JP4761343B2 - ハードコートフィルム及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、トリアセチルセルロースフィルムの片面にハードコート層を形成させる際に、ハードコート層の硬化収縮に起因したフィルムカールが小さく、かつ湿度依存性が抑制されたハードコートフィルムに関し、詳細には、テレビ受像器やパソコンの画面表示のような電子情報表示体表面の保護に適し、ハンドリング性に優れたハードコートフィルムに関する。
液晶ディスプレイ、CRT、プラズマディスプレイ、屋外表示パネル、電光掲示板などの各種表示体またはガラスは、その表面を保護するために熱可塑性樹脂フィルムを支持体とし、その上にハードコート層を設けたハードコートフィルムが使用されている。特に液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルは、光透過性の高さ、欠点の少なさ、偏光性がないこと等から、支持体の熱可塑性樹脂フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルムが使用されている。
一般にハードコート処理の方法として、熱可塑性樹脂フィルム表面に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂をコーティングし、ハードコート層が形成される。紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂は、モノマー、オリゴマー、光開始剤で構成され、3次元架橋にて樹脂硬化が起こりハード性が発現する。この樹脂硬化に伴う硬化収縮によりフィルムカールが発生する。熱可塑性樹脂フィルムの中でトリアセチルセルロースフィルムは、上記特性から汎用的に用いられているが、フィルムの剛度が低く、フィルムカールが顕著に発生するため、ハンドリング性が悪く、生産性の低下を引き起こす。今後、ディスプレイの薄型、軽量化へのニーズが高まる中、支持体として使用されるフィルムが益々薄く剛性が低くなっており、フィルムカールの改善は大きな課題となっている。
また、トリアセチルセルロースフィルムにハードコート処理したフィルムは、偏光板の構成部材として使用されるため、偏光膜との接着性を得るためにアルカリによるケン化処理が施される。このとき、ケン化処理、洗浄、乾燥といった工程は、多湿環境で行われる為、フィルムカールの湿度依存性があると、ハンドリング性の低下を引き起こす。
これらフィルムカールを改善する為、下記の技術が知られている。例えば、分子中に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する放射線硬化型多官能(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとを反応させた多官能ウレタンアクリレートを含有することを特徴とする放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜層を有するフィルム(特許文献1)、あるいは、架橋性ポリマーと同一分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を含む化合物の両方を含有し、架橋性ポリマー中の開環重合性基とエチレン性不飽和基の両方を重合させることにより硬化する硬化組成物、及びこれを用いたハードコート処理物についての技術が開示されている(特許文献2)。
特開2001−113648号公報 特開2003−147017号公報
しかし、上記公知の技術には、それぞれ下記の問題点があることがわかった。特許文献1に記載の技術は、基材が厚くかつ剛性が高いポリエステルフィルム(厚さ188μm)に対しては効果が確認されるが、基材の剛性が低いトリアセチルセルロースフィルムでは、フィルムカールを小さく抑制することができない。また、特許文献2に記載の技術は、トリアセチルセルロースフィルムにハードコート処理をした場合、フィルムが湿度依存性を持っているためフィルムカールの抑制が充分でなく、良好なハンドリング性を得ることはできない。
従って、本発明は、トリアセチルセルロースフィルムを支持体とし、ハードコート層を形成した場合のフィルムカールの抑制とフィルムカールの湿度依存性を改善し、かつ透明性や表面硬度に優れたハードコートフィルムを提供することを課題とした。
本発明者らは、上記の課題を解決する為に、鋭意検討の結果、紫外線または放射線硬化型樹脂の硬化収縮を小さくすることでは不十分で、トリアセチルセルロースフィルムの構造、特に可塑剤の分布に着目し、表面エネルギーによって可塑剤の分布を推定することを検討した。その結果、ハードコート層を支持体であるトリアセチルセルロースフィルムの日本工業規格(JIS)K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以上である側の面に設けることにより課題が解決されることを見出した。
すなわち、第1の発明は、支持体上に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を設けたハードコートフィルムであって、該支持体がトリアセチルセルロースフィルムであり、かつハードコート層を該支持体の日本工業規格(JIS)K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以上である側の面に設けることを特徴とするハードコートフィルムである。
第2の発明は、第1の発明において、支持体として、厚さ30〜90μmのトリアセチルセルロースフィルムを使用することを特徴とするハードコートフィルムである。
第3の発明は、第1の発明において、支持体として、厚さ30〜60μmのトリアセチルセルロースフィルムを使用することを特徴とするハードコートフィルムである。
第4の発明は、支持体上に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を設けるハードコートフィルムの製造方法において、該支持体がトリアセチルセルロースフィルムであり、かつハードコート層を該支持体の日本工業規格(JIS)K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以上である側の面に設けることを特徴とするハードコートフィルムの製造方法である。
本発明によれば、トリアセチルセルロースフィルムを支持体とし、ハードコート層を形成した場合のフィルムカールの抑制とフィルムカールの湿度依存性を改善し、かつ透明性や表面硬度に優れたハードコートフィルムを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
トリアセチルセルロースフィルムは、トリアセチルセルロース、可塑剤、UV吸収剤、滑剤を溶剤にて溶解・分散させ、透明粘調なドープを調製後、回転する金属板上に薄くキャスティングして製膜される。その後、熱風にて乾燥され、金属板から剥離された後、透明なトリアセチルセルロースフィルムが得られる。この乾燥工程で、空気に接する面から溶剤が揮発して行く過程において、極性が高い可塑剤は、溶剤がより高く残存している金属板側に偏在する傾向が確認された。
また、トリアセチルセルロースフィルムは、キャスティング後の乾燥工程において、溶剤が揮発しながら体積が収縮しようとするが、金属板に接したフィルム面は、金属板に支持されているため収縮できず、収縮ストレスを保持した状態で製膜、乾燥される。収縮ストレスを保持したトリアセチルセルロースフィルムに対し、フィルムが膨潤するような処理や環境にて使用した場合、フィルム自身が持っている収縮ストレスが開放され、金属板に接した側の面、すなわち、可塑剤が多く分布している面を内側にしてカールが発生する。このようなフィルムを支持体として、溶剤等を含有する塗料を用いてハードコート層を形成すると、金属板に接した側を内側にしてカールが発生する。また、多湿環境下にハードコートフィルムを曝した場合、フィルム自身が保持していた収縮ストレスが開放され、同様に金属板に接した側の面を内側にしてカールが発生する。
トリアセチルセルロースフィルムの製造時に使用される可塑剤は、トリフェニルフォスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート、ジメチルエチルフォスフェート、エチルフタリルエチルグリコレート等が挙げられるが、これらはトリアセチルセルロースに比べると極性が高い。一方、可塑剤の分布とトリアセチルセルロースフィルムの表面エネルギーには相関があり、極性の高い可塑剤量が多いほど表面エネルギーは低くなる。言い換えると表面エネルギーの低い側の面に可塑剤はより偏在しており、トリアセチルセルロースフィルム製造時に金属板と接している面(バンド面)は、可塑剤量が多く偏在し、表面エネルギーが低い。可塑剤の偏在の大きさは、フィルムの乾燥工程、ドープ作製時に使用した溶剤種、可塑剤の種類によっても変わる。可塑剤分布がある基準より多い面、すなわち、JIS K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以下である側の面は、通常金属板と接している面であり、可塑剤が極端に偏在している。従来、バンド面側にハードコート層を設ける方がハードコート層とトリアセチルセルロースフィルムとの密着性が良好であるので、バンド面すなわち表面エネルギーがより低い側の面にハードコート層を設けるのが普通であった。
本発明者らは、トリアセチルセルロースフィルムの表面エネルギーが35mN/m以上である側の面にハードコート層を設けることにより、フィルムカールの抑制とフィルムカールの湿度依存性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。特に、フィルムの厚さが30〜60μmの薄物のトリアセチルセルロースフィルムにおいては、好ましくは表面エネルギーが37mN/m以上、さらに好ましくは40mN/m以上である側の面にハードコート層を設けるとフィルムカールを抑制することが可能である。なお、両方の面の表面エネルギーが35mN/m以上である場合には、どちらの面にハードコート層を設けてもよい。通常のトリアセチルセルロースフィルムにおいては、表面エネルギーの上限値は50mN/mである。さらに、表裏の表面エネルギーの差が2mN/m以内であるトリアセチルセルロースフィルムを使用すると、フィルムカールを顕著に抑制することが出来る。
トリアセチルセルロースフィルムは前述したように回転する金属板上にキャスティングして成膜することにより製造されるが、金属板として金属バンド、またはドラムを用いるのが一般的である。トリアセチルセルロースフィルムの表面エネルギーを向上させるには、フィルムの厚さ方向の可塑剤の分布を均一化することが有効であるが、ドラム法で製造されたものが可塑剤がより均一に存在するので、本発明ではドラム法で製造されたトリアセチルセルロースフィルムを使用することが望ましい。
本発明のハードコートフィルムの支持体として使用するトリアセチルセルロースフィルムは、フィルムの厚さによりフィルムカールの大きさが変化するが、フィルムの厚さが30〜90μmの場合に本発明を適用すると、カール抑制の効果が認められ、フィルムの厚さが30〜60μmの薄物のフィルムに対するカール抑制の効果が特に著しい。
本発明のハードコートフィルムは、上述したように、トリアセチルセルロースフィルムを支持体とし、該支持体上に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を設けたハードコートフィルムである。紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂は、必要に応じて溶媒と混合(溶解または分散)して使用される。使用する溶媒としては、例えば、トルエン等芳香族類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類等、公知の有機溶剤を混合することで使用できる。トリアセチルセルロースフィルムは耐溶剤性が低く、白化を防ぐためトルエンを主成分とした溶媒を用いることが好ましい。さらに、性能改良のため、本発明の効果に影響を与えない範囲で、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤等を含有することができる。また、塗工層に防眩性を付与するため、本発明の効果に影響を与えない範囲で、シリカ粒子やアクリル樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂ビーズ等、有機または無機の微粒子を添加することもできる。
本発明で使用する紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂は、電子線または紫外線等を照射することによって硬化する透明な樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂及びエポキシアクリレート系樹脂等の中から適宜選択することができる。
好ましいものとしては分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレートからなるものがあげられる。分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化可能な多官能アクリレ−トの具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得ることができるポリエステル(メタ)アクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記の紫外線硬化可能な多官能アクリレートは単独で用いても、2種以上混合して用いてもよく、その含有量はハードコート層用塗料の樹脂固形分に対して、好ましくは50〜95重量%である。なお、上記の多官能(メタ)アクリレートの他にハードコート層用塗料の樹脂固形分に対して好ましくは10重量%以下の2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の単官能アクリレートを添加することもできる。
また、ハードコート層には硬度を調整する目的で使用される重合性オリゴマーを添加することができる。このようなオリゴマーとしては、末端(メタ)アクリレートポリメチル(メタ)アクリレート、末端スチリルポリ(メタ)アクリレート、末端(メタ)アクリレートポリスチレン、末端(メタ)アクリレートポリエチレングリコール、末端(メタ)アクリレート−アクリロニトリル−スチレン共重合体、末端(メタ)アクリレート−スチレン−メチルメタクリレート共重合体などのマクロモノマーを挙げることができ、その含有量はハードコート用塗料中の樹脂固形分に対して、好ましくは5〜50重量%である。
本発明のハードコート層は塗料組成物を公知の塗工装置を用いて透明な支持体上に塗工した後、電離放射線を照射して硬化することにより形成される。公知の塗工装置としては、マイクログラビアコーター、グラビアコーター、マイヤーバーコーター、ダイコーター等の塗工装置を使用できる。塗工時の塗料組成物の粘度、濃度は使用する塗工装置により、適切な値に調整できる。硬化後のハードコート層の膜厚は、通常1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。膜厚が1μm未満であるとハード性が低下し、20μmより厚いとカールが大きくなる。
以下に、実施例に本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例中の「部」及び「%」は特に明示しない限り、それそれ「重量部」及び「重量%」を表わす。
実施例及び比較例で調製したハードコートフィルムについて、下記の項目について評価を行なった。
1)表面エネルギー
支持体の表面エネルギーは、JIS K 6768に従って測定した。表4に実施例及び比較例で支持体として使用したフィルムの表面エネルギーを示した。
2)塗工層の透明性
ヘイズメーター(村上色彩研究所社製)を使用し、JIS K-7105に準拠してハードコートフィルムのヘイズ度を測定した。
3)密着性
JIS K 5400に準じ、基板目テストにより評価した(隙間間隔 1mm)。塗工層が基材フィルムからまったく剥がれないものを○、塗工層全体の90%未満が剥がれるものを△、塗工層全体の90%以上が剥がれるものを×とした。
4)鉛筆硬度
HEIDON14を使用し、JISK 5400に準拠して実施した。
5)フィルムカール
ハードコートフィルムをA4サイズ(29.7×21.0cm)にチップカットし、一般環境下(23℃、50%RH)、及び多湿環境下(30℃、90%RH)にて24時間調湿後、フィルムカール高さの測定を実施した。4角の高さの平均値を算出した。平均高さが0mm〜15mm:非常に良好、15mm〜30mm:良好、30mm〜50mm:不良、50mmを超える筒状:著しく不良、とした。
[実施例1]
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプA)を支持体とし、これの表面エネルギーが37mN/mである側の面に、下記表1の塗料組成物Aをバーコーターにて塗工し、80℃のドライヤーで希釈溶剤を蒸発させた後、UV光を照射し、ハードコートフィルムを得た。このときのハードコート層の厚みは5μmであった。得られたハードコートフィルムについて塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
Figure 0004761343
[実施例2]
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプA)を支持体とし、これの表面エネルギーが39mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
[実施例3]
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプB)を支持体とし、これの表面エネルギーが41mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
[実施例4]
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプB)を支持体とし、これの表面エネルギーが40mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
[実施例5]
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカ(株)製 タイプC)を支持体とし、これの表面エネルギーが37mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
[実施例6]
厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム(株)製 タイプD)を支持体とし、これの表面エネルギーが40mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
[実施例7]
表2に記載の塗料組成物Bを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
Figure 0004761343
[比較例1]
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカ(株)製 タイプC)を支持体とし、これの表面エネルギーが34mN/mである側の面に塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
[比較例2]
厚さ38μmのポリエステルフィルム(商品名:A4300、東洋紡績(株)製)を支持体とし、これの表面エネルギーが48mN/mである側の面に、塗料組成物Aを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
[比較例3]
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカ(株)製 タイプC)を支持体とし、これの表面エネルギーが34mN/mである側の面に、硬化収縮の小さい樹脂を用いた下記表3の塗料組成物Cを塗工した以外は、実施例1と同様にハードコートフィルムを作製し、塗工層の透明性、密着性、鉛筆硬度、フィルムカールについて評価し、評価結果を表5に示した。
Figure 0004761343
Figure 0004761343
Figure 0004761343
表5に示されるように、ハードコート層を支持体であるトリアセチルセルロースフィルムの表面エネルギーが35mN/m以上である側の面に設けた実施例1〜7のハードコートフィルムはフィルムカールが顕著に抑制されており、密着性、表面硬度にも問題はなかった。実施例7は、顔料としてシリカを配合し、ハードコートフィルムに防眩性を付与しているが、実施例1〜6と同様に密着度、表面硬度にも問題なかった。これに対して、ハードコート層を表面エネルギーが35mN/m未満である側の面に設けた比較例1のハードコートフィルムは、フィルムカールの抑制が充分でなかった。また、ハードコート層を表面エネルギーが34mN/mである側の面に設けかつ硬化収縮の小さい樹脂を用いた比較例3は、表面硬度の低下が確認されると共に、一般環境下でのフィルムカール抑制効果は確認されたが、多湿環境下でのフィルムカールの抑制効果が得られなかった。また、支持体としてポリエステルフィルムを使用した比較例2のハードコートフィルムは、トリアセチルセルロースフィルムに見られるようなフィルムカールの湿度依存性が無く、密着性、表面硬度についても問題は無かった。

Claims (4)

  1. 支持体上に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を設けたハードコートフィルムであって、該支持体が、トリアセチルセルロース及び可塑剤を含むドープを金属板上にキャスティングして成膜することにより製造されたトリアセチルセルロースフィルムであり、かつハードコート層を、前記紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂、及び芳香族類を主成分とする溶媒を含有する塗料組成物を該支持体の日本工業規格(JIS)K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以上50mN/m未満である側の面に塗工することにより設けることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 支持体として、厚さ30〜90μmのトリアセチルセルロースフィルムを使用することを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
  3. 支持体として、厚さ30〜60μmのトリアセチルセルロースフィルムを使用することを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
  4. 支持体上に紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂を含有するハードコート層を設けるハードコートフィルムの製造方法において、該支持体が、トリアセチルセルロース及び可塑剤を含むドープを金属板上にキャスティングして成膜することにより製造されたトリアセチルセルロースフィルムであり、かつハードコート層を、前記紫外線硬化型樹脂または放射線硬化型樹脂、及び芳香族類を主成分とする溶媒を含有する塗料組成物を該支持体の日本工業規格(JIS)K 6768に従って測定した表面エネルギーが35mN/m以上50mN/m未満である側の面に塗工することにより設けることを特徴とするハードコートフィルムの製造方法。
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