JP4761343B2 - ハードコートフィルム及びその製造方法 - Google Patents
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すなわち、第1の発明は、支持体上に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を設けたハードコートフィルムであって、該支持体がトリアセチルセルロースフィルムであり、かつハードコート層を該支持体の日本工業規格(JIS)K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以上である側の面に設けることを特徴とするハードコートフィルムである。
第2の発明は、第1の発明において、支持体として、厚さ30〜90μmのトリアセチルセルロースフィルムを使用することを特徴とするハードコートフィルムである。
第3の発明は、第1の発明において、支持体として、厚さ30〜60μmのトリアセチルセルロースフィルムを使用することを特徴とするハードコートフィルムである。
第4の発明は、支持体上に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を設けるハードコートフィルムの製造方法において、該支持体がトリアセチルセルロースフィルムであり、かつハードコート層を該支持体の日本工業規格(JIS)K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以上である側の面に設けることを特徴とするハードコートフィルムの製造方法である。
トリアセチルセルロースフィルムは、トリアセチルセルロース、可塑剤、UV吸収剤、滑剤を溶剤にて溶解・分散させ、透明粘調なドープを調製後、回転する金属板上に薄くキャスティングして製膜される。その後、熱風にて乾燥され、金属板から剥離された後、透明なトリアセチルセルロースフィルムが得られる。この乾燥工程で、空気に接する面から溶剤が揮発して行く過程において、極性が高い可塑剤は、溶剤がより高く残存している金属板側に偏在する傾向が確認された。
本発明者らは、トリアセチルセルロースフィルムの表面エネルギーが35mN/m以上である側の面にハードコート層を設けることにより、フィルムカールの抑制とフィルムカールの湿度依存性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。特に、フィルムの厚さが30〜60μmの薄物のトリアセチルセルロースフィルムにおいては、好ましくは表面エネルギーが37mN/m以上、さらに好ましくは40mN/m以上である側の面にハードコート層を設けるとフィルムカールを抑制することが可能である。なお、両方の面の表面エネルギーが35mN/m以上である場合には、どちらの面にハードコート層を設けてもよい。通常のトリアセチルセルロースフィルムにおいては、表面エネルギーの上限値は50mN/mである。さらに、表裏の表面エネルギーの差が2mN/m以内であるトリアセチルセルロースフィルムを使用すると、フィルムカールを顕著に抑制することが出来る。
トリアセチルセルロースフィルムは前述したように回転する金属板上にキャスティングして成膜することにより製造されるが、金属板として金属バンド、またはドラムを用いるのが一般的である。トリアセチルセルロースフィルムの表面エネルギーを向上させるには、フィルムの厚さ方向の可塑剤の分布を均一化することが有効であるが、ドラム法で製造されたものが可塑剤がより均一に存在するので、本発明ではドラム法で製造されたトリアセチルセルロースフィルムを使用することが望ましい。
1)表面エネルギー
支持体の表面エネルギーは、JIS K 6768に従って測定した。表4に実施例及び比較例で支持体として使用したフィルムの表面エネルギーを示した。
2)塗工層の透明性
ヘイズメーター(村上色彩研究所社製)を使用し、JIS K-7105に準拠してハードコートフィルムのヘイズ度を測定した。
3)密着性
JIS K 5400に準じ、基板目テストにより評価した(隙間間隔 1mm)。塗工層が基材フィルムからまったく剥がれないものを○、塗工層全体の90%未満が剥がれるものを△、塗工層全体の90%以上が剥がれるものを×とした。
4)鉛筆硬度
HEIDON14を使用し、JISK 5400に準拠して実施した。
5)フィルムカール
ハードコートフィルムをA4サイズ(29.7×21.0cm)にチップカットし、一般環境下(23℃、50%RH)、及び多湿環境下(30℃、90%RH)にて24時間調湿後、フィルムカール高さの測定を実施した。4角の高さの平均値を算出した。平均高さが0mm〜15mm:非常に良好、15mm〜30mm:良好、30mm〜50mm:不良、50mmを超える筒状:著しく不良、とした。
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプA)を支持体とし、これの表面エネルギーが37mN/mである側の面に、下記表1の塗料組成物Aをバーコーターにて塗工し、80℃のドライヤーで希釈溶剤を蒸発させた後、UV光を照射し、ハードコートフィルムを得た。このときのハードコート層の厚みは5μmであった。得られたハードコートフィルムについて塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプA)を支持体とし、これの表面エネルギーが39mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプB)を支持体とし、これの表面エネルギーが41mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
[実施例4]
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプB)を支持体とし、これの表面エネルギーが40mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカ(株)製 タイプC)を支持体とし、これの表面エネルギーが37mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプD)を支持体とし、これの表面エネルギーが40mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
表2に記載の塗料組成物Bを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカ(株)製 タイプC)を支持体とし、これの表面エネルギーが34mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名:A4300、東洋紡績(株)製)を支持体とし、これの表面エネルギーが48mN/mである側の面に、塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカ(株)製 タイプC)を支持体とし、これの表面エネルギーが34mN/mである側の面に、硬化収縮の小さい樹脂を用いた下記表3の塗料組成物Cを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
Claims (4)
- 支持体上に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を設けたハードコートフィルムであって、該支持体が、トリアセチルセルロース及び可塑剤を含むドープを金属板上にキャスティングして成膜することにより製造されたトリアセチルセルロースフィルムであり、かつハードコート層を、前記紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂、及び芳香族類を主成分とする溶媒を含有する塗料組成物を該支持体の日本工業規格(JIS)K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以上50mN/m未満である側の面に塗工することにより設けることを特徴とするハードコートフィルム。
- 支持体として、厚さ30〜90μmのトリアセチルセルロースフィルムを使用することを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
- 支持体として、厚さ30〜60μmのトリアセチルセルロースフィルムを使用することを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
- 支持体上に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を設けるハードコートフィルムの製造方法において、該支持体が、トリアセチルセルロース及び可塑剤を含むドープを金属板上にキャスティングして成膜することにより製造されたトリアセチルセルロースフィルムであり、かつハードコート層を、前記紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂、及び芳香族類を主成分とする溶媒を含有する塗料組成物を該支持体の日本工業規格(JIS)K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以上50mN/m未満である側の面に塗工することにより設けることを特徴とするハードコートフィルムの製造方法。
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