JP6111889B2 - 車載用スピーカ装置 - Google Patents
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Description
上記特許文献1には、中高音域の音と低音域の音とを出力可能な複合スピーカを用いた車載用音響装置が開示されている。この車載用音響装置では、複合スピーカから発生する低音域の音を天井に伝搬させ、天井を振動させることにより低音の音声を再生するようにしている。
中高音域の音を出力するための中高音域用スピーカ及び低音域の音を出力するためのアクチュエータを有する複合スピーカと、
前記アクチュエータと前記内装材との間に配置されて前記アクチュエータの振動を前記内装材に伝達する伝達部材と、
前記内装材の車室内側の表面側に配置されるスピーカグリルと、を備え、
前記内装材には、前記複合スピーカの前記中高音域用スピーカからの音を車室内に直接出力するための出力用開口が形成されており、
前記伝達部材は、孔部が形成された枠状の形態をなすとともに、前記孔部の縁部の略全周から前記内装材の厚さ方向に沿って延びる立壁部が設けられており、
前記立壁部は、前記出力用開口内に挿入されており、
前記立壁部には、スリットが形成されており、
前記スピーカグリルには、前記スリットに差し込み可能な舌片が形成され、
前記伝達部材と、前記スピーカグリルとは、前記舌片を前記スリットに差し込んだ第1取付部位と、この第1取付部位と、前記伝達部材の中央の前記孔部を挟んで対岸側の第2取付部位と、の少なくとも2箇所によって取り付けられており、
前記舌片には、差込部と、前記差込部よりも基端側の鍔部とが備えられ、
前記第1取付部位では、前記差込部が前記スリットに差し込まれるともに、前記鍔部が、前記スリットを覆い塞ぐように前記スリット周りの前記立壁部に当接していることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第1取付部位では、前記差込部が前記スリットに差し込まれるともに、前記鍔部が、前記スリット周りの前記伝達部材を抱きかかえるような形態とされていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記鍔部は、前記立壁部側に付勢されていることを要旨とする。
また、伝達部材の立壁部には、スリットが形成されており、スピーカグリルには、スリットに差し込み可能な舌片が形成されている。そして、伝達部材と、スピーカグリルとは、舌片をスリットに差し込んだ第1取付部位と、この第1取付部位と、伝達部材の中央の孔部を挟んで対岸側の第2取付部位と、の少なくとも2箇所によって取り付けられている。このように、伝達部材の立壁部に形成されたスリットにスピーカグリルの舌片を差し込んだ第1取付部位を含む少なくとも2箇所で取り付けられているので、取付が容易である。また、この第1取付部位と、伝達部材の孔部を挟んで対岸側の第2取付部位と、の少なくとも2箇所によって取り付けられているので、確実な取り付けを実現できる。
また、舌片には、差込部と、差込部よりも基端側の鍔部とが備えられている。そして、第1取付部位では、差込部がスリットに差し込まれるともに、鍔部がスリット周りの立壁部に当接している。このような構成により、第1取付部位の取り付け作業が容易である。また、鍔部によりスリットが覆われ、スリットと差込部との間の隙間からの音漏れが抑制される。その結果、効率的に車室内に音を出力することができる。
また、第1取付部位が、差込部がスリットに差し込まれるともに、鍔部がスリット周りの伝達部材を抱きかかえるような形態とされている場合は、スリットを確実に覆うことができ、スリットと差込部との間の隙間からの音漏れをより確実に抑制できる。また、鍔部と伝達部材とが確実に係止されることから、より確実な取り付けを実現できる。
また、鍔部が立壁部側に付勢されている場合は、鍔部と立壁部とを確実に接触させることができるので、スリットと差込部との間の隙間からの音漏れをより確実に抑制できる。また、これにより差込部もスリットに差し込まれる方向に付勢されることから、より確実な取り付けを実現できる。
複合スピーカ(14)は、中高音域の音を出力するための中高音域用スピーカ(12)及び低音域の音を出力するためのアクチュエータ(13)を有している。
伝達部材(15)は、アクチュエータ(13)と内装材(20)との間に配置されており、アクチュエータ(13)の振動を内装材(20)に伝達する。
スピーカグリル(16)は、内装材(20)の車室内側(R2)の表面側に配置されている。
伝達部材(15)が繊維材料を含む樹脂から形成されている場合には、伝達部材(15)を100質量部とした場合に、繊維材料の含有割合は50質量部以下であることが好ましく、より好ましくは5〜40質量部、更に好ましくは10〜30質量部である。
スリット(15D)の大きさ、断面形状等は特に問わない。
舌片(16A)の形状、大きさ等は特に問わない。差込部(16C)は、例えば、その先端側が先細りするように形成されていることができる(例えば、図12、図13等参照)。差込部(16C)が先細りする形態としては、例えば、差込部(16C)の車室外側(R1)の面及び車室内側(R2)の面の少なくとも一方がテーパ状に形成されている形態(例えば、図13、図14等参照)や、差込部(16C)の側面の少なくとも一方がテーパ状に形成されている形態、これらの形態を組み合わせた形態等を挙げることができる。
また、差込部(16C)は、例えば、その基端側が、スリット(15D)に差し込まれたときにスリット(15D)の内縁と当接するように、膨出して形成されていることができる(例えば、図13、図14等参照)。
第2取付部位(22)の形態、個数等は特に問わない。第2取付部位(22)の形態としては、例えば、ネジ(18)の螺合による取り付け形態(例えば、図2〜図4等参照)、スナップフィット構造による取り付け形態等、種々の形態を採用することができる。
また、本実施形態に係る車載用スピーカ装置(11)は、例えば、鍔部(16D)が立壁部(15C)側に付勢されていることができる(例えば、図4等参照)。この付勢力は、例えば、樹脂の弾性力等を利用することができる。
本実施例に係る車載用スピーカ装置11(以下、単にスピーカ装置ともいう)は、図2〜図5に示すように、複合スピーカ14と、伝達部材15と、スピーカグリル16と、を備えている。
複合スピーカ14は、中高音域の音を出力するための中高音域用スピーカ12(以下、単にスピーカ12ともいう)及び低音域の音を出力するためのアクチュエータ13を有している。
伝達部材15はガラス繊維を含んだ樹脂製で、アクチュエータ13と天井基材20との間に配置されている。伝達部材15は、アクチュエータ13の振動を天井基材20に伝達する。スピーカグリル16は樹脂製で、天井基材20の車室内側R2の表面側に配置されている。
また、立壁部15Cにはスリット15Dが形成されている。スリット15Dには、後述するスピーカグリル16の舌片16Aが差し込まれている。
また、図10に示すように、伝達部材15には、車室外側R1に向かって突出する突起15Gが形成されている。突起15Gは、上述のように、アクチュエータ13に形成された切り欠き13Bの縁部と当接することで、複合スピーカ14を伝達部材15に対して位置決めしている。
ボス16Bは、車室外側R1に向かって突出する略円筒形状をなしており、その内面に雌ねじが形成されている。この雌ねじには、伝達部材15側の小孔15Eから挿通されるネジ18が螺合する。
また、スピーカグリル16には、スピーカからの音を車室内に出力するための複数の貫通孔16Eが形成されている。
最初に、接着剤を用いて、伝達部材15を天井基材20の車室外側R1の面に接着する。そして、複合スピーカ14及びスピーカグリル16を伝達部材15に取り付ける。
複合スピーカ14は、ネジ17により取り付けられる。具体的には、複合スピーカ14のスピーカ12が車室外側R1、アクチュエータ13が車室内側R2、となる向きで、アクチュエータ13を伝達部材15の車室外側R1の面に配置する。このとき、伝達部材15の複数のボス15Bを貫通孔13Aに嵌め込むことにより、複合スピーカ14と伝達部材15との位置決めが行われる。そして、アクチュエータ13側からボス15Bにネジ17を螺結して固定する。
伝達部材15とスピーカグリル16とは、上述のように、第1取付部位21と第2取付部位22とにより取り付けられている。これら取付部位の取り付けは、第1取付部位21、第2取付部位22の順に行われる。具体的には、最初に、舌片16Aをスリット15Dに差し込む。そして、ネジ18を小孔15Eに挿通し、ボス16Bに螺合する。なお、このとき、スピーカグリル16の向きを、天井基材20の出力用開口20Aのテーパ状の端部側にボス16Bが位置するようにして合わせる。
次に、上記構成の車載用スピーカ装置11の作用について説明する。上述の複合スピーカ14によると、ボイスコイル3に電気信号が入力されると、ボイスコイル3に変動磁界が生じ、この変動磁界が磁石2の磁界と相互作用して振動板1が振動する。ここで、磁石2もアクチュエータ13に直接固定されてなく、弾性部材7を介して取り付けられているから、振動板1が振動すると同時に磁石2も振動する。これによって電気信号は音に変換される。
以上より、本実施例の車載用スピーカ装置11によると、中高音域の音を出力するための中高音域用スピーカ12及び低音域の音を出力するためのアクチュエータ13を有する複合スピーカ14と、アクチュエータ13と天井基材20との間に配置されてアクチュエータ13の振動を天井基材20に伝達する伝達部材15と、天井基材20の車室内側R2の表面側に配置されるスピーカグリル16と、を備えている。天井基材20には、複合スピーカ14の音を車室内に直接出力するための出力用開口20Aが形成されている。伝達部材15は、枠状の形態をなすとともに、天井基材20の厚さ方向に沿って延びる立壁部15Cが設けられている。
Claims (3)
- 車両の内装材に取り付けられる車載用スピーカ装置であって、
中高音域の音を出力するための中高音域用スピーカ及び低音域の音を出力するためのアクチュエータを有する複合スピーカと、
前記アクチュエータと前記内装材との間に配置されて前記アクチュエータの振動を前記内装材に伝達する伝達部材と、
前記内装材の車室内側の表面側に配置されるスピーカグリルと、を備え、
前記内装材には、前記複合スピーカの前記中高音域用スピーカからの音を車室内に直接出力するための出力用開口が形成されており、
前記伝達部材は、孔部が形成された枠状の形態をなすとともに、前記孔部の縁部の略全周から前記内装材の厚さ方向に沿って延びる立壁部が設けられており、
前記立壁部は、前記出力用開口内に挿入されており、
前記立壁部には、スリットが形成されており、
前記スピーカグリルには、前記スリットに差し込み可能な舌片が形成され、
前記伝達部材と、前記スピーカグリルとは、前記舌片を前記スリットに差し込んだ第1取付部位と、この第1取付部位と、前記伝達部材の中央の前記孔部を挟んで対岸側の第2取付部位と、の少なくとも2箇所によって取り付けられており、
前記舌片には、差込部と、前記差込部よりも基端側の鍔部とが備えられ、
前記第1取付部位では、前記差込部が前記スリットに差し込まれるともに、前記鍔部が、前記スリットを覆い塞ぐように前記スリット周りの前記立壁部に当接していることを特徴とする車載用スピーカ装置。 - 前記第1取付部位は、前記差込部が前記スリットに差し込まれるともに、前記鍔部が、前記スリット周りの前記伝達部材を抱きかかえるような形態とされている請求項1に記載の車載用スピーカ装置。
- 前記鍔部は、前記立壁部側に付勢されている請求項1又は2に記載の車載用スピーカ装置。
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