JP2013202990A - 液体吐出装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】要求される記録品質を確保しながら、液体吐出ヘッドと記録媒体との接触の可能性を極力下げる。
【解決手段】液滴を吐出するノズルを備えた液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体との間の距離を変更する昇降手段と、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させながら、前記ノズルから液滴を吐出して前記記録媒体上に記録を行う記録手段と、前記記録媒体上の記録結果に基づいて評価された前記液体吐出ヘッドの吐出性能を取得する評価取得手段と、前記取得した吐出性能に基づいて、前記距離をできるだけ大きい値に設定する設定手段であって、前記液体吐出ヘッドに要求される吐出性能を満たす値に設定する設定手段とを備えた液体吐出装置によって上記課題を解決する。
【選択図】図3

Description

本発明は液体吐出装置及びその制御方法に係り、特に液体吐出ヘッドと記録媒体との距離を適切な距離に設定する技術に関する。
従来より、画像形成装置として、多数のノズルを配列させたインクジェットヘッドを有し、このインクジェットヘッドに対して記録媒体を相対的に搬送し、ノズルから記録媒体に向けてインクをインク液滴として吐出することにより、記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。
この種のインクジェット記録装置では、記録媒体と記録ヘッドとの距離を短くすると画質が向上する。しかしながら、記録媒体がノズル面と擦れてノズル面を傷めたり、あるいは記録媒体がノズルに衝突し、記録媒体に汚れが付着したり、さらには紙粉がノズルに詰まったりして不吐出等の不具合が発生することがある。
逆に、記録媒体と記録ヘッドとの距離を長くすると、記録ヘッドが記録媒体と接触する確率は低下する。しかしながら、画質が劣化するという問題がある。
このような課題に対し、特許文献1には、印字ヘッドと印字用紙の距離を切り換え可能に構成されたインクジェットプリンタにおいて、画質を求める場合にはヘッド用紙間距離を狭い設定とし、画質を求めない場合にはヘッド用紙間距離を大きい設定とする技術が記載されている。
特開2006−240231号公報
記録ヘッドの性能は、初期性能のばらつきや経時劣化等により、常に一定というわけではない。また、求める画像品質は、記録する画像やユーザによって変化する。
引用文献1に記載の技術では、ヘッド用紙間距離を単に切り替えるだけであり、ヘッド用紙間距離を狭い設定としたときに、そのヘッド用紙間距離で求める画質を満足できるとは限らない。また、画質を求めない場合に、ヘッド用紙間距離をさらに大きい設定とすることができる可能性もある。このように、引用文献1の技術では、ヘッド用紙間距離を最適に設定することができないという欠点があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、求める記録品質を確保しながら、液体吐出ヘッドと記録媒体との接触の可能性を極力下げる液体吐出装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために液体吐出装置の一の態様は、液滴を吐出するノズルを備えた液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、液体吐出ヘッドと記録媒体との間の距離を変更する昇降手段と、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから液滴を吐出して記録媒体上に記録を行う記録手段と、記録媒体上の記録結果に基づいて評価された液体吐出ヘッドの吐出性能を取得する評価取得手段と、取得した吐出性能に基づいて、距離をできるだけ大きい値に設定する設定手段であって、液体吐出ヘッドに要求される吐出性能を満たす値に設定する設定手段とを備えた。
本態様によれば、記録媒体上の記録結果に基づいて評価された液体吐出ヘッドの吐出性能を取得し、取得した吐出性能と液体吐出ヘッドに要求される吐出性能とに基づいて、距離をできるだけ大きい値に設定するようにしたので、求める記録品質を確保しながら、液体吐出ヘッドと記録媒体との接触の可能性を極力下げることができる。
昇降手段は、距離を離散的に変更可能であり、設定手段は、取得した吐出性能が液体吐出ヘッドに要求される吐出性能以上の場合に距離を現在の値より大きい値に設定することが好ましい。これにより、適切にヘッドと記録媒体との距離をできるだけ大きい値に設定することができる。
昇降手段は、距離を離散的に変更可能であり、設定手段は、取得した吐出性能が液体吐出ヘッドに要求される吐出性能未満の場合に距離を現在の値より小さい値に設定してもよい。これにより、適切にヘッドと記録媒体との距離をできるだけ大きい値に設定することができる。
評価手段は、予め複数の距離における吐出性能を取得し、設定手段は、取得した複数の距離における吐出性能に基づいて、液体吐出ヘッドに要求される吐出性能を満足する最も大きい値に設定してもよい。これにより、適切にヘッドと記録媒体との距離をできるだけ大きい値に設定することができる。
この場合、評価手段は、取得した複数の距離における吐出性能を補間して複数の距離の間の吐出性能を取得することが好ましい。これにより、適切にヘッドに要求される吐出性能を満足する最も大きい値に設定することができる。
液体吐出ヘッドは、記録媒体に描画用インクを吐出して記録媒体上に画像を形成し、評価取得手段は、記録媒体上に着弾された液滴の位置ずれを取得することが好ましい。これにより、ヘッドと記録媒体との距離をできるだけ大きい値に設定し、画質を満足させることができる。
液体吐出ヘッドは、記録媒体に描画用インクを吐出して記録媒体上に画像を形成し、評価取得手段は、記録媒体上に形成された画像の光学濃度を取得してもよい。これにより、ヘッドと記録媒体との距離をできるだけ大きい値に設定し、画質を満足させることができる。
液体吐出ヘッドは、記録媒体である基板に導電性インクを吐出して基板上に電気配線を形成し、評価取得手段は、形成された電気配線の電気抵抗を取得することが好ましい。これにより、ヘッドと記録媒体との距離をできるだけ大きい値に設定し、電気抵抗を満足させることができる。
液体吐出ヘッドは、記録媒体である隔壁の形成された基板にインクを吐出して隔壁内にカラーフィルタの各画素を形成し、評価取得手段は、形成されたカラーフィルタの各画素の評価を取得することが好ましい。これにより、ヘッドと記録媒体との距離をできるだけ大きい値に設定し、カラーフィルタの機能を満足させることができる。
評価取得手段は、記録媒体上の記録結果に基づいてユーザが評価した評価結果を入力する入力手段を備えることが好ましい。これにより、適切に評価結果を反映することができる。
評価取得手段は、記録媒体上の記録結果に基づいて液体吐出ヘッドの吐出性能を評価する評価手段を備えてもよい。これにより、自動的にヘッドの吐出性能を評価することができる。また、ユーザに寄らずに、適切にヘッドの吐出性能を評価することができる。
液体吐出ヘッドのノズルは、記録媒体の記録可能幅全幅に対応する長さに渡って配列され、移動手段は、液体吐出ヘッドと記録媒体とを1回だけ相対移動させることが好ましい。本態様は、フルライン型の液体吐出ヘッドにおいて特に有効である。
液体吐出ヘッドは、複数のヘッドモジュールから構成され、評価取得手段は、複数のヘッドモジュールのうち最も吐出性能が低いヘッドモジュールの吐出性能を取得し、設定手段は、最も吐出性能が低いヘッドモジュールと記録媒体との間の距離をできるだけ大きい値であって、液体吐出ヘッドに要求される吐出性能を満たす値に設定することが好ましい。
このように、ラインヘッドが複数のヘッドモジュールから構成される場合には、最も吐出性能が低いヘッドモジュールを基準に距離を設定すればよい。これにより、吐出性能を取得する時間を短縮することができ、最も吐出性能が低いヘッドモジュール以外のヘッドモジュールについても、吐出性能を満たすことができる。
それぞれ異なる液体の液滴を吐出する複数の液体吐出ヘッドを備え、移動手段は、複数の液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させ、昇降手段は、複数の液体吐出ヘッドの各々の液体吐出ヘッドと記録媒体との間の距離をそれぞれ変更し、評価取得手段は、記録媒体上の記録結果に基づいて評価された各々の液体吐出ヘッドの吐出性能を取得し、設定手段は、取得した各々の液体吐出ヘッドの吐出性能に基づいて、各々の液体吐出ヘッドと記録媒体との距離をそれぞれ設定することが好ましい。これにより、複数のヘッドを備えた場合でも、ヘッド毎に記録媒体との間の距離を変更できるので、ヘッド毎に求める品質を確保しながら記録媒体との接触の可能性を極力下げることができる。
上記目的を達成するために液体吐出装置の制御方法の一の態様は、液滴を吐出するノズルを備えた液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、液体吐出ヘッドと記録媒体との間の距離を変更する昇降手段と、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから液滴を吐出して記録媒体上に記録を行う記録手段と、を備えた液体吐出装置の制御方法において、記録媒体上の記録結果に基づいて評価された液体吐出ヘッドの吐出性能を取得する評価取得工程と、取得した吐出性能に基づいて、距離をできるだけ大きい値に設定する設定工程であって、液体吐出ヘッドに要求される吐出性能を満たす値に設定する設定工程とを備えた。
本態様によれば、記録媒体上の記録結果に基づいて評価された液体吐出ヘッドの吐出性能を取得し、取得した吐出性能と液体吐出ヘッドに要求される吐出性能とに基づいて、距離をできるだけ大きい値に設定するようにしたので、求める記録品質を確保しながら、液体吐出ヘッドと記録媒体との接触の可能性を極力下げることができる。
本発明によれば、求める記録品質を確保しながら、液体吐出ヘッドと記録媒体との接触の可能性を極力下げることができる。
インクジェット記録装置を示す側面模式図 インクジェット記録装置の電気的構成を示すブロック図 第1の実施形態におけるヘッド用紙間の距離の調整処理を示すフローチャート 第2の実施形態におけるヘッド用紙間の距離の調整処理を示すフローチャート 第3の実施形態におけるヘッド用紙間の距離の調整処理を示すフローチャート ヘッド用紙間の距離を決定するための補間処理を説明するための図 ヘッド用紙間の距離を決定するための補間処理を説明するための図 第4の実施形態におけるインクジェット記録装置を示す側面模式図 第4の実施形態におけるヘッド用紙間の距離の調整処理を示すフローチャート 第5の実施形態におけるインクジェット記録装置を示す側面模式図 ヘッド基板間の距離の調整処理を示すフローチャート 第6の実施形態におけるインクジェット記録装置を示す側面模式図 ヘッド基板間の距離の調整処理を示すフローチャート 他の実施形態のインクジェット記録装置の描画部を示す概略構成図 ヘッドの構造例を示す平面透視図 インク室ユニットの立体的構成を示す断面図 ラインヘッドの取付部の構造を示す正面図 図17の5−5矢視図 図17の6−6矢視図 図17の7−7矢視図 図17の8−8矢視図 ラインヘッドの昇降制御系を示す要部ブロック図 偏芯カムの回転角とラインヘッドの昇降量の関係を示す図 ラインヘッドの取付け時のギャップの自動調整を示すフローチャート 各ヘッドモジュールの高さばらつきを説明するための図 記録ヘッド治具を用いた台座の初期位置設定を説明するための模式図 ラインヘッド搭載時のギャップの自動調整を説明するための図 ラインヘッドの交換時の自動ギャップ調整を示すフローチャート ラインヘッド交換時のギャップの自動調整を説明するための図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
<インクジェット記録装置の概要>
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す側面模式図である。インクジェット記録装置100は、用紙P(記録媒体に相当)の記録面に画像を形成するプリンタであり、描画ドラム110及びラインヘッド120を備えている。
また、図2は、インクジェット記録装置100の電気的構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置100は、描画ドラム110、ラインヘッド120の他、評価取得手段130、設定手段132、昇降手段134、記録手段136等を備えている。
描画ドラム110(移動手段に相当)の搬送面には、多数の吸引穴(不図示)が所定のパターンで形成されている。描画ドラム110の周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸引穴から吸引されることにより、描画ドラム110の周面に吸着保持されながら搬送される。
ラインヘッド120(液体吐出ヘッドに相当)の描画ドラム110と対向する面には、用紙Pの全幅に渡って複数のノズルが形成されている。ラインヘッド120は、記録手段136(図1では不図示)の制御により各ノズルからインクを吐出し、描画ドラム110によって搬送される用紙Pの記録面に画像を形成する。このように、描画ドラム110による1回の搬送により、用紙Pの記録面の全面に画像が形成される。
また、ラインヘッド120は、昇降手段134(図1では不図示)を備えており、描画ドラム110との距離を変更可能に構成されている。
設定手段132は、昇降手段134を制御し、ラインヘッド120の昇降位置を設定する。設定手段132は、予め入力された用紙Pの厚みを考慮し、ラインヘッド120と描画ドラム110の搬送面に載置された用紙Pの表面との距離を、任意の値に設定することができる。ここでは、ラインヘッド120の中心部分(用紙Pの搬送方向における中心部分)と描画ドラム110の搬送面に載置された用紙Pの表面との距離を、ヘッド用紙間の距離(T)と定義する。
なお、ヘッド用紙間の距離を変更する機構は、ラインヘッド120を昇降させる態様に限定されるものではない。描画ドラム110を昇降させてもよいし、描画ドラム110とラインヘッド120の両方を移動させる態様も可能である。
評価取得手段130は、ラインヘッド120の吐出性能の評価結果を取得する手段であり、詳細については後述する。設定手段132は、評価取得手段が取得した評価結果に基づいて、昇降手段134の昇降位置を設定する。
制御手段138は、インクジェット記録装置100の評価取得手段130、設定手段132、記録手段136を統括制御する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態のヘッド用紙間の距離の調整方法について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。フローチャート中の各ステップの処理は、制御手段138の制御により実行されるものとする。
このヘッド用紙間の距離の調整は、例えば印字ジョブ前に行う。印字ジョブとは、指定された画像の全てを印字することをいう。なお、装置電源投入時や、用紙Pの種類を変更したときに行ってもよい。
本実施形態では、ヘッド用紙間の距離をD〜Dの5段階に設定できるものとする。各段階Dにおけるヘッド用紙間の距離は、一例としてD=0.50mm、D=0.75mm、D=1.00mm、D=1.25mm、D=1.5mmとする。即ち、D<Dn+1の関係を満たす。インクジェット記録装置100は、ヘッド用紙間の距離が短い方が画質が良い。
(ステップS1)
設定手段132に設定される変数nを1に初期化する。
(ステップS2:設定工程)
設定手段132は、昇降手段134を制御し、ヘッド用紙間の距離をDに設定する。例えば、ステップS1から移行してきた場合であれば、ヘッド用紙間の距離がD=0.50mmになるように、昇降手段134の昇降位置を設定する。なお、用紙Pの厚みは予めインクジェット記録装置100に入力されているものとする。
また、ヘッド用紙間の距離を変更した場合には、記録手段136は、その変更量に応じてラインヘッド120のインクの吐出タイミングを変更する必要がある。即ち、ヘッド用紙間の距離はラインヘッド120から吐出されるインク滴の飛翔距離に相当するため、用紙P上の所望の位置に打滴するためには、インク滴の速度と飛翔距離に応じたタイミングでインクを吐出する必要がある。
(ステップS3:記録工程)
次に、記録手段136は、ステップS2で設定したヘッド用紙間の距離Dにおいて、用紙Pにチャートを印刷する。ここで印刷するチャートは、ヘッド用紙間の距離を調整後に印刷しようとするチャートであることが好ましい。また、予めインクジェット記録装置100に記憶されている画像品質確認用のテストチャートを印刷してもよい。
(ステップS4:評価取得工程)
次に、ステップS3において印刷したチャートの画像品質(吐出性能に相当)を確認する。ここでは、ユーザの目視によりインク滴の着弾位置ずれや濃度むら(光学濃度)の有無等の確認を行う。ユーザは、確認した画像品質を評価取得手段130に設けられた入力手段に入力する。
(ステップS5:判定工程)
設定手段132は、評価取得手段130に入力された画像品質に基づいて、印刷したチャートの品質が要求される画像品質(スペック)を満たしているか否かを判定する。
要求される画像品質を満たす場合には、ステップS6に移行し、満たさない場合には、ステップS7に移行する。
(ステップS6)
設定手段132は、nをインクリメントし、ステップS2に移行する。そして、ステップS2においてヘッド用紙間の距離をDに設定し、同様にステップS3〜S5の処理を行う。
印刷したチャートの品質が要求される画像品質を満たすと判断された場合には、ヘッド用紙間の距離をさらに大きくできる余地があることを意味する。したがって、ヘッド用紙間の距離をさらに大きくして、チャートを印刷し、要求される画像品質を満たすか否かを判定する。
例えば、D=0.50mmにおいて要求される画像品質を満たすと判断された場合は、ヘッド用紙間距離をD=0.75mmに変更してチャートを印刷する。そして、このチャートが要求される画像品質を満たすか否かを判定する。
同様に、D=0.75mmにおいて要求される画像品質を満たすと判断された場合は、ヘッド用紙間距離をD=1.00mmに変更してチャートを印刷する。
(ステップS7)
ステップS6において、印字したテストチャートの品質がスペックを満たさないと判断し場合には、設定手段132は、n=1であるか否かを判定する。
n=1である場合には、ヘッド用紙間の距離をD=0.50mmに確定してヘッド用紙間の距離の調整処理を終了する。即ち、これ以上ヘッド用紙間の距離を小さくすることができないので、ヘッド用紙間の距離Dとする。
n=1でない場合は、ステップS8に移行する。
(ステップS8)
n=1でない場合は、設定手段132は、ヘッド用紙間の距離をDn−1に設定して処理を修了する。即ち、ヘッド用紙間の距離Dでは、印刷したテストチャートの品質が要求される画像品質を満たしていないため、ヘッド用紙間の距離を1段階戻し、要求される画像品質を満たす距離に設定する。
このように、設定工程においてヘッド用紙間の距離を設定し、記録工程においてチャートを印刷し、評価取得工程において印刷したチャートの画像品質を取得し、判定工程に置いて取得した画像品質が要求される画像品質を満たすか否かを判定し、満たす場合には設定工程に戻ってヘッド用紙間の距離を大きく設定する。
以上説明したように、ヘッド用紙間の距離を、印刷した画像品質を確認しながら徐々に広くしていき、要求される画像品質を満たす最も広いヘッド用紙間の距離を求めることで、画像品質を満足させながら、ヘッドと用紙との衝突の可能性を極力下げることができる。
ラインヘッド120は、複数のヘッドモジュールにより構成される場合があり(図15参照)、取付誤差等によって、ヘッドモジュール毎に用紙Pとの距離が異なる場合がある。この場合は、複数のヘッドモジュールのうち最も画像品質が低いヘッドモジュールを基準にしてヘッド用紙間の距離を調整すればよい。即ち、最も画像品質が低いヘッドモジュールと用紙Pとの間の距離をヘッド用紙間の距離として扱い、最も画像品質が低いヘッドモジュールの画像品質を確認しながら、ヘッド用紙間の距離を調整すればよい。
このようにヘッド用紙間の距離を設定することで、画像品質の確認時間を短縮することができ、最も画像品質が低いヘッドモジュール以外のヘッドモジュールについても、画像品質を満たすことができる。
また、本実施形態では、1つのラインヘッド120のヘッド用紙間の距離の調整について説明したが、インクジェット記録装置によっては、インクの色毎にラインヘッドが設けられている場合もある。
この場合は、ラインヘッド毎にヘッド用紙間の距離を変更可能な昇降手段を備え、ラインヘッド毎に画像品質を取得し、ラインヘッド毎にヘッド用紙間の距離を調整すればよい。
<第2の実施形態>
第2の実施形態のヘッド用紙間の距離の調整方法について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。第1の実施形態と同様に、このヘッド用紙間の距離の調整は、印字ジョブ前に行う。また、ヘッド用紙間の距離を、D=0.50mm、D=0.75mm、D=1.00mm、D=1.25mm、D=1.5mmの5段階に設定できるものとする。
(ステップS11)
変数nを5に初期化する。
(ステップS12〜S15)
ヘッド用紙間の距離をDに設定する。例えば、n=3の場合であれば、ヘッド用紙間の距離がD=1.00mmとなるように制御する。
次に、ヘッド用紙間の距離Dにおいてチャートを印刷し、印刷したチャートの品質を確認する。第1の実施形態と同様に、ユーザの目視により着弾ずれや濃度むらの有無等の確認を行う。
そして、印刷したチャートの品質が要求される画像品質を満たすか否かを判定する。要求される画像品質を満たさない場合にはステップS16に移行し、満たす場合にはステップS18に移行する。
(ステップS16)
n=1であるか、即ち現在のヘッド用紙間の距離がDに設定されているか否かを判定する。Dである場合にはステップS18に移行し、Dではない場合にはステップS17に移行する。
(ステップS17)
nをインクリメントし、ステップS12に移行する。そして、ステップS12においてヘッド用紙間の距離をDに設定し、同様にステップS13〜S15の処理を行う。
印刷したチャートの品質が要求される画像品質を満たさないと判断された場合には、ヘッド用紙間の距離をさらに小さくする必要があることを意味する。したがって、ヘッド用紙間の距離をさらに小さくして、チャートを印刷し、要求される画像品質を満たすか否かを判定する。
例えば、D=1.00mmにおいて要求される画像品質を満たさないと判断された場合は、ヘッド用紙間距離をD=0.75mmに変更してチャートを印刷する。そして、このチャートが要求される画像品質を満たすか否かを判定する。
しかしながら、n=1である場合には、これ以上ヘッド用紙間の距離を小さくすることができないので、ステップS16においてn=1であるか否かを判定し、n=1である場合にはヘッド用紙間の距離をD=0.50mmに確定する。
(ステップS18)
ステップS15において、印刷したチャートの品質が要求される画像品質を満たすと判断された場合、又はステップS16において、n=1であると判断された場合には、ヘッド用紙間の距離をDに確定し、処理を終了する。
このように、設定工程においてヘッド用紙間の距離を設定し、記録工程においてチャートを印刷し、評価取得工程において印刷したチャートの画像品質を取得し、判定工程に置いて取得した画像品質が要求される画像品質を満たすか否かを判定し、満たさない場合には設定工程に戻ってヘッド用紙間の距離を小さく設定する。
以上説明したように、ヘッド用紙間の距離を、印刷した画像品質を確認しながら徐々に狭くしていき、要求される画像品質を満たす最も広いヘッド用紙間の距離を求めることで、画像品質を満足させながら、ヘッドと用紙との衝突の可能性を極力下げることができる。
<第3の実施形態>
第3の実施形態のヘッド用紙間の距離の調整方法について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。これまでと同様に、このヘッド用紙間の距離の設定は、印字ジョブ前に行う。また、本実施形態では、ヘッド用紙間の距離を、D=0.50mm、D=1.5mmのN=2段階に設定できるものとする。
(ステップS21)
変数nを1に初期化する。
(ステップS22)
ヘッド用紙間の距離をDに設定する。例えば、ステップS1から移行してきた場合であれば、ヘッド用紙間の距離がD=0.50mmになるように制御する。なお、用紙Pの厚みは予め設定手段132に入力されているものとする。
(ステップS23)
次に、ステップS2で設定したヘッド用紙間の距離Dにおいて、用紙Pにテストチャートを印刷する。テストチャートの画像は、予めインクジェット記録装置100に記憶されているものとする。
(ステップS24)
次に、印刷したテストチャートの品質を定量評価する。画像品質を定量的に評価するための指標として、例えばラインヘッド120の各ノズルから吐出したインク滴の着弾位置のずれ量(着弾位置誤差)の標準偏差がある。なお、本明細書では、着弾位置のずれ量の標準偏差を着弾ずれσ[μm]と呼ぶ。
ここでは、ステップS23において、着弾ずれσ測定用のテストチャートを印刷する。また、印刷されたテストチャートを高解像度のスキャナ等で読み込み、ノズル毎のインク滴の着弾位置を測定し、着弾ずれσを算出する。この算出した着弾ずれσを、評価取得手段130に入力する。
(ステップS25)
n<Nであるか否かを判定する。即ち、ヘッド用紙間の距離Dをさらに広げることが可能であるか否かを判定する。n<Nである場合は、ステップS26に移行し、n<Nでない場合は、ステップS27に移行する。
(ステップS26)
nをインクリメントし、ステップS22に移行する。即ち、ヘッド用紙間の距離Dをさらに広げることが可能である場合には、ヘッド用紙間の距離を1段階広くして、ステップS23、S24の処理を同様に行う。
(ステップS27)
ヘッド用紙間の距離D〜Dのテストチャートの画像品質の定量評価が終了したら、評価取得手段130は、各ヘッド用紙間の距離における評価定量値を補間する。
(ステップS28)
さらに、評価取得手段130は、要求される画像品質(基準値)を示す直線との交点から、ヘッド用紙間の距離を決定する。
図6は、本実施形態におけるヘッド用紙間距離の調整処理を説明するためのグラフである。同図に示すように、ステップS22〜S24において算出された、ヘッド用紙間の距離Dのときの着弾位置ずれσの値と、ヘッド用紙間の距離Dのときの着弾位置ずれσの値とを、グラフ上にプロットする。このように、ヘッド用紙間の距離と着弾位置ずれσとは、相関関係がある。
また、このプロットされた2点を結ぶ直線で、DとDの間の着弾位置ずれσの値を補間する。なお、2点間の補間方法は直線補間に限定されるものではなく、2点間のデータの変化が既知である場合は、その式を用いて補間してもよい。なお、補間精度の観点から、3点以上の着弾位置ずれσを算出し、その間のデータを補間することが好ましい。
さらに、要求される画像品質である着弾位置ずれσの基準値について、グラフ上にX軸に平行な直線を引く。本実施形態では、着弾位置ずれσの基準値を4[μm]とする。
この2本の直線の交点のX座標が、このラインヘッドにおけるヘッド用紙間の距離となる。ここでは、図6に示すように、ヘッド用紙間の距離は1.1mmと決定される(ステップS29)。
設定手段132は、ヘッド用紙間の距離がステップS28で求めた距離となるように、昇降手段134を制御する。上記の例であれば、ヘッド用紙間の距離を1.1mmとする。
このように、ヘッド用紙間の距離を変えながら印刷したテストチャートを定量評価し、評価定量値と要求される品質の基準値とに基づいてヘッド用紙間の距離を決定することで、要求される画像品質を確保しながら、ヘッドと用紙との衝突の可能性を極力下げることができる。
本実施形態では、複数のヘッド用紙間の距離において着弾位置ずれσを取得し、その間のデータを補間することで着弾位置ずれσの基準値となるヘッド用紙間の距離を求めたが、定量評価を行うヘッド用紙間の距離を細分化することで、着弾位置ずれσの基準値となるヘッド用紙間の距離を求めてもよい。
<第3の実施形態の変形例>
第3の実施形態では、画像品質の定量評価として、印刷したテストチャートの着弾位置ずれσを用いたが、その他の指標を用いて定量評価することも可能である。ここでは、その他の指標として、印刷したテストチャートの光学濃度を用いた例を説明する。
図7は、ヘッド用紙間の距離Dにおいて印刷されたテストチャートの光学濃度の値と、ヘッド用紙間の距離Dにおいて印刷されたテストチャートの光学濃度の値とを、プロットしたグラフである。
各テストチャートは、所定の濃度を有する濃度パッチを有し、この濃度パッチをスキャナ等で読み込み、各テストチャートの光学濃度を算出する。なお、各ノズルから吐出されるインク滴のずれ量が大きいと、光学濃度が下がる傾向がある。したがって、光学濃度が高い方が、画像品質が高い。
ここでは、プロットされた2点を結ぶ直線で、DとDの間の光学濃度の値を補間している。さらに、要求される画像品質である光学濃度の基準値について、グラフ上にX軸に平行な直線を引く。本実施形態では、光学濃度の基準値を1.5とする。
この2本の直線の交点のX座標が、このラインヘッドにおけるヘッド用紙間の距離となる。ここでは、図7に示すように、ヘッド用紙間の距離は1.1mmと決定される。
このように、画像品質の定量評価として、印刷したテストチャートの光学濃度を用いることも可能である。
<第4の実施形態>
図8は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す側面模式図である。なお、図1に示すインクジェット記録装置100と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。インクジェット記録装置102は、描画ドラム110及びラインヘッド120の他、搬送ドラム112、114、及びインラインセンサ140を備えている。本実施形態では、ヘッド用紙間の距離を、D<Dn+1の関係を満たすD〜D10の10段階に設定できるものとする。
搬送ドラム112及び114は、描画ドラム110と同様に、その搬送面に多数の吸引穴(不図示)が所定のパターンで形成されており、その周面に用紙Pを吸着保持して搬送する。
ラインヘッド120により記録面に画像が形成された用紙Pは、描画ドラム110から搬送ドラム112に受け渡され、さらに搬送ドラム112から搬送ドラム114に受け渡される。
搬送ドラム114に吸着保持された用紙Pは、インラインセンサ140により記録面に形成された画像が撮像される。
インラインセンサ140は、用紙Pに形成された画像を読み取り、画像の濃度、ドットの着弾位置ずれ等を検出するための手段であり、CCDラインセンサ等が適用される。インラインセンサ140の検出結果は、評価取得手段130に入力される。
次に、本実施形態のヘッド用紙間の距離の調整方法について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。本実施形態では、印刷ジョブ中にヘッド用紙間の距離が最適となるように制御する。
(ステップS31)
設定手段132は、ヘッド用紙間の距離を初期値に設定する。この初期値は、上記の実施形態で説明した方法で予め決定しておくことが好ましい。また、通常使用する値に決めておいてもよい。
(ステップS32)
ユーザによる指示により、印字ジョブを開始する。印字ジョブが開始されると、記録手段136は、複数の用紙Pを描画ドラム110に連続して搬送させる。また、ラインヘッド120により、この用紙Pの記録面にチャートを形成させる。
(ステップS33)
インラインセンサ140により、用紙Pの記録面に形成されたチャートを検知する。なお、ここで検知する画像は、ユーザが指定した印字ジョブの画像でなく、余白部に形成されたテストチャート画像であってもよい。
(ステップS34)
インラインセンサ140により検知されたチャート画像は、評価取得手段130に入力され、その画像品質が評価される。評価取得手段130は、例えば着弾ずれ量σや光学濃度を評価する。
(ステップS35)
設定手段132は、評価取得手段130が評価したチャートの画像品質が、準画像品質基準を満たすか否かを判定する。この「準画像品質基準」は、第1〜第3の実施形態において用いられた「要求される画像品質」に対して、余裕を持った値となっている。具体的には、準画像品質基準を満たす状態であれば、ヘッド用紙間の距離をその状態から1段階広くした場合でも、画像品質を満足することができる値である。
準画像品質基準を満たす場合には、ステップS36に移行する。基準値を満たさない場合には、ステップS37に移行する。
(ステップS36)
設定手段132は、ヘッド用紙間の距離を1段階広くする。即ち、nをインクリメントし、ヘッド用紙間の距離をDに設定する。
印刷したチャートの品質が準画像品質基準を満たすと判断された場合には、ヘッド用紙間の距離をさらに大きくできる余地があることを意味する。したがって、ヘッド用紙間の距離を大きくする。
(ステップS37)
ヘッド用紙間の距離をさらに小さくすることができるか否かを判定する。小さくすることができる場合は、ステップS38に移行する。できない場合は、ステップS39に移行する。
(ステップS38)
設定手段132は、ヘッド用紙間の距離を1段階狭くする。即ち、nをデクリメントし、ヘッド用紙間の距離をDに設定する。
印刷したチャートの品質が準画像品質基準を満たさないと判断された場合には、ヘッド用紙間の距離を小さくする必要がある。したがって、ヘッド用紙間の距離を小さくすることが可能であれば、小さくする。
(ステップS39)
印字ジョブが継続中であるか否かを判定する。印字ジョブが終了している場合は、処理を終了する。継続中である場合は、ステップS33に移行し、同様の処理を繰り返す。
このように、印字ジョブ中に印刷したチャートの品質を評価してヘッド用紙間の距離を決定することで、常に最適なヘッド用紙間の距離を維持することができる。
<第5の実施形態>
図10は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す側面模式図である。インクジェット記録装置200は、基板Sの表面に導電性インクを用いた電気配線を形成する配線形成装置であり、搬送トレー210及びラインヘッド220を備えている。
搬送トレー210は、その上面に載置された基板Sを所定の搬送方向に搬送する。基板Sは、プリント配線基板のベース基板であり、ガラス、ガラスエポキシ、シリコン、ポリイミド等の材質から形成される。
ラインヘッド220の搬送トレー210と対向する面には、基板Sの全幅に対応する長さに渡って複数のノズルが形成されている。ラインヘッド220は、記録手段(不図示)の制御により各ノズルから銀ペースト等の導電性インクを吐出し、搬送トレー210によって搬送される基板Sの表面に電気配線パターンを形成する。
また、ラインヘッド220は、昇降手段(不図示)を備えており、搬送トレー210との距離を変更可能に構成されている。インクジェット記録装置200は、予め入力された基板Sの厚みを考慮し、ラインヘッド220と搬送トレー210の搬送面に載置された基板Sの表面との距離(ヘッド基板間の距離)を、任意の値に設定することができる。
ヘッド用紙間の距離を変更する機構は、ラインヘッド220を昇降させる態様に限定されるものではない。搬送トレー210を昇降させてもよいし、搬送トレー210とラインヘッド220の両方を移動させる態様も可能である。
本実施形態では、ヘッド基板間の距離をD〜Dの5段階に設定できるものとする。各段階Dにおけるヘッド基板間の距離は、一例としてD=0.50mm、D=0.75mm、D=1.00mm、D=1.25mm、D=1.5mmとする。
配線パターンが電気配線としての機能を満たすためには、銀ペースト等の導電性インク同士が結合しなければならない。着弾位置が大きくずれていると、着弾した導電性インク同士が十分重ならず、電気抵抗が大きくなり、電気配線としての機能を満足しない。また、着弾位置ずれを小さくするために、ヘッドと基板と間の距離を小さくすると、ヘッドと基板とが衝突する可能性が増加する。
したがって、本実施形態においても、画像形成におけるインクジェット記録装置100、102と同様に、ヘッド基板間の距離を制御する。
このヘッド基板間の距離の調整方法について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。このヘッド基板間の距離の設定は、配線形成ジョブ前に行う。
(ステップS41)
変数nを1に初期化する。
(ステップS42)
ヘッド基板間の距離をDに設定する。例えば、n=4であれば、ヘッド基板間の距離がD=1.25mmになるように、ラインヘッド220の昇降手段を制御する。なお、基板Sの厚みは予めインクジェット記録装置200に入力されているものとする。また、これまでと同様に、ヘッド基板間の距離を変更した場合には、インクの吐出タイミングを変更する。
(ステップS43)
次に、ヘッド基板間の距離の設定用の配線形成ジョブを実行する。即ち、ステップS42で設定したヘッド基板間の距離Dにおいて、基板Sに配線パターンを形成する。ここで印刷する配線パターンは、ヘッド基板間の距離を調整後に形成しようとする配線パターンであることが好ましい。
(ステップS44)
次に、ステップS43において形成した配線パターンの品質を確認する。ここでは、配線パターンの品質の指標(吐出性能に相当)として、電気抵抗を用いる。
(ステップS45)
ステップS44において確認した結果、形成した配線パターンの電気抵抗が要求される電気抵抗(スペック)を満たしているか否かを判定する。ここでは、インクジェット記録装置200に設けられた入力手段(不図示)により、ユーザが判定結果を入力する。
要求される電気抵抗を満たす場合には、ステップS46に移行し、満たさない場合には、ステップS47に移行する。
(ステップS46)
nをインクリメントし、ステップS42に移行する。そして、ステップS42においてヘッド基板間の距離をDに設定し、同様にステップS43〜S45の処理を行う。
形成した配線パターンの電気抵抗が要求される電気抵抗を満たすと判断された場合には、ヘッド基板間の距離をさらに大きくできる余地があることを意味する。したがって、ヘッド基板間の距離をさらに大きくして、配線パターンを形成し、要求される電気抵抗を満たすか否かを判定する。
例えば、D=1.25mmにおいて要求される電気抵抗を満たすと判断された場合は、ヘッド基板間距離をD=1.5mmに変更して配線パターンを形成する。そして、この配線パターンが要求される電気抵抗を満たすか否かを判定する。
(ステップS47)
ステップS46において、形成した配線パターンの電気抵抗が要求される電気抵抗を満たさないと判断された場合には、n=1であるか否かを判定する。
n=1である場合には、ヘッド基板間の距離をD=0.50mmに確定してヘッド基板間の距離の調整処理を終了する。即ち、これ以上ヘッド基板間の距離を小さくすることができないので、ヘッド基板間の距離Dとする。
n=1でない場合は、ステップS48に移行する。
(ステップS48)
n=1でない場合は、ヘッド基板間の距離をDn−1に設定して処理を修了する。即ち、ヘッド基板間の距離Dでは、形成した配線パターンの電気抵抗が要求される電気抵抗を満たしていないため、ヘッド基板間の距離を1段階戻し、要求される電気抵抗を満たす距離に設定する。
このように、ヘッド基板間の距離を、形成した配線パターンの電気抵抗を確認しながら徐々に広くしていき、要求される電気抵抗を満たす最も広いヘッド基板間の距離を求めることで、要求される品質を満足させながら、ヘッドと基板との衝突の可能性を極力下げることができる。
また、第2の実施形態のように、ヘッド基板間の距離を、形成した配線パターンの電気抵抗を確認しながら徐々に狭くしていく態様も可能である。
さらに、第3の実施形態のように、予めヘッド基板間の距離D〜Dのそれぞれついて電気抵抗を定量評価し、定量評価の結果からヘッド基板間の距離を決定する態様も可能である。
<第6の実施形態>
図12は、本実施形態に係るインクジェット記録装置を示す側面模式図である。インクジェット記録装置300は、カラーフィルタ基板Fの表面に、赤(R)、緑(G)、青(B)の各色インクを付与して液晶ディスプレイのカラーフィルタを形成するカラーフィルタ形成装置であり、搬送トレー310及び各色ラインヘッド320R、320G、320Bを備えている。
搬送トレー310は、上面に載置されたカラーフィルタ基板Fを所定の搬送方向に搬送する。カラーフィルタ基板Fは、その表面にブラックマトリクスの機能を持った遮光性を有する隔壁が形成されたベース基板であり、例えば透明なガラス基板である。
ラインヘッド320R、320G、320Bの搬送トレー310と対向する面には、カラーフィルタ基板Fの全幅に対応する長さに渡って複数のノズルが形成されている。ラインヘッド320R、320G、320Bは、それぞれ記録手段(不図示)の制御により各ノズルから各色インクを吐出し、搬送トレー310によって搬送されるカラーフィルタ基板Fの隔壁内にインクを付与し、各色の画素エリアを形成する。
また、ラインヘッド320R、320G、320Bは、それぞれ昇降手段(不図示)を備えており、搬送トレー310との距離をヘッド毎に変更可能に構成されている。インクジェット記録装置300は、予め入力されたカラーフィルタ基板Fの厚みを考慮し、各色ラインヘッド320R、320G、320Bと搬送トレー310の搬送面に載置されたカラーフィルタ基板Fの表面との距離(ヘッド基板間の距離)を、任意の値に設定することができる。
本実施形態では、ヘッド基板間の距離をD〜Dの5段階に設定できるものとする。各段階Dにおけるヘッド基板間の距離は、一例としてD=0.50mm、D=0.75mm、D=1.00mm、D=1.25mm、D=1.5mmとする。
形成されたカラーフィルタ基板Fがカラーフィルタとしての機能を満たすためには、各色インクがそれぞれのブラックマトリクスの隔壁内の領域に収まっていなければならない。他の領域に着弾してしまうと、混色等の問題が発生するため、カラーフィルタが用いられる液晶ディスプレイの画像が劣化し、求められている機能を満たすことができない。また、着弾位置ずれを小さくするために、ヘッドと基板と間の距離を小さくすると、ヘッドと基板とが衝突する可能性が増加する。
したがって、本実施形態においても、画像形成におけるインクジェット記録装置100、102と同様に、ヘッド基板間の距離を制御する。
このヘッド基板間の距離の調整方法について、図13に示すフローチャートを用いて説明する。各ラインヘッド320R、320G、320Bのヘッド基板間の距離の設定方法は同様であるので、ここでは代表してラインヘッド320Rのヘッド基板間の距離の調整処理について説明する。このヘッド基板間の距離の設定は、カラーフィルタ制作ジョブ前に行う。
(ステップS51)
変数nを1に初期化する。
(ステップS52)
ヘッド基板間の距離をDに設定する。例えば、n=3であれば、ヘッド基板間の距離がD=1.00mmになるように、ラインヘッド320Rの昇降手段を制御する。なお、カラーフィルタ基板Fの厚みは予めインクジェット記録装置300に入力されているものとする。また、これまでと同様に、ヘッド基板間の距離を変更した場合には、インクの吐出タイミングを変更する。
(ステップS53)
次に、ヘッド基板間の距離の設定用のカラーフィルタ制作ジョブを実行する。ラインヘッド320Rは、ステップS52で設定したヘッド基板間の距離Dにおいて、カラーフィルタ基板FにR画素を形成する。
(ステップS54)
次に、ステップS53において形成した各画素の品質を確認する。ここでは、CCDカメラを用いた検査により、画素形成用のインク(ここではRインク)が所定の領域(画素内)に収まっているかを調査する。
(ステップS55)
ステップS54において調査した結果に基づいて、所定の領域に収まっていないRインクが所定値未満であるか否か(吐出性能に相当)を判定する。例えば、Rインクがブラックマトリクス上や隣接する画素へ打滴されている場合には、領域内に収まっているとはいえない。このように、所定の領域に収まっていないRインクが所定値以上になると、G画素やB画素に混色が発生し、カラーフィルタとして求められている機能を満たすことができないものとする。ここでは、インクジェット記録装置300に設けられた入力手段(不図示)により、ユーザが判定結果を入力する。
所定の領域に収まっていないRインクが所定値未満の場合には、ステップS56に移行し、所定値以上の場合には、ステップS57に移行する。
(ステップS56)
nをインクリメントし、ステップS52に移行する。そして、ステップS52においてヘッド基板間の距離をDに設定し、同様にステップS53〜S55の処理を行う。
所定の領域に収まっていないRインクが所定値未満であると判断された場合には、R画素が適切に形成されており、ヘッド基板間の距離をさらに大きくできる余地があることを意味する。したがって、ヘッド基板間の距離をさらに大きくしてR画素を形成し、スペックを満たすか否かを判定する。
例えば、D=1.00mmにおいて所定の領域に収まっていないRインクが所定値未満であると判断された場合は、ヘッド基板間距離をD=1.25mmに変更してR画素を形成する。そして、所定の領域に収まっていないRインクが所定値未満であるか否かを判定する。
(ステップS57)
ステップS56において、スペックを満たさないと判断された場合には、n=1であるか否かを判定する。n=1である場合には、ヘッド基板間の距離をD=0.50mmに確定してヘッド基板間の距離の調整処理を終了する。即ち、これ以上ヘッド基板間の距離を小さくすることができないので、ヘッド基板間の距離Dとする。
n=1でない場合は、ステップS48に移行する。
(ステップS58)
n=1でない場合は、ヘッド基板間の距離をDn−1に設定して処理を修了する。即ち、ヘッド基板間の距離Dでは、所定の領域に収まっていないRインクが所定値以上であり、スペックを満たしていないため、ヘッド基板間の距離を1段階戻し、スペックを満たす距離に設定する。
このように、ヘッド基板間の距離を、所定の領域に収まっていないインクを確認しながら徐々に広くしていき、要求されるスペックを満たす最も広いヘッド基板間の距離を求めることで、要求される品質を満足させながら、ヘッドと基板との衝突の可能性を極力下げることができる。
また、第2の実施形態のように、ヘッド基板間の距離を、所定の領域に収まっていないインクを確認しながら徐々に狭くしていく態様も可能である。
さらに、第3の実施形態のように、予めヘッド基板間の距離D〜Dのそれぞれついて所定の領域に収まっていないインク量を定量評価し、定量評価の結果からヘッド基板間の距離を決定する態様も可能である。
<インクジェット記録装置の構成>
〔描画部の構成〕
図14は、他の実施形態のインクジェット記録装置の描画部を示す概略構成図である。
同図に示すように、インクジェット記録装置は、描画部10において、記録媒体である用紙12を描画ドラム14で回転搬送する。そして、この描画ドラム14によって回転搬送される用紙12に対して、描画ドラム14の外周面に対向して配置された4本のラインヘッド16C、16M、16Y、16KでC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(クロ)のインク滴を打滴して、用紙12の記録面にカラー画像を描画する。
用紙12(記録媒体に相当)を搬送する描画ドラム14(移動手段に相当)は、円筒状に形成されており、その回転軸18は、装置本体フレームに設置された図示しない軸受に回転自在に支持されている。回転軸18には、図示しない回転伝達機構を介してモータが連結されている。描画ドラム14は、このモータに駆動されて回転する。
描画ドラム14の外周面には、用紙12の先端部を把持するためのグリッパ20が、外周面上の2カ所に設置されている。各グリッパ20は、それぞれ図示しない開閉駆動手段に駆動されて開閉される。用紙12は、このグリッパ20に先端部を把持されて、描画ドラム14の外周面上に保持される。
また、描画ドラム14の周面には、図示しない吸着穴が所定の配列パターンで多数形成されている。各吸着穴は、描画ドラム14の内部に貫通して形成されている。描画ドラム14は、図示しないバキュームポンプによって内部のエアが吸引されている。このため、各吸着穴からは、内部に向けてエアが吸引されている。描画ドラム14の外周面に巻き掛けられた用紙12は、この吸着穴からエアが吸引されることにより、描画ドラム14の外周面に吸着保持される。
なお、本例において、用紙12は、描画ドラム14に並列して配置された搬送ドラム22によって描画ドラム14に受け渡され、描画後の用紙12は、同じく描画ドラム14に並列して配置された搬送ドラム24に受け渡される。グリッパ20は、タイミングを合わせて、前段の搬送ドラム22から用紙12を受け取り、タイミングを合わせて、後段の搬送ドラム24に描画後の用紙12を受け渡す。
4本のラインヘッド16C、16M、16Y、16K(液体吐出ヘッドに相当)は、描画ドラム14の回転軸18を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kからは、記録手段(不図示)の制御により、描画ドラム14の外周面に向けて垂直にインク滴が吐出され、この描画ドラム14の外周面に向けて吐出されたインク滴が、描画ドラム14によって回転搬送される用紙12に打滴されて、用紙12にカラー画像が描画される。
〔ヘッドの構造〕
次に、ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの構造について説明する。なお、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの構造は共通しているので、以下では、これらを代表してK色のラインヘッド16Kについて説明する。
図15(a)は、ラインヘッド16Kを構成するヘッドモジュール16K’の構造例を示す平面透視図であり、図15(b)は、その一部の拡大図である。また、図15(c)は、ラインヘッド16Kの構造例を示す平面透視図である。図16は、インク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図15(a)、(b)中、IV−IV線に沿う断面図)である。
記録紙面上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ラインヘッド16Kにおけるノズルピッチを高密度化する必要がある。ヘッドモジュール16K’は、図15(a)、(b)に示すように、インク滴の吐出孔であるノズル151と、各ノズル151に対応する圧力室152等からなる複数のインク室ユニット153を一定の配列パターンでマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙搬送方向と直交する主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
図15(c)に示すように、本実施例のラインヘッド16Kは、上記のヘッドモジュール(ヘッドチップ)16K’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで、用紙12の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成している。なお、図示は省略するが、短尺のヘッドモジュールを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル151に対応して設けられている圧力室152は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル151とインク流入口154が設けられている。各圧力室152はインク流入口154を介して共通流路155と連通されている。
圧力室152の天面を構成し共通電極と兼用される振動板156には個別電極157を備えた圧電素子158が接合されており、個別電極157に駆動電圧を印加することによって圧電素子158が変形して圧力室152内のインクが加圧され、当該圧力室152に連通するノズル151からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路155からインク流入口154を通って新しいインクが圧力室152に供給される。
本例では、ラインヘッド16Kに設けられたノズル151から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子158を適用したが、圧力室152内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
係る構造を有するインク室ユニット153を図15(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット153を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル151が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に一列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
〔ラインヘッドの取付部の構成〕
図14に示すように、描画ドラム14によってその周面に吸着保持されて回転搬送される用紙12は、描画ドラム14の外周面に対向して配置された4本のラインヘッド16C、16M、16Y、16KからC、M、Y、Kの各色のインクを打滴されて、記録面にカラー画像が描画される。
このカラー画像を高精度に描画するためには、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kが、描画ドラム14に対して正確に位置決めされて設置される必要がある。具体的には、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kのノズル面が、描画ドラム14の外周面に対して平行、かつ、一定距離の位置に配置される必要がある。
このため、本実施の形態のインクジェット記録装置では、次のようにして、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kが取り付けられている。なお、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの取付部の構造は共通しているので、以下では、これらを代表してK色のラインヘッド16Kの取付部について説明する。
図17は、ラインヘッド16Kの取付部の構造を示す正面図である。また、図18〜20は、それぞれ図17の5−5矢視図7−6矢視図8−7矢視図9−8矢視図である。
図17に示すように、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kは、その幅方向の両端部に支持部28L、28Rを有しており、この支持部28L、28Rをヘッド支持フレーム31に設けられた左右一対の台座30L、30Rに固定することにより、所定位置に取り付けられる。
ヘッド支持フレーム31は、左右一対の側板32L、32Rと、その左右一対の側板32L、32Rを連結する連結板34とで構成されている。左右一対の側板32L、32Rは、描画ドラム14を挟んで左右対称に配置されており、それぞれ描画ドラム14の回転軸18に対して垂直に配置されている。連結板34は、この左右一対の側板32L、32Rを前後で連結して一体化する。このヘッド支持フレーム31は、装置本体フレームに取り付けられた図示しないガイドレールにスライド移動自在に支持されており、描画ドラム14の回転軸18と平行にスライド移動して、所定の退避位置に退避可能に設けられている。
各台座30L、30Rは、それぞれスライド支持機構36L、36Rを介して、左右の側板32L、32Rの内側に取り付けられている。
スライド支持機構36L、36Rは、ガイドレール38L、38Rと、そのガイドレール38L、38R上をスライドする1組のスライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbと、スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbに取り付けられた取付板42L、42Rとで構成されている。
各ガイドレール38L、38Rは、それぞれ側板32L、32Rの内側に取り付けられており、それぞれ描画ドラム14の中心を通る直線に沿って配設されている(描画ドラム14の法線に沿って配設されている)。
スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbは、このガイドレール38L、38Rの上をスライド移動自在に設けられている。したがって、スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbは、描画ドラム14の中心を通る直線に沿ってスライドする。なお、このスライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbは、図示しないボルトによってガイドレール38L、38Rに固定できるようにされている。
取付板42L、42Rは、矩形の板状に形成されており、図示しないボルトによってスライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbに固定されている。スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbに取り付けられた取付板42L、42Rは、描画ドラム14の回転軸18に対して垂直に配設される。そして、スライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbによって、描画ドラム14の中心を通る直線に沿ってスライドする。台座30L、30Rは、この取付板42L、42Rに図示しないボルトで固定される。
台座30L、30Rは、図17に示すように、矩形状のプレートの先端(下端)を直角に折り曲げてL字状に形成されており、描画ドラム14の回転軸18に対して垂直な垂直部30La、30Raと、描画ドラム14の回転軸18に対して平行な水平部30Lb、30Rbとで構成されている。この台座30L、30Rは、垂直部30La、30Raをスライド支持機構36R、36Lの取付板42L、42Rに図示しないボルトで固定することにより、スライド支持機構36R、36Lに取り付けられる。
スライド支持機構36R、36Lに取り付けられた台座30L、30Rは、図17に示すように、その垂直部30La、30Raが、描画ドラム14の回転軸18に対して垂直に取り付けられるとともに、水平部30Lb、30Rbが、描画ドラム14の回転軸18と平行に取り付けられる。そして、スライド支持機構36R、36Lに取り付けられた台座30L、30Rは、スライド支持機構36L、36Rによって、描画ドラム14の中心を通る直線に沿ってスライド自在に支持され、描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降可能に支持される。
このように描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降可能に支持された台座30L、30Rは、昇降駆動機構44(昇降手段に相当)によって、昇降駆動される。
昇降駆動機構44は、主として、パルスモータ46と、そのパルスモータ46によって回転駆動される回転駆動軸48と、回転駆動軸48に取り付けられた左右一対の偏心カム50L、50Rと、各取付板42L、42Rに取り付けられるとともに、各偏心カム50L、50Rに当接された左右一対の従動カム52L、52Rとで構成されている。
パルスモータ46は、一方の側板32Lの外側面にブラケット54を介して取り付けられており、その出力軸46aは、描画ドラム14の回転軸18に対して垂直に設けられている。
回転駆動軸48は、左右の側板32L、32Rを跨いで設置されており、描画ドラム14の回転軸18と平行に配設されている。この回転駆動軸48は、左右の側板32L、32Rに設けられた軸受56L、56Rに回転自在に支持されている。
パルスモータ46の回転は、ウォームギア58を介して回転駆動軸48に伝達され、パルスモータ46の出力軸46aには、このウォームギア58を構成するウォーム58aが取り付けられている。一方、回転駆動軸48には、このウォーム58aに噛み合うウォームホイール58bが取り付けられており、これにより、パルスモータ46の回転が回転駆動軸48に伝達される。
左右一対の偏心カム50L、50Rは、円盤状に形成されており、その回転中心が偏心されて、回転駆動軸48に取り付けられている。この偏心カム50L、50Rは、それぞれ側板32L、32Rの外側に配置されており、描画ドラム14の回転軸18に対して、垂直に配置されている。
従動カム52L、52Rは、円盤状に形成されており、その周面が偏心カム50L、50Rの周面に当接されて、偏心カム50L、50Rの上に載置されている。この従動カム52L、52Rは、描画ドラム14の回転軸18と平行に配設された支軸52La、52Raに回転自在に支持されている。支軸52La、52Raは、側板32L、32Rに形成された長穴59L、59Rを通して、描画ドラム14の回転軸18と平行に配設されており、その基端部が、取付板42L、42Rに一体成形された軸支持部42La、42Lbに固定されている。長穴59L、59Rは、ガイドレール38L、38Rと平行に形成されており、これにより、従動カム52L、52Rが、ガイドレール38L、38Rと平行に移動できるようにされている。
以上のように構成された昇降駆動機構44によれば、パルスモータ46を駆動して、回転駆動軸48を回転させると、左右一対の偏心カム50L、50Rが回転し、これにより、従動カム52L、52Rが、描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降移動する。そして、この従動カム52L、52Rが描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降移動することにより、この従動カム52L、52Rに連結された取付板42L、42Rが描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降移動し、この結果、台座30L、30Rが、描画ドラム14の外周面に対して垂直に昇降する。
なお、台座30L、30Rは、図示しないボルトによってスライダ40La、40Lb、40Ra、40Rbをガイドレール38L、38Rに固定することにより、側板32L、32Rに固定される。各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kは、台座30L、30Rを側板32L、32Rに固定した状態で取り付けられる。
ラインヘッドの取付部は、以上のように構成される。
なお、ラインヘッドを昇降させる機構は本実施形態に限定されるものではなく、例えばボールネジを用いた昇降機構を用いてもよい。
〔昇降制御部の説明〕
次に、ラインヘッドの昇降制御系の構成について説明する。本実施形態の描画部10は、上記のラインヘッドの昇降機構を制御して、ラインヘッド毎のギャップ調整を行う。
図22は、ラインヘッドの昇降制御系を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置の描画部10は、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kにそれぞれ備えられたパルスモータ46の回転を制御する昇降制御部81、各ラインヘッドの昇降量(現在位置)を記憶可能な昇降量メモリ82を備えている。
また、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kは、それぞれ各ラインヘッドが吐出すべき画像データを一次的に記憶するためのメモリ80C、80M、80Y、80Kを備えている。後述するように、本実施の形態では、これらのメモリを各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの固有の高さ情報を示すデータを記憶するメモリとして流用しており、昇降制御部81は、各メモリ80C、80M、80Y、80Kから読み出した高さ情報に基づいて各ラインヘッド16のパルスモータ46を駆動する。
昇降駆動機構44は、偏芯カム50の回転量(回転角度)をスライダ40の直線移動量に変換するものであるが、偏芯カム50の回転角度とラインヘッドの昇降量とがリニアな関係とはならない。
図23は、偏芯カム50の回転角とラインヘッド16の昇降量の関係を示すグラフである。同図に示すように、偏芯カム50の回転角が0度のときにラインヘッド16が最も上部に位置しており、偏芯カム50が回転するにしたがって、回転角度と偏芯量に応じてラインヘッド16が降下する。
したがって、昇降制御部81は、パルスモータ46への出力パルス数と偏芯カム50の変位量から、図23に示す関係に基づいて各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kの昇降量(昇降距離)を算出可能な関係テーブルを備えている。
〔ラインヘッドの取付〕
次に、上記の取付部へのラインヘッドの取付時におけるギャップ調整について説明する。図24は、ラインヘッドの取付け時のギャップの自動調整を示すフローチャートである。
ラインヘッドを取付部へ取り付けるには、予めそのラインヘッドの基準ノズル面距離T1を算出しておく必要がある(ステップS61)。
図25は、ラインヘッド16Kを正面(図17と同方向)から見た模式図である。ここでは、ラインヘッド16Kは、7つのヘッドモジュール16K’-1〜16K’-7を備えているものとする。
まず、ラインヘッドの支持部28L、28Rの下端から、各ヘッドモジュール16K’-1〜16K’-7のノズル面までの距離データを取得しておく。各ヘッドモジュール16K’-1〜16K’-7は、製造誤差や取付誤差により、支持部28L、28Rの下端からノズル面までの距離がそれぞれ異なっている。図25に示す例では、この距離は、ヘッドモジュール16K’-1がX1、ヘッドモジュール16K’-2がX2、・・・、ヘッドモジュール16K’-7がX7であるとする。
これらの距離データから、ラインヘッド16K固有の高さ情報である基準ノズル面距離T1を算出する。ここでは、基準ノズル面距離T1は、下記(式1)に示すように各距離X1、X2、・・・、X7の平均値Xaと標準偏差Sxの和とする。
T1=Xa+Sx … (式1)
このように算出された基準ノズル面距離T1を、ラインヘッド16Kのメモリ80K(図22参照)に記憶させておく。
各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kは、それぞれ台座30L、30Rに取り付けられる。したがって、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kを取り付けるための台座30L、30Rを、予め所定の位置(高さ)に設定しておく必要がある(ステップS62)。この作業は、記録ヘッド治具16Dを用いて行われる。
図26は、記録ヘッド治具16Dを用いた台座30L、30Rの初期位置設定を説明するための模式図であり、図17と同方向から見た図である。同図に示すように、記録ヘッド治具16Dは、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kと同様に、その幅方向の両端部に支持部28L、28Rを有している。また、記録ヘッド治具16Dは、支持部28L、28Rの下端から、描画ドラム14に対向する下面までの距離が、ノズル面設計距離T0となるように構成されている。
記録ヘッド治具16Dは、この支持部28L、28Rをヘッド支持フレーム31に設けられた左右一対の台座30L、30Rに固定することにより、描画部10の所定位置に取り付けられる。
ユーザは、記録ヘッド治具16Dを撮り付け後、記録ヘッド治具16Dの下面と描画ドラム14との距離が規定ギャップG1となるように、図示しないユーザインターフェースにより昇降制御部81を制御し、台座30L、30Rに取り付けられた記録ヘッド治具16Dを昇降させる。
規定ギャップG1は、各ラインヘッド16C、16M、16Y、16Kのノズル151がインクを吐出するのに最も適した距離が設定されている。なお、図23に示すように、偏芯カム50の回転角が150度付近において規定ギャップG1が設定されるように、昇降駆動機構44の各構成部材が位置決めされている。
記録ヘッド治具16Dの下面と描画ドラム14との距離を規定ギャップG1に設定終了後、ユーザは、図示しないユーザインターフェースにより、規定ギャップG1の設定が終了したことを入力する。この入力により、昇降制御部81は、昇降量メモリ82に現在の昇降駆動機構44の位置(昇降量)を記憶する。ここでは、支持部28L、28Rの下端から描画ドラム14までの距離がT0+G1である旨を記憶しておくが、取り付けられているラインヘッドの高さ情報(ここでは記録ヘッド治具16Dのノズル面設計距離T0)だけを記憶してもよいし、偏芯カム50の現在の回転角度を記憶してもよい。
次に、ユーザは、記録ヘッド治具16Dを支持部28L、28Rから取り外し、今度は図27(a)に示すように、実際に取り付けるラインヘッド16Kを支持部28L、28Rに固定する(ステップS63)。
このラインヘッド16Kは、基準ノズル面距離がT1であるから、記録ヘッド治具16Dからラインヘッド16Kに交換した時点の、ラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14との距離、即ち現在のギャップ距離は、(T0+G1)−T1となっている。昇降制御部81は、この現在のギャップ距離が規定ギャップG1となるように昇降駆動機構44を制御する。
すなわち、昇降制御部81は、まず取り付けられたラインヘッド16Kのメモリ80Kから、基準ノズル面距離T1を読み出す。次に、昇降量メモリ82から昇降駆動機構44の現在位置T0+G1を読み出す(ステップS64)。これらのデータから、ラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14との距離と規定ギャップG1との差分(T0−T1)を算出する(ステップS65)。
さらに、昇降制御部81は、この差分(T0−T1)と関係テーブルとから、パルスモータ46の出力パルス数を算出し、算出したパルス数でパルスモータ46を制御する(ステップS66)。これにより、ラインヘッド16Kを距離の差分(T0−T1)だけ昇降させ、ラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14の表面との距離を、規定ギャップG1にすることができる(図27(b))。
なお、ギャップの調整後、昇降制御部81は、昇降量メモリ82に、現在の支持部28L、28Rの下端から描画ドラム14までの距離がT1+G1である旨を記憶しておく(ステップS67)。
このように、本実施形態のインクジェット記録装置は、既知のノズル面設計距離(T0)を有する記録ヘッド治具16Dを用いて昇降駆動機構44の初期位置を設定し、その後予め基準ノズル面距離(T1)が算出されたラインヘッドを取付けるようにしたので、記録ヘッド(ラインヘッド16K)の製造誤差や、吐出ノズル部材(ヘッドモジュール16K’)の製造誤差や取付誤差が生じても、容易なギャップ調整が可能となる。
また、基準ノズル面距離(T1)を持つことでギャップ調整値の信頼性が向上するとともに、基準ノズル面距離を各吐出ノズル部材(ヘッドモジュール16K’)の平均値と標準偏差の和としたので、ノズル面と記録媒体との接触を回避することができる。
また、ギャップを調整する特別な調整機構を必要としないため、省スペース化が可能となっている。
なお、本実施形態においては、ラインヘッド側を昇降させることでギャップ調整を行っているが、記録媒体側を昇降させてギャップ調整を行ってもよい。
〔ラインヘッドの交換方法〕
本発明に係るインクジェット記録装置は、ラインヘッドを交換した場合であっても、容易なギャップ調整が可能となる。図28は、ラインヘッドの交換時の自動ギャップ調整を示すフローチャートである。
図27(b)で示した、基準ノズル面距離T1のラインヘッド16Kが規定ギャップG1となるように取り付けられている状態(支持部28L、28Rの下端から描画ドラム14までの距離がT1+G1である状態)から、図29に示す基準ノズル面距離T2のラインヘッド16Kに交換する場合について説明する。
ユーザは、ラインヘッド16Kを支持部28L、28Rから取り外し、新たに取り付けるラインヘッド16Kを支持部28L、28Rに固定する(ステップS71)。
昇降制御部81は、ラインヘッドの交換を検知すると、ラインヘッド16Kのメモリ80Kから、ラインヘッド16Kの基準ノズル面距離T2を読み出す。また、昇降量メモリ82から、現在位置T1+G1を読み出す(ステップS72)。これらのデータから、現在のラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14との距離(T1+G1)−T2を算出し、さらに、この距離と規定ギャップG1との差分(T1−T2)を算出する(ステップS73)。
昇降制御部81は、この差分(T1−T2)と関係テーブルとから、パルスモータ46の出力パルス数を算出し、算出したパルス数でパルスモータ46を制御する。これにより、ラインヘッド16Kを距離の差分(T1−T2)だけ昇降させ、ラインヘッド16Kの基準ノズル面と描画ドラム14の表面との距離を、規定ギャップG1にすることができる(ステップS74)。
なお、これまでと同様に、ギャップ調整後は、昇降量メモリ82に昇降駆動機構44の現在位置を記憶しておく(ステップS75)。
このように、ラインヘッドを交換した場合であっても、搭載前後の基準ノズル面距離から自動的に必要な昇降量を算出し、算出した昇降量に基づいてパルスモータが制御されるので、容易に規定ギャップに調整することができる。
なお、ユーザが図示しないユーザインターフェースにより規定ギャップG1を変更することも可能である。規定ギャップがG2に変更された場合には、昇降制御部81は、新旧規定ギャップの差分(G1−G2)に基づいて、パルスモータ46を制御することにより、ラインヘッドと描画ドラムの距離を新規定ギャップG2に調整することができる。
また、ラインヘッドのノズル面と記録媒体とのギャップは、用紙12の厚さによって変化することから、図示しないユーザインターフェースによってユーザに用紙厚さを入力させることで自動的に規定ギャップに調整するようにしてもよい。この場合は、規定ギャップをG1、入力された用紙12の厚さをTとすると、昇降制御部81は、ラインヘッドの基準ノズル面と描画ドラム14との距離を(G1+T)となるようにラインヘッドの昇降を制御すればよい。
また、用紙厚さを入力させるのではなく、記録媒体銘柄を選択させるように構成してもよい。この場合は、記録媒体銘柄と厚さの関係を示すテーブルをメモリに記憶しておき、選択された記録媒体銘柄の厚さをテーブルから読み出すことにより、記録媒体の厚さを取得することができる。
なお、本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、用紙12の幅方向(主走査方向)の長さに満たない短尺のヘッドを用紙12の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると用紙12を幅方向と直交する方向(副走査方向)に所定量だけ移動させて、次の印字領域の用紙12の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して用紙12の印字領域の全面に渡って印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合せることができる。また、各実施形態を実施するためのコンピュータに実行させるプログラムも本発明の技術的範囲に含まれる。
10,100,102…インクジェット記録装置、12…用紙、14,110…描画ドラム、16C,16M,16Y,16K,120…ラインヘッド、18…回転軸、28L、28R…支持部、30L,30R…台座、112,114…搬送ドラム、130…評価取得手段、132…設定手段、134…昇降手段、136…記録手段、138…制御手段、151…ノズル、210,310…搬送トレー、220,320R,320G,320B…ラインヘッド、F…カラーフィルタ基板、P…用紙、S…基板

Claims (15)

  1. 液滴を吐出するノズルを備えた液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、
    前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体との間の距離を変更する昇降手段と、
    前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させながら、前記ノズルから液滴を吐出して前記記録媒体上に記録を行う記録手段と、
    前記記録媒体上の記録結果に基づいて評価された前記液体吐出ヘッドの吐出性能を取得する評価取得手段と、
    前記取得した吐出性能に基づいて、前記距離をできるだけ大きい値に設定する設定手段であって、前記液体吐出ヘッドに要求される吐出性能を満たす値に設定する設定手段と、
    を備えた液体吐出装置。
  2. 前記昇降手段は、前記距離を離散的に変更可能であり、
    前記設定手段は、前記取得した吐出性能が前記液体吐出ヘッドに要求される吐出性能以上の場合に前記距離を現在の値より大きい値に設定する請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記昇降手段は、前記距離を離散的に変更可能であり、
    前記設定手段は、前記取得した吐出性能が前記液体吐出ヘッドに要求される吐出性能未満の場合に前記距離を現在の値より小さい値に設定する請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 前記評価取得手段は、予め複数の距離における吐出性能を取得し、前記設定手段は、前記取得した複数の距離における吐出性能に基づいて、前記液体吐出ヘッドに要求される吐出性能を満足する最も大きい値に設定する請求項1に記載の液体吐出装置。
  5. 前記評価取得手段は、前記取得した複数の距離における吐出性能を補間して前記複数の距離の間の吐出性能を取得する請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記液体吐出ヘッドは、前記記録媒体に描画用インクを吐出して前記記録媒体上に画像を形成し、
    前記評価取得手段は、前記記録媒体上に着弾された液滴の位置ずれを取得する請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記液体吐出ヘッドは、前記記録媒体に描画用インクを吐出して前記記録媒体上に画像を形成し、
    前記評価取得手段は、前記記録媒体上に形成された画像の光学濃度を取得する請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体吐出ヘッドは、記録媒体である基板に導電性インクを吐出して前記基板上に電気配線を形成し、
    前記評価取得手段は、前記形成された電気配線の電気抵抗を取得する請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記液体吐出ヘッドは、記録媒体である隔壁の形成された基板にインクを吐出して前記隔壁内にカラーフィルタの各画素を形成し、
    前記評価取得手段は、前記形成されたカラーフィルタの各画素のインクの収まりを取得する請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記評価取得手段は、前記記録媒体上の記録結果に基づいてユーザが評価した評価結果を入力する入力手段を備えた請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記評価取得手段は、前記記録媒体上の記録結果に基づいて前記液体吐出ヘッドの吐出性能を評価する評価手段を備えた請求項1から9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記液体吐出ヘッドのノズルは、前記記録媒体の記録可能幅全幅に対応する長さにわたって配列され、
    前記移動手段は、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを1回だけ相対移動させる請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  13. 前記液体吐出ヘッドは、複数のヘッドモジュールから構成され、
    前記評価取得手段は、前記複数のヘッドモジュールのうち最も吐出性能が低いヘッドモジュールの吐出性能を取得し、
    前記設定手段は、前記最も吐出性能が低いヘッドモジュールと前記記録媒体との間の距離をできるだけ大きい値であって、前記液体吐出ヘッドに要求される吐出性能を満たす値に設定する請求項1から12のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  14. それぞれ異なる液体の液滴を吐出する複数の液体吐出ヘッドを備え、
    前記移動手段は、前記複数の液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させ、
    前記昇降手段は、前記複数の液体吐出ヘッドの各々の液体吐出ヘッドと前記記録媒体との間の距離をそれぞれ変更し、
    前記評価取得手段は、前記記録媒体上の記録結果に基づいて評価された前記各々の液体吐出ヘッドの吐出性能を取得し、
    前記設定手段は、前記取得した各々の液体吐出ヘッドの吐出性能に基づいて、前記各々の液体吐出ヘッドと前記記録媒体との距離をそれぞれ設定する請求項1から13のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  15. 液滴を吐出するノズルを備えた液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させる移動手段と、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体との間の距離を変更する昇降手段と、前記液体吐出ヘッドと前記記録媒体とを相対的に移動させながら、前記ノズルから液滴を吐出して前記記録媒体上に記録を行う記録手段と、を備えた液体吐出装置の制御方法において、
    前記記録媒体上の記録結果に基づいて評価された前記液体吐出ヘッドの吐出性能を取得する評価取得工程と、
    前記取得した吐出性能に基づいて、前記距離をできるだけ大きい値に設定する設定工程であって、前記液体吐出ヘッドに要求される吐出性能を満たす値に設定する設定工程と、
    を備えた液体吐出装置の制御方法。
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