JP2010080137A - 高圧放電灯点灯装置、照明器具 - Google Patents

高圧放電灯点灯装置、照明器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2010080137A
JP2010080137A JP2008244949A JP2008244949A JP2010080137A JP 2010080137 A JP2010080137 A JP 2010080137A JP 2008244949 A JP2008244949 A JP 2008244949A JP 2008244949 A JP2008244949 A JP 2008244949A JP 2010080137 A JP2010080137 A JP 2010080137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge lamp
voltage
circuit
pressure discharge
wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008244949A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Yamahara
大輔 山原
Nobutoshi Matsuzaki
宣敏 松崎
Takeshi Kamoi
武志 鴨井
Akira Osada
暁 長田
Naoki Komatsu
直樹 小松
Jun Kumagai
潤 熊谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Electric Works Co Ltd filed Critical Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority to JP2008244949A priority Critical patent/JP2010080137A/ja
Priority to CA2679816A priority patent/CA2679816C/en
Priority to EP09012050.2A priority patent/EP2170019A3/en
Priority to CN2009101786241A priority patent/CN101686594B/zh
Priority to US12/585,773 priority patent/US8115405B2/en
Publication of JP2010080137A publication Critical patent/JP2010080137A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • Y02B20/14
    • Y02B20/204

Abstract

【課題】高圧放電灯の始動時に半波放電が発生した場合に、速やかに両波の適切な放電に移行させる。
【解決手段】半波放電検出回路6は、高圧放電灯DLが絶縁破壊した後、その高圧放電灯DLの略定格ランプ電圧に達するまでの始動初期に、異なる極性の電圧差もしくは電流差の絶対値が、正常点灯時における矩形波交流出力の各半周期の電圧差もしくは電流差の最大ばらつき値よりも大きいことが検出された場合に半波放電現象であると判別し、制御回路7は、半波放電検出回路6により半波放電現象であると判別されたときに、直流電源回路2または電力供給回路(降圧チョッパ回路3及びインバータ回路4)または始動回路5のうち少なくとも1つの出力を調整することにより、負荷電圧の高い極性の矩形波半周期の電圧値と負荷電圧の低い極性の矩形波半周期の電圧値とを近づけるように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は高圧放電灯点灯装置、およびこれを用いた照明器具に関するものである。
高圧放電灯は、高輝度・高光出力の照明として広く使用されているが、放電ランプの一種であり、安定な点灯のためには、安定器と呼ばれる点灯装置が必要である。点灯装置には、主にインダクタンスで構成される銅鉄式と、電子回路のスイッチング制御を利用した電子式とがあるが、近年では、省電力の観点から、電子式の普及が増加している。
(従来例1)
電子式の高圧放電灯点灯装置の一例を、図21に示す。この高圧放電灯点灯装置は、商用交流電源1に接続され、その交流電圧を整流する整流器DBと、整流器DBで整流された電圧を入力として直流電圧Vdcを出力する直流電源回路2と、直流電圧Vdcを矩形波交流電圧に変換して、高圧放電灯DLに印加するインバータ回路4と、高圧放電灯DLの始動・再始動のための高電圧を発生する始動回路5と、高圧放電灯DLの状態を検出する検出回路部6と、インバータ回路4のスイッチング素子Q3〜Q6を制御する制御回路7と、直流電源回路2のスイッチング素子Q1を制御する制御回路9とから構成されている。
検出回路部6は、高圧放電灯DLの状態として、高圧放電灯DLの両端への印加電圧を検出する検出回路6aと、検出回路6aの出力を受けて、半波放電状態の有無を検出する半波放電検出部6bを備えている。
制御回路7は、検出回路部6の検出結果により、高圧放電灯DLの点灯・非点灯を判別する点灯判別手段7aと、点灯判別手段7aの点灯判別信号を受けて、インバータ回路4の動作を、高圧放電灯DLの始動用の高電圧を発生するための第1の動作状態と、高圧放電灯DLを安定に点灯するための第2の動作状態に切替える切替回路7bと、検出回路部6の検出結果を受けて、スイッチング素子Q5およびQ6のチョッピング周波数およびON期間を決定する演算回路7cを備えており、演算回路7cの出力は、切替回路7bを通して、第2の動作状態の時に、各スイッチング素子Q3〜Q6を制御する。
制御回路9は、直流電源回路2の出力電圧Vdcを検出するVdc検出回路9aと、Vdc検出回路9aの検出結果に応じて、スイッチング素子Q1を制御するQ1制御回路9bとから構成されている。
図21の高圧放電灯点灯装置の各部の波形を図22に示す。商用交流電源Vsの投入から、高圧放電灯DLが安定点灯するまでの動作を示しており、上から商用交流電源1の交流電圧Vs、直流電源回路2としての昇圧チョッパ回路の出力電圧Vdc、高圧放電灯(HIDランプ)DLの両端電圧Vo、ランプ電流Io、点灯判別手段7aの出力、スイッチング素子Q3〜Q6の動作状態を示している。
商用交流電源Vsが投入されると、直流電源回路2は、制御回路9がスイッチング素子Q1を数10kHz程度でON/OFFさせ、直流電圧Vdcに応じてパルス幅を適正に制御することにより、高圧放電灯DLが点灯していない非点灯時、ならびに高圧放電灯DLが点灯している点灯時ともに、直流電圧Vdcを所定値に一定化している。また、直流電源回路2は、商用交流電源1からの入力力率を高め、入力電流歪を抑制する機能をも有している。
直流電圧Vdcが所定値に達すると、インバータ回路4が動作を開始する。この時点で、高圧放電灯DLは点灯していない非点灯状態であり、高圧放電灯DLは開放状態と同一で、等価インピーダンスは無限大に近い、高インピーダンス状態である。このとき、インバータ回路4は、高圧放電灯DLを始動するための第1の動作状態で動作を開始し、スイッチング素子Q3とQ6がONの状態と、スイッチング素子Q4とQ5がONの状態とを、所定の周波数f0(数100kHz程度)で交互に繰り返す。この周波数f0は、パルストランスL3の1次巻線N1とコンデンサC3からなる直列共振回路の共振周波数frに近い周波数であり、正弦波状の高電圧が1次巻線N1に発生する。1次巻線N1に発生した正弦波状の高電圧は、パルストランスL3の1次巻線N1と2次巻線N2の巻数比によって昇圧され、コンデンサC2を介して高圧放電灯DLに印加される。これによって、高圧放電灯DLは絶縁破壊し、始動する。
高圧放電灯DLが始動すると、高圧放電灯DLは短絡に近い低インピーダンス状態になり、高圧放電灯DLの両端電圧Voは略0Vに低下する。高圧放電灯DLの両端電圧が点灯判別電圧しきい値を下回ると、点灯判別手段7aは、高圧放電灯DLが点灯したと判別し、点灯判別手段7aの出力信号はHレベルからLレベルに切り替わり、制御回路7の切替回路7bに入力される。切替回路7bは、この信号を受けて、インバータ回路4の動作を、高圧放電灯DLを安定に点灯するための、第2の動作状態に切り替える。
インバータ回路4は、第2の動作状態では、スイッチング素子Q3とQ4が所定の周波数fa(数100Hz程度)で交互にON/OFFし、その際、スイッチング素子Q5およびQ6は、スイッチング素子Q3がONの期間では、スイッチング素子Q6が所定の周波数fb(数10kHz程度)でON/OFFし、スイッチング素子Q4がONの期間では、スイッチング素子Q5が所定の周波数fb(数10kHz程度)でON/OFFする動作を繰り返す。この極性反転型降圧チョッパ動作により、高圧放電灯DLには、周波数faの矩形波交流電圧が印加される。このとき、コンデンサC2とインダクタL2は降圧チョッパ回路のフィルタ回路として機能し、スイッチング素子Q5,Q6に内蔵された逆並列ダイオードは降圧チョッパ回路の回生電流通電用ダイオードとして機能する。
高圧放電灯DLは、始動直後はランプ両端電圧が低く、ランプ内部が高温・高圧になるにつれてランプ両端電圧が上昇し、定格値に至り、安定点灯状態になる。
制御回路7では、検出回路6aにより高圧放電灯DLの状態を検出し、高圧放電灯DLの両端電圧に応じて、演算回路7cにより、スイッチング素子Q5、Q6のチョッピング周波数やON期間を適正に制御することにより、適正な電力が高圧放電灯DLに供給されるように制御し、高圧放電灯DLを安定点灯させる。
従来例では、始動過程では誤検出を防止するために半波放電の検出機能を停止させており、高圧放電灯DLが安定点灯状態に移行した後に検出動作を開始し、半波放電を検出すると、高圧放電灯DLの寿命末期が到来したと判定して、点灯装置の出力を停止または低減する保護動作に移行させる。
(従来例2)
別の高圧放電灯点灯装置の一例を図23に示す。この点灯装置は、商用交流電源1に接続され、その交流電圧を整流する整流器DBと、整流器DBで整流された電圧を入力として直流電圧Vdcを出力する直流電源回路2と、直流電圧Vdcを電源として、高圧放電灯DLに適正な電力を供給するよう制御される降圧チョッパ回路3と、降圧チョッパ回路3の直流出力を矩形波交流電圧に変換して、高圧放電灯DLに印加するインバータ回路4と、高圧放電灯DLの始動のために必要な高電圧を発生・印加する始動パルス発生回路と、これらを適正に動作するよう制御する制御回路とから構成されている。
始動パルス発生回路の構成の詳細を説明する。始動パルス発生回路は、インバータ回路4の出力と高圧放電灯DLとの間に2次巻線N2を接続されたパルストランスPTと、両端の電圧が所定値を越えた際にオンする電圧応答型のスイッチング素子Q7と、パルストランスPTの1次巻線N1とスイッチング素子Q7と直列に接続されるコンデンサC7と、スイッチング素子Q7と並列に接続され、スイッチング素子Q7がオフ時に、コンデンサC7を充電する電流を制御する抵抗R7からなる。
制御回路の構成について説明する。半波放電検出回路部6や点灯判別手段7a、力率改善制御回路部9については、図21と同様の構成で良い。降圧チョッパ出力検出部7dは、降圧チョッパ回路3の出力電圧を検出し、降圧チョッパ制御回路部8は、高圧放電灯DLに適正な電力を供給するために、降圧チョッパ回路3の出力電圧に応じた所定の電流となるようにスイッチング素子Q2を制御する。極性反転制御回路7eは、インバータ回路4のスイッチング素子Q3〜Q6の切替制御を行う。
以下、この回路の動作を、図24の波形図を用いて説明する。高圧放電灯DLが非点灯時、降圧チョッパ回路3は、高圧放電灯DLを良好に始動させるため、高圧放電灯DLの安定点灯時の電圧よりも高い直流電圧を出力し、インバータ回路4により、矩形波交流電圧に変換して、始動パルス発生回路を介して、高圧放電灯DLに印加する。
始動パルス発生回路においては、コンデンサC7は、パルストランスT1の1次巻線N1、抵抗R7を介して充電される。ここで、電圧応答型のスイッチング素子Q7には、インバータ回路4の出力電圧とコンデンサC7の電圧Vc7の和が印加されることとなるが、インバータ回路4の出力電圧値は、降圧チョッパ回路3の出力電圧値とほぼ同じであり、降圧チョッパ回路3の出力電圧をVc2とすると、矩形波の安定時には、|Vc2|−|Vc7|となり、スイッチング素子Q7のオン電圧には達せず、スイッチング素子Q7はオンしない。しかしながら、矩形波電圧の極性が反転すると、コンデンサC7の電圧は、抵抗R7を介しているため、急速には変化せず、|Vc2|+|Vc7|の電圧がスイッチング素子Q7に印加され、スイッチング素子Q7のオン電圧に達し、スイッチング素子Q7をオンさせる。
これにより、降圧チョッパ回路3の出力に接続されたコンデンサC2および始動パルス発生回路のコンデンサC7を電源として、パルストランスT1の1次巻線N1には、急峻なパルス電流が流れ、2次巻線N2には、1次巻線N1に発生する電圧を巻数比倍した高電圧が発生し、高圧放電灯DLに印加され、高圧放電灯DLを絶縁破壊する。
高圧放電灯DLが始動すると、点灯判別手段7aにより、高圧放電灯DLが始動したことを検出し、降圧チョッパ出力検出部7dにより、降圧チョッパ回路3の出力電圧を検出し、出力電圧に応じた所定の電流となるように降圧チョッパ制御回路部8によりスイッチング素子Q2を制御し、インバータ回路4を介して高圧放電灯DLに矩形波状の適正な電力を供給し、安定に点灯する。
高圧放電灯DLは、寿命末期の異常状態の一つとして、片側の電極からのみ放電が形成される、もしくは、片側の電極からの放電が抑制されることにより、放電が非対称状態となる、いわゆる「半波放電」の状態となることが知られている。「半波放電」となると、正常な点灯制御が行なえないため、高圧放電灯点灯装置の異常な発熱や、高圧放電灯点灯装置を構成する電子部品への電気的なストレスの増加の問題が生じる恐れがあるため、半波放電検出回路部6を設け、高圧放電灯DLが半波放電となったことを検出すると、バラストの動作を停止する保護機能を有する高圧放電灯点灯装置が提供されている。
図25に、図23に示す高圧放電灯点灯装置における、半波放電検出による保護機能の動作図を示す。図23中の半波放電検出回路部6により、降圧チョッパ回路3の出力電圧の変動を検出することで、半波放電現象を検出し、半波放電と判定されると、降圧チョッパ制御回路部8からスイッチング素子Q2への制御信号を停止することにより、高圧放電灯DLへの電力供給を停止する。
従来例では、始動過程では誤検出を防止するために半波放電の検出機能を停止させており、高圧放電灯DLが安定点灯状態に移行した後に検出動作を開始し、半波放電を検出すると、点灯装置の出力を停止または低減する保護動作に移行させる。
(従来例3)
図27は特許文献1(特開2005−100829号公報)に開示された高圧放電灯点灯装置の回路図である。直流電源回路2にはコンデンサCe1,Ce2の直列回路とスイッチング素子Q5,Q6の直列回路が並列に接続されている。コンデンサCe1,Ce2の接続点とスイッチング素子Q5,Q6の接続点の間には、インダクタL2とコンデンサC2の直列回路が接続されている。コンデンサC2の両端には始動回路5のパルストランスPTの2次巻線を介して高圧放電灯DLが接続されている。スイッチング素子Q5,Q6はMOSFETよりなり、逆並列ダイオードを内蔵している。ダイオードD9とスイッチング素子Q9及びインダクタL9よりなる補助チョッパ回路9が付加されている。
図28は非点灯から点灯に至るまでの各部の動作波形である。スイッチング素子Q5,Q6,Q9に与えられる制御信号は、図28に示すような動作波形となっている。
スイッチング素子Q5,Q6は制御回路71から出力される制御信号により駆動回路72を介してオン・オフ制御される。安定点灯時において、第1の期間T1ではスイッチング素子Q5が高周波でオン・オフされて、スイッチング素子Q6はオフしている。第2の期間T2ではスイッチング素子Q6が高周波でオン・オフされて、スイッチング素子Q5はオフしている。コンデンサCe1,Ce2は十分に容量が大きく、期間T1,T2の交番周期では、コンデンサCe1の電圧Vce1、コンデンサCe2の電圧Vce2は変動しない。直流電源回路2の電圧VdcはコンデンサCe1,Ce2により分圧され、Vdc=Vce1+Vce2であるが、コンデンサCe1,Ce2の容量が略等しい場合、Vce1≒Vce2となる。
第1の期間T1において、スイッチング素子Q5がオンすると、コンデンサCe1→スイッチング素子Q5→インダクタL2→コンデンサC2(始動回路5、高圧放電灯DL)→コンデンサCe1の経路で電流が流れる。スイッチング素子Q5がオフすると、インダクタL2の蓄積エネルギーにより、インダクタL2→コンデンサC2(始動回路5、高圧放電灯DL)→コンデンサCe2→スイッチング素子Q6(の逆並列ダイオード)→インダクタL2の経路で電流が流れる。
第2の期間T2において、スイッチング素子Q6がオンすると、コンデンサCe2→コンデンサC2(高圧放電灯DL、始動回路5)→インダクタL2→スイッチング素子Q6→コンデンサCe2の経路で電流が流れる。スイッチング素子Q6がオフすると、インダクタL2の蓄積エネルギーにより、インダクタL2→スイッチング素子Q5(の逆並列ダイオード)→コンデンサCe1→コンデンサC2(高圧放電灯DL、始動回路5)→インダクタL2の経路で電流が流れる。これにより、高圧放電灯DLの電圧Voは安定点灯時には、図28の右側(期間T3よりも後の期間T1,T2)に示すような低周波の矩形波電圧となる。
始動回路5は高圧放電灯DLの非点灯時において、始動用の高圧パルス電圧を発生する。この始動回路5の動作する非点灯時の動作波形を図28の左側(期間T3よりも前)に示す。高圧放電灯DLの非点灯時においては、ランプ電圧Voの振幅はVdc/2となり、これに高圧パルス電圧が重畳されて、ピーク電圧はVpとなる。
この従来例3によれば、非点灯時および高圧放電灯DLが始動し、アーク放電へ確実に移行するまでの時間において、スイッチング素子Q5のみを高周波でオン/オフし、スイッチング素子Q6はオフしたままにすることでDC始動(DC電圧印加)を行わせることにより半波放電を防止したものである。非点灯状態から点灯状態に移行する際において、半波放電が起こると放電灯DLに対して一方向にしか電流が流れないが、スイッチング素子Q5だけをオン/オフさせると一方向のみしか電流が流れることはないので、立消えが起こる場合はあっても、半波放電の状態となることは防止することができる。
図28のランプ電圧Voの波形に示すように、ランプDLが始動しアーク放電へ確実に移行するまでの期間に数十秒から数分間の期間T3を設け、その間も非点灯時に引き続きスイッチング素子Q5だけをオン/オフさせることで放電を安定させ、その後はスイッチング素子Q6もオン/オフさせ、スイッチング素子Q5と交互にスイッチングさせるようにする。
放電を安定させる期間T3において、スイッチング素子Q5がオンしている間はインダクタL2を通って高圧放電灯DL(及びコンデンサC2)に電流I1が流れ、インダクタL1にエネルギーが蓄えられる。そしてスイッチング素子Q5がオフしているときはインダクタL2に蓄えられていたエネルギーが放出されコンデンサCe2、スイッチング素子Q6の寄生ダイオード、インダクタL2を通って高圧放電灯DL(及びコンデンサC2)に電流I1’が流れる。そのときコンデンサCe2にコンデンサCe1から放出されたエネルギーが印加される。
しかしながら、期間T3においてはスイッチング素子Q5のみしか駆動させていないので、DC始動を行わせるとコンデンサCe2に溜まったエネルギーを放出する経路がないため、コンデンサCe2に電圧が溜まる一方となる。そこで、図27の回路では点線に示すような補助チョッパ回路9を設置してコンデンサCe2に充電されるエネルギーの放出経路を設けている。
図27に示すような補助チョッパ回路9を追加することによって、コンデンサCe2に蓄えられた電圧が所定値を超えるとスイッチング素子Q9がオンし、コンデンサCe2に充電されたエネルギーが放電され、スイッチング素子Q9を通ってインダクタL9にエネルギーが蓄えられる。次にスイッチング素子Q9がオフするとインダクタL9に蓄えられたエネルギーが放出され、ダイオードD9を通ってコンデンサCe1に充電される。このとき、スイッチング素子Q9は高周波でオン/オフさせている。これによりコンデンサCe2に溜まるエネルギーを放出でき、過電圧印加を防止できる。
特開2005−100829号公報
「半波放電」現象は、先述の寿命末期だけではなく、高圧放電灯DLの始動時においても、発生することが知られている。図26は、始動時に発生する「半波放電」を示す波形であり、図26(a)は従来例1(図21の回路)における始動時の「半波放電」の一例を示す波形であり、図26(b),(c)は、従来例2(図23の回路)における始動時の「半波放電」の一例を示す波形であり、(a),(b)は半波放電継続後、通常の両波での放電に移行した場合、(c)は半波放電を継続している場合を示している。
「半波放電」は、電流が流れる方向の電極が陽極、他方が陰極として作用し、陰極サイクルにある片方の電極がグロー放電からアーク放電に移行できないことにより引き起こされ、電極からの熱電子放出の不安定性に起因しており、この原因としては、電極温度が低い、あるいは、不純物の付着などが考えられる。
始動時の「半波放電」は、図26(a),(b)に示すように、定常点灯に至る過程での現象であるため、先述の半波放電検出回路部6による検出によりバラストの動作を停止させる保護機能を動作させると、高圧放電灯DLが点灯しないという不具合を生じるため、高圧放電灯DLの始動からの一定時間は、先述の保護動作の機能を停止させている。
半波放電を回避する手段として、特許文献1(特開2005−100829号公報)では、図27および図28のような高圧放電灯点灯装置が示され、高圧放電灯DLが始動し、アーク放電へ確実に移行するまでの期間T3において、DC電圧印加となるよう、スイッチング素子を制御することにより、半波放電を防止したものが示されているが、補助チョッパ回路9が付加され、部品点数が増加する。また、DC電圧印加となり、アーク放電へ確実に移行すると、高圧放電灯の発光管の温度が上昇し、両側の電極から電子が放出されやすくなり、安定な点灯に移りやすくなるが、DC電圧印加状態では、片方の電極が陽極、反対の電極が陰極として固定されており、その継続時間によっては、両電極間の状態に差を生じやすく、半波放電の発生を確実に抑えるDC電圧印加時間は、高圧放電灯の種類や状態により変化し、これを適切に設定することは非常に難しい。
また、「半波放電」が継続すると、両電極間の状態に差が生じ、安定な両波の放電に移行しにくくなり、さらに、片側のアーク放電により、高圧放電灯の発光管内部の蒸気圧が高くなり、「半波放電」を維持することも難しくなり、立消えを生じて、非点灯状態に戻るが、発光管内部が高温・高圧となっていることから、いわゆる再始動モードとなり、再び始動させるには、発光管内部の温度・圧力が低下するまで待たなければならず、始動に時間を要するという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高圧放電灯の始動時に半波放電が発生した場合に、速やかに両波の適切な放電に移行させることができる高圧放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
本発明にあっては、上記の課題を解決するために、図1に示すように、少なくとも直流電源回路2と、直流電源回路2からの出力Vdcを電力変換し、矩形波交流出力として高圧放電灯DLに供給する電力供給回路(降圧チョッパ回路3及びインバータ回路4)と、始動用の高電圧を高圧放電灯DLに印加する始動回路5と、それらを制御する制御回路7と、前記矩形波交流出力の各半周期の負荷電圧又は負荷電流が非対称の状態である半波放電を検出する半波放電検出回路6とを備えた高圧放電灯点灯装置であって、前記半波放電検出回路6は、高圧放電灯DLが絶縁破壊した後、その高圧放電灯DLの略定格ランプ電圧に達するまでの始動初期に、異なる極性の電圧差もしくは電流差の絶対値が、正常点灯時における矩形波交流出力の各半周期の電圧差もしくは電流差の最大ばらつき値よりも大きいことが検出された場合に半波放電現象であると判別し、前記制御回路7は、前記半波放電検出回路6により半波放電現象であると判別されたときに、前記直流電源回路2または電力供給回路(降圧チョッパ回路3及びインバータ回路4)または始動回路5のうち少なくとも1つの出力を調整することにより、負荷電圧の高い極性の矩形波半周期の電圧値と負荷電圧の低い極性の矩形波半周期の電圧値とを近づけるように制御することを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記直流電源回路または電力供給回路または始動回路の出力調整は、負荷電流の低い極性の矩形波半周期、もしくは負荷電流の低い極性の矩形波半周期の前に行なうことを特徴とする(図2)。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記始動回路の出力調整として、負荷電流の低い極性の矩形波半周期に、前記始動回路により始動用高電圧を印加することを特徴とする(図4)。
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記電力供給回路の出力調整として、前記直流電源回路または前記電力供給回路の出力電圧を、負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電力供給期間のみ昇圧させる、もしくは前記負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電力供給期間のうち矩形波極性反転後のある一定期間のみ昇圧させることを特徴とする(図6、図7)。
請求項5の発明は、請求項2の発明において、前記電力供給回路の出力調整として、前記電力供給回路の供給電流を、負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電力供給期間のみ上昇させる、もしくは前記負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電力供給期間のうち矩形波極性反転後のある一定期間のみ上昇させることを特徴とする(図9)。
請求項6の発明は、請求項2の発明において、前記電力供給回路の出力調整として、負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電流供給期間を長くすることを特徴とする(図10)。
請求項7の発明は、請求項1の発明において、前記直流電源回路または電力供給回路の出力調整は、負荷電流の高い極性の矩形波半周期に行なうことを特徴とする(図11〜図16)。
請求項8の発明は、請求項7の発明において、負荷電流の高い極性の矩形波半周期の電力供給期間において、前記直流電源回路または電力供給回路からの供給電流もしくは出力電圧を減少させることにより、高圧放電灯の発光管内蒸気圧の上昇を抑制するように制御することを特徴とする(図11)。
請求項9の発明は、請求項7の発明において、負荷電流の高い極性の矩形波半周期の電流供給期間を短くすることにより、高圧放電灯の発光管内蒸気圧の上昇を抑制するように制御することを特徴とする(図12、図13)。
請求項10の発明は、請求項7の発明において、負荷電流の高い極性の矩形波半周期の電力供給期間に、前記電力供給回路からの供給電流を上昇させて高圧放電灯の電極が予熱されるように制御することを特徴とする(図14)。
請求項11の発明は、請求項7の発明において、負荷電流の高い極性の矩形波半周期の電力供給期間を長くすることにより、高圧放電灯の電極が予熱されるように制御することを特徴とする(図15、図16)。
請求項12の発明は、請求項1〜11のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電力供給回路の矩形波交流出力周波数を、少なくとも前記半波放電検出時の矩形波交流出力周波数よりも高くしたことを特徴とする(図17、図18)。
請求項13の発明は、請求項1〜12のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置において、前記直流電源回路または電力供給回路または始動回路のうちいずれの出力を調整するかは、高圧放電灯の電気的状態や点灯経過時間に応じて選択することを特徴とする(図19)。
請求項14の発明は、請求項1〜13のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置を具備したことを特徴とする照明器具である(図20)。
本発明によれば、半波放電検出回路は、高圧放電灯が絶縁破壊した後、その高圧放電灯の略定格ランプ電圧に達するまでの始動初期に、異なる極性の電圧差もしくは電流差の絶対値が、正常点灯時における矩形波交流出力の各半周期の電圧差もしくは電流差の最大ばらつき値よりも大きいことが検出された場合に半波放電現象であると判別し、前記制御回路は、前記半波放電検出回路により半波放電現象であると判別されたときに、前記直流電源回路または電力供給回路または始動回路のうち少なくとも1つの出力を調整することにより、負荷電圧の高い極性の矩形波半周期の電圧値と負荷電圧の低い極性の矩形波半周期の電圧値とを近づけるように制御することにより、陰極サイクルとなる電極からの放電を促進する半波改善モードの動作に移行させるようにしたから、始動過程における半波放電現象の継続を防止して、安定点灯モードに速やかに移行させることができる効果がある。
(実施形態1)
図1に本発明の実施形態1の点灯装置の回路図を示す。交流電源1は整流器DBにより全波整流され、直流電源回路2により直流電圧に変換される。直流電源回路2は、インダクタL1とスイッチング素子Q1とダイオードD1とコンデンサC1よりなる昇圧チョッパ回路で構成されている。直流電源回路2のスイッチング素子Q1は力率改善制御回路部9により高周波でオン・オフされる。力率改善制御回路部9は、市販の集積回路(MC33262等)を用いて容易に実現できる。図示はしないが、スイッチング素子Q1の電流やインダクタL1の電流、直流電源回路2の入力電圧、出力電圧は、力率改善制御回路部9により監視されており、商用の交流電源1からの交流入力を所定の直流電圧に変換すると共に、入力電流と入力電圧の位相がずれないように回路に抵抗性を持たせる力率改善制御を行うものである。
直流電源回路2の出力には、電力変換回路として、降圧チョッパ回路3とインバータ回路4が接続されている。降圧チョッパ回路3は、スイッチング素子Q2とダイオードD2とインダクタL2とコンデンサC2とからなり、入力電圧を降圧した直流電圧を出力する回路であり、降圧チョッパ制御回路部8からのPWM信号でスイッチング素子Q2のオン/オフを制御することで高圧放電灯DLへの供給電力を調節する安定器として用いられている。
インバータ回路4は、スイッチング素子Q3〜Q6からなるフルブリッジ回路を構成している。このインバータ回路4は、スイッチング素子Q3,Q6のペアとスイッチング素子Q4,Q5のペアが制御回路部7からの制御信号により数十〜数百Hzの低周波で交互にオンされることで、放電灯DLに矩形波交流電力を供給する。また、始動時には共振型の始動回路5の共振周波数付近またはその整数分の1の周波数付近となる数十〜数百kHzの高周波でスイッチング素子Q3,Q4が交互にオンされることで、高圧放電灯DLに始動用の高電圧を供給する。
共振型の始動回路5は、高圧放電灯DLの一端とスイッチング素子Q3,Q4の接続点の間に接続されたパルストランスL3と、このパルストランスL3の中間タップとグランド間に挿入されたコンデンサC3と抵抗R3の直列回路からなる共振昇圧回路で構成されている。
制御回路部7は、図示しない検出部により高圧放電灯DLのランプ電圧Vo、ランプ電流Ioを検出し、これらの検出結果に応じてスイッチング素子Q2のオン/オフ制御を行ない、所望の電流または電力を高圧放電灯DLに供給するように降圧チョッパ回路3のスイッチング素子Q2の制御と、インバータ回路4のスイッチング素子Q3〜Q6の制御を行なう。この制御回路部7は、例えばマイクロコンピュータを含んで構成されている。
放電灯DLはメタルハライドランプや高圧水銀ランプのような高輝度高圧放電灯(HIDランプ)である。
半波放電検出回路部6は、始動過程における半波放電状態を検出し、始動過程において半波放電状態となると、制御回路部7の動作を半波改善モードに切り替える。
この回路を用いて高圧放電灯DLが無負荷(不点)状態から安定点灯状態に至るまでには、点灯装置は大きく分けて次の3つの過程を通る。
無負荷モード:高圧放電灯DLは不点状態にあり、共振回路を構成するパルストランスL3の1次巻線N1とコンデンサC3のLC共振周波数(または共振周波数の整数分の1)付近でスイッチング素子Q3,Q4を交互にオン/オフして生成する共振パルス電圧をパルストランスL3の巻数比(N2/N1)で昇圧してランプ電極間に印加することで高圧放電灯DLを絶縁破壊して始動モードへ移行させる。
始動モード:共振パルス電圧により高圧放電灯DLが絶縁破壊すると、グロー放電を経てアーク放電に至る。アーク放電が開始してから発光管内温度が均一化されて安定するまでの過程において、ランプ電圧Voは数Vから安定電圧まで数分かけて徐々に上昇する。
安定点灯モード:高圧放電灯DLの点灯後、数分経過して高圧放電灯DLの発光管内温度が上昇し、安定した状態となり、ランプ電圧Voはほぼ一定となり、この状態で点灯を継続する。
しかしながら、始動直後において交流点灯される放電灯の一対の電極間に電子放出が正負サイクルで非対称となる半波放電が発生することがある。これは陰極サイクルにある片方の電極が、グロー放電からアーク放電に移行できないことにより引き起こされる、いわば電極輝点の不安定形成、言い換えれば熱電子放出の不安定性に起因する問題である。この半波放電状態が継続すると、ランプが立ち消えしてしまうことがあり、ランプ始動性を悪化させる要因の一つである。
本発明においては、図2の「半波検出」の期間に示すように、正常放電している矩形波半周期(ランプ電圧:Vt1)と、正常放電していない矩形波半周期(ランプ電圧:Vt2)からなる半波放電状態が前もって決められた一定期間継続することを半波放電検出回路部6で検出し、制御回路部7の動作を半波改善モードへと移行させる。
ここで半波放電の検出は、スイッチング素子Q3、Q6のオン時に半波放電検出回路部6で検出されるランプ電圧(絶対値)と、スイッチング素子Q4、Q5のオン時に半波放電検出回路部6で検出するランプ電圧(絶対値)との電圧差が前もって決められた判別しきい値以上にある時に半波放電が発生していると判断する。例えば、正常放電時の正負極性のランプ電圧差のばらつきが20V以内である場合、半波放電検出の判別しきい値は20Vと設定すると良い。
また、半波放電検出の判別しきい値以上の電圧差が検出された場合に、どちらの極性が正常放電をしており、どちらの極性が正常放電していないかの判断については、検出されたランプ電圧Vt1、Vt2のうち高い方を正常放電していない側の極性として判定すれば良い。
半波改善モードでは、図2に示すように、正常放電していない(熱電子放出していない)極性への極性反転前に高周波スイッチング動作期間を設けることで、無負荷モードと同じく始動回路5を用いて共振電圧を発生させ、放電を促して、高圧放電灯DLが早く安定点灯状態へと移れるようにする。半波改善モードによって、正負サイクルで対称の放電が形成されたのを検出すると、高圧放電灯点灯装置は半波改善モードを終了して、通常の安定点灯モードで制御する。
正常放電に移行したか否かは、検出されたランプ電圧Vt1’、Vt2’の電圧差が、正常放電時における正負極性のランプ電圧差のばらつき(例えば20V以内)の範囲に収まれば、正常放電に移行したと判定すれば良い。
以上のように、高圧放電灯の始動過程における半波放電状態の継続を一定期間検出すると、正常放電していない側の極性からも放電するように共振動作を再度行い、電界放出開始を促すので、高圧放電灯の非対称放電状態を早い段階で無くして、高圧放電灯を安定点灯状態へと移行させるため、始動失敗が少なく、始動性の良い高圧放電灯点灯装置を実現することができる。
(実施形態2)
図3に本発明の実施形態2の点灯装置の回路図を示す。本実施形態では、図1の降圧チョッパ回路3を省略し、代わりにスイッチング素子Q3、Q4を低周波駆動、スイッチング素子Q5、Q6を高周波駆動とすることで、実施形態1の降圧チョッパ回路3とインバータ回路4の機能を1つの回路で兼用している。すなわち、安定点灯時には、スイッチング素子Q3,Q4は低周波で交互にオン・オフし、スイッチング素子Q4がオンである期間にスイッチング素子Q5が高周波でオン・オフする動作と、スイッチング素子Q3がオンである期間にスイッチング素子Q6が高周波でオン・オフする動作とを低周波で交番することにより、低周波の矩形波電圧を高圧放電灯DLに供給するものである。このとき、インダクタL2とコンデンサC2は降圧チョッパ回路のローパスフィルタとして機能する。また、スイッチング素子Q5,Q6に内蔵された逆並列ダイオードは降圧チョッパ回路の回生電流通電用ダイオードとして機能する。
始動回路5としては、図1の共振昇圧回路に代えて、パルス発生器PGとパルストランスPTの組み合わせよりなる高電圧発生回路を用いている。パルス発生器PGは、パルストランスPTの1次巻線に印加するパルス電圧を発生させる回路であり、ここでは制御回路部7からの指令により、任意のタイミングで始動用のパルス電圧を発生可能な回路とする。パルス発生器PGの具体的な回路構成については、例えば、極性反転直後にパルス電圧を発生させるのであれば、従来例(図23)と同様の構成でも構わないが、その始動パルス発生用のスイッチング素子Q7のオン・オフは制御回路部7により制御可能としておくと良い。
なお、半波放電検出回路部6は、始動過程における半波放電状態を検出し、始動過程において半波放電状態となると、制御回路部7の動作を半波改善モードに切り替える。
上記回路を用いて高圧放電灯が無負荷(不点)状態から安定点灯状態に至るまでには、点灯装置は大きく分けて次の3つの過程を通る。
無負荷モード:高圧放電灯DLは不点状態にあり、パルス発生器PGにより発生させたパルス電圧をパルストランスPTにより昇圧してコンデンサC2を介して高圧放電灯DLの電極間に印加することで高圧放電灯DLを絶縁破壊して始動モードへ移行させる。
始動モード:高圧パルス電圧により高圧放電灯DLが絶縁破壊すると、グロー放電を経てアーク放電に至る。アーク放電が開始してから発光管内温度が均一化されて安定するまでの過程において、ランプ電圧Voは数Vから安定電圧まで数分かけて徐々に上昇する。
安定点灯モード:高圧放電灯DLの点灯後、数分経過して高圧放電灯DLの発光管内温度が上昇し、安定した状態となり、ランプ電圧Voはほぼ一定となり、この状態で点灯を継続する。
しかしながら、始動直後において交流点灯される高圧放電灯の一対の電極間に電子放出が正負サイクルで非対称となる半波放電が発生することがある。これは陰極サイクルにある片方の電極がグロー放電からアーク放電に移行できないことにより引き起こされる、いわば電極輝点の不安定形成、言い換えれば熱電子放出の不安定性に起因する問題である。この半波放電状態が継続すると、ランプが立ち消えしてしまうことがあり、ランプ始動性を悪化させる要因の一つである。
本発明においては、図4の「半波検出」の期間に示すように、正常放電している矩形波半周期(ランプ電圧:Vt1)と、正常放電していない矩形波半周期(ランプ電圧:Vt2)からなる半波放電状態が前もって決められた一定期間継続することを半波放電検出回路部6で検出し、半波改善モードへと移行する。
ここで半波放電の検出は、スイッチング素子Q3のオン時(スイッチング素子Q6のチョッピング時)に半波放電検出回路部6で検出されるランプ電圧(絶対値)と、スイッチング素子Q4のオン時(スイッチング素子Q5のチョッピング時)に半波放電検出回路部6で検出されるランプ電圧(絶対値)との電圧差が前もって決められた判別しきい値以上にある時に半波放電が発生していると判断する。例えば、正常放電時の正負極性のランプ電圧差のばらつきが20V以内である場合、半波放電検出の判別しきい値は20Vと設定すると良い。
また、半波放電検出の判別しきい値以上の電圧差が検出された場合に、どちらの極性が正常放電をしており、どちらの極性が正常放電していないかの判断については、検出されたランプ電圧Vt1、Vt2のうち高い方を正常放電していない側の極性として判定すれば良い。
半波改善モードでは、正常放電していない(熱電子放出していない)極性の矩形波半周期中において無負荷モードと同じく始動回路5を用いてパルス電圧を印加することで、放電を促して、高圧放電灯DLが早く安定点灯状態へと移れるようにする。半波改善モードによって、正負サイクルで対称の放電が形成されたのを検出すると、高圧放電灯点灯装置は半波改善モードを終了して、通常の安定点灯モードで制御する。
正常放電に移行したか否かは、検出されたランプ電圧Vt1’、Vt2’の電圧差が、正常放電時における正負極性のランプ電圧差のばらつき(例えば20V以内)の範囲に収まれば、正常放電に移行したと判定すれば良い。
以上のように、高圧放電灯の始動過程における半波放電状態継続を一定期間検出すると、正常放電していない側の極性からも放電するようにパルス電圧を印加し、電界放出開始を促すので、高圧放電灯の非対称放電状態を早い段階で無くして、高圧放電灯を安定点灯状態へと移行させるため、始動失敗が少なく、始動性の良い高圧放電灯点灯装置を実現することができる。
(実施形態3)
図5に本発明の実施形態3の点灯装置の回路図を示す。本実施形態では、電力変換回路としてハーフブリッジ型のインバータ回路を用いている。本実施形態においても、インバータ回路4により実施形態1の降圧チョッパ回路3の機能を兼用している。インダクタL2とコンデンサC2の直列回路は降圧チョッパ用のローパスフィルタ回路として用いられている。直流電源回路2の電解コンデンサC4,C5の直列回路と並列に、スイッチング素子Q5,Q6の直列回路を接続し、コンデンサC4,C5の接続点とスイッチング素子Q5,Q6の接続点の間に、コンデンサC2とインダクタL2の直列回路を接続し、コンデンサC2と並列に、パルストランスPTの2次巻線を介して高圧放電灯DLを接続したものである。制御回路部7の制御信号によりスイッチング素子Q5が数十〜数百kHzの高周波でオン/オフする期間と、スイッチング素子Q6が数十〜数百kHzの高周波でオン/オフする期間とを、数十〜数百Hzの低周波で交番させることにより、コンデンサC2の両端に低周波の矩形波電圧を得ている。なお、始動回路5としては、図1の共振昇圧回路に代えてパルス発生器PGとパルストランスPTの組み合わせよりなる高電圧発生回路を用いている。パルス発生器PGはインバータ回路4の極性反転直後にパルス電圧を発生する回路であり、従来例(図23)と同様の構成で構わない。
なお、半波放電検出回路部6は、始動過程における半波放電状態を検出し、始動過程において半波放電状態となると、制御回路部7の動作を半波改善モードに切り替える。
この回路を用いて高圧放電灯が無負荷(不点)状態から安定点灯に至るまでには、点灯装置は大きく分けて次の3つの過程を通る。
無負荷モード:高圧放電灯DLは不点状態にあり、前記パルス発生器PGで生成するパルス電圧をパルストランスPTの1次巻線から2次巻線へ向けて昇圧し、矩形波電圧に重畳して電極間へ印加することで高圧放電灯DLを絶縁破壊して始動モードへと移行させる。
始動モード:パルス電圧により高圧放電灯DLが絶縁破壊すると、グロー放電を経てアーク放電に至る。アーク放電が開始してから発光管内温度が均一化されて安定するまでの過程において、ランプ電圧Voは数Vから安定電圧まで数分かけて徐々に上昇する。
安定点灯モード:高圧放電灯DLの点灯後、数分経過して高圧放電灯DLの発光管内温度が上昇し、安定した状態となり、ランプ電圧Voはほぼ一定となり、この状態で点灯を継続する。
しかしながら、始動直後において交流点灯される高圧放電灯の一対の電極間に電子放出が正負サイクルで非対称となる半波放電が発生することがある。これは陰極サイクルにある片方の電極がグロー放電からアーク放電に移行できないことにより引き起こされる、いわば電極輝点の不安定形成、言い換えれば熱電子放出の不安定性に起因する問題である。この半波放電状態が継続すると、ランプが立ち消えしてしまうことがあり、ランプ始動性を悪化させる要因の一つである。
本発明においては、図6の「半波検出」の期間に示すように、正常放電している矩形波半周期(ランプ電圧:Vt1)と、正常放電していない矩形波半周期(ランプ電圧:Vt2)からなる半波放電状態が前もって決められた一定期間継続することを半波放電検出回路部6で検出し、半波改善モードへと移行する。
ここで半波放電の検出は、スイッチング素子Q5のチョッピング時に半波放電検出回路部6で検出されるランプ電圧(絶対値)と、スイッチング素子Q6のチョッピング時に半波放電検出回路部6で検出されるランプ電圧(絶対値)との電圧差が前もって決められた判別しきい値以上にある時に半波放電が発生していると判断する。例えば、正常放電時の正負極性のランプ電圧差のばらつきが20V以内である場合、半波放電検出の判別しきい値は20Vと設定すると良い。
また、半波放電検出の判別しきい値以上の電圧差が検出された場合に、どちらの極性が正常放電をしており、どちらの極性が正常放電していないかの判断については、検出されたランプ電圧Vt1、Vt2のうち高い方を正常放電していない側の極性として選択すれば良い。
半波改善モードでは、正常放電していない(熱電子放出していない)極性の矩形波半周期中において無負荷モードと同じく始動回路5を用いてパルス電圧を印加することで、放電を促して、高圧放電灯DLが早く安定点灯状態へと移れるようにする。半波改善モードによって、正負サイクルで対称の放電が形成されたのを検出すると、高圧放電灯点灯装置は半波改善モードを終了して、通常の安定点灯モードで制御する。
また、半波改善モードでは、正常放電していない極性側への極性反転に合わせて直流電圧Vdcを通常時よりも高い電圧に昇圧する(図6)。このとき、直流電圧Vdcの昇圧期間は図7のように極性反転直後から一定期間までとしても良い。直流電圧Vdcの昇圧は力率改善制御回路部9に対して制御回路部7から昇圧指令を与えることにより実施すれば良い。
具体的な回路構成については図示しないが、一般的に力率改善制御回路部9は直流電圧Vdcを抵抗分圧回路により分圧し、直流電圧Vdcが所定値となるようにスイッチング素子Q1のパルス幅を制御しているので、この抵抗分圧回路の分圧比を一時的に低く切り替えることにより、昇圧比を一時的に高くすれば良い。
以上により、高圧放電灯が早く安定点灯状態へと移れるようにする。半波改善モードによって、正負サイクルで対称の放電が形成されたのを検出すると、高圧放電灯点灯装置は半波改善モードを終了して、通常の安定点灯モードで制御する。
正常放電に移行したか否かは、検出されたランプ電圧Vt1’、Vt2’の電圧差が、正常放電時における正負極性のランプ電圧差のばらつき(例えば20V以内)の範囲に収まれば、正常放電に移行したと判定すれば良い。
以上のように、ランプ始動過程における半波放電状態継続を一定期間検出すると、正常放電していない側の直流電源回路2の出力電圧Vdcを一定期間昇圧させて、再点弧電圧発生時の点灯維持を可能とすると同時に、熱電子放出の起点となるホットスポットが形成された場合、直ぐに電流供給を可能にすることで、高圧放電灯の非対称放電状態を早い段階で無くして、高圧放電灯を安定点灯へ移行させるため、始動失敗が少なく、始動性の良い高圧放電灯点灯装置を実現することができる。
(実施形態4)
図8に本発明の実施形態4の点灯装置の回路図を示す。本実施形態では、図1の降圧チョッパ回路3を省略し、代わりに安定点灯時には、スイッチング素子Q3、Q4を低周波駆動、スイッチング素子Q5、Q6を高周波駆動することで、実施形態1の降圧チョッパ回路3とインバータ回路4の機能を1つの回路で兼用している。すなわち、安定点灯時には、スイッチング素子Q3,Q4は低周波で交互にオン・オフし、スイッチング素子Q4がオンである期間にスイッチング素子Q5が高周波でオン・オフする動作と、スイッチング素子Q3がオンである期間にスイッチング素子Q6が高周波でオン・オフする動作とを低周波で交番することにより、低周波の矩形波電圧を放電灯DLに供給する。このとき、インダクタL2とコンデンサC2は降圧チョッパ回路のローパスフィルタとして機能する。また、スイッチング素子Q5,Q6に内蔵された逆並列ダイオードは降圧チョッパ回路の回生電流通電用ダイオードとして機能する。始動回路5としては、図1の共振昇圧回路を用いており、始動時において、スイッチング素子Q3、Q4を高周波駆動することで、共振作用により始動用の高電圧を発生させている。
この回路を用いて高圧放電灯が無負荷(不点)状態から安定点灯状態に至るまでには、点灯装置は大きく分けて次の3つの過程を通る。
無負荷モード:高圧放電灯DLは不点状態にあり、共振回路を構成するパルストランスL3の1次巻線N1とコンデンサC3のLC共振周波数(または共振周波数の整数分の1)付近でスイッチング素子Q3,Q4を交互にオン/オフして生成する共振パルス電圧をパルストランスL3の巻数比(N2/N1)で昇圧してランプ電極間に印加することで高圧放電灯DLを絶縁破壊して始動モードへ移行させる。
始動モード:共振パルス電圧により高圧放電灯DLが絶縁破壊すると、グロー放電を経てアーク放電に至る。アーク放電が開始してから発光管内温度が均一化されて安定するまでの過程において、ランプ電圧Voは数Vから安定電圧まで数分かけて徐々に上昇する。
安定点灯モード:高圧放電灯DLの点灯後、数分経過して高圧放電灯DLの発光管内温度が上昇し、安定した状態となり、ランプ電圧Voはほぼ一定となり、この状態で点灯を継続する。
しかしながら、始動直後において交流点灯される高圧放電灯の一対の電極間に電子放出が正負サイクルで非対称となる半波放電が発生することがある。これは陰極サイクルにある片方の電極がグロー放電からアーク放電に移行できないことにより引き起こされる、いわば電極輝点の不安定形成、言い換えれば熱電子放出の不安定性に起因する問題である。この半波放電状態が継続すると、ランプが立ち消えしてしまうことがあり、ランプ始動性を悪化させる要因の一つである。
本発明においては、図9、図10で示すように半波放電状態が前もって決められた一定期間継続するのを半波放電検出回路部6で検出し、半波改善モードへと移行する。
図中、Ip目標値とは、チョッパ電流のピーク値の目標値であり、L2電流とはインダクタL2に流れる電流の瞬時値である。インダクタL2に流れる電流は図示しない検出手段により検出されて制御回路部7に入力されており、制御回路部7はL2電流がIp目標値に達すると、高周波駆動されているスイッチング素子をオフさせる。また、L2電流がゼロになると、高周波駆動されているスイッチング素子をオンさせる。
詳しく説明すると、スイッチング素子Q3がオンである矩形波半周期内でスイッチング素子Q6がオンすると、インダクタL2に流れる電流は漸増して行き、Ip目標値に達すると、スイッチング素子Q6がオフされる。すると、インダクタL2に蓄積されたエネルギーは、スイッチング素子Q5内部の逆並列ダイオードを介して回生電流として流れて、インダクタL2に流れる電流は漸減して行き、ゼロになるとスイッチング素子Q6が再びオンされる。また、スイッチング素子Q4がオンである矩形波半周期内でスイッチング素子Q5がオンすると、インダクタL2に流れる電流は漸増して行き、Ip目標値に達すると、スイッチング素子Q5がオフされる。すると、インダクタL2に蓄積されたエネルギーは、スイッチング素子Q6内部の逆並列ダイオードを介して回生電流として流れて、インダクタL2に流れる電流は漸減して行き、ゼロになるとスイッチング素子Q5が再びオンされる。
半波モードの検出は、スイッチング素子Q3、Q6の駆動時にランプ電圧Vt1を検出し、スイッチング素子Q4、Q5の駆動時にランプ電圧Vt2を検出した結果、|Vt1−Vt2|が前もって決められた判別しきい値の範囲内にある時に半波放電が発生していると判断する。例えば、通常時の正負極性のランプ電圧差のばらつきが20V以内である場合、半波放電検出の判別しきい値は、20V<|Vt1−Vt2|<Vdcと設定しても良い。
また、半波放電検出の判別しきい値の範囲内の値が検出された場合に、どちらの極性が正常放電をしており、どちらの極性が正常放電していないかの判断については、検出されたランプ電圧値Vt1、Vt2の高い方の極性を正常放電していない側の極性として判定すれば良い。
半波改善モードでは、正常放電していない(グロー放電の)極性の矩形波半周期において、図9で示すように電流制御目標値(Ip目標値)を一時的にアップさせることで、放電を促して、高圧放電灯DLが早く安定点灯状態へと移れるようにする。
または、図10で示すように正常放電していない極性の矩形波半周期の期間(t2’)を通常の期間(t2)よりも長くすることで電極を温めて、放電を促すようにしても良い。
なお、図10ではt2’>t2とすることで、矩形波の一周期をT2<T2’の関係で延ばしているが、この他にも、矩形波の一周期は同じに保ちつつ、正常放電している矩形波半周期と、正常放電していない矩形波半周期のデューティ比を変えることでも同様の効果を得ることが可能である。
以上の半波改善モードによって、正負サイクルで略対称の放電が形成されたのを検出すると、高圧放電灯点灯装置は半波改善モードを終了して、通常の安定点灯モードで制御する。
正常放電であるか否かは、スイッチング素子Q3、Q6の駆動時にランプ電圧Vt1’を検出し、スイッチング素子Q4、Q5の駆動時にランプ電圧Vt2’を検出した結果、|Vt1’−Vt2’|が通常時の正負極性のランプ電圧差のばらつき(例えば20V)以内である場合に、正常放電であると判定すれば良い。
以上のように、高圧放電灯DLの始動過程における半波放電状態継続を一定期間検出すると、グロー放電側の極性からもアーク放電を開始するように電流目標値をアップさせることで、熱電子放出の起点となるホットスポットが形成された場合、直ぐに電流供給が可能であるので、ランプの非対称放電状態を早い段階で無くして、ランプを安定点灯状態へと移行させるため、始動失敗が少なく、始動性の良い高圧放電灯点灯装置を実現することができる。
以上の各実施形態においては、電力変換回路として、降圧チョッパ回路とフルブリッジ回路の組み合わせ(図1)、降圧チョッパ回路を兼用するフルブリッジ回路(図3、図8)、降圧チョッパ回路を兼用するハーフブリッジ回路(図5)などを例示し、また、始動回路として、共振回路を用いた始動回路(図1、図8)、パルス発生器PGとパルストランスPTを用いた始動回路(図3、図5)を例示したが、これらに限定されるものではなく、具体的な回路構成は適宜変更可能であることは言うまでもない。以下の各実施形態においても同様である。
(実施形態5)
図11〜図13に実施形態5の動作を示す。回路構成は実施形態1〜4のいずれの構成を採用しても良く、例えば、図8の構成を採用すれば良い。始動直後の正常点灯側の矩形波半周期のランプ電圧が前もって決めたある閾値以上である場合、実施形態1〜4で説明した半波改善モードの起動前、または起動と同時に、図11で示すように正常放電している極性の電流ピーク目標値(Ip目標値)を低下させることで、発光管内部の蒸気圧の上昇スピードを緩和させられるので、正常放電していない極性からも熱電子放出開始を促して、高圧放電灯が早く安定点灯状態へと移れるようにする。
また、図12、図13のように正常放電している極性の矩形波デューティ幅を正常放電していない極性の矩形波デューティ幅よりも短くすることでも同様の効果を得ることができる。図12の例では、T1=T2のままで、t1’<t1=t2<t2’のように制御しているが、図13の例では、T1>T2のように矩形波周期を短くすることで、t1’<t1=t2としている。
以上、半波改善モードによって、正負サイクルで略対称の放電が形成されたのを検出すると、高圧放電灯点灯装置は半波改善モードを終了して、通常の安定点灯モードで制御する。
以上のように、実施形態1〜4の半波改善モードの起動前、または起動と同時に、正常放電している極性の電流量を変化させることで、高圧放電灯の非対称放電状態を無くして、高圧放電灯を早く安定点灯状態へと移行させるため、始動失敗が少なく、始動性の良い高圧放電灯点灯装置を実現することができる。
(実施形態6)
図14〜図16に実施形態6の動作を示す。回路構成は実施形態1〜4のいずれの構成を採用しても良く、例えば、図8の構成を採用すれば良い。
始動直後の正常点灯側の矩形波半周期のランプ電圧が前もって決めたある閾値以下である場合、実施形態1〜4で説明した半波改善モードの起動前、または起動と同時に、図14で示すように正常放電している極性の電流ピーク目標値を上昇させることで、正常放電していない極性の電極温度を上げることにより、熱電子放出開始を促して、高圧放電灯が早く安定点灯状態へと移れるようにする。
更に、図15、図16のように正常放電している極性の矩形波デューティ幅を正常放電していない極性の矩形波デューティ幅よりも長くしても同様の効果を得ることができる。図15の例では、T1=T2のままで、t2’<t1=t2<t1’のように制御しているが、図16の例では、T1>T2のように矩形波周期を短くすることで、t2’<t1=t2としている。
以上、半波改善モードによって、正負サイクルで略対称の放電が形成されたのを検出すると、高圧放電灯点灯装置は半波改善モードを終了して、通常の安定点灯モードで制御する。
以上のように、実施形態1〜4の半波改善モードの起動前、または起動と同時に、熱電子放出している極性の電流量を変化させることで、ランプの非対称放電状態を無くして、高圧放電灯を早く安定点灯状態へと移行させるため、始動失敗が少なく、始動性の良い高圧放電灯点灯装置を実現することができる。
(実施形態7)
図17、図18に実施形態7の動作を示す。回路構成は実施形態1〜4のいずれの構成を採用しても良く、例えば、図8の構成を採用すれば良い。
実施形態1〜6で説明した半波改善モードと組み合わせて、極性反転周波数を高くすることで放電を促して、高圧放電灯が早く安定点灯状態へと移れるようにする。このとき、極性反転周波数は、図17のように通常点灯より高い周波数に固定しても良いし、図18のように可変としても良い。半波改善モードによって、正負サイクルで略対称の放電が形成されたのを検出すると、高圧放電灯点灯装置は半波改善モードを終了して、通常の安定点灯モードで制御する。
ここで、実施形態4の図10のように、正常放電していない極性のデューティ幅を拡げて放電を促すようにしている場合は、既に極性反転周波数を下げているので、実施形態7の周波数を高くする制御と組み合わせることができないので、どちらか一方の手段により半波放電を改善することが必要である。
以上のように、実施形態1〜6の半波改善モードと同時に極性反転周波数を高くすることで、ランプの非対称放電状態を無くして、高圧放電灯を早く安定点灯状態へと移行させるため、始動失敗が少なく、始動性の良い高圧放電灯点灯装置を実現することができる。
(実施形態8)
図19に実施形態8の動作を示す。回路構成は実施形態1〜4のいずれの構成を採用しても良く、例えば、図8の構成を採用すれば良い。
実施形態1〜7で説明した半波改善モードは、図19で示すように正常放電している矩形波半周期のランプ電圧Voに応じて、最適な制御を組み合わせたり、また、制御目標値(Ip目標値)を可変したりすることでランプの状態毎に始動改善を実現することが可能である。
以下、図19の制御について説明する。半波モードが検出され、その時のランプ電圧が図中のVt1aである場合、半波改善モードAを発動する。この半波改善モードAでは、電流ピーク目標値(Ip目標値)を上昇させて、正常放電している極性では電子の当たる電極温度が高くなるように更に熱電子放出を加速させる。正常放電していない極性では、熱電子放出の起点となるホットスポットが形成され次第、すぐに電流が流れるようにしている。また、正常放電している矩形波半周期から、正常放電していない矩形波半周期に極性反転する際には始動電圧を発生させることで、電界放出を促す。
半波モードが検出されるか、半波改善モードAの状態でランプ電圧が上昇するかのいずれかによって、ランプ電圧が高めのVt1bの状態の場合、制御回路部7は半波改善モードBの制御を行う。半波改善モードBでは、正常放電していない極性では半波改善モードAよりも、更に電流ピーク目標値を上昇させて熱電子放出開始後の電流レベルを上げ、正常放電している極性では電流ピーク目標値を低下させて、発光管内部の蒸気圧を低下させる作用を促す。
以上のように、高圧放電灯の状態毎に実施形態1〜7の制御を組み合わせたり、制御目標値を可変させたりすることで、高圧放電灯の非対称放電状態を無くして、高圧放電灯を早く安定点灯状態へと移行させるため、始動失敗が少なく、始動性の良い高圧放電灯点灯装置を実現することができる。
(実施形態9)
図20は本発明の高圧放電灯点灯装置を用いた照明器具の構成例を示す。(a)、(b)はそれぞれスポットライトにHIDランプを用いた例、(c)はダウンライトにHIDランプを用いた例であり、図中、DLは高圧放電灯、81は高圧放電灯を装着した灯体、82は配線、83は点灯装置の回路を格納した安定器である。
これらの点灯装置として前述の高圧放電灯点灯装置を用いることで始動時の非対称放電状態の継続を防いで、高圧放電灯を早く安定点灯状態へと移行させるため、始動失敗が少なく、始動性の良い照明器具を提供することができる。なお、これらの照明器具を複数組み合わせて照明システムを構築しても良い。
本発明の実施形態1の回路図である。 本発明の実施形態1の動作波形図である。 本発明の実施形態2の回路図である。 本発明の実施形態2の動作波形図である。 本発明の実施形態3の回路図である。 本発明の実施形態3の動作波形図である。 本発明の実施形態3の動作波形図である。 本発明の実施形態4の回路図である。 本発明の実施形態4の動作波形図である。 本発明の実施形態4の動作波形図である。 本発明の実施形態5の動作波形図である。 本発明の実施形態5の動作波形図である。 本発明の実施形態5の動作波形図である。 本発明の実施形態6の動作波形図である。 本発明の実施形態6の動作波形図である。 本発明の実施形態6の動作波形図である。 本発明の実施形態7の動作波形図である。 本発明の実施形態7の動作波形図である。 本発明の実施形態8の動作波形図である。 本発明の実施形態9の照明器具の外観を示す斜視図である。 従来例1の回路図である。 従来例1の動作波形図である。 従来例2の回路図である。 従来例2の始動時の動作波形図である。 従来例2の安定点灯後の半波放電発生時の動作波形図である。 従来例1,2の始動直後の半波放電を示す動作波形図である。 従来例3の回路図である。 従来例3の動作波形図である。
符号の説明
1 交流電源
2 直流電源回路
3 降圧チョッパ回路
4 インバータ回路(極性反転回路)
5 始動回路
6 半波放電検出回路部
7 制御回路部
DL 高圧放電灯

Claims (14)

  1. 少なくとも直流電源回路と、直流電源回路からの出力を電力変換し、矩形波交流出力として高圧放電灯に供給する電力供給回路と、始動用の高電圧を高圧放電灯に印加する始動回路と、それらを制御する制御回路と、前記矩形波交流出力の各半周期の負荷電圧又は負荷電流が非対称の状態である半波放電を検出する半波放電検出回路とを備えた高圧放電灯点灯装置であって、
    前記半波放電検出回路は、高圧放電灯が絶縁破壊した後、その高圧放電灯の略定格ランプ電圧に達するまでの始動初期に、異なる極性の電圧差もしくは電流差の絶対値が、正常点灯時における矩形波交流出力の各半周期の電圧差もしくは電流差の最大ばらつき値よりも大きいことが検出された場合に半波放電現象であると判別し、
    前記制御回路は、前記半波放電検出回路により半波放電現象であると判別されたときに、前記直流電源回路または電力供給回路または始動回路のうち少なくとも1つの出力を調整することにより、負荷電圧の高い極性の矩形波半周期の電圧値と負荷電圧の低い極性の矩形波半周期の電圧値とを近づけるように制御することを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
  2. 前記直流電源回路または電力供給回路または始動回路の出力調整は、負荷電流の低い極性の矩形波半周期、もしくは負荷電流の低い極性の矩形波半周期の前に行なうことを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装置。
  3. 前記始動回路の出力調整として、負荷電流の低い極性の矩形波半周期に、前記始動回路により始動用高電圧を印加することを特徴とする請求項2記載の高圧放電灯点灯装置。
  4. 前記電力供給回路の出力調整として、前記直流電源回路または前記電力供給回路の出力電圧を、負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電力供給期間のみ昇圧させる、もしくは前記負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電力供給期間のうち矩形波極性反転後のある一定期間のみ昇圧させることを特徴とする請求項2記載の高圧放電灯点灯装置。
  5. 前記電力供給回路の出力調整として、前記電力供給回路の供給電流を、負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電力供給期間のみ上昇させる、もしくは前記負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電力供給期間のうち矩形波極性反転後のある一定期間のみ上昇させることを特徴とする請求項2記載の高圧放電灯点灯装置。
  6. 前記電力供給回路の出力調整として、負荷電流の低い極性の矩形波半周期の電流供給期間を長くすることを特徴とする請求項2記載の高圧放電灯点灯装置。
  7. 前記直流電源回路または電力供給回路の出力調整は、負荷電流の高い極性の矩形波半周期に行なうことを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装置。
  8. 負荷電流の高い極性の矩形波半周期の電力供給期間において、前記直流電源回路または電力供給回路からの供給電流もしくは出力電圧を減少させることにより、高圧放電灯の発光管内蒸気圧の上昇を抑制するように制御することを特徴とする請求項7記載の高圧放電灯点灯装置。
  9. 負荷電流の高い極性の矩形波半周期の電流供給期間を短くすることにより、高圧放電灯の発光管内蒸気圧の上昇を抑制するように制御することを特徴とする請求項7記載の高圧放電灯点灯装置。
  10. 負荷電流の高い極性の矩形波半周期の電力供給期間に、前記電力供給回路からの供給電流を上昇させて高圧放電灯の電極が予熱されるように制御することを特徴とする請求項7記載の高圧放電灯点灯装置。
  11. 負荷電流の高い極性の矩形波半周期の電力供給期間を長くすることにより、高圧放電灯の電極が予熱されるように制御することを特徴とする請求項7記載の高圧放電灯点灯装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置において、前記電力供給回路の矩形波交流出力周波数を、少なくとも前記半波放電検出時の矩形波交流出力周波数よりも高くしたことを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
  13. 前記直流電源回路または電力供給回路または始動回路のうちいずれの出力を調整するかは、高圧放電灯の電気的状態や点灯経過時間に応じて選択することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の高圧放電灯点灯装置を具備したことを特徴とする照明器具。
JP2008244949A 2008-09-24 2008-09-24 高圧放電灯点灯装置、照明器具 Pending JP2010080137A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008244949A JP2010080137A (ja) 2008-09-24 2008-09-24 高圧放電灯点灯装置、照明器具
CA2679816A CA2679816C (en) 2008-09-24 2009-09-22 High pressure discharge lamp lighting device and luminaire using same
EP09012050.2A EP2170019A3 (en) 2008-09-24 2009-09-22 High pressure discharge lamp lighting device and luminaire using the same
CN2009101786241A CN101686594B (zh) 2008-09-24 2009-09-24 高压放电灯点亮装置和使用该高压放电灯点亮装置的灯具
US12/585,773 US8115405B2 (en) 2008-09-24 2009-09-24 High pressure discharge lamp lighting device and luminaire using same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008244949A JP2010080137A (ja) 2008-09-24 2008-09-24 高圧放電灯点灯装置、照明器具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010080137A true JP2010080137A (ja) 2010-04-08

Family

ID=42210351

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008244949A Pending JP2010080137A (ja) 2008-09-24 2008-09-24 高圧放電灯点灯装置、照明器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010080137A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012243706A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Panasonic Corp 放電灯点灯装置および、これを用いた照明器具
JPWO2012090237A1 (ja) * 2010-12-27 2014-06-05 株式会社日立製作所 電力変換装置
JP2014160586A (ja) * 2013-02-20 2014-09-04 Seiko Epson Corp 放電灯駆動装置、プロジェクター、及び、放電灯駆動方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6334890A (ja) * 1986-07-28 1988-02-15 松下電工株式会社 放電灯点灯装置
JPH0227695A (ja) * 1988-07-15 1990-01-30 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置
JP2007005260A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置、照明器具、画像表示装置
JP2007207541A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Toshiba Lighting & Technology Corp 高圧放電ランプ点灯装置および照明装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6334890A (ja) * 1986-07-28 1988-02-15 松下電工株式会社 放電灯点灯装置
JPH0227695A (ja) * 1988-07-15 1990-01-30 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置
JP2007005260A (ja) * 2005-06-27 2007-01-11 Matsushita Electric Works Ltd 放電灯点灯装置、照明器具、画像表示装置
JP2007207541A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Toshiba Lighting & Technology Corp 高圧放電ランプ点灯装置および照明装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2012090237A1 (ja) * 2010-12-27 2014-06-05 株式会社日立製作所 電力変換装置
JP2012243706A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Panasonic Corp 放電灯点灯装置および、これを用いた照明器具
JP2014160586A (ja) * 2013-02-20 2014-09-04 Seiko Epson Corp 放電灯駆動装置、プロジェクター、及び、放電灯駆動方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5193445B2 (ja) 高圧放電灯点灯装置及び照明器具
US6975077B2 (en) High intensity discharge lamp ballast apparatus
US8115405B2 (en) High pressure discharge lamp lighting device and luminaire using same
JP2007115660A (ja) 高圧放電ランプ点灯装置及び照明装置
WO2009145184A1 (ja) 放電灯点灯装置
US8319447B2 (en) Hid lamp ballast with multi-phase operation based on a detected lamp illumination state
US20100244716A1 (en) High pressure discharge lamp ballast with adaptive filament heating control based on lamp age
JP2010080137A (ja) 高圧放電灯点灯装置、照明器具
JP2010080138A (ja) 高圧放電灯点灯装置、照明器具
JP2010108650A (ja) 放電灯点灯装置及び照明器具
JP5460065B2 (ja) 放電灯点灯回路
JP4752136B2 (ja) 放電灯点灯装置
JP5348497B2 (ja) 高圧放電灯点灯装置、プロジェクタ及び高圧放電灯の始動方法
US9131588B2 (en) Discharge lamp system and controlling method of the same
JP2010257659A (ja) 高圧放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具
JP2010055915A (ja) 高圧放電灯点灯装置、光源装置及び高圧放電灯の始動方法
JP2006073439A (ja) 放電灯点灯装置及び照明装置
JP2002289391A (ja) 高圧放電灯点灯装置
JPWO2008123274A1 (ja) 高輝度放電ランプ点灯装置
JP2011009019A (ja) 高圧放電灯点灯装置及びこれを用いた照明器具、照明システム
JP2011009019A6 (ja) 高圧放電灯点灯装置及びこれを用いた照明器具、照明システム
JP2002352972A (ja) 放電灯点灯装置
JP2002352975A (ja) 放電灯点灯装置
JP2002352987A (ja) 放電灯点灯装置
JP2012243706A (ja) 放電灯点灯装置および、これを用いた照明器具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110920

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20111207

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20111207

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20111214

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130521