JP4804345B2 - F2含有ガスの製造方法及びf2含有ガスの製造装置 - Google Patents

F2含有ガスの製造方法及びf2含有ガスの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、含フッ素化合物を減圧下で励起して活性種を生成させ、その後圧力を常圧または加圧状態にまで上昇させることで、生成した活性種の全てを実質的に失活させてフッ素(F2)を発生させるF2含有ガスの製造方法及び装置、及びそのF2含有ガスを物品の表面と接触させて該表面を改質する方法及び装置に関する。
プラズマCVD法は、半導体デバイスの製造における薄膜形成に広く用いられている。プラズマCVD法では、NF3等のガス状の含フッ素化合物をプラズマ化し、該プラズマ生成種により半導体基板表面のエッチングやCVDチャンバーのクリーニングが行われている。この様なプラズマ化の際、F2ガスも生成するが、F2ガスは排ガスとして処理されている。
例えば、F2ガスをプラズマ化し、このプラズマ生成種を用いてCVDチャンバーの内壁をクリーニングする方法も知られているが(例えば、特許文献1を参照)、F2ガス自体を利用するのではなく、F2ガスのプラズマが使用される。
含フッ素化合物に由来するプラズマを用いて半導体以外の材料の表面処理を行う方法としては、金属材料やプラスチック材料の表面処理が報告されている(特許文献、及び特許文献4を参照)。しかし、この方法ではプラズマが表面処理される物品の内部に侵入し、該物品に損傷を与える可能性がある。
2ガスをプラズマ化せずに用いて表面処理を行う方法も報告されている(例えば、特許文献を参照)。しかし、このようにF2ガスを直接用いる方法には、以下の問題がある。まず、F2ガスの毒性、危険性、反応性、及び腐食性のため、F2ガスを大量に保管、輸送、及び使用することが困難である。危険性を低減するため希釈したF2ガスを使用することもできるが、保管及び輸送コストが増加する。さらに、F2ガスが接触する部位には非常に安定な材料を用いる必要があるため、表面処理設備のコストが高くなる。
また、ハロゲン化合物を、大気圧又はその近傍の圧力下で低周波電圧を印加することにより励起して分解し、ハロゲン又はハロゲン化水素を発生させ、物品の表面を処理する方法が提案されている(特許文献5を参照)。大気圧又はその近傍の圧力下という条件で実施できることは、操作上簡易で安全な方法という利点をもつ。しかし、この方法では分解効率が低く、発生させ得るハロゲン又はハロゲン化水素の濃度はかなり希薄なレベルのものであって、その後の利用に供するのに充分な濃度や量を確保するのは容易なことでない。
特開2004−039740号公報 特開2000−319433号公報 特開2001−240956号公報 特開平8−217897号公報 特開平9−205272号公報
本発明は上記のような事情に鑑みなされたものであり、簡便な装置において安全で容易にF2ガスを製造する方法及び装置を提供する。本発明はまた、安全で容易にF2ガスによる表面改質を行うことができる方法及び装置も提供する。
本発明者らはこれらの課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、F2ガスよりも取り扱いが容易な含フッ素化合物を含有するガスを供給し、表面改質前に該含フッ素化合物をF2ガスに変換することにより、安全で容易にF2ガスによる表面改質を行うことができることを発見し、本発明を完成させた。また更には、含フッ素化合物を減圧状態で励起して活性種を生成させ、その後圧力を常圧または加圧状態にまで上昇させることで、生成した活性種の全てを実質的に失活させることにより、含フッ素化合物からF2ガスを効率良く、充分な濃度と量とで発生させることができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)減圧下で含フッ素化合物含有ガスにエネルギーを付与することにより含フッ素化合物含有ガス中の少なくとも1つの含フッ素化合物を励起し;そして
励起した含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスの一部または全部を常圧または加圧下でF2に変換する;
工程を含むF2含有ガスの製造方法。
(2)含フッ素化合物を励起する工程が、減圧下にある第1のゾーン中で行われ;
2に変換する工程が、第1のゾーンと連通した常圧または加圧下にある第2のゾーン中で行われる;
(1)に記載のF2含有ガスの製造方法。
(3)含フッ素化合物を励起する工程が、減圧下にある第1のゾーン中で行われ;
2に変換する工程が、励起含フッ素化合物含有ガスを第1のゾーンと連通した第2のゾーンに輸送する間に輸送系内の圧力を常圧または加圧状態とすることを含む;
(1)に記載のF2含有ガスの製造方法。
(4)含フッ素化合物を励起する工程が減圧下にある第1のゾーン中で行われ;
2に変換する工程が第1のゾーン中の圧力を常圧または加圧状態とすることにより行われる;
(1)に記載のF2含有ガスの製造方法。
(5)含フッ素化合物を励起する工程が減圧下にある第1のチャンバー中で行われ;
2に変換する工程が第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス経路を通じて励起された含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスを第1のチャンバーから常圧または加圧下にある第2のチャンバーに輸送することを含む;
(1)に記載のF2含有ガスの製造方法。
(6)含フッ素化合物を励起する工程が減圧下にある第1のチャンバー中で行われ;
2に変換する工程が第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路を通じて、励起した含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスを、第1のチャンバーから第2のチャンバーに輸送する間に、該輸送系内の圧力を常圧または加圧状態とすることを含む;
(1)に記載のF2含有ガスの製造方法。
(7)含フッ素化合物を励起する工程が減圧下にある第1のチャンバー中で行われ;
2に変換する工程が第1のチャンバー中で第1のチャンバーを常圧または加圧にすることにより行われる;
(1)に記載のF2含有ガスの製造方法。
(8)第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路中に真空ポンプが設置され、励起含フッ素化合物含有ガスを第1のチャンバーから第2のチャンバーへ輸送する工程に該真空ポンプが用いられる、(5)または(6)に記載のF2含有ガスの製造方法。
(9)含フッ素化合物を励起する工程が含フッ素化合物含有ガスをプラズマ化することを含む、(1)〜(8)の何れかに記載のF2含有ガスの製造方法。
(10)含フッ素化合物が、直鎖、分枝状、若しくは環状の飽和パーフルオロカーボン、直鎖、分枝状、若しくは環状の不飽和パーフルオロカーボン、カルボニルフッ化物、パーフルオロハイポフルオライド、パーフルオロ過酸化物、パーフルオロエーテル化合物、含酸素フッ化物、ハロゲン間フッ化物、含ヨウ素フッ化物、含硫黄フッ化物、含窒素フッ化物、含ケイ素フッ化物、含希ガスフッ化物、又はそれらの組み合わせから選択されるガス状の含フッ素化合物である、(1)〜(9)の何れかに記載のF2含有ガスの製造方法。
(11)含フッ素化合物が、CF4、C26、C38、C410、C512、C614、C24、C36、C48、C510、C612、C46、FCOF、CF3COF、CF2(COF)2、C37COF、CF3OF、C25OF、CF2(OF)2、CF3COOF、CF3OOCF3、CF3COOOF、CF3OCF3、C25OC25、C24OC24、OF2、SOF2、SOF4、NOF、ClF3、IF5、BrF5、BrF3、CF3I、C25I、N24、NF3、NOF3、SiF4、Si26、XeF2、XeF4、KrF2、SF4、SF6、またはこれらの混合物から選択される、(1)〜(9)の何れかに記載のF2含有ガスの製造方法。
(12)含フッ素化合物含有ガスが、不活性ガス及び/または酸素を含む、(1)〜(11)の何れかに記載のF2含有ガスの製造方法。
(13)不活性ガスがHe、Ne、Ar、Xe、Kr、N2、またはこれらの組み合わせである、(12)に記載のF2含有ガスの製造方法。
(14)含フッ素化合物がNF3、C2F6、及びCOF2の群から選択される1種以上である、(1)〜(13)の何れかに記載のF2含有ガスの製造方法。
(15)含フッ素化合物が、パーフルオロカーボンあるいはパーフルオロカーボンの1種以上を含む混合物のとき、酸素の存在下でプラズマ化される、(14)に記載のF2含有ガスの製造方法。
(16) (1)〜(15)の何れかに記載のF2含有ガスの製造方法により得られたF2含有ガスを物品の表面と減圧もしくは加圧または常圧下で接触させる物品の表面を改質する方法。
(17)含フッ素化合物含有ガスにエネルギーを付与してから、表面改質される物品と接触させるまでの間に、不活性ガス及び/または酸素を導入する工程をさらに含む、(16)に記載の表面改質方法。
(18)表面改質が物品表面のフッ素化によって行われる、(16)または(17)に記載の表面改質方法。
(19)表面改質される物品が、金属、金属化合物及びポリマーの群から選択される1種以上である、(16)〜(18)の何れかに記載の表面改質方法。
(20)ポリマーが、ポリプロピレンを主成分とする物品である、(19)に記載の表面改質方法。
(21)金属化合物が、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物及び金属塩化物の群から選択される1種以上である、(19)に記載の表面改質方法。
(22)金属化合物が、Siを主成分とする化合物である、(19)に記載の表面改質方法。
(23)Siを主成分とする化合物が、Si,SiO2,Si3N4,SiC,ポリシリコン,アモルファスシリコン、またはこれらの組み合わせである、(22)に記載の表面改質方法。
(24)Siを主成分とする化合物が、LPCVD装置で成膜されたものである、(22)に記載の表面改質方法。
(25)含フッ素化合物含有ガスを減圧下でプラズマ化する手段;及び
プラズマ化手段と連通し、プラズマ化された含フッ素化合物含有ガスの圧力を常圧または加圧状態に調整する圧力調整手段;
を備えたF2含有ガス製造装置。
(26) (25)に記載のF2含有ガス製造装置の圧力調整手段と連通し、該F2含有ガス製造装置で製造されたF2含有ガスと物品の表面とを減圧もしくは加圧または常圧下で接触させるための物品を配置する手段を備えた表面改質装置。
(27) 物品を配置する手段に連通する真空ポンプ若しくはコンプレッサーを更に備えた(26)に記載の表面改質装置。
(28) (25)〜(27)の何れかに記載の装置を有機及び/または無機材料の直接フッ素化に用いる方法。
本発明によれば、含フッ素化合物から用途ごと、特に材料の表面改質、F2ガスを使用した合成反応などに必要とされる量のF2ガスを製造して使用できるため、取り扱いが難しい大量のF2ガスを予め準備・保管する必要がない。
図1は、本発明の表面改質装置の一例を示す。
本発明において、含フッ素化合物含有ガスにエネルギーを付与する第1のゾーンと物品表面を改質する第2のゾーンとは、同一のチャンバー中に設けられてもよい。ここで第1のゾーンは、エネルギーを付与する手段により含フッ素化合物含有ガスにエネルギーが付与される空間をさし、第2のゾーンとは、表面改質される物品が設置される空間をさす。第1のゾーンと第2のゾーンとはガス連通し、含フッ素化合物含有ガスが第1のゾーンから第2のゾーンへガス流通する。第1及び第2のゾーンは、同一チャンバー内で異なる場所にも設けられる。例えば、エネルギーを付与する手段と表面改質する物品を搭載する手段とを異なる位置に設置する場合、前者を含む空間が第1のゾーンとなり、後者を含む空間が第2のゾーンとなる。
第1のゾーン及び第2のゾーンは、異なるチャンバーであってもよい。この場合、第1のゾーン及び第2のゾーンは各々第1のチャンバー及び第2のチャンバーとなる。第1のチャンバー及び第2のチャンバーは、任意の公知の方法によりガス連通される。例えば、第1のチャンバー及び第2のチャンバーがガス流路によって接続され、含フッ素化合物含有ガスが該ガス流路を通じて第1のゾーンから第2のゾーンへ流通する。
また、第1のゾーンと第2のゾーンとの間に連通を保ちつつ隔離壁を設けてもよい。この場合、第1のゾーン及び/又は第2のゾーンを作動排気することにより、両者の圧力を独立に変動させることができる。第1のゾーンが減圧下にあり、第2のゾーンが第1のゾーンよりも高い圧力にある場合、圧力を上げることにより、励起された含フッ素化合物の一部または全部がF2に変換されうる。ただし、F2への変換はかかる態様に限定されるものではなく、第1のゾーン中で行われてもよく、第1のゾーンから第2のゾーンへの輸送過程で行われてもよい。
本発明において、第1のゾーンに供給される含フッ素化合物含有ガス中の含フッ素化合物に特に制限はなく、エネルギー付与によって励起し分解された後にF2ガスを生成し、F2ガスよりも取り扱いが容易であれば、何れの化合物も使用することができる。取り扱いの容易性という点からは、使用条件下でガス状にある含フッ素化合物が好ましい。例えば、25℃、1気圧で気体である化合物が好ましい。
含フッ素化合物には、直鎖、分枝状、若しくは環状の飽和パーフルオロカーボン;直鎖、分枝状、若しくは環状の不飽和パーフルオロカーボン、カルボニルフッ化物、パーフルオロハイポフルオライド、パーフルオロ過酸化物、パーフルオロエーテル化合物、含酸素フッ化物、ハロゲン間フッ化物、含ヨウ素フッ化物、含硫黄フッ化物、含窒素フッ化物、含ケイ素フッ化物、含希ガスフッ化物、又はそれらの組み合わせが含まれる。
本明細書において、パーフルオロカーボンとは、H原子が全てF原子で置換された炭化水素を指す。本明細書において、接頭語を付与せずに又は構造異性体の区別なしに記載した置換又は無置換の炭化水素基は、特に断らない限り全ての異性体を含む。例えば、C410はn−C410及びi−C410を含む。環状化合物とは、単環式化合物であっても多環式化合物であってもよく、脂環式化合物であっても芳香族化合物であってもよく、また炭素環式化合物であっても複素環式化合物であってもよい。
飽和パーフルオロカーボンとは、炭素−炭素多重結合を有しないパーフルオロカーボンを指す。飽和パーフルオロカーボンの炭素数に特に制限はないが、好ましくは1−8、さらに好ましくは1−6である。直鎖飽和パーフルオロカーボンには、CF4、C26、C38、n−C410、n−C512、及びn−C614が含まれる;分枝状飽和パーフルオロカーボンには、i-C410、i−C512、C(CF34、i−C614、C37CF(CF32が含まれる;環式パーフルオロカーボンには、C612が含まれる。
不飽和パーフルオロカーボンとは、炭素−炭素二重結合及び/又は三重結合を少なくとも一つ有するパーフルオロカーボンを指す。不飽和パーフルオロカーボンの炭素数に特に制限はないが、好ましくは2−8、さらに好ましくは2−6である。例えば、不飽和パーフルオロカーボンにはC24、C36、CF(CF3)=CF(CF3)、CF2=C(C25)F、CF2=C(CF32、c−C48、CF≡CC25、CF3C≡CCF3、C510、C612、C22、C34、C46が含まれる。
カルボニルフッ化物とは、カルボニル基及びフッ素を含む化合物を指す。カルボニルフッ化物には、FCOF、CF3COF、CF2(COF)2、及びC37COFが含まれる。
パーフルオロ過酸化物とは、H原子が全てF原子で置換された過酸化物を指し、CF3OOCF3が含まれる。
パーフルオロエーテル化合物とは、H原子が全てF原子で置換されたエーテルを指し、CF3OCF3、C25OC25、及びC24OC24が含まれる。
パーフルオロハイポフルオライドとは、少なくとも1つの−OH基を有する化合物の−OH基を全て−OF基で置換し、−OH基以外のH原子が全てF原子で置換して得られる構造を有する化合物を指す。パーフルオロハイポフルオライドには、CF3OF、C25OF、CF2(OF)2、及びCF3COOFが含まれる。
含酸素フッ化物には、上記のカルボニルフッ化物、パーフルオロ過酸化物、パーフルオロエーテル化合物に加え、OF2、SOF2、SOF4、NOF及びNOF3が含まれる。
ハロゲン間フッ化物とは、フッ素以外のハロゲンとフッ素との間に結合が形成された化合物を指す。ハロゲン間フッ化物には、ClF3、IF5、BrF5、及びBrF3が含まれる。
含ヨウ素フッ化物とは、ヨウ素及びフッ素を含有する化合物を指し、CF3I、及びC25Iが含まれる。
含窒素フッ化物とは、窒素及びフッ素を含有する化合物を指し、N24、NF3、NOF、NOF3が含まれる。
含ケイ素フッ化物とは、ケイ素及びフッ素を含有する化合物を指し、SiF4、Si26が含まれる。
含希ガスフッ化物とは、希ガス及びフッ素を含有する化合物を指し、XeF2、XeF4、及びKrF2が含まれる。
含硫黄フッ化物とは、硫黄及びフッ素を含有する化合物を指し、SF4、SF6、SOF2、及びSOF4が含まれる。
これらの含フッ素化合物は、単独で使用しても、また組み合わせて使用してもよい。
第1のゾーンに供給される含フッ素化合物含有ガスは、含フッ素化合物以外のガスを含有してもよい。含フッ素化合物以外のガスの種類及び流量、並びに第1のゾーンの圧力は、第1のゾーンで含フッ素化合物を励起する態様、及び、目的とする生成F2濃度に応じて選択される。第1のゾーンでプラズマを発生させる場合、含フッ素化合物以外のガスとして不活性ガス及び/または酸素を用いることができる。不活性ガスには、He、Ne、Ar、Xe、Kr、N2、またはそれらの組み合わせが含まれる。含フッ素化合物が窒素含有フッ素化合物である場合、Arが好ましく、含フッ素化合物がパーフルオロカーボンである場合、O2が好ましい。
第1のゾーンにおいて含フッ素化合物にエネルギーを付与して励起する方法としては、励起後にF2が生成するという条件を充たせば特に制限はなく、プラズマ化、光照射、及び加熱が挙げられる。励起とは、基底状態より高いエネルギー状態に遷移させることをいう。プラズマ化には任意の公知の手法を用いることができ、例えば誘導結合プラズマ(ICP)、ヘリコン波プラズマ、及び電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR)が挙げられる。光照射には、紫外線照射やレーザー照射が含まれる。含フッ素化合物が加熱により分解してF2を生成する化合物である場合、エネルギーを付与する方法として加熱を用いることもできる。
第1のゾーンで励起された含フッ素化合物を含有するガスは、第2のゾーンで表面改質される物品と接触するまでの間にF2を生成する。F2の生成の場所及び時期に制限はなく、第1のゾーンで生成してもよく、第1のゾーンから第2のゾーンへ輸送する間に生成してもよく、第2のゾーン中で生成してもよい。第1のゾーン及び第2のゾーンが異なるチャンバーである場合、両者を接続するガス流路中でF2が生成してもよい。F2生成する反応機構に制限はなく、例えば励起により生じたFラジカルの再結合が挙げられる。
含フッ素化合物含有ガスが2以上の含フッ素化合物を含有する場合、全ての種類の含フッ素化合物からF2が生成してもよく、一部の種類の含フッ素化合物のみがF2生成に寄与してもよい。含フッ素化合物の中でF2に変換される割合が高い方が好ましく、含フッ素化合物の全ての量がF2に変換されてもよい。なお第1のゾーンに供給される際に含フッ素化合物を含有したガスを、本明細書では「含フッ素化合物含有ガス」と表記する。第1のゾーンで励起された含フッ素化合物を含有するガスを、「励起含フッ素化合物含有ガス」と表記する。また、「励起含フッ素化合物含有ガス」中に、励起された含フッ素化合物由来のF2が含まれる場合がある。
第1のゾーンで処理された含フッ素化合物含有ガスは、第2のゾーンに輸送される。第1のゾーンで処理された含フッ素化合物含有ガスは、第1のゾーン中でF2ガスを生成することもあり、時間の経過と共にF2ガスを生成することもある。含フッ素化合物含有ガスの全圧及び/または励起された含フッ素化合物の分圧を増加することにより、F2ガスの生成を促進しうる。よって、第1のチャンバーと第2のチャンバーとをガス流路により連通させる場合、含フッ素化合物含有ガスを外部に取り出すことなく第2のチャンバーに輸送できる。
本発明の方法では、表面改質に必要な量のF2ガスを第1のゾーンで含フッ素化合物を励起することにより製造し、第2のゾーンで表面改質に消費するため、予め大量のF2ガスを準備または輸送し、取り扱う必要がないという利点が得られる。つまり、表面改質を行う前はF2ガスよりも安定で取り扱いが容易な含フッ素化合物の形態で保存し、表面改質の際に該含フッ素化合物をF2ガスに変換して利用することにより、従来のF2ガスの取り扱いに関する問題を解決することができる。
含フッ素化合物を励起してから表面改質される物品と接触させるまでの間に、該含フッ素化合物に別のガスを混合してもよい。混合する別のガスとしては、不活性ガスが好ましい。ここで不活性ガスとは、前述の通りである。別のガスの導入は、第1のゾーン内及び第2のゾーン内の任意の位置で行うことができる。第1のゾーン及び第2のゾーンが異なるチャンバーである場合、別のガスの導入は、第1のチャンバー内、第2のチャンバー内、及び、第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路の任意の位置で行うことができる。
第1のゾーンから取り出される時点で、励起含フッ素化合物含有ガスはF2を含有することがある。F2ガスの危険性及び反応性の観点から、F2含有ガスのF2ガス濃度は低いことが好ましい。
第1のチャンバーから含フッ素化合物含有ガスを取り出すため、第1のチャンバーを真空ポンプで排気し、排気された含フッ素化合物含有ガスを第2のチャンバーに導入してもよい。真空ポンプは第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路中に設置することができる。真空ポンプを使用する場合、別のガスとの混合は、第1のチャンバーと真空ポンプとの間で行ってもよく、真空ポンプと第2のチャンバーとの間で行ってもよい。
第1のゾーンから取り出された後に混合される別のガスの流量、及び第2のゾーンの圧力は、表面改質される物品の材質及び表面積に応じて選択される。
表面改質がなされる物品に特に制限はなく、F2ガスと接触して反応するものであれば、何れの材質の物品でもよい。表面がF2ガスと接触することにより、表面がフッ素化されることが好ましい。表面のフッ素化により、表面の撥水性、撥油性、防汚性、耐候性などの各種の特性が改善できる。F2ガスと反応するという観点から、表面改質される物品は金属及び/又は金属化合物及び/又はポリマーを含むことが好ましく、表面に金属及び/又は金属化合物及び/又はポリマーを含むことがさらに好ましい。
金属としては、例えば鉄、アルミニウム、チタン、亜鉛、ニッケル、スズ、銅等の単体金属や、ステンレス、真鍮等の合金が挙げられる。金属化合物としては、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物及び金属塩化物の群から選択される1種以上が挙げられ、例えばSiを主成分とする化合物、即ち、Si,SiO2,Si3N4,SiC,ポリシリコン,アモルファスシリコン、またはこれらの組み合わせが挙げられる。また、該Siを主成分とする化合物は、LPCVD装置で成膜されたものも挙げられる。ポリマーとしては、HDPE、LDPE、LLDPEといったポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリスチレン、等が挙げられる。
本発明は、第1のゾーン及び第2のゾーンを備えた表面改質装置に関し、第1のチャンバー、第2のチャンバー、及び第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路を備えた表面改質装置にも関する。
第1のゾーンはエネルギーを付与する手段を備え、含フッ素化合物含有ガスにエネルギーを付与することにより、含フッ素化合物含有ガス中の少なくとも1つの含フッ素化合物が励起される。エネルギーを付与する手段としては、プラズマ発生装置、光源、及び加熱源が挙げられる。プラズマ発生装置としては、ECRプラズマ装置、ICPプラズマ装置、及びヘリカル型プラズマ装置等が挙げられる。光源としては、キセノンランプ、エキシマレーザー等が挙げられる。加熱源としては、電気炉が挙げられる。
第1のゾーンで含フッ素化合物を励起した後、励起含フッ素化合物含有ガスは第2のゾーンに輸送される。第1及び第2のゾーンが異なるチャンバーである場合、第1のチャンバー及び第2のチャンバーを接続するガス流路を通じて励起含フッ素化合物含有ガスが流通する。本発明の表面改質装置は、ガス流路中に真空ポンプをさらに備えてもよい。
本発明の表面改質装置は、励起含フッ素化合物含有ガスと不活性ガスとを混合する手段をさらに備えてもよい。励起含フッ素化合物含有ガスと不活性ガスとを混合する手段に特に制限はなく、単に励起含フッ素化合物含有ガスの流路と不活性ガスの流路とが合流するよう設計されていてもよい。
第2のゾーンは、表面改質される物品を搬入する手段を備えることができる。搬入手段に特に制限はなく、移動ステージが試料搬入室を経由して搬入されてもよい。第2のゾーンから排出されたガスにはF2や含フッ素化合物が残存する場合があるため、該排出ガスは排出ガス処理装置へ送られる。
以下、含フッ素化合物含有ガスをプラズマ化により励起する本発明の実施態様について、図1を参照して説明する。
図1の表面改質装置において、第1のチャンバーはプラズマ発生装置を備え、プラズマ発生に適した圧力まで減圧にする。好ましくは1〜1333Paである。減圧にした後、プラズマ化によりF2ガスを生じる含フッ素化合物、例えばNF3を含有するガスを、第1のチャンバーに供給する。含フッ素化合物を、第1のチャンバーに供給する前に他のガス、例えばN2やArを混合してもよい。この混合を行う場合、含フッ素化合物及び別のガスを含有するガスが含フッ素化合物含有ガスとして第1のチャンバーに供給される。即ち、その供給される含フッ素化合物含有ガスは、NF3単独でもよいし、NF3とN2との混合ガスであってもよい。
含フッ素化合物含有ガスがNF3単独の場合は、
NF3→ 1/2N2 + 3/2F2
のように、NF3が完全にF2に変換されると、25%の窒素ガスが発生するため、発生するF2ガスの濃度は最大75%となる。本発明の好ましい特徴の一つは、NF3の完全分解を実質的に達成できることにある。
導入可能なNF3量が、100sccm〜5000sccmであることから、発生F2ガス量は、150sccm〜7500sccmとなる。75%よりも希釈して使用したい場合は、処理室手前から、また、F2ガス濃度をできる限り低い濃度で取り扱いたい場合は、真空ポンプ手前から、不活性ガスを導入する。あるいはプラズマを発生させる条件に合致するのであれば、プラズマ発生装置手前より不活性ガスを導入し、任意の濃度に調節する。この希釈フッ素ガスをライン下流に設けた処理室に導入し、減圧ないし常圧あるいは加圧下で物品の表面改質に用いる。
第1のチャンバーのプラズマ発生装置の作動条件は、供給される含フッ素化合物が励起されるよう選択される。作動条件は、含フッ素化合物の分解率が高くなるよう、好ましくは含フッ素化合物が完全に分解されるよう、選択される。
励起含フッ素化合物含有ガスは、ガス流路を通じて第1のチャンバーから第2のチャンバーに輸送される。ガス流路中で、励起含フッ素化合物含有ガスに別のガスを混合し、F2濃度を表面改質に適した濃度とする。図中に示した3つの入口の内、1つ以上の任意の入口で別のガスを混合することができる。あるいはまた、別のガスを全く混合しなくてもよく、含フッ素化合物に別のガスが混合された含フッ素化合物含有ガスを予め準備してもよい。
第2のチャンバーでは表面改質が行われる。第2のチャンバーから排出されるガスは、排出ガス処理装置に導入される。
図1の装置では、真空ポンプまでは大気圧(または常圧)より低い圧力に保持され、真空ポンプから表面処理室までは大気圧に保持され、表面処理室は減圧もしくは加圧状態または大気圧に保持される。しかし、図1の態様に限られず、真空ポンプより下流での圧力は、別のガスの混合により加圧されてもよい。好ましい圧力条件は、真空ポンプまでの圧力が1〜1333Paであり、真空ポンプより下流での圧力が大気圧または大気圧以上とすることである。
本発明によれば取り扱いが難しい大量のF2をあらゆる濃度範囲で必要な時に容易に製造することができる。従って、F2を使用する全ての産業にとって極めて有用である。特に、本発明は、F2の反応性を利用する半導体製造業、医薬及び農薬製造業や、F2との反応によって製造されるフッ素化材料の特性を利用する高分子材料製造業、無機材料製造業、金属材料製造業、有機材料製造業、電池材料製造業などに有用である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1の装置を用いて、含フッ素化合物含有ガスからF2を製造した。含フッ素化合物としてNF3を用い、プラズマ発生装置として誘導結合プラズマ(ICP)発生装置(Landmark Technology社製Litmas Blue1200)を使用した。
まず、プラズマ発生装置を設置した第1のチャンバーを1Torr(133Pa)まで減圧した。次に、NF3(流量:200sccm)を希釈ガス入口1でAr(流量:300sccm)により希釈して含フッ素化合物含有ガスを製造し、この含フッ素化合物含有ガスを上記第1のチャンバーに供給した。プラズマ発生装置には1200Wの出力を印加した。その第1のチャンバーから放出された含フッ素化合物含有ガスを、希釈ガス入口3で窒素(流量:9300sccm)により再度希釈するとともに、真空ポンプ下流で常圧となっている処理室(第2のチャンバー)に輸送した。
本実施例のNF3流量では、理論上供給したNF3が完全に分解すると(NF3→1/2N2+3/2F2)、N2及びF2がそれぞれ100sccm、300sccm発生することになる。従って、NF3が完全に分解した場合には、窒素で再希釈した後のF2の濃度は3.0 vol.%となる。
真空ポンプと第2のチャンバーとの間で含フッ素化合物含有ガスをサンプリングし、FT−IR測定及び10%KI水溶液を用いた滴定を行った。FT−IR測定装置には、Midac社製FT-IR IGA-2000を用いた。その結果、含フッ素化合物含有ガス中のF2濃度は2.9 vol.%であり、第1のチャンバーに供給したNF3の分解率は98%であることがわかった。
次に、第2のチャンバー内でポリプロピレン板の表面処理を行った。第2のチャンバーとしては、内容積4.6LのNi製の円柱体容器を用いた。この中にポリプロピレン板(以下、PPと略すことがある。L×W×H=20mm×20mm×2mm)を5個設置し、窒素ガスで第2のチャンバー内を置換した。その後、上記操作により得た含フッ素化合物含有ガスを、第2のチャンバー内に輸送し、25℃で所定時間、PPの表面処理を行った。処理時間ごとのPP表面の接触角(水との接触角(単位:度))を測定した(処理前のPP接触角は、89度)。その測定結果を表1に示す(PP 5個(n=5)の平均値を算出)。
[実施例2]
プラズマ発生装置を設置した第1のチャンバーから放出された含フッ素化合物含有ガスを希釈する窒素の流量を5300sccmに変更した点を除き、実施例1と同様に実験を行った。なお、この条件でNF3が完全分解する場合、真空ポンプ下流で常圧下の第2のチャンバーに輸送される含フッ素化合物含有ガス中のF2の濃度は5.0vol%となる。
サンプリングされた含フッ素化合物含有ガス中のF2濃度は4.9vol.%であり、NF3の分解率は98%であることがわかった。
次に、実施例1と同様にして、PPの表面処理を行い、その接触角を測定した。その測定結果を表1に示す。
Figure 0004804345
[実施例3]
含フッ素化合物としてNF3に代えてC26を用い、C26(流量:40sccm)をO2(流量:160sccm)で希釈して含フッ素化合物含有ガスを発生させる点、及びプラズマ発生装置を設置した第1のチャンバーに供給し、その第1のチャンバーから放出される含フッ素化合物含有ガスを希釈する窒素の流量を100slmに変更した点を除き、実施例1と同様に実験を行った。
サンプリングされた含フッ素化合物含有ガス中には、710ppmのF2ガスが検出され、供給したC26の分解率はほぼ100%であった。
次に、上記の窒素で希釈した含フッ素化合物含有ガスを使用する点、及びポリプロピレン板に代えてアルミニウム板を使用する点以外は、実施例1と同様にし、その表面処理を行った。内容積4.6LのNi製の円柱体容器(第2のチャンバー)内に、アルミニウム板(以下、Alと略すことがある。L×W×H=20mm×20mm×2mm)を5個設置し、窒素ガスで上記第2のチャンバー内を置換した。その後、上記操作により得た含フッ素化合物含有ガスを、その第2のチャンバー内に輸送し、25℃で所定時間、Alの表面処理を行い、処理時間ごとのAl表面の接触角(水との接触角(単位:度))を測定した。
その測定結果を表2に示す。
[実施例4]
含フッ素化合物としてC26に代えてFCOFを用いた点を除き、実施例3と同様にして実験を行った。
サンプリングされた含フッ素化合物含有ガス中には、140ppmのF2ガスが検出され、供給したFCOFの分解率は69%であった。
次に、実施例3と同様にして、Alに代えて銅板(Cuと略すことがある)の表面処理を行い、その接触角を測定した。なお、このときCuは、予め酸洗(Cuを0.1NのHCl溶液に入れて30 min 攪拌後、水洗3回)及び加熱処理(大気中200℃で1hr加熱後、デシケータ中で放冷)を行った。その測定結果を表2に示す。
Figure 0004804345
[実施例5]
図1の装置を用いて、ポリプロピレンの表面改質を行った。含フッ素化合物ガスとしてNF3を用い、プラズマ発生装置として誘導結合プラズマ(ICP)発生装置(Landmark Technology社製Litmas Blue1200)を使用した。第2のチャンバーには、L×W×H=20mm×20mm×2mmのポリプロピレン(PP)試料を設置した。
まず、第1のチャンバーを1Torrまで減圧した。次に、NF3(流量:100sccm)を入口1でAr(流量:400sccm)により希釈して含フッ素化合物含有ガスを作成し、該含フッ素化合物含有ガスを第1のチャンバーに供給した。プラズマ発生装置には、1200Wの出力を印加した。第1のチャンバーから放出された含フッ素化合物含有ガスを入口3で窒素(流量:14400sccm)により再度希釈し、常圧下の第2のチャンバーに導入した。この条件でNF3が完全分解すると、第2のチャンバーに導入される含フッ素化合物含有ガス中のF2濃度は、1 vol.%となる(サンプリングして分析した結果、F2濃度は、0.99 vol.% であり、分解率99% であった)。
第2のチャンバーでは、PP試料を常圧下24℃で3時間、含フッ素化合物含有ガスと接触させた。
試料表面をULVAC-PHI社製XPS PHI Quantum 2000により分析した。処理前では、試料表面における炭素の原子濃度は83atom%であり、フッ素の原子濃度は0atom%であったが、処理後では、炭素の原子濃度は49atom%、フッ素の原子濃度は44atom%であった。このXPSの分析結果から、試料表面がフッ素化されたことがわかる。
なお、XPSの測定条件は以下の通りである。
X線源:Al Kα 1486.6eV モノクロ化
X線出力:24.72W
X線ビーム直径:100.0mm
ソースアナライザ角:45.0°
ニュートラライザエネルギー:1.0V
ニュートラライザ電流:25.0nA
深さ方向の分析
スパッタイオン:Ar+
スパッタエネルギー:3.000keV
スパッタ電流:25.0nA
[実施例6]
NF3(流量:200sccm)をAr(流量:300sccm)で希釈して含フッ素化合物含有ガスを製造し、第1のチャンバーから放出される含フッ素化合物含有ガスを流量9300sccmの窒素で希釈した点を除き、実施例5と同様にPP試料の表面改質を行った。NF3が完全に分解したと仮定すると、常圧下の第2のチャンバーに導入される含フッ素化合物含有ガス中のF2濃度は3 vol.%となる(サンプリングして分析した結果、F2濃度は、2.9vol.% であり、分解率99% であった)。
表面処理後のPP試料表面を実施例5と同様にULVAC-PHI社製XPS PHI Quantum 2000により分析した。処理前では、試料表面における炭素の原子濃度は83atom%、フッ素の原子濃度は0atom%であったが、処理後では、炭素の原子濃度は41atom%、フッ素の原子濃度は53atom%であった。この結果から、試料表面がフッ素化されたことがわかる。
[実施例7]
図1の装置を用いて、SiO2膜ウエハのエッチング試験を行った。内容積4.6LのNi製の円柱体容器(第2のチャンバー)内に、単結晶Si上にSiO2膜(7500Å)を成膜したウエハ(25mm×25mm)を設置した。また、この第2のチャンバーの上流に、プラズマ発生装置(第1のチャンバー)として誘導結合プラズマ(ICP)発生装置(ASTeX社製ASTRONi)を設置した。第1及び第2のチャンバー内を、窒素により置換した。その後、第2のチャンバー内を、0.5×105Paまで減圧し、所定温度(260℃、並びに310℃)に加熱した。また、第1のチャンバー内にNF3:1000sccmを供給、分解し、第1のチャンバーから放出された含フッ素化合物含有ガスを、希釈ガス入口3で窒素(流量:5500 sccm)により希釈した。希釈ガス入口3付近の圧力は常圧であった。これにより、F2濃度20 vol.% の含フッ素化合物含有ガスを発生させた。この含フッ素化合物含有ガスのうち1000 sccm を、上記の0.5×105Pa 及び各々の所定温度に保ったままの第2のチャンバー内に輸送し、それぞれの温度において目的のウエハの表面処理を行った。
処理後のウエハは、Nanometrics社製Nano Spec 3000AF-T を用いて膜厚測定を行い、各々の所定温度でのエッチングレートを求めた。その結果を表3に示す。
Figure 0004804345
[実施例8]
図1の表面処理装置を使用して、化合物のフッ素化を行った。
図1の表面処理装置において、処理室の位置に恒温槽を付帯した1000mlのPFA製反応器を設置した。その反応器に1,3-ジオキソラン-2-オン 517g(5.87mol)を入れ、50℃の恒温槽中で融解させた。次に、窒素ガスを200sccmの流量で反応器内に30分間吹き込みながら、溶存している空気等のガス成分を系外に追い出し、系内の窒素置換を行った。その後、含フッ素化合物含有ガスとしてNF3を用い、更にプラズマ発生装置としては誘導結合プラズマ(ICP)発生装置(ASTeX社製ASTRONi)を使用して、NF3からF2を発生させた。NF3:1000sccmを導入し、N2:3000sccmで希釈したところ、ほぼ30%のF2が得られた。希釈N2ガス入口3付近の圧力は常圧であった。その30%F2のうち350sccmを、先端にSUS製フィルター(細孔直径15μm、表面積 7.5cm2)を装着したガス吹き込み管を使用して、反応器に導入した。回転数を約800rpmにした攪拌機によって絶えず反応液を攪拌して、一ヶ所にフッ素ガスを滞留させないようにした。反応器内の液相温度は、外部の恒温槽により50〜60℃に保つようにした。同時に、反応器上部に取り付けた冷却器で、原料、生成物及び副生したフッ化水素の蒸気を凝縮・還流させながら、気相温度を35〜50℃に保つようにした。未反応フッ素等の不凝縮ガスは、冷却器の後に設けた除害装置で処理した。
フッ素の導入量が10.6mol(原料の1.8モル当量)に達した時点で反応を終了し、副生したフッ化水素を蒸留して除去した後、水(200ml)及び10%NaHCO3水溶液(100ml)で洗浄し、ジクロロメタン(500ml×6回)で抽出した。その抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ジクロロメタンを留去した。得られた粗生成物590gを蒸留精製したところ、純度90%以上の4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オンが480g得られた(収率 約70%)。
純度90%の粗生成物は、15℃にて再結晶を3回繰り返したところ、純度99%以上の4-フルオロ-1,3-ジオキソラン-2-オンが約390g得られた。
[比較例1]
図1の装置で真空ポンプを実施例1のように使用しないで、プラズマ発生装置の第1のチャンバーと処理室の第2のチャンバーとを接続し、処理室内の圧力を常圧に設定せずに、プラズマ発生装置内と同等の1.0Torrに保持する以外は、実施例1と同様に、含フッ素化合物(NF3)の分解実験を行い、含フッ素化合物含有ガスを作成した。
このときサンプリングされた含フッ素化合物含有ガス中のF2濃度は、114 ppm であった。
[比較例2]
図1の装置で真空ポンプを実施例1のように使用しないで、プラズマ発生装置と処理室とを接続し、処理室の圧力を常圧に設定せず、含フッ素化合物(NF3)を1.0 Torrでプラズマ処理する点、及び処理室内の圧力を0.48 Torr に設定する点以外は、実施例1と同様に、含フッ素化合物(NF3)の分解実験を行い、含フッ素化合物含有ガスを作成した。
このときサンプリングされた含フッ素化合物含有ガス中のF2濃度は、84 ppm であった。
以上説明した態様の他に、本発明は以下の態様も含む。
[A](1)減圧下の第1のゾーン中で、含フッ素化合物含有ガスにエネルギーを付与することにより、含フッ素化合物含有ガス中の少なくとも1つの含フッ素化合物を励起し;
(2)励起した含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスを、第1のゾーンと連通した常圧または加圧下にある第2のゾーンに輸送し;
(3)該第2のゾーン中で、励起した含フッ素化合物の一部または全部が変換されたF2ガスを含むF2含有ガスを物品の表面と接触させ、該物品の表面を改質する;
工程を含み、
(4)第1のゾーンで励起された含フッ素化合物の一部または全部が第2のゾーンで物品表面と接触するまでに変換されたF2ガスを利用する、
表面改質方法。
[B](1)第1のゾーン中で、含フッ素化合物含有ガスに減圧状態でエネルギーを付与することにより、含フッ素化合物含有ガス中の少なくとも1つの含フッ素化合物を励起し;
(2)励起した含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスを、第1のゾーンと連通した第2のゾーンに輸送する間に、該輸送系内の圧力を常圧または加圧状態とし;
(3)該第2のゾーン中で、励起した含フッ素化合物の一部または全部が変換されたF2ガスを含むF2含有ガスを物品の表面と接触させ、該物品の表面を改質する;
工程を含み、
(4)第1のゾーンで励起された含フッ素化合物の一部または全部が第2のゾーンで物品表面と接触するまでに変換されたF2ガスを利用する;
表面改質方法。
[C](1)第1のゾーン中で、含フッ素化合物含有ガスに減圧状態でエネルギーを付与することにより、含フッ素化合物含有ガス中の少なくとも1つの含フッ素化合物を励起し;
(2)第1のゾーン中の圧力を常圧または加圧状態とすることにより、励起した含フッ素化合物の一部または全部を、F2を含むF2含有ガスに変換し、;
(3)変換されたF2含有ガスを、第1のゾーンと連通した第2のゾーンに輸送し、
(4)該第2のゾーン中で、励起した含フッ素化合物の一部または全部が変換されたF2ガスを含むF2含有ガスを物品の表面と接触させ、該物品の表面を改質する;
工程を含み、
(5)第1のゾーンで励起された含フッ素化合物の一部または全部が第2のゾーンで物品表面と接触するまでに変換されたF2ガスを利用する、
表面改質方法。
[D](1)減圧下の第1のチャンバー中で、含フッ素化合物含有ガスにエネルギーを付与することにより、含フッ素化合物含有ガス中の少なくとも1つの含フッ素化合物を励起し;
(2)第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス経路を通じて、励起された含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスを、第1のチャンバーから常圧または加圧下にある第2のチャンバーに輸送し;
(3)該第2のチャンバー中で、励起した含フッ素化合物の一部または全部が変換されて生成したF2ガスを含むF2含有ガスを物品の表面と接触させ、該物品の表面を改質する;
工程を含み、
(4)第1のチャンバーで励起された含フッ素化合物の一部または全部が第2のチャンバーで物品表面と接触するまでに変換されたF2ガスを利用する、
表面改質方法。
[E](1)第1のチャンバー中で、含フッ素化合物含有ガスに減圧状態でエネルギーを付与することにより、含フッ素化合物含有ガス中の少なくとも1つの含フッ素化合物を励起し;
(2)第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路を通じて、励起した含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスを、第1のチャンバーから第2のチャンバーに輸送する間に、該輸送系内の圧力を常圧または加圧状態とし;
(3)該第2のチャンバー中で、励起した含フッ素化合物の一部または全部が変換されたF2ガスを含むF2含有ガスを物品の表面と接触させ、該物品の表面を改質する;
工程を含み、
(4)第1のチャンバーで励起された含フッ素化合物の一部または全部が第2のチャンバーで物品表面と接触するまでに変換されたF2ガスを利用する、
表面改質方法。
[F](1)第1のチャンバー中で、含フッ素化合物含有ガスに減圧状態でエネルギーを付与することにより、含フッ素化合物含有ガス中の少なくとも1つの含フッ素化合物を励起し;
(2)第1のチャンバー中の圧力を常圧または加圧状態とすることにより、励起した含フッ素化合物の一部または全部が変換されたF2ガスを含むF2含有ガスに変換し、
(3)第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路を通じて、変換されたF2含有ガスを、第1のチャンバーから第2のチャンバーに輸送し、
(4)該第2のチャンバー中で、励起した含フッ素化合物の一部または全部が変換されたF2ガスを含むF2含有ガスを物品の表面と接触させ、該物品の表面を改質する;
工程を含み、
(5)第1のチャンバーで励起された含フッ素化合物の一部または全部が第2のチャンバーで物品表面と接触するまでに変換されたF2ガスを利用する、
表面改質方法。
[G]第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路中に真空ポンプが設置され、励起含フッ素化合物含有ガスを第1のチャンバーから第2のチャンバーへ輸送する工程に該真空ポンプが用いられる、[D]または[E]に記載の表面改質方法。
[H]含フッ素化合物含有ガスにエネルギーを付与してから、表面改質される物品と接触させるまでの間に、不活性ガス及び/または酸素を導入する工程をさらに含む、[A]−[G]の何れかに記載の表面改質方法。
[I]エネルギーを付与する工程が含フッ素化合物含有ガスのプラズマ化を含む、[A]−[H]の何れかに記載の表面改質方法。
[J]含フッ素化合物が、直鎖、分枝状、若しくは環状の飽和パーフルオロカーボン、直鎖、分枝状、若しくは環状の不飽和パーフルオロカーボン、カルボニルフッ化物、パーフルオロハイポフルオライド、パーフルオロ過酸化物、パーフルオロエーテル化合物、含酸素フッ化物、ハロゲン間フッ化物、含ヨウ素フッ化物、含硫黄フッ化物、含窒素フッ化物、含ケイ素フッ化物、含希ガスフッ化物、又はそれらの組み合わせから選択されるガス状の含フッ素化合物である、[A]−[I]の何れかに記載の表面改質方法。
[K]含フッ素化合物が、CF4、C26、C38、C410、C512、C614、C24、C36、C48、C510、C612、C46、FCOF、CF3COF、CF2(COF)2、C37COF、CF3OF、C25OF、CF2(OF)2、CF3COOF、CF3OOCF3、CF3COOOF、CF3OCF3、C25OC25、C24OC24、OF2、SOF2、SOF4、NOF、ClF3、IF5、BrF5、BrF3、CF3I、C25I、N24、NF3、NOF3、SiF4、Si26、XeF2、XeF4、KrF2、SF4、SF6、またはこれらの混合物から選択される、[A]−[I]の何れかに記載の表面改質方法。
[L]含フッ素化合物含有ガスが、不活性ガス及び/または酸素を含む、[A]−[K]の何れかに記載の表面改質方法。
[M]不活性ガスがHe、Ne、Ar、Xe、Kr、N2、またはこれらの組み合わせである、[L]に記載の表面改質方法。
[N]含フッ素化合物がNF3、C2F6、及びCOF2の群から選択される1種以上である、[A]−[M]の何れかに記載の表面改質方法。
[O]含フッ素化合物が、パーフルオロカーボンあるいはパーフルオロカーボンの1種以上を含む混合物のとき、酸素の存在下でプラズマ化される、[N]に記載の表面改質方法。
[P]表面改質が物品表面のフッ素化によって行われる、[A]−[O]の何れかに記載の表面改質方法。
[Q]表面改質される物品が、金属及び/または金属化合物及び/またはポリマーである、[A]−[P]の何れかに記載の表面改質方法。
[R]ポリマーがポリプロピレンを主成分とする物品である、[Q]に記載の表面改質方 法。
[S]金属化合物が金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、金属水酸化物及び金属塩化物の群から選択される1種以上である、[Q]に記載の表面改質方法。
[T]金属化合物がSiを主成分とする化合物、特にSi,SiO2,Si3N4,SiC,ポリシリコン,アモルファスシリコン、またはこれらの組み合わせである、[Q]に記載の表面改質方法。
[U]Siを主成分とする化合物がLPCVD装置で成膜されたものである、[T]に記載の表面改質方法。
[V]含フッ素化合物含有ガスを減圧下でプラズマ化する手段を備えた、第1のゾーンと、該第1のゾーンと連通し、内部に表面改質される物品を有するとともに、圧力を常圧または加圧下に調製することで発生させたフッ素含有ガスが、該物品の表面と減圧乃至加圧下で接触して、該物品の表面を改質する手段を備えた、第2のゾーンと、を備えた表面改質装置。
[W]含フッ素化合物含有ガスを減圧下でプラズマ化する手段を備えた、第1のチャンバーと、該第1のチャンバーと連通し、内部に表面改質される物品を有するとともに、圧力を常圧または加圧下に調製することで発生させたフッ素含有ガスが、該物品の表面と減圧乃至加圧下で接触して、該物品の表面を改質する手段を備えた、第2のチャンバーと、を備えた表面改質装置。
[X]第2のチャンバーの前及び/または後に、真空ポンプ若しくはコンプレッサーが設置される、[W]に記載の表面改質装置。
[Y]第1のチャンバー、第2のチャンバー、及び真空ポンプが順に連通し、さらに、第1のチャンバー、第2のチャンバーと真空ポンプが、それぞれ独立して連通する、[X]に記載の表面改質装置、または、第1のチャンバー、コンプレッサー、及び第2のチャンバーが順に連通し、さらに、第1のチャンバー、コンプレッサーと第2のチャンバーが、それぞれ独立して連通する、[X]に記載の表面改質装置。
[Z] [V]−[Y]に記載の装置を、有機及び/または無機材料の直接フッ素化に用いる方法。

Claims (16)

  1. 減圧下で含フッ素化合物含有ガスにエネルギーを付与することにより含フッ素化合物含有ガス中の少なくとも1つの含フッ素化合物を励起し;そして
    励起した含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスの一部または全部を常圧または加圧下でFに変換する;
    工程を含むF含有ガスの製造方法。
  2. 含フッ素化合物を励起する工程が、減圧下にある第1のゾーン中で行われ;
    に変換する工程が、第1のゾーンと連通した常圧または加圧下にある第2のゾーン中で行われる;
    請求項1に記載のF含有ガスの製造方法。
  3. 含フッ素化合物を励起する工程が、減圧下にある第1のゾーン中で行われ;
    に変換する工程が、励起含フッ素化合物含有ガスを第1のゾーンと連通した第2のゾーンに輸送する間に輸送系内の圧力を常圧または加圧状態とすることを含む;
    請求項1に記載のF含有ガスの製造方法。
  4. 含フッ素化合物を励起する工程が減圧下にある第1のゾーン中で行われ;
    に変換する工程が第1のゾーン中の圧力を常圧または加圧状態とすることにより行われる;
    請求項1に記載のF含有ガスの製造方法。
  5. 含フッ素化合物を励起する工程が減圧下にある第1のチャンバー中で行われ;
    に変換する工程が第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス経路を通じて励起された含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスを第1のチャンバーから常圧または加圧下にある第2のチャンバーに輸送することを含む;
    請求項1に記載のF含有ガスの製造方法。
  6. 含フッ素化合物を励起する工程が減圧下にある第1のチャンバー中で行われ;
    に変換する工程が第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路を通じて、励起した含フッ素化合物を含む励起含フッ素化合物含有ガスを、第1のチャンバーから第2のチャンバーに輸送する間に、該輸送系内の圧力を常圧または加圧状態とすることを含む;
    請求項1に記載のF含有ガスの製造方法。
  7. 含フッ素化合物を励起する工程が減圧下にある第1のチャンバー中で行われ;
    に変換する工程が第1のチャンバー中で第1のチャンバーを常圧または加圧にすることにより行われる;
    請求項1に記載のF含有ガスの製造方法。
  8. 第1のチャンバーと第2のチャンバーとを接続するガス流路中に真空ポンプが設置され、励起含フッ素化合物含有ガスを第1のチャンバーから第2のチャンバーへ輸送する工程に該真空ポンプが用いられる、請求項5または6に記載のF含有ガスの製造方法。
  9. 含フッ素化合物を励起する工程が含フッ素化合物含有ガスをプラズマ化することを含む、請求項1〜8の何れかに記載のF含有ガスの製造方法。
  10. 含フッ素化合物が、直鎖、分枝状、若しくは環状の飽和パーフルオロカーボン、直鎖、分枝状、若しくは環状の不飽和パーフルオロカーボン、カルボニルフッ化物、パーフルオロハイポフルオライド、パーフルオロ過酸化物、パーフルオロエーテル化合物、含酸素フッ化物、ハロゲン間フッ化物、含ヨウ素フッ化物、含硫黄フッ化物、含窒素フッ化物、含ケイ素フッ化物、含希ガスフッ化物、又はそれらの組み合わせから選択されるガス状の含フッ素化合物である、請求項1〜9の何れかに記載のF含有ガスの製造方法。
  11. 含フッ素化合物が、CF4、C26、C38、C410、C512、C614、C24、C36、C48、C510、C612、C46、FCOF、CF3COF、CF2(COF)2、C37COF、CF3OF、C25OF、CF2(OF)2、CF3COOF、CF3OOCF3、CF3COOOF、CF3OCF3、C25OC25、C24OC24、OF2、SOF2、SOF4、NOF、ClF3、IF5、BrF5、BrF3、CF3I、C25I、N24、NF3、NOF3、SiF4、Si26、XeF2、XeF4、KrF2、SF4、SF6、またはこれらの混合物から選択される、請求項1〜9の何れかに記載のF含有ガスの製造方法。
  12. 含フッ素化合物含有ガスが、不活性ガス及び/または酸素を含む、請求項1〜11の何れかに記載のF含有ガスの製造方法。
  13. 不活性ガスがHe、Ne、Ar、Xe、Kr、N2、またはこれらの組み合わせである、請求項12に記載のF含有ガスの製造方法。
  14. 含フッ素化合物がNF3、C2F6、及びCOF2の群から選択される1種以上である、請求項1〜13の何れかに記載のF含有ガスの製造方法。
  15. 含フッ素化合物が、パーフルオロカーボンあるいはパーフルオロカーボンの1種以上を含む混合物のとき、酸素の存在下でプラズマ化される、請求項14に記載のF含有ガスの製造方法。
  16. 含フッ素化合物含有ガスを減圧下でプラズマ化する手段;及び
    プラズマ化手段と連通し、プラズマ化された含フッ素化合物含有ガスの圧力を常圧または加圧状態に調整する圧力調整手段;
    を備えたF含有ガス製造装置。
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