JP2013181087A - ハードコートフィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のハードコートフィルム3は、熱可塑性樹脂フィルム1の少なくとも片面にハードコート層2が設けられてなる。該ハードコート層2は、電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂の両者を含有し、且つ電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂の重量配合比率を95/5〜80/20の範囲で含有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面にハードコート層が設けられたハードコートフィルムであって、前記ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂および熱可塑性樹脂を含有し、且つ前記電離放射線硬化型樹脂と前記熱可塑性樹脂の重量配合比率が95/5〜80/20の範囲であることを特徴とするハードコートフィルムである(請求項1の発明)。
また、本発明は、前記電離放射線硬化型樹脂が、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のハードコートフィルムである(請求項3の発明)。
また、本発明によれば、上記ハードコートフィルムの製造に好適な製造方法を提供することができる。
一軸配向された熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は特に限定されるものではないが、一例として、一軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET樹脂フィルム)は次のようにして製造することができる。
十分に真空乾燥したPETペレットは押出し機を用いて280℃で溶融押出しし、十分に真空乾燥したPENペレットは押出し機を用いて300℃で溶融押出しし、Tダイ内で層状に接合し、PETが表層、PENが芯層の未延伸フィルムを作製する。なお、各層の厚さの比の調整は各押出し機の押出し量で調整することが可能である。得られたポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートフィルムをロール式縦延伸機で縦方向に2.5〜5倍に延伸し、約180℃で熱処理を施し、結晶配向が完了した一軸配向ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートフィルムを得ることができる。
[実施例1]
PETペレットを十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、約280℃で溶融されたPET樹脂を溶融押し出し機にてシート状に溶融押し出しを行い、未延伸フィルムを作製した。続いて、約100℃に加熱したロールで縦方向に4倍延伸し、一軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。その後、約180℃で熱処理を施し結晶配向が完了した厚さ50μmの一軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムを作製した。次いで、作製した一軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との重量配合比率が95/5となるように、(メタ)アクリロイルオキシ基を4個有する電離放射線硬化型樹脂 ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(商品名:ライトアクリレートPE−4A、共栄社化学(株)製)123.5重量部、ガラス転移点が102℃の熱可塑性樹脂(商品名: ARUFON UC−3910、成分:スチレンアクリル系樹脂、東亜合成(株)製)6.5重量部、光重合開始剤2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン(商品名:イルガキュア907、BASF(株)製)6.0重量部、>N−CH3タイプヒンダードアミン系光安定化剤(商品名:チヌビン292、BASF(株)製)4.0重量部、トルエン78重量部、酢酸エチル130重量部、エチルセロソルブ52重量部を攪拌混合して得られたハードコート層用塗料を、バーコータを用いて塗布し、80℃の乾燥炉で30秒間乾燥させ塗工量が2.0g/m2のハードコート層を形成した。これを、塗布面より60mmの高さにセットされたUV照射装置を用いUV照射量150mJ/cm2にて硬化させハードコートフィルムを作製した。
実施例1のハードコート層の塗工量を7.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[実施例3]
実施例1のハードコート層用樹脂の電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂の重量配合比率を92/8に変更し、また、塗工量を3.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
実施例3のハードコート層の塗工量を5.0g/m2とした以外は実施例3と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[実施例5]
実施例1のハードコート層用樹脂の電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂の重量配合比率を85/15に変更し、また、塗工量を3.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
実施例5のハードコート層の塗工量を5.0g/m2とした以外は実施例5と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[実施例7]
実施例1のハードコート層用樹脂の電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂の重量配合比率を80/20に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
実施例7のハードコート層の塗工量を7.0g/m2とした以外は、実施例7と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[実施例9]
実施例1のハードコート層に用いる電離放射線硬化型樹脂組成物として、1分子中に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:サートマーSR210、サートマー・ジャパン(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
実施例1で熱可塑性樹脂フィルムとして使用した一軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、十分に真空乾燥したPENペレットを押し出し機に供給し、300℃で溶融されたPEN樹脂を溶融押し出し機にてシート状に溶融押し出しを行い、未延伸フィルムを作製した後、約100℃に加熱したロールで縦方向に3.5倍延伸し、一軸配向ポリエチレンナフタレートフィルムを得た。その後、約180℃で熱処理を施し結晶配向が完了した厚み50μmの一軸配向ポリエチレンナフタレートフィルムを基材フィルムとして用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
実施例10のハードコート層の塗工量を7.0g/m2とした以外は、実施例10と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[実施例12]
実施例10のハードコート層用樹脂の電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂の重量配合比率を80/20に変更した以外は、実施例10と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
実施例12のハードコート層の塗工量を7.0g/m2とした以外は、実施例12と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[実施例14]
実施例1で熱可塑性樹脂フィルムとして使用した一軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、十分に真空乾燥したPETペレットは押出し機を用いて280℃で溶融押出し、また、十分に真空乾燥したPENペレットは押出し機を用いて300℃で溶融押出し、Tダイ内で層状に接合し、未延伸フィルムを作製した。このとき、PETが表層、PENが芯層であり、各層の厚さの比が50(PET):50(PEN)となるように各押出し機にて押出し量を調整した。この未延伸フィルムを、ロール式縦延伸機を用いて縦方向に3.5倍に延伸し、一軸配向ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートフィルムを作製した。続いて、同一条件にて、溶融押し出しと延伸処理を2回繰返し、その後、約180℃で熱処理を施し結晶配向が完了した厚み50μmの一軸配向ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートフィルムを基材フィルムとして用いたこと以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
実施例1のハードコート層用樹脂の電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂の重量配合比率を98/2に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[比較例2]
実施例1のハードコート層用樹脂の電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂との重量配合比率を75/25に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
実施例5のハードコート層用樹脂の電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂の重量配合比率を98/2に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[比較例4]
実施例5のハードコート層用樹脂の電離放射線硬化型樹脂と熱可塑性樹脂の重量配合比率を75/25に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
実施例1のハードコート層用樹脂を電離放射線硬化型樹脂のみで構成した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
[比較例6]
実施例1のハードコート層用樹脂を熱可塑性樹脂のみで構成した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
(1)塗工量
メトラー・トレード(株)製メトラーML−230型の電子天秤を用い、ハードコートフィルムと基材の熱可塑性樹脂フィルムを試料として用い、下記の計算式によりハードコート層の塗工量を算出した。
なお、サンプルは、縦50cm、横20cmのサンプルを2枚使用した(試料は1m2とした)。
計算式 塗工量=ハードコートフィルム重量−熱可塑性樹脂フィルム重量
恒温恒湿条件下(温度23℃、湿度53%RH)で、作製したハードコートフィルムのハードコート層上に、碁盤目剥離試験治具を用い1mm2のクロスカットを100個作製し、積水化学工業(株)製粘着テープNo.252をその上に貼り付け、ヘラを用いて均一に押し付けた後、90度方向に剥離し、ハードコート層の残存個数を4段階評価した。評価基準は、下記の通りである。なお、◎と○評価品を、密着性は良好とした。
◎:100個、○:99〜95個、△:94〜50個、×:49〜0個
作製したハードコートフィルムを湿熱保存下(温度80℃、湿度90%RH)で3日間保存した後、取り出し、恒温恒湿条件下(温度23℃、湿度53%RH)で30分間放置後、上記(2)と同様な評価を行った。
作製したハードコートフィルムのハードコート層面を、スチールウール#0000を用い、荷重500gをかけ10往復する摩擦試験にて、傷の付き具合を次の基準で評価した。なお、◎と○評価品を、耐擦傷性は良好とした。
◎:傷の発生なし。○:5本以下の傷が発生する。△:傷が6〜10本発生する。×:傷が10本超発生する。
作製したハードコートフィルムを縦20cm、横25cmに裁断し、ハードコート面を上にして恒温恒湿条件下(温度23℃、湿度53%RH)で30分間保管した後、取り出し、試料の4角のカール高さを測定し、その平均値により4段階評価した。評価基準は、下記の通りである。なお、◎と○評価品を、カールは良好とした。
◎:0〜5mm、○: 6〜10mm、△:11〜25mm、×:25mm超或いは筒状カール
2 ハードコート層
3 ハードコートフィルム
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面にハードコート層が設けられたハードコートフィルムであって、前記ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂および熱可塑性樹脂を含有し、且つ前記電離放射線硬化型樹脂と前記熱可塑性樹脂の重量配合比率が95/5〜80/20の範囲であることを特徴とするハードコートフィルム。
- 前記熱可塑性樹脂は、スチレンアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
- 前記電離放射線硬化型樹脂は、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
- 前記熱可塑性樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、電離放射線硬化型樹脂および熱可塑性樹脂を含有し、且つ前記電離放射線硬化型樹脂と前記熱可塑性樹脂の重量配合比率が95/5〜80/20の範囲で含有する塗料を塗布してハードコート層を形成し、50℃以上の雰囲気で乾燥後、電離放射線照射を行うことを特徴とするハードコートフィルムの製造方法。
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