JP2013189054A - バンパ装置 - Google Patents

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Yuki Fujii
雄輝 藤井
Kazunori Sakamoto
和教 坂本
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Abstract

【課題】スピーカを備えたバンパ装置において、必要な範囲に音を届かせる。
【解決手段】バンパ装置は、車両幅方向に延びるとともにその延在方向に沿って凹部11を有するバンパリインホース4と、バンパリインホース4の凹部11を中空状態に閉蓋する蓋板12と、バンパリインホース4の凹部11を蓋板12が閉蓋することで形成された中空部13とを連通する中空状部を有するケース8と、ケース8内に配置されるスピーカ7と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、スピーカを備えたバンパ装置に関する。
近年、車両からの排出ガスを少なく抑えることを目的として、各車両メーカでは、モータを駆動することで走行する電気自動車(ハイブリッド車も含む)が開発されている。モータを駆動源とする電気自動車では、走行時にエンジン音がしない。そこで、電気自動車では、車両の接近を周囲の人に知らせるために通報音を発するスピーカがバンパ内に設置されている(例えば、非特許文献1参照)。
トヨタ自動車株式会社、"トヨタ自動車、3代目プリウス用「車両接近通報装置」を発売"、[online]、2010年8月24日、トヨタ自動車株式会社、[2011年11月11日検索]、インターネット〈URL:http://www2.toyota.co.jp/jp/news/10/08/nt10_044.html〉
ところで、上記非特許文献1に記載のスピーカでは、スピーカの指向方向以外へは音が届き難く、特に低音が届き難かった。左側通行では左側に歩行者がいることが多いので、車両の前方バンパ内の左側にスピーカが設置されている。このような場合、右側まで音を届かせるためには左側で必要な音量よりも大きくする必要があり、適当な音量にすることが難しかった。特に、低音を届かせるには、スピーカのコーンの直径を大きくするか、高性能なスピーカを採用しなければならなかった。そこで、スピーカを備えたバンパ装置において、必要な範囲に音を届かせることが求められていた。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スピーカを備えたバンパ装置において、必要な範囲に音を届かせることにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、車両幅方向に延びるとともにその延在方向に沿って凹部を有するバンパリインホースと、前記バンパリインホースの前記凹部を中空状態に閉蓋する蓋材と、前記バンパリインホースの凹部を前記蓋材が閉蓋することで形成された中空部と連通する中空状部を有するスピーカ取付部材と、前記スピーカ取付部材内に配置されるスピーカと、を備えることをその要旨としている。
同構成によれば、バンパリインホースの凹部を蓋材が閉蓋することで形成された中空部とスピーカとを中空状部を有するスピーカ取付部材が連通することで、バンパリインホースの中空部を共鳴管として利用することができる。すなわち、スピーカから発せられた音は、バンパリインホースの中空部によってバンパリインホースの周囲に届けられ、特に低音を増幅して低音を届けることができる。また、平面部に凹部が形成される開形状のバンパリインホースであっても、該凹部を蓋材によって閉蓋することで形成された中空部を共鳴管とすることができる。よって、内部に中空部が設けられないバンパリインホースであっても共鳴管として利用することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバンパ装置において、前記蓋材は平板状をなすことをその要旨としている。
同構成によれば、蓋材を平板状としたので、バンパリインホースからの突出量を抑えることができ、簡易な部材でバンパリインホースに中空部を形成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のバンパ装置において、前記凹部は前記バンパリインホースの車両前方側面に形成され、前記蓋材は前記バンパリインホースの車両前方側から取り付けられることをその要旨としている。
同構成によれば、バンパリインホースの車両前方側面に形成された凹部に蓋材をバンパリインホースの車両前方側から取り付けた。このため、車両前方に設置されるバンパリインホースであれば、バンパリインホースの車両後方側に蓋材を取り付けるよりも取り付け作業が容易である。また、車両後方に設置されるバンパリインホースであれば、蓋材がバンパリインホースの車両後方側に現れず、バンパリインホースの車両後方側に取り付けられるエネルギアブソーバ等の設置に影響を与えずに済む。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のバンパ装置において、前記凹部は前記バンパリインホースの車両後方側面に形成され、前記蓋材は前記バンパリインホースの車両後方側から取り付けられることをその要旨としている。
同構成によれば、バンパリインホースの車両後方側面に形成された凹部に蓋材をバンパリインホースの車両後方側から取り付けた。このため、車両前方に設置されるバンパリインホースであれば、蓋材がバンパリインホースの車両前方側に現れず、バンパリインホースの車両前方側に取り付けられるエネルギアブソーバ等の設置に影響を与えずに済む。また、車両後方に設置されるバンパリインホースであれば、バンパリインホースの車両前方側に蓋材を取り付けるよりも取り付け作業が容易である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバンパ装置において、前記蓋材と前記スピーカ取付部材とを一体としたことをその要旨としている。
同構成によれば、蓋材とスピーカ取付部材とを一体としたので、バンパリインホースに対して蓋材とスピーカ取付部材とを同時に取り付けることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のバンパ装置において、前記スピーカ取付部材は、前記バンパリインホースの一部であることをその要旨としている。
同構成によれば、バンパリインホースの一部をスピーカ取付部材としたので、バンパリインホースにスピーカを直接取り付けることができ、スピーカ取付部材を別途設ける必要がない。
本発明によれば、スピーカを備えたバンパ装置において、必要な範囲に音を届かせることができる。
バンパ装置の構成を示す分解斜視図。 スピーカの音が届く概略範囲を示す車両の平面図。 バンパリインホースの正面図。 バンパリインホース及びクラッシュボックスのA−A断面図。 スピーカが取り付けられたバンパリインホースの斜視図。 スピーカ、スピーカ取付部材、及びバンパリインホースのB−B断面図。 スピーカ、スピーカ取付部材、及びバンパリインホースのB−B断面図。 バンパリインホース及びクラッシュボックスのA−A断面図。 スピーカを備えたバンパリインホースの正面図。 バンパリインホース及びスピーカのC−C断面図。
以下、本発明を車両前方のバンパ装置に具体化した一実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
図1及び図2に示されるように、車両前方側のバンパ装置は、車両1の前方へ突出する一対のフロントサイドメンバ2に複数の部材を介してバンパ6が取り付けられている。詳しくは、左右に位置する各フロントサイドメンバ2の車両前方側には、車両前方に突出する直方体形状のクラッシュボックス3が各別に取り付けられ、クラッシュボックス3の車両前方側には車両幅方向に延出する断面方形で筒状のバンパリインホース4が取り付けられている。また、バンパリインホース4の車両前方側には車両幅方向に延出する四角柱状のエネルギアブソーバ5が取り付けられ、このエネルギアブソーバ5の車両前方側にはバンパ6が装着されている。そして、バンパリインホース4の左側端部にはスピーカ7が取り付けられている。なお、スピーカ7は箱状のケース8に収容され、このケース8がバンパリインホース4の左側端部に固定されている。スピーカ7の開口部は、車両1の左側を向いている。なお、ケース8がスピーカ取付部材として機能する。本実施例の車両1は、モータを駆動源とする電気自動車やハイブリッド車等である。
スピーカ7は、車両1が低速で走行するなどモータを駆動源として走行する際に、車両の接近を周囲の人に知らせるためにエンジン音に代わる擬似音等の通報音を発する。本実施形態においてスピーカ7は、車両が左側通行である日本等において歩行者が左側に位置することが多いので、車両1の左前方に設置されている。このため、車両1が右側通行である国では、スピーカ7を車両1の右前方に設置してもよい。
図3及び図4に示されるように、バンパリインホース4の正面側の上下方向における中央部分には車両1の幅方向に延出する凹部11が形成されている。そして、この凹部11は、平板状の蓋板12によって閉蓋されている。このとき、バンパリインホース4は、凹部11と蓋板12とによって中空部13が形成されている。また、バンパリインホース4の両端部は開口している。そして、ケース8は、バンパリインホース4の左側端部に固定されている。ケース8は中空状の中空状部9を有し、中空状部9にスピーカ7が収容されている。なお、蓋板12が蓋材に相当する。
また、バンパリインホース4の正面には、バンパリインホース4をクラッシュボックス3に固定する際に固定螺子14を通すとともに、固定螺子14を工具で締結作業するための作業孔15が凹部11を挟むように上下にそれぞれ形成されている。作業孔15は車両幅方向に長い楕円形である。
バンパリインホース4は、板材をプレスすることで凹部11を形成し、凹部11に沿って車両後方側へ矩形状に折り曲げることで形成されている。バンパリインホース4の正面に形成された作業孔15に対向する車両後方側部分に固定螺子14が挿通され、固定螺子14がクラッシュボックス3に締結されることによってバンパリインホース4がクラッシュボックス3に固定されている。クラッシュボックス3は、別の固定螺子によってフロントサイドメンバ2に固定されている。
また、作業孔15は、エネルギアブソーバ5に形成された円柱状の嵌合凸部21が嵌挿されることで閉蓋されている。エネルギアブソーバ5は、嵌合凸部21が作業孔15に嵌挿されることでバンパリインホース4に取り付けられている。
図5及び図6に示されるように、バンパリインホース4の左側端部に取り付けられたケース8には、バンパリインホース4の中空部13と接続される接続孔31が形成されている。ケース8とバンパリインホース4との接続部分には、接続孔31と同じ大きさの貫通孔41が形成された振動吸収部材40が設置されている。振動吸収部材40は、ケース8自体からの振動を吸収し、バンパリインホース4及び蓋板12への伝達を抑制する。
次に、前述のように構成されたバンパ装置の作用について図2を参照して説明する。
図2に示されるように、車両1の左前方に設置されたスピーカ7は、車両1が低速で走行する際に、例えば車速に合わせて通報音を発する。スピーカ7から発された音は、車両1の左前方の斜線で示したスピーカエリアAspに届く。また、スピーカ7が取り付けられたケース8を介してバンパリインホース4の中空部13内においてスピーカ7から発した音は共鳴する。そして、バンパリインホース4の中空部13内で共鳴した音は、バンパリインホース4に沿って車両1の前方全体の梨地模様で示したリインホースエリアArfに届く。また、バンパリインホース4で共鳴した音は、特に低音を響かせて、バンパリインホース4の周囲に届かせることができる。すなわち、スピーカ7から発した通報音は、スピーカ7から直接届くスピーカエリアAspに加えて、リインホースエリアArfに低音も届かせることができる。よって、スピーカ7を交換することなく、必要な範囲である車両1の前方に音を届かせることができる。
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)バンパリインホース4の凹部11を蓋板12が閉蓋することで形成された中空部13とスピーカ7とを中空状部9を有するケース8が連通することで、バンパリインホース4の中空部13を共鳴管として利用することができる。すなわち、スピーカ7から発せられた音は、バンパリインホース4の中空部13によってバンパリインホース4の周囲に届けられ、特に低音を増幅して低音を届けることができる。また、平面部に凹部11が形成される開形状のバンパリインホース4であっても、該凹部11を蓋材によって閉蓋することで形成された中空部13を共鳴管とすることができる。よって、内部に中空部13が設けられないバンパリインホース4であっても共鳴管として利用することができる。
(2)平板状の蓋板12を採用したので、バンパリインホース4からの突出量を抑えることができ、簡易な部材でバンパリインホース4に中空部13を形成することができる。
(3)バンパリインホース4の車両前方側面に形成された凹部11に蓋板12をバンパリインホース4の車両前方側から取り付けたので、バンパリインホース4の車両後方側に蓋板を取り付けるよりも取り付け作業が容易である。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、バンパリインホース4の凹部11を閉蓋する部材を平板状の蓋板12としたが、凹部11を閉蓋できれば、平板状の蓋板12に限らない。
・上記実施形態では、車両前方側に凹部11が形成されたバンパリインホース4に車両前方側から蓋板12を取り付けて中空部13を形成したが、車両後方側に凹部が形成されたバンパリインホースに車両後方側から蓋材を取り付けて中空部を形成してもよい。
・上記実施形態では、振動吸収部材40をバンパリインホース4とケース8との接続部分に設けたが、振動吸収部材40を省略してもよい。
・上記実施形態では、蓋板12とケース8とを別部材としたが、図7に示されるように、バンパリインホース4の凹部11を閉蓋する蓋部32とケース8とを一体として形成してもよい。このようにすれば、バンパリインホース4に対して蓋部32とケース8とを同時に取り付けることができる。
・上記実施形態では、バンパリインホース4に作業孔15を形成したが、図8に示されるように、バンパリインホース4の上下端部を外側へ折り曲げ、この端部に固定螺子14を挿通してクラッシュボックス3にバンパリインホース4を固定するようにしてもよい。
・上記実施形態では、バンパリインホース4の左側端部にスピーカ7を取り付けたが、こうした態様に限らず、バンパリインホース4の右側端部にスピーカ7を取り付けてもよい。
・上記実施形態では、ケース8をスピーカ取付部材としたが、バンパリインホース4の一部をスピーカ取付部材としてもよい。例えば、図9及び図10に示されるように、バンパリインホース4の凹部11に取り付け、スピーカ7が設置された部分の蓋板12に開口部17を形成する。このようにすることで、バンパリインホース4にスピーカ7を直接取り付けることができ、ケース等のスピーカ取付部材を別途設ける必要がない。
・上記実施形態では、車両前方側のバンパ装置に本発明を適用したが、車両後方側のバンパ装置に本発明を適用してもよい。車両後方側のバンパにスピーカ7を備えれば、車両後方においても周囲の人に車両の接近を容易に知らせることができる。
1…車両、2…フロントサイドメンバ、3…クラッシュボックス、4…バンパリインホース、5…エネルギアブソーバ、6…バンパ、7…スピーカ、8…ケース、9…中空状部、11…凹部、12…蓋板、13…中空部、14…固定螺子、15…作業孔、21…嵌合凸部、31…接続孔、40…振動吸収部材、41…貫通孔、Asp…スピーカエリア、Arf…リインホースエリア。

Claims (6)

  1. 車両幅方向に延びるとともにその延在方向に沿って凹部を有するバンパリインホースと、
    前記バンパリインホースの前記凹部を中空状態に閉蓋する蓋材と、
    前記バンパリインホースの凹部を前記蓋材が閉蓋することで形成された中空部と連通する中空状部を有するスピーカ取付部材と、
    前記スピーカ取付部材内に配置されるスピーカと、を備える
    ことを特徴とするバンパ装置。
  2. 請求項1に記載のバンパ装置において、
    前記蓋材は平板状をなす
    ことを特徴とするバンパ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のバンパ装置において、
    前記凹部は前記バンパリインホースの車両前方側面に形成され、
    前記蓋材は前記バンパリインホースの車両前方側から取り付けられる
    ことを特徴とするバンパ装置。
  4. 請求項1又は2に記載のバンパ装置において、
    前記凹部は前記バンパリインホースの車両後方側面に形成され、
    前記蓋材は前記バンパリインホースの車両後方側から取り付けられる
    ことを特徴とするバンパ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のバンパ装置において、
    前記蓋材と前記スピーカ取付部材とを一体とした
    ことを特徴とするバンパ装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のバンパ装置において、
    前記スピーカ取付部材は、前記バンパリインホースの一部である
    ことを特徴とするバンパ装置。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011111177A1 (ja) * 2010-03-10 2011-09-15 パイオニア株式会社 擬似音発生装置及び擬似音発生方法
WO2011125223A1 (ja) * 2010-04-09 2011-10-13 トヨタ自動車株式会社 バンパリインフォースメント構造

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