JP6959499B2 - フッ素化ハロゲン間化合物の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の異なるハロゲン元素が結合した化合物であるハロゲン間化合物の精製方法に関し、フッ素原子とフッ素原子以外のハロゲン元素である塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が結合した化合物であるフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法に関する。
フッ素化ハロゲン間化合物は、有機合成分野、無機合成分野、原子力分野または半導体分野などでクリーニングガスあるいはフッ素化剤として用いられている。例えば、クリーニングガスとして化学蒸着(CVD chemical vapor deposition)などの半導体製造装置の内部洗浄などに使用される。フッ素化ハロゲン間化合物は、XFn(Xはフッ素以外のハロゲン原子(Cl、Br、I)、nはハロゲン原子1個と結合するフッ素原子の個数である)で表され、安定な化合物として、ClF、ClF3、ClF5、BrF3、BrF5、IF5およびIF7が知られている。
フッ素化ハロゲン間化合物は、フッ素原子を含まないハロゲン分子またはハロゲン間化合物とフッ素分子が反応することによって製造される(非特許文献1)。
例えば、以下に示す反応でフッ素化ハロゲン間化合物を製造することが特許文献1に記載されている。
Figure 0006959499
また、特許文献1には、以下の平衡反応が記載されている。
Figure 0006959499
特許文献2には、フッ素化ハロゲン間化合物を分解させてフッ素分子を分離することでフッ素原子の個数が減少したフッ素化ハロゲン間化合物が生成することが、以下の一般式で示される。
Figure 0006959499
(Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、nは3〜7の整数である。)
また、特許文献2には、上記反応の具体例として以下の分解反応が記載されている。
Figure 0006959499
フッ素化ハロゲン間化合物およびハロゲン分子は、酸化性および腐食性が高い。そこで、ハロゲン分子およびフッ素化ハロゲン間化合物の反応工程、精製工程、貯蔵または輸送においては、酸化および腐食に耐える耐食性金属製またはセラミックス製の容器あるいは導管などの器具類が用いられる。使用される耐食性金属またはセラミックスには、ニッケル、商品名モネル、インコネルおよびハステロイに代表されるニッケル基合金、ステンレス鋼、マンガン鋼、アルミニウム、アルミニウム基合金、チタン、チタン基合金、白金、またはアルミナ、ジルコニアを挙げることができる。
しかしながら、ハロゲン分子およびフッ素化ハロゲン間化合物の強い酸化性および腐食性のために、耐食性金属またはセラミックスを用いたとしても、耐食性金属またはセラミックスから、不純物としてAl、As、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Pb、Zn、またはZrの酸化物、ハロゲン化物または酸ハロゲン化物などの金属化合物がフッ素化ハロゲン間化合物に混入し、フッ素化ハロゲン間化合物が汚染されることがある。
例えば、ステンレス鋼の容器とフッ素化ハロゲン間化合物が接触した場合に、フッ素化ハロゲン間化合物に混入する不純物として、Al酸化物、Alハロゲン化物、Al酸ハロゲン化物、Co酸化物、Coハロゲン化物、Co酸ハロゲン化物、Cr酸化物、Crハロゲン化物、Cr酸ハロゲン化物、Cu酸化物、Cuハロゲン化物、Cu酸ハロゲン化物、Fe酸化物、Feハロゲン化物、Fe酸ハロゲン化物、Mo酸化物、Moハロゲン化物、Mo酸ハロゲン化物、Ni酸化物、Niハロゲン化物、Ni酸ハロゲン化物、Mn酸化物、Mnハロゲン化物、Mn酸ハロゲン化物、Ti酸化物、Tiハロゲン化物、Ti酸ハロゲン化物、Zn酸化物、Znハロゲン化物、Zn酸ハロゲン化物、を例示することができる。
また、フッ素化ハロゲン間化合物の製造で用いるフッ素ガスは蛍石(CaF2)を原料として、塩素は天日塩または岩塩を原料として、臭素とヨウ素は、海水または水溶性天然ガス鉱床などの地下水層から得られる鹹水を原料として工業的に生産される。これらの原料から、不純物としてCa、K、Mg、Na、PまたはSeの酸化物、ハロゲン化物、酸ハロゲン化物などの金属化合物がフッ素化ハロゲン間化合物に混入し、フッ素化ハロゲン間化合物が汚染されることがある。
例えば、鹹水を原料として生産されたヨウ素を使用してIF5またはIF7を合成した場合、IF5またはIF7に混入する不純物として、Na酸化物、Naハロゲン化物、Na酸ハロゲン化物、Ca酸化物、Caハロゲン化物またはCa酸ハロゲン化物を例示することができる。
さらに、フッ素化ハロゲン間化合物の製造時にN2、Ar、He、CO2、O2、CF4、フルオロカーボン、OF2、SiF4またはHFなどが、製造時の環境に由来する不純物として混入し、フッ素化ハロゲン間化合物が汚染されることがある。CF4、OF2、SiF4、SFまたはHFなどのフッ素原子を含む化合物は、水分、炭化水素化合物、石綿、潤滑剤またはシール材などがハロゲン間化合物、およびF2ガスと反応することによって生成する。
フッ素化ハロゲン間化合物は、純度が要求される有機合成分野、無機合成分野、原子力分野または半導体分野などで用いられるので、フッ素化ハロゲン間化合物に不純物が含まれ汚染されている場合、かかる製品の性能を低下させるなどの悪影響が懸念され、より高純度であることが要求される。
国際公開第2010/055769号 国際公開第2013/145955号
J.H.Simons(編集)、「Fluorine Chemistry volume 1」、1950、pp.191
本発明は、フッ素化ハロゲン間化合物に含まれる不純物としての、前記の不純物を除去し、高純度のフッ素化ハロゲン間化合物を得るためのフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、フッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数の違いにより、フッ素化ハロゲン間化合物の融点、沸点および蒸気圧が異なることに注目し、フッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変えることで、不純物を含むフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する操作を容易にし、高純度のフッ素化ハロゲン間化合物を簡便に得る精製方法を見出した。
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法は、フッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変化させる転化工程と、転化したフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を分離除去する不純物除去工程と、再度、フッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変化させ、元のフッ素化ハロゲン間化合物を高純度で得る再転化工程を含む。本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法は、フッ素化ハロゲン間化合物の精製工程として、前記従来のフッ素化ハロゲン間化合物の製造方法において、フッ素化ハロゲン間化合物を得た後の後段に、精製工程として加えることができる。
本発明は、発明1〜13よりなる。
[発明1]
式(1)で表される第1のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法であって、
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変化させ、式(2)で示される第2のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する転化工程と、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程と、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変化させ前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する再転化工程を有する、
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
XFn (1)
XFn±a (2)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、Fはフッ素原子であり、n、a、n±aは、n≧1、a≧1、7≧n±a≧1である自然数である)
[発明2]
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程を、前記転化工程の前にさらに含む、発明1のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
[発明3]
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物が、ClF、ClF3、ClF5、BrF3、BrF5、IF5、IF7からなる群から選ばれる少なくとも一つのフッ素化ハロゲン間化合物である、発明1または発明2のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
[発明4]
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物または前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変化させる方法として、
フッ素化ハロゲン間化合物と、F2、Cl2、Br2、I2、ClF、ClF3、ClF5、BrF3、BrF5、IF5およびIF7とからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物とを反応させる方法(但し、同じ化合物同士の組み合わせを除く)、
またはフッ素化ハロゲン間化合物を分解させる方法、
のいずれかを用いる、
発明1〜3のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
[発明5]
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する方法として、相変化、蒸留、収着、膜分離、抽出、および晶析からなる群から選ばれる少なくとも一つの方法を用いる、
発明1〜4のハロゲン間化合物の精製方法。
[発明6]
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する方法として、相変化、蒸留、収着、膜分離、抽出、および晶析からなる群から選ばれる少なくとも一つの方法を用いる、
発明2のハロゲン間化合物の精製方法。
[発明7]
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物がIFであり、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物がIFであり、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、一部のIFを蒸発させることで、IFよりも低沸点の不純物を主に除去する工程である、
発明1のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
[発明8]
前記転化工程の前に、前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程を、さらに含み、
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、IFを蒸発させて凝縮することで、IFよりも高沸点の不純物を主に除去する工程である、
発明7のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
[発明9]
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物がIFであり、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物がIFであり、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、IFを蒸発させて凝縮することで、IFよりも高沸点の不純物を主に除去する工程である、
発明1のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
[発明10]
前記転化工程の前に、前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程を、さらに含み、
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、一部のIFを蒸発させることで、IFよりも低沸点の不純物を主に除去する工程である、
発明9のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
[発明11]
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物がClFであり、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物がClFであり、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、ClFを蒸発させて凝固することで、ClFよりも高沸点の不純物を主に除去する工程である、
発明1のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
[発明12]
前記転化工程の前に、前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程を、さらに含み、
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、一部のClFを蒸発させすることで、ClFよりも低沸点の不純物を主に除去する工程である、発明11のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
[発明13]
式(1)で表される第1のフッ素化ハロゲン間化合物の製造方法であって、
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変化させ、式(2)で示される第2のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する転化工程と、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程と、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変化させ、式(1)で表される第1のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する再転化工程とを有する、
フッ素化ハロゲン間化合物の精製工程を含む、フッ素化ハロゲン間化合物の製造方法。
XFn (1)
XFn±a (2)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、Fはフッ素原子であり、n、a、n±aは、n≧1、a≧1、7≧n±a≧1の自然数である)
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法により、不純物を含むフッ素化ハロゲン間化合物より不純物を除去し、フッ素化ハロゲン間化合物を高純度で得ることができる。
実施形態に係るフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法を示した図である。 実施形態に係るフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法を示した図である。 実施例での精製方法に用いた設備構成を示す図である。
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法の実施形態を、図1を用いて詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下に示す実施の形態に限定されるものではない。
1.フッ素化ハロゲン間化合物の精製方法
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法は、
式(1)で表される第1のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法であって、
前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変化させ、式(2)で示される第2のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する転化工程と、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程と、
前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物が含むフッ素原子の個数を変化させ、式(1)で表される第1のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する再転化工程を有する、
フッ素化ハロゲン間化合物の精製方法である。
XFn (1)
XFn±a (2)
(式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、Fはフッ素原子であり、n、a、n±aは、n≧1、a≧1、7≧n±a≧1の自然数である。)
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法により、フッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を変え転化させ、不純物を除去しやすい沸点のフッ素化ハロゲン間化合物としてから、相変化(蒸発、昇華、凝縮もしくは凝固)、蒸留または収着で不純物を容易に除去できる。
図1に示すように、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法において、
先ず、第1のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)に含まれるフッ素原子の個数を増加または減少させる転化を行い、第2のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn±a)を得る。
次いで、第2のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn±a)に対し不純物を除去後、第2のフッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を元に戻す再転化を行い、再度、第1のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)を得る。
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法において、始めのフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)と再転化したフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)は化合物としては同じものである。しかしながら、始めのフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)よりも、再転化したフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)は、不純物の含有量が低減され、高純度のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)が得られる。
始めのフッ素化ハロゲン間化合物および再転化したフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)、転化したフッ素化ハロゲン間化合物(XFn±a)としては、Xが塩素原子(Cl)の場合はClF、ClF3、ClF5の組合せ、Xが臭素原子(Br)の場合はBrF3、BrF5の組合せ、Xがヨウ素原子(I)の場合はIF5、IF7の組み合わせから選択することができる。
図2に示すように、先ず、第1のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)の不純物の除去を行った後に、第1のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)に含まれるフッ素原子の個数を増加または減少させる転化を行い、第2のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn±a)を得、次いで、第2フッ素化ハロゲン間化合物(XFn±a)に対し不純物を除去後、フッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を元に戻す再転化を行い、再度、第1のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)を得てもよい。
添加工程の前に、第1のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)の不純物を除去する不純物除去工程を設けることで、さらに高純度の第1のフッ素化ハロゲン間化合物(XFn)を得ることができる。
[転化および再転化工程]
第1のフッ素化ハロゲン間化合物を転化し第2のフッ素化ハロゲン間化合物を得る転化工程、第2のフッ素化ハロゲン間化合物を再転化し第1のフッ素化ハロゲン間化合物を得る再転化工程について説明する。
転化工程および再転化工程においては、以下のいずれかの可逆反応式に従い、フッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を変化させることができる。
Figure 0006959499
(Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、nとaは自然数であり、n≧1、a≧1、7≧n±a≧1である自然数である。好ましくは、nは1〜7の整数であり、aは2である。)
Figure 0006959499
(Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、nとaは自然数であり、n≧1、a≧1、7≧n±a≧1である自然数である。好ましくは、nは1〜7の整数であり、aは2である。)
上記反応式に示すように、フッ素化ハロゲン間化合物をフッ素分子と反応させる、フッ素化ハロゲン間化合物をハロゲン分子と反応させることで、フッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を変化させることができる。同じ化合物の組み合わせを除く、異なるハロゲン間化合物同士を反応させてもよい。
また、フッ素化ハロゲン間化合物を分解しフッ素分子を分離する反応を行うことで、フッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を変化させることができる。この反応は、公知の技術を用いることができる(例えば、特許文献1、特許文献2および非特許文献1)。具体的には、フッ素化ハロゲン間化合物を加熱し、熱分解する方法を例示することができる。
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法は、例えば、以下の反応(3)〜(4)または反応(5)〜(7)に従い進行する。
Figure 0006959499
Figure 0006959499
[IF5、IF7の転化および再転化工程]
具体的な例として、前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物がIF7、第2のフッ素化ハロゲン間化合物がIF5である場合、前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物がIF5、第2のフッ素化ハロゲン間化合物がIF7である場合に分けて説明する。
<第1のフッ素化ハロゲン間化合物がIF7、第2のフッ素化ハロゲン間化合物がIF5である場合>
先ず、式(3A)に示すように、第1のフッ素化ハロゲン間化合物であるIF7をI2と反応させて転化し、第2のフッ素化ハロゲン間化合物であるIF5を得る。
次いで、蒸留などの操作によりIF5から、IF5より低沸点の不純物を分離した後、
式(4A)に示すように、IF5とF2を反応させて再転化し第1のフッ素化ハロゲン間化合物であるIF7を、高純度で得ることができる。
最終的に、さらに高純度のIF7を得たい場合、式(3A)で用いる、最初のIF7は蒸留などの操作により予め高沸点成分を除去したIF7であることが好ましい。
Figure 0006959499
また、式(8)に示すように、式(4A)の反応で得られたIF7を分解して、高純度のIF5を得ることができる。IF7を分解する方法としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、IF7を内温250℃以上、400℃以下のNi製の反応器内に流通し、加熱することで、IF7をIF5とF2に熱分解する方法を例示することができる。
Figure 0006959499
<第1のフッ素化ハロゲン間化合物がIF5、第2のフッ素化ハロゲン間化合物がIF7である場合>
先ず、式(5A)に示すように、第1のフッ素化ハロゲン間化合物であるIF5をF2と反応させて転化し、第2のフッ素化ハロゲン間化合物であるIF7を得る。
次いで、蒸留などの操作によりIF7からIF7より高沸点の不純物を分離した後、
式(6A)に示すように、IF7とI2を反応させて再転化し第1のフッ素化ハロゲン間化合物であるIF5を得る、または式(7A)に示すようにIF7を熱分解して再転化し、第1のフッ素化ハロゲン間化合物であるIF5を高純度で得ることができる。IF7を、IF5とF2に熱分解する方法は、前述の通りである。最終的に、さらに高純度のIF5を得たい場合、式(5A)で用いる、初めのIF5は、蒸留などの操作により、予め低沸点成分を除去したIF5であることが好ましい。
Figure 0006959499
[転化、再転化の収率]
上記、IF5またはIF7に係る、反応式(3A)および(5A)に示す転化反応、および(4A)、(6A)、(7A)に示す再転化反応の原料化合物に対する目的化合物の収率は80%以上、99.9%未満が好ましい。収率が80%未満の場合、不純物を分離する際の収率が低下する虞がある。収率が99.9%以上の場合、収率を達成するための装置が大規模となり、製造コストが増加する虞がある。
[ClF、ClFの転化および再転化工程]
具体的な例として、前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物がClF、第2のフッ素化ハロゲン間化合物がClFである場合を説明する。
<第1のフッ素化ハロゲン間化合物がClF、第2のフッ素化ハロゲン間化合物がClFである場合>
先ず、式(3B)に示すように、第1のフッ素化ハロゲン間化合物であるClFをClと反応させて転化し、第2のフッ素化ハロゲン間化合物であるClFを得る。
次いで、蒸留などの操作によりClFから、ClFより高沸点の不純物を分離した後、
式(4B)に示すように、ClFとF2を反応させて再転化し第1のフッ素化ハロゲン間化合物であるClFを、高純度で得ることができる。
最終的に、さらに高純度のClFを得たい場合、式(3B)で用いる、最初のClFは蒸留などの操作により予め低沸点成分を除去したClFであることが好ましい。
Figure 0006959499
[転化、再転化の収率]
上記、ClFまたはClFに係る、反応式(3B)に示す転化反応、および(4B)、に示す再転化反応の原料化合物に対する目的化合物の収率は80%以上、99.9%未満が好ましい。収率が80%未満の場合、不純物を分離する際の収率が低下する虞がある。収率が99.9%以上の場合、収率を達成するための装置が大規模となり、製造コストが増加する虞がある。
[装置の材質]
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法に用いる装置の材質としては、フッ素化ハロゲン間化合物、F2、Cl2、Br2およびI2に対して耐食性があり侵されることなく、フッ素化ハロゲン間化合物中に不純物として混入しない材質であることが好ましい。
具体的には、第1のフッ素化ハロゲン間化合物を転化し第2のフッ素化ハロゲン間化合物を得る転化工程、第2のフッ素化ハロゲン間化合物を再転化し第1のフッ素化ハロゲン間化合物を得る再転化工程、第1または第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程において、侵されることのない材質であることが好ましい。このような材質として、好ましくはステンレス鋼、ニッケル、ニッケル基合金、アルミナが挙げられる。ニッケルおよびステンレス鋼製の装置が安価、且つ取扱いが容易であり、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法において、ニッケルおよびステンレス鋼製装置を用いることが好ましい。
[温度と圧力の条件]
フッ素化ハロゲン間化合物を精製する際に、装置より不純物が混入しない温度の条件としては、装置の材質がニッケルの場合は−200℃以上、400℃以下が好ましく、装置の材質がステンレス鋼の場合は−200℃以上、200℃以下が好ましい。−200℃未満でフッ素化ハロゲン間化合物を精製する場合、不純物とフッ素化ハロゲン間化合物が凝固して、分離が難しくなる虞がある。装置の材質がニッケルの場合は400℃を超える温度で、装置の材質がステンレス鋼の場合は200℃を超える温度でフッ素化ハロゲン間化合物を精製する場合、装置材質に由来する不純物が増加する虞がある。
フッ素化ハロゲン間化合物を精製する際の、装置内の圧力としては、絶対圧で表わして0.001MPa以上、1MPa以下が好ましい。0.001MPa未満で精製する場合、フッ素化ハロゲン間化合物の精製量が少ないため効率が低く、減圧するための装置が必要になるため経済性に劣る。1MPaを超えて精製する場合、装置の接続箇所、例えば、ガスケットからフッ素化ハロゲン間化合物が漏洩する虞が生じる。
[本発明で精製するフッ素化ハロゲン間化合物の物性]
表1は、フッ素化ハロゲン間化合物の物性を示した表である。
Figure 0006959499
表1に示すように、フッ素化ハロゲン間化合物は、フッ素化ハロゲン間化合物中のフッ素原子の個数により、融点と沸点が大きく異なる。
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法において、中でも第1のフッ素化ハロゲン間化合物と第2のフッ素化ハロゲン間化合物の組み合わせとして、ClF(沸点−155.6℃)とClF(沸点−76.3℃)、BrF3(沸点125.7℃)とBrF5(沸点40.9℃)の組み合わせ、またはIF5(沸点102℃)とIF7(沸点5.5℃)の組み合わせが好ましく、特にIF5とIF7の組み合わせが好ましい。
[不純物]
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法を用い、フッ素化ハロゲン間化合物から除去する対象となる不純物には、Al、As、Ca、Co、Cr、Cu、Fe、K、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、P、Pb、Se、Si、Ti、Zn、またはZrのフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酸フッ化物、酸塩化物、酸臭化物、または酸ヨウ化物、さらにN2、Ar、He、CO2、O2、CF4、OF2、HFまたはフルオロカーボンを挙げることができる。
上記金属成分は、フッ素化ハロゲン間化合物が封入されたボンベ、製造工程における反応器または配管などに使用される金属または部材、あるいはこれらがフッ素化ハロゲン間化合物と反応するなどして、フッ素化ハロゲン間化合物に混入すると推測される。
[不純物を分離する方法]
転化後のフッ素化ハロゲン間化合物に含まれる不純物をフッ素化ハロゲン間化合物から分離する方法としては、特に限定されないが、フッ素化ハロゲン間化合物の相変化に伴う蒸発昇華、または凝縮凝固の際に分離する方法(以下、相変化法と呼ぶことがある)、蒸留、収着、吸収、膜による分離、抽出または晶析による方法を挙げることができる。これらの方法の中で、より好ましくは相変化法または蒸留である。不純物を収着、膜分離または抽出によって分離する際は、通常、収着剤、膜分離剤または抽出剤を使用する必要がある。しかしながら、これらを用いるとフッ素化ハロゲン間化合物の不純物が増加する虞がある。晶析によって分離する場合は、フッ素化ハロゲン間化合物に複数の不純物が含まれていると、これらを除去する晶析操作が困難となる。
<相変化法>
相変化法とは、フッ素化ハロゲン間化合物の温度を変えることで、フッ素化ハロゲン間化合物を相変化させて、不純物を除く方法である。
具体的には、液相から気相へ相変化させ蒸発させる際、気相から液相へ相変化させ凝縮させる際、気相から固相へ相変化させ凝固させる際、液相から固相へ相変化させ凝固させる際、または固相から気相へ相変化させ昇華させる際に不純物を除く方法である。
フッ素化ハロゲン間化合物に低沸点の不純物を含む場合は、高沸点となる個数のフッ素原子を含むフッ素化ハロゲン間化合物に転化した後に凝縮または凝固させて、低沸点の不純物を除去することが好ましい。一方、フッ素化ハロゲン間化合物に高沸点の不純物を含む場合は、低沸点となるフッ素原子数のフッ素化ハロゲン間化合物に転化させた後に凝縮または凝固させて、高沸点の不純物を除去することが好ましい。転化後の第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去した後、フッ素分子と反応させる、または熱分解させることによって再転化し、最初の個数のフッ素原子を含むフッ素化ハロゲン間化合物に戻すことで、最初の個数のフッ素原子を含むフッ素化ハロゲン間化合物を高純度で得ることができる。
例えば、本明細書の実施例においては、図3に示す構成の精製装置を用い、IF5、IF7、ClFまたはClFの入ったニッケル製容器11、12内において、これらのフッ素化ハロゲン間化合物の転化および相変化を行った。これらのフッ素化ハロゲン間化合物を温度調整により、液相から気相(蒸発)、気相から液相(凝縮)、気相から固相(凝固)、液相から固相(凝固)、及び固相から気相(昇華)に相変化させ、仕切り弁13を開閉し気相状態で容器11、12間を行き来させつつ、転化(IF5 ⇔ IF7 または ClF ⇔ ClF)した後に凝縮または凝固させた際に、不純物を除去し、IF5、IF7、ClFの精製を行った。
<蒸留>
蒸留は一般的な方法によって行うことができる。すなわち、不純物を含むフッ素化ハロゲン間化合物から、フッ素化ハロゲン間化合物より高沸点の不純物を除去する場合は、高沸点の不純物を缶出液に濃縮し除去すればよい。不純物を含むフッ素化ハロゲン間化合物から、フッ素化ハロゲン間化合物より低沸点の不純物を除去する場合は、低沸点の不純物を留出液に濃縮し除去すればよい。
蒸留の種類としては、回分蒸留、連続蒸留、単蒸留、フラッシュ蒸留などがあるが、特に限定されることなく、目的物であるフッ素化ハロゲン間化合物に所望の純度を得るための種々の蒸留を選択することができる。
フッ素化ハロゲン間化合物に低沸点の不純物を含む場合は、高沸点となる個数のフッ素原子を含むフッ素化ハロゲン間化合物に転化して、低沸点の不純物を除去することが好ましい。一方、フッ素化ハロゲン間化合物に高沸点の不純物を含む場合は、低沸点となるフッ素原子数のフッ素化ハロゲン間化合物に転化させて高沸点の不純物を除去することが好ましい。転化後の第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を蒸留で除去した後、フッ素分子と反応させる、または熱分解させることによって再転化し、最初の個数のフッ素原子を含むフッ素化ハロゲン間化合物に戻し、最初の個数のフッ素原子を含むフッ素化ハロゲン間化合物を高純度で得ることができる。
<収着>
収着とは、不純物を含む気体または液体状態の対象から、不純物を固体収着剤に物理的または化学的に吸着する方法である。不純物を収着により除去する場合は、不純物を含む気体状態のフッ素化ハロゲン間化合物より、不純物を除去することが好ましい。フッ素化ハロゲン間化合物を低沸点のフッ素化ハロゲン間化合物に転化することで、不純物を含む気体状のフッ素化ハロゲン間化合物より、収着による不純物の除去を容易に行うことができる。
<膜分離・晶析>
不純物を膜分離により除去する場合は、液体で分離膜を透過させることが好ましい。即ち、沸点の高いフッ素化ハロゲン間化合物に転化して液状のフッ素化ハロゲン間化合物に添加した後、膜分離を行うことが好ましい。不純物を抽出または晶析する場合は、除去する不純物の溶解度などから、より分離しやすいフッ素化ハロゲン間化合物に転化した後に抽出または晶析することが好ましい。
具体的な実施例により、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法を示す。しかしながら、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法は、以下の実施例により限定されるものではない。
図3に示す構成の精製装置を用い、別途合成したIF5、IF7、ClFを精製した。IF5、IF7、ClFまたはClFの入ったニッケル製容器11、12内において、これらのフッ素化ハロゲン間化合物の転化反応および相変化を行った。具体的には、これらのフッ素化ハロゲン間化合物を、液相から気相(蒸発)、気相から液相(凝縮)および気相から固相(凝固)に相変化させ、仕切り弁13を開閉し気相状態で容器11、12間を行き来させつつ、転化(IF5 ⇔ IF7 または ClF ⇔ ClF)することで精製を行った。精製前および精製後のIF5、IF7、ClFに含まれる不純物の量を、誘導結合プラズマ質量分析計を用い測定した。誘導結合プラズマ質量分析計にアジレント・テクノロジー株式会社製、Agilent7000シリーズ、トリプル四重極GC/M システムを用い、気相と液相のIF5、IF7、ClFおよび不純物を超純水に吸収させた水溶液を分析しその含有率を、Si、Mo、Naに換算し測定した。
前記IF5、IF7またはClFを分析したところ、製造時に混入したと思われる不純物SiF4、MoF6、NaFが含まれていた。IF5、IF7またはClFの不純物である、SiF4は製造設備の保温材として使われる石英綿が製造設備の組み立て中に混入し、F2、IF5、IF7またはClFと反応して生成し混入したもの、MoF6は容器材質に含まれるMoが混入したもの、NaFは原料として用いたヨウ素から混入したものと推測された。
1.IFまたはIFの精製
1−1.実施例1〜4
実施例1〜4において、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法によりIFまたはIFの精製を行った。
図3に示すように、精製装置は容積1Lのニッケル製の容器11、12、仕切り弁13、I2ガス供給器14、F2ガス供給器15、真空脱気装置16よりなり、各々がステンレス製のパイプで連結されている。容器11、12は、図示しない温度計、圧力計および温調装置を備え、気相を分析するための抜出口17、液相を分析するための抜出口18が隣接されている。
実施例1
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法により、IF5の精製を行った。具体的には、IFからIFへ転化する前に、IFを蒸発させた後に凝縮し、IFよりも高沸点の不純物を主に除去した後、IFを転化しIFとし、一部のIFを蒸発させることで、IFよりも低沸点の不純物を主に除去し、IFからIFへ再転化することで、IFを精製した(発明8に対応)。
[1]不純物除去工程(1回目)
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。脱気後の容器11内に精製物質としての液状のIF7、259.9g(1.00mol)を充填し、容器11の内温を温調装置にて、30℃(蒸発温度)に保持した。その際、容器11の内圧は絶対圧で233kPaであった。
精製前の液相(液状)のIF7の不純物を測定したところ、換算値でSiが100wt.ppb、Moが750wt.ppb、Naが1000wt.ppb以上だった。精製前の気相(気体)のIF7の不純物を測定したところ、換算値でSiが200wt.ppb、Moが400wt.ppb、Naが10wt.ppb未満だった。
本容器11と、温調装置で内温10℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、容器11内で蒸発し気化したIF7の蒸気を容器11から容器12に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器12における回収量0.98モル、収率98%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物(主に、IFより高沸点の不純物)を含む残渣を除去した。
[2] 転化工程:(5/7)IF7+(1/7)I2→IF
次いで、IF7の入った容器12の内温を温調装置で10℃(反応温度)に保持した。その際、容器12の内圧は絶対圧で119kPaであった。容器12内にI2ガス供給器14よりI2ガスを穏やかに供給し、以下の式(3A)に示す反応により、IF7をIF5に転化した(回収量1.37モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[3]不純物除去工程(2回目)
液状のIF5の入った容器12の内温を、50℃(蒸発温度)に温調装置にて保持した。容器12の内圧は、絶対圧で13kPaであった。容器12と、温調装置で内温25℃(捕集温度)に保持した容器11間の仕切弁13を開き、IF5の蒸気の一部を容器12から容器11に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器12における回収量1.34モル、収率98.0%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16で容器11を脱気することで、容器11内の不純物(主に、IFより低沸点の不純物)を含む残渣を除去した。
[4]再転化工程(IF5+F2→IF7
IF5の入った容器12の内温を温調装置にて60℃(反応温度)に保持した。その際、容器11の内圧は絶対圧で20kPaであった。容器11内にF2ガスを穏やかに供給し、以下の式(4A)に示す反応により、IF5をIF7に再転化した(回収量1.33モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[1]〜[4]の一連の工程における、ヨウ素基準のIF7の総収率は、95.6%だった。容器12内の気体のIF7を「気相を分析するための抜出口17」、液体のIF7を「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物のSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。液相の測定結果は、Si 10wt.ppb未満、Mo 50wt.ppb、Na 10wt.ppb未満であった。気相の測定結果は、Si 10wt.ppb未満、Mo 20wt.ppb、Na 10wt.ppb未満だった。
実施例2
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法により、IF5の精製を行った。具体的には、IFからIFへ転化する前に、一部のIFを蒸発させることで、IFよりも低沸点の不純物を主に除去した後、IFを転化しIFとし、IFを蒸発させた後に凝縮し、IFよりも高沸点の不純物を主に除去し、IFからIFへ再転化することで、IFを精製した(発明10に対応)。精製装置には、実施例1と同じ装置を用いた。
[1]不純物除去工程(1回目)
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に精製物質としての液状のIF5、221.9g(1mol)を充填し、容器11の内温を温調装置にて50℃(蒸発温度)に保持した。その際、容器11の内圧は絶対圧で13kPaであった。
精製前の液相のIF5の不純物を測定したところ、換算値でSiが20wt.ppb、Moが60wt.ppb、Naが1000wt.ppb以上だった。精製前の気相(気体)のIF5の不純物を測定したところ、換算値でSiが50wt.ppb、Moが150wt.ppb、Naが10wt.ppb未満だった。
本容器11と、温調装置で内温25℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、IF5の蒸気の一部を容器11から容器12に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器11での回収量0.98モル、収率98%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器12を脱気することで、容器12内の不純物(主に、IFより低沸点の不純物)を含む残渣を除去した。
[2]転化工程(IF5+F2→IF7
次いで、IF5の入った容器11の内温を温調装置にて60℃(反応温度)に保持した。その際、容器11の内圧は絶対圧で20kPaであった。容器11内にF2ガス供給器15よりF2ガスを穏やかに供給し、以下の式(5A)に示す反応により、IF5をIF7に転化した(回収量0.98モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[3]不純物除去工程(2回目)
液状のIF7の入った容器11の内温を温調装置にて30℃(蒸発温度)に保持した。容器11の内圧は、絶対圧で233kPaであった。容器11と、温調装置で内温10℃(捕集温度)に保持した容器12間の仕切弁13を開き、IF7の蒸気を容器11から容器12に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器12での回収量0.96モル、収率98.0%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物(主に、IFより高沸点の不純物)を含む残渣を除去した。
[4]再転化工程(5/7IF7+1/7I2→IF5
IF7の入った容器12の内温を温調装置にて10℃(反応温度)に保持した。その際、容器12の内圧は絶対圧で119kPaであった。容器12にI2ガス14を穏やかに供給し、以下の式(6A)に示す反応により、IF7をIF5に再転化した(回収量0.98モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[1]〜[4]の一連の工程における、ヨウ素基準のIF5の総収率は、96.3%だった。容器11内の気体のIF5を「気相を分析するための抜出口17」から、液体のIF5を「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物としてのSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。液相、気相、何れにおいても測定結果は、Si 10wt.ppb未満、Mo 10wt.ppb未満、Na 10wt.ppb未満だった。
実施例3
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法により、IF7の精製を行った。具体的には、IFを転化しIFとし、一部のIFを蒸発させることで、IFよりも低沸点の不純物を主に除去し、IFからIFへ再転化することで、IFを精製した(発明7に対応)。精製装置は、実施例1と同じ装置を用い、IF7は、実施例1で用いたのと同じIF7を用いた。
[1] 転化工程(5/7IF7+1/7I2→IF5
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に液状のIF7、259.9g(1.00mol)を充填し、容器12の内温を温調装置で10℃(反応温度)に保持した。その際、容器12の内圧は絶対圧で119kPaであった。容器12内にI2ガス供給器14よりI2ガスを穏やかに供給し、以下の式(3A)に示す反応により、IF7をIF5に転化した(回収量1.39モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[2]不純物除去工程
液状のIF5の入った容器11の内温を50℃(蒸発温度)に温調装置にて保持した。容器11の内圧は、絶対圧で13kPaであった。容器11と、温調装置で内温25℃(捕集温度)に保持した容器12間の仕切弁13を開き、IF5の蒸気の一部を容器11から容器12に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器11における回収量1.37モル、収率98.0%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16で容器12を脱気することで、容器12内の不純物(主に、IFより低沸点の不純物)を含む残渣を除去した。
[3]再転化工程(IF5+F2→IF7
IF5の入った容器11の内温を温調装置にて60℃(反応温度)に保持した。その際、容器11の内圧は絶対圧で20kPaであった。容器11内にF2ガスを穏やかに供給し、以下の式(3A)に示す反応により、IF5をIF7に再転化した。(回収量1.36モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[1]〜[3]の一連の工程における、ヨウ素基準のIF7の総収率は、97.0%だった。容器12内の気体のIF7を「気相を分析するための抜出口17」、液体のIF7を「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物のSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。液相の測定結果は、Si 10wt.ppb未満、Mo 200wt.ppb、Na 1000wt.ppb以上であった。気相の測定結果は、Si 10wt.ppb未満、Mo 100wt.ppb、Na 10wt.ppb未満だった。
実施例4
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法により、IF5の精製を行った。具体的には、IFを転化しIFとし、IFを蒸発させた後に凝縮しIFよりも高沸点の不純物を主に除去し、IFからIFへ再転化することで、IFを精製した(発明9に対応)。精製装置には、実施例1と同じ装置を用い、IF5は、実施例2で用いたのと同じIF5を用いた。
[1]転化工程(IF5+F2→IF7
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に精製物質としての液状のIF5、221.9g(1.00mol)を充填し、容器11の内温を温調装置にて60℃(反応温度)に保持した。その際、容器11の内圧は絶対圧で20kPaであった。容器11内にF2ガス供給器15よりF2ガスを穏やかに供給し、以下の式(5A)に示す反応により、IF5をIF7に転化した(回収量0.98モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[2]不純物除去工程
液状のIF7の入った容器11の内温を温調装置にて30℃(捕集温度)に保持した。容器11の内圧は、絶対圧で233kPaであった。容器11と、温調装置で内温10℃に保持した容器12間の仕切弁13を開き、IF7の蒸気を容器11から容器12に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器12での回収量0.96モル、収率98.0%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物(主に、IFより高沸点の不純物)を含む残渣を除去した。
[3]再転化工程(5/7IF7+1/7I2→IF5
IF7の入った容器12の内温を温調装置にて10℃(反応温度)に保持した。その際、容器12の内圧は絶対圧で119kPaであった。容器12にI2ガス14を穏やかに供給し、以下の式(6A)に示す反応により、IF7をIF5に再転化した(回収量1.36モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[1]〜[3]の一連の工程における、ヨウ素基準のIF5の総収率は、97.7%だった。容器11内の気体のIF5を「気相を分析するための抜出口17」から、液体のIF5を「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物としてのSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。液相の測定結果は、Si 30wt.ppb、Mo 40wt.ppb、Na 10wt.ppb未満であった。気相の測定結果は、Si 60wt.ppb、Mo 100wt.ppb、Na 10wt.ppb未満だった。
表2に実施例1〜4の精製条件および収率について示す。
Figure 0006959499
1−2.比較例1〜4
次いで、比較例1〜4において、本発明の範疇にない精製方法によりIFまたはIFの精製を行った。
比較例1
実施例1で用いたのと同じIF7を、実施例1と同じ装置を用い、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法における[転化工程][再転化工程]を行わず、従来のフッ素化ハロゲン間化合物の精製で用いる[不純物除去工程]のみによる精製を行った。
[1]不純物除去工程(1回目)
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に精製物質としての液体のIF7、358.6g(1.39mol)を充填し、容器11の内温を温調装置で30℃(蒸発温度)に保持した。本容器11と、温調装置で内温10℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、IF7の蒸気を容器11から容器12に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器12における回収量1.36モル、収率97.8%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物を含む残渣を除去した。
[2]不純物除去工程(2回目)
IF7の入った容器12の内温を温調装置にて30℃(蒸発温度)に保持した。本容器12と、温調装置で内温10℃(捕集温度)に保持した容器11の間に設けた仕切弁13を開き、IF7の蒸気の一部を容器12から容器11に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器12での回収量1.33モル、収率97.8%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物を含む残渣を除去した。
[1]〜[2]の一連の工程における、ヨウ素基準のIF7の総収率は、95.6%だった。実施例2と同様の方法で、容器11内の気体のIF7を「気相を分析するための抜出口17」、液体のIF7を「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物のSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。容器12のIF7の不純物を分析した。液相の測定結果は、Si、10wt.ppb未満、Mo、250wt.ppb、Na、10wt.ppb未満であった。気相の測定結果は、Si、10wt.ppb未満、Mo 100wt.ppb、Na 10wt.ppb未満だった。
比較例2
実施例2で用いたのと同じIF5を、実施例1と同じ装置を用い、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法における[転化工程][再転化工程]を行わず、従来のフッ素化ハロゲン間化合物の精製で用いる[不純物除去工程]のみによる精製を行った。
[1]不純物除去工程(1回目)
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に精製物質としての液体のIF5、306.2g(1.38mol)を充填し、容器11の内温を温調装置にて50℃(蒸発温度)に保持した。本容器11と、温調装置で内温25℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、IF5の蒸気の一部を容器11から容器12に移動させ凝縮し捕集して回収した(容器11での回収量1.36モル、収率98.1%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器12を脱気することで、容器12内の不純物を含む残渣を除去した。
[2]不純物除去工程(2回目)
IF5の入った容器11の内温を温調装置にて50℃(蒸発温度)に保持した。本容器11と、温調装置で内温25℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、IF5の蒸気を容器11から容器12に移動させ凝縮し捕集して回収した(容器12での回収量1.33モル、収率98.1%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物を含む残渣を除去した。
[1]〜[2]の一連の工程における、ヨウ素基準のIF5の総収率は、96.3%だった。容器11内の気体のIF5を「気相を分析するための抜出口17」、液体のIF5を「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物のSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。液相の測定結果は、Si 10wt.ppb未満、Mo 10wt.ppb未満、Na 20wt.ppbであった。気相の測定結果は、Si、Mo、Na のいずれも10wt.ppb未満だった。
比較例3
実施例1で用いたのと同じIF7を、実施例1と同じ装置を用い、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法における[転化工程][再転化工程]を行わず、従来のフッ素化ハロゲン間化合物の精製で用いる[不純物除去工程]のみによる精製を行った。
[1]不純物除去工程
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に精製物質としての液体のIF7、363.9g(1.40mol)を充填し、容器11の内温を温調装置で30℃(蒸発温度)に保持した。本容器11と、温調装置で内温10℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、IF7の蒸気の一部を容器11から容器12に移動させ凝縮し捕集して回収した(容器11における回収量1.36モル、収率97.0%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器12を脱気することで、容器12内の不純物を含む残渣を除去した。
ヨウ素基準のIF7の総収率は、97.0%だった。実施例2と同様の方法で、容器11内の気体のIF7を「気相を分析するための抜出口17」、液体のIF7を「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物のSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。容器11のIF7の不純物を分析した。液相の測定結果は、Si、30wt.ppb、Mo、760wt.ppb、Na、1000wt.ppb以上であった。気相の測定結果は、Si、70wt.ppb、Mo 420wt.ppb、Na 40wt.ppbだった。
比較例4
実施例2で用いたのと同じIF5を、実施例1と同じ装置を用い、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法における[転化工程][再転化工程]を行わず、従来のフッ素化ハロゲン間化合物の精製で用いる[不純物除去工程]のみによる精製を行った。
[1]不純物除去工程
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に精製物質としての液体のIF5、308.4g(1.39mol)を充填し、容器11の内温を温調装置にて50℃(蒸発温度)に保持した。本容器11と、温調装置で内温25℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、IF5の蒸気を容器11から容器12に移動させ凝縮し捕集した(容器12での回収量1.36モル、収率97.7%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物を含む残渣を除去した。
ヨウ素基準のIF5の総収率は、97.0%だった。容器12内の気体のIF5を「気相を分析するための抜出口17」、液体のIF5を「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物のSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。液相の測定結果は、Si 40wt.ppb、Mo 70wt.ppb、Na 20wt.ppbであった。気相の測定結果は、Si 70wt.ppb、Mo 170wt.ppb、Na 10wt.ppb未満であった。
表3に比較例1〜4の精製条件および収率について示す。
Figure 0006959499
次いで、表4に、実施例1〜4および比較例1〜4における、IF7およびIF5の精製前後で測定した不純物量を示す。
Figure 0006959499
精製物質をIF7とする、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法による実施例1と3と、本発明の範疇にない従来のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法による比較例1と3を比べると、IF7に対して高沸点の不純物であるMoF6は、実施例1より比較例1、及び実施例3より比較例3の方が、液相、気相のいずれにおいても多い。
また、精製物質をIF5とする、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法による実施例2と4と、本発明の範疇にない従来のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法による比較例2、4を比べると、IF5に対して高沸点の不純物であるNaFは、実施例2より比較例2、及び実施例4より比較例4の方が、液相において多い。
2.ClFの精製
次いで、以下の実施例5〜6において、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法により、ClFの精製を行った。
2−1.実施例5〜6
実施例5
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法により、ClFの精製を行った。具体的には、ClFからClFへ転化する前に、一部のClFを蒸発させることで、ClFよりも低沸点の不純物を主に除去した後、ClFを転化しClFとし、ClFを輸送および凝固させることで、ClFよりも高沸点の不純物を主に除去し、ClFからClFへ再転化することで、ClFを精製した(発明12に対応)。精製装置には、実施例1と同じ装置を用いた。
[1]不純物除去工程(1回目)
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に精製物質としての液体状のClF3、185.0g(2mol)を充填し、容器11の内温を温調装置にて25℃(蒸発温度)に保持した。その際、容器11の内圧は絶対圧で172kPaであった。
精製前の液相のClFの不純物を測定したところ、換算値でSiが20wt.ppb、Moが400wt.ppb、Naが10wt.ppb未満だった。精製前の気相(気体)のClFの不純物を測定したところ、換算値でSiが300wt.ppb、Moが350wt.ppb、Naが10wt.ppb未満だった。
本容器11と、温調装置で内温0℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、ClFの蒸気の一部を容器11から容器12に移動させ凝縮し捕集して回収した(容器11での回収量1.96モル、収率98%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器12を脱気することで、容器12内の不純物(主に、ClFより低沸点の不純物)を含む残渣を除去した。
[2]転化工程(1/3ClF+1/3Cl→ClF)
次いで、ClFの入った容器11の内温を温調装置にて10℃(反応温度)に保持した。その際、容器11の内圧は絶対圧で94kPaであった。容器11内にClガス供給器14よりClガスを穏やかに供給し、以下の式(3B)に示す反応により、ClFをClFに転化した(回収量2.73モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[3]不純物除去工程(2回目)
液体状のClFの入った容器11の内温を温調装置にて10℃(蒸発温度)に保持した。容器11の内圧は、絶対圧で677kPaであった。容器11と、冷媒で内温−186℃(捕集温度)に保持した容器12間の仕切弁13を開き、ClFの蒸気を容器11から容器12に移動させ凝固して捕集し回収した(容器12での回収量2.73モル、収率98.0%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物(主に、ClFより高沸点の不純物)を含む残渣を除去した。
[4]再転化工程(ClF+F2→ClF
ClFの入った容器12の内温を温調装置にて25℃(反応温度)に保持した。その際、容器12の内圧は絶対圧で676kPaであった。容器12にF2ガス15を穏やかに供給し、以下の式(4B)に示す反応により、ClFをClFに再転化した(回収量2.66モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[1]〜[4]の一連の工程における、塩素基準のClFの総収率は、95.6%だった。容器12内の気体のClFを「気相を分析するための抜出口17」から、液体のClFを「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物としてのSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。液相の測定結果は、Si、10wt.ppb未満、Mo、20wt.ppb、Na、10wt.ppb未満であった。気相の測定結果は、Si、20wt.ppb、Mo 10wt.ppb未満、Na 10wt.ppb未満だった。
実施例6
本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法により、ClFの精製を行った。具体的には、ClFを転化しClFとし、ClFを輸送および凝固させることで、ClFよりも高沸点の不純物を主に除去し、ClFからClFへ再転化することで、ClFを精製した(発明11に対応)。精製装置には、実施例1と同じ装置を用い、ClFは、実施例5で用いたのと同じClFを用いた。
[1]転化工程(1/3ClF+2/3Cl2→ClF)
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に精製物質としての液状のClF、185.0g(2.00mol)を充填し、容器11の内温を温調装置にて10℃(反応温度)に保持した。その際、容器11の内圧は絶対圧で94kPaであった。容器11内にCl2ガス供給器14よりCl2ガスを穏やかに供給し、以下の式(3B)に示す反応により、ClFをClFに転化した(回収量2.79モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[2]不純物除去工程
液状のClFの入った容器11の内温を温調装置にて10℃(蒸発温度)に保持した。容器11の内圧は、絶対圧で692kPaであった。容器11と、冷媒で内温−186℃(捕集温度)に保持した容器12間の仕切弁13を開き、ClFの蒸気を容器11から容器12に移動させ凝固して回収した(容器12での回収量2.73モル、収率98.0%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物(主に、ClFより高沸点の不純物)を含む残渣を除去した。
[3]再転化工程(ClF+F2→ClF
ClFの入った容器12の内温を温調装置にて10℃(捕集温度)に保持した。その際、容器12の内圧は絶対圧で640kPaであった。容器12にF2ガス15を穏やかに供給し、以下の式(4B)に示す反応により、ClFをClFに再転化した(回収量2.72モル、収率99.5%)。
Figure 0006959499
[1]〜[3]の一連の工程における、塩素基準のClFの総収率は、97.0%だった。容器11内の気体のClFを「気相を分析するための抜出口17」から、液体のClFを「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物としてのSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。液相の測定結果は、Si 10wt.ppb未満、Mo 30wt.ppb、Na 10wt.ppb未満であった。気相の測定結果は、Si 20wt.ppb、Mo 20wt.ppb、Na 10wt.ppb未満だった。
表5に実施例5、6における精製の条件および収率について示す。
Figure 0006959499
2−2.比較例5〜6
次いで、比較例5〜6において、本発明の範疇にない精製方法によりClFの精製を行った。
比較例5
実施例5で用いたのと同じClFを、実施例1と同じ装置を用い、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法における[転化工程][再転化工程]を行わず、従来のフッ素化ハロゲン間化合物の精製で用いる[不純物除去工程]のみによる精製を行った。
[1]不純物除去工程(1回目)
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に精製物質としての液体状のClF、257.2g(2.78mol)を充填し、容器11の内温を温調装置で25℃(蒸発温度)に保持した。本容器11と、温調装置で内温0℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、ClFの蒸気を容器11から容器12に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器12における回収量2.72モル、収率97.8%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物を含む残渣を除去した。
[2]不純物除去工程(2回目)
ClFの入った容器12の内温を温調装置にて25℃(蒸発温度)に保持した。本容器12と、温調装置で内温0℃(捕集温度)に保持した容器11の間に設けた仕切弁13を開き、ClFの蒸気の一部を容器12から容器11に移動させ凝縮して捕集し回収した(容器12での回収量2.66モル、収率97.8%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器11を脱気することで、容器11内の不純物を含む残渣を除去した。
[1]〜[2]の一連の工程における、塩素基準のClFの総収率は、95.6%だった。実施例5と同様の方法で、容器11内の気体のClFを「気相を分析するための抜出口17」、液体のClFを「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物のSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。容器12のClFの不純物を分析した。液相の測定結果は、Si、10wt.ppb未満、Mo、230wt.ppb、Na、10wt.ppb未満であった。気相の測定結果は、Si、10wt.ppb未満、Mo 100wt.ppb、Na 10wt.ppb未満だった。
比較例6
実施例5で用いたのと同じClFを、実施例1と同じ装置を用い、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法における[転化工程][再転化工程]を行わず、従来のフッ素化ハロゲン間化合物の精製で用いる[不純物除去工程]のみによる精製を行った。
[1]不純物除去工程
先ず、真空脱気装置16を稼動させ容器11、12内を脱気した。
脱気後の容器11内に液体のClF、259.0g(2.80mol)を充填し、容器11の内温を温調装置で25℃(蒸発温度)に保持した。本容器11と、温調装置で内温0℃(捕集温度)に保持した容器12の間に設けた仕切弁13を開き、ClFの蒸気の一部を容器11から容器12に移動させ凝縮し捕集して回収した(容器11における回収量2.72モル、収率97.0%)。仕切弁13を閉め、真空脱気装置16により容器12を脱気することで、容器12内の不純物を含む残渣を除去した。
塩素基準のClFの総収率は、97.0%だった。実施例2と同様の方法で、容器11内の気体のClFを「気相を分析するための抜出口17」、液体のClFを「液相を分析するための抜出口18」から、各々抜出して、超純水に吸収させた後、前述の誘導結合プラズマ質量分析計で不純物のSiF4、MoF6、NaFの含有率を、各々Si、Mo、Na換算して測定した。容器11のClFの不純物を分析した。液相の測定結果は、Si、10wt.ppb以下、Mo、300wt.ppb、Na、10wt.ppb以下であった。気相の測定結果は、Si、70wt.ppb、Mo 420wt.ppb、Na 10wt.ppb以下だった。
表6に比較例5,6における精製の条件および収率について示す。
Figure 0006959499
2−3.実施例5〜6および比較例5〜6における、ClFの精製前後で測定した不純物量
表7に、実施例5〜6および比較例5〜6における、ClFの精製前後で測定した不純物量を示す。
Figure 0006959499
精製物質をClF3とする、本発明のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法による実施例5と6と、本発明の範疇にない従来のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法による比較例5と6を比べると、ClFと沸点が近い不純物であるMoF6は、実施例5より比較例6、及び実施例6より比較例6の方が、液相、気相のいずれにおいても多い。
11 ニッケル製容器
12 ニッケル製容器
13 仕切弁
14 I2ガス供給器、若しくはClガス供給器
15 F2ガス供給器
16 真空脱気装置
17 気相を分析するための抜出口
18 液相を分析するための抜出口

Claims (13)

  1. 式(1)で表される第1のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法であって、
    前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を変化させ、式(2)で示される第2のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する転化工程と、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程と、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を変化させ、式(1)で表される第1のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する再転化工程を有し、
    前記転化工程が、下記式(3)又は(5)に従って進行し、
    前記不純物除去工程が、前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物を蒸発させる工程である、
    フッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
    XFn (1)
    XFn±a (2)
    (n−a)XF n +X a →nXF n-a (3)
    XF n +F a →XF n+a (5)
    (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、Fはフッ素原子であり、n、n±aは、n≧1、a≧1、7≧n±a≧1の自然数である。)
  2. 前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程を、前記転化工程の前にさらに含む、請求項1に記載のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
  3. 前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物が、ClF、ClF3、ClF5、BrF3、BrF5、IF5、IF7からなる群から選ばれる少なくとも一つのフッ素化ハロゲン間化合物である、請求項1または請求項2に記載のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
  4. 前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物または前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を変化させる方法として、
    フッ素化ハロゲン間化合物と、F2、Cl2、Br2、I2、ClF、ClF3、ClF5、BrF3、BrF5、IF5およびIF7とからなる群から選ばれる少なくとも一つの化合物とを反応させる方法(但し、同じ化合物同士の組み合わせを除く)、
    またはフッ素化ハロゲン間化合物を分解させる方法のいずれかを用いる、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
  5. 前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する方法として、相変化および留からなる群から選ばれる少なくとも一つの方法を用いる、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のハロゲン間化合物の精製方法。
  6. 前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する方法として、相変化、蒸留、収着、膜分離、抽出、および晶析からなる群から選ばれる少なくとも一つの方法を用いる、
    請求項2に記載のハロゲン間化合物の精製方法。
  7. 前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物がIFであり、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物がIFであり、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、一部のIFを蒸発させることで、IFよりも低沸点の不純物を主に除去する工程である、
    請求項1に記載のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
  8. 前記転化工程の前に、前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程を、さらに含み、
    前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、IFを蒸発させて凝縮することで、IFよりも高沸点の不純物を主に除去する工程である、
    請求項7に記載のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
  9. 前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物がIFであり、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物がIFであり、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、IFを蒸発させて凝縮することで、IFよりも高沸点の不純物を主に除去する工程である、
    請求項1に記載のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
  10. 前記転化工程の前に、前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程を、さらに含み、
    前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、一部のIFを蒸発させることで、IFよりも低沸点の不純物を主に除去する工程である、
    請求項9に記載のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
  11. 前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物がClFであり、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物がClFであり、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、ClFを蒸発させて凝固することで、ClFよりも高沸点の不純物を主に除去することを特徴とする請求項1に記載のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
  12. 前記転化工程の前に、前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程を、さらに含み、
    前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程が、一部のClFを蒸発させすることで、ClFよりも低沸点の不純物を主に除去する工程である、請求項11に記載のフッ素化ハロゲン間化合物の精製方法。
  13. 式(1)で表される第1のフッ素化ハロゲン間化合物の製造方法であって、
    前記第1のフッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を変化させ、式(2)で示される第2のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する転化工程と、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物から不純物を除去する不純物除去工程と、
    前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物に含まれるフッ素原子の個数を変化させ、式(1)で表される第1のフッ素化ハロゲン間化合物を生成する再転化工程とを有し、
    前記転化工程が、下記式(3)又は(5)に従って進行し、
    前記不純物除去工程が、前記第2のフッ素化ハロゲン間化合物を蒸発させる工程である、
    フッ素化ハロゲン間化合物の精製工程を含む、フッ素化ハロゲン間化合物の製造方法。
    XFn (1)
    XFn±a (2)
    (n−a)XF n +X a →nXF n-a (3)
    XF n +F a →XF n+a (5)
    (式中、Xは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、Fはフッ素原子であり、n、n±aは、n≧1、a≧1、7≧n±a≧1の自然数である)
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