JPH06199950A - ビニル化環状炭化水素系重合体から成る成形材料 - Google Patents
ビニル化環状炭化水素系重合体から成る成形材料Info
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- JPH06199950A JPH06199950A JP36112892A JP36112892A JPH06199950A JP H06199950 A JPH06199950 A JP H06199950A JP 36112892 A JP36112892 A JP 36112892A JP 36112892 A JP36112892 A JP 36112892A JP H06199950 A JPH06199950 A JP H06199950A
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Abstract
〔η〕が0.1〜20dl/g、分子量2000以下の
樹脂成分含有量が1重量%以下、遷移金属原子残留量が
1ppm以下であるビニルシクロヘキセン系単量体など
を重合したビニル化環状炭化水素系重合体またはその水
素添加物から成る成形材料を、医療用器材、電気絶縁材
料、または電子部品処理用器材として用いる。 【効果】 医療用器材としては接触する薬剤を変質させ
ず、電気絶縁材料としては電気絶縁性、高周波特性など
に優れ、電子部品処理用器材としては耐熱性、耐薬品性
などに優れる。
Description
水素系重合体から成る成形材料とその用途に関し、さら
に詳しくは低分子量含量・遷移金属原子量が低いビニル
化飽和環状炭化水素系重合体から成る成形材料、接触す
る薬剤を変質させない医療用器材、電気絶縁性、高周波
特性などに優れた電気絶縁材料、及び耐熱性、耐薬品性
などに優れた電子部品処理用器材に関する。
ルスの二次感染を防止するために、最近では、使い捨て
のものに置き換えられつつある。また、注射薬なども、
従来は注射の際に滅菌されたアンプル中から注射器で吸
引して用いていたが、最近は、予め注射器中に注射薬を
吸入してあるプレフィルドシリンジが流通し、注射後の
注射器は廃棄されるようになった。
認が容易になるように、ある程度以上の透明性が必要で
ある。そのため、従来から、ガラス、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル等が用いられている。し
かし、ガラスは割れることがあり、重く、アルカリイオ
ンなどが溶出しやすく、破片処理が危険であり、燃やす
のが困難であるため、使い捨てにするのは困難であっ
た。また、ポリエチレン、ポリプロピレンなどからは、
低分子の有機成分が溶出することがあり、ポリ塩化ビニ
ルからは塩素が溶出し、内容物が変質することがあっ
た。
ポリエチレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン系樹
脂が多く用いられてきた。これらは、高絶縁抵抗性、高
絶縁破壊電圧、低誘電率などの優れた電気特性、低吸水
性、耐薬品性などに優れているが、耐熱性は不十分であ
り、過酷な条件下では使用できない。また、ポリスチレ
ンは耐アーク性や耐トラッキング性に劣り、さらに融点
と熱分解開始温度の差が小さいため、溶融成形が可能な
温度範囲が290〜300℃と狭いため成形が困難であ
るなどの問題があった。
性などを兼ね備え、広く用いられている電気絶縁材料と
して、ポリエチレンテレフタレートがあるが、熱水やア
ルカリによって加水分解を起こしたり、吸水性が大きい
などの問題がある。
フィルムなどの複合材料に用いられている絶縁材料とし
て、ポリサルホン、ポリエーテルサルホンなど、耐熱性
に優れた樹脂やエポキシ樹脂、ポリイミドが用いられて
いるが、これらはいずれも吸水性が大きい、導電層との
複合の際に真空蒸着法やスパッター法などの工程を経る
必要のある用途では、それらの工程において、樹脂中の
水分のために、必要な真空度に上げるのに長時間を要し
て生産性が悪くなるなどの問題がある。また、エポキシ
樹脂やポリイミドは、高周波用として使用するには、誘
電率、誘電損失が大きすぎて適さない。
理用器材においては、真鍮などの金属、ポリプロピレ
ン、ポリテトラフルオロエチレンやペルフルオロアルコ
キシフッ素樹脂などのフッ素樹脂が用いられている。し
かし、金属製のものは重すぎ、また、電子部品処理に用
いる酸への耐性がなく、ポリプロピレンは寸法精度が悪
く、ポリテトラフルオロエチレンは射出成形ができず削
り出し加工によるため生産性が悪く、寸法精度も悪く、
ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂は成形収縮が大き
く、寸法精度も悪く、また、樹脂の合成が困難であっ
た。
学材料として使用できることは、特開昭63−4391
0号、特開平1−132603号などに開示されてい
る。しかし、ビニルシクロヘキサン系重合体を含むビニ
ル化環状炭化水素系重合体の耐薬品性、低溶出性、さら
に電気絶縁性、高周波特性などについては知られていな
かった。
究の結果、ビニル化環状炭化水素系重合体またはその水
素添加物が、耐薬品性、高周波電気絶縁性に優れ、不純
物の溶出や薬剤成分の吸着がないことを見出し、本発明
を完成させるに至った。
ば、25℃のトルエン中で測定した極限粘度〔η〕が
0.1〜20dl/g、分子量2000以下の樹脂成分
含有量が1重量%以下、重合触媒由来の遷移金属原子残
留量が1ppm以下であるビニル化環状炭化水素系重合
体またはその水素添加物から成る成形材料が提供され
る。
で用いられる樹脂は、下記一般式1、一般式2、または
一般式3で表される繰り返し単位から成るビニル環状炭
化水素系重合体である。
において、R1〜R42は水素原子または炭素数1〜4の
アルキル基を表し、または、R4〜R12、R16〜R26、
R30〜R42は環を形成する隣接する炭素原子を表し二重
結合を形成してもよい。
得るために用いられるビニル化環状炭化水素系単量体と
しては、例えば、ビニルシクロペンタン、イソプロペニ
ルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量
体、 4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イ
ソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテ
ン系単量体などのビニル化五員環炭化水素系単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、
2−メチルスチレン、4−フェニルスチレンなどのスチ
レン系単量体、ビニルシクロヘキサン、3−メチルイソ
プロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン
系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペ
ニルシクロヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘ
キセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセ
ン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチ
ル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシ
クロヘキセン系単量体、d−テルペン、l−テルペン、
ジテルペンなどのテルペン系単量体などのビニル化六員
環炭化水素系単量体; ビニルシクロヘプタン、イソプ
ロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系
単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニ
ルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体
などのビニル化炭化水素系単量体; などが挙げられ
る。なかでも、六員環炭化水素系単量体が好ましい。た
だし、後述のように芳香環を含有しない単量体が好まし
く、芳香環を含有するスチレン系単量体を用いる場合
は、水素添加反応により、芳香環が実質的に残らないよ
うにすることが好ましい。
返し単位が10重量%未満となる範囲でビニル化環状炭
化水素系単量体以外の単量体を共重合させてもよい。共
重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、イ
ソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−
ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフ
ィン系単量体; シクロペンタジエン、1−メチルシク
ロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−
エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジ
エン、5、5−ジメチルシクロペンタジエンなどのシク
ロペンタジエン系単量体; シクロブテン、シクロペン
テン、シクロヘキセン、ジシクロペンタジエンなどの環
状オレフィン系単量体; ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、フラン、チオフェン、1,3−
シクロヘキセンなどの共役ジエン系単量体; エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキ
サイド、トリオキサン、ジオキサン、シクロヘキセンオ
キサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、
テトラヒドロフランなどの環状エーテル系単量体;メチ
ルビニルエーテル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ル−2−ピロリドンなどの複素環含有ビニル化合物系単
量体; などが挙げられる。一般に、ビニル化環状炭化
水素系単量体以外の単量体に由来する繰り返し単位の含
有量が多くなると、本発明のビニル化環状炭化水素系重
合体の透明性が低下する。
特に限定されず、公知のカチオン重合触媒、リビングカ
チオン重合触媒、チーグラー触媒、カミンスキー触媒な
どが使用できる。カチオン重合触媒としては、AlCl
3、AlBr3、BF3、BCl3、BF3・OEt2、Ti
Cl4、TiBr4、FeCl3、FeCl2、SnC
l4、SnCl2、TiCl4/Cl3CCOOH、SnC
l4/Cl3CCOOH、WCl6、MoCl5などのハロ
ゲン化金属; Pd(CH3CN)2Cl2、Pd(C6H
5CN)2Cl2、Pd(CH3CN)4(BF4)2などの
Pd触媒; HCl、HF、H2SO4、H3BO3、HC
lO4、CF3COOH、CCl3COOHなどの水素
酸; などが挙げられ、ルイス酸と開始剤化合物を併用
するリビングカチオン重合触媒としては、TiCl4/
2−メトキシ−2−フエニルプロパン、TiCl4/t
−ブタノール、TiCl4/1,4−ビス(2−メトキ
シ−2−プロピル)ベンゼン、TiCl4/2−フェニ
ル−2−プロパノールなどが挙げられ、チーグラー触媒
として、TiCl4−Et3Al、TiCl3−Et3Al
OEt、TiCl3−Bu3Al2などが挙げられ、カミ
ンスキー触媒としては、ジシクロペンタジエニルジコニ
ウム(IV)ジクロライド−メチルアルミノキサン、シ
クロペンタジエニルチタン(III)ジクロライド−メ
チルアルミノキサン、(イソプロピリデン−9−フルオ
レニル−シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)
ジクロライド−メチルアルミノキサン、ジメチルシリル
ビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウム(IV)ジクロライド−メチルアルミノキサンな
どが挙げられる。
ル比で0.000001〜1倍、好ましくは0.000
1〜0.5倍の範囲である。
溶媒を使用して行われる。溶媒としては、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒; ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの炭化
水素系溶媒; 塩化メチル、塩化メチレン、1,2−ジ
クロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,
1,2−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエ
チレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒; などが挙げ
られる。通常,炭化水素系溶媒、特に、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン
などがが重合体の溶解性に優れるので好ましい。
100℃、好ましくは−50〜50℃の範囲で行う。
素系重合体は、耐光劣化性、耐熱劣化性、耐酸化劣化性
などを高めるために、水素添加してもよい。水素添加す
る場合は、好ましくは50%以上、より好ましくは70
%以上、特に好ましくは90%以上水素添加する。特
に、スチレン系単量体に由来する芳香環構造を多く含有
していると、熱分解温度が低く、溶融成形する場合には
樹脂温度の制御が困難であるため、水素添加して、芳香
環構造を飽和させることが好ましい。後述の水素添加反
応の際に遷移金属化合物とアルキル金属化合物の組み合
わせ触媒を選択して使用すると、スチレン系単量体に由
来する芳香環構造は選択的に水素添加されずに残るの
で、スチレン系単量体を用いた場合は、それ以外の水素
添加触媒を用いることが好ましい。
化環状炭化水素系重合体を水素添加する水素添加触媒
は、特に限定されず、オレフィン化合物の水素化に使用
されているものが使用できる。例えば、ニッケル、パラ
ジウム、白金などの触媒金属;ウィルキンソン錯体;
酢酸コバルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセ
チルアセトナート/トリイソブチルアルミニウムなどの
チーグラー触媒; ケイソウ土、マグネシア、アルミ
ナ、合成ゼオライトなどに、ニッケル、パラジウム、白
金等触媒金属を担持させた不均一触媒; などが挙げら
れ、中でも、マグネシア、活性アルミナ、合成ゼオライ
トを担体とした細孔容積0.5cm3/g以上、好まし
くは0.7cm3/g以上、また好ましくは比表面積2
50m2/g以上の不均一触媒が好ましい。これらの担
体は、重合触媒由来の遷移金属や塩素原子を吸着する。
さらに、不均一系触媒として、粒径0.2μm以上のも
の、即ち、粒径が0.2μm未満のものを実質的に含ま
ないものを用いると、濾過による不均一系触媒の除去が
容易であるので好ましい。粒径が小さすぎると濾過の際
にリークしやすく、また遠心しても除去が困難になり、
ビニル化環状炭化水素系重合体中の重合触媒や水素添加
触媒の残渣である遷移金属原子量が多くなる。また、リ
ークしないように孔径の小さなフィルターを用いて濾過
すると目詰まりを起こしやすく、作業効率が悪い。
ルコールなどのアルコール類を少量添加して反応性を高
めることができる。その場合のアルコール類の添加量は
溶液100重量部当たり0.5〜5重量部、好ましくは
1〜3重量部である。
合体の水素添加反応は、通常、不活性有機溶媒中で実施
する。本発明のビニル化環状炭化水素系重合体は、実質
的にゲルを含まないので、適当な不活性有機溶媒に可溶
性のものであり、水素添加しやすい。有機溶媒として
は、炭化水素系溶媒が好ましく、その中でも生成するビ
ニル化環状炭化水素重合体の溶解性に優れた環状炭化水
素系溶媒が特に好ましい。具体例としては、ベンゼン、
トルエン等の芳香族炭化水素、n−ペンタン、ヘキサン
等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン、デカリン等の脂環族炭化水素、メチレンジクロ
リド、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素等が挙げ
られ、これらの2種以上を混合して使用することもでき
る。通常は、重合反応溶媒と同じでよく、重合反応溶液
にそのまま、水素添加触媒等を添加して、反応させれば
よい。溶媒を使用する場合は、ビニル化環状炭化水素系
重合体1重量部に対する溶媒の使用量は、0.8〜20
重量部、好ましくは1〜10重量部である。
反応の水素圧力は特に制限は無いが、通常、10〜20
0kg/cm2、好ましくは20〜150kg/cm2、
さらに好ましくは30〜100kg/cm2である。反
応圧力や反応時間を調節して、水素添加率が80%以
上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上
になるようにする。
濾過などの常法に従って行えばよい。遠心方法や濾過方
法は用いた触媒が除去できる条件であれば、特に限定さ
れない。濾過による除去は簡便かつ効率的であるので好
ましい。濾過する場合、加圧濾過しても吸引濾過しても
よく、また、効率の点から、ケイソウ土、パーライトな
どの濾過助剤を用いることが好ましい。前述の水素添加
触媒の担体等の、重合触媒に由来する遷移金属原子に対
する吸着剤を濾過助剤として用いてもよい。
系重合体、またはその水素添加物の25℃のトルエン中
で測定した極限粘度〔η〕は、重合時間や反応液中の単
量体濃度などにより変化するが、0.1〜20dl/
g、好ましくは0.2〜10dl/g、より好ましくは
0.3〜8dl/gである。極限粘度が小さすぎると機
械的強度が劣り、大きすぎると成形性が悪くなる。ま
た、この樹脂は、トルエンを溶媒とした高速液体クロマ
トグラフィー分析によるポリスチレン換算分子量が2,
000以下の成分含有量が1重量%以下であることが好
ましく、0.5重量%以下であることが特に好ましい。
低分子量成分含量をそれ以上の場合は、樹脂の良溶媒と
貧溶媒との混合溶媒中に樹脂溶液を注入して樹脂を凝固
させる方法、樹脂溶液に徐々に貧溶媒を加えて樹脂を凝
固させる方法、樹脂溶液を貧溶媒中に注いで凝固を行う
方法等を1回以上行い、低下させればよい。低分子量成
分が多いと医療用器材が生体や薬品との接触により溶出
する恐れがある。また、本発明に用いる樹脂のガラス転
移温度(以下、Tgという)は100℃〜200℃程度
である。
でもよい。結晶性の場合は、熱変形温度が高く、耐熱性
に優れ、医療用途でのスチーム滅菌処理や電気絶縁材料
用途でのハンダ付け処理などに有利となる反面、成形歪
みを生じやすく、精密成形が困難である。非晶性の場合
は、熱変形温度がTg以下であり、耐熱性に劣るが、精
密射出成形が可能であり、電子部品処理用器材、特にウ
ェハーキャリア等の用途に好適である。
添加物には、所望により、各種添加剤を添加してもよ
い。用いられる添加剤としては、例えば、紫外線吸収
剤、ゴム質重合体、石油樹脂、異種熱可塑性樹脂などが
ある。また、成形性、物性などを改良する目的で、例え
ば、ガラスファイバー、カーボンファイバーなどの繊維
状充填剤;シリカ、アルミナ、タルク、ガラスビーズ、
水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムなどの微粒子状充
填剤; テトラキス〔2−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート〕メタ
ン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールな
どのフェノール系、リン系などの酸化防止剤; カーボ
ン、グラファイト、アルコール化合物、多価アルコール
の部分エステル等の導電性付与剤、もしくは帯電防止
剤; などが添加できるほか、光安定剤、紫外線吸収
剤、滑剤、難燃剤、顔料、染料、アンチブロッキング剤
などを添加しても良い。一般に、重合体からの溶出をさ
けるため、これらの添加剤は、分子量の大きいものほど
好ましく、また、添加量が少ないほど好ましい。なお、
本発明に用いる樹脂にガラスファイバーやシリカ微粒子
等の無機質充填剤を配合すると透明性が失われやすい
が、特に結晶性の樹脂の場合は熱変形温度が高くなり、
耐熱性が改善されるので好ましい。無機質充填剤の配合
量は、樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜200
重量部、より好ましくは5〜100重量部、特に好まし
くは10〜50重量部である。
表面粗さを小さくするため、レベリング剤の添加しても
よい。レベリング剤は、例えば、フッ素系ノニオン界面
活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン
系レベリング剤など、塗料用レベリング剤を用いること
ができ、それらの中でも溶媒との相溶性の良いものが好
ましい。
添加剤を添加する場合、目的に応じた範囲で添加する。
例えば、添加剤を添加すると、一般に透明性が低下する
が、薬品容器に成形する場合などには内容物の量や状態
が確認できる程度の透明性が必要であり、そのため必要
とされる光線透過率は、厚さ2mmの成形板を用いた場
合の全光線透過率が、通常20%以上、好ましくは30
%以上、より好ましくは50%以上である。電子部品処
理用器材としても透明性に優れたものが好ましい。ま
た、添加剤は電気特性にも影響する。電気絶縁材料とし
て使用する場合には、体積固有抵抗値は1015Ωcm以
上、誘電率は102Hz、106Hz、109Hzの周波
数のいずれにおいても3以下、好ましくは2.5以下、
誘電正接は102Hz、106Hz、109Hzの周波数
のいずれにおいても10-3以下、好ましくは7×10-4
以下である。
加物の成形方法は、特に限定されない。重合体の融点や
Tg、使用目的、使用形状などに応じて成形方法を選択
すればよい。例えば、射出成形法、プレス成形法、溶液
流延法、ブロー成形法、インフレーション成形法、押し
出し成形法などを用いることができる。
記のようにして得たビニル化環状炭化水素系重合体また
はその水素添加物から成る。本発明で用いる重合体また
はその水素添加物は、薬品、特に、アルコール類、アミ
ン類、エステル類、アミド類、エーテル類、カルボン酸
類、アミノ酸類などの極性基を有する薬品の吸着が少な
く、また、樹脂中に不純物として含有している有機物な
どが染み出すことが少ないので、薬品と接触しても変質
させることがない。さらに、細孔容積0.5cm3/g
以上、好ましくは0.7cm3/g以上、また好ましく
は比表面積250m2/g以上のマグネシア、活性アル
ミナ、または合成ゼオライトなどからなる吸着材で処理
したり、樹脂溶液を酸性水と純水で繰り返し洗浄するこ
とにより、重合触媒由来の遷移金属原子などの残留量を
下げ、これらの残留量を1ppm以下にすることができ
るので、医療用器材として用いることができる。
射用の液体薬品容器、アンプル、プレフィルドシリン
ジ、輸液用バッグ、固体薬品容器、点眼薬容器、点滴薬
容器などの液体または粉体、固体の薬品容器; 食品容
器; 血液検査用のサンプリング用試験管、採血管、検
体容器などのサンプル容器; 注射器などの医療器具;
メスや鉗子、ガーゼ、コンタクトレンズなど生体と接触
する医療器具などの滅菌に用いる滅菌容器; ビーカ
ー、シャーレ、フラスコ、試験管、遠心管などの実験・
分析器具; 医療検査用プラスチックレンズなどの医療
用光学部品; 医療用輸液チューブ、配管、継ぎ手、バ
ルブなどの配管材料; 義歯床、人工心臓、人造歯根な
どの人工臓器やその部品; などが例示される。特に、
長期に渡り、薬品、特に液体薬品を保存する薬ビン、プ
レフィルドシリンジ、密封された薬袋、アンプル、バイ
アル、点眼薬用容器などにおいては、従来の樹脂製のも
のに比較して、透明性、物理的性質などのほかに、樹脂
から溶出する不純物等がなく、耐薬品性に優れ、また、
薬品を吸着しないので、薬品の変質が少ないという好ま
しい性質を有する。
て得たビニル化環状炭化水素系重合体またはその水素添
加物から成る。本発明で用いる重合体またはその水素添
加物は、電気絶縁材料として広範な分野において有用で
ある。例えば、電線・ケーブル用被覆材料や、民生用・
産業用電子機器、複写器・コンピューター・プリンター
等のOA機器、計器類などの一般絶縁材料; 硬質プリ
ント基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント配
線板などの回路基板、特に高周波特性が要求される、衛
生通信機器用などの高周波回路基板; 液晶基板・光メ
モリー・自動車や航空機のデフロスタなどの面発熱体な
どの透明導電性フィルムの基材; トランジスタ・IC
・LSI・LEDなどの半導体封止材や部品; モータ
ー・コネクター・スイッチ・センサーなどの電気・電子
部品の封止材料; テレビやビデオカメラなどのボディ
材料; パラボラアンテナ・フラットアンテナ・レーダ
ードームの構造部材; などに好適に用いることができ
る。
うにして得たビニル化環状炭化水素系重合体またはその
水素添加物から成るものである。本発明で用いる重合体
またはその水素添加物、特に前述のような方法で遷移金
属残渣を1ppm以下にしたものは、樹脂から溶出する
不純物等が実質的になく、耐熱性などの物理的性質に優
れ、また、電子部品処理用に用いられる多くの薬品、特
に、硫酸を除くほとんどの強酸に対して耐性を有するこ
とから、電子部品処理用器材として、好ましい性質を有
する。
SIなどの半導体やハイブリッドIC、液晶表示素子、
発光ダイオードなどの電子部品と接触する器材、(B)
ウェハ、液晶基板、これらに透明電極層や保護層などを
積層したものなどの製造中間体と接触する器材、及び
(C)電子部品の製造工程にいうて製造中間体の処理に
用いる薬液や超純水などの処理液と接触する器材をい
う。(A)電子部品と接触する器材、(B)電子部品の
製造中間体と接触する器材としては、例えば、タンク、
トレイ、キャリア、ケース等の処理用、および移送用容
器; キャリアテープ、セパレーション・フィルム等の
保護材; などが挙げられる。(C)処理液と接触する
器材としては、例えば、パイプ、チューブ、バルブ、シ
ッパー、流量計、フィルター、ポンプ等の配管類; サ
ンプリング容器、レジスト容器、現像液容器、剥離液容
器、洗浄液容器、ボトル、アンプル、バッグなどの液用
容器類; などが挙げられる。
さらに具体的に説明する。
媒アゾイソブチロニトリル0.01重量部を窒素置換し
た反応容器内にいれ、撹拌しながら、80℃に加熱し
て、5時間反応させた。反応溶液を多量のメタノールに
加えて重合体を析出させ、濾別し、1mmHgの減圧下
で24時間保持して乾燥し、105重量部のポリスチレ
ンを得た。25℃のトルエン中で測定した極限粘度は
0.55dl/gであり、Tgは99℃であった。
ラヒドロフラン300重量部、シクロヘキサン300重
量部の混合溶媒に溶解し、ケイソウ土担持ニッケル触媒
(ニッケル35%担持)を10重量部加え、オートクレ
ーブ中、200℃、水素圧50kg/cm2で5時間反
応させた。反応終了後、濾過によりニッケル触媒を除去
し、反応溶液を1000部のメタノールに撹拌しながら
加えて重合体を析出させ、濾別し、5torr以下の減
圧下で60℃に24時間保持して乾燥し、94部のポリ
スチレン水素添加物を得た。
0.55dl/gであり、1H−NMRから測定した芳
香族炭化水素環の水素添加率は91%であり、Tgは1
30℃であった。また、ポリスチレン水素添加物の10
重量%シクロヘキサン溶液を原子吸光分析した結果、ニ
ッケル原子量が1.6ppm、アルミニウム原子量は
2.22ppmであった。
むシクロヘキサン溶液800重量部を、活性アルミナ
(水澤化学製、ネオビードD)4.5重量部を充填した
内径10cm、長さ100cmのカラムに滞留時間10
0秒になるように通過させ、24時間循環させた。イソ
プロピルアルコール2500重量部中へ攪拌しながら注
ぎ、ポリスチレン水素添加物を凝固させた。凝固したポ
リスチレン水素添加物を濾過して回収し、イソプロピル
アルコール430重量部で2回洗浄した後、回転式減圧
乾燥器中で5torr、100℃で48時間乾燥し、7
8重量部を回収した。
Tgは参考例1のものと差が認められなかったが、窒素
中での熱重量分析法(昇温速度10℃/min)による
熱分解温度(5%重量現象温度)は405℃、ニッケル
原子量は0.1ppm(検出限界)以下、アルミニウム
原子量は0.21ppm、分子量2000以下の樹脂成
分は0.1%であった。
にゴム質重合体(旭化成社製タフテックH11052、
ガラス転移温度0℃以下)0.2重量部、老化防止剤
(チバガイギー社製イルガノックス1010)0.05
重量部を添加し、2軸混練機(東芝機械社製TEM−3
5B、スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュ
ー回転数250rpm、樹脂温度240℃、フィードレ
ート10kg/時間)で混練し、押し出し、ペレットと
した。
350トン、樹脂温度260℃、金型温度100℃)
し、直径200mm、高さ130mm、平均厚み3mm
の円筒状の側面と一つの底面を有する透明な容器と10
0mm×50mm×2.0mmの試験片A25枚、外径
18mm、内径14mm、長さ110mmの内容量10
ml用の注射器シリンダー3本を作製した。
90.5%で透明性は良好であった。また、濁度を測定
したところ、0.1%であった。成形した容器の中に、
LB培地(バクトトリプトン1重量%、イーストエクス
トラクト0.5重量%、NaCl1重量%、グルコース
0.1重量%の水溶液をpH7.5に調整)300m
l、寒天6g、試験片Aの一枚を入れ、アルミ箔でキャ
ップして、オートクレーブで、121℃、30分のスチ
ーム滅菌を行った。
の増殖は認められなかった。
視で白濁、割れ、熱による変形は確認されなかった。容
器から取り出した試験片Aから寒天により固化したLB
培地を除去した後に測定した濁度は0.28%、また、
全光線透過率は90.0%であった。
70%硝酸、燐酸、フッ硝酸(フッ酸7重量%、硝酸4
2重量%、水51%)、37%塩酸、30%希硫酸、濃
硫酸、30%過酸化水素水、水酸化カリウム飽和水溶
液、29%アンモニア水、アセトン、イソプロピルアル
コール、トリクロロエチレン、2.38重量%テトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液、アルミニ
ウム用エッチング液(濃リン酸80重量%、硝酸5重量
%、氷酢酸5重量%、水10重量%)に5分間浸漬し
た。トリクロロエチレンに浸漬した試験片で膨張が認め
られ、濃硫酸に浸漬した試験片で表面が炭化したが、そ
の他の薬品による影響は認められなかった。さらに37
%塩酸、水酸化カリウム飽和水溶液、エタノールに48
時間浸漬したが、影響は認められなかった。
れ、硬質ガラス製の蓋をして、オートクレーブで121
℃、1時間のスチーム滅菌を行い、室温になるまで冷却
した後、24時間静置して、蒸留水を回収した。
音波洗浄した後、40℃で10時間乾燥した。この試験
片Aを10mm幅に切り、20gを硬質ガラスフラスコ
に入れ、蒸留水200gを加え、硬質ガラス製の蓋をし
て、オートクレーブで121℃、1時間のスチーム滅菌
し、室温になるまで冷却した後、24時間静置して、蒸
留水を回収した。
クロマトグラフィ、燃焼−非分散型赤外線ガス分析法な
どによる分析結果の差から、試験片からの溶出量を求め
た結果、ニッケル原子溶出量は0.01ppm(検出限
界)以下、アルミニウム原子溶出量は0.01ppm
(検出限界)以下、全有機炭素量2ppm(検出限界)
以下であった。
液用プラスチック試験法」に従い、溶出物試験を行っ
た。泡立ちは3分以内に消失し、pH差は−0.04、
紫外線吸収は0.006、過マンガン酸カリウム性還元
物質0.13mlであった。
音波洗浄した後、40℃で10時間乾燥した。この注射
器シリンダー3本の先端部をテフロン栓で塞ぎ、先端部
を下向きにしてホルダーに保持し、それぞれ、濃度80
0ppmのビタミンB2水溶液、濃度300ppmの塩
酸メタンフェタミン水溶液、濃度1000ppmのトラ
ネキサム酸水溶液を10ml入れ、後端部をテフロン栓
で密栓した。常温で暗所に30日間静置した後、高速液
体クロマトグラフィ分析の結果、ビタミンB2濃度は約
790ppm、塩酸メタンフェタミン濃度は約290p
pm、トラネキサム酸濃度は約980ppmであった。
電子部品処理用器材として優れた成形材料であることが
わかる。
350トン、樹脂温度260℃、金型温度100℃)
し、直径100mm、厚さ1.2mmの円板10枚、1
27mm×12.7mm×4.0mmの試験片B20枚
を作製した。
S K6911の方法にて体積固有抵抗、誘電率、誘電
正接を、実施例1で得た試験片Bについて、ASTM−
D−790の方法にて曲げ強度を測定した。曲げ強度は
410kgf/cm2、体積固有抵抗は5×1016Ωc
m以上、誘電率は102Hz、106Hz、109Hzの
周波数のいずれにおいても2.37、誘電正接は102
Hz、106Hz、109Hzの周波数のいずれにおいて
も5×10-4であった。
料として優れた成形材料であることがわかる。
れ、攪拌しながら、(イソプロピリデン−9−フルオレ
ニル−シクロペンタジエニル)ジルコニウム(IV)ジ
クロライドの0.1重量%トルエン溶液20重量部およ
びA1原子換算で5.25重量%のメチルアルミノキサ
ン(メチル基:A1=1.7:1)のトルエン溶液40
重量部を加えた。25℃で20分間攪拌した後、25℃
に保ったまま、4−ビニルシクロヘキセン100重量部
を30分間に渡って、連続的に加え、さらに5時間反応
させた。
部および水2重量部を加えた後、60℃で2時間攪拌し
た。25℃に冷却した後、攪拌しながら無水硫酸カルシ
ウム粉末5重量部を加え、攪拌したまま2時間反応させ
た。反応溶液中の不溶物を、ケイソウ土を濾過床とした
加圧濾過器で濾過して除去し、透明な反応溶液を得た。
反応溶液を1500重量部のメタノール中に激しく攪拌
しながら注いで重合体うぃ析出させ、濾別し、5tor
r以下の減圧下、80℃で24時間乾燥して64重量部
のポリ−4−ビニルシクロヘキセンを得た。
重量部をシクロヘキサン600重量部に溶解し、実施例
1と同様のカラムによる処理を行った。イソプロピルア
ルコール1800重量部中へ攪拌しながら注ぎ、重合体
を析出させた。析出した重合体を濾別回収して、5to
rr以下の減圧下、100℃で48時間乾燥し、55重
量部を得た。
限粘度0.61dl/g、Tgは135℃、融点は26
2℃、熱分解温度(5%重量減少温度)は420℃、ジ
ルコニウム原子量は0.1ppm(検出限界)以下、ア
ルミニウム原子は0.45ppm、分子量2000以下
の樹脂成分は0.1%以下であった。
量部に実施例2で使用したのと同じゴム質重合体0.1
重量部、老化防止剤(イルガノックル1010、チバガ
イギー社製)0.2重量部およびメチルトリメトキシシ
ランで表面処理した平均直径20μm、平均長さ6mm
のガラスファイバー25重量部を添加し、実施例2で使
用したのと同じ2軸混練機でスクリュー回転数200r
pm、樹脂温度280℃、フィードレート10kg/時
間の条件で混練し、押し出し、ペレットとした。
350t、樹脂温度300℃、金型温度100℃)し、
実施例3と同様の容器と試験片を作製し、同様の処理を
行った。試験片Aの全光線透過率は、30.5%であっ
た。
どは認められず、試験片Aの全光線透過率は、30.1
%であった。
レンに浸漬した試験片で膨張が認められ、濃硫酸に浸漬
した試験片で表面が炭化したが、その他の薬品による影
響は認められなかった。さらに37%塩酸、水酸化カリ
ウム飽和水溶液、エタノールに48時間浸漬したが、影
響は認められなかった。
菌、24時間静置での溶出量はジルコニウム原子0.0
2ppm(検出限界)以下、アルミニウム原子溶出量は
0.01ppm(検出限界)以下、全有機炭素量2pp
m(検出限界)以下であった。
に消失し、pH差は−0.05、紫外線吸収は0.00
7、過マンガン酸カリウム性還元物質0.09mlであ
った。
電子部品処理用器材として優れた成形材料であることが
わかる。
試験片Bを作製して体積固有抵抗、誘電率、誘電正接
を、ASTM−D−790の方法にて曲げ強度を測定し
た。曲げ強度は430kgf/cm2、体積固有抵抗は
5×1016Ωcm以上、誘電率は102Hz、106H
z、109Hzの周波数でそれぞれ、2.93、2.8
1、2.80、誘電正接は102Hz、106Hz、10
9Hzの周波数でそれぞれ、0.004、0.001、
0.001であった。
のハンダに10秒間接触させても変化は認められなかっ
た。
料として優れた成形材料であることがわかる。
またはその水素添加物から成る医療用器材は、接触する
薬剤を変質させず、電気絶縁材料は電気絶縁性、高周波
特性などに優れ、電子部品処理用器材は耐熱性、耐薬品
性などに優れる。
Claims (3)
- 【請求項1】 25℃のトルエン中で測定した極限粘度
〔η〕が0.1〜20dl/g、分子量2000以下の
樹脂成分含有量が1重量%以下、遷移金属原子残留量が
1ppm以下であるビニル化環状炭化水素系重合体また
はその水素添加物から成る成形材料。 - 【請求項2】 ビニル化環状炭化水素重合体がビニルシ
クロヘキセン系単量体の付加重合体である請求項2記載
の成形材料。 - 【請求項3】 成形材料が医療用器材、電気絶縁材料、
または電子部品処理用器材である請求項1、または2記
載の成形材料。
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