JP2004011001A - フッ素電解槽 - Google Patents
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Abstract
【課題】フッ化物の原料やレーザー発振用原料、薄膜堆積装置等のクリーニングガス等に有用なフッ素(F2)を安定にかつ高純度に供給できるフッ素電解槽を提供する。
【解決手段】フッ素電解槽に分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製の容器を具備する。
【選択図】 図2
【解決手段】フッ素電解槽に分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製の容器を具備する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ化物の原料やレーザー発振用原料、薄膜堆積装置等のクリーニングガス等に有用なフッ素(F2)を安定にかつ高純度に供給できるフッ素電解槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
工業的なフッ素の製造は、一般にKF・nHF(n=1.8〜2.2)を電解浴として80〜110℃で電解する中温法フッ素電解が使用されている。この場合、フッ素を発生する陽極材料には通常、炭素電極が使用されている。フッ素電解においては、電解の進行とともにこの炭素電極上に絶縁性の(CF)n皮膜が生じて電解電圧の急上昇とともに電解電流がほとんど流れなくなる、いわゆる陽極効果がしばしば発生する。このために、フッ素電解槽を立ち上げるときには、予備電解や、ならし電解といったいわゆる炭素電極の表面を良好な状態にするための前処理を行った後、本電解に移るのが一般的である。この予備電解には、かなりの時間がかかり、また、電解を一旦停止した場合に再び通常の操業に戻す場合にも電流値をゆっくりと上げていく必要があるため時間がかかる。
【0003】
したがって、フッ素電解槽においては、安定にかつ効率的にフッ素を製造するためには、電解槽の負荷(電流値)をいつも一定にすることが望ましい。しかしながら、フッ素を原料として使用する観点から考えれば、フッ素が必要な時に必要な量だけ使用するのが望ましいわけであり、フッ素電解槽の安定かつ効率的な運転とは相反する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の問題点に鑑み、鋭意検討の結果、フッ素電解槽の負荷を一定にしたままで、フッ素を必要なときに必要な量だけ使用できるフッ素供給システムを見いだし本発明に到達したものである。
【0005】
すなわち本発明は、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製の容器を具備することを特徴とするフッ素電解槽であり、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製の容器をフッ素電解槽のバッファタンクおよび精製装置として使用することを特徴とするフッ素電解槽を提供するものである。
【0006】
本発明において、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質とは、温度によってフッ素の吸収と放出を平衡的に行われる物質が好ましく用いられる。具体的には、K3NiF7、CoF3、AgF2等が使用できる。発生するフッ素の圧力や使用温度範囲を考慮すると、K3NiF7が特に好ましい。K3NiF7をフッ素の発生に使用している例としては、特表平5−502981号公報や特開平9−116214号公報に開示されているように、エキシマレーザーの原料フッ素を発生する手段として、K3NiF7を使用する方法が記載されている。
【0007】
K3NiF7 = K3NiF6 + 1/2F2 (1)
K3NiF7は、特開平9−116214号公報に記載されているように、Clausius−Clapeyronの関係式「lnP=−ΔH/(RT)+C」が成立しており、反応温度を制御することで、フッ素の取り出し圧力、すなわち供給量を任意に変化できるため、バッファとして好適に使用できる。
【0008】
また、K3NiF7は、フッ素の精製にも使用できることが、B.Asprey,J.of Fluo.Chem.,1976,7,359に記載されている。これは、(1)式により250℃においてフッ素の吸収、すなわちK3NiF7の生成を行い、容器内部の不純物ガス成分を系外へ排出して真空とした後、容器を350℃に加熱してフッ素の放出を行うことで、99.7vol%以上の高純度フッ素が得られるというものである。通常、フッ素電解槽から得られるフッ素ガスには、5〜10%程度のフッ化水素の他、四フッ化炭素、酸素、二フッ化酸素等の微量不純物が含まれている。これらの不純物を除去する場合、フッ化水素は、冷却捕集あるいはフッ化ナトリウムが充填された管を用い、四フッ化炭素等のガスは、液体アルゴン温度で捕集するのが一般的である。しかしながら、酸素は、フッ素と分離することが困難であり、四フッ化炭素や二フッ化酸素も液体アルゴン捕集器では完全に取りきれずフッ素中に残留する。
【0009】
本発明によれば、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製容器をフッ素電解槽に少なくとも2系列、好ましくは3系列設置することで、1系列でフッ素の放出を行い、他の1系列で電解槽から生成するフッ素を吸収し、更に他の1系列で不純物を真空脱気することによって、電解槽の負荷を変動させることなく、しかも高純度のフッ素を任意の量で供給できるようになる。また、この容器は、精製装置も兼ね備えているので、前記のフッ化ナトリウム管や液体アルゴン捕集器のような精製装置は不要となる。
【0010】
分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製容器の材質としては、高温のフッ素に曝されるため、耐蝕性の高いニッケル、ニッケル合金、アルミニウム合金やアルミナ、石英、窒化アルミニウム等が好ましく使用できる。
【0011】
本発明において、使用可能なフッ素電解槽としては、フッ素が発生できるものであればどのような形態のものでも良い。溶融塩を用いたフッ素電解槽としては、KF・HFの電解浴を用いる高温法、KF・2HFの電解浴を用いる中温法、液体HFの電解浴を用いる低温法がそれぞれあるが、工業的な中温法を用いることが好ましい。
【0012】
本発明におけるフッ素供給システムの最小構成例を図1に示した。すなわち、ヒーター2aを備えた分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製容器2を、フッ素電解槽1の後段に配置してフッ素の供給を行う。フッ素の使用量が電解槽からの発生量より多い場合には、ヒーター2aの温度を上昇させてフッ素の放出を行い、逆にフッ素の使用量が電解槽からの発生量より少ない場合には、ヒーター2aの温度を低下させてフッ素の吸収を行う。これにより、フッ素の使用量に左右されずに電解槽の負荷を一定とすることが可能となる。しかしながら、図1のような構成では、電解槽から発生するフッ素中の不純物を除去することはできない。図2では、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製容器を3系列用意した例について示した。この例では、フッ素電解槽1から生成したフッ素を金属製容器3で吸収させ、金属製容器4からフッ素を発生させ、金属製容器5では真空ポンプ(V.P.)により不純物を脱気することが可能となり、バッファタンクと精製装置を兼ね備えた構成となる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を図2に示されるような構成で実施した例により具体的に説明するが、かかる実施例に限定されるものではない。
【0014】
図2において、フッ素電解槽1には、150×150×260H(mm)のニッケル合金製電解槽を用いた。このフッ素電解槽1に、十分脱水されたKF・HFにHFを吹き込みKF:HF≒1:2となるように調製された電解浴を8.3Kg移液した。陽極に炭素電極(30×10×170(mm)、1dm2)、陰極に軟鉄製電極をそれぞれ使用して電解浴温度約90℃とした。
【0015】
分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製(ニッケル製)容器3、4、5(φ50A×600mm)の3系列には、K3NiF7を1kg(理論フッ素発生量:33.5l)仕込んだものを用いた。金属製容器3は、ヒーター3aで350℃に昇温させて、あらかじめフッ素を放出させた。放出されたフッ素は、18.7lであった。
【0016】
金属製容器3、4の温度は、ヒーター3a、4aにより250℃とし、金属製容器5は、ヒーター5aにより350℃とした。フッ素電解槽1を電流密度10A/dm2(フッ素流量70sccm相当)で操業し、生成したフッ素は、バルブ31を通して金属製容器3に吸収させた。フッ素電解槽1から得られるフッ素を金属製容器3に吸収している間は、金属製容器4は、バルブ43から真空脱気されており、金属製容器5からは、バルブ52を通して任意量のフッ素(本実施例では、18.3l)を供給することができた。金属製容器5のフッ素圧力が大気圧程度まで低下する前に、金属製容器4の真空脱気を終了し、ヒーター4aによって金属製容器4を350℃に加熱した。バルブ42を開放しバルブ52を閉じて、金属製容器4から同様の操作でフッ素の放出を行い、金属製容器5は、250℃に降温した。また、バルブ51を開放しバルブ31を閉じて、フッ素電解槽1から生成するフッ素は金属製容器5へ吸収させた。金属製容器3は、バルブ33から真空脱気を行い、金属製容器3内の不純物ガスを除去した。
【0017】
以上のように、金属製容器3、4、5をフッ素の放出、フッ素の吸収、不純物ガスの脱気精製に使用し、順次切り替えていくことにより、フッ素電解槽1の負荷を変動させることなく、任意の量の高純度フッ素を供給することができた。各金属容器で吸収あるいは放出できるフッ素の量は、約20lであった。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、フッ素電解槽を安定かつ効率的に運転するとともに、高純度のフッ素を必要な時に必要な量だけ使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フッ素供給システムの最小構成例を示す。
【図2】フッ素供給システムを3系列で構成した例を示した。
【符号の説明】
1・・・フッ素電解槽
2、3、4、5・・・金属製容器
2a、3a、4a、5a・・・ヒーター
31、32、33・・・バルブ
41、42、43・・・バルブ
51、52、53・・・バルブ
V.P.・・・真空ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ化物の原料やレーザー発振用原料、薄膜堆積装置等のクリーニングガス等に有用なフッ素(F2)を安定にかつ高純度に供給できるフッ素電解槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
工業的なフッ素の製造は、一般にKF・nHF(n=1.8〜2.2)を電解浴として80〜110℃で電解する中温法フッ素電解が使用されている。この場合、フッ素を発生する陽極材料には通常、炭素電極が使用されている。フッ素電解においては、電解の進行とともにこの炭素電極上に絶縁性の(CF)n皮膜が生じて電解電圧の急上昇とともに電解電流がほとんど流れなくなる、いわゆる陽極効果がしばしば発生する。このために、フッ素電解槽を立ち上げるときには、予備電解や、ならし電解といったいわゆる炭素電極の表面を良好な状態にするための前処理を行った後、本電解に移るのが一般的である。この予備電解には、かなりの時間がかかり、また、電解を一旦停止した場合に再び通常の操業に戻す場合にも電流値をゆっくりと上げていく必要があるため時間がかかる。
【0003】
したがって、フッ素電解槽においては、安定にかつ効率的にフッ素を製造するためには、電解槽の負荷(電流値)をいつも一定にすることが望ましい。しかしながら、フッ素を原料として使用する観点から考えれば、フッ素が必要な時に必要な量だけ使用するのが望ましいわけであり、フッ素電解槽の安定かつ効率的な運転とは相反する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の問題点に鑑み、鋭意検討の結果、フッ素電解槽の負荷を一定にしたままで、フッ素を必要なときに必要な量だけ使用できるフッ素供給システムを見いだし本発明に到達したものである。
【0005】
すなわち本発明は、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製の容器を具備することを特徴とするフッ素電解槽であり、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製の容器をフッ素電解槽のバッファタンクおよび精製装置として使用することを特徴とするフッ素電解槽を提供するものである。
【0006】
本発明において、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質とは、温度によってフッ素の吸収と放出を平衡的に行われる物質が好ましく用いられる。具体的には、K3NiF7、CoF3、AgF2等が使用できる。発生するフッ素の圧力や使用温度範囲を考慮すると、K3NiF7が特に好ましい。K3NiF7をフッ素の発生に使用している例としては、特表平5−502981号公報や特開平9−116214号公報に開示されているように、エキシマレーザーの原料フッ素を発生する手段として、K3NiF7を使用する方法が記載されている。
【0007】
K3NiF7 = K3NiF6 + 1/2F2 (1)
K3NiF7は、特開平9−116214号公報に記載されているように、Clausius−Clapeyronの関係式「lnP=−ΔH/(RT)+C」が成立しており、反応温度を制御することで、フッ素の取り出し圧力、すなわち供給量を任意に変化できるため、バッファとして好適に使用できる。
【0008】
また、K3NiF7は、フッ素の精製にも使用できることが、B.Asprey,J.of Fluo.Chem.,1976,7,359に記載されている。これは、(1)式により250℃においてフッ素の吸収、すなわちK3NiF7の生成を行い、容器内部の不純物ガス成分を系外へ排出して真空とした後、容器を350℃に加熱してフッ素の放出を行うことで、99.7vol%以上の高純度フッ素が得られるというものである。通常、フッ素電解槽から得られるフッ素ガスには、5〜10%程度のフッ化水素の他、四フッ化炭素、酸素、二フッ化酸素等の微量不純物が含まれている。これらの不純物を除去する場合、フッ化水素は、冷却捕集あるいはフッ化ナトリウムが充填された管を用い、四フッ化炭素等のガスは、液体アルゴン温度で捕集するのが一般的である。しかしながら、酸素は、フッ素と分離することが困難であり、四フッ化炭素や二フッ化酸素も液体アルゴン捕集器では完全に取りきれずフッ素中に残留する。
【0009】
本発明によれば、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製容器をフッ素電解槽に少なくとも2系列、好ましくは3系列設置することで、1系列でフッ素の放出を行い、他の1系列で電解槽から生成するフッ素を吸収し、更に他の1系列で不純物を真空脱気することによって、電解槽の負荷を変動させることなく、しかも高純度のフッ素を任意の量で供給できるようになる。また、この容器は、精製装置も兼ね備えているので、前記のフッ化ナトリウム管や液体アルゴン捕集器のような精製装置は不要となる。
【0010】
分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製容器の材質としては、高温のフッ素に曝されるため、耐蝕性の高いニッケル、ニッケル合金、アルミニウム合金やアルミナ、石英、窒化アルミニウム等が好ましく使用できる。
【0011】
本発明において、使用可能なフッ素電解槽としては、フッ素が発生できるものであればどのような形態のものでも良い。溶融塩を用いたフッ素電解槽としては、KF・HFの電解浴を用いる高温法、KF・2HFの電解浴を用いる中温法、液体HFの電解浴を用いる低温法がそれぞれあるが、工業的な中温法を用いることが好ましい。
【0012】
本発明におけるフッ素供給システムの最小構成例を図1に示した。すなわち、ヒーター2aを備えた分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製容器2を、フッ素電解槽1の後段に配置してフッ素の供給を行う。フッ素の使用量が電解槽からの発生量より多い場合には、ヒーター2aの温度を上昇させてフッ素の放出を行い、逆にフッ素の使用量が電解槽からの発生量より少ない場合には、ヒーター2aの温度を低下させてフッ素の吸収を行う。これにより、フッ素の使用量に左右されずに電解槽の負荷を一定とすることが可能となる。しかしながら、図1のような構成では、電解槽から発生するフッ素中の不純物を除去することはできない。図2では、分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製容器を3系列用意した例について示した。この例では、フッ素電解槽1から生成したフッ素を金属製容器3で吸収させ、金属製容器4からフッ素を発生させ、金属製容器5では真空ポンプ(V.P.)により不純物を脱気することが可能となり、バッファタンクと精製装置を兼ね備えた構成となる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を図2に示されるような構成で実施した例により具体的に説明するが、かかる実施例に限定されるものではない。
【0014】
図2において、フッ素電解槽1には、150×150×260H(mm)のニッケル合金製電解槽を用いた。このフッ素電解槽1に、十分脱水されたKF・HFにHFを吹き込みKF:HF≒1:2となるように調製された電解浴を8.3Kg移液した。陽極に炭素電極(30×10×170(mm)、1dm2)、陰極に軟鉄製電極をそれぞれ使用して電解浴温度約90℃とした。
【0015】
分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製(ニッケル製)容器3、4、5(φ50A×600mm)の3系列には、K3NiF7を1kg(理論フッ素発生量:33.5l)仕込んだものを用いた。金属製容器3は、ヒーター3aで350℃に昇温させて、あらかじめフッ素を放出させた。放出されたフッ素は、18.7lであった。
【0016】
金属製容器3、4の温度は、ヒーター3a、4aにより250℃とし、金属製容器5は、ヒーター5aにより350℃とした。フッ素電解槽1を電流密度10A/dm2(フッ素流量70sccm相当)で操業し、生成したフッ素は、バルブ31を通して金属製容器3に吸収させた。フッ素電解槽1から得られるフッ素を金属製容器3に吸収している間は、金属製容器4は、バルブ43から真空脱気されており、金属製容器5からは、バルブ52を通して任意量のフッ素(本実施例では、18.3l)を供給することができた。金属製容器5のフッ素圧力が大気圧程度まで低下する前に、金属製容器4の真空脱気を終了し、ヒーター4aによって金属製容器4を350℃に加熱した。バルブ42を開放しバルブ52を閉じて、金属製容器4から同様の操作でフッ素の放出を行い、金属製容器5は、250℃に降温した。また、バルブ51を開放しバルブ31を閉じて、フッ素電解槽1から生成するフッ素は金属製容器5へ吸収させた。金属製容器3は、バルブ33から真空脱気を行い、金属製容器3内の不純物ガスを除去した。
【0017】
以上のように、金属製容器3、4、5をフッ素の放出、フッ素の吸収、不純物ガスの脱気精製に使用し、順次切り替えていくことにより、フッ素電解槽1の負荷を変動させることなく、任意の量の高純度フッ素を供給することができた。各金属容器で吸収あるいは放出できるフッ素の量は、約20lであった。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、フッ素電解槽を安定かつ効率的に運転するとともに、高純度のフッ素を必要な時に必要な量だけ使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フッ素供給システムの最小構成例を示す。
【図2】フッ素供給システムを3系列で構成した例を示した。
【符号の説明】
1・・・フッ素電解槽
2、3、4、5・・・金属製容器
2a、3a、4a、5a・・・ヒーター
31、32、33・・・バルブ
41、42、43・・・バルブ
51、52、53・・・バルブ
V.P.・・・真空ポンプ
Claims (1)
- 分子状フッ素の吸収、放出を繰り返し行うことができる物質を充填した金属製の容器を具備することを特徴とするフッ素電解槽。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002168906A JP2004011001A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | フッ素電解槽 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002168906A JP2004011001A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | フッ素電解槽 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004011001A true JP2004011001A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30435687
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002168906A Pending JP2004011001A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | フッ素電解槽 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004011001A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005533925A (ja) * | 2002-07-19 | 2005-11-10 | ザ・ビーオーシー・グループ・パブリック・リミテッド・カンパニー | フッ素生成装置および方法 |
JP2012193415A (ja) * | 2011-03-17 | 2012-10-11 | Central Glass Co Ltd | フッ素化合物の電解合成用電極 |
US9109288B2 (en) | 2009-09-04 | 2015-08-18 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Gas supply system |
-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002168906A patent/JP2004011001A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005533925A (ja) * | 2002-07-19 | 2005-11-10 | ザ・ビーオーシー・グループ・パブリック・リミテッド・カンパニー | フッ素生成装置および方法 |
US9109288B2 (en) | 2009-09-04 | 2015-08-18 | Toyo Tanso Co., Ltd. | Gas supply system |
JP2012193415A (ja) * | 2011-03-17 | 2012-10-11 | Central Glass Co Ltd | フッ素化合物の電解合成用電極 |
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