JP2013198983A - ガスバリア性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高いガスバリア性、かつガスバリア性の外力による劣化の無いガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートからなるフィルムを基材とし、片面に以下の[A]層と[B]層がこの順で積層されたガスバリア性フィルム
[A]層:鉛筆硬度がHB以上、かつ伸度5%以上の架橋樹脂層
[B]層:厚さが10〜1000nmの含ケイ素無機層
【選択図】図1

Description

本発明は、高いガスバリア性が必要とされる食品、医薬品の包装用途や太陽電池、電子ペーパー、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレーなどの電子部材用途に使用されるガスバリア性フィルムに関する。
高分子基材の表面に、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム等の無機物を使用し、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理気相成長法(PVD法)、あるいはプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD法)等を利用して、その無機物の蒸着膜を形成してなるガスバリア性フィルムは、水蒸気や酸素などの各種ガスの遮断を必要とする食品や医薬品などの包装材および薄型テレビ、太陽電池などの電子デバイス部材として用いられている。
ガスバリア性向上技術としては、例えば、有機ケイ素化合物の蒸気と酸素を含有するガスを用いてプラズマCVD法により、ケイ素酸化物を主体とし、炭素、水素、ケイ素及び酸素を少なくとも1種類含有した化合物を基材上に形成することにより、透明性を維持しつつガスバリア性を向上させる方法が用いられている(特許文献1)。また、プラズマCVD法などの成膜方法以外のガスバリア性向上技術としては、ガスバリア性を悪化させるピンホールやクラックの発生原因となる突起や凹凸を減少させた平滑基材や表面平滑化を目的としたアンカーコート層を設けた基材が用いられている(特許文献2)。
特開平8−142252号公報 特開2002−113826号公報
しかしながら、ガスバリア性フィルムの製造工程や他の部品に組み込まれるなどの加工工程において、フィルムを搬送する際の張力やロールを通過する際の曲率により、ガスバリア膜は延伸・圧縮・曲げなどの外部応力を受ける。これにより、ガスバリア膜が裂ける等の破壊が起きて、ガスバリア性能は著しく劣化していた。
こうした膜破壊は、ガスバリア膜の膜厚を薄くすることで若干改善されるが、同時にガスバリア性が下がるため、充分なガスバリア性能を得られないという問題点もあった。そのため、薄いガスバリア層を樹脂層で挟んだ複数層にするという手法もあったが、生産性が著しく損なわれるという問題点があった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、加工工程の外部応力を受けても充分なガスバリア性の発現を可能にしたガスバリア性フィルムを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、
(1)ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートからなるフィルムを基材とし、片面に以下の[A]層と[B]層がこの順で積層されたガスバリア性フィルム。
[A]層:鉛筆硬度がHB以上、かつ伸度5%以上の架橋樹脂層
[B]層:厚さが10〜1000nmかつ非晶質構造の含ケイ素無機層
(2)前記[B]層が、亜鉛化合物とケイ素酸化物とを含む組成により構成されたものである(1)に記載のガスバリア性フィルム。
(3)前記[B]層が、以下の[B1]層または[B2]層のいずれかである(2)に記載のガスバリア性フィルム。
[B1]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの共存相からなる層
[B2]層:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層
(4)前記[B]層が[B1]層であり、該[B1]層が、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛原子濃度が20〜40at%、ケイ素原子濃度が5〜20at%、アルミニウム原子濃度が0.5〜5at%、酸素原子濃度が35〜70at%である組成により構成されたものである(3)に記載のガスバリア性フィルム。
(5)前記[B]層が[B2]層であり、該[B2]層は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9である組成により構成されたものである(3)に記載のガスバリア性フィルム。
(6)前記[A]層の三次元表面粗さ(中心面平均)SRaが1.5nm以下である(1)〜(5)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
(7)さらに伸度5%以上の架橋樹脂からなる[C]層を形成した(1)〜(6)のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
(8)[C]層の厚さを1〜10μmとした(7)に記載のガスバリア性フィルム。
酸素ガス、水蒸気等に対する高いガスバリア性が、取扱いにより劣化しないガスバリア性フィルムを提供することができる。
本発明のガスバリア性フィルムの一例を示した断面図である。 本発明のガスバリア性フィルムの他の一例を示した断面図である。 本発明のガスバリア性フィルムを製造するための装置の一例である巻き取り式スパッタリング装置を模式的に示す概略図である。
発明者らは、取り扱いによるガスバリア性の劣化が少ないガスバリア性フィルムを得ることを目的として鋭意検討を重ね、特定のフィルム基材の少なくとも片面に、特定の鉛筆硬度と特定の伸度を有する架橋樹脂層と、特定の厚さの含ケイ素無機層とをこの順で配置したところ、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
図1は、本発明のガスバリア性フィルムの一例を示す断面図である。本発明のガスバリア性フィルムは、図1に示すようにフィルム基材1の表面に、[A]層として鉛筆硬度がHB以上、かつ伸度5%以上の架橋樹脂層2と、[B]層として厚さ10〜1000nmの含ケイ素無機層3をこの順で積層したものである。
図2は、本発明のガスバリア性フィルムの他の一例を示す断面図である。本発明のガスバリア性フィルムは、図1の構成の上に伸度5%以上の架橋樹脂[C]層4を積層したものである。
本発明に用いられるフィルム基材は、用途として要求される透明性、用途および製造工程による機械的強度と耐熱性の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたはポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムである。
架橋樹脂層及び含ケイ素無機層を形成する側のフィルム基材表面には、密着性を良くするために、コロナ処理、イオンボンバード処理、溶剤処理、粗面化処理、または有機物若しくは無機物あるいはそれらの混合物で構成されるアンカーコート層の形成処理といった前処理が施されていても構わない。また、架橋樹脂層及びガスバリア層を形成する側の反対面には、フィルムの巻き取り時の滑り性の向上を目的として、有機物や無機物あるいはこれらの混合物のコーティング層が施されていても構わない。
本発明に使用するフィルム基材の厚さは特に限定されないが、柔軟性を確保する観点から500μm以下が好ましく、引張りや衝撃に対する強度を確保する観点から5μm以上が好ましい。さらに、フィルムの加工やハンドリングの容易性から下限は10μm以上が、上限は200μm以下がより好ましい。
つぎに、鉛筆硬度がHB以上、かつ伸度5%以上の架橋樹脂層である[A]層について詳細を説明する。本発明に用いる[A]層の厚さは、0.5μm以上、10μm以下が好ましい。層の厚さが0.5μmより薄くなると、高分子基材の凹凸の影響を受けて、[B]層の膜質が均一にならないため、ガスバリア性が悪化する場合がある。[A]層の厚さが10μmより厚くなると、[A]層内に残留する応力が大きくなることによって高分子基材が反り、[B]層にクラックが発生するため、ガスバリア性が低下する場合がある。従って、[A]層の厚さは0.5μm以上、10μm以下が好ましく、フレキシブル性を確保する観点から1μm以上、5μm以下がより好ましい。
本発明において、安定したガスバリア性の発現が可能となる効果に対する[A]層の鉛筆硬度の寄与は、[A]層の鉛筆硬度を鉛筆硬度がHB以上、かつ伸度5%以上とすることにより高分子基材に柔軟性及び寸法追従性を付与することができるため、結果としてガスバリア性の再現性が安定することにあると推測している。従って、かかる[A]層の鉛筆硬度はHB以上が必要であり、さらに好ましくはH以上である。HB未満となると外部応力に対する[A]層の変形が大きすぎるため、[B]層がその変形に追従できず[B]層の破壊を引き起こす。
本発明における[A]層の鉛筆硬度試験は、JIS K5600(1999)に準じて実施する。異なる硬度の鉛筆を用い、5N荷重下で試験を実施し、傷の有無によって判定する。なお、[A]層表面に無機層や樹脂層が積層されている場合、必要に応じてイオンエッチングや薬液処理により層を除去した後、鉛筆硬度試験を行うことで鉛筆硬度を評価することができる。
また、もう一つの指標である伸度は、5%以上の伸度があれば一定の外力に対して[A]層は伸びに適応し裂けることが無い。5%未満の伸度では、外力により[A]層が裂けたり割れたりすることで、その上の[B]層が裂けてバリア性を劣化させることになる。伸度の上限は特に設けないが、鉛筆硬度を確保する点から、硬度を持ちつつ大きな伸度を持つ樹脂が多くないために制限を受ける。また、20%以上の伸度はあっても良いが、この様な変形を受けた場合、[B]層がその変形に追従できず[B]層の破壊を引き起こすので実際はこの領域で使用する事はほとんどない。
本発明における[A]層の表面([B]層との境界面)の三次元表面粗さ(中心面平均)SRaを1.5nm以下にすると、積層する[B]層のピンホールやクラックの発生をより低減できるので、ガスバリア性の繰り返し再現性が向上するため好ましい。[A]層の表面の三次元表面粗さ(中心面平均)SRaが1.5nmより大きくなると、凸部においては[B]層の積層後にピンホールが発生し易くなり、さらに凹凸が多い部分ではクラックが発生するため、ガスバリア性の繰り返し再現性が悪化する原因となる場合がある。従って本発明では、[A]層の表面の三次元表面粗さ(中心面平均)SRaを1.5nm以下にすることが好ましく、折り曲げ時のマイクロクラックなどの微細な欠陥の発生を抑制し、柔軟性を向上させる観点から1nm以下にすることがさらに好ましい。
本発明に用いられる[A]層の材料としては、鉛筆硬度がHB以上、かつ伸度5%以上となるものであれば、特に限定されず種々の架橋樹脂を使用することができる。ここでいう架橋樹脂とは、架橋点を数平均分子量20000あたりに1点以上有するものと定義する。本発明における架橋樹脂層に適用できる架橋樹脂の例としては、アクリル系、ウレタン系、有機シリケート化合物、シリコーン系などの架橋樹脂があげられる。
これらの中でも、蒸着膜形成時の熱負荷に対する耐久性および鉛筆硬度の観点から、熱硬化型のアクリル系樹脂および活性線硬化型のアクリル系樹脂が好ましい。
熱硬化型のアクリル系樹脂および活性線硬化型のアクリル系樹脂としては、多官能アクリレートとアクリルオリゴマー、反応性希釈剤を含むものが好ましく例示され、その他必要に応じて光開始剤、光増感剤、熱重合開始剤あるいは改質剤などが添加されていても良い。
上述したアクリル系樹脂に好適に用いられる多官能アクリレートは1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が挙げられる。かかる化合物の例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの多官能アクリレートは、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、本発明において、多官能アクリレートには、多官能アクリレートの変性ポリマーを含んでもよい。
アクリルオリゴマーは、数平均分子量が、100〜5000であって、分子内に少なくとも1つの反応性のアクリル基が結合されたものである。骨格としてはポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエポキシ系樹脂、ポリエーテル系樹脂などが挙げられる。また、前記の骨格にはメラミンやイソシアヌール酸などの剛直な骨格のものであっても良い。
反応性希釈剤は、塗布剤の媒体として塗布工程での溶剤の機能を担うと共に、それ自体が一官能性あるいは多官能性のアクリルオリゴマーと反応する基を有し、塗膜の共重合成分となるものである。
また、特に紫外線による架橋の場合には光エネルギーが小さいため、光エネルギーの変換や反応の促進のため、詳細は後述するが光重合開始剤および、または光増感剤を添加することが好ましい。
本発明に用いられる[A]層の材料の配合における多官能アクリレートの使用割合は、鉛筆硬度がHB以上、かつ伸度5%以上とする観点から、[A]層の総量に対して20〜90質量%が好ましく、より好ましくは40〜70質量%である。かかる割合が90質量%より大きくなると、硬化収縮が大きく高分子基材が反る場合があり、そのような場合には含ケイ素無機層にクラックが発生し、ガスバリア性が悪化するなどの問題が生じる場合がある。また、多官能アクリレートの割合が20質量%より小さくなると、基材と[A]層との密着強度が低下し、剥離するなどの問題が発生する場合がある。
本発明における[A]層を架橋させる方法として、光による硬化を適用する場合、光重合開始剤を加えることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などがあげられる。
光重合開始剤の使用量は、重合性組成物100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、重合時の未反応物として残存し、ガスバリア性に影響しない範囲として、0.05〜5質量部が好ましい。
本発明に用いられる[A]層の架橋樹脂層を形成する樹脂を含有する塗液には、塗工時の作業性の向上、塗工膜厚の制御を目的として、本発明の効果が損なわれない範囲において、有機溶剤を配合することが好ましい。有機溶剤を配合する好ましい範囲としては10質量%以上、90質量%以下、より好ましくは20質量%以上、80質量%以下である。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶剤などを用いることができる。これらの溶剤は、単独あるいは2種以上を混合して用いても良い。
本発明には、本発明の効果が損なわれない範囲で、各種の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などの安定剤、界面活性剤、レベリング剤、帯電防止剤などを用いることができる。また、ナノサイズの無機粒子を添加し、ポリマーと無機粒子が分子サイズでの結合を実現する有機無機ハイブリット系UV硬化型フィルムコート剤は本発明の効果を得やすく、好ましく用いることができる。
[A]層を形成する樹脂からなる塗液の塗布手段としては、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法、スプレーコート法などを用いることができる。中でも、本発明における[A]層の厚さである0.5μm以上、10μm以下の塗工に好適な手法として、グラビアコート法が好ましい。
[A]層を架橋させる際に用いられる活性線としては、紫外線、電子線、放射線(α線、β線、γ線)などがあり、実用上簡便な方法として紫外線が好ましい。また、熱による架橋させる場合に用いられる熱源としては、スチームヒーター、電気ヒーター、赤外線ヒーターなどがあり、温度制御の安定性の観点から赤外線ヒーターが好ましい。
次に、[B]層である厚さが10〜1000nmの含ケイ素無機層について詳細を説明する。本発明において含ケイ素無機層は、[B]厚さが10〜1000nmであり、[A]層である鉛筆硬度がHB以上かつ伸度5%以上の架橋樹脂層の上に配置される。
発明者らの検討の結果、[A]層の上に[B]層を積層することにより、加工工程での変形によってもガスバリア性が失われないガスバリア性フィルムが可能であることを見出した。フィルムの加工工程では、室温において最大で40MPaの張力(応力)がかかると考えられるため、40MPaの応力を受けた後に、ガス透過率の増加度合いが3倍以下に抑えられることが、本発明のガスバリア性フィルムにとって重要である。
本発明における[B]層に好適に用いられる材料としては、膜質が非晶質かつ緻密に形成でき、優れたガスバリア性を有する二酸化ケイ素を主成分とする組成物が好ましい。なお、「二酸化ケイ素」を「SiO」と略記することもある。無機膜にガスバリア性を持たせる場合、結晶性で硬いために脆性で劣る、あるいは結晶間の粒界を通してガス分子が通過するなどのガスバリア性の悪化要因が生じる。二酸化ケイ素はシリカガラスで知られている様に非晶質であるガラスを構成する代表的な成分であり、窒化ケイ素や炭化ケイ素などもスパッタ膜とした場合非晶質となりやすい。この様に、ケイ素の酸化物、窒化物、炭化物など含ケイ素無機層は非晶質になりやすく、結晶性であることによるガスバリア性の劣化を免れる傾向がある。
前記[A]層の上に[B]層を積層することにより、[A]層は鉛筆硬度がHB以上の架橋樹脂層であるため、高分子基材の耐熱性および熱寸法性が向上する。かかる[A]層の上にケイ素を好ましくは5at%(原子組成百分率)以上含む含ケイ素無機層を形成することにより、高分子基材の上に直接含ケイ素無機層を形成するのに比較して、含ケイ素無機層を形成する際のスパッタリングやプラズマCVDにおけるプラズマのイオンおよびラジカルによる高分子基材の損傷を防止できるので、安定して緻密な含ケイ素無機層を形成できる。
[B]層は、ケイ素無機物を含んでいれば、Zn、Al、Ti、Zr、Sn、In、Nb、Mo、Ta等の元素の酸化物、窒化物、硫化物、またはそれらの混合物を含んでいても良い。例えば、高いガスバリア性が得られるものとして、[B1]酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層(以降[B1]層と略記する)または[B2]硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層(以降[B2]層と略記する)が好適に用いられる。[B1]層と[B2]層のそれぞれの詳細は後述する。
[B]層は非晶質であり、構成する原子がランダムに配列している。X線回折法により結晶を測定しても検出できない程度の微結晶を含むことを妨げないが、全体が結晶質ではないために、[A]層に追従し外力により変形して伸縮することができる。
本発明に使用する[B]層の厚さは、ガスバリア性を発現する層の厚さとして10nm以上、1000nm以下であることが必要である。層の厚さが10nmより薄くなると、十分にガスバリア性が確保できない箇所が発生し、高分子基材面内でガスバリア性がばらつくなどの問題が生じる。また、層の厚さが1000nmより厚くなると、層内に残留する応力が大きくなるため、曲げや外部からの衝撃によって[B]層にクラックが発生しやすくなり、使用に伴いガスバリア性が低下する。従って、[B]層の厚さは10nm以上、1000nm以下であり、柔軟性を確保する観点から10nm以上、500nm以下がより好ましい。[B]層の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定することが可能である。
[B]層を形成する方法は特に限定されず、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等によって形成することができる。これらの方法の中でも、簡便かつ安価に[B]層を形成可能な方法として、スパッタリング法が好ましい。
次に、本発明における含ケイ素無機層として好適に用いられる[B1]層として、酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相からなる層について詳細を説明する。なお、「酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相」を「ZnO−SiO−Al」と略記することもある。また、二酸化ケイ素(SiO)は、生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO)が生成することがあるが、本明細書においては二酸化ケイ素あるいはSiOと表記することとする。
かかる組成比の化学式からのずれに関しては、酸化亜鉛、酸化アルミニウムについても同様の扱いとし、それぞれ、本明細書においては、生成時の条件に依存する組成比のずれに関わらず、酸化亜鉛またはZnO、酸化アルミニウムまたはAlと表記することとする。
本発明のガスバリア性フィルムにおいて[B1]層を適用することによりガスバリア性が良好となる理由は、酸化亜鉛−二酸化ケイ素−酸化アルミニウムの共存相においては酸化亜鉛に含まれる結晶質成分と二酸化ケイ素の非晶質成分とを共存させることによって、微結晶を生成しやすい酸化亜鉛の結晶成長が抑制され粒子径が小さくなるため層が緻密化し、酸素および水蒸気の透過が抑制されるためと推測している。なお、ここでは酸化亜鉛の結晶質成分と二酸化ケイ素の非晶質成分という相反する状態が、X線回折などの結晶状態の測定器では検出できない程度の微小な領域に区切られて状態を共存相としている。
また、酸化アルミニウムを共存させることによって、酸化亜鉛と二酸化ケイ素を共存させる場合に比べて、より結晶成長を抑制することができるため、結晶による脆性がなく柔軟性を保持して、フィルムの伸びに応じて変形する[A]層に追従し変形することで、クラックを防止して、これに起因するガスバリア性低下が抑制できたものと考えられる。
[B1]層の組成は、後述するようにICP発光分光分析法により測定することができる。ICP発光分光分析法により測定される亜鉛原子濃度は20〜40at%、ケイ素原子濃度は5〜20at%、アルミニウム原子濃度は0.5〜5at%、酸素原子濃度は35〜70at%であることが好ましい。亜鉛原子濃度が40at%より大きくなる、またはケイ素原子濃度が5at%より小さくなると、酸化亜鉛の結晶成長を抑制する酸化物が不足するため、空隙部分や欠陥部分が増加し、十分なガスバリア性が得られない場合がある。亜鉛原子濃度が20at%より小さくなる、またはケイ素原子濃度が20at%より大きくなると、層内部の二酸化ケイ素の非晶質成分が増加して層の柔軟性が低下する場合がある。また、アルミニウム原子濃度が5at%より大きくなると、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の親和性が過剰に高くなるため膜の鉛筆硬度が上昇し、熱や外部からの応力に対してクラックが生じやすくなる場合がある。アルミニウム原子濃度が0.5at%より小さくなると、酸化亜鉛と二酸化ケイ素の親和性が不十分となり、層を形成する粒子間の結合力が向上できないため、柔軟性が低下する場合がある。また、酸素原子濃度が70at%より大きくなると、[A]層内の欠陥量が増加するため、所定のガスバリア性が得られない場合がある。酸素原子濃度が35at%より小さくなると、亜鉛、ケイ素、アルミニウムの酸化状態が不十分となり、結晶成長が抑制できず粒子径が大きくなるため、ガスバリア性が悪化する場合がある。かかる観点から、亜鉛原子濃度が25〜35at%、ケイ素原子濃度が10〜15at%、アルミニウム原子濃度が1〜3at%、酸素原子濃度が50〜64at%であることがより好ましい。これにより、5×10−3g/m・d 以下の水蒸気透過率が得られる。
[B1]層に含まれる成分は酸化亜鉛および二酸化ケイ素および酸化アルミニウムが上記組成の範囲でかつ主成分であればよく、その他の成分として、例えば、Al、Ti、Zr、Sn、In、Nb、Mo、Ta、Pd等から形成された金属酸化物を含んでも構わない。ここで主成分とは、通常[B1]層の組成の60質量%以上であることを意味し、80質量%以上であれば好ましい。
[B1]層の組成は、層の形成時に使用した混合焼結材料と同等の組成で形成されるため、目的とする層の組成に合わせた組成の混合焼結材料を使用することで[B1]層の組成を調整することが可能である。
[B1]層の組成分析は、ICP発光分光分析法を使用して、亜鉛、ケイ素、アルミニウムの各元素を定量分析し、酸化亜鉛と二酸化ケイ素、酸化アルミニウムおよび含有する無機酸化物の組成比を知ることができる。なお、酸素原子は亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子が、それぞれ酸化亜鉛(ZnO)、ニ酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)として存在すると仮定して算出する。ICP発光分光分析は、試料をアルゴンガスとともにプラズマ光源部に導入した際に発生する発光スペクトルから、多元素の同時計測が可能な分析手法であり、組成分析に適用することができる。[B]層上に無機層や樹脂層が積層されている場合、必要に応じてイオンエッチングや薬液処理により層を除去した後、ICP発光分光分析することができる。
高分子基材上に[B1]層を形成する方法は特に限定されず、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの混合焼結材料を使用して、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの単体材料を使用する場合は、酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムをそれぞれ別の蒸着源またはスパッタ電極から同時に成膜し、所望の組成となるように混合させて形成することができる。これらの方法の中でも、本発明に使用する[B1]層の形成方法は、ガスバリア性と形成した層の組成再現性の観点から、混合焼結材料を使用したスパッタリング法がより好ましい。
次に、[B2]層として、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層について詳細を説明する。なお、「硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相」を、「ZnS−SiO」と略記することもある。また、二酸化ケイ素(SiO)は、その生成時の条件によって、左記組成式のケイ素と酸素の組成比率から若干ずれたもの(SiO〜SiO)が生成することがあるが、ここでは二酸化ケイ素あるいはSiOと表記する。
本発明のガスバリア性フィルムにおいて[B2]層を適用することによりガスバリア性が良好となる理由は、硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相においては硫化亜鉛に含まれる結晶質成分と二酸化ケイ素の非晶質成分とを共存させることによって、微結晶を生成しやすい硫化亜鉛の結晶成長が抑制され粒子径が小さくなるため層が緻密化し、酸素および水蒸気の透過が抑制されるためと推測している。また、結晶成長が抑制された硫化亜鉛を含む硫化亜鉛−二酸化ケイ素共存相は、無機酸化物または金属酸化物だけで形成された層よりも柔軟性が優れるため、熱や外部からの応力に対してクラックが生じにくいため、かかる[B2]層を適用することにより、フィルムの伸びに応じて変形する[A]層に追従し変形することで、クラックを防止して、ガスバリア性低下が抑制できたものと考えられる。
[B2]層の組成は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9であることが好ましい。硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.9より大きくなると、硫化亜鉛の結晶成長を抑制する酸化物が不足するため、空隙部分や欠陥部分が増加し、所定のガスバリア性が得られない場合がある。また、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7より小さくなると、[B2]層内部の二酸化ケイ素の非晶質成分が増加して層の柔軟性が低下するため、機械的な曲げに対するガスバリア性フィルムの柔軟性が低下する場合がある。さらに好ましくは0.75〜0.85の範囲である。これにより、5×10−3g/m・d 以下の水蒸気透過率が得られる。
[B2]層に含まれる成分は硫化亜鉛および二酸化ケイ素が上記組成の範囲でかつ主成分であればよく、その他の成分として、例えば、Al、Ti、Zr、Sn、In、Nb、Mo、Ta、Pd等の金属酸化物を含んでも構わない。ここで主成分とは、通常[B2]層の組成の60質量%以上であることを意味し、80質量%以上であれば好ましい。
[B2]層の組成は、層の形成時に使用した混合焼結材料と同等の組成で形成されるため、目的に合わせた組成の混合焼結材料を使用することで[B2]層の組成を調整することが可能である。
[B2]層の組成分析は、ICP発光分光分析によりまず亜鉛及びケイ素の組成比を求め、この値を基にラザフォード後方散乱法を使用して、各元素を定量分析し硫化亜鉛と二酸化ケイ素および含有する他の無機酸化物の組成比を知ることができる。ICP発光分光分析は、試料をアルゴンガスとともにプラズマ光源部に導入した際に発生する発光スペクトルから、多元素の同時計測が可能な分析手法であり、組成分析に適用することができる。また、ラザフォード後方散乱法は高電圧で加速させた荷電粒子を試料に照射し、そこから跳ね返る荷電粒子の数、エネルギーから元素の特定、定量を行い、各元素の組成比を知ることができる。なお、[B2]層は硫化物と酸化物の複合層であるため、硫黄と酸素の組成比分析が可能なラザフォード後方散乱法による分析を実施する。[B2]層上に無機層や樹脂層が積層されている場合、必要に応じてイオンエッチングや薬液処理により層を除去した後、ICP発光分光分析及び、ラザフォード後方散乱法にて分析することができる。
[B2]層を形成する方法は特に限定されず、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の混合焼結材料を使用して、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等によって形成することができる。硫化亜鉛と二酸化ケイ素の単体材料を使用する場合は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素をそれぞれ別の蒸着源またはスパッタ電極から同時に成膜し、所望の組成となるように混合させて形成することができる。これらの方法の中でも、本発明に使用する[B2]層の形成方法は、ガスバリア性と形成した層の組成再現性の観点から、混合焼結材料を使用したスパッタリング法がより好ましい。
以上で[A]層と[B]層の組み合わせにより後の工程でのバリア膜の損傷によるバリア性の劣化を防ぐ手段が提供されたが、さらに[B]層の上に、耐擦傷性の向上を目的としたハードコート層を形成する事で、その効果をより大きくすることができる。加工工程での外力が[B]層にかかる時、[C]層により緩和するとともに、伸びが加わる場合に[C]層も同時に伸びることで[B]層が裂ける事を防止する。材料としては、強度の点から架橋樹脂を用い、延伸への耐久性を持たせるために伸度が5%以上の材質を用いる。厚さは、保護の効果を得るためには1μm程度以上で良い。厚いとその効果は上がるものの、7μmを超えるとその改善の度合いは飽和してくるので、材料の経済性とのバランスから10μmを上限とする。
本発明のガスバリア性フィルムを、有機高分子化合物からなるフィルムをラミネートした積層構成とする事は、さらにガスバリア性を高めるとともに、耐擦傷性を付与できることから好ましい。
以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限りn=5とし平均値を求めた。
(1)層の厚さ
[A]層の厚さは、エポキシ樹脂中に埋め込んで補強したサンプルを、ライカマイクロシステムズ社製ウルトラミクロトームUC−7により切断して露出させた断面を、走査式電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズS−4800)にて加速電圧を5kVとして測定した。
[B]層の厚さは、蛍光X線分析装置((株)リガク ZSX PrimusIII+)により亜鉛の特性X線の強度を測定し、予め膜厚測定がなされている基準サンプルから得られた検量線より膜厚値に換算した。
基準サンプルの膜厚測定は、以下の方法による。マイクロサンプリングシステム((株)日立製作所FB−2000A)を使用して、高速に加速したイオンを収束し特定の部位に照射して微小な局部的な切削を行うFIB法により断面観察用サンプルを作製した。透過型電子顕微鏡((株)日立製作所H−9000UHRII)により、加速電圧300kVとして観察用サンプルの断面を観察し、基準サンプルの厚さを測定した。
(2)鉛筆硬度試験
[A]層表面の鉛筆硬度を、鉛筆硬度試験機HEIDON−14(新東科学(株))を用いて、JIS K5600−5−4(1999)に従い、n=1にて測定した。
(3)伸度(%)
縦140mm、横10mmにサンプルをカットし、両端の2cmを把持して10cmを伸度評価部分とした。(株)島津製作所製の“AUTOGRAPH”(登録商標)AGS−X 500Nを用いて、そのサンプルを20mm/分の速度で伸ばし、全長に対する伸びの率を伸度とした。各サンプルは伸びを1mmずつ変えて製作して、長さが10cmであることから伸度1%ずつのサンプルとした。膜へのクラックを目視で観察してクラックの発生しない最大の伸度をそのサンプルの伸度(%)とした。
(4)三次元表面粗さ(中心面平均)SRa(nm)
原子間力顕微鏡を用いて、以下の条件で[A]層である架橋樹脂層表面についてSRa(nm)を測定した。
システム:NanoScopeIII/MMAFM(デジタルインスツルメンツ社製)
スキャナ:AS−130(J−Scanner)
プローブ:NCH−W型、単結晶シリコン(ナノワールド社製)
走査モ−ド:タッピングモ−ド
走査範囲:10μm×10μm
走査速度:0.5Hz
測定環境:温度23℃、湿度65%RH、大気中。
(5)水蒸気透過率(g/(m・d))
温度40℃、湿度90%RH、測定面積50cmの条件で、英国テクノロックス(Technolox)社製の水蒸気透過率測定装置(機種名:“DELTAPERM”(登録商標))を使用して測定した。サンプル数は水準当たり2検体とし、測定回数は各検体について5回とし、得られた10点の平均値を水蒸気透過率(g/(m・d))とした。
(6)外力評価
120mm×140mmにサンプルをカットし、(株)島津製作所製“AUTOGRAPH”AGS−X 500Nに120mmの両辺を固定して、予備負荷の機能を用いて140mmの方向に40MPaの応力に相当する力(厚さ50μmのフィルムに対しては240N)を20秒間印加した後取り外し、上記水蒸気透過率を測定した。外力印加後の水蒸気透過率の外力印加前の水蒸気透過率に対する変化率が3以下のものを、外力評価の良好なものとした。
(7)[B1]層の組成
[B1]層の組成分析はICP発光分光分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製SPS4000)により行った。試料を、硝酸および硫酸で加熱分解し、希硝酸で加温溶解してろ別した。不溶解分は加熱灰化したのち、炭酸ナトリウムで融解し、希硝酸で溶解して、先のろ液とあわせて定容とした。この溶液について、ICP発光分光分析法でZn、Al、Siを測定し、試料中の含有量を求め、原子数比に換算した。なお、酸素原子は亜鉛原子、ケイ素原子、アルミニウム原子が、それぞれ酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)として存在すると仮定して求めた計算値とした。
(8)[B2]層の組成
[B2]層の組成分析は、上記の前処理の後、同様にICP発光分光分析(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)SPS4000)により行いZn、Siの量を測定した。この値をもとに、硫黄・酸素量をラザフォード後方散乱法(日新ハイボルテージ(株)製AN−2500)を使用して測定した。測定条件は下記の通りである。
入射イオン: 4He++
入射エネルギー: 2300keV
入射角: 0°
散乱角: 160°、100°(直進の角度を0°として)
試料電流: 5nA
ビーム径: 2mmφ
面内回転: 無
照射量: 10μC
これらの結果より最終的に硫化亜鉛と二酸化ケイ素の組成比を求めた。
[B1]層の作成
図3に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、フィルム基材5の面([A]層の形成された面、または、[A]層を形成していない場合には高分子基材の面)上に酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムで形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置し、アルゴンガスおよび酸素ガスによるスパッタリングを実施し[B1]層を設けた。
具体的な操作は以下のとおりである。まず、スパッタ電極13に酸化亜鉛/二酸化ケイ素/酸化アルミニウムの組成質量比が77/20/3で焼結されたスパッタターゲットを設置した巻き取り式スパッタ装置6の巻き取り室7の中で、巻き出しロール8に前記フィルム基材5を[B1]層を設ける側の面がスパッタ電極13に対向するようにセットし、巻き出し、ガイドロール9、10、11を介して、クーリングドラム12に通した。真空度2×10−1Paとなるように酸素ガス分圧10%としてアルゴンガスおよび酸素ガスを導入し、直流電源により投入電力4000Wを印加することにより、アルゴン・酸素ガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記高分子基材4の表面上に[B1]層を形成した。厚さは、フィルム搬送速度により調整した。その後、ガイドロール14、15、16を介して巻き取りロール17に巻き取った。
[B2]層の作成
図3に示す構造の巻き取り式のスパッタリング装置を使用し、フィルム基材5の面([A]層の形成された面、または、[A]層を形成していない場合には高分子基材の面)上に、硫化亜鉛および二酸化ケイ素で形成された混合焼結材であるスパッタターゲットをスパッタ電極13に設置し、アルゴンガスプラズマによるスパッタリングを実施し[B2]層を設けた。
具体的な操作は以下のとおりである。まず、スパッタ電極13に硫化亜鉛/二酸化ケイ素のモル組成比が80/20で焼結されたスパッタターゲットを設置した巻き取り式スパッタ装置6の巻き取り室7の中で、巻き出しロール8に前記高分子基材5をセットし、巻き出し、ガイドロール9、10、11を介して、クーリングドラム12に通した。真空度2×10−1Paとなるようにアルゴンガスを導入し、高周波電源により投入電力500Wを印加することにより、アルゴンガスプラズマを発生させ、スパッタリングにより前記高分子基材5の表面上に[B2]層を形成した。厚さは、フィルム搬送速度により調整した。その後、ガイドロール14、15、16を介して巻き取りロール17に巻き取った。
(実施例1)
フィルム基材として厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製“ルミラー”(登録商標)U48)を使用した。
[A]層形成用の塗工液として、DIC(株)製“ユニディック”(登録商標)RC29−124(ウレタンアクリレート系UV硬化型フィルムコート剤)をMEKにてNV(固形分濃度)50質量%に調整後、バーコーターにて塗布した。70℃で5分間乾燥後、ウシオ電機(株)“ユニキュア”(登録商標)UVC−3533/1HOLC4−LNを用い、紫外線を積算光量0.5J/cmで照射して硬化させ、厚さ5μmの[A]層を設けた。
[A]層を形成したフィルムから縦140mm、横100mmの試験片を切り出し、[A]層の鉛筆硬度試験、伸度、三次元表面粗さ(中心面平均)の評価を実施した。結果を表1に示す。
次に、[A]層上に[B1]層を厚さ140nm形成し、ガスバリア性フィルムを得た。[B1]層の組成は、亜鉛原子濃度が27.5at%、ケイ素原子濃度が13.1at%、アルミニウム原子濃度が2.3at%、酸素原子濃度が57.1at%であった。
得られたガスバリア性フィルムの縦100mm、横140mmの試験片を切り出し、水蒸気透過率を測定した。また、縦200mm、横140mmの試験片を切り出し、外力評価を実施した。結果を表1に示す。
(実施例2)
[B1]層を厚さ20nmとなるよう設けた以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(実施例3)
[A]層形成用の塗工液として、DIC株式会社製“ユニディック”(登録商標)RC29−117(ポリマー型アクリレート系UV硬化型フィルムコート剤)をMEKにてNV50質量%に調整後、バーコーターにて塗布した。70℃で5分間乾燥後、紫外線を0.5J/cm照射して硬化させ、厚さ5μmの[A]層を設けた以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(実施例4)
[A]層形成用の塗工液として、大成ファインケミカル(株)“8KX−077"(UV硬化型アクリルポリマー)をMEKでNV20質量%に希釈し、次いで光開始剤I−184を3%添加し塗工液1を調製した。塗工液1をバーコーターで塗布し、100℃で1分間乾燥後、紫外線を0.3J/cm照射、硬化させ、厚さ3μmの[A]層を設けた。
[B1]層に代えて[B2]層を厚さ200nmとなるよう設けた以外は、実施例2と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。[B2]層の組成は、硫化亜鉛のモル分率が0.80であった。
(実施例5)
実施例4の方法で[A]層を設けた。その上に実施例1の方法で[B1]層を設けた。さらに実施例4の[A]層を設けたのと同じ方法で[C]層を設けた。これを完成品として、水蒸気透過率とその外力評価を行った。
(実施例6)
実施例1において、酸化亜鉛/二酸化ケイ素/酸化アルミニウムの組成質量比が91/6/3で焼結されたスパッタターゲットを使用し、厚さ140nmの[B1]膜を形成した。[B1]層の組成は、亜鉛原子濃度が37.8at%、Si原子濃度が4.6at%、アルミニウム原子濃度が2.7at%、酸素原子濃度が54.9at%であった。以下、実施例1と同様にサンプルを製作、評価した。
(実施例7)
実施例4において、硫化亜鉛/二酸化ケイ素のモル組成比が95/5で焼結されたスパッタターゲットを使用し、厚さ200nmとした。[B2]層の組成として、硫化亜鉛のモル分率0.95を得た。
(実施例8)
フィルム基材として厚さ50μmのPEN(帝人デュポンフィルム株式会社製テオネックスQ51)を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例1)
[A]層形成用の塗工液として、DIC(株)ユニディック28−608(ウレタンアクリレート系UV硬化型フィルムコート剤)100質量部をMIBK100質量部で希釈した塗工液2を調製した。次いで、塗工液2を前記高分子基材の片面に“マイクログラビア”コーター(グラビア線番200UR、回転比100%)で塗布、100℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気下で紫外線を0.3J/cm照射して硬化させ、厚さ3μmの[A]層を設けた。
その表面に直接、[B1]層を厚さ140nmとなるよう形成した以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例2)
[A]層を形成しないで、高分子基材の表面に直接、[B1]層を厚さ140nmとなるよう形成した以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例3)
[A]層形成用の塗工液として、日本合成化学工業(株)UV−7510B(ウレタンアクリレート系UV硬化型フィルムコート剤)100質量部をMIBK100質量部で希釈した塗工液3を調製した。次いで、塗工液3を前記高分子基材の片面に“マイクログラビア”コーター(グラビア線番200UR、回転比100%)で塗布、100℃で1分間乾燥後、窒素雰囲気下で紫外線を0.3J/cm照射して硬化させ、厚さ3μmの[A]層を設けた。
その表面に直接、[B1]層を厚さ140nmとなるよう形成した以外は実施例1と同様にしてガスバリア性フィルムを得た。
(比較例4)
実施例1において、[B1]層の厚さを5nmとした。
(比較例5)
実施例1において、[B1]層の厚さを1200nmとした。
(比較例6)
実施例1において、酸化亜鉛を焼結したスパッタターゲットを使用し[B1]層を厚さ200nmの酸化亜鉛とした。以下、実施例1と同様にサンプルを製作、評価した。
結晶性を確認するために、下記の条件でX線回折測定を行ったところ、<002>配向の結晶ピークが確認されて結晶質である事がわかった。
測定器 理学電機 RAD−10
条件 測定モード θ−2θスキャン、スキャン範囲 20〜80°、
ステップ 0.025°、スキャン速度 0.1°/s
Figure 2013198983
本発明のガスバリア性フィルムは、酸素ガス、水蒸気等に対するガスバリア性に優れているので、例えば、食品、医薬品などの包装材および薄型テレビ、太陽電池などの電子デバイスにフィルム基材を用いる場合の液晶や有機ELディスプレー、あるいは太陽発電層の水蒸気等による劣化を防止する部材として有用に用いることができるが、用途がこれらに限定されるものではない。
1フィルム基材
2[A]層
3[B]層
4[C]層
5高分子基材
6巻き取り式スパッタリング装置
7巻き取り室
8巻き出しロール
9、10、11巻き出し側ガイドロール
12クーリングドラム
13スパッタ電極
14、15、16巻き取り側ガイドロール
17巻き取りロール

Claims (8)

  1. ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートからなるフィルムを基材とし、片面に以下の[A]層と[B]層がこの順で積層されたガスバリア性フィルム。
    [A]層:鉛筆硬度がHB以上、かつ伸度5%以上の架橋樹脂層
    [B]層:厚さが10〜1000nmかつ非晶質構造の含ケイ素無機層
  2. 前記[B]層が、亜鉛化合物とケイ素酸化物とを含む組成により構成されたものである請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記[B]層が、以下の[B1]層または[B2]層のいずれかである請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
    [B1]層:酸化亜鉛と二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの共存相からなる層
    [B2]層:硫化亜鉛と二酸化ケイ素の共存相からなる層
  4. 前記[B]層が[B1]層であり、該[B1]層が、ICP発光分光分析法により測定される亜鉛原子濃度が20〜40at%、ケイ素原子濃度が5〜20at%、アルミニウム原子濃度が0.5〜5at%、酸素原子濃度が35〜70at%である組成により構成されたものである請求項3に記載のガスバリア性フィルム。
  5. 前記[B]層が[B2]層であり、該[B2]層は、硫化亜鉛と二酸化ケイ素の合計に対する硫化亜鉛のモル分率が0.7〜0.9である組成により構成されたものである請求項3に記載のガスバリア性フィルム。
  6. 前記[A]層の三次元表面粗さ(中心面平均)SRaが1.5nm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア性フィルム。
  7. さらに伸度が5%以上の架橋樹脂からなる[C]層を形成した請求項1〜6のいずれかに記載するガスバリア性フィルム。
  8. [C]層の厚さが1〜10μmである請求項7に記載のガスバリア性フィルム。
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