JP2016221880A - インクジェット記録装置、インクジェット記録装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】高画質な印字物を得ること。【解決手段】複数色のインクを記録媒体に吐出する吐出部と、吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像する撮像部と、色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出する検出部と、検出部が検出したにじみ度に基づいて、吐出部からのインク吐出を制御する制御部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェット記録装置、インクジェット記録装置の制御方法、及びプログラムに関する。
サイン&グラフィック用インクジェットプリンタにおいて、記録媒体としての難浸透メディアはインクの濡れ性が低いため、ヒーターで難浸透メディアを加熱しながらインクジェット塗布による印刷を行うことは既に知られている。
インクジェット記録装置を用いて、難浸透メディアだけでなく、普通紙を含む記録媒体に印字を行う際、色境界においてにじみが生じる場合がある。
また、今までのインクジェットプリンタでは、最適な印刷条件が定められていないメディアやカラープロファイルを使用する際には色境界にじみが生じやすいという問題があった。
このため、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、色境界にじみを測定する目的で、画像データの光学的情報から色差分布を算出し、色境界にじみ領域幅、面積を求める技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、測定するだけであり、インクジェット記録装置へのフィードバックは考慮されておらず、色境界にじみが生じやすいという問題は解消できていなかった。
そこで、本発明の目的は、高画質な印字物を得ることにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数色のインクを記録媒体に吐出する吐出部と、前記吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像する撮像部と、前記色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出する検出部と、前記検出部が検出したにじみ度に基づいて、前記吐出部からのインク吐出を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、高画質な印字物を得ることができる。
一実施形態に係る全体構成を示す外観斜視図である。 一実施形態に係る全体構成を示すハードウェアブロック図である。 図2に示したインクジェット記録装置の機能ブロック図の一例である。 にじみについて全体のフローチャートである。 にじみの条件設定と対策までのフローチャートである。 あふれにじみの模式図である。 ランダムにじみの模式図である。 細線にじみの模式図である。 主走査方向の周期的にじみの模式図である。 副走査方向の周期的にじみ(送り方向ズレ)の模式図である。 シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の色境界にじみパターンである。 8色としてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、ブラック(3C-K)、(R,G,Bは二次色、3C-Kは三次色、4C-Kでもよい)の色にじみ境界パターンである。 8色の色境界にじみチェックパターン横の一例である。 8色の色境界にじみチェックパターン横の一例である。図14は、8色の色境界にじみチェックパターン縦の一例である。 (a)、(b)は、8色の色境界にじみチェックパターン長さ半分の一例である。 他の実施形態に係る全体構成を示す外観斜視図である。 (a)、(b)は、インクジェットプリンタとカメラとの関係を示す模式図である。 他の実施形態に係る全体構成を示すハードウェアブロック図である。 図18の機能ブロック図である。
<概要>
本発明の実施の形態を説明する。本発明は、記録媒体としてのメディア、特に塩化ビニルやPETフィルム等の難浸透メディアや非浸透メディアへのインクジェット塗布によって生じやすい色境界にじみの抑制に際して、以下の特徴を有する。尚、PETはpolyethylene terephthalate(ポリエチレンテレフタレート)の略である。
要するに、色境界にじみが生じやすいメディアにおいても、色境界にじみチェックパターンを印刷して印刷画像を撮影し、不具合の種類と程度とを算出することにより、実印刷への最適印刷条件へとフィードバックすることで、色境界にじみなく印刷できるのである。
ここで、フィードバックとは、「ユーザーが調整できるように操作パネルに所定の事項を表示すること」と「ユーザーが調整しなくても自動的に制御すること」の両方含む。
フィードバックは、画像不具合等の問題を認識し、制御部にデータを転送するところまでである。その後、理想的には制御部で対策を自動的に選択・反映し、次の印刷からはその条件を用いることである。ただ、実際は100%正確なフィードバックとならない場合や、ユーザーが好まない、すなわちヒーター温度を上げてメディアが変形したり、消費電力が高くなったりすることを嫌う等のおそれがある。このため、「ユーザーが調整できるように操作パネルに所定の事項を表示すること」もオプションの1つとしてもよい。
また、色境界にじみチェックパターンとは、メディアに吐出される、異なる色のインクの色境界部のにじみをチェックするためのパターンであり、単色もしくは複数の色を含むパターンであり、全色が上下左右で隣り合うように配置されている。
尚、本実施形態では、にじみ個数や滲み長さ、にじみ幅を総称してにじみ度と表記した。
<実施形態1>
[構成]
図1は、一実施形態に係る全体構成を示す外観斜視図である。
フレームにIJ(Ink Jet)ヘッド16と、CCDを用いた撮像部としてのCCDカメラ(以下、カメラと表記)18とが設けられている。IJヘッド16は、フレームのレールに沿って水平に移動自在である。レールはメディアの搬送方向と直交する方向に設けられている。撮像部としてのカメラ18は、吐出部としてのIJヘッド16を内蔵したインクジェットキャリッジを主走査方向に移動させるためのレールと平行なレールに沿って移動可能なキャリッジに内蔵されている。メディアは搬送手段によって搬送される。メディアの下側には乾燥用のヒーターが設けられているが、上面か斜めから温風や赤外線加熱を行ってもよい。
図2は、一実施形態に係る全体構成を示すハードウェアブロック図である。
インクジェット記録装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、HDD14、IJヘッド駆動部15、IJヘッド16、カメラ駆動部17、カメラ18、操作表示部19、ヒーター駆動部20、ヒーター21、I/F22、及びバスライン23を有する。
CPU(Central Processing Unit)11は、インクジェット記録装置10を統括制御する回路である。ROM(Read Only Memory)12は、制御プログラムを保存した読み出し専用のメモリであり、例えば、マスクROMが挙げられる。RAM(Random Access Memory)13は、ROM12に格納されたプログラムを読み出すために一時的に保存する書き換え自在のメモリであり、例えば、フラッシュメモリが挙げられる。HDD(Hard Disk Drive)14は、外部から送られる画像や文字等の大容量のデータを保存する書き換え自在のメモリである。
IJヘッド駆動部15は、IJヘッド16を駆動する回路である。IJヘッド16は、インクを粒子状にしてメディア上に噴射することで印刷する装置である。カメラ駆動部17は、カメラ18を駆動する回路である。カメラ18は、メディア上に印刷された画像や文字を撮像する装置であり、例えば、CCDカメラが挙げられる。操作表示部19は、ユーザーがインクジェット記録装置10を操作するのに必要な電源スイッチ、操作ボタン、キー、モニタ等を含む装置であり、LCDモニタと各種スイッチとで構成してもよく、タッチパネルと電源スイッチとで構成してもよい。ヒーター駆動部20は、ヒーター21を駆動する回路である。ヒーター21は、少なくとも難浸透メディアを含むメディアを加熱して乾燥させる装置である。I/F(interface)22は、外部の装置、例えばPC(Personal Computer)と接続するための装置である。バスライン23は、各回路間の制御信号やデータ信号を授受するためのラインである。尚、LCDは、Liquid Crystal Displayの略である。
図3は、図2に示したインクジェット記録装置の機能ブロック図の一例である。
インクジェット記録装置10は、記憶手段31、吐出手段32、操作表示手段33、制御手段34、乾燥手段35、撮像手段36、及び検出手段37を有する。検出手段37は、計測手段及び算出手段を含む。
図3の記憶手段31は、図2のROM12、RAM13、及びHDD14によって実現される。図3の吐出手段32は、図2のIJヘッド駆動部15及びIJヘッド16によって実現される。図3の操作表示手段33は、図2の操作表示部19によって実現される。図3の制御手段34は、図2のCPU11、ROM12、RAM13によって実現される。図3の乾燥手段35は、図2のヒーター駆動部20及び、ヒーター21によって実現される。図3の検出手段37は、図2のCPU11、ROM12、RAM13によって実現される。
[動作]
サイン&グラフィック用プリンタ等のヒーターを有するワイドフォーマットプリンタを例に挙げて説明する。
塩化ビニルやPETフィルム、ターポリンといった非浸透、難浸透メディアを使用することが多いため、オフィス用インクジェットプリンタで使用されるような普通紙と比較すると色境界にじみは生じやすい。
それでもヒーターが備えられているプリンタがほとんどであるため、メディアによって温度は異なるが、一般的には温度が高いほどインクの乾燥が速くなり、色境界にじみが生じにくくなる。
ここで、ターポリンとは、ポリエステルの織物に塩化ビニルを貼り合わせたものであり、軽量、安価で強度もあるため、横断幕や懸垂幕等の屋外広告物によく使用される。
プリンタメーカーが推奨しているメディアとプロファイルでは、基本的にヒーターや付着量等の印刷条件は色境界にじみなどの画像不具合が生じないように設定されている。
しかし、ユーザーがプロファイル等の設定を変えて使用する場合や、メーカーが保証していない印刷環境では画像不具合が生じる可能性もある。また、メーカー推奨以外のメディアを使用する場合には、最適条件をユーザー自身が調整・設定する必要があり、そのためにはプリンタに関する知識を有する担当者が必要であり、設定までに時間がかかる可能性も高い。そのような場合に本インクジェット記録装置を使用することで、色境界にじみチェックパターンの出力さえ行えば、基本的に装置が最適条件を設定することになり、設定の手間が省けることになる。
にじみについて全体のフローチャートを図4に示す。
まず、色境界にじみを生じる原因は以下の4つに分類することができる。
1.あふれにじみ
2.ランダムにじみ
3.細線にじみ
4.周期的にじみ
あふれにじみの場合、付着量過多となるので、1-1.付着量減少させることと、1-2.ヒーター温度上昇との二案が挙げられる。
ランダムにじみの場合、ヒーター温度不足もしくは付着量過多となるため、2-1.ヒーター温度上昇もしくは2-2付着量減少の二案が挙げられる。
細線にじみの場合、同一スキャン時に液滴が接触するため、3-1.上位モードもしくは3-2.ドット間引きの二案が挙げられる。
ここで、3-1.上位モードについて述べる。
通常、プリンタには、高速モードや高画質モード等のユーザーが選択できるモードが2つ以上ある。この場合、高速モードに対して高画質モードを上位モードと呼ぶ。高画質モードにすると印刷速度は低下するが、1スキャンで吐出されるインク量が少なくなるため、細線にじみが生じにくくなる。
周期的にじみの場合、色間ズレ、双方向ズレ、及び送り量ズレが挙げられる。色間ズレの場合、4-1.色間ズレ調整へ誘導し、双方向ズレの場合、4-2.双方向調整へ誘導し、送り量ズレの場合、4-3.送り量調整へ誘導することが挙げられる。
図5は、にじみの条件設定と対策までのフローチャートである。すなわちにじみの原因とそれぞれに対する効果的な対策を図5に示す。
図5において、事前準備として、各にじみ条件・にじみ幅への対策方法・変更値の設定が挙げられる(S1)。
プリンタ側では色境界にじみチェックパターンの出力(S2)、色境界にじみチェックパターンの計測(S3)、対策方法、変更値を算出(S4)、操作パネル上への表示(S5)、対策反映(S6)、もしくはユーザー調整(S7)が挙げられる。
ここで、「対策反映」は、図3の1-1〜4-3を意味する。また、「色境界にじみチェックパターン」は、全色が上下左右で隣り合うように矩形が配置されているパターンである。
各にじみの模式図を図6〜図10に示し、それらの判別方法を以下に記す。例としてイエロー(Y)とブラック(K)の例を示すが、他の色の組み合わせを用いても良い。
図6は、あふれにじみの模式図である。
イエロー(Y)とブラック(K)との間の本来の境界線はブラック(K)により浸食され、ほぼ直線状ににじんでいる。本来の境界線からにじみ出た量をにじみ長さと定義する。
図7は、ランダムにじみの模式図である。
イエロー(Y)とブラック(K)との間の本来の境界線はブラック(K)により浸食されているが、均一ではなく複数の山のようにんじんでいる。にじみの山の稜線が本来の境界線によって切り出される長さをにじみ幅と定義する。
図8は、細線にじみの模式図である。
イエロー(Y)とブラック(K)との間の本来の境界線はブラック(K)により浸食されているが、均一ではなく、細いパルス状ににじんでいる。この場合、色境界にじみ部分の形状を認識するものとする。
図9は、主走査方向の周期的にじみの模式図である。
イエロー(Y)とブラック(K)との間の本来の境界線はブラック(K)により浸食されているが、均一ではなく、本来の境界線に沿って周期的ににじんでいる。この場合、色境界にじみ部分の形状を認識するものとする。
図10は、副走査方向の周期的にじみ(送り方向ズレ)の模式図である。
イエロー(Y)とブラック(K)との間の本来の境界線はブラック(K)により浸食されているが、均一ではなく、本来の境界線に沿って周期的ににじんでいる。本来の境界線は、図8とは直交する方向のため、図の上側ににじんでいる。この場合も色境界にじみ部分の形状を認識するものとする。
図11〜15(a)、(b)は、色境界にじみチェックパターンの一例である。
これらはそれぞれの色が上下左右で接するように組み合わせている。これは、図の上下で色境界にじみが生じる場合と、図の左右で生じる場合とで原因が異なるためである。
図11は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の色境界にじみパターンである。オレンジ(Or)やグリーン(Gr)がある場合には、さらに6色の中でそれぞれが図の上下左右で接するようにパターンを作成する。
また、図12は、8色としてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、ブラック(3C-K)、(R,G,Bは二次色、3C-Kは三次色、4C-Kでもよい)の色にじみ境界パターンを示している。
しかし、二次色や三次色の方が単色よりも付着量が多いため、一般的にはこの二次色、三次色でのにじみが生じやすいと考えられる。観察装置としてのカメラのスポット径やインクジェットプリンタの解像度とにじみとの関係を考慮すると、それぞれのマスは1cm角程度が望ましい。
ここで、「二次色」、「三次色」、「四次色」とは、それぞれ二色混合色、三色混合色、四色混合色を意味する。また、「3C-K」とは3つのカラー=シアン&マゼンタ&イエローから作成するブラックを意味する。
さらに、図13〜図15(a)、(b)のような色境界にじみチェックパターンも考えられる。
図13は、8色の色境界にじみチェックパターン横の一例である。図14は、8色の色境界にじみチェックパターン縦の一例である。図15(a)、(b)は、8色の色境界にじみチェックパターン長さ半分の一例である。
この色境界チェックパターンを実際の印字シーケンスにて作成する。
色境界にじみの認識方法としては、例えばCCDイメージセンサを用いたカメラを図1に示すような位置に設置し、IJ(Ink Jet:インクジェット)ヘッド16でメディア上に色境界にじみチェックパターンを印字した後で撮影する。
小型化や低価格化のためには、CIS(Contact Image Sensor)イメージセンサを用いてもかまわないが、解像度や測定速度、精度等の観点からCCDイメージセンサを用いた方が望ましい。にじみの認識方法としては、まず基準線から±50〜100μm程度はそれぞれの組み合わせの境界部分とし、予め読み込ませていた座標から基準線を導き出し、そこからにじみ箇所の個数、位置、幅、長さを算出する。この基準線は完成画像への求める精度等によっても異なるため、変更可能とする。ここではCCDイメージセンサを用いた場合で説明したが、特許4162392号公報に開示されているように色差分布からにじみの境界線を割り出し、それぞれの個数、位置、幅、長さを算出してもよい。
まず図6の場合には、にじみ個数は1つとなり、実際には多少の凹凸はあるが、全体のにじみ長さを平均すると、にじみ長さの平均値X [mm]が、
X > a ・・・(1)
aは0<a<1となり、0.1程度となることが多いが、この関係にあるとき、図6の形状であると判定する。これを色間で比較したとき、ある特定の色のみが被覆面積が大きい場合、付着量過多である可能性が高く、対策としてはその色の付着量を減らすようにカラープロファイルを作成し直すことになる。
ここで、にじみ長さがXであるとき、インクの付着量Vは調整前の付着量Voに対して、
V=Vo×(b−X×0.1) ・・・(2)
となるように付着量を下げる。例えば、ここでb=1として、該当色のにじみ長さが1mmであれば、インク付着量(総量)を90%にし、0.5mmのときは95%にする。
また、付着量を下げたくない場合には、ヒーター温度を上げることでも対応できる。この温度上昇幅も同じように、調整後の温度Tは調整前の温度Toに対して、
T=To+c×X ・・・(3)
となるように温度調整を行う。例えば、ここでc=10として、にじみ長さが1mmであれば10℃上昇、0.5mmであれば5℃上昇といったように、にじみの程度によって温度上昇幅を調節できる。付着量減少とヒーター温度上昇の2つの対策が可能なため、プリンタの操作パネル上には、ユーザーがどちらの対策を行うか、選択できるように表示する。数式(1)、(2)、(3)のn1、n2、n3はプリンタやインクの種類等の変更によって変更できるものとする。
次に図7となるのは、にじみ箇所を複数認識した場合である。このとき、それぞれのにじみ箇所の平均にじみ幅wavg[mm]は、
avg>d ・・・(4)
となる場合に、図7と判定する。dはおよそ0.1程度に設定するとよい。この場合には付着量の問題よりも、ヒーター温度が不十分であることが多い。ここでも、図6の場合と同様に、にじみ幅に合わせてヒーター温度や付着量を変化させることで色境界にじみを抑制することができる。図6との違いとしては、ヒーター温度不足が原因であることが多いため、対策としてはヒーター温度上昇を優先的にユーザーに推奨することになる。さらには、1スキャンごとの乾燥待ち時間を設定することも有効である。
図8となるのは、図7とは逆に、
avg<d ・・・(5)
となる。これは、同一スキャン時に異色間のドットが接触してにじみが生じていると考えられ1スキャンでの塗布量を減らす必要がある。そのため、対策方法としてはスキャン数を増やすようなモード(上位モード)に変更することなどが考えられる。また、特開2003-165692号公報に開示されているように、色境界にじみの隣接ドットを間引く方法や、ピエゾ式インクジェットの場合、滴サイズを小さくすることも対策の1つとして挙げられる。さらには特許3227284号公報のように、隣接ドットは別のスキャンで形成するようなシーケンスにすることも有効である。
さらに、図9となるのは、意図的に同一位置に異色のインクが塗布されている可能性が高く、ヘッド位置の調整が必要であると考えられる。このような違いは、厚さの異なるメディアに変更したとき等に生じやすい。インクジェットヘッドのスキャン方向を横としたとき、図9はスキャン方向のズレであるため、往方向印字と復方向印字とがずれており、双方向印刷の自動調整がプログラムされている機種の場合には、自動的に調整モードへ移行する。双方向印刷の自動調整がプログラムされていない場合には、ユーザーに対して調整を促すような表示が必要となる。また、ヘッド間、もしくは色間の吐出タイミングがずれている可能性もあるため、同様にヘッド位置調整を行うシーケンスが必要となる。図10のときは、副走査のズレであるため、送り量がずれている可能性が高く、同様に自動調整か、ユーザーへの調整を促すように表示する。
本実施の形態では、サイングラフィック用プリンタを想定して、ヒーターを有することを前提として記載したが、オフィス向けのインクジェットプリンタや、連帳機のような大型のプリンタにおいても同様に考えられ、温度に関する以外の対策は行うことができる。また、対策方法に関して、毎回ユーザーに確認する手順で示したが、自動的に対策決定まで行うシーケンスでもよい。さらに、式(1)〜(5)中のa, b, c, dは開発者、もしくはユーザーが自由に設定できるものとし、使用環境によって使い分けることが可能となる。
<実施形態2>
図16は、他の実施形態に係る全体構成を示す外観斜視図である。
カメラ18を小型化することができれば、図16のようにIJヘッド16と同じレールに沿って移動するように構成してもよい。
<実施形態3>
図17(a)、(b)は、インクジェットプリンタとカメラとの関係を示す模式図である。図17(a)は、インク塗布時を示し、図17(b)は、画像撮影時を示す。
ヒーターを有するインクジェットプリンタの場合には、ヒーターとカメラ18との間の距離が近いと、カメラ18に内蔵されたCCDイメージセンサの温度が上昇し、不具合が生じるおそれがある。このため、図17(a)のように、印字中はカメラ18がIJヘッド16の上方の第一の位置で待機し、撮像時には図17(b)のようにカメラ18が第一の位置より低く、メディアに近い第二の位置まで下降する、というように昇降可能である構成が望ましい。
尚、図中IJヘッド16の両側の両矢印はメンテナンス時には上昇させ、印字時には降下させることを意味する。昇降機構については、カメラ18の昇降機構と同様である。
図18は、他の実施形態に係る全体構成を示すハードウェアブロック図であり、図19は、図18の機能ブロック図である。
図18に示した実施形態の図2に示した実施形態との相違点は、昇降装置24を有する点である。図19に示した昇降手段38は、図18の昇降装置24によって実現できる。昇降装置24としては、鉛直に配置された送りネジと、送りネジを回転駆動するモーターと、送りネジに設けられたボールナットと、送りネジと平行なリニアガイドと、で構成される。
<プログラム>
以上で説明した本発明に係るインクジェット記録装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。よって、一例として、プログラムにより本発明の機能を実現する場合の説明を以下で行う。
例えば、
インクジェット記録装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
コンピュータに、
吐出部が、複数色のインクを記録媒体に吐出する手順、
撮像部が、吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像する手順、
検出部が、色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出する手順、
制御部が、検出部が検出したにじみ度に基づいて、吐出部からのインク吐出を制御する手順、
を実行させるためのプログラムが挙げられる。
また、
インクジェット記録装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
コンピュータに、
吐出部が、複数色のインクを記録媒体に吐出する手順、
乾燥部が、吐出部によって記録媒体に吐出されたインクを乾燥する手順、
撮像部が、吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像する手順、
検出部が、色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出する手順、
制御部が、検出部が検出したにじみ度に基づいて、乾燥部の乾燥強度を制御する手順、
を実行させるためのプログラムを挙げることもできる。
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
<記憶媒体>
ここで、記憶媒体としては、例えばCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、フラッシュメモリ、RAM、ROM、FeRAM等の半導体メモリやHDDが挙げられる。
CD-ROMは、Compact Disc Read Only Memoryの略である。フレキシブルディスクは、Flexible Disk:FDを意味する。CD-Rは、CD Recordableの略である。FeRAMは、Ferroelectric RAMの略で、強誘電体メモリを意味する。
<作用効果>
以上、本実施形態によれば、予め設定した色境界にじみチェックパターンを印刷し、印刷画像を観察することで色境界にじみの程度を数値化し、にじみの模様から原因を特定し、対策とその程度を自動的にフィードバックすることができるシーケンスが組まれている。この結果、色境界にじみなく画像を形成する条件を自動的に得ることができる。
すなわち、色境界にじみの形状、程度を認識することによって対策方法を自動的に提示したり、処理したりし、最適な印刷条件を得ることができる。
ここで、処理とは、撮影した画像から不具合のレベルと原因を認識・判断し、予め蓄積されていたデータから適切な対策を選択し、次回の印刷からその対策を用いた条件を用いることである。
また、本実施形態によれば、にじみが生じやすいメディアにとって特に有効であり、対策として、ドット間引きの際に大滴を小滴にでき、付着量過多に対する対策を行うことができる。また、スキャン方向、送り方向の原因判定、また装置ばらつきをなくすことができる。高精細な画像認識を行うことができる。ヒーターによる温度上昇で不具合を防ぐことができる。効率的にインクジェット塗布、画像認識を行うことができる。
尚、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
10 インクジェット記録装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 HDD
15 IJヘッド駆動部
16 IJヘッド
17 カメラ駆動部
18 カメラ
19 操作表示部
20 ヒーター駆動部
21 ヒーター
22 I/F
23 バスライン
24 昇降装置
31 記憶手段
32 吐出手段
33 操作表示手段
34 制御手段
35 乾燥手段
36 撮像手段
37 検出手段
38 昇降手段
特許4162392号公報

Claims (13)

  1. 複数色のインクを記録媒体に吐出する吐出部と、
    前記吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像する撮像部と、
    前記色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出する検出部と、
    前記検出部が検出したにじみ度に基づいて、前記吐出部からのインク吐出を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 複数色のインクを記録媒体に吐出する吐出部と、
    前記吐出部によって記録媒体に吐出されたインクを乾燥する乾燥部と、
    前記吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像する撮像部と、
    前記色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出する検出部と、
    前記検出部が検出したにじみ度に基づいて、前記乾燥部の乾燥強度を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記記録媒体は、非浸透メディアもしくは難浸透メディアであることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  4. 吐出部は、ピエゾ式インクジェットであることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記記録媒体に吐出される、異なる色のインクの色境界部のにじみをチェックするための色境界にじみチェックパターンは、単色もしくは複数の色を含むことを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  6. 色境界にじみチェックパターンは、全色が上下左右で隣り合うように配置されていることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記撮像部は、CCDカメラであることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記撮像部は、インク吐出時は前記記録媒体から離れた第一の位置に上昇可能であり、インク吐出後は、前記第一の位置より低く、前記記録媒体に近い第二の位置に下降可能であることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記撮像部は、前記吐出部を内蔵したインクジェットキャリッジを主走査方向に移動させるためのレールと平行なレールに沿って移動可能なキャリッジに内蔵されていることを特徴とする請求項3記載のインクジェット記録装置。
  10. 複数色のインクを記録媒体に吐出する吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像し、
    前記色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出し、
    検出したにじみ度に基づいて、前記吐出部からのインク吐出を制御することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  11. 複数色のインクを記録媒体に吐出する吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像し、
    前記色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出し、
    検出したにじみ度に基づいて、前記記録媒体に吐出されたインクを乾燥する乾燥部の乾燥強度を制御することを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  12. インクジェット記録装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    吐出部が、複数色のインクを記録媒体に吐出する手順、
    撮像部が、前記吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像する手順、
    検出部が、前記色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出する手順、
    制御部が、前記検出部が検出したにじみ度に基づいて、前記吐出部からのインク吐出を制御する手順、
    を実行させるためのプログラム。
  13. インクジェット記録装置のコンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    吐出部が、複数色のインクを記録媒体に吐出する手順、
    乾燥部が、前記吐出部によって記録媒体に吐出されたインクを乾燥する手順、
    撮像部が、前記吐出部によって吐出された複数色のインクの色境界部を撮像する手順、
    検出部が、前記色境界部における所定範囲内において、にじみ度を検出する手順、
    制御部が、前記検出部が検出したにじみ度に基づいて、前記乾燥部の乾燥強度を制御する手順、
    を実行させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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