JP2013194303A - フッ化物溶射皮膜の形成方法およびフッ化物溶射皮膜被覆部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材表面に、炭化物サーメット粒子を溶射ガンを使って吹き付けることにより、この炭化物サーメット粒子が基材表面に対して8〜50%の面積率にて疎らに突き刺さって林立した状態の植毛構造からなるプライマー部を形成し、次いで、フッ化物粒子を溶射することにより、該フッ化物粒子を上記プライマー部を構成している炭化物サーメットの林立粒子に対する投錨効果を導いて成膜するフッ化物溶射皮膜の形成方法。
【選択図】図1
Description
(1)フッ化物溶射皮膜の密着性を向上させるための手段として、基材(被処理体)の表面に対し、新しい発想に基づく粗面化構造(皮膜の密着性向上のため)の形成と、アンダーコート層的な役割を担う炭化物サーメット粒子の吹き付けによって発生する植毛構造からなるプライマー部を介してトップコートであるフッ化物溶射皮膜の形成を行なう。
(1)基材表面への炭化物サーメット粒子の吹き付け処理が、高速フレーム溶射法または低温溶射法のいずれかであること、
(2)炭化物サーメット粒子が吹き付けられる基材は、予めブラスト粗面化処理して、Ra:0.05〜0.74μm、Rz:0.09〜2.0μmの表面粗さにしたものであること、
(3)前記基材が、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、ステンレス鋼を含む合金鋼、炭素鋼、Niおよびその合金、酸化物、窒化物、炭化物、珪化物、炭素などの焼結体、プラスチックから選ばれるいずれかであること、
(4)前記炭化物サーメット粒子は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびSiから選ばれる1種以上の金属炭化物と、質量で5〜40%の割合のCo、Ni、Cr、AlおよびMoから選ばれる1種以上の金属とからなり、かつ粒径が5〜80μmの大きさであること、
(5)トップコートに用いられるフッ化物が、元素の周期律表IIa族のMg、IIIa族のY、IIIb族のAlおよび原子番号57〜71のランタノイド系金属のフッ化物であること、
(6)フッ化物のトップコートを形成するための溶射方法が、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法および低温溶射法から選ばれるいずれか一の成膜方法であること、
(7)前記フッ化物粒子の溶射に先立ち、基材を80〜700℃に予熱すること、
(8)前記フッ化物溶射皮膜は、30〜500μmの厚さを有すること、
が、より好ましい解決手段となる。
(1)本発明の適用によって炭化物サーメットのプライマー部を介して形成されたフッ化物溶射皮膜は、基材との高い密着力を有し、かつ該フッ化物溶射皮膜本来の優れた耐食性(耐ハロゲンガス性)、耐ハロゲンガスプラズマエロージョン性を発揮することから、長期間にわたる使用によく耐える半導体加工用部材などとして有効である。
本発明で使用することができる基材は、Alおよびその合金、Tiおよびその合金、ステンレス鋼を含む各種の合金鋼、炭素鋼、Niおよびその合金などである。その他、酸化物や窒化物、炭化物、珪化物などのセラミック焼結体、焼結炭素材料、プラスチックなどの高分子材料であってもよい。
基材表面は、次の成膜工程に先立って、以下の処理を行なうことが好ましい。この処理は、JIS H9302に規定されているセラミック溶射作業標準に準拠して実施する。例えば、基材表面の錆や油脂類などを除去した後、鋼球などではなくAl2O3、SiCなどの研削粒子を吹き付けて粗面化して、単に後述する炭化物サーメット粒子やフッ化物粒子が付着しやすい状態にする。従って、粗面化後の粗さは、Ra:0.05〜0.74μm、Rz:0.09〜2.0μm程度にすることが好ましい。
必要に応じて粗面化処理した基材表面に、高速フレーム溶射法または高速低温溶射法(≧500m/sec)方法によって、粒径5〜80μmの硬質の炭化物サーメット粒子を溶射ガンを使って吹き付け、該炭化物サーメット粒子の先端部をそれぞれ独立した状態で該基材表面に突き刺して疎らに林立しているような状態になる植毛構造を形成する。そして、炭化物サーメット粒子の他の一部は基材の内部に埋没した状態にすることで、全体として疎ら模様状の植毛構造を呈するようにする。この場合において、炭化物サーメット粒子の粒径が5μmより小さいと、溶射ガンへの供給量が不均等となって均等な吹き付けができない他、突き刺さり量が少なくなる。一方、80μm超の粒径では、植毛の効果が飽和する。
前記粗面化処理後の基材及び炭化物サーメット粒子の吹き付け処理に伴う疎ら模様状の炭化物サーメット粒子による植毛構造部を形成した後の基材は、フッ化物溶射に先駆けて予熱を行う。予熱の温度は、基材質によって管理することが好ましく、下記の温度が推奨される。
(i)Al、Ti及びそれらの合金:80℃〜250℃
(ii)鋼鉄(低合金鋼):80℃〜250℃
(iii)ステンレス鋼:80℃〜250℃
(iv)酸化物・炭化物などのセラミック焼結体:120℃〜500℃
(v)焼結炭素:200℃〜700℃
a.フッ化物溶射材料
本発明において用いられるフッ化物溶射材料としては、元素の周期律表IIa族のMg、周期律表IIIb族のAl、周期律表IIIa族のY、原子番号57〜71に属するランタノイド系金属のフッ化物である。原子番号57〜71の金属元素名は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジズプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)の17種である。
まず、フッ化物自体の物理化学的性質としては、次の点を指摘することができる。即ち、フッ化物の膜は、金属皮膜やセラミック皮膜と比較して、ハロゲン系ガスに対する化学的安定性を有するものの、表面エネルギーが小さいため、皮膜を構成するフッ化物粒子の相互結合力及び基材の密着強さが弱い点が挙げられる。また、成膜時に大きな残留応力を発生しやすいため、基材が成膜後の僅かな変形によって、容易に皮膜の剥離が起こることが多い。加えて、フッ化物は延性に乏しい性質を示すために皮膜が容易に“ひび割れ”し、前記成膜時に発生する気孔部とともに、酸やアルカリ洗浄液などの内部浸入によって、基材の腐食原因となるなど、フッ化物そのものの耐食性は良好であっても、その性質を防食膜としては利用できないという問題点もある。
この実施例は、フッ化物溶射皮膜の密着性に及ぼす基材表面に施す前処理の影響に関するものである。
(1)前処理の種類
基材:Al3003合金(「JIS H4000」寸法:直径25mm×厚さ5mm)の片面に、次のような前処理を行なった。
(i)脱脂した後、ワイヤーブラシで軽く研磨する。
(ii)脱脂後、Ni−20mass%Crを大気プラズマ溶射法によって、50μmの厚さの金属アンダーコートを施工
(iii)脱脂後、WC−12mass%Coを高速フレーム溶射法によって疎ら模様状に吹き付けてプライマー部を形成(面積率22%)
(iv)脱脂後、Al2O3研削材にてブラスト粗面化処理
(v)ブラスト粗面化面に、WC−12mass%Coを高速フレーム溶射法によって、疎ら模様状に吹き付け(面積率18%)
(vi)ブラスト粗面化面上に、Ni−20mass%Crのアンダーコート層を大気プラズマ溶射法によって80μmの厚さに施工
前記前処理後の基材表面に対して、大気プラズマ溶射法によって、YF3溶射皮膜を140μmの厚さに形成した。
皮膜の密着性は、JIS H8666セラミック溶射試験方法に規定されている密着強さ試験方法によって測定した。
試験結果を表1に示した。この試験結果から明らかなように、基材表面を脱脂後、ワイヤブラッシングした面に形成したフッ化物溶射皮膜(No.1)は、密着力に乏しく、0.5〜1.2MPaで皮膜は剥離した。また、金属アンダーコートを施工した面に形成したフッ化物溶射皮膜(No.2)は、若干の密着力の向上は認められるものの、基材/アンダーコートの境界から剥離したもの(1供試体)が認められた。これに対して、WC−12Coを疎ら模様状植毛構造のプライマー部の上に形成した面に被覆されたフッ化物溶射皮膜(No.3)は13〜16MPaの密着力を示し、使用条件によっては、ブラスト粗面化処理を省略できる可能性がうかがえる。
この実施例では、Al合金基材(寸法:幅30mm×縦50mm×厚さ3mm)の表面に、本発明に適合する方法によって、フッ化物溶射皮膜を形成し、その皮膜の耐プラズマエッチング特性を評価した。
(1)基材:Al合金(JIS H4000規定のA3003)の表面をブラスト粗面化処理した後、本発明に係る炭化物サーメット粒子の吹き付けによる疎ら模様状植毛構造からなるプライマー部となる前処理を施し(面積率12%)、その後、180℃に予熱したのちフッ化物溶射皮膜を形成した。
大気プラズマ溶射法によって、膜厚180μmの皮膜とした。また、比較例の皮膜として、Y2O3、Dy2O3、CeO2などと酸化物系皮膜を大気プラズマ溶射法によって180μm厚さに形成したものを供試した。
(i)雰囲気ガスと流量条件
(a)含Fガス:CHF3/O2/Ar=80/100/160(1分間当たりの流量cm3)
(b)含CHガス:C2H2/Ar=80/100(1分間当たりの流量cm3)
(ii)プラズマ照射出力
高周波電力:1300W
圧力:4Pa
温度:60℃
(iii)プラズマエッチング試験の雰囲気
(a)含Fガス雰囲気中で実施
(b)含CHガス雰囲気中で実施
(C)含Fガス雰囲気1h⇔含CHガス雰囲気1hを交互に繰り返す雰囲気中で実施
耐プラズマエロージョン試験の評価は、エッチング処理によって供試皮膜から飛散する皮膜成分のパーティクル数を計測することによって、耐プラズマエロージョン性と耐環境汚染性を調査した。パーティクル類は、試験容器内の配設した直径8インチのシリコンウェハーの表面に付着する粒径0.2μm以上の粒子数が30個に達するまでの時間を測定することにより実施した。
試験結果を表2に示した。この結果から明らかなように比較例の酸化物系皮膜(No.1、3、5)は、含CHガス中では最もパーティクルの発生が少なく、含Fガス中ではやや多くなり許容値に達する時間が短くなる状況が見られる。しかし、含Fガスと含CHガスを交互に繰り返す雰囲気下におけるパーティクルの発生数は一段と多くなって、許容値に達する時間が非常に短くなることが判明した。この原因は、含Fガス中におけるフッ化ガスの酸化作用とCHガスの還元作用の繰り返しによって、酸化物セラミック皮膜の表面の酸化膜が常に不安定な状態となって飛散するためと考えられる。これに対して、No.2、4、6のフッ化物溶射皮膜は、含Fガス中、含CHガス中及びこれらのガスを交互に繰り返し供給した雰囲気中でも化学的に安定な状態を維持し、パーティクルの発生を抑制したものと考えられる。
この実施例では、本発明に適合する方法で処理された基材の表面に、フッ化物溶射皮膜について、ハロゲン系酸の蒸気に対する耐食性を評価した。
(1)基材:SS400鋼基材(寸法:横30mm×縦50mm×厚さ3.2mm)を用い、その表面をブラスト粗面処理を行なった後、Cr2C3−18mass%Ni−8mass%Crからなる炭化物サーメット粒子を高速フレーム溶射法によって吹き付け、基材の表面に炭化物サーメット粒子の疎ら模様状(面積率28%)の植毛構造部を形成し、その後、その基材を200℃に加熱した。
(a)HCl蒸気による腐食試験は、化学実験用のデーシケ一夕ーの底部に30%HCl水溶液を100ml入れ、その上部に試験片を吊すことによってHCl水溶系から発生するHCl蒸気に曝露する方法を採用した。腐食試験温度は30℃〜50℃、時間は96hrである。
(b)HF蒸気による腐食試験は、SUS316製のオートクレーブの底部にHF水溶液を100ml入れ、その上部に試験片を吊すことによってHF蒸気による腐食試験を実施した。腐食試験温度は30℃〜50℃、曝露時間は96hrである。
試験結果を表3に示した。この結果から明らかなように、比較例の酸化物系皮膜(No.2、4)は、多量の赤錆がすべての皮膜表面にまで達していた。即ち、酸化物系皮膜には多くの貫通気孔が存在するため、HCl、HFなどの蒸気は、この貫通気孔を通って皮膜の内部に達してSS400鋼基材を腐食し、その腐食生成物としての鉄成分が貫通気孔を通して皮膜表面に達して赤錆状を呈したものと考えられる。これに対して、本発明適合例のフッ化物溶射皮膜(No.1、3)は、赤錆の発生は認められるものの、その程度は比較例の30〜40%程度にとどまっていた。この結果からフッ化物溶射皮膜に貫通気孔は存在するものの、酸化物系溶射皮膜に比較すると少なく、さらにフッ化物溶射皮膜そのものにも優れた耐食性があるため、総合的な耐ハロゲン系酸の蒸気に対して良好な耐食性を発揮したものと思われる。
a.フッ化物溶射材料
本発明において用いられるフッ化物溶射材料としては、元素の周期律表IIa族のMg、周期律表IIIb族のAl、周期律表IIIa族のY、原子番号57〜71に属するランタノイド系金属のフッ化物である。原子番号57〜71の金属元素名は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジズプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)の15種である。
まず、フッ化物自体の物理化学的性質としては、次の点を指摘することができる。即ち、フッ化物の膜は、金属皮膜やセラミック皮膜と比較して、ハロゲン系ガスに対する化学的安定性を有するものの、表面エネルギーが小さいため、皮膜を構成するフッ化物粒子の相互結合力及び基材との密着強さが弱い点が挙げられる。また、成膜時に大きな残留応力を発生しやすいため、基材が成膜後の僅かな変形によって、容易に皮膜の剥離が起こることが多い。加えて、フッ化物は延性に乏しい性質を示すために皮膜が容易に“ひび割れ”し、前記成膜時に発生する気孔部とともに、酸やアルカリ洗浄液などの内部浸入によって、基材の腐食原因となるなど、フッ化物そのものの耐食性は良好であっても、その性質を防食膜としては利用できないという問題点もある。
耐プラズマエロージョン試験の評価は、エッチング処理によって供試皮膜から飛散する皮膜成分のパーティクル数を計測することによって、耐プラズマエロージョン性と耐環境汚染性を調査した。パーティクル数は、試験容器内の配設した直径8インチのシリコンウェハーの表面に付着する粒径0.2μm以上の粒子数が30個に達するまでの時間を測定することにより実施した。
Claims (11)
- 基材表面に、炭化物サーメット粒子を溶射ガンを使って吹き付けることにより、この炭化物サーメット粒子が基材表面に対して8〜50%の面積率にて疎らに突き刺さって林立した状態の植毛構造からなるプライマー部を形成し、次いで、フッ化物粒子を溶射することにより、該フッ化物粒子を上記プライマー部を構成している炭化物サーメットの林立粒子に対する投錨効果を導いて成膜することを特徴とするフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 基材表面への炭化物サーメット粒子の吹き付け処理が、高速フレーム溶射法または低温溶射法のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 炭化物サーメット粒子が吹き付けられる基材は、予めブラスト粗面化処理して、Ra:0.05〜0.74μm、Rz:0.09〜2.0μmの表面粗さにしたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 前記炭化物サーメット粒子は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびSiから選ばれる1種以上の金属炭化物と、質量で5〜40%の割合のCo、Ni、Cr、AlおよびMoから選ばれる1種以上の金属とからなり、かつ粒径が5〜80μmの大きさであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- トップコートに用いられるフッ化物が、元素の周期律表IIa族のMg、IIIa族のY、IIIb族のAlおよび原子番号57〜71のランタノイド系金属のフッ化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- フッ化物のトップコートを形成するための溶射方法が、大気プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法、高速フレーム溶射法および低温溶射法から選ばれるいずれか一の成膜方法であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 前記フッ化物粒子の溶射に先立ち、基材を80〜700℃に予熱することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜の形成方法。
- 基材と、その基材表面に被覆形成されたフッ化物溶射皮膜とからなるものであって、そのフッ化物溶射皮膜は、
Ti、Zr、Hf、V、Nb、Cr、Mn、WおよびSiから選ばれる1種以上の金属炭化物と、質量で5〜40mass%の割合のCo、Ni、Cr、AlおよびMoから選ばれる1種以上の金属・合金とからなり、かつ粒径が5〜80μmの大きさの炭化物サーメット粒子が、該基材表面に対し8〜50%の面積率にて疎らに突き刺さって林立した状態の植毛構造からなるプライマー部を介し、かつ該プライマー部の炭化物サーメットの林立粒子に対する投錨効果を導いて成膜されたものであることを特徴とするフッ化物溶射皮膜被覆部材。 - 前記フッ化物溶射皮膜は、30〜500μmの厚さを有することを特徴とする請求項8に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記炭化物サーメット粒子は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、WおよびSiから選ばれる1種以上の金属炭化物と、質量で5〜40%の割合のCo、Ni、Cr、AlおよびMoから選ばれる1種以上の金属とからなり、かつ粒径が5〜80μmの大きさであることを特徴とする請求項8または9に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
- 前記フッ化物溶射皮膜が、元素の周期律表IIa族のMg、IIIa族のY、IIIb族のAlおよび原子番号57〜71のランタノイド系金属のフッ化物にて構成されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1に記載のフッ化物溶射皮膜被覆部材。
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