JP5818234B2 - ハードコートフィルム - Google Patents
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Description
この問題に対して、特許文献1、特許文献2には、特定の有機化合物や無機化合物を用いる化学処理等による表面の活性化法や、基材フィルム表面にポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スルホン酸塩基含有ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の各樹脂をプライマー層として設ける方法が開示されている。また、特許文献3には、延伸処理を施す前のポリエステルフィルムにハードコート層を塗布し、乾燥した後、延伸、熱処理を施す方法(インラインコート法)が提案されている。
(構成1の発明)
二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に設けられた易接着層を介してハードコート層が設けられたハードコートフィルムであって、前記易接着層が、ガラス転移点50〜105℃であり、且つ重量平均分子量が30〜55万のアクリル変性物からなることを特徴とするハードコートフィルムである。
前記易接着層を構成するアクリル変性物は、メチルメタクリレートを骨格とするアクリル変性物であることを特徴とする構成1に記載のハードコートフィルムである。
前記アクリル変性物は、ポリオレフィン樹脂、不飽和二重結合を有する炭化水素あるいは飽和二重結合を有する炭化水素、ウレタン樹脂、又はポリエステル樹脂で変性されたアクリル樹脂であることを特徴とする構成1又は2に記載のハードコートフィルムである。
前記ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂組成物を含有することを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載のハードコートフィルムである。
前記電離放射線硬化型樹脂組成物が、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアクリル系樹脂組成物であることを特徴とする構成4に記載のハードコートフィルムである。
本発明においてアクリル変性物とは、アクリル樹脂を、不飽和二重結合を有する炭化水素あるいは飽和二重結合を有する炭化水素を有する樹脂、オレフィンあるいはポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ゴム、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ基あるいはエポキシ基を有する樹脂、イミド基あるいはイミド基を有する樹脂、フッ素あるいはフッ素を有する樹脂、カルボキシ基あるいはカルボキシル基を有する樹脂などを用いて変性したアクリル樹脂であり、アクリル樹脂とポリエステル樹脂とのグラフトポリマー、アクリル樹脂とウレタン樹脂とのグラフトポリマー、アクリル樹脂とポリオレフィン樹脂との共重合体、アクリル樹脂とポリオレフィン樹脂とのブロック共重合体等のアクリル樹脂と他の樹脂との共重合体、ブロック共重合体も該当する。
(実施例1)
厚さ25μmの二軸配向ポリエステルフィルム(商品名T−60、東レ(株)製)の片面に、アクリル変性物(アクリル樹脂とブタジエンとのブロック共重合体、ガラス転移点:105℃、重量平均分子量:45万)100重量部、トルエン50重量部、酢酸エチル30重量部、エチルセロソルブ20重量部を攪拌混合して得られた易接着層用塗料を、バーコータを用いて塗布し、80℃の乾燥炉で1分間乾燥させ、塗工量0.80g/m2の易接着層を形成させた。
実施例1の易接着層の塗工量を0.3g/m2とした以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。結果を表1に示す。
実施例1の易接着層の塗工量を1.5g/m2とした以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。結果を表1に示す。
実施例1において、易接着層の塗工量を1.6g/m2とした以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。結果を表1に示す。
実施例1のハードコート層に用いる電離放射線硬化型樹脂組成物として、1分子中に2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するポリエチレングリコールジメタクリレート(商品名:サートマーSR210、サートマー・ジャパン(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。結果を表1に示す。
実施例1で用いた易接着層用樹脂を、ガラス転移点が50℃であり、重量平均分子量が55万のアクリルと不飽和化合物(ブタジエン)とのブロック共重合体に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。結果を表1に示す。
実施例1で用いた易接着層用樹脂を、ガラス転移点が50℃であり、重量平均分子量が30万のアクリルと不飽和化合物(ブタジエン)とのブロック共重合体に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。結果を表1に示す。
実施例1で用いた易接着層用樹脂を、ガラス転移点が105℃であり、重量平均分子量が55万のアクリルと不飽和化合物(ブタジエン)とのブロック共重合体に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。結果を表1に示す。
実施例1で用いた易接着層用樹脂を、ガラス転移点が105℃であり、重量平均分子量が30万のアクリルと不飽和化合物(ブタジエン)とのブロック共重合体に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。結果を表1に示す。
実施例1において、易接着層を設けずハードコート層を形成したハードコートフィルムを得た。結果を表1に示す。
実施例1の易接着層に用いる樹脂を、ガラス転移点が105℃であり、重量平均分子量が43万の無変性のメチルメタクリレート樹脂(商品名:ダイヤナールBR88、三菱レーヨン(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。結果を表1に示す。
実施例1の易接着層に用いる樹脂を、ガラス転移点が67℃であり、重量平均分子量が1.7万の共重合ポリエステル樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。結果を表1に示す。
実施例1で用いた易接着層用樹脂を、ガラス転移点が105℃であり、重量平均分子量が25万のアクリルと不飽和化合物(ブタジエン)とのブロック共重合体に変更した以外は、実施例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。結果を表1に示す。
メトラー・トレード(株)製メトラーML-230型の電子天秤を用い、易接着層処理フィルムと未処理フィルムを試料として用い、下記の計算式により塗工量を算出した。なお、サンプルは、縦50cm、横20cmのサンプルを2枚使用した(試料は1m2とした)。
計算式 塗工量=易接着層処理済フィルム重量−未処理フィルム重量
(1)密着性−1
恒温恒湿条件下(温度23℃、湿度53%RH)で、作製したハードコートフィルムのハードコート層上に、碁盤目剥離試験治具を用い1mm2のクロスカットを100個作製し、積水化学工業(株)製粘着テープNO.252を、その上に貼り付け、ヘラを用いて均一に押し付けた後、90度方向に剥離し、ハードコート層の残存個数を4段階評価した。評価基準は、下記の通りである。また、◎と○評価品を、密着性は良好とした。
◎:100個 ○:99〜95個 △:50〜94個 ×:0〜49個
作製したハードコートフィルムを湿熱保存下(温度80℃、湿度90%RH)で3日間保存した後、取り出し、恒温恒湿条件下(温度23℃、湿度53%RH)で30分間放置後、上記(1)と同様な密着性評価を行った。
作製したハードコートフィルムのハードコート層面を、スチールウール#00000を用い、荷重1kgをかけ10往復摩擦し、傷のつき具合を次の基準で評価した。○評価品を、耐擦傷性は一応良好としたが、△評価品も製品として使用可能である。
○:傷の発生なし。△:傷が少し発生する。×:傷が無数に発生する。
実施例に係るポリエステルフィルムの片面に易接着層を設けた処理フィルムより、縦横の一辺が10cmに裁断した試料を2枚重ねにして、アルミニウム板に挟み荷重10kgを掛け、温度50℃の乾燥器中で48時間保存後、試料を取出し冷却した後、フィルムのブロッキング程度を3段階評価した。評価基準は、下記の通りである。○評価品をブロッキング適性は良好とした。
○:ブロッキングなし。△:中央部にややブロッキング跡あり。×:全面にブロッキング発生。
2 易接着層
3 ハードコート層
10 ハードコートフィルム
Claims (5)
- 二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面に設けられた易接着層を介してハードコート層が設けられたハードコートフィルムであって、前記易接着層が、ガラス転移点50〜105℃であり、且つ重量平均分子量が30〜55万のアクリル変性物からなり、前記アクリル変性物は、不飽和二重結合を有する炭化水素で変性されたアクリル樹脂であることを特徴とするハードコートフィルム。
- 前記易接着層を構成するアクリル変性物は、メチルメタクリレートを骨格とするアクリル変性物であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
- 前記アクリル変性物は、ブタジエンモノマーで変性されたアクリル変性物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
- 前記ハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂組成物を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
- 前記電離放射線硬化型樹脂組成物が、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアクリル系樹脂組成物であることを特徴とする請求項4に記載のハードコートフィルム。
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