるフッ素ガスの沸点と低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスの融点との差は、30℃以上、さらに好ましくは、50℃以上、最も好ましくは、100℃以上である。中でも、原料となるフッ素化ハロゲン間化合物ガスとしてIFを使用した場合、フッ素ガスとの沸点と低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスの融点との差が、特に大きくなるため、好適である。
プラズマ励起によって、フッ素化ハロゲン間化合物ガスを励起分解する場合、装置の動作条件は、一般的な条件を適用でき特に制限はないが、供給されるフッ素化ハロゲン間化合物ガスが励起され分解率が高くなるように適宜設定される。
プラズマ励起を用いる場合、不活性ガスとして、He、Ne、Ar、Xe、Kr、N又はそれの組み合わせを使用することができる。また、必要に応じて、不活性ガス以外の成分として、酸素等の他の成分ガスを使用してもよい。フッ素化ハロゲン間化合物ガスと不活性ガス等を混合する方法は特に限定されず、それぞれ混合したガスを反応器に導入する、もしくは、それぞれ単独で反応器に導入してもよい。
反応容器内の圧力条件は、減圧してプラズマを発生させることができる圧力であれば特に制限はないが、例えば、1〜200torr(133Pa〜26600Pa)の範囲で行うことが好ましい。また、導入するガスの流量は、反応容器の大きさに依存するが、例えば、10〜10000sccmの範囲で行うことが好ましい。
加熱励起を用いる場合、反応器の圧力は大気圧下で行うことができるが、例えば、1〜1520torr(133〜202600Pa)の範囲で行うことが好ましい。反応器の加熱温度は、350〜450℃の範囲で行うことができる。また、導入するガスの流量は、反応容器の大きさに依存するが、例えば、10〜10000sccmの範囲で行うことが好ましい。
上記の反応条件によって、工程[1]において、下記の反応式(3)が進行する。
Figure 2013203571
次に、本発明の工程[2]について説明する。工程[2]は、工程[1]にて生成したガス生成物中の低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス(XFn−2:Xはフッ素以外のハロゲン、nは3以上の整数nは整数)を捕集する工程である。
反応式(3)に示すように、工程[1]にて生成したガス生成物中の低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを気相から、速やかに除去することにより、高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスへの再生成を抑制することができる。
生成したガス生成物中の低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを捕集する際の温度は、IFの場合、−186〜−10℃、BrFの場合、−186〜−10℃、ClFの場合、−186〜−150℃とすることが好ましい。
また、1回目の工程[2]の捕集にて、捕集しきれなかったフッ素ガス以外のガス成分(低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス)をより効果的に除去して、フッ素ガスの純度を高めるために、工程[1]と工程[2]を2回以上繰り返すようにしてもよい(後述の実施例5参照)。
次に、本発明の工程[3]について説明する。工程[3]は、工程[2]にて捕集した低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを回収し、この低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスとフッ素ガスを反応させ、生成した高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを、フッ素化ハロゲン間化合物の原料として再利用する工程である。
工程[3]は、工程[2]にて捕集したフッ素ガス以外のガス成分(低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス)を回収し、回収したフッ素ガス以外の成分を工程[1]の含フッ素化合物ガスの原料として再利用するための工程である。具体的には、捕集によって低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを回収したボンベなどのガスシリンダーを加熱操作によって、捕集したフッ素ガス以外のガス成分を脱離させ、得られたガス成分をフッ素ガスと反応させ工程[1]の原料として使用するとよい。
下記の反応式(4)のように、低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスとフッ素ガスを反応させ高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを生成する反応において、低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスが、IFの場合は、200〜400℃の温度範囲で、BrFの場合、200〜400℃、ClFの場合、200〜400℃で反応させるとよい。なお、反応圧力は、通常の範囲内であれば特に限定はされないが、例えば、−0.20MPaG〜0.10MPaG(ゲージ圧)の範囲で行うとよい。
Figure 2013203571
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す装置を用いて、フッ素ガスの製造を行った。図2は、実施例1にて使用したプラズマ励起装置の近傍を示す詳細図である。プラズマ励起装置32は、誘導結合型のプラズマ励起装置(日本エム・ケー・エス株式会社製、astronAX7685型)を使用した。なお、フッ素化ハロゲン間化合物ガスの供給は、IF充填容器を使用した。また、配管はすべてステンレス製の材質のものを使用した。
プラズマ装置32の後段には、真空ポンプ36(ドライポンプ)を設け、真空ポンプ36とプラズマ装置32の間に、圧力計35と圧力調整弁34を設け、圧力計52と圧力調整弁53を連動させ、系内の圧力を調整した。
さらに、プラズマ装置32の後段には、冷媒を循環させるためのジャケットを外部に設けたステンレス容器(捕集装置20)を接続した。冷媒温度は−30℃に設定した。また、捕集装置20の後段には、昇圧ポンプ50を設置し、経路内に設置した圧力計52と圧力調整弁53を連動させ、系内の圧力を調整した。
IFを充填容器の容器弁から昇圧ポンプ50までの間を真空置換し、さらにアルゴンガスを導入し、系内の圧力を4torr(532Pa)とした。その後、圧力計35の圧力を4torr(532Pa)と設定し、圧力調整弁53を閉止した状態で、真空ポンプ36、昇圧ポンプ50の順に起動した。アルゴンガスを100sccmで流通させ、圧力が設定値に達したところで、プラズマ放電(励起分解)を開始した。さらにIF充填容器の容器弁を開放し、マスフローコントローラー31を介して、ガスの流量を200sccmとして供給し、アルゴンガスの流通を停止した。その後、圧力調整弁34を閉止し、圧力計52の圧力を100torr(13300Pa)とし、圧力調整弁53を動作させ、昇圧ポンプ50側へガスを流通させた。
ガスを流通させた後、昇圧ポンプ50の後段に付設されたサンプリングラインよりガスを採取し、ガスを分析したところ、フッ素の純度は、99.4体積%であった。フッ素の純度測定には、紫外可視分光光度計(日立製、U−5100型)を使用した。
[実施例2]
原料となるフッ素化ハロゲン間化合物ガスとして、BrFを使用する以外は、実施例1と同様な条件でフッ素ガスの製造を行った。その結果、ガスを流通させた後、昇圧ポンプ50の後段に付設されたサンプリングラインよりガスを採取し、ガスを分析したところ、フッ素の純度は、97.8体積%であった。
[実施例3]
原料となるフッ素化ハロゲン間化合物ガスとして、ClFを使用し、冷媒温度が−194℃であること以外は、実施例1と同様な条件でフッ素ガスの製造を行った。その結果、ガスを流通させた後、昇圧ポンプ50の後段に付設されたサンプリングラインよりガスを採取し、ガスを分析したところ、フッ素の純度は、99.2体積%であった。
[実施例4]
図2は、実施例4にて使用した加熱励起装置の近傍を示す詳細図である。励起装置を加熱方式とする以外は、実施例1と同様な実験条件でフッ素ガスの製造を行った。
反応器33の外周温度を350℃に設定し、捕集装置20の外部ジャケット温度を−50℃に設定した。系内の圧力を760torr(0.10MPa)と設定した上で、IF充填容器の容器弁を開放し、マスフローコントローラー31を介して、ガスの流量を200sccmとして供給した。
ガスを流通させた後、昇圧ポンプ50の後段に付設されたサンプリングライン(図示せず)よりガスを採取し、ガスを分析したところ、フッ素の純度は、96.0体積%であった。
[実施例5]
反応器33と捕集装置20を交互に2系列接続する以外は、実施例4と同様な条件でフッ素ガスの製造を行った。
ガスを流通させた後、昇圧ポンプ50の後段に付設されたサンプリングライン(図示せず)よりガスを採取し、ガスを分析したところ、フッ素の純度は、97.5体積%であった。実施例4より、捕集装置20を通過したガスを再度加熱し、さらに、捕集装置20に流通させることにより、フッ素ガスの純度を向上させることができることが分かる。
[比較例1]
図1に示す装置において、捕集装置20を設けない、以外は実施例1と同様な条件でフッ素ガスの製造を行った。その結果、ガスを流通させた後、昇圧ポンプ50の後段に付設されたサンプリングライン(図示せず)よりガスを採取し、ガスを分析したところ、フッ素ガスの純度は、60.4体積%であった。
比較例1より、捕集装置20を設けない場合、フッ素化ハロゲン間化合物ガスの励起分解反応の平衡反応に起因して、フッ素ガスの純度が低下していることが分かる。
100 フッ素ガス製造装置
10 励起分装置
20 捕集装置
30 ガス供給部
40 回収装置
50 昇圧ポンプ
51 圧力調整弁
52 圧力計
53 バッファタンク

Claims (6)

  1. フッ素化ハロゲン間化合物を原料としたフッ素ガスの製造方法であって、
    高次フッ素化ハロゲン間化合物ガス(XF:Xはフッ素以外のハロゲン、nは3〜7の整数)を励起し、フッ素ガスと低次フッ素化ハロゲン間化合物ガス(XFn−2:Xはフッ素以外のハロゲン、nは3〜7の整数)を生成させる工程[1]と、
    前記低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを捕集する工程[2]、を含む、
    フッ素ガスの製造方法。
  2. さらに、前記工程[2]にて捕集した低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを回収し、
    該低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスとフッ素ガスを反応させ、生成した高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスをフッ素化ハロゲン間化合物の原料として再利用する工程[3]を含む、請求項1のフッ素ガスの製造方法。
  3. フッ素ガスの沸点と低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスの融点との差(大気圧下)が、30℃以上である、請求項1又は請求項2のフッ素ガスの製造方法。
  4. 前記高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスが、IF、BrF又はClFである、請求項1から請求項3の何れかのフッ素ガスの製造方法。
  5. フッ素化ハロゲン間化合物を原料としたフッ素ガス製造装置であって、
    高次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを励起し、フッ素ガスと低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを含むガス生成物を生成させる励起装置と、
    該励起装置に連結され、前記ガス生成物中の低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを除去する捕集装置、を備えたフッ素ガス製造装置。
  6. 前記捕集装置が、捕集した低次フッ素化ハロゲン間化合物ガスを回収し貯留する回収装置を有する、請求項5のフッ素ガス製造装置。
JP2012072680A 2012-03-28 2012-03-28 フッ素ガスの製造方法とその装置 Pending JP2013203571A (ja)

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