JP2013201030A - 高圧放電ランプ点灯装置及びそれを用いたプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】電力差の大きい点灯モード間で点灯モード切り替えが行われる際にも、フリッカの発生や不要な保護動作の誘発を防止する高圧放電ランプ点灯装置を提供する。
【解決手段】高圧放電ランプに電力を供給する電力供給回路、及び入力されるモード指令信号に従って電力供給回路の出力モードを切り替える制御回路を備えた高圧放電ランプ点灯装置が提供される。出力モードは、定格ランプ電力を出力する定格点灯モード、定格ランプ電力よりも低い第1のランプ電力を出力する第1の調光モード、及び第1のランプ電力よりも低くかつ定格ランプ電力の20〜50%の第2のランプ電力を出力する第2の調光モードからなる。出力モードが第2の調光モードである場合に定格点灯モードを示すモード指令信号が入力されたときに、制御回路は第2の調光モードを第1の調光モードに切り替え、第1の調光モードを所定期間にわたって継続してから定格点灯モードに切り替える。
【選択図】図2A

Description

本発明は高圧放電灯点灯装置及びそれを用いたプロジェクタに関し、特に、点灯電力を切り替える機能を有する高圧放電灯点灯装置及びプロジェクタに関する。
従来から、プロジェクタ等の光源装置に用いる高圧放電ランプ点灯装置において、点灯モードを切り替える調光機能を有するものが知られている。この点灯モードの例として、定格ランプ電力で点灯を行う定格点灯モード、定格点灯モード時よりもランプ電力を低下させたエコ点灯モード、及びエコ点灯モード時よりもさらにランプ電力を低下させた小電力点灯モード等がある。
例えば、特許文献1は、点灯装置外部からの点灯電力指令に従って点灯モードを切り替える高圧放電ランプ点灯装置を開示する。同文献において、点灯モードはノーマルモード(定格点灯)、エコモード(エコ点灯)及びスーパーエコモード(小電力点灯)からなる。エコモードにおけるランプ電力は定格ランプ電力の80%程度であり、スーパーエコモードにおけるランプ電力は定格ランプ電力の60%〜40%である。同文献には、ランプ電流周波数を制御していずれの点灯モードにおいても電極先端の突起を維持し、その突起に放電アークの起点が定まるようにしてフリッカの発生を防止することが開示されている。
特開2010−123478号公報
しかし、上記のような高圧放電ランプ点灯装置においては、小電力点灯モードから定格点灯モードに切り替える際に電極先端の突起が溶解及び消失し、定格点灯モードにおいてフリッカが発生し得るという問題がある。この突起の消失は以下の理由によるものと推定される。小電力点灯モードから定格点灯モードに移行する際、放電アークのエネルギーが増大し、電極に付与される熱量が瞬時に増大する。この時、まず電極本体部分よりも熱容量の小さい突起部で温度が急激に上昇し、その後、熱容量の大きい電極本体部分の温度が上昇していく。即ち、上記点灯モード切り替えの際に突起部の温度が瞬間的に過度に上昇し、これにより突起が溶解・消失してしまう。
また、上記のような高圧放電ランプ点灯装置において、定格点灯モードから小電力点灯モードに切り替える際にも問題が発生する。図6は、一般的な点灯装置において、点灯モードを定格点灯モード(ランプ電力:330W/ランプ電圧:約120V)と小電力点灯モード(ランプ電力:100W/ランプ電圧:約75V)との間で切り替えた際のランプ電圧の変化を示す。なお、同図は比較的寿命が進んだランプ(即ち、ランプ電圧がいずれの点灯モードにおいても比較的高いランプ)におけるランプ電圧変化を示す。図示するように、定格点灯モード(330W/120V)から小電力点灯モード(100W/75V)への切り替え時に、ランプ電圧が一時的に高い状態、即ち、定格点灯モードよりも15V程度上昇した状態となることが分かる。一般的な点灯装置においては、ランプ電圧が所定の閾値(例えば135±5V)を超えると、ランプが寿命末期であると検出手段が判断し、保護動作を発動してランプを消灯する。従って、寿命が進んだランプにおいては、点灯モード切り替え時に一時的に上昇したランプ電圧によってランプ寿命末期検出の不要な保護動作が誘発される場合があるという問題があった。
図6に示すようなランプ電圧の一時的な上昇は次の原因によるものと推定される。小電力点灯状態への瞬時的な移行に伴い発光管内圧が急激に低下するとともに圧力分布が不安定な状態となる。これにより、アークが浮上し、即ち、細くなったアークの腹部が上方に湾曲し、アーク長が長くなる。この一時的なアーク長の伸張によってランプ電圧も一時的に上昇する。その後、発光管内圧の圧力分布が安定してくると、アークの浮上が治まり、ランプ電圧は定常状態のものとなる。
そこで、本発明は、電力差の大きい点灯モード間で点灯モード切り替えが行われる際にも、フリッカの発生や不要な保護動作の誘発を防止してランプの安定点灯を確実に維持することができる高圧放電ランプ点灯装置を提供することを課題とする。
本発明の第1の側面は、内部に一対の電極が対向配置された高圧放電ランプに電力を供給する電力供給回路、及び入力されるモード指令信号に従って電力供給回路の出力モードを切り替える制御回路を備えた高圧放電ランプ点灯装置である。出力モードは、高圧放電ランプの定格ランプ電力を出力する定格点灯モード、定格ランプ電力よりも低い第1のランプ電力を出力する第1の調光モード、及び第1のランプ電力よりも低くかつ定格ランプ電力の20〜50%の第2のランプ電力を出力する第2の調光モードからなる。出力モードが第2の調光モードである場合に定格点灯モードを示すモード指令信号が入力されたときに、制御回路が、第2の調光モードを第1の調光モードに切り替え、第1の調光モードを所定期間にわたって継続してから定格点灯モードに切り替えるように構成される。
本発明の第2の側面は、内部に一対の電極が対向配置された高圧放電ランプに電力を供給する電力供給回路、及び入力されるモード指令信号に従って電力供給回路の出力モードを切り替える制御回路を備えた高圧放電ランプ点灯装置である。出力モードは、高圧放電ランプの定格ランプ電力を出力する定格点灯モード、定格ランプ電力よりも低い第1のランプ電力を出力する第1の調光モード、及び第1のランプ電力よりも低くかつ定格ランプ電力の20〜50%の第2のランプ電力を出力する第2の調光モードからなる。出力モードが定格点灯モードである場合に第2の調光モードを示すモード指令信号が入力されたときに、制御回路が、定格点灯モードを第1の調光モードに切り替え、第1の調光モードを所定期間にわたって継続してから第2の調光モードに切り替えるように構成される。
上記第1又は第2の側面の高圧放電ランプ点灯装置において、所定期間を5秒以上15秒以下とすることが望ましい。
また、50Hz以上1kHz未満を低周波、500Hz以上で低周波より高い周波数を高周波と定義した場合に、第1及び第2の調光モードの少なくとも一方におけるランプ電流波形の1ユニットが、半サイクルの低周波矩形波の後に1サイクル以上の高周波矩形波が挿入され、高周波矩形波の少なくとも直前の低周波矩形波と同極性側の半サイクルの電流実効値が直前の低周波矩形波の実効値よりも高い波形からなるようにしてもよい。
本発明の第3の側面は、高圧放電ランプ、高圧放電ランプが取り付けられるリフレクタ、上記の高圧放電ランプ点灯装置、モード指令信号を高圧放電ランプ点灯装置に入力するための調光信号生成手段、及び高圧放電ランプ点灯装置を内包する筐体を備えたプロジェクタである。
本発明の高圧放電ランプ点灯装置を示す図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置の動作を説明する図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置の動作を説明する図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置における出力電流波形例を示す図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置における出力電流波形例を示す図である。 本発明の高圧放電ランプ点灯装置における出力電流波形例を示す図である。 本発明のプロジェクタの概略構成図である。 一般的な高圧放電ランプを示す図である。 従来の高圧放電ランプ点灯装置の動作を説明する図である。
図1に本発明の実施例による高圧放電灯点灯装置(以下、「点灯装置」という)の回路構成を示す。点灯装置は、交流入力を直流化する整流平滑回路10、整流平滑回路10の出力電圧を降下して高圧放電灯(以下、「ランプ」という)60への電流を制限する降圧チョッパ回路20、降圧チョッパ回路20の出力を交流電流に変換してランプ60に投入するフルブリッジ回路40、調光信号生成手段80からのモード指令信号に応じて降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路40を制御する制御回路30、並びにイグナイタ50からなる。図5に示すように、ランプ60の内部には一対の電極61が対向配置され、各電極先端の突起61a間でアーク放電が形成される。
なお、本明細書では、整流平滑回路10、降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路40を含んだ部分を電力供給回路というものとする。但し、点灯装置外部から直流電圧が供給される場合には整流平滑回路10は不要であるので、この場合は、回路20及びフルブリッジ回路40を含んだ部分を電力供給回路というものとする。また、電力供給回路は所望の波形の交流電流を出力できれば他の周知の回路構成であってもよい。
降圧チョッパ回路20は、点灯中においては、ランプ電力が所定値となるように制御回路30によってPWM制御される。具体的には、ランプ電圧検出抵抗31及び32によって検出されるランプ電圧とランプ電流検出抵抗33によって検出されるランプ電流の積(即ち、ランプ電力)がプロセッサ(マイクロコンピュータ)35に記憶された電力設定値と一致するようにPWM制御回路34によってトランジスタ21がPWM制御される。
フルブリッジ回路40では、ブリッジ制御回路45が、プロセッサ35において設定された反転タイミングでトランジスタ41及び44とトランジスタ42及び43とを交互にオン・オフ駆動する。これにより、所望の反転タイミングで極性が切り替わるランプ電流波形を形成できる。
なお、イグナイタ回路50はランプ始動時に動作し、ランプ点灯開始後は非動作状態となる。本発明はランプ点灯中の動作に関するものであるため、イグナイタ回路50の説明は省略する。
上述したように、電力供給回路においては、プロセッサ35、PWM制御回路34及びブリッジ制御回路45を含む制御回路30によって、降圧チョッパ回路20の出力電流値及びフルブリッジ回路40の極性反転タイミングが制御される。これにより、所望の電力及び波形の出力電流がランプ60に投入される。
本実施例の点灯装置は主にプロジェクタ用のものを想定している。調光信号生成手段80は、ユーザから入力される点灯モードに応じたモード指令信号をプロセッサ35に入力する。制御回路30(特に、プロセッサ35)は、入力されるモード指令信号に従って電力供給回路の出力モードを切り替える。
点灯モード(又は出力モード)には、定格点灯モード、エコ点灯モード(第1の調光モード)及び小電力点灯モード(第2の調光モード)がある。定格点灯モードでは、定格ランプ電力が電力供給回路からランプ60に投入され、全光点灯が行われる。
エコ点灯モードでは、定格ランプ電力の約70〜80%のランプ電力が電力供給回路からランプ60に投入される。投影されるスクリーン周辺の明るさや投影される映像の種類によっては映像が明るくなり過ぎないようにしたい場合があるが、このような場合にエコ点灯モードが適用され得る。
小電力点灯モードでは、定格ランプ電力の約20〜50%のランプ電力が電力供給回路からランプ60に投入される。ユーザが映像をほとんど見ていない待機時はプロジェクタの消費電力を極力抑えた方が良い。しかし、ランプを消灯させてしまうと、ランプが冷却されるまで再点灯を行うことができず、再点灯後も数分間は全光(定格)の明るさに到達しないため、ユーザは映像の視聴を待たなければならない。従って、使用待機中は、ランプを消灯させるのではなく小電力点灯モードを適用してランプ60を低出力状態で点灯させておくことが好ましい。
より具体的には、プロセッサ35はモード指令信号に応じてPWM制御回路34にPWM制御を実行させる。また、プロセッサ35は、このPWM制御と併せて、フルブリッジ制御回路45に周波数制御又は周波数及び反転タイミング制御(即ち、電流波形制御)を実行させるようにしてもよい。電流波形制御については後述する。
図2A及び2Bを参照して本実施例における点灯モード切り替えを説明する。本実施例では、ランプ電力は、定格点灯モードにおいては330W、エコ点灯モードにおいては264W(80%)、小電力点灯モードにおいては100W(30%)である。但し、ランプ電力値は上記に限られず、定格点灯モードにおけるランプ電力は220W等であってもよい。
図2Aにおいては、まず、出力モードとして小電力点灯モードが適用されている。そして、プロセッサ35は、定格点灯モードを示すモード指令信号が入力されると、小電力点灯モードをエコ点灯モードに切り替え、エコ点灯モードを所定期間にわたって継続してから定格点灯モードに切り替える制御を行う。なお、ランプ消灯時の状態は、プロセッサ35に記憶されているため、小電力点灯モードで消灯した場合は、出力モードとして小電力点灯モードが適用される。
上記のように、ランプ電力を小電力点灯モードから定格点灯モードに上昇させる際にエコ点灯モードを経由することによって、放電アークのエネルギーの増大に伴って電極に付与される熱量が瞬時的にではなく段階的に増大することになる。これにより、熱容量の小さい電極先端の突起部に温度上昇が集中することなく、電極全体において温度が上昇するようにすることができる。即ち、上記点灯モード切り替えの際の瞬間的かつ過度な突起部の温度上昇が防止され、突起が溶解・消失せずに維持される。これにより、定格点灯モードへの点灯モード切り替え直後のフリッカの発生が防止される。また、副次的な効果として、視覚的に2段階の照度上昇がスクリーン上で観察されるので、ユーザは、最終的に到達した点灯モードがエコ点灯モードではなく定格点灯モードであることを確実に認識することができる。
なお、エコ点灯モードの継続時間について、5秒よりも短いと上記の突起維持の効果が得難くなり、15秒よりも長いと、定格点灯移行までのユーザにおける待ち時間が許容範囲を超える可能性がある。従って、エコ点灯モードの継続時間は5秒以上15秒以下が好ましい。
一方、図2Bにおいては、まず、出力モードとして定格点灯モードが適用されている。そして、プロセッサ35は、小電力点灯モードを示すモード指令信号が入力されると、小電力点灯モードをエコ点灯モードに切り替え、エコ点灯モードを所定期間にわたって継続してから小電力点灯モードに切り替える制御を行う。
上記のように、ランプ電力を定格点灯モードから小電力点灯モードに下降させる際にエコ点灯モードを経由することによって、発光管内圧の急激な低下が軽減され、圧力分布が不安定になることはない。これによりアークの浮上によるランプ電圧の急峻な上昇が防止され、ランプ寿命末期検出による不要な保護動作が誘発されなくなる。また、図2Aに示す例と同様に、副次的な効果として、視覚的に2段階の照度降下がスクリーン上で観察されるので、ユーザは、最終的に到達した点灯モードがエコ点灯モードではなく小電力点灯モードであることを確実に認識することができる。
なお、エコ点灯モードの継続時間について、5秒よりも短いと上記の保護動作誘発防止の効果が得難く、15秒よりも長いと、小電力点灯移行までのユーザにおける待ち時間が許容範囲を超える可能性がある。従って、エコ点灯モードの継続時間は5秒以上15秒以下が好ましい。
なお、上記実施例では、点灯モード切り替えにおける上昇段階(図2A)及び下降段階(図2B)の双方でエコ点灯モードを継続する例を示したが、上昇段階のみ又は下降段階のみでエコ点灯モード継続期間を設けるようにしてもよい。
例えば、ランプ電圧が低く、突起の多少の溶融が問題とならない場合、あるいは突起を溶融させた方が良い場合は、点灯モード上昇段階でのエコ点灯モード継続期間を省略又は短縮してもよい。具体的には、プロセッサ35において、検出ランプ電圧が所定値以下の場合(即ち、突起が成長してアーク長が短くなっている場合)には点灯モード上昇段階でのエコ点灯モード継続期間を省略又は短縮してもよい。
また、ランプが寿命初期の場合、定格点灯モードにおけるランプ電圧はせいぜい70V程度なので、点灯モード切り替え時の15V程度の急峻なランプ電圧上昇があったとしてもランプ寿命末期検出の閾値(例えば135±15V)を超えることはない。このように、ランプが寿命末期でない場合は、点灯モード下降段階のエコ点灯モード継続期間を省略してもよい。また、ランプ寿命が進むにつれて点灯モード下降段階でのエコ点灯モード継続期間を長くするようにしてもよい。具体的には、プロセッサ35において、定格点灯時の検出ランプ電圧に対して、点灯モード下降段階でのエコ点灯モード継続時間が長くなるようにしてもよい。あるいは、プロセッサ35において、累積点灯時間をカウントし、累積点灯時間の増加に対して、点灯モード下降段階でのエコ点灯モード継続時間が長くなるようにしてもよい。
図3A〜3Cに、上記電流波形制御で適用され得る出力電流波形例を示す。なお、以降の説明において、50Hz以上1kHz未満を低周波、この低周波より高く500Hz以上の周波数を高周波と定義する。図3Aに示す例では、出力電流波形の1ユニットにおいて、半サイクルの低周波矩形波の後に1サイクルの高周波矩形波が挿入され、高周波矩形波の直前の低周波矩形波と同極性側の半サイクル(即ち、後半の半サイクル)の電流実効値が直前の低周波矩形波の実効値よりも高い。図3Bに示す例では、出力電流波形の1ユニットにおいて、半サイクルの低周波矩形波の後に1サイクルの高周波矩形波が挿入され、高周波矩形波の電流実効値が直前の低周波矩形波の実効値よりも高い。また、図3Cに示すように、出力電流波形の1ユニットにおいて、半サイクルの低周波矩形波の後に複数サイクルの高周波矩形波が挿入されるようにしてもよい。上記の各電流波形はランプの特性を考慮して適宜定めればよい。なお、高周波矩形波における電流のピーク値は低周波矩形波における電流のピーク値の1.1倍〜2.0倍程度が好ましいことが経験上分かっている。
上記の電流波形(以下、「フリッカ抑制波形」という)は、特に調光時においてフリッカを防止する効果を持つ。ここでいうフリッカとは、高圧放電灯の点灯中に放電アークの起点が電極上を転々と移動してしまい、それにより光出力がちらついてしまう(変化してしまう)現象をいう。電極が突起状に成長する現象は必ずしも明確ではないが下記のように推測される。加熱させたタングステンが蒸発したことによって発光管内に存在するハロゲン等と結合し、タングステン化合物を形成する。このタングステン化合物は対流などによって管璧付近から電極先端付近へ拡散し、高温部でタングステン原子に分解される。そしてタングステン原子はアーク中で電離することで陽イオンとなる。交流点灯している両電極が陽極と陰極を点灯周波数ごとに繰り返すが、この陰極動作をしている時にアーク中の陽イオンは、電界によって陰極側に引き寄せられることで両電極先端に析出され、それが突起を形成するものと考えられている。
より具体的には、フリッカが発生し易い小電力点灯モード又はエコ点灯モードの少なくとも一方におけるランプ電流波形を図3A〜3Cのいずれかのフリッカ抑制波形とし、残りの点灯モードにおけるランプ電流波形を矩形波にすることができる。フリッカ抑制波形はフリッカを抑制する効果がある反面、その波形を出力する点灯装置からの騒音が通常の矩形波点灯時よりも若干大きい場合もある。ここで、小電力点灯モードにおいては、ユーザが映像を見ることを前提としていないのでフリッカの発生は問題とならない。従って、小電力点灯モードにおいてはフリッカ抑制波形ではなく通常の矩形波を適用して騒音を防止してもよい。また逆に、小電力点灯モードにおいては、ユーザが映像を視聴することを前提としていないので騒音の発生が問題とならない場合がある。従って、この場合は、小電力点灯モードにおいてフリッカ抑制波形を適用してもよい。なお、定格点灯モードにおいてフリッカ抑制波形を適用することもできる。またさらに、各点灯モードにおいて、フリッカ抑制波形を通常の矩形波に対して間欠的に挿入するようにしてもよい。
以上より、本発明の点灯装置によると、電力差の大きい点灯モード間で点灯モード切り替えが行われる際にも、フリッカの発生や不要な保護動作の誘発を防止してランプの安定点灯を確実に維持することができる。
図4に本発明のプロジェクタの概略構成を示す。プロジェクタは、上記点灯装置である点灯装置70、点灯装置70に接続されるランプ60、ランプ60が取り付けられるリフレクタ71、モード指令信号を点灯装置70に入力するための調光信号生成手段80、及び点灯装置70、ランプ60及びリフレクタ71を収容する筐体72を備える。そして、不図示の映像系の構成部材が筐体72内部に装備されてプロジェクタを構成することができる。調光信号発生手段80は、筐体72に取り付けられた操作ボタンやスイッチであってもよいし、点灯装置の制御回路30と通信可能なリモコンであってもよい。なお、図4は本発明のプロジェクタを模擬的に図示したものであり、寸法、配置などは図面通りではない。
上記構成により、小電力点灯モードから定格点灯モードへの移行直後のフリッカが発生せず、あるいは、定格点灯モードから小電力点灯モードへの移行直後の不要な保護動作による消灯が誘発されないプロジェクタを提供することができる。また、点灯モード切り替えの際の到達点灯モードの視覚的な確認が容易なプロジェクタを提供することができる。
10.整流平滑回路
20.降圧コンバータ回路
30.制御回路
40.交流変換回路
50.イグナイタ回路
60.高圧放電ランプ(ランプ)
70.点灯装置
80.調光信号生成手段

Claims (5)

  1. 内部に一対の電極が対向配置された高圧放電ランプに電力を供給する電力供給回路、及び入力されるモード指令信号に従って該電力供給回路の出力モードを切り替える制御回路を備えた高圧放電ランプ点灯装置であって、
    前記出力モードが、前記高圧放電ランプの定格ランプ電力を出力する定格点灯モード、該定格ランプ電力よりも低い第1のランプ電力を出力する第1の調光モード、及び該第1のランプ電力よりも低くかつ該定格ランプ電力の20〜50%の第2のランプ電力を出力する第2の調光モードからなり、
    前記出力モードが前記第2の調光モードである場合に前記定格点灯モードを示すモード指令信号が入力されたときに、前記制御回路が、該第2の調光モードを前記第1の調光モードに切り替え、該第1の調光モードを所定期間にわたって継続してから該定格点灯モードに切り替えるように構成された高圧放電ランプ点灯装置。
  2. 内部に一対の電極が対向配置された高圧放電ランプに電力を供給する電力供給回路、及び入力されるモード指令信号に従って該電力供給回路の出力モードを切り替える制御回路を備えた高圧放電ランプ点灯装置であって、
    前記出力モードが、前記高圧放電ランプの定格ランプ電力を出力する定格点灯モード、該定格ランプ電力よりも低い第1のランプ電力を出力する第1の調光モード、及び該第1のランプ電力よりも低くかつ該定格ランプ電力の20〜50%の第2のランプ電力を出力する第2の調光モードからなり、
    前記出力モードが前記定格点灯モードである場合に前記第2の調光モードを示すモード指令信号が入力されたときに、前記制御回路が、該定格点灯モードを前記第1の調光モードに切り替え、該第1の調光モードを所定期間にわたって継続してから該第2の調光モードに切り替えるように構成された高圧放電ランプ点灯装置。
  3. 請求項1又は2に記載の高圧放電ランプ点灯装置において、前記所定期間が5秒以上15秒以下である高圧放電ランプ点灯装置。
  4. 請求項1又は2に記載の高圧放電ランプ点灯装置において、50Hz以上1kHz未満を低周波、500Hz以上で該低周波より高い周波数を高周波と定義した場合に、
    前記第1及び第2の調光モードの少なくとも一方におけるランプ電流波形の1ユニットが、半サイクルの低周波矩形波の後に1サイクル以上の高周波矩形波が挿入され、該高周波矩形波の少なくとも直前の低周波矩形波と同極性側の半サイクルの電流実効値が該直前の低周波矩形波の実効値よりも高い波形からなる高圧放電ランプ点灯装置。
  5. 高圧放電ランプ、該高圧放電ランプが取り付けられるリフレクタ、請求項1又は2に記載の高圧放電ランプ点灯装置、前記モード指令信号を該高圧放電ランプ点灯装置に入力するための調光信号生成手段、及び該高圧放電ランプ点灯装置を内包する筐体を備えたプロジェクタ。
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