JP2013184444A - 射出成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形品の突き出し位置を変更できる射出成形機を提供すること。
【解決手段】射出成形機10は、複数のキャビティ空間C1、C2を形成する金型33が取り付けられるターンテーブル40と、ターンテーブル40を回転自在に支持する支持プラテン13と、金型33で成形された成形品MMの金型33からの突き出しに用いられるエジェクタ装置50と、各キャビティ空間C1、C2に対応する位置の間で、エジェクタ装置50を移動可能とするスライド機構70とを備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、射出成形機に関する。
射出成形機は、金型装置のキャビティ空間に溶融した樹脂を充填し、固化させることによって成形品を製造する。金型装置は固定金型及び可動金型で構成され、型締め時に固定金型と可動金型との間にキャビティ空間が形成される。金型装置の型閉じ、型締め、及び型開きは型締装置によって行われる。
異種の樹脂(例えば2色の樹脂)を一体的に成形するため、型締め時に1次成形用のキャビティ空間と2次成形用のキャビティ空間とを形成する金型装置が知られている(例えば特許文献1参照)。可動金型には同一形状の凸型(コア型)が一対形成されており、固定金型には1次成形用の凹型(キャビティ型)と、2次成形用の凹型とが形成されている。可動金型はターンテーブルと共に回転自在となっている。型開き後にターンテーブルが180°回転すると、向かい合う凸型と凹型との組合せが変わる。ターンテーブルの停止位置はストッパで規定される。
異種の樹脂の一体成形では、先ず、1次成形用のキャビティ空間に樹脂が充填され、冷却固化させることにより、1次成形品が得られる。次いで、型開きが行われ、ターンテーブルが180°回転して、1次成形品を保持する凸型と2次成形用の凹型とが向かい合う。次いで、型閉じ、及び型締めが行われ、2次成形用のキャビティ空間に樹脂が充填され、冷却固化させることにより、1次成形品と一体化した2次成形品が得られる。1次成形品と2次成形品とが一体化した完成品は、可動金型から突出可能なエジェクタピンによって可動金型から突き出される。完成品である成形品の突き出し位置は、可動金型の回転中心線からずれている。
エジェクタピンを駆動するエジェクタ装置は、ターンテーブルを回転自在に支持する支持プラテンとしての可動プラテンの背面に取り付けられる。エジェクタ装置は、駆動源、及び該駆動源によって進退させられるエジェクタロッド等で構成される。エジェクタロッドは、エジェクタピンを駆動するときターンテーブルの貫通孔に挿入され、ターンテーブルが回転するときターンテーブルの貫通孔から抜き出される。
特開2010−110952号公報
従来のターンテーブルを備える射出成形機では、支持プラテンに対するエジェクタ装置の取り付け位置を変更できない。そのため、金型装置の交換後に、1次成形用のキャビティ空間と、2次成形用のキャビティ空間との位置が入れ替わったとき、完成品である成形品の突き出し位置を変更することが困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、成形品の突き出し位置を変更できる射出成形機の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様による射出成形機は、
複数のキャビティ空間を形成する金型が取り付けられるターンテーブルと、
該ターンテーブルを回転自在に支持する支持プラテンと、
前記金型で成形された成形品の前記金型からの突き出しに用いられるエジェクタ装置と、
前記各キャビティ空間に対応する位置の間で、前記エジェクタ装置を移動可能とするスライド機構とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、成形品の突き出し位置を変更できる射出成形機が提供される。
本発明の一実施形態による射出成形機の概略を示す図である。 一実施形態による射出成形機の要部を一部破断して示す上面図である。 一実施形態による射出成形機の要部の動作を示す上面図である。 一実施形態による射出成形機のエジェクタ装置を示す断面図である。 一実施形態による射出成形機のスライド機構を示す図である。 変形例による射出成形機の要部を一部破断して示す上面図である。 別の変形例による射出成形機の要部を一部破断して示す上面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明するが、各図面において、同一の又は対応する構成については同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。また、型閉じを行う際の可動プラテンの移動方向を前方とし、型開きを行う際の可動プラテンの移動方向を後方として説明する。各図面において、X方向は型締め方向(型開閉方向)と平行な方向、Y方向は一対の凸型を結ぶ方向と平行な方向、Z方向は一対のトグル取付部を結ぶ方向と平行な方向を表す。X方向、Y方向及びZ方向は互いに直交する方向である。
図1は、本発明の一実施形態による射出成形機の概略を示す図である。図1は、型締めの状態を示している。
図1に示す射出成形機10は、型締め方向(X方向)が水平方向の横型である。射出成形機10は、フレーム11と、フレーム11に固定された固定プラテン12と、固定プラテン12との間に所定の距離をおいてフレーム11に対して移動自在に配設されたトグルサポート15とを備える。固定プラテン12とトグルサポート15との間には、複数(例えば、四本)のタイバー16が架設されている。
射出成形機10は、固定プラテン12に対向して配設され、タイバー16に沿って進退(図におけるX方向に移動)可能に配設される可動プラテン13をさらに備える。可動プラテン13は、可動金型33が取付けられるターンテーブル40を回転自在に支持する支持プラテンである。固定金型32は、固定プラテン12におけるターンテーブル40と対向する面に取り付けられる。固定金型32と可動金型33とで金型装置30が構成される。
射出成形機10は、可動プラテン13とトグルサポート15との間に配設されるトグル機構20と、トグル機構20を作動させる型締め用モータ26と、型締め用モータ26の回転運動を直線運動に変換してトグル機構20に伝達する伝達機構としてのボールねじ機構25とを更に備える。固定プラテン12、可動プラテン13、トグルサポート15、トグル機構20、型締用モータ26等によって型締装置が構成される。
トグル機構20は、型開閉方向と平行な方向に進退自在なクロスヘッド24、クロスヘッド24に揺動自在に取り付けられた第2トグルレバー23、トグルサポート15に揺動自在に取り付けられた第1トグルレバー21、及び、可動プラテン13の背面に設けられるトグル取付部14に揺動自在に取り付けられたトグルアーム22を有する。第1トグルレバー21と第2トグルレバー23との間、及び、第1トグルレバー21とトグルアーム22との間は、それぞれ、リンク結合される。尚、トグル機構20は、いわゆる、内巻五節点ダブルトグル機構であり、上下が対称の構成を有する。上下一対のトグルアーム22に対応して上下一対のトグル取付部14が可動プラテン13の背面に設けられる。
ボールねじ機構25は、例えばクロスヘッド24に固定されるボールねじナット25aと、ボールねじナット25aに螺合されるボールねじ軸25bとで構成される。ボールネジ軸25bは、トグルサポート15に対して回転自在に支持されている。型締め用モータ26の出力軸が回転すると、ボールねじ軸25bが回転し、ボールねじナット25aが進退するので、クロスヘッド24が進退する。
型締め用モータ26を駆動して、被駆動部材としてのクロスヘッド24を進退させることによって、トグル機構20を作動させることができる。この場合、クロスヘッド24を前進(図における右方向に移動)させると、可動プラテン13が前進させられて型閉じが行われる。そして、型締め用モータ26による推進力にトグル倍率を乗じた型締力が発生させられ、その型締力によって型締めが行われる。また、クロスヘッド24を後退(図における左方向に移動)させると、可動プラテン13が後退させられて型開きが行われる。
尚、本実施形態の型締装置は、トグル機構20を使用して型締力を発生させるが、トグル機構20を使用することなく、型締用モータ26によって発生した推進力を直接型締力として可動プラテン13に伝達してもよい。また、型締用シリンダによって発生した推進力を直接型締力として可動プラテン13に伝達してもよい。また、リニアモータによって型開閉を行い、電磁石によって型締めを行ってもよく、型締装置の方式に制限はない。
図2は、一実施形態による射出成形機の要部を一部破断して示す上面図である。図2は、型締めの状態を示している。図2において、実線はエジェクタ装置が第2の位置にあるときの状態を示し、2点鎖線はエジェクタ装置が第1の位置にあるときの状態を示す。
金型装置30は、異種の樹脂(例えば2色の樹脂)を一体的に成形するため、型締め時に1次成形用のキャビティ空間C1と2次成形用のキャビティ空間C2とを形成する。可動金型33には同一形状の凸型(コア型)33a、33bが一対形成されており、固定金型32には1次成形用の凹型(キャビティ型)32a及び2次成形用の凹型32bが形成されている。可動金型33はターンテーブル40と共に回転自在となっている。型開き後にターンテーブル40が180°回転すると、向かい合う凸型33a、33bと凹型32a、32bとの組合せが変わる。
可動金型33は、ターンテーブル40に取り付けられる金型取付板34、スペーサブロック35、及び凸型33a、33bが形成される型板36で構成される。金型取付板34と型板36との間に、スペーサブロック35によって包囲された空間が形成される。該空間にはエジェクタプレート37が進退自在に収容されている。複数の凸型33a、33bに対応して、複数のエジェクタプレート37が配設される。各エジェクタプレート37には、前方に突出するエジェクタピン38が固定される。エジェクタピン38は型板36を貫通している。エジェクタピン38の先端面は、キャビティ空間C1、C2に樹脂が充填されるとき、図2に示すようにキャビティ空間C1、C2に面している。この状態から、エジェクタプレート37が前進すると、エジェクタピン38の先端部が型板36から前方に突出する。
図3は、一実施形態による射出成形機の要部の動作を示す上面図である。
異種の樹脂の一体成形では、先ず、図3(a)に示すように、1次成形用の凹型32aと、凸型33aとで形成される1次成形用のキャビティ空間C1(図2参照)に1次成形用の射出装置27から樹脂が供給され、樹脂が冷却固化することによって1次成形品M1が得られる。1次成形品M1は冷却による熱収縮で凸型33aに抱きついた状態で保持される。その後、型開きが行われ、ターンテーブル40及び可動金型33が180°回転して反転し、1次成形品M1を保持する凸型33aと2次成形用の凹型32bとが向かい合う。この状態で型閉じ、及び型締めが行われる。
次いで、図3(b)に示すように、2次成形用の凹型32bと、1次成形品M1を保持する凸型33aとで形成される2次成形用のキャビティ空間C2(図2参照)に2次成形用の射出装置28から樹脂が供給され、樹脂が冷却固化することによって1次成形品M1と一体化した2次成形品M2が得られる。1次成形品M1と2次成形品M2とが一体化した完成品(成形品)MMは、凸型33aに抱きついた状態で保持される。
このとき、図3(b)に示すように、1次成形用の凹型32aと、残りの凸型33bとで形成される1次成形用のキャビティ空間C1に1次成形用の射出装置27から樹脂が供給され、樹脂が冷却固化することによって1次成形品M1が得られる。1次成形品M1の成形と、2次成形品M2の成形とは略同時に行われる。
最後に、型開きが行われ、可動金型33から突出可能なエジェクタピン38によって可動金型33から完成品MMが突き出される。エジェクタピン38の駆動は、エジェクタ装置50によって行われる。
図4は、一実施形態による射出成形機のエジェクタ装置を示す断面図である。図4において、実線はエジェクタロッドが後退限位置にあるときの状態を示し、2点鎖線はエジェクタロッドが前進限位置にあるときの状態を示す。
エジェクタ装置50は、複数のガイドロッド71に沿って移動自在な取付板52を有する。取付板52には、駆動源としてのエジェクタ用モータ53、エジェクタ用モータ53の出力軸53aの回転運動を回転直線運動に変換するボールねじ54、及び前方に向けて突出するガイドシャフト55が取り付けられる。エジェクタ装置50は、ガイドシャフト55に沿って進退自在なベアリングボックス56をさらに有している。ベアリングボックス56は、ボールねじ54によって発生した回転直線運動を直線運動に変換してエジェクタロッド57に伝達する。エジェクタロッド57が進退(図におけるX方向に移動)すると、可動金型33内に配置されるエジェクタプレート37がエジェクタピン38を進退させる。
エジェクタ用モータ53は、筒状の出力軸53aを備える。出力軸53a内には、出力軸53aの回転をボールねじ54に伝達するスプラインユニット58が配設される。スプラインユニット58は、出力軸53aと共に回転する筒状のスプラインナット58a、スプラインナット58aとスプライン係合させられるスプライン軸部58bからなる。スプライン軸部58bは、スプラインナット58aと共に回転自在であって、スプラインナット58aの軸方向(図におけるX方向)に移動自在である。
ボールねじ54は、スプライン軸部58bと一体に形成されるボールねじ軸部54a、及びボールねじ軸部54aと螺合されるボールナット54bで構成される。ボールナット54bが取付板52に固定されている。そして、ボールねじ軸部54aの前端に、軸部59が一体に形成される。軸部59、ボールネジ軸部54a、及びスプライン軸部58bで軸ユニット60が構成される。
ガイドシャフト55は、ベアリングボックス56の回転運動を制限し、直線運動を許容する。ガイドシャフト55の前端は、エジェクタ装置50の可動プラテン13に対するスライドを許容するため、可動プラテン13から離間している。
ベアリングボックス56は、ガイドシャフト55で回り止めされたハウジング56a、ハウジング56a内において軸ユニット60の軸部59を回転自在に支持するベアリング56bを備える。ベアリングボックス56には、エジェクタロッド57の後端が取り付けられている。エジェクタロッド57の前端は可動金型33内に配置されるエジェクタプレート37と連結されている。
エジェクタ用モータ53が正方向に駆動されると、軸ユニット60が回転しながら前進し、ベアリングボックス56がガイドシャフト55に沿って前進する。それに伴って、エジェクタロッド57が前進し、可動金型33内に収容されるエジェクタプレート37が前進する。その結果、エジェクタピン38が可動金型33から前方に突出して、完成品MMを離型することができる。
尚、エジェクタロッド57の前進開始から、エジェクタプレート37の前進開始までの待ち時間を短くするため、エジェクタロッド57とエジェクタプレート37との間には図2に示すように中間ロッド39が配設されてよい。中間ロッド39は、可動金型33及びターンテーブル40と共に回転自在となっている。
また、エジェクタ用モータ53が逆方向に駆動されると、軸ユニット59が回転しながら後退し、ベアリングボックス56がガイドシャフト55に沿って後退する。それに伴い、エジェクタロッド57が後退して、可動金型33内に配置されるエジェクタプレート37が後退する。エジェクタプレート37は、図示されないリターンスプリングの付勢力によって後退する。そうして、エジェクタピン38の先端面が可動金型33のパーティング面と面一となる。
尚、本実施形態のエジェクタ用駆動源は、エジェクタ用モータ53であって、エジェクタ用モータ53の回転運動がボールねじ54によって直線運動に変換されるが、エジェクタ用モータ53の代わりに、油圧シリンダや空気圧シリンダ等の流体圧シリンダを用いてもよく、駆動源の種類は特に限定されない。
また、本実施形態のボールねじ54は、ボールナット54bが固定されており、出力軸53aの回転時にボールねじ軸部54aが回転しながら軸方向に移動する方式であるが、その方式は特に限定されない。例えば、出力軸53aの回転時に、ボールねじ軸部が回転し、ボールナットが軸方向に移動する方式でもよい。また、出力軸53aの回転時に、ボールナットが回転し、ボールねじ軸部が軸方向に移動する方式でもよい。
図5は、一実施形態による射出成形機のスライド機構を示す図である。図5において、実線はエジェクタ装置が第2の位置にあるときの状態を示し、2点鎖線はエジェクタ装置が第1の位置にあるときの状態を示す。
射出成形機10は、図5及び図2に示すように、各キャビティ空間C1、C2に対応する位置の間で、エジェクタ装置50を移動可能とするスライド機構70を備える。スライド機構70は、例えば可動金型33の回転中心線に対して対称な第1の位置と、第2の位置との間でエジェクタ装置50を移動可能とする。エジェクタ装置50は、第1の位置と第2の位置との間で移動するとき、可動金型33の回転中心線を横切る。
スライド機構70は、エジェクタ装置50を移動自在に支持する複数のガイドロッド71と、駆動源としてのスライド用モータ72と、スライド用モータ72の回転運動を直線運動に変換してエジェクタ装置50に伝達するボールねじ等を含む伝達部73とを備える。尚、スライド機構70の駆動源は、多種多様であってよく、例えば流体圧シリンダであってもよい。流体圧シリンダの場合、回転運動を直線運動に変換する運動変換部は不要である。
ガイドロッド71は、エジェクタ装置50の移動範囲を規定する一対のストッパ74、75の間に架け渡されている。一対のストッパ74、75は、可動プラテン13の背面に固定されており、ガイドロッド71を支持する役割も果たす。
スライド用モータ72は、図示されない支持部材を介して可動プラテン13に固定されている。スライド用モータ72の回転方向が反転すると、エジェクタ装置50の移動方向が反転する。
スライド用モータ72は、サーボモータであってよく、スライド用モータ72の出力軸の回転数を検出するエンコーダ部を有してよい。スライド用モータ72は、エジェクタ装置50の位置が目標位置となるように、エンコーダ部の検出結果に基づいてフィードバック制御される。
また、スライド用モータ72は、電磁ブレーキなどのブレーキ付きのモータであってよい。エジェクタ装置50の位置が目標位置に到達すると、スライド用モータ72のブレーキが作動し、出力軸の回転を制限し、エジェクタ装置50の位置を目標位置に維持する。電磁ブレーキは、非通電状態で、スライド用モータ72の出力軸の回転を制限するように構成されてよい。
本実施形態によれば、スライド機構70によってエジェクタ装置50を移動することによって、完成品MMの突き出し位置を変更することができる。そのため、金型装置30の交換後、1次成形用のキャビティ空間C1と、2次成形用のキャビティ空間C2との位置が入れ替わったとき、完成品MMの突き出し位置を変更することができる。
また、本実施形態によれば、1つのエジェクタ装置50で完成品MMの突き出し位置の変更に対応できる。完成品MMの突き出し位置変更のため、複数のエジェクタ装置50を設ける場合、1次成形用のキャビティ空間C1と、2次成形用のキャビティ空間C2との位置関係に応じていずれか一方のエジェクタ装置50を選択的に使用することになり、いずれか他方のエジェクタ装置は休むことになる。これに対し、本実施形態によれば、1つのエジェクタ装置50で完成品MMの突き出し位置の変更に対応するので、無駄がない。
このスライド機構70は、エジェクタ装置50を第1の位置と第2の位置との間の任意の位置で停止できる。これにより、金型装置30の種類に応じて完成品の突き出し位置を適宜変更可能である。また、2材成形用の金型装置だけでなく、単材成形用の金型装置にも対応可能である。また、スライド機構70は、エジェクタ装置50の突き出し位置の微調整機能も兼ねる。
エジェクタ装置50の少なくとも一部は、図4に示すように可動プラテン13に形成される収容孔81に収容される。収容孔81は、可動プラテン13を貫通している。収容孔81は、可動プラテン13の背面に形成される第1の収容部82と、第1の収容部82の内底面に形成される第2の収容部83とを有する。
図4に2点鎖線で示すようにエジェクタロッド57が前進限位置にあるとき、第1の収容部82がベアリングボックス56の一部を収容する。図4に実線で示すようにエジェクタロッド57が後退限位置にあるとき、ベアリングボックス56の一部は第1の収容部82から抜け出る。第2の収容部83は、エジェクタロッド57の一部を進退自在に収容する。
エジェクタロッド57の一部が可動プラテン13の収容孔81に収容されているので、エジェクタロッド57の前進開始から、エジェクタプレート37の前進開始までの待ち時間が短くなる。複数の突き出し位置に対応して複数の収容孔81が形成されている。
少なくともエジェクタロッド57は、エジェクタ装置50の残りから分離可能となっている。例えばエジェクタロッド57はベアリングボックス56に着脱自在に取り付けられる。エジェクタロッド57の後端部に形成されるネジ軸部57a(図4参照)が、ベアリングボックス56の前端面に形成されるネジ孔に取り外し可能に螺合されている。エジェクタロッド57がベアリングボックス56から取り外され、収容孔81から抜き取られると、エジェクタ装置50が第1の位置と第2の位置との間で移動可能となる。エジェクタ装置50の移動後、エジェクタロッド57がベアリングボックス56に取り付けられる。
図6は、変形例による射出成形機の要部を一部破断して示す上面図であって、図2に相当する図である。図6は、型締めの状態を示している。図6において、実線はエジェクタ装置が第1の位置にあるときの状態を示し、2点鎖線はエジェクタ装置が第2の位置にあるときの状態を示す。
図6に示す変形例では、エジェクタロッド57がエジェクタロッド57の軸方向に複数の部材57a、57bに分離可能となっている。前方の部材57bの後端部に形成されるネジ軸部57baが、後方の部材57aの前端面に形成されるネジ孔に取り外し可能に螺合される。エジェクタロッド57が複数の部材57a、57bに分離され、前方の部材57bが収容孔81から抜き取られると、エジェクタ装置50が第1の位置と第2の位置との間で移動可能となる。エジェクタ装置50の移動後、複数の部材57a、57bが結合され再びエジェクタロッド57となる。
図7は、別の変形例による射出成形機の要部を一部破断して示す上面図であって、図2に相当する図である。図7は、型締めの状態を示している。図7において、実線はエジェクタ装置が第1の位置にあるときの状態を示し、2点鎖線はエジェクタ装置が第2の位置にあるときの状態を示す。
図7に示す収容孔181が、図2や図6に示す収容孔81に代えて、可動プラテン13に形成されている。収容孔181は、エジェクタロッド57のスライド範囲にわたって形成されており、可動金型33の回転中心線を横切っている。エジェクタ装置50を第1の位置と第2の位置との間で移動させるとき、エジェクタロッド57を収容孔181から抜き取る作業が不要となる。
収容孔181は、可動プラテン13の背面に形成される第1の収容部182と、第1の収容部182の内底面に形成される第2の収容部183とを有する。エジェクタロッド57が前進限位置にあるとき、第1の収容部182がベアリングボックス56の一部を収容する。エジェクタロッド57が後退限位置にあるとき、ベアリングボックス56の一部は第1の収容部182から抜け出る。第2の収容部183は、エジェクタロッド57の一部を進退自在に収容する。
図7の場合、図2や図6の場合と異なり、収容孔181がターンテーブル40の回転中心線を横切って形成されている。そのため、ターンテーブル40の回転中心から後方に突出する回転軸部を設けることが困難である。
そこで、図7に示すターンテーブル140が、図2に示すターンテーブル40に代えて用いられる。ターンテーブル140は、円盤状のテーブル本体部141と、テーブル本体部141の外縁から後方に突出する筒状部142とを含む。テーブル本体部141には、可動金型33の金型取付板34が取り付けられる。
ターンテーブル140を回転自在に支持するため、可動プラテンの前面には、円環状の段差部19が形成されている。円環状の段差部19の外周面と、円筒状の筒状部142の内周面との間にはベアリングBrが介装されている。
可動プラテン13は、テーブル本体部141の回転中心から突出する回転軸部を回転自在する代わりに、テーブル本体部141の外縁から突出する筒状部142を回転自在に支持している。筒状部142は、回転軸部よりも高い曲げ剛性を有し、型締めによって変形しにくい。よって、金型重量によるテーブル本体部141の傾斜を低減することができ、可動金型33と固定金型32との平行度を保つことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、置換が可能である。
例えば、上記実施形態では、後方から見たとき、キャビティ空間C1、C2が左右に配置されているので、エジェクタ装置50が左右にスライド可能となっているが、キャビティ空間C1、C2が上下に配置され、エジェクタ装置50が上下にスライド可能となっていてもよい。また、2材成形用のキャビティ空間C1、C2が2セット形成され、4つのキャビティ空間に対応する4つの位置の間で、エジェクタ装置50がスライド可能となっていてもよい。
また、上記実施形態の射出成形機10は、型開閉方向が水平方向の横型であって、ターンテーブル40が可動プラテン13に回転自在に支持されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、射出成形機は、型開閉方向が垂直方向の竪型であって、ターンテーブルが固定プラテンに回転自在に支持されていてもよい。この場合、ターンテーブルには固定金型が取り付けられ、固定金型に凸型が形成されてよい。1次成形品が凸型に抱きついた状態で保持される。
また、上記実施形態の可動金型33には複数の凸型(コア型)33a、33bが形成されているが、複数の凸型(コア型)33a、33bが分割され、ターンテーブル40に取り付けられてもよい。
また、上記実施形態では、エジェクタ装置70によって駆動され、可動金型33から完成品MMを突き出す部材として、エジェクタピン38が用いられるが、板状のストリッパプレートが用いられてもよい。
10 射出成形機
12 固定プラテン
13 可動プラテン(支持プラテン)
14 トグル取付部
20 トグル機構
30 金型装置
32 固定金型
32a 1次成形用の凹型
32b 2次成形用の凹型
33 可動金型
33a、33b 凸型
37 エジェクタプレート
38 エジェクタピン
40 ターンテーブル
50 エジェクタ装置
57 エジェクタロッド
81 収容孔
82 第1の収容部
83 第2の収容部
140 ターンテーブル
141 テーブル本体部
142 筒状部

Claims (6)

  1. 複数のキャビティ空間を形成する金型が取り付けられるターンテーブルと、
    該ターンテーブルを回転自在に支持する支持プラテンと、
    前記金型で成形された成形品の前記金型からの突き出しに用いられるエジェクタ装置と、
    前記各キャビティ空間に対応する位置の間で、前記エジェクタ装置を移動可能とするスライド機構とを備えることを特徴とする射出成形機。
  2. 前記スライド機構は、前記金型の回転中心線に対して対称な第1の位置と、第2の位置との間で、前記エジェクタ装置を移動可能とする請求項1に記載の射出成形機。
  3. 前記支持プラテンには、前記エジェクタ装置の少なくとも一部を収容する収容孔が形成されており、
    前記エジェクタ装置は、前記収容孔に進退自在に挿入されるエジェクタロッドを有し、
    少なくとも前記エジェクタロッドが、前記エジェクタ装置の残りから分離可能となっている請求項1又は2に記載の射出成形機。
  4. 前記支持プラテンには、前記エジェクタ装置の少なくとも一部を収容する収容孔が形成されており、
    前記エジェクタ装置は、前記収容孔に進退自在に挿入されるエジェクタロッドを有し、
    該エジェクタロッドが、該エジェクタロッドの軸方向に複数の部材に分離可能となっている請求項1又は2に記載の射出成形機。
  5. 前記支持プラテンには、前記エジェクタ装置の少なくとも一部を収容する収容孔が形成されており、
    前記エジェクタ装置は、前記収容孔に進退自在に挿入されるエジェクタロッドを有し、
    前記収容孔は、前記エジェクタロッドのスライド範囲にわたって形成される請求項1又は2に記載の射出成形機。
  6. 前記ターンテーブルは、前記金型が取り付けられるテーブル本体部と、該テーブル本体部の外縁から突出する筒状部とを含み、
    前記支持プラテンは、前記ターンテーブルの前記筒状部を回転自在に支持する請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出成形機。
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