JP5087931B2 - 高圧放電灯点灯装置、プロジェクタ及び高圧放電灯の点灯方法 - Google Patents

高圧放電灯点灯装置、プロジェクタ及び高圧放電灯の点灯方法 Download PDF

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Description

本発明は交流ランプ電流を供給して高圧放電灯を点灯させる高圧放電灯点灯装置、プロジェクタおよび高圧放電灯の点灯方法に関する。
液晶プロジェクタ等に用いられる高圧放電灯装置は直流電源から供給される電流を所定の50Hz〜1kHzの矩形波電流に変換して高圧放電灯の点灯極性を切り替えながら点灯させるように構成されている。ここで高圧放電灯とは高圧水銀ランプ(以下、「ランプ」という)であり、ハロゲン物質、希ガス及び水銀が封入されていて、発光管内には一対の電極が対向配置されている。
ところで、ランプを上記のような交流電流で点灯し続けると、放電アークの起点が電極先端上でジャンプするいわゆるフリッカが発生してしまうことが知られている。これは点灯時間が進むにつれ、図10に示すように電極先端部が荒れ、放電アークの起点が電極先端の複数の凸部を移動し一点に定まらなくなることによる。
このフリッカを抑制するために、ランプに何らかの特殊な波形の電流を投入することによる対策がこれまで報告されてきた。例えば、特許文献1では、交流ランプ電流として、低周波矩形波電流をベースとしてその半サイクル間に高周波電流を1サイクル挿入し、その高周波部分の後半の半サイクル又は1サイクル全部を低周波部分の電流よりも大きくするものが開示されている(それぞれ図7(a)、(b)参照)。なお、図7において、t〜tが全体の1周期であり、期間THFが高周波電流期間の1サイクルである。そして、このような電流波形で点灯することにより、ランプ電極先端に例えば図3(a)に示すような1つの突起が成長し、その突起にアークの起点が定まることによりフリッカが抑制されるというものである。
また、図7のような波形の他にも種々の突起形成のためのランプ電流波形が報告されている。例えば、特許文献2では、図11(a)に示すように、低周波矩形波電流をベースとしてその半サイクルの終了間際にパルス電流を重畳するものが開示されている。
また、特許文献3では、図11(b)に示すように、低周波矩形波電流をベースとして、その半サイクルにおいて開始時よりも終了時に向けて電流が徐々に高くなっていくようなランプ電流波形が開示されている。
ところが、上記のような波形の電流を用いた場合、確かに電極上に放電アークの起点となり得るような突起が成長されることは確認されているが、その後点灯を続けると図3(b)の状態を経て、図3(c)に示すようにその突起の周囲に他の突起も形成され、結局上述した複数の突起に起因するフリッカの問題が解消されない場合があることが分かってきた。
この複数の突起の発生を抑える方法が例えば特許文献4に開示されている。これによると、ランプに印加する交流電流について、60〜1000Hzの範囲から選択された定常点灯周波数に対して、5〜200Hzの範囲から選択された低周波の周波数を適当なサイクル数及び周期で挿入して周波数変調することが示されている。そして、この低周波部分の作用により余計な突起が発生しないようにするものである。
また、電極表面が荒れて複数の突起が発生することに対して、それ修復するために電極表面補修期間を設けることが特許文献5に開示されている。これによると、(交流点灯の場合)ランプ点灯中の所定の時期に、ランプ電流が定格電流以上になる期間又は点灯周波数が5Hz以下となる期間を間欠的に1秒以上設ける方法が示されている。これも広い意味で変調制御である。また、安定点灯に到達する前に補修期間を設けることも開示されている。この補修期間の作用により電極表面が一様に加熱され、問題となる複数の突起がなくなるというものである。
特開2006−202775号公報 特表平10−501919号公報 特開平2003−243195号公報 特開2006−59790号公報 特許第3840054号
本発明は特にプロジェクタ用の高圧放電灯点灯装置に向けられている。従って、装置の制御方法を検討するにあたって重要なこととして、まず、コンテンツの上映時にユーザの視覚に違和感を与えないことであり、或いは、ユーザが視覚的異変を感じた場合にその異変を解消するための措置を素早く取ることである。即ち、ユーザの視覚に対する配慮がなされなければならない。
また、装置の設計という観点において重要なのは設計の標準化や装着されるランプの互換性確保などである。
高圧放電灯の分野では上記に説明したフリッカ発生及び抑制の原理など完全にそのメカニズムが解明されたわけではない。また、ランプ自体の構成や製造方法についても改良が重ねられ、今日では各メーカから新しい仕様のランプが次々と実用化されている。そして、プロジェクタ用のランプの目標寿命は数千〜1万時間程度であるのに対し、点灯装置等の電子装置は数万時間の寿命を確保するように信頼性設計がなされている。従って、目標寿命が達成されたとしても点灯装置が寿命を全うする間にランプの交換が行われる可能性がある。このランプ交換時に既にランプが仕様変更されていれば、フリッカの発生などに関して同じ条件のランプが装着されるとは限らないことになる。即ち、ある特定の種類(型名の)ランプについてフリッカ抑制のために有効なランプ電流波形が見出されたとしても、その波形が交換後の他のランプにとって有効なものとなるとは限らない。
従って、ランプ側における多少の仕様の差や仕様変更があっても、同一の点灯装置で好適にフリッカを抑制し安定に点灯させることができる点灯装置が要求されている。また、点灯装置の開発において、フリッカ発生やランプ寿命については加速試験を行うのが難しく、1つの専用の変調波形を決定するのでさえも多くの時間を要し、ましてや新しい仕様のランプが開発されるたびにそれに対して最適な専用変調波形を突き止めるのは開発効率の観点から望ましくない。
ここで、特許文献4の周波数変調について、定常点灯用の電流に挿入する低周波電流部分の周波数やサイクル数、間隔など、最適化すべき変調パラメータが多く、波形の決定に多くの労力を費やすことになる。そして、開示されている変調波形によって仮にある特定の種類のランプについて有効であることが分かったとしても、その変調パラメータが他のランプに対して有効なものとは限らない。そのため、ランプに互換性をもたせることができず、多種のランプに対して点灯装置の設計を標準化することは困難であり、開発効率上好ましくない。
特許文献5は電極表面補修期間を安定点灯中に間欠的に設けるものであるが、この間欠動作についても結局のところ特許文献4の変調波形を決定するのと同様の問題がある。特許文献5では補修期間の点灯周波数が5Hz以下であったり、定格電流以上のランプ電流を印加するものであったりするので、安定点灯時(特にコンテンツの上映時)にその補修期間による制御が行われるとユーザの視覚に違和感を与えるおそれがある。特に、交流点灯式の場合、その点灯周波数が50Hzより低いとランプ電流の極性反転自体がちらつきとして視認できるようになり、ユーザには不快なものとなる。また、安定点灯前に補修期間を設ける場合、その期間はランプの特性から通常は数分間に限られるのでその波形決定に対して自由度が小さく、最悪の場合は最適解が存在しない場合もあり得る。従って、同文献による対策も、仮にある特定のランプに対して効果があったとしても、視覚上の観点からも開発効率の観点からも好適な対策とはいえない。
また、液晶プロジェクタは近年一般家庭にも普及しつつある。これをホームシアターとして使用する場合に、ランプの寿命が従来の2000〜3000時間では不充分であり、上述したように目標寿命としてはその数倍の寿命時間が求められている。従って、上記の対策をする上でランプ寿命の確保も重要な要素となる。一般的な低周波矩形波のランプ電流波形については、フリッカ発生の問題は別として、ランプ寿命に対しては好ましい結果が得られることが一般に知られているが、変調波形のような特殊なランプ電流波形についてはその保障がない。
本発明の第1の側面は、高圧放電灯に交流電流を供給するための電力供給手段、及び点灯モードを決定してその点灯モードに従って電力供給手段の動作を制御する制御手段からなる高圧放電灯点灯装置であって、さらに、リセット信号を発生する信号源を備え、点灯モードについて、制御手段が、デフォルト状態においては高圧放電灯の電極先端に突起が成長し易い通常点灯モードを適用し、リセット信号受信時には突起を溶解するためのリフレッシュ点灯モードを所定期間にわたって適用するよう構成された高圧放電灯点灯装置である。
上記第1の側面において、信号源を高圧放電灯のランプ電圧を検出する手段として、リセット信号はランプ電圧が所定値以上となった場合に発生されるようにした。
また、信号源を高圧放電灯のランプ電圧を検出しランプ電圧の時間に対する微分値を演算する手段として、リセット信号は微分値が所定値以上になった場合に発生されるようにしてもよい。
また、信号源をタイマとして、リセット信号が所定の累積点灯時間経過ごとに発生されるようにしてもよい。
また、信号源を外部スイッチとして、リセット信号が外部スイッチの起動により発生されるようにしてもよい。ここで、外部スイッチを高圧放電灯を消灯させるための消灯ボタンとして、制御回路が消灯ボタン起動後にリフレッシュ点灯モードを経て高圧放電灯を消灯するように構成してもよい。
また、上記第1の側面において、交流電流の周波数を50Hz以上1kHz以下として、リフレッシュ点灯モードにおける周波数frを通常点灯モードにおける周波数fnよりも低くした。
ここで、通常点灯モードにおける交流電流を矩形波電流として、リフレッシュ点灯モードにおける交流電流が、50Hz以上1kHz以下の矩形波電流(以下「低周波電流」という)の半サイクルの直前に低周波電流より高い周波数の電流(以下、「高周波電流」という)が1サイクル以上印加される電流波形であって高周波電流の1サイクルのうちの後半の半サイクルのみ又は1サイクル全部の電流値が低周波電流の電流値よりも高い交流電流となるようにしてもよいし、50Hz以上1kHz以下の矩形波電流を変形した交流電流であってその変形した交流電流の半サイクルにおいて後半の実効値が前半の実効値よりも大きいような交流電流としてもよい。
上記第1の側面において、リフレッシュ点灯モードの終了直前に高圧放電灯の電極先端に突起を再形成する期間を設けた。
ここで、交流電流の周波数を50Hz以上1kHz以下として、リフレッシュ点灯モードにおける周波数frを通常点灯モードにおける周波数fnよりも低く、再形成する期間における周波数frが周波数fnよりも高くした。
本発明の第2の側面は、上記第1の側面の高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯、高圧放電灯が取り付けられるレフレクタ、及び高圧放電灯点灯装置及びリフレクタを内包する筐体を備えたプロジェクタである。
本発明の第3の側面は、高圧放電灯に交流電流を供給する電力供給手段、リセット信号を発生する信号源、及びリセット信号の発生に応じて点灯モードを決定して電力供給手段の動作を制御する制御手段からなる高圧放電灯点灯装置における高圧放電灯の点灯方法であって、点灯モードが、高圧放電灯の電極先端に突起が成長し易い通常点灯モード及び突起を溶解するためのリフレッシュ点灯モードからなり、制御手段が、点灯開始後デフォルトの設定として通常点灯モードを適用するステップ、及びリセット信号を受信した場合に、リフレッシュ点灯モードを所定の期間にわたって適用するステップからなる点灯方法である。
ここで、交流電流の周波数が50Hz以上1kHz以下であり、リフレッシュ点灯モードにおける周波数frを通常点灯モードにおける周波数fnよりも低くした。
本発明によると、ランプの電極上に突起を成長させる通常点灯モードと、その突起を溶解させるリフレッシュ点灯モードとを独立して設計することができるので、点灯装置の開発効率を向上することができ、しかも、設計の標準化を図ることができる。
そして、上記の設計は決してピンポイント的な最適値に設計要素を合わせ込むものではなく、むしろ、比較的フレキシビリティの高い設計となるので、1つの設計値に対して複数の種類のランプに対する互換性を確保することができる。
また、ランプ点灯中(プロジェクタ使用中)の適切なタイミングでリフレッシュ点灯モードを起動し、或いは、視覚的に違和感を与えないような点灯方法によりリフレッシュ点灯モードを行うのでユーザの視覚を阻害することもない。
さらに、点灯期間中の大部分を占める通常点灯モードでは、ランプ電流としてランプ寿命を確保する上で好適なランプ電流波形を用いることができるので本発明はランプ寿命の確保にも貢献する。
<本発明の概要>
図1(a)及び(b)は本発明の回路構成図である。図1(a)及び(b)に共通の部分について以下に説明する。本発明の高圧放電灯点灯装置は、全波整流回路10、全波整流回路10の直流電圧をPWM(パルス幅変調)制御回路により所定のランプ電力又はランプ電流に制御する降圧チョッパ回路20、降圧チョッパ回路20の直流出力電圧を交流矩形波電流に変換してランプ60に印加するためのフルブリッジ回路40、ランプ始動時に高圧パルス電圧をランプに印加するためのイグナイタ回路50、並びに降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路40を制御するための制御回路30で構成されている。なお、図面を見やすくするために整流回路10として全波整流・コンデンサインプット型の回路を示しているが、必要に応じて昇圧回路(力率改善回路)等も含むものとする。
降圧チョッパ回路20はPWM制御回路34によってPWM制御されるトランジスタ21、ダイオード22、チョークコイル23、及び平滑コンデンサ24で構成され、全波整流回路10から供給される直流電圧を所定のランプ電力又はランプ電流に変換するように制御される。フルブリッジ回路40はブリッジ制御回路45によってトランジスタ41及び44の組とトランジスタ42及び43の組とが所定の周波数で交互にオン/オフするように制御される。これにより、ランプ60に(基本的には矩形波の)交流電流が印加される。ランプ60には定格電力50〜400W程度のものを想定している。なお、上記の所定のランプ電力又はランプ電流の値及び所定の周波数は制御回路30内の中央制御部35によって決定される。また、定ランプ電流制御には抵抗33による検出ランプ電流を、定ランプ電力制御には抵抗31及び32による検出ランプ電圧と検出ランプ電流の乗算値を中央制御部35内において必要に応じて使用することができる。
図1(a)において、制御回路30内部の信号源301はランプに関する何らかのパラメータを検出するための手段であり、具体的には、ランプ電圧を検出する電圧検出手段であってもよいし、検出されたランプ電圧からランプ電圧の時間に対する変化量、即ち、微分値を演算する微分値演算手段であってもよいし、累積経過時間をカウントするタイマであってもよい。一方、図1(b)において、制御回路30外部の信号源302は外部スイッチである。
いずれの場合も信号源は所定の条件でリセット信号を発生し、中央制御部35はリセット信号に応じて点灯モードを切替える。このリセット信号の発生については後述する。
本発明の点灯モードには通常点灯モード及びリフレッシュ点灯モードの2モードがある。通常点灯モードとは、ランプの電極先端に突起を形成するための点灯モードである。リフレッシュ点灯モードとはその突起を溶解して電極表面を平らにするための点灯モードである。各モードの詳細は後述する。
図2は本発明の基本的な動作を説明するフローチャートであり、図3は各ステップにおける電極表面の状態を示すものであり、図4(a)は図2のフローチャートに対応したタイミングチャートである。
まず、高圧放電灯点灯装置に電源が投入されると、ステップS101の始動制御を経てランプ60が点灯開始される(図4(a)のtに対応)。この始動制御には一般的な始動制御を用いればよく、本発明の本質ではないので説明を省略する。この時点で電極先端には図3(a)のように突起ができているものとする。
ステップS102において、デフォルトの設定である通常点灯モードによる点灯が行われる。即ち、制御回路30は降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路40を通常点灯モード用の出力電流及び周波数で制御し、リセット信号を検出するまで通常点灯モードを継続する。このステップS102において、電極先端の突起は図3(b)のように成長していく。また、ステップS101における電極先端が図3(d)のように平らであった場合も、通常点灯モードで点灯を継続すると電極先端には突起が形成され、その状態は図3(a)を経て図3(b)のようになる。いずれの場合でもこのモードで点灯を続けると次第に他の箇所にも突起が発生し始め、最終的には図3(c)のような状態に至る。
なお、点灯時間が短く、点灯開始から消灯までにリセット信号が発動されない場合は点灯モードの切替えは行われない。
ステップS103において、リセット信号を検出するとステップS104に移行し、点灯モードはリフレッシュ点灯モードに切り替わる(図4(a)のtに対応)。即ち、ステップS104において制御回路30は降圧チョッパ回路20及びフルブリッジ回路40を通常点灯モード用の出力電流及び周波数で制御し、所定の期間リフレッシュ点灯モードを継続する。ここで、図3(c)のようになっていた電極先端の突起はリフレッシュ点灯モードの作用により溶解されていく。
ステップS105において、所定の期間が経過し、電極先端が図3(d)のようにほぼ平らになるとステップS102に戻り、通常点灯モードによる点灯が行われる(図4(a)のtに対応)。なお、所定の期間については後述する。
以下、「リセット信号の発生」、「点灯モード」及び「所定の期間の決定」について説明する。
<リセット信号の発生>
図1(a)の信号源301について、前述したように信号源301はランプ電圧検出手段、ランプ電圧の微分値演算手段又はタイマであり、各手段がその条件に応じてリセット信号を発生するものである。なお、説明の便宜上、信号源301を中央制御部35の外部に記載しているが、信号源301は中央制御部35の内部にあってもよい。
信号源301がランプ電圧検出手段の場合、分圧抵抗31及び32による分圧値が信号源301に入力され(配線は不図示)、その入力分圧値によって換算されるランプ電圧が所定値V以上となったときリセット信号が発生される。即ち、電極先端の複数の突起の位置が広がるとともにフリッカによりアーク起点がずれた結果アーク長が延び、これによりランプ電圧が上昇することを検出するものである。補足すると、図3(b)においてはほぼ水平だったアークが、図3(c)においてアークの起点の一方又は両方が電極先端外側の突起に移り(アークが斜めになり)、そのアーク長が長くなることを検出するものである。具体的には、所定値Vは85〜105Vになるように設定される。
信号源301が微分値演算手段の場合、分圧抵抗31及び32による分圧値が信号源301に入力され(配線は不図示)、その入力分圧値によって換算されるランプ電圧の変化量、即ち、微分値が所定値ΔV以上となった場合にリセット信号が発生される。即ち、電極表面の突起が図3(c)のように複数発生し、放電アークの起点が異なる突起にジャンプした場合(即ち、フリッカが発生した場合)にランプ電圧が急峻に変化することを検出するものである。具体的には、所定値ΔVはランプ電流の1周期当たり0.5〜3V程度になるように設定される。なお、この微分値の演算によるリセット信号の発生はランプが安定点灯に達する前には行わないものとする。
信号源301がタイマの場合、タイマは累積点灯時間をカウントし、所定の累積点灯時間Tnごとにリセット信号が発生される。即ち、電極表面の突起が図3(c)のように複数発生する時間を実験値等から統計的に予測するものである。より具体的には、タイマに不揮発メモリを搭載し、最初の点灯又は前回リフレッシュ点灯モード終了時からの累積点灯時間をカウントするものである(従って、図4(a)の横軸の「時間」を「累積点灯時間」に読み替えるものとする)。そして、所定の累積点灯時間Tnは、通常点灯モードの設定にもよるが、2〜200時間程度となる。なお、ランプ交換時にカウントした累積点灯時間を0に戻すためのタイマリセットボタン310を設けてもよい。
図1(b)の信号源302について、前述したように信号源302はユーザによって起動される外部スイッチであり、具体的には、ユーザがフリッカ発生による視覚的異変を感知した場合に起動する専用ボタン、ランプを消灯させるための消灯ボタン、又は本装置がプロジェクタに用いられた場合にはその再生されているコンテンツを停止させるための停止ボタンである。信号源302と制御回路30との間は有線で接続してもよいし、途中に無線送受信部を介して接続してもよい。そして、各ボタンの起動に応じてリセット信号が発生される。
信号源302が消灯ボタンの場合、ユーザの消灯(使用終了)の意思に応じて、即ち、視覚的違和感が許容され得る状況でリフレッシュ点灯モードに移行するものである。従って、上記の信号源301を用いる場合や信号源302に専用ボタンを用いる場合はリフレッシュ点灯モード中も視覚的違和感を最小限にするような点灯方法が要求されるが、消灯ボタンを用いる場合は、視覚的に違和感を生じさせてしまうような点灯方法をリフレッシュ点灯モードとして採用することもできる。
消灯ボタンを用いる場合のタイミングチャートは図4(b)に示すものとなり、実際の消灯は消灯ボタンが起動されてから所定の期間経過後に行われる。この場合のみフローチャートは図5のようになり、ステップS105のリフレッシュ点灯モードが終了すると消灯する。
信号源302が停止ボタンの場合もユーザの視聴終了の意思に応じて、即ち、視覚的違和感が許容され得る状況でリフレッシュ点灯モードに移行するものである。従って、消灯ボタンを用いる場合と同様に、視覚的に違和感を生じさせてしまうような点灯方法をリフレッシュ点灯モードとして採用することもできる。停止ボタンを用いる場合の点灯モードとコンテンツ再生との関係は図4(c)が参照される。
また、上記の6種類の方法を適宜組み合わせて使用してもよい。例えば、信号源301として、ランプ電圧検出手段、微分値演算手段及びタイマを設け、適当な組み合わせでそれぞれからのリセット信号の論理積、論理和等をとり最終的なリセット信号としてもよい。また、信号源301及び信号源302を併用してそれぞれからのリセット信号の論理積又は論理和をとり最終的なリセット信号とするようにしてもよい。
ここで、信号源301を用いる場合又は信号源302を専用ボタンとする場合は、装置を積極的に使用する状況(例えば、本装置をプロジェクタに適用した場合ではコンテンツの再生時)においてリフレッシュ点灯モードが行われる可能性が高い。一方、信号源302を消灯ボタンとする場合又は停止ボタンとする場合は、装置を積極的には使用しない状況においてリフレッシュ点灯モードが行われることになる。そこで、以降の説明において、前者の積極的使用時を想定したリフレッシュ点灯モードを「使用内リフレッシュ点灯モード」といい、後者の積極的使用状態にない場合のリフレッシュ点灯モードを「使用外リフレッシュ点灯モード」という。
<点灯モード>
通常点灯モードの目的はいわゆる安定点灯である。即ち、通常点灯モード用のランプ電流の条件として、(1)電極先端の突起が成長傾向におかれること(フリッカ抑制)、(2)交流ランプ電流の極性反転が視認されないものであること(ちらつき回避)、(3)ランプのバルブ内で定在波が発生しないこと(音響共鳴現象回避)、(4)明るさ、即ち、ランプ電力又電流は定格値であること、及び(5)ランプ寿命確保等の観点から実績ある波形であること、を満たすことが要求される。条件(2)及び(3)は点灯周波数のみに依存し、条件(2)を満たす点灯周波数は50Hz以上であり、条件(3)を満たす点灯周波数は1kHz以下である。条件(5)を満たすために波形は実用での実績がある矩形波であることが望ましい。なお、将来における実績を考慮した場合、図7や図11(a)又は(b)に示すような波形とすることも可能であるが、以降の説明においては標準的な矩形波に焦点を当てて説明する。そして、条件(4)に従うことを前提として、条件(1)を満たすために検討すべき要素は点灯周波数のみとなる。
ここで、点灯周波数と電極先端の突起の成長と溶解との関係を図6(a)に示す。発明者らの実験によると、50Hz以上1kHz以下の点灯周波数では、75Hz付近を境に、高周波数側では突起は成長傾向にあり、低周波数側では溶解傾向にあることが分かっている。この成長傾向と溶解傾向の境界となる点灯周波数をfbとする。従って、通常点灯モードの点灯周波数fnは、fb<fn≦1kHzに決まる。但し、周波数fbの値にはばらつきがあるため、実際の周波数fnの設定においては、fbを幅のある周波数帯として捉えてfbからは十分に離れた周波数を使用することが望ましい。また、点灯装置に対して当初装着されたランプと仕様の異なるランプが交換装着される場合も考慮して、fnはやはりfbからは十分に離れた周波数に設定すること望ましい。
以上をまとめると、通常点灯モードにおけるランプ電流はfbを超え1kHz以下の矩形波の定格電流と決まる。
リフレッシュ点灯モードは以下のように決定される。
リフレッシュ点灯モードの目的は電極先端の突起の溶解である。即ち、リフレッシュ点灯モード用のランプ電流の条件として、(1)電極先端の突起が溶解傾向におかれることが必須の条件となる。さらに、使用内リフレッシュ点灯モードの場合は、(2)交流ランプ電流の極性反転が視認されないものであること(ちらつき回避)、(3)ランプのバルブ内で定在波が発生しないこと(音響共鳴現象回避)、及び(4)明るさ、即ち、ランプ電力又電流は定格値であること、を満たす必要があり、一方、使用外リフレッシュ点灯モードの場合は条件(2)〜(4)を満たす必要はないが、(5)モード継続時間が適切であることが要求される。
条件(1)のための突起を溶解するための方法はいくつかあり、それに従ってリフレッシュ点灯モードの方式もいくつかのバリエーションが考えられる。その方式には、例えば、点灯周波数の切替え(以下、「周波数切替え」という)、ランプ電力の切替え(以下、「電力切替え」という)、ランプ電流波形の切替え(以下、「波形切替え」という)、又はこれらの組み合わせにより行う方式が挙げられる。
まず、リフレッシュ点灯モードを周波数切替えによって行う方式について説明する。図6(a)に示したように、点灯周波数がfbより低い領域で突起は溶解傾向にあることから、リフレッシュ点灯モードにおける周波数frはfb未満とする必要がある。また、条件(2)を満たす必要がある場合や回路設計上の制約を考慮するとfrは50Hz以上とするのが望ましい。従って、50Hz≦fr<fbとする必要がある。そして、突起溶解効果を最大限発揮してリフレッシュ点灯モード継続期間をできるだけ短くするためにはfrを50〜60Hz程度とするのが望ましい。図6(b)に示すように、点灯モードの切替えに対して適用される点灯周波数について、t〜tはfn、t〜tはfr、t以降はfnとなる。なお、使用外リフレッシュ点灯モードにおいては、fr<50Hzであってもよく、frの下限値は専ら回路設計上の制約(例えば、フルブリッジ制御回路45に用いるドライバICの選定など)によって決まり、例えば30Hz程度としてもよい。

ここで、特に使用内リフレッシュ点灯モードの場合で、リフレッシュ点灯モードにおいて電極先端が図3(c)から(d)に移行する間にもフリッカを抑制したい場合は、その50〜60Hzの周波数で図7(a)若しくは(b)又は図11(a)若しくは(b)に示すようなフリッカ抑制用の電流波形を用いるようにしてもよい。これらの電流波形は各特許文献で突起形成効果があることが報告されていることから、これらの突起形成効果を担保しつつ電極先端を全体的に溶解するものである。
また、通常点灯モードの周波数fnをfbに近づけて使用する場合(例えば、fbに近いある周波数を使用すればランプ寿命が最長になる等のメリットがある場合等)は、通常点灯モードによる突起成長効果が低下することが予想される。この場合、リフレッシュ点灯モードの終了間際に突起をより積極的に形成する期間を設けてもよい。即ち、リフレッシュ点灯モードにおける突起溶解のための点灯周波数をfrとし、突起の積極的成長のための点灯周波数をfrとした場合、fr<fb<fn<frとするものである。図6(c)に示すように、点灯モードの切替えに対して適用される点灯周波数について、t〜tはfn、t〜tの前半はfr、後半はfr、t以降はfnとなる。
次に、リフレッシュ点灯モードを電力切替えによって行う方式を説明する。一般に投入されるランプ電力が大きいほどその熱エネルギーにより突起は溶解される傾向が強まることから、この方式では、リフレッシュ点灯モードにおけるランプ電力を定格電力値以上とすればよい。この方式のメリットとして、通常点灯モードとリフレッシュ点灯モードとで点灯周波数を切替える必要がなく、単一の周波数で点灯が可能となるためフルブリッジ制御回路45の回路構成を比較的簡素にできる。そして、例えば境界周波数fbが低い場合など、使用に適する点灯周波数帯が狭い場合などに特に有効である。言い換えると、境界周波数fbの値をあまり気にせずにリフレッシュ点灯モードを決定できる。但し、この方式は、使用内リフレッシュ点灯モードの場合は上記の条件(4)を満たすことができず望ましくない。
次に、リフレッシュ点灯モードを波形切替えによって行う方式を説明する。特許文献3に示されているように、ランプ電流波形を半サイクルの後半に向けて上昇させることによって突起成長効果があることが分かっている。従って、逆にランプ電流波形を半サイクルの後半に向けて低下させることによって突起溶解効果が得られる。従って、本方式は、リフレッシュ点灯モードにおけるランプ電流波形を図8に示すような下り傾斜付きの矩形波とするものである。この方式のメリットとして、電力切替え方式と同様に2つの点灯モードを通じて単一の周波数で点灯が可能となるためフルブリッジ制御回路45の回路構成を比較的簡素にできる。また、例えば境界周波数fbが低い場合など、使用に適する点灯周波数帯が狭い場合などに特に有効である。言い換えると、境界周波数fbの値をあまり気にせずにリフレッシュ点灯モードを決定できる。しかも、両モードを通じてランプ電力の実効値を一定に維持できるので、上記の条件(4)も満たすことができる。従って、例えば境界周波数fbが50Hz以下に存在し、しかも使用内リフレッシュモードを用いたい場合などに有効である。
なお、上記の周波数切替え方式、電力切替え方式及び波形切替え方式の少なくとも2つを組み合わせて突起溶解効果を高めるようにしてもよい。これにより、リフレッシュ点灯モードの短縮化を図ることができる。特に、使用外リフレッシュ点灯モードの場合のようにモード継続期間を短くしたい場合に好適である。
上記の説明から分かるように、本装置をプロジェクタに用いた場合、視聴を積極的に行う状況においては点灯モードがリフレッシュ点灯モードに切り替わったことはユーザには視認されない。一方、それが視認されるようなリフレッシュ点灯モードは視聴が積極的には行われない状況で適用される。従って、いずれの方法をとってもユーザの視覚を阻害することにはならない。
<所定の期間の決定>
図2及び図5のフローチャートにおける所定の期間について説明する。所定の期間の決定方法には、モード継続時間による決定又はランプ電圧による決定がある。
モード継続時間による決定の場合、中央制御部35内のタイマによってリフレッシュ点灯モードの継続時間をカウントし、その継続時間が所定時間Trに達したら所定の期間が終了する。具体的には、Trは5分〜1時間程度に設定されるようにリフレッシュ点灯モード中の点灯周波数やランプ電力を決定することが望ましい。
ランプ電圧による決定の場合、中央制御部35に入力される分圧抵抗31及び32の分圧値によって換算されるランプ電圧が所定値V以上となった場合に所定の期間が終了する。即ち、電極先端の複数の突起が溶解されて図3(d)のようになり、電極間距離が長くなったことによりランプ電圧が上昇することを検出するものである。具体的には、所定値VはVよりも高く設定され、(V−V)は5〜20V程度であればよい。但し、この場合、突起が図3(a)のように成長してランプ電圧がある程度下がるまでは通常点灯モードからリフレッシュ点灯モードへ移行しないようにマスクするものとする。例えば、ランプ電圧がVより低い適当な値Vを一度下回ってから信号源301又は302の動作が有効になるようにしてもよいし、マスク用タイマなどを中央制御部35内に設けてマスク期間を規定するようにしてもよい。
なお、モード継続時間による決定とランプ電圧による決定とを組み合わせ、両決定結果の論理積又は論理和をとって所定の期間を決定してもよい。
<まとめ>
以上、「リセット信号の発生」、「点灯モード」及び「所定の期間の決定」についてそれぞれ独立して説明したが、これらは実施に当たって各項目の好適なものを選択して組み合わせることができるという趣旨である。言い換えると、各項目を独立して検討・設計できるので、従来のような複雑な変調波形や間欠動作を検討する場合に比べて著しく開発効率を向上することができる。
例えば、新規な仕様のランプに対する設計において、信号源301をランプ電圧検出手段として、リフレッシュ点灯モードを周波数切替え方式とし、所定の期間の決定をランプ電圧によって決定するものとすると、装置の設計者は境界周波数fbの位置を知るための実験を行い、それに基づいてfn及びfr並びにV、V及びVを選択すれば、それ以上の実験を行わなくても装置の外部仕様を決定できる。fbを知るための実験においては、fbのおおよその値が分かればよいので比較的小規模な実験で済ますことができる。
また、信号源301をタイマとして、リフレッシュ点灯モードを周波数切替え方式とし、所定の期間の決定をモード継続時間で決定するものとすると、装置の設計者は以下の3つの実験を行えば点灯装置の外部仕様を決定することができる。まず、境界周波数fbの位置を知るための実験を行う。次に、ランプ寿命の観点等から通常点灯モード用に周波数fnを選択し、このfnでの点灯を何時間続ければ突起が成長し過ぎたり複数発生したりしてしまうのかを実験し、その結果から統計的にリセット信号発生時間Tnを決定する。そして、リフレッシュ点灯モード用に設定した周波数fr(例えば、50Hz)での点灯を何分継続すれば突起が十分に溶解されるのかを実験し、同様にして所定の期間Trを決定すればよい。即ち、通常点灯モードの設計とリフレッシュ点灯モードの設計とを独立して行うことが可能である。
さらに好適なこととして、上記の設計は決してピンポイント的な最適値に設計値を合わせ込むものではなく、むしろ、比較的尤度の大きい設計となるので複数の種類のランプに対する互換性を確保することができる。
またさらに、点灯時間の大部分を占める通常点灯モードにランプ寿命を重視したランプ点灯波形を採用することができるので、特殊な変調波形などを用いる場合と比べてランプ寿命の確保が容易になる。
<設計例1>
上記を考慮した上で、発明者らは本発明の最も好適な実施例として以下のような高圧放電灯点灯装置を設計した。なお、使用ランプの定格電力は170Wである。
通常点灯モードのランプ電流を矩形波として、点灯周波数fnを300Hzとした。なお、境界周波数fbは75Hz付近である。リフレッシュ点灯モードには周波数切替え方式を採用し、そのランプ電流波形を矩形波として、点灯周波数frを50Hzとした。
信号源として電圧検出手段を用いて、そのリセット信号発生の条件をV=85Vとした。所定の期間をランプ電圧で決定するものとし、具体的にはV=105Vとした。なお、マスク用の電圧について、V=70Vとした。
<設計例2>
設計例1と同様のランプにおいて、通常点灯モードのランプ電流を矩形波として、点灯周波数fnを300Hzとした。リフレッシュ点灯モードには周波数切替え方式を採用し、そのランプ電流波形を矩形波として、点灯周波数frを50Hzとした。
信号源として微分値演算手段を用いて、そのリセット信号発生の条件を3.3msecあたりΔV=0.7Vとした。所定の期間をモード継続時間で決定するものとし、具体的にはTr=30分とした。
<設計例3>
設計例1と同様のランプにおいて、通常点灯モードのランプ電流を矩形波として、点灯周波数fnを300Hzとした。リフレッシュ点灯モードには周波数切替え方式を採用し、そのランプ電流波形を矩形波として、点灯周波数frを50Hzとした。
信号源としてタイマ(累積)を用いて、そのリセット信号発生の条件をTn=30時間とした。所定の期間をモード継続時間で決定するものとし、具体的にはTr=30分とした。
なお、上記は設計の概要を明確にするために代表的な好適な設計例を示したものであり、本発明は上記の数値に限定されるものではない。
<アプリケーション>
上記実施例では、視覚性、ランプ互換性及びランプ寿命を向上した高圧放電灯点灯装置を示したが、それを用いたアプリケーションとしての光源装置を図9(a)及び(b)に示す。
図9(a)において、71は上記で説明した図1(a)の高圧放電灯点灯装置、72はランプ60が取り付けられるレフレクタ、73は高圧放電灯点灯装置71、ランプ60及びレフレクタ72を内蔵する筐体である。なお、図は実施例を模擬的に図示したものであり、寸法、配置などは図面通りではない。そして、図示されない映像系の部材等を筐体73内に適宜配置してプロジェクタが構成される。また、高圧放電灯点灯装置71内部の信号源301にタイマを用いる場合は、タイマリセットボタン310を筐体73上に設けてもよい。
上記より、視覚性、ランプ寿命及びランプ互換性を向上した高圧放電灯点灯装置を内蔵したので、ユーザは映像を快適に視聴することができ、しかも、ランプ交換までのサイクルを長くできるとともに、その交換後も再び快適に視聴することができるようなプロジェクタを得ることができる。
図9(b)が図9(a)と異なる部分は高圧放電灯点灯装置71として図1(b)のものが搭載されている点である。信号源302としての外部スイッチ74が筐体73外部に設けられている。前述したように、外部スイッチ74はリフレッシュ点灯モード起動専用の専用ボタン、ランプを消灯させるための消灯ボタン、又は再生されているコンテンツを停止させるための停止ボタンである。外部スイッチ74と高圧放電灯点灯装置71との間は有線で接続してもよいし、途中に無線送受信部を介して接続してもよい。従って、外部スイッチ74はプロジェクタ操作用のリモコン上に設けられていてもよい。
上記より、視覚性、ランプ寿命及びランプ互換性を向上した高圧放電灯点灯装置を内蔵したので、ユーザは映像を快適に視聴することができ、しかも、ランプ交換までのサイクルを長くできるとともに、その交換後も再び快適に視聴することができるようなプロジェクタを得ることができる。さらに、ユーザの意思に応じて、又はコンテンツ再生時以外にリフレッシュ点灯モードによる点灯を行うので、リフレッシュ点灯モードにおける視覚的違和感はある程度は許容され、従ってより溶解効果の高いリフレッシュ点灯モードを適用することができる。これにより、リフレッシュ点灯モードが短縮され、結果的に使用勝手の良さは確保される。
なお、プロジェクタにはリフレッシュ点灯モード中であることをユーザに知らせるための表示又は通知を行ってもよい。その表示又は通知は筐体73上に設けたLED等の光源による表示、リモコン上にある液晶表示中の表示、音声による通知、又はリフレッシュ点灯モード中である旨をスクリーン上に映し出すことによる表示であってもよい。
なお、上記実施例は本発明の最も好適な例として示したものであるが、それに関連して以下を注記しておく。
(1)本実施例における低周波電流としての「矩形波」とは、厳密には完全な矩形波ではないような波形も含むものとする。例えば、完全な矩形波に1サイクル以上の正弦波等がフリッカ抑制以外の目的で重畳されたような波形、矩形波半サイクルの開始時の電流値と終了時の電流値とが僅かに異なるような波形、半サイクルの中盤に僅かな凹凸があるような波形も含むものとする。従って、通常点灯モードにおけるランプ電流はそのような波形も含む趣旨である。
(2)実施例においては、点灯開始時から通常点灯モードで点灯することとしているが、始動直後の数秒〜数分の過渡的な放電状態(例えば、半波放電状態)では通常点灯モード以外のモードで点灯するような場合も本発明の範疇に含まれる。
(3)実施例においては、リフレッシュ点灯モードが1回行われるものを示したが、長時間の点灯が行われれば同モードが複数回行われることも想定される。
(4)実施例においては、交流電力供給回路を整流回路、降圧チョッパ回路及びフルブリッジ回路で構成したが、ランプに交流矩形波が供給できれば他の構成であってもよい。例えば、入力電源が直流電源であれば、フルブリッジ回路の前段部はDC/DCコンバータのみでよい。また、直流を交流に変換できればフルブリッジ回路の代わりにプッシュプル型インバータなどの他の方式の回路を用いてもよい。
(5)また、制御回路30は、フルブリッジ回路40のトランジスタ41〜44の反転制御と降圧チョッパ回路20のトランジスタ21のPWM制御を行うことができれば(その結果として上記に説明した各波形を出力できれば)、制御回路内の構成は図示したものに限定されない。
本発明は、主にプロジェクタやプロジェクションTV、映写機などの光源装置に使用される。
本発明の高圧放電灯点灯装置を示す図である。 本発明の点灯方法を示すフローチャートである。 ランプの電極の状態を説明する図である。 本発明の動作を説明する図である。 本発明の他の点灯方法を示すフローチャートである。 本発明における各モードの点灯周波数を説明する図である。 本発明を説明する図である。 本発明を説明する図である。 本発明の光源装置を示す図である。 従来技術を説明する図である。 従来技術を説明する図である。
符号の説明
1:AC電源
10:全波整流回路
11:ダイオード
12:コンデンサ
20:降圧チョッパ回路
21:トランジスタ
22:ダイオード
23:チョークコイル
24:コンデンサ
30:制御回路
31,32,33:抵抗
34:PWM制御回路
35:中央制御部
40:フルブリッジ回路
41,42,43,44:トランジスタ
45:ブリッジ制御回路
50:イグナイタ回路
51:イグナイタ制御回路
60:高圧放電灯
71.高圧放電灯点灯装置
72.レフレクタ
73.筐体
74.外部スイッチ
301,302.信号源
310.タイマリセットボタン

Claims (8)

  1. 高圧放電灯に交流電流を供給するための電力供給手段、点灯モードを決定して該点灯モードに従って該電力供給手段の動作を制御する制御手段、及びリセット信号を発生する信号源からなる高圧放電灯点灯装置であって、
    前記点灯モードについて、
    前記制御手段が、デフォルト状態においては前記高圧放電灯の電極先端に突起が成長し易い通常点灯モードを適用し、前記リセット信号受信時には該突起を溶解するためのリフレッシュ点灯モードを所定期間にわたって適用するよう構成され、
    前記信号源が外部スイッチであり、前記リセット信号が該外部スイッチの起動により発生されるものであり、
    前記外部スイッチが前記高圧放電灯を消灯させるための消灯ボタンであり、前記制御回路が該消灯ボタン起動後に前記リフレッシュ点灯モードを経て該高圧放電灯を消灯するように構成された高圧放電灯点灯装置。
  2. 請求項1記載の高圧放電灯点灯装置において、前記交流電流の周波数が50Hz以上1kHz以下であり、前記リフレッシュ点灯モードにおける周波数frが前記通常点灯モードにおける周波数fnよりも低い高圧放電灯点灯装置。
  3. 請求項記載の高圧放電灯点灯装置において、
    前記通常点灯モードにおける前記交流電流が矩形波電流であり、
    前記リフレッシュ点灯モードにおける前記交流電流が、50Hz以上1kHz以下の矩形波電流(以下「低周波電流」という)の半サイクルの直前に該低周波電流より高い周波数の電流(以下、「高周波電流」という)が1サイクル以上印加される電流波形であって該高周波電流の1サイクルのうちの後半の半サイクルのみ又は1サイクル全部の電流値が該低周波電流の電流値よりも高い交流電流、あるいは50Hz以上1kHz以下の矩形波電流を変形した交流電流であって該変形した交流電流の半サイクルにおいて後半の実効値が前半の実効値よりも大きいような交流電流である高圧放電灯点灯装置。
  4. 高圧放電灯に交流電流を供給するための電力供給手段、点灯モードを決定して該点灯モードに従って該電力供給手段の動作を制御する制御手段、及びリセット信号を発生する信号源からなる高圧放電灯点灯装置であって、
    前記点灯モードについて、
    前記制御手段が、デフォルト状態においては前記高圧放電灯の電極先端に突起が成長し易い通常点灯モードを適用し、前記リセット信号受信時には該突起を溶解するためのリフレッシュ点灯モードを所定期間にわたって適用するよう構成され、
    前記信号源が外部スイッチであり、前記リセット信号が該外部スイッチの起動により発生されるものであり、
    前記リフレッシュ点灯モードの終了直前に前記高圧放電灯の電極先端に突起を再形成する期間を設けた高圧放電灯点灯装置。
  5. 請求項記載の高圧放電灯点灯装置において、前記交流電流の周波数が50Hz以上1kHz以下であり、前記リフレッシュ点灯モードにおける周波数frが前記通常点灯モードにおける周波数fnよりも低く、前記再形成する期間における周波数frが該周波数fnよりも高い高圧放電灯点灯装置。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載の高圧放電灯点灯装置、高圧放電灯、該高圧放電灯が取り付けられるレフレクタ、及び該高圧放電灯点灯装置及び該リフレクタを内包する筐体を備えたプロジェクタ。
  7. 高圧放電灯に交流電流を供給する電力供給手段、リセット信号を発生する信号源、及び該リセット信号の発生に応じて点灯モードを決定して該電力供給手段の動作を制御する制御手段からなる高圧放電灯点灯装置における高圧放電灯の点灯方法であって、該点灯モードが、該高圧放電灯の電極先端に突起が成長し易い通常点灯モード及び該突起を溶解するためのリフレッシュ点灯モードからなり、
    前記制御手段が、点灯開始後デフォルトの設定として前記通常点灯モードを適用するステップ、及び
    前記制御手段が、該リセット信号を受信した場合に、前記リフレッシュ点灯モードを所定の期間にわたって適用するステップ
    からなり、
    前記信号源が外部スイッチであり、前記リセット信号が該外部スイッチの起動により発生され、前記外部スイッチが前記高圧放電灯を消灯させるための消灯ボタンであり、前記制御手段が該消灯ボタン起動後に前記リフレッシュ点灯モードを経て該高圧放電灯を消灯する、点灯方法。
  8. 請求項記載の点灯方法において、前記交流電流の周波数が50Hz以上1kHz以下であり、前記リフレッシュ点灯モードにおける周波数frが前記通常点灯モードにおける周波数fnよりも低い点灯方法。
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