JP2013185013A - 脂環式エポキシ基含有重合体、硬化性樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の他の目的は、カチオン硬化性に優れるとともに、耐熱性や耐候性等の諸物性に優れた硬化物を得ることができる新規な脂環式エポキシ基含有重合体と、その製造方法、該脂環式エポキシ基含有重合体を含む硬化性組成物、及びその硬化物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、幅広い用途に使用できる汎用性の高い新規な脂環式エポキシ基含有重合体と、その製造方法、該脂環式エポキシ基含有重合体を含む硬化性組成物、及びその硬化物を提供することにある。
本発明の脂環式エポキシ基含有重合体は、前記式(1)で表される構成単位(モノマー単位)及び前記式(2)で表される構成単位(モノマー単位)から選ばれる少なくとも1種の構成単位を少なくとも有している。本発明の脂環式エポキシ基含有重合体は、式(1)で表される構成単位と式(2)で表される構成単位のうち、一方の構成単位のみを有していてもよく、両方の構成単位を有していてもよい。また、式(1)で表される構成単位を2種以上有していてもよく、式(2)で表される構成単位を2種以上有していてもよい。
で表される構成単位が挙げられる。
本発明の脂環式エポキシ基含有重合体は、例えば、前記式(3)で表される構成単位及び下記式(4)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種の構成単位を少なくとも有する重合体(以下、「原料重合体」あるいは「環状オレフィン構造を有する構成単位を有する重合体」と称する場合がある)を、エポキシ化剤を用いてエポキシ化することにより製造できる。式(3)、式(4)で表される構成単位は、エポキシ化により、それぞれ、式(1)、式(2)で表される構成単位に変換される。
前記式(3)で表される構成単位及び下記式(4)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種の構成単位を少なくとも有する重合体(原料重合体;環状オレフィン構造を有する構成単位を有する重合体)は、例えば、前記式(5)で表される環状オレフィン構造を有するオレフィン系炭化水素を少なくとも含むモノマーを、カチオン重合触媒の存在下で重合することにより製造できる。
で表される化合物が挙げられる。式(8)で表される化合物は、カチオン重合により、前記式(6)で表される構成単位又は式(7)で表される構成単位を形成する。
前記環状オレフィン構造を有する構成単位を有する重合体(原料重合体)の製造において用いられるカチオン重合触媒としては、公知乃至慣用のカチオン重合触媒を用いることができ、特に限定されないが、例えば、塩化アルミニウム(AlCl3)、臭化アルミニウム(AlBr3)、フッ化ホウ素(BF3)、塩化ホウ素(BCl3)、フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(BF3・OEt2)、四塩化チタン(TiCl4)、臭化チタン(TiBr4)、塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、TiCl4/Cl3CCOOH、SnCl4/Cl3CCOOH、六塩化タングステン(WCl6)、塩化モリブデン(MoCl5)、塩化ガリウム(GaCl3)、塩化ニオブ(NbCl5)、エチルジクロロアルミニウム(エチルアルミニウムジクロライド、EtAlCl2)、エチルアルミニウムセスキクロリド(C6H15Al2Cl3)、ジエチルアルミニウムクロリド(Et2AlCl)、塩化ジルコニウム(ZrCl4)、塩化ハフニウム(HfCl4)、塩化インジウム(InCl3)等のハロゲン化金属;Pd(CH3CN)2Cl2、Pd(C6H5CN)2Cl2、Pd(CH3CN)4(BF4)2等のパラジウム触媒(Pd触媒);HCl、HF、H2SO4、H3BO3、HClO4、CF3COOH、CCl3COOH等の水素酸(プロトン酸)などが挙げられる。上記カチオン重合触媒は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、塩化ガリウム(GaCl3)、エチルジクロロアルミニウム(EtAlCl2)、四塩化チタン(TiCl4)、臭化アルミニウム(AlBr3)が好ましい。
前記環状オレフィン構造を有する構成単位を有する重合体(原料重合体)の製造においては、上記カチオン重合触媒に対して、共触媒を併用してもよい。上記共触媒としては、公知乃至慣用の共触媒を使用することができ、特に限定されないが、具体的には、水、アルコール(例えば、t−ブタノール、2−フェニル−プロパノール等)、酸、エーテル化合物(例えば、1,4−ビス(2−メトキシ−2−フェニルプロパン)、1,4−ビス(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン等)、ハロゲン化アルキル(例えば、t−ブチルクロライド、エチルクロライド等)などの化合物が挙げられる。中でも、ハロゲン化アルキルが好ましい。
前記環状オレフィン構造を有する構成単位を有する重合体(原料重合体)の製造においては、必要に応じて、溶媒を使用することもできる。上記溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の炭化水素系溶媒;塩化メチル、塩化メチレン(ジクロロメタン)、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエチレン、1−クロロブタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。溶媒は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも、生成する重合体やカチオン重合触媒等の溶解性の観点で、塩化メチレン、1−クロロブタンが好ましく、より好ましくは塩化メチレンと1−クロロブタンの混合溶媒である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記本発明の脂環式エポキシ基含有重合体を少なくとも含む。脂環式エポキシ基含有重合体は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。本発明の硬化性樹脂組成物は、前記脂環式エポキシ基含有重合体を含むので、カチオン硬化性に優れ、硬化速度が速く、しかも、耐熱性、耐候性、透明性、柔軟性、耐薬品性、密着性等に優れた硬化物を得ることができる。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、塗布性に優れ、均一な塗膜を形成できるとともに、硬化して得られる硬化物は剥離性(例えば、ナノインプリントに用いた場合のナノスタンパからの剥離性等)に優れる。前記硬化物は、さらに、硬化収縮が小さく、吸水性も小さいという特性も有する。
本発明の硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物を基板又は基材に塗布し、あるいは所望の型に注入し、光を照射したり、加熱することにより得ることができる。例えば、上記本発明の硬化性樹脂組成物を用いて、インクジェット法、リソグラフィー法等の慣用の方法により所望の画像や形状を形成後、露光することにより製造することができる。
1Lの3口フラスコに、エチルクロリド200mLを入れ、ジクロロメタン350mLに溶解させ、室温にした後、2.5gのAlBr3及び4−ビニルシクロヘキセン200gを添加した。AlBr3が完全溶解した後、反応温度−50℃で7時間重合を行った。一連の操作は窒素雰囲気下で実施した。反応終了後、反応混合液をメタノール中に投入し、ポリマー(固体)を得た。
得られた固体の分子量をGPC(東ソー製、TSKguardcolumn HXL−L、TSKgel G4000HXL,G3000HXL、G20000HL)で測定すると、数平均分子量(Mw)は9,000(ポリスチレン換算)であり、[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)](分子量分布)は1.3であった。
また、得られた重合体の13C−NMRスペクトルにおいて、下記式(9)で表される構成単位(1,2−ユニット;前記式(3)で表される構成単位に相当する)に加え、下記式(10)で表される構成単位(1,3−ユニット;前記式(4)で表される構成単位に相当する)が存在することを確認した。得られた重合体の1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル結果を以下に示す。下記a〜pは、下記式(9)、(10)中に示された符号に対応する。
13C−NMR(CDCl3) δ: a= 33-34ppm, b & c= 40-41ppm, d=29-30ppm, e=127ppm, f=124ppm, g=21-22ppm, h=25-26ppm,i & j=36-37ppm, k=34-35ppm, l=35-36ppm, m=126ppm, n=124ppm, o=21-22ppm, p=25-26ppm
コンデンサー、撹拌機、還流冷却器、窒素導入管、滴下ロートを備えた反応器に、合成例1の方法で得られた重合体の酢酸エチル溶液100g(固形分45重量%)を仕込んだ。過酢酸の酢酸エチル溶液(過酢酸濃度30重量%)147gを滴下ロートに仕込み、反応系内の温度を35℃に保ちながら、1時間かけて反応器内に滴下した。滴下終了後、系内を40℃に保ち5時間熟成した。得られた反応粗液を3重量%水酸化ナトリウム水溶液150mLで中和洗浄し、さらに、210mLの蒸留水にて洗浄した。この時、中和洗浄及び水洗温度は40〜50℃の範囲で行った。
水洗処理を施した反応粗液を、140〜150℃、5mmHg以下の減圧下にて脱低沸を行い、エポキシ当量114の脂環式エポキシ基含有重合体(A-1)を得た。得られた脂環式エポキシ基含有重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)分析を行った。GPC分析は、島津製作所の「CR−4A」を用いて測定した。GPC分析の結果、数平均分子量(Mn)は7,500(ポリスチレン換算)、[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)](分子量分布)は1.4であった。
また、得られた脂環式エポキシ基含有重合体の13C−NMRスペクトルにおいて、下記式(11)で表される構成単位(1,2−ユニット;前記式(1)で表される構成単位に相当)に加え、下記式(12)で表される構成単位(1,3−ユニット;前記式(2)で表される構成単位に相当)が存在することを確認した。得られた脂環式エポキシ基含有重合体の1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、FT−IRの結果を以下に示す。
1H−NMRスペクトルにおいて、ビニル基特有のシグナル(δ:5.5〜5.7ppm)[前記式(9)、(10)におけるe、f、m、nに対応]が消失し、エポキシ基特有のシグナル(δ:2.6ppm)[式(11)、(12)におけるq、r、s、tに対応]が現れていた。また、13C−NMRスペクトルにおいて、ビニル基特有のシグナル(δ:124〜127ppm)が消失し、エポキシ基特有のシグナル(δ:46.55ppm)が現れていた。FT−IRにおいて、ビニル基の吸収(1641、912cm-1)が消失し、エポキシ基の吸収(869cm-1)が現れていた。他の吸収位置に変化は見られなかった。
過酢酸の酢酸エチル溶液(過酢酸濃度30重量%)の使用量を73gとしたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、エポキシ当量245のエポキシ基含有重合体(A-2)を得た。
4−ビニルシクロヘキセン200gの代わりに、4−ビニルシクロヘキセン99g及び4−ビニルヘキサンを101g使用した以外は合成例1と同様の方法にて反応を行った。
得られた固体(ポリマー)の分子量をGPC(東ソー製、TSKguardcolumn HXL−L、TSKgel G4000HXL,G3000HXL、G20000HL)で測定すると、数平均分子量(Mw)は9,000(ポリスチレン換算)であり、[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)](分子量分布)は1.4であった。
コンデンサー、撹拌機、還流冷却器、窒素導入管、滴下ロートを備えた反応器に、合成例4の方法で得られた重合体の酢酸エチル溶液100g(固形分45重量%)を仕込んだ。過酢酸の酢酸エチル溶液(過酢酸濃度30重量%)70gを滴下ロートに仕込み、反応系内の温度を35℃に保ちながら、1時間かけて反応器内に滴下した。滴下終了後、系内を40℃に保ち5時間熟成した。得られた反応粗液を3重量%水酸化ナトリウム水溶液150mLで中和洗浄し、さらに、210mLの蒸留水にて洗浄した。この時、中和洗浄及び水洗温度は40〜50℃の範囲で行った。
水洗処理を施した反応粗液を、140〜150℃、5mmHg以下の減圧下にて脱低沸を行い、エポキシ当量230の脂環式エポキシ基含有重合体(A-3)を得た。得られた脂環式エポキシ基含有重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)分析を行った。GPC分析は、島津製作所の「CR−4A」を用いて測定した。GPC分析の結果、数平均分子量(Mn)は7,500(ポリスチレン換算)、[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)](分子量分布)は1.48であった。
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、メトキシプロパノール(ダイセル化学工業社製、商品名「MMPG」)を75g導入し、90℃に昇温後、グリシジルメタクリレート(GMA)50gと2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(日本ヒドラジン工業社製、商品名「ABN−E」)5gとメトキシプロパノール(ダイセル化学工業社製、商品名「MMPG」)50gを共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟成した後、水中に入れ樹脂を析出させ、エポキシ当量は150のグリシジルメタクリレート重合体[エポキシ基含有重合体(A-4)]を得た。得られたエポキシ基含有重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)分析を行った結果、数平均分子量(Mn)は4,500(ポリスチレン換算)、[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)](分子量分布)は2.1であった。
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、メトキシプロパノール(ダイセル化学工業社製、「MMPG」)を75g導入し、90℃に昇温後、3,4−エポキシシクロへキシルメチルメタクリレート(ダイセル化学工業社製、商品名「サイクロマーM100」)50gと2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(日本ヒドラジン工業社製、商品名「ABN−E」)5gとメトキシプロパノール(ダイセル化学工業社製、「MMPG」)50gを共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟成した後、水中に入れ樹脂を析出させ、エポキシ当量200のポリ3,4−エポキシシクロへキシルメチルメタクリレート[脂環式エポキシ基含有重合体(A-5)]を得た。得られた脂環式エポキシ基含有重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)分析を行った結果、数平均分子量(Mn)は4,200(ポリスチレン換算)、[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)](分子量分布)は2.2であった。
表1に示される各組成(数字は重量部である)の硬化性樹脂組成物(光カチオン重合性組成物)を調製した。
厚み1mm又は200μmのテフロン(登録商標)板をサンプル形状(76mm×26mmを5mm幅でコの字型)に切り抜き、その片面をテフロン(登録商標)コートしたPETフィルム、続いてガラス板で上下に挟んで積層体(ガラス板/PET/テフロン(登録商標)/PET/ガラス板)を形成した。上記調製した硬化性樹脂組成物を、サンプル形状の切り抜き部分に注射器で注入し、次いでコンベアー式紫外線照射装置を用いて下記条件下で紫外線(UV)を照射することにより、用いたテフロン(登録商標)板に対応する厚み200μm及び1mmの硬化物を形成した。
UV硬化条件:
UV照射装置:ウシオ電機製の紫外線照射装置「UVC−02516S1AA02」
メタルハライドランプ
照射条件:160W
コンベアー速度:5m/min
照射回数:1回
表1に示される各組成(数字は重量部である)の硬化性樹脂組成物(光カチオン重合性組成物)を調製した。調製した液(硬化性樹脂組成物)を、表面をフッ素処理(商品名「オプツール」、ダイキン工業社製)したガラス板上にスピンコート(100rpm×1分)し、100℃にて5分間プレベイクして溶剤を揮発させたサンプルを作製した。次いで、このサンプルに、コンベアー式紫外線照射装置を用いて上記と同様のUV硬化条件下で紫外線(UV)を照射することにより、硬化物を得た。硬化物の厚みは約500μmであった。
硬化性樹脂組成物を上記コンベアー式紫外線照射装置にて硬化させた際の硬化性について下記の基準で評価した。
○:硬化物を得ることができた。
△:半硬化状態で表面のべとつきが観察された。
×:増粘状態で、固化していなかった。
35mm×10mm×膜厚50μmのポリイミドフイルム上に、上記各硬化性樹脂組成物を厚み20μm(溶媒を含む組成物については乾燥後の厚み)で塗布し、上記と同様のコンベアー式紫外線照射装置を用いて硬化させた後、フイルムの反りの高さを測定し、下記の基準で評価した。
○:ほとんど反りが観察されなかった。(反り高さ:2mm未満)
△:反りが観察された。(反り高さ:2mm以上、10mm未満)
×:大きな反りが観察された。(反り高さ:10mm以上)
上記実施例、比較例で得られた1mm厚の硬化サンプルを、沸騰水に1時間浸漬し、その後水分をふき取り、重量差から吸水率を求め、下記の基準で吸水性を評価した。
○:吸水率が0.5重量%未満であった。
△:吸水率が0.5重量%以上、1重量%以下であった。
×:吸水性が1重量%以上あった。
上記実施例、比較例で得られた200μm厚の硬化サンプルを、200℃のオーブンに2時間入れ、着色性を観察し、以下の基準で耐熱性を評価した。
○:無色透明であった。
△:若干黄変が観察された。
×:全体的に茶褐色に着色した。
表1に示される各組成(数字は重量部である)の硬化性樹脂組成物(熱カチオン重合性組成物)を調製した。
厚み1mm又は200μmのテフロン(登録商標)板をサンプル形状(76mm×26mmを5mm幅でコの字型)に切り抜き、離型剤処理したガラス板で上下に挟んで積層体(ガラス板/テフロン(登録商標)/ガラス板)を形成した。上記調製した硬化性樹脂組成物を、サンプル形状の切り抜き部分に注射器で注入し、85℃のオーブンで1時間、次いで150℃のオーブンで2時間かけて硬化させ、用いたテフロン(登録商標)板に対応する厚み200μm及び1mmの硬化物を形成した。
(A)エポキシ基含有ポリマー
(A-1):合成例2で得られた脂環式エポキシ基含有重合体
(A-2):合成例3で得られた脂環式エポキシ基含有重合体
(A-3):合成例5で得られた脂環式エポキシ基含有重合体
(A-4):合成例6で得られたエポキシ基含有重合体
(A-5):合成例7で得られた脂環式エポキシ基含有重合体
(B)硬化性モノマー
(B-1):ダイセル化学工業社製、商品名「セロキサイド2021P」[3,4-エポキシシクロへキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート]
(B-1):ダイセル化学工業社製、商品名「セロキサイド8000」[(3,3’,4,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル]
(B-3):東亞合成社製、商品名「アロンオキセタンOXT−121」
(C)カチオン系酸発生剤
(C-1):サンアプロ社製、商品名「CPI100P」(光酸発生剤)
(C-2):三新化学工業社製、商品名「サンエイドSI-100L」(熱酸発生剤)
(D)増感剤
(D-1):川崎化成工業社製、商品名「Anthracure(登録商標) UVS-1331」
(E)溶媒
(E-1):ダイセル化学工業社製、商品名「MMPGAC」(1-メトキシ-2-プロピルアセテート)
表2に示される各組成(数字は重量部である)の硬化性樹脂組成物(カチオン重合性組成物)を調製した。
厚み1mm又は200μmのテフロン(登録商標)板をサンプル形状(76mm×26mmを5mm幅でコの字型)に切り抜き、離型剤処理したガラス板で上下に挟んで積層体(ガラス板/テフロン(登録商標)/ガラス板)を形成した。上記調製した硬化性樹脂組成物を、サンプル形状の切り抜き部分に注射器で注入し、150℃のオーブンで4時間かけて硬化させ、用いたテフロン(登録商標)板に対応する厚み200μm及び1mmの硬化物を形成した。
(F)硬化剤
(F-1):新日本理化社製、商品名「リカシッドMH700」(4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30)
(G)硬化促進剤
(G-1):サンアプロ社製、商品名「DBU」(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7)
表3に示される各組成(数字は重量部である)の硬化性樹脂組成物を用い、下記の方法によりUVナノインプリントを行った。
各硬化性樹脂組成物を、オゾン処理した4インチシリコンウェハに、3000〜6000回転、60秒の条件でスピンコーティングして、厚み0.1μmの被膜を形成した。該被膜の表面の状態について後述する方法で「塗布性」を評価した。
インプリンティング装置として、コンピュータで制御された試験器(明昌機工社製、「NM−0401モデル」)を用いた。この装置では、装荷、緩和速度、加熱温度等をプログラムすることで規定された圧力を特定の時間維持することが可能である。
上記で調製した被膜に対し、プレス圧0.9MPa、プレス温度25℃、プレス時間30秒の条件で、200nmのライン&スペースのパターンを有するナノスタンパを用いてナノインプリントを行った。なお、ナノスタンパは表面をフッ素処理(オプツール/ダイキン化学社製)したものを使用した。
次いで、付属の高圧水銀燈を用いてUV放射線の照射(UV露光量1.5J/cm2)により硬化処理を施すことで微細パターンを有する硬化物を得た。後述する方法で、ナノスタンパに対する硬化後の樹脂組成物の「剥離性」、パターン精度及び残存膜厚の評価を行った。以上の結果を表3に示す。表3の符号の意義は前記と同じである。
硬化性樹脂組成物をシリコンウェハ上にスピンコーティングした際の表面の状態を観察し、均一な塗膜形成の有無を観察し、下記の基準で評価した。
○:均一な塗膜が得られた。
×:スピンコート後、塗膜のはじきが観察された。
UV照射により硬化させた後、硬化後の樹脂組成物からナノスタンパを剥離した際の剥離性を下記の基準により評価した。
○:インプリントスタンプに力を加えることにより容易に剥離できた。
×:容易に剥離することができなかった。
インプリント後、ナノスタンパを剥離し、シリコンウエハ上に形成された1mm角のパターンを観察し、以下の基準で評価した。
○:シリコンウエハ上のパターン変形及びパターン抜けが1箇所以下であった。
△:シリコンウエハ上のパターン変形及びパターン抜けが2〜10箇所であった。
×:シリコンウエハ上のパターン変形及びパターン抜けが10箇所より多かった。
Claims (12)
- 前記式(1)で表される構成単位及び前記式(2)で表される構成単位を少なくとも有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の脂環式エポキシ基含有重合体。
- 前記環Zがエポキシシクロヘキサン環である請求項1〜4のいずれか1項に記載の脂環式エポキシ基含有重合体。
- 前記Aが単結合である請求項1〜5のいずれか1項に記載の脂環式エポキシ基含有重合体。
- 数平均分子量が1000〜200000である請求項1〜6のいずれか1項に記載の脂環式エポキシ基含有重合体。
- 分子量分布が2未満である請求項1〜7のいずれか1項に記載の脂環式エポキシ基含有重合体。
- 下記式(3)で表される構成単位及び下記式(4)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種の構成単位を少なくとも有する重合体を、エポキシ化剤によりエポキシ化して、下記式(1)で表される構成単位及び下記式(2)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種の構成単位を少なくとも有する脂環式エポキシ基含有重合体を得ることを特徴とする脂環式エポキシ基含有重合体の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の脂環式エポキシ基含有重合体を少なくとも含む硬化性樹脂組成物。
- 請求項11記載の硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
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