JP2003081614A - 高純度フッ素ガスおよびその製造方法並びにその用途 - Google Patents

高純度フッ素ガスおよびその製造方法並びにその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エキシマレーザ用ガスとして使用することが
できる高純度フッ素ガスの製造方法、それによって得ら
れる高純度フッ素ガスおよび高純度フルオロニッケル化
合物、および高純度フッ素ガスの用途を提供する。 【解決手段】 容器に充填したフルオロニッケル化合物
を加熱してフッ素ガスを放出する工程(1)と、フッ素
ガスを放出したフルオロニッケル化合物に、フッ素ガス
を吸蔵する工程(2)を含み、工程(1)において高純
度フッ素ガスを得る高純度フッ素ガスの製造方法であっ
て、容器に充填したフルオロニッケル化合物を250〜
600℃に加熱し、かつ該容器内の圧力を0.01MP
a(絶対圧)以下に減圧する工程(3)とフッ素ガスを
吸蔵する工程(2)を少なくとも1回以上行った後、工
程(1)において高純度フッ素ガスを得る製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高純度フッ素ガスの
製造方法、それによって得られる高純度フッ素ガスおよ
び高純度フルオロニッケル化合物、および高純度フッ素
ガスの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素ガスは強い酸化性をもつ支燃性ガ
スであり、また毒性と腐食性も強いため、日本において
は、特別な場合を除き、商業ベースではほとんど流通し
ていない。特表平5−502981号公報には、フッ素
(ハロゲン)を固体に吸蔵させた形状で保存し、フッ素を
使用する際にその固体を収めた容器を加熱して、フッ素
(ハロゲン)を発生するハロゲン発生器が記載されてい
る。また、同公報には、フッ素を吸蔵する物質としてK
3NiF7用いた場合には、99.7%の純度のフッ素が
継続的に供給できることが記載されている。一般的な用
途には99.7%程度の純度のフッ素ガスを用いること
ができるが、例えば半導体製造分野においては99.7
%以上の高純度のフッ素ガスが求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような背
景の下になされたものであって、本発明は、例えばエキ
シマレーザ用ガスとして使用することができる高純度フ
ッ素ガスの製造方法、それによって得られる高純度フッ
素ガスおよび高純度フルオロニッケル化合物、および高
純度フッ素ガスの用途を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、容器に充填したフル
オロニッケル化合物を加熱してフッ素ガスを放出する工
程(1)と、工程(1)を経たフルオロニッケル化合物
に、フッ素ガスを吸蔵する工程(2)を含み、工程
(1)において高純度フッ素ガスを得る高純度フッ素ガ
スの製造方法であって、容器に充填したフルオロニッケ
ル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ該容器内の
圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧する工程
(3)とフッ素ガスを吸蔵する工程(2)を少なくとも
1回以上行った後、工程(1)において高純度フッ素ガ
スを得る製造方法を用いれば前記の課題を解決できるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。本発明は以
下の〔1〕〜〔16〕に示される高純度フッ素ガスの製
造方法、高純度フッ素ガスおよび高純度フルオロニッケ
ル化合物、並びに高純度フッ素ガスの用途に関する。
【0005】〔1〕容器に充填したフルオロニッケル化
合物を加熱してフッ素ガスを放出する工程(1)と、工
程(1)を経たフルオロニッケル化合物に、フッ素ガス
を吸蔵する工程(2)を含み、工程(1)において高純
度フッ素ガスを得る高純度フッ素ガスの製造方法であっ
て、容器に充填したフルオロニッケル化合物を250〜
600℃に加熱し、かつ該容器内の圧力を0.01MP
a(絶対圧)以下に減圧する工程(3)とフッ素ガスを
吸蔵する工程(2)を少なくとも1回以上行った後、工
程(1)において高純度フッ素ガスを得ることを特徴と
する高純度フッ素ガスの製造方法。 〔2〕容器に充填したフルオロニッケル化合物の温度を
250℃未満とし、かつ該容器内の圧力を0.01MP
a(絶対圧)以下に減圧する工程(4)を含む上記
〔1〕に記載の高純度フッ素ガスの製造方法。 〔3〕容器に充填したフルオロニッケル化合物が、K3
NiF5、K3NiF6およびK3NiF7からなる群から
選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物である
上記〔1〕または〔2〕に記載の高純度フッ素ガスの製
造方法。 〔4〕工程(1)を経たフルオロニッケル化合物が、K
3NiF5、K3NiF6およびK3NiF7からなる群から
選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物である
上記〔1〕に記載の高純度フッ素ガスの製造方法。 〔5〕工程(2)において、フルオロニッケル化合物に
吸蔵するフッ素ガス中に含まれるフッ化水素の含有量が
500volppm以下である上記〔1〕〜〔4〕のい
ずれかに記載の高純度フッ素ガスの製造方法。
【0006】〔6〕容器に充填したフルオロニッケル化
合物を加熱してフッ素ガスを放出する工程(1)と、工
程(1)を経たフルオロニッケル化合物にフッ素ガスを
吸蔵する工程(2)を行った後、工程(1)において得
られる高純度フッ素ガスであって、容器に充填したフル
オロニッケル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ
該容器内の圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧
する工程(3)とフッ化水素の含有量が500volp
pm以下に低減されたフッ素ガスを吸蔵する工程を少な
くとも1回以上行った後、工程(1)において得ること
ができる高純度フッ素ガス。 〔7〕容器に充填したフルオロニッケル化合物を加熱し
てフッ素ガスを放出する工程(1)と、工程(1)を経
たフルオロニッケル化合物にフッ素ガスを吸蔵する工程
(2)を行った後、工程(1)において得られる高純度
フッ素ガスであって、フルオロニッケル化合物を充填し
た容器内を250℃未満の温度で0.01MPa(絶対
圧)以下に減圧する工程(4)と、容器に充填したフル
オロニッケル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ
該容器内の圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧
する工程(3)と、フッ化水素の含有量が500vol
ppm以下に低減されたフッ素ガスを吸蔵する工程とを
少なくとも1回以上行った後、工程(1)において得る
ことができる高純度フッ素ガス。 〔8〕容器に充填したフルオロニッケル化合物が、K3
NiF5、K3NiF6およびK3NiF7からなる群から
選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物である
上記〔6〕または〔7〕に記載の高純度フッ素ガス。
〔9〕工程(1)を経たフルオロニッケル化合物が、K
3NiF5、K3NiF6およびK3NiF7からなる群から
選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物である
上記〔6〕または〔7〕に記載の高純度フッ素ガス。
【0007】〔10〕純度が99.9vol%以上であ
る上記〔6〕〜
〔9〕のいずれかに記載の高純度フッ素
ガス。 〔11〕純度が99.99vol%以上である上記
〔6〕〜
〔9〕のいずれかに記載の高純度フッ素ガス。 〔12〕酸素ガスの含有量が10volppm以下であ
る上記〔6〕〜〔11〕のいずれかに記載の高純度フッ
素ガス。 〔13〕二酸化炭素ガスの含有量が10volppm以
下である上記〔6〕〜〔12〕のいずれかに記載の高純
度フッ素ガス。 〔14〕上記〔6〕〜〔13〕のいずれかに記載の高純
度フッ素ガスを含有することを特徴とするエキシマレー
ザ用ガス。 〔15〕フッ素ガスの吸蔵と放出を繰り返し行うことが
でき、高純度フッ素ガスを放出する高純度フルオロニッ
ケル化合物であって、フルオロニッケル化合物を充填し
た容器内を250℃未満の温度で0.01MPa(絶対
圧)以下に減圧する工程(4)と、容器に充填したフル
オロニッケル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ
該容器内の圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧
する工程(3)と、フッ化水素の含有量が500vol
ppm以下に低減されたフッ素ガスを吸蔵する工程とを
少なくとも1回以上行うことにより得ることができる高
純度フルオロニッケル化合物。 〔16〕フルオロニッケル化合物が、K3NiF5、K3
NiF6およびK3NiF7からなる群から選ばれる少な
くとも1種または2種以上の混合物である上記〔15〕
に記載の高純度フルオロニッケル化合物。
【0008】
【発明の実施の形態】フッ素ガスに含まれる主な不純物
ガスとしては、HF、O2、N2、CO2、CF4、SiF
4等のガスが挙げられる。これらの不純物ガスのうち、
HFはNaFを用いることにより比較的簡単に除去する
ことができる。CF4およびSiF4の濃度は比較的低
く、品質上問題となる場合は少ない。また、N2につい
ては不活性ガスであるため、ほとんどの場合許容できる
範囲内にある。上記の不純物ガスのうち、除去しにく
く、しかもその濃度が低いことが要求される不純分成分
は、O2ガスとCO2ガスである。
【0009】例えば、フッ素ガス雰囲気中で岩石にレー
ザーを照射し、その中に含まれる酸素量を定量するため
には、フッ素ガス中の酸素ガス濃度を極力小さくするこ
とが要求される。また、エキシマレーザーによる半導体
製造用の露光装置のフッ化物レンズ製造工程において、
酸素ガスを含んでいる場合には透過率が低下するため、
使用するフッ素ガスは酸素ガス濃度の低いものが求めら
れている。さらにフッ素ガスを用いたエキシマレーザー
の発光のためにも、レーザーチャンバーに充填・補給す
るフッ素ガスは酸素ガス濃度をはじめ、不純分ガスの含
有量が少ないフッ素ガスが必須となっている。
【0010】以下、本発明について詳しく説明する。本
発明の製造方法を用いて得られる高純度フッ素ガスは、
純度が99.7%以上のフッ素ガスを意味する。本発明
の高純度フッ素ガスの製造方法は、容器に充填したフル
オロニッケル化合物を加熱してフッ素ガスを放出する工
程(1)と、工程(1)を経たフルオロニッケル化合物
に、フッ素ガスを吸蔵する工程(2)を含み、工程
(1)において高純度フッ素ガスを得る高純度フッ素ガ
スの製造方法であって、容器に充填したフルオロニッケ
ル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ該容器内の
圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧する工程
(3)とフッ素ガスを吸蔵する工程(2)を少なくとも
1回以上行った後、工程(1)において高純度フッ素ガ
スを得ることを特徴とする。
【0011】本発明の製造方法は、容器に充填したフル
オロニッケル化合物を加熱してフッ素ガスを放出する工
程(1)と容器に充填したフルオロニッケル化合物にフ
ッ素ガスを吸蔵する工程(2)とを実施した後に、工程
(1)において高純度フッ素ガスを得ることを含む高純
度フッ素ガスの製造方法であって、前記工程(1)およ
び工程(2)と、さらに容器に充填したフルオロニッケ
ル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ前記容器内
の圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧する工程
(3)とを、それぞれ、少なくとも1回実施し、その後
工程(1)において高純度フッ素ガスを得ることを含む
方法であることが好ましい。
【0012】ここで、フッ素ガスの吸蔵とはフッ素ガス
が金属との錯体化合物などを形成し、反応によりフッ素
化合物の状態に至る現象を意味する。フルオロニッケル
化合物がフッ素ガスを吸蔵する場合の化学的変化を、例
えば、K3NiF6について反応式で表せば次式のように
なる。 2K3NiF6 + F2 → 2K3NiF7 また、フッ素ガスの放出とは、吸蔵とは逆の反応により
フッ素ガスを放出する現象を意味し、フルオロニッケル
化合物がフッ素ガスを放出する場合の化学的変化を、例
えば、K3NiF7について反応式で表せば次式のように
なる。 2K3NiF7 → 2K3NiF6 + F2 また、フッ素ガス中に含まれる不純物ガスが、例えばフ
ルオロニッケル化合物に吸着する場合には、物質の表面
に結合力の弱い、主に分子間力で引きつけられた物理吸
着の状態を示し、本明細書においては、不純物ガスは
「吸着」と「放散」ということばを用いてその動向を表
す。
【0013】本発明の高純度フッ素ガスの製造方法にお
いて、容器に充填したフルオロニッケル化合物を250
〜600℃に加熱し、かつ該容器内の圧力を0.01M
Pa(絶対圧)以下に減圧する工程(3)は、加熱温度
が280〜500℃であることが好ましく、さらに好ま
しくは300〜450℃である。圧力は0.001MP
a以下に減圧することが好ましい。
【0014】また、本発明の高純度フッ素ガスの製造方
法は、容器に充填したフルオロニッケル化合物を250
℃未満とし、かつ該容器内の圧力を0.01MPa(絶
対圧)以下に減圧する工程(4)を含むことが好まし
い。工程(4)の温度は20℃以上250℃未満である
ことが好ましく、さらに好ましくは100℃以上250
℃未満である。圧力は0.001MPa以下に減圧する
ことが好ましい。
【0015】工程(3)および工程(4)は、フルオロ
ニッケル化合物に予め存在する不純分をフルオロニッケ
ル化合物から放散させて除去することが主な目的であ
り、加熱する温度によってはフッ素ガスの放出と共に不
純物を放散させ、除去することができる。工程(3)お
よび工程(4)を行う時間と回数は、目的に応じて適宜
選択することができる。工程(3)は2回以上行うこと
が好ましく、3回以上行うことがさらに好ましい。ま
た、工程(3)を行う時間は加熱する温度により変化す
るが、フルオロニッケル化合物がフッ素ガスを放出しな
くなるまで行うことが好ましい。また、工程(4)は2
回以上行うことが好ましく、3回以上行うことがさらに
好ましい。
【0016】容器に充填するフルオロニッケル化合物
は、K3NiF5、K3NiF6およびK 3NiF7からなる
群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物
であることが好ましい。また、工程(1)を経てフッ素
ガスを放出したフルオロニッケル化合物は、K3Ni
5、K3NiF6およびK3NiF7からなる群から選ば
れる少なくとも1種または2種以上の混合物であること
が好ましい。
【0017】工程(1)は、容器に充填したフルオロニ
ッケル化合物を加熱してフッ素ガスを放出する工程であ
り、加熱温度は250〜600℃であることが好まし
い。フルオロニッケル化合物を充填する容器の大きさ
は、発生するフッ素ガスの量に応じて選択することがで
きる。容器の材質としては、ニッケル、モネル、ステン
レス等の耐食性の材料を用いることが好ましく、これら
の材料の表面がフッ素ガスにより予め不動態化されてい
ることがさらに好ましい。また、金属材料の表面にニッ
ケルメッキを施した後の表面をフッ素ガスにより不動態
化してもよい。
【0018】本発明の高純度フッ素ガスの製造方法は、
フルオロニッケル化合物がフッ素ガスの吸蔵と放出を繰
り返すことにより、フルオロニッケル化合物自体に存在
する不純物を除去し、発生するフッ素ガスの純度を向上
させて行くことができる。しかし、不純物であるHF
は、フッ素ガスの吸蔵と放出を繰り返しても除去できな
い場合があることから、フッ化水素の含有量が500v
olppm以下のフッ素ガスを用いることが好ましく、
フッ化水素の含有量が100volppm以下であるこ
とがさらに好ましい。フッ素ガスは別途粗精製したフッ
素ガスを用いてもよく、放出したフッ素ガスが500v
olppm以上のHFを含む場合には、このフッ素ガス
を再利用してフルオロニッケル化合物に再吸蔵させるこ
とはせず、別にHFなどを除去した粗精製フッ素ガスを
吸蔵させることが好ましい。
【0019】この操作は単純にフッ素ガス中のHF濃度
を低減させる目的だけでなく、O2ガスやCO2ガスをは
じめとする不純物ガスの除去を容易にすることができ
る。すなわち、HFがフルオロニッケル化合物に吸着
し、フルオロニッケル化合物へのフッ素ガスの吸蔵を妨
げ、あるいはHFが吸着したフルオロニッケル化合物は
2ガスやCO2ガスなどの物質を取り込み易くなり、そ
れらの放散除去を困難とすると考えられる。
【0020】また、工程(2)において、フルオロニッ
ケル化合物に吸蔵するフッ素ガスは希釈されていないフ
ッ素ガスであり、フッ素ガスの圧力が0.2MPa以上
であることが好ましい。フッ素ガスの圧力は0.2〜
1.0MPaであることがさらに好ましく、0.3〜
0.8MPaであることが特に好ましい。フッ素ガスを
吸蔵する温度は100〜400℃であることが好まし
い。
【0021】図1〜4は、本発明の高純度フッ素ガスの
製造方法の工程(2)を実施するに際して使用すること
ができる装置のいくつかの態様を示す概略図である。フ
ルオロニッケル化合物は、K3NiF6および/またはK
3NiF7であり、原料に用いるフッ素ガスの違いによ
り、図1〜4の製造装置のいずれかを選択することがで
きるが、装置の構成はこれらに限定されるものではな
い。
【0022】図1において、原料フッ素ガスは、KF・
HF等の電気分解が行われる電解槽110で得られ、凝
縮器111を用いて不純物として含まれる大部分のHF
を除去したものを用いる。フルオロニッケル化合物を充
填したフッ素発生容器1は、温度制御されたヒーター2
によって外部より加熱できる。KF・HF等を電気分解
する電解槽110より出た、数%以上のHFを含むフッ
素ガスを凝縮器111に導入してHFを除去し、さらに
マスフローコントローラー9でその流量を制御して、N
aFを充填したNaFカラム8に導入し、フッ素ガス中
のHF濃度を500volppm以下とする。HFを低
減したフッ素ガスは一旦タンク7に蓄えられるか、ある
いは連続的にタンク7を通過して、マスフローコントロ
ーラー6でその流量を制御して、バルブV2、V0を経
由してフッ素発生容器1に供給する。バルブV1はフッ
素発生容器の付け外しの際に用いるパージ用不活性ガス
ラインのバルブであり、パージされた廃ガスやフッ素発
生容器1からの廃ガスは排気ラインのバルブV3、真空
ポンプ4、廃ガス処理筒5を経由して排気される。
【0023】図2において、原料フッ素ガスは、耐圧容
器に充填された、希釈していないボンベフッ素ガス21
0である。図1に示した方法と異なるのは原料フッ素だ
けであるが、ボンベに充填されたフッ素の場合には、1
vol%以上のHFを含まない場合が多く、図2に示し
た装置はHF凝縮器を使用しない構成となっている。
【0024】図3において、原料フッ素は、すでに高純
度のフッ素ガスを吸蔵している状態にあるフルオロニッ
ケル化合物が充填されたフッ素発生容器310である。
図1に示した方法と異なるのは原料フッ素だけであり、
フッ素発生容器310はこれを加熱する温度制御された
ヒーター311が付属している。また、図3に示した装
置は、図2に示した装置と同様、HF凝縮器を使用しな
い構成となっている。
【0025】図4は、図1〜3に示した3種類のフッ素
供給源(110、210、310)のいずれか1つと、
フッ素発生容器1から発生したフッ素ガスをタンク41
2に蓄えたものを使用し、異なるフッ素供給源から得ら
れるフッ素ガスを使い分けることができる方法を表して
いる。従って、フッ素供給源410は、図1に示したK
F・HF等の電気分解によりフッ素を発生する電解槽1
10および凝縮器111からなる装置とすることができ
る。また、図2に示したボンベフッ素210とすること
ができ、図3に示したフッ素発生容器310とすること
ができる。
【0026】フッ素発生容器1をヒーター2で加熱する
ことにより、フッ素ガスはバルブV4を通してフッ素タ
ンク412に一旦蓄えられる。フッ素供給源410から
得られるフッ素ガスとフッ素タンク412に蓄えられた
フッ素ガスは、バルブV4、V5、V6を操作すること
により使い分けることができる。すなわち、V4閉、V
5閉、V6開の場合には、フッ素供給源410からフッ
素を供給することができ、V4閉、V5開、V6閉の場
合にはフッ素タンク412からNaF層を通したフッ素
ガスを供給することができ、V4開、V5閉、V6閉で
はフッ素タンク412からNaF層を通さずに供給する
ことができる。
【0027】なお、上記の説明では、フルオロニッケル
化合物はK3NiF6および/またはK3NiF7と表記し
たが、K3NiF7はフッ素を吸蔵した状態を示し、K3
NiF6はフッ素を放出した状態を示す。但し、それぞ
れの状態は厳密にすべてがK3NiF6単体、K3NiF7
単体の状態ではなく、K3NiF6とK3NiF7の混合物
または過渡的な状態にある。例えば、フッ素を吸蔵した
状態を示すK3NiF7は、5〜30%のK3NiF6を含
んでいる。
【0028】次に、本発明の高純度フッ素ガスの製造方
法について、フッ素を吸蔵したフルオロニッケル化合物
としてK3NiF7を用いた例を挙げて具体的に説明す
る。 (1)フルオロニッケル化合物K3NiF7を容器に充填
し、その充填容器を例えば110〜200℃に加熱し、
0.01MPa(絶対圧)以下に減圧し、真空乾燥す
る。フッ素共存下での水分は、HFなどに変化してお
り、この操作を行うことによりHF等の不純分を放散除
去することができる。尚、次の(2)の操作は(1)の
操作をより高温で行うものであるので、(1)の操作は
省略してもよい。
【0029】(2)フルオロニッケル化合物K3NiF7
を充填した容器を真空ポンプで連続して減圧にし、0.
01MPa(絶対圧)以下の減圧下で外部よりヒーター
などで250〜600℃に加熱してフッ素ガスを放出さ
せ、もはやこの温度でフッ素ガスが放出しない状態に至
ったことを圧力などで確認する。フッ素ガスを放出する
際に、(1)の操作で放散されず残ったHFをはじめと
する不純分を放散除去することができる。このとき、K
3NiF7の大部分はフッ素ガスを放出することによりK
3NiF6に変化すると考えられる。
【0030】(3)(2)の操作で得られるK3NiF6
にフッ素ガスを再吸蔵させるためのフッ素ガスを粗精製
する。これは主にHFを除去するためであり、例えば、
500ml/min以下の流量でフッ化ナトリウム(N
aF)を充填したカラムに原料フッ素ガスを流通させる
ことによって粗精製することができる。この操作は、次
のフッ素ガスの再吸蔵操作と連続で行ってもよい。この
時に使用する原料フッ素ガスは、(2)の操作で放出し
たフッ素ガスをタンク等に一時保管したフッ素ガスや、
別のフルオロニッケル化合物K3NiF7を充填した容器
を加熱して放出させたフッ素ガスを用いてもよい。もち
ろん、耐圧容器に充填した希釈していないフッ素ガス、
またはKF・HF等の電気分解で得られたフッ素ガスを
凝縮器などで大部分のHFを除去して用いてもよい。
【0031】(4)フルオロニッケル化合物K3NiF6
に再びフッ素ガスを吸蔵する。この時、用いるフッ素ガ
スは(3)で粗精製したフッ素ガスを用いるとよい。フ
ルオロニッケル化合物へフッ素ガスを吸蔵する条件とし
ては、希釈していないフッ素ガスを用い、そのフッ素ガ
スの圧力を絶対圧で0.2MPa以上とし、外部よりヒ
ーターなどで150〜300℃に加熱する。
【0032】(5)新たにフッ素ガスを吸蔵したフルオ
ロニッケル化合物を、例えば300〜450℃に加熱す
ることにより高純度フッ素ガスを得る。以上の(1)〜
(5)の操作を行うことにより、純度が99.7%以上
の高純度フッ素ガスを得ることができる。さらに高純度
のフッ素ガスを得るためには、必要な純度のフッ素ガス
が得られるまで(1)〜(5)の操作を繰り返し行うと
よい。但し、(1)の操作はフルオロニッケル化合物に
最初から存在するHF等を放散除去する目的で行われる
ので、2回目以降は省略してもよい。例えば、99.9
vol%以上の純度を有する高純度フッ素を得るには、
通常フルオロニッケル化合物へのフッ素の吸蔵と放出を
少なくとも2回以上繰り返すことが好ましい。また、9
9.99vol%以上の純度を有する高純度フッ素を得
るには、通常フルオロニッケル化合物へのフッ素の吸蔵
と放出を少なくとも3回以上繰り返すことが好ましい。
【0033】また、高純度のフッ素ガスを得るため、例
えば前述の(4)の操作の後に、次の(6)の操作を行
ってもよい。(6)の操作は、(4)の操作を行った
後、250℃未満の温度で真空ポンプで減圧とし、O2
ガスやCO2ガス等の不純物ガスを除去する。この時、
250℃付近ではO2ガスやCO2ガスなどの不純物も除
去されやすいがフッ素ガスの放出も伴う。従って、フッ
素の損失も大きくなく、O 2、CO2などの不純物の除去
効果も高い100〜200℃で行うことが好ましい。
【0034】次に、本発明の高純度フッ素ガスについて
説明する。本発明の高純度フッ素ガスは、容器に充填し
たフルオロニッケル化合物を加熱してフッ素ガスを放出
する工程(1)と、工程(1)を経たフルオロニッケル
化合物にフッ素ガスを吸蔵する工程(2)を行った後、
工程(1)において得られる高純度フッ素ガスであっ
て、容器に充填したフルオロニッケル化合物を250〜
600℃に加熱し、かつ該容器内の圧力を0.01MP
a(絶対圧)以下に減圧する工程(3)とフッ化水素の
含有量が500volppm以下に低減されたフッ素ガ
スを吸蔵する工程を少なくとも1回以上行った後、工程
(1)において得ることができる。
【0035】すなわち、本発明の高純度フッ素ガスは、
容器に充填したフルオロニッケル化合物を加熱してフッ
素ガスを放出する工程(1)と容器に充填したフルオロ
ニッケル化合物にフッ素ガスを吸蔵する工程(2)とを
実施した後に工程(1)において得られる高純度フッ素
ガスであって、前記工程(2)においてフッ化水素の含
有量が500volppm以下に低減されたフッ素ガス
を吸蔵する工程と、さらに容器に充填したフルオロニッ
ケル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ前記容器
内の圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧する工
程(3)とを、それぞれ少なくとも1回実施した後に工
程(1)において得ることができる高純度フッ素ガスで
ある。
【0036】また、本発明の高純度フッ素ガスは、容器
に充填したフルオロニッケル化合物を加熱してフッ素ガ
スを放出する工程(1)と、工程(1)を経たフルオロ
ニッケル化合物にフッ素ガスを吸蔵する工程(2)を行
った後、工程(1)において得られる高純度フッ素ガス
であって、フルオロニッケル化合物を充填した容器内を
250℃未満の温度で0.01MPa(絶対圧)以下に
減圧する工程(4)と、容器に充填したフルオロニッケ
ル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ該容器内の
圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧する工程
(3)と、フッ化水素の含有量が500volppm以
下に低減されたフッ素ガスを吸蔵する工程とを少なくと
も1回以上行った後、工程(1)において得ることがで
きる。
【0037】すなわち、本発明の高純度フッ素ガスは、
容器に充填したフルオロニッケル化合物を加熱してフッ
素ガスを放出する工程(1)と容器に充填したフルオロ
ニッケル化合物にフッ素ガスを吸蔵する工程(2)とを
実施した後に工程(1)において得られる高純度フッ素
ガスであって、前記工程(2)においてフッ化水素の含
有量が500volppm以下に低減されたフッ素ガス
を吸蔵する工程と、さらに容器に充填したフルオロニッ
ケル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ前記容器
内の圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧する工
程(3)と、フルオロニッケル化合物を充填した容器内
を250℃未満の温度で0.01MPa(絶対圧)以下
に減圧する工程(4)とを、それぞれ少なくとも1回実
施した後に工程(1)において得ることができる高純度
フッ素ガスである。
【0038】容器に充填したフルオロニッケル化合物
は、K3NiF5、K3NiF6およびK 3NiF7からなる
群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物
であることが好ましい。また、工程(1)を経てフッ素
ガスを放出したフルオロニッケル化合物は、K 3Ni
5、K3NiF6およびK3NiF7からなる群から選ば
れる少なくとも1種または2種以上の混合物であること
が好ましい。
【0039】フッ素ガスの純度としては、99.9vo
l%以上であり、99.99vol%以上の高純度フッ
素ガスとして得ることもできる。フッ素ガス中に含まれ
る酸素ガスの含有量は10volppm以下であり、二
酸化炭素ガスの含有量は10volppm以下である。
本発明者らの実験によれば、従来のボンベフッ素ガスを
分析すると、フッ素ガスの純度は99.69vol%で
あった。また、不純物として含まれるHFは1500v
olppm、O2ガスは200volppm、CO2ガス
は250volppm、N2ガスは500volpp
m、CF4は400volppm、SiF4は250vo
lppmの濃度で含まれており、本発明のフッ素ガスは
不純物ガスの含有量が少ない高純度フッ素ガスであるこ
とが分かる。
【0040】フッ素ガス中に含まれる酸素ガス、二酸化
炭素ガス等の含有量は、例えばフッ素ガスをフルオロニ
ッケル化合物であるK3NiF6に吸蔵し、吸蔵されない
酸素ガス、二酸化炭素ガス等をガスクロマトグラフを用
いて分析することにより求めることができる。フッ素ガ
スの純度は100%からこれらの不純物の含有量を差し
引いた値から求めることができる。本発明の高純度フッ
素ガスは、例えばエキシマレーザ用ガスとして用いるこ
とができる。
【0041】次に、本発明の高純度フッ素ガスを製造す
ることができる高純度フルオロニッケル化合物について
説明する。本発明の高純度フルオロニッケル化合物は、
フッ素ガスの吸蔵と放出を繰り返し行うことができ、高
純度フッ素ガスを放出する高純度フルオロニッケル化合
物であって、フルオロニッケル化合物を充填した容器内
を250℃未満の温度で0.01MPa(絶対圧)以下
に減圧する工程(4)と、容器に充填したフルオロニッ
ケル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ該容器内
の圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧する工程
(3)と、フッ化水素の含有量が500volppm以
下に低減されたフッ素ガスを吸蔵する工程とを少なくと
も1回以上行うことにより得ることができる高純度フル
オロニッケル化合物である。フルオロニッケル化合物と
しては、K3NiF5、K3NiF6およびK3NiF7から
なる群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の混
合物であることが好ましい。
【0042】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0043】(実施例1)図4に示した装置を用い、フ
ッ素供給源410としては耐圧容器に充填された希釈し
ていないボンベフッ素を使用した。フルオロニッケル化
合物K3NiF7を充填した、モネル400製のフッ素発
生容器1を外部ヒーター2により、温度150℃で、
0.001MPa(絶対圧)で真空乾燥した。フッ素発
生容器1を真空ポンプ4で連続して減圧にし、0.00
1MPa(絶対圧)の減圧下、400℃で10時間加熱
し、フッ素ガスを放出した。次にフッ素ボンベ410よ
り100ml/minの流量でフッ化ナトリウム(Na
F)を充填したカラム8にフッ素ガスを流通させて、H
Fを除去した粗精製フッ素をタンク7を経て直接フッ素
発生容器1に供給した。この時の条件としては、フッ素
圧力を0.4MPa(絶対圧)とし、外部より250℃
に加熱した。その後、加熱温度を200℃とし、真空ポ
ンプ4で0.001MPa(絶対圧)に減圧した。その
後真空ポンプによる排気を停止し、加熱温度を350℃
に上昇させてフッ素ガスを得た。このフッ素ガスをフッ
素ガス(実施例1)とし、その分析値を表1に示した。
【0044】(実施例2)実施例1で用いたフッ素発生
容器1の温度を350℃に保持し、発生したフッ素を予
め真空にしておいたフッ素タンク412に分取した。次
いでバルブV4を閉、バルブV3を開とし、フッ素発生
容器1のフルオロニッケル化合物に吸蔵されたフッ素
を、350℃に加熱しながら真空ポンプで排気してフル
オロニッケル化合物をK3NiF6の状態にした。さら
に、フッ素発生容器1を真空ポンプで連続して減圧し、
0.001MPa(絶対圧)の減圧下、400℃で10
時間加熱した。次にフッ素タンク412より、100m
l/minの流量でフッ化ナトリウム(NaF)を充填
したカラム8にフッ素ガスを流通させて、HFを除去し
た粗精製フッ素をタンク7を経てフッ素発生容器1に2
50℃で供給した。フッ素ガスの供給を停止し、次いで
フッ素発生容器1の加熱温度を200℃とし、真空ポン
プで減圧にしながら、O2、CO2をはじめとする不純物
ガスの除去を行った。その後真空ポンプによる排気を停
止し、加熱温度を350℃に上昇させてフッ素ガスを得
た。このフッ素ガスをフッ素ガス(実施例2)とし、そ
の分析値を表1に示した。
【0045】(実施例3)不純物ガスをさらに低減する
ため、実施例2に引き続き、フッ素発生容器1を0.0
01MPa(絶対圧)の減圧下、250℃で1時間加熱
した。その後真空ポンプによる排気を停止し、加熱温度
を350℃に上昇させてフッ素ガスを得た。このフッ素
ガスをフッ素ガス(実施例3)とし、その分析値を表1
に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ッ素ガス中に不純物として含まれる、O2ガス、CO2
ス等の濃度を低減することができ、高純度のフッ素ガス
を得ることができる。特に、従来の技術では入手困難で
あった99.99vol%以上の純度のフッ素ガスが入
手可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高純度フッ素ガスの製造方法の工程
(2)を実施する装置の一態様を示す概略図である。
【図2】 本発明の高純度フッ素ガスの製造方法の工程
(2)を実施する装置の他の態様を示す概略図である。
【図3】 本発明の高純度フッ素ガスの製造方法の工程
(2)を実施する装置の他の態様を示す概略図である。
【図4】 本発明の高純度フッ素ガスの製造方法の工程
(2)を実施する装置のさらに他の態様を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 フッ素発生容器 2 ヒーター 3 圧力計 4 真空ポンプ 5 廃ガス処理筒 6、9 マスフローコントローラー 7 フッ素タンク 8 NaFカラム 110 電解槽 111 HF凝縮器 210 フッ素ガスボンベ 310 フッ素発生容器 410 フッ素供給源 412 フッ素タンク V0〜V6 バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 恭之 神奈川県川崎市川崎区扇町5−1 昭和電 工株式会社ガス・化成品事業部生産・技術 統括部内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器に充填したフルオロニッケル化合物
    を加熱してフッ素ガスを放出する工程(1)と、工程
    (1)を経たフルオロニッケル化合物に、フッ素ガスを
    吸蔵する工程(2)を含み、工程(1)において高純度
    フッ素ガスを得る高純度フッ素ガスの製造方法であっ
    て、容器に充填したフルオロニッケル化合物を250〜
    600℃に加熱し、かつ該容器内の圧力を0.01MP
    a(絶対圧)以下に減圧する工程(3)とフッ素ガスを
    吸蔵する工程(2)を少なくとも1回以上行った後、工
    程(1)において高純度フッ素ガスを得ることを特徴と
    する高純度フッ素ガスの製造方法。
  2. 【請求項2】 容器に充填したフルオロニッケル化合物
    の温度を250℃未満とし、かつ該容器内の圧力を0.
    01MPa(絶対圧)以下に減圧する工程(4)を含む
    請求項1に記載の高純度フッ素ガスの製造方法。
  3. 【請求項3】 容器に充填したフルオロニッケル化合物
    が、K3NiF5、K 3NiF6およびK3NiF7からなる
    群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物
    である請求項1または2に記載の高純度フッ素ガスの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 工程(1)を経たフルオロニッケル化合
    物が、K3NiF5、K3NiF6およびK3NiF7からな
    る群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合
    物である請求項1に記載の高純度フッ素ガスの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 工程(2)において、フルオロニッケル
    化合物に吸蔵するフッ素ガス中に含まれるフッ化水素の
    含有量が500volppm以下である請求項1〜4の
    いずれかに記載の高純度フッ素ガスの製造方法。
  6. 【請求項6】 容器に充填したフルオロニッケル化合物
    を加熱してフッ素ガスを放出する工程(1)と、工程
    (1)を経たフルオロニッケル化合物にフッ素ガスを吸
    蔵する工程(2)を行った後、工程(1)において得ら
    れる高純度フッ素ガスであって、容器に充填したフルオ
    ロニッケル化合物を250〜600℃に加熱し、かつ該
    容器内の圧力を0.01MPa(絶対圧)以下に減圧す
    る工程(3)とフッ化水素の含有量が500volpp
    m以下に低減されたフッ素ガスを吸蔵する工程を少なく
    とも1回以上行った後、工程(1)において得ることが
    できる高純度フッ素ガス。
  7. 【請求項7】 容器に充填したフルオロニッケル化合物
    を加熱してフッ素ガスを放出する工程(1)と、工程
    (1)を経たフルオロニッケル化合物にフッ素ガスを吸
    蔵する工程(2)を行った後、工程(1)において得ら
    れる高純度フッ素ガスであって、フルオロニッケル化合
    物を充填した容器内を250℃未満の温度で0.01M
    Pa(絶対圧)以下に減圧する工程(4)と、容器に充
    填したフルオロニッケル化合物を250〜600℃に加
    熱し、かつ該容器内の圧力を0.01MPa(絶対圧)
    以下に減圧する工程(3)と、フッ化水素の含有量が5
    00volppm以下に低減されたフッ素ガスを吸蔵す
    る工程とを少なくとも1回以上行った後、工程(1)に
    おいて得ることができる高純度フッ素ガス。
  8. 【請求項8】 容器に充填したフルオロニッケル化合物
    が、K3NiF5、K 3NiF6およびK3NiF7からなる
    群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合物
    である請求項6または7に記載の高純度フッ素ガス。
  9. 【請求項9】 工程(1)を経たフルオロニッケル化合
    物が、K3NiF5、K3NiF6およびK3NiF7からな
    る群から選ばれる少なくとも1種または2種以上の混合
    物である請求項6または7に記載の高純度フッ素ガス。
  10. 【請求項10】 純度が99.9vol%以上である請
    求項6〜9のいずれかに記載の高純度フッ素ガス。
  11. 【請求項11】 純度が99.99vol%以上である
    請求項6〜9のいずれかに記載の高純度フッ素ガス。
  12. 【請求項12】 酸素ガスの含有量が10volppm
    以下である請求項6〜11のいずれかに記載の高純度フ
    ッ素ガス。
  13. 【請求項13】 二酸化炭素ガスの含有量が10vol
    ppm以下である請求項6〜12のいずれかに記載の高
    純度フッ素ガス。
  14. 【請求項14】 請求項6〜13のいずれかに記載の高
    純度フッ素ガスを含有することを特徴とするエキシマレ
    ーザ用ガス。
  15. 【請求項15】 フッ素ガスの吸蔵と放出を繰り返し行
    うことができ、高純度フッ素ガスを放出する高純度フル
    オロニッケル化合物であって、フルオロニッケル化合物
    を充填した容器内を250℃未満の温度で0.01MP
    a(絶対圧)以下に減圧する工程(4)と、容器に充填
    したフルオロニッケル化合物を250〜600℃に加熱
    し、かつ該容器内の圧力を0.01MPa(絶対圧)以
    下に減圧する工程(3)と、フッ化水素の含有量が50
    0volppm以下に低減されたフッ素ガスを吸蔵する
    工程とを少なくとも1回以上行うことにより得ることが
    できる高純度フルオロニッケル化合物。
  16. 【請求項16】 フルオロニッケル化合物が、K3Ni
    5、K3NiF6およびK3NiF7からなる群から選ば
    れる少なくとも1種または2種以上の混合物である請求
    項15に記載の高純度フルオロニッケル化合物。
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