JP2003025504A - セルロースエステルフィルム、防眩フィルム、それらの製造方法及び偏光板 - Google Patents

セルロースエステルフィルム、防眩フィルム、それらの製造方法及び偏光板

Info

Publication number
JP2003025504A
JP2003025504A JP2001216657A JP2001216657A JP2003025504A JP 2003025504 A JP2003025504 A JP 2003025504A JP 2001216657 A JP2001216657 A JP 2001216657A JP 2001216657 A JP2001216657 A JP 2001216657A JP 2003025504 A JP2003025504 A JP 2003025504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
layer
cellulose ester
mass
curable resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001216657A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Murakami
隆 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2001216657A priority Critical patent/JP2003025504A/ja
Publication of JP2003025504A publication Critical patent/JP2003025504A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な耐擦傷性を有し、且つ、優れた視認性
を示すセルロースエステルフィルム、それを用いた防眩
フィルム、それらの製造方法及び偏光板を提供する。 【解決手段】 少なくとも一方の面が微粒子含有層を表
層として有し、且つ、ヘイズが3%〜30%未満である
ことを特徴とするセルロースエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースエステ
ルフィルム、防眩フィルム、それらの製造方法及び偏光
板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、視認性向上のために反射防止層ま
たは防眩層を付与したディスプレイが多く使用されてい
る。反射防止層や防眩層は用途に応じてさまざまな種類
や性能の改良がなされ、これらの機能を有する種々の前
面版を液晶ディスプレイの偏光子等に貼り合わせること
で、ディスプレイに視認性向上のために反射防止機能ま
たは防眩機能等を付与する方法が用いられている。これ
ら、前面版として用いる光学用フィルムには、塗布また
は、スパッタリング等で形成した反射防止層または防眩
層が設けられている。
【0003】しかし、これらの光学用フィルムは、例え
ば偏光板等に張り合わせる工程が必要であり、その為
に、接着性の改善を目的としたアルカリ液による表面の
ケン化処理や糊の塗布などの前処理工程が必須で、皺の
発生やムラを生じ易かったり、反射防止層や防眩層もそ
れによりダメージを受け易い欠点を有していた。又、張
り合わせ工程において、多数の面タッチローラーに触れ
たりすることで反射防止層または防眩層に傷が発生しや
すいという欠点も有していた。
【0004】また、光学用フィルムの貼り合わせ工程や
パネル作製時に、静電気等によるゴミの付着も起きやす
く、欠陥の発生原因となっており改良が望まれていた。
【0005】また、視認性を改善するため、従来でも、
表示装置の表面には防眩層あるいは反射防止層が設けら
れているが、表示装置のカラー化、高精細化に伴って、
より視認性の優れた表示装置が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な耐擦傷性を有し、且つ、優れた視認性を示すセルロー
スエステルフィルム、それを用いた防眩フィルム、それ
らの製造方法及び偏光板に関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の項目1〜13によって達成された。
【0008】1.少なくとも一方の面が微粒子含有層を
表層として有し、且つ、ヘイズが3%〜30%未満であ
ることを特徴とするセルロースエステルフィルム。
【0009】2.前記1に記載のセルロースエステルフ
ィルムの微粒子含有層上に、直接またはその他の層を介
して活性線硬化樹脂層を有することを特徴とする防眩フ
ィルム。
【0010】3.活性線硬化樹脂層上に反射防止層を有
することを特徴とする前記2に記載の防眩フィルム。
【0011】4.反射防止層が炭素含有量0.2質量%
〜5質量%の金属酸化物層を含むことを特徴とする前記
3に記載の防眩フィルム。
【0012】5.活性線硬化樹脂層の、JIS B 0
601で規定される、中心線平均粗さRaが0.1μm
〜0.5μmであることを特徴とする前記2〜4のいず
れか1項に記載の防眩フィルム。
【0013】6.前記2〜5のいずれか1項に記載の防
眩フィルムを有することを特徴とする偏光板。
【0014】7.前記1に記載のセルロースエステルフ
ィルムを製造するに当たり、少なくとも2種のドープ
A、Bを使用し、ドープA、Bを支持体上に同時または
逐次流延してウェブを形成する工程、次いで、該ウェブ
を剥離後乾燥させる工程を有し、且つ、該支持体側(B
面側ともいう)に接しているドープBと空気側(A面側
ともいう)に位置しているドープAの少なくとも一方に
微粒子を添加する工程を有することを特徴とするセルロ
ースエステルフィルムの製造方法。
【0015】8.ドープAまたはB中の微粒子の含有量
が、ドープ中に含まれる固形分の0.5質量%を超え7
0質量%以下であることを特徴とする前記7に記載のセ
ルロースエステルフィルムの製造方法。
【0016】9.前記1に記載のセルロースエステルフ
ィルムを製造するに当たり、樹脂と微粒子とを含有する
ドープをセルロースエステル支持体上に流延する工程を
経て製造されたことを特徴とするセルロースエステルフ
ィルムの製造方法。
【0017】10.前記7〜9のいずれか1項に記載の
製造方法で製造されたセルロースエステルフィルム上
に、直接または、他の層を介して、JIS B 060
1で規定される、中心線平均粗さRaが0.1μm〜
0.5μmである活性線硬化樹脂層を形成することを特
徴とする防眩フィルムの製造方法。
【0018】11.活性線硬化樹脂層上にプラズマ処理
により金属酸化物層を形成することを特徴とする前記1
0に記載の防眩フィルムの製造方法。
【0019】12.対向する電極間に電源周波数が10
0kHzを超える周波数で、1W/cm2以上の電力で
放電させて形成されたプラズマを用いて大気圧プラズマ
処理を行うことを特徴とする前記11に記載の防眩フィ
ルムの製造方法。
【0020】13.前記10〜12のいずれか1項に記
載の防眩フィルムの製造方法を用いて製造されたことを
特徴とする防眩フィルム。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。上記の問
題点について、鋭意検討を重ねた結果、少なくとも一方
の面が、微粒子含有層を表層として有し、且つ、ヘイズ
が3%〜30%未満であることを特徴とするセルロース
エステルフィルムを用いることにより、良好な耐擦傷性
を有し、且つ、優れた視認性を示すセルロースエステル
フィルムを得ることが出来ることを見いだした。
【0022】本発明に記載の効果である視認性を更に高
めるためには、前記のセルロースエステルフィルムの表
層上に、直接または、他の層を介して活性線硬化樹脂層
を設けた防眩フィルムを用いることが好ましく、更に好
ましくは、前記の活性線硬化樹脂層に、粒子径の細かい
微粒子を含ませ、より微細な凹凸を形成することであ
り、特に好ましくは、前記活性線硬化樹脂層上に、反射
防止層を形成することにより、更に良好な視認性を得る
ことが出来ることを見いだした。
【0023】また、更に優れた耐擦傷性を得る観点か
ら、前記反射防止層は、金属酸化物層を有することが好
ましく、更に好ましくは、前記金属酸化物層が大気圧プ
ラズマ処理によって形成されたものが好ましい。
【0024】ここで、本発明のセルロースエステルフィ
ルム、それを用いた防眩フィルムの層構成を図1〜図3
を用いて説明する。
【0025】本発明のセルロースエステルフィルムは、
少なくとも一方の面の表層に微粒子を含有する層を設け
たセルロースエステルフィルムであり、前記微粒子を含
有する表層を設けることにより、表面に凹凸を有するセ
ルロースエステルフィルムが得られる。ここで、表面に
凹凸を有するセルロースエステルフィルムは、共流延製
膜法により形成されたものが好ましい。
【0026】上記のセルロースエステルフィルムの表面
に凹凸を有する面上に活性線硬化樹脂層(防眩層ともい
う)を塗設することにより防眩性を示す防眩フィルムが
作製される。前記活性線硬化樹脂層の中心線平均粗さR
aは、0.1μm〜0.5μmであることが好ましい。
【0027】本発明の防眩フィルムには、更に反射防止
層や活性線硬化樹脂層を設けることが出来る。
【0028】図1は、本発明の防眩フィルムの一例を示
す概略断面図である。一方の面に、微粒子含有層を表層
として有するセルロースエステルフィルムの表層上に、
活性線硬化樹脂層、反射防止層、更に防汚層が設けら
れ、他方の面には、ブロッキング防止を目的とした微粒
子含有層を設けることが好ましい。他方の面上に設けら
れる、微粒子含有層は、共流延法により形成してもよ
く、塗布により形成しても良い。
【0029】図2は、本発明の防眩フィルムの他の一例
を示す概略断面図である。図2においては、セルロース
エステルフィルムの一方の面に設けられた微粒子含有層
において、図1の構成とは異なり、粒径の異なる粒子
(ここで、粒径が異なる粒子とは、1次粒径が異なる場
合、2次粒径が異なる場合のどちらでもよい)を用いる
ことで、より微細な凹凸を有する表層を形成した例を示
す。
【0030】図3(a)、(b)は、本発明の防眩フィ
ルムの他の一例を示す概略断面図である。
【0031】図3(a)は、セルロースエステルフィル
ムに、凹凸の周期の大きな表層を形成し、更に、表層の
上に形成する活性線硬化樹脂層にも微粒子を含有させ
て、前記セルロースエステルフィルム表層より周期の小
さな凹凸を形成したものである。
【0032】このような構成をとることにより、より防
眩性能に優れた防眩フィルムを得ることが出来る。更に
反射防止層を設ける場合、金属酸化物微粒子を含む層を
反射防止層として設けることが出来るが、後述する大気
圧プラズマ法は、微細な凹凸を有する面の上にも膜厚が
均一な反射防止層を形成することが出来るため、特に好
ましく用いられる。
【0033】図3(b)は、セルロースエステルフィル
ムに、凹凸の周期の大きな表層を形成し、更に、該表層
の上に、活性線硬化樹脂層を2層設けた例であり、上側
の活性線硬化樹脂層中に微粒子を加え、微細で、周期が
小さい凹凸を形成したものである。
【0034】本発明に係る微粒子について説明する。本
発明のセルロースエステルフィルムは、少なくとも一方
の面の表層に微粒子を含有することが必須要件である。
前記表層と微粒子との好ましい構成は以下に示される様
なものである。
【0035】本発明に係る微粒子の粒径としては、一次
粒子の平均粒径が5nm〜10μmの範囲のものが好ま
しく、更に好ましくは、10nm〜5μmである。
【0036】前記微粒子を含有する表層の膜厚として
は、1μm〜20μmが好ましく、更に好ましくは、3
μm〜15μmであり、特に好ましくは5μm〜10μ
mである。
【0037】ここで、表層の平均膜厚に対して0.5〜
1.5倍の一次粒子径もしくは、二次粒子(凝集物)が
含まれていることが好ましく、表層の平均膜厚よりも大
きな粒子径を有する粒子が含まれていることが好まし
い。
【0038】本発明において、表層とは、フィルム表面
から中心方向に深さ20μmまでの領域をさし、フィル
ムの内部(もしくは内部領域)とは前記表層を除く領域
をさす。
【0039】また、本発明のセルロースエステルフィル
ムの膜厚は30μm〜1000μmが好ましく、更に好
ましくは、35μm〜500μmであり、特に好ましく
は40μm〜300μmである。
【0040】本発明に係る表層は、高低差0.1μm以
上の凹凸を有することが好ましく、この凹凸を設けるた
めに、上記微粒子が用いられる。本発明に係る高低差と
しては、0.1μm〜10μmの高低差が好ましく、更
に好ましくは、0.2μm〜5μmであり、更に好まし
くは、0.5μm〜2μmである。また、表層の平均膜
厚に対して、0.1μm〜10μmの凸部を有すること
が好ましい。
【0041】また、上記の高低差は、JIS B 06
01で規定される最大高さ(Rmax)で表され、測定
は、光学干渉式表面粗さ計RST/PLUS(WYKO
社製)を使用して行うことが出来る。
【0042】本発明にかかわる微粒子としては、例え
ば、無機粒子及び有機粒子が挙げられる。無機粒子とし
ては、二酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウム、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、焼
成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸ア
ルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、
硫酸カルシウム等が挙げられる。
【0043】二酸化珪素の微粒子としては、例えば、ア
エロジルR972、R972V、R974、R812、
200、200V、300、R202、OX50、TT
600(以上日本アエロジル(株)製)、或いは、25
0、250N、256、256N、310、320、3
50、358、430、431、440、450、47
0、435、445、436、446、456、53
0、540、550、730、740、770(以上、
富士シリシア(株)製)等の商品名を有する市販品が使
用できる。
【0044】本発明に係る酸化ジルコニウムの微粒子と
しては、例えば、アエロジルR976及びR811(以
上日本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されてい
るものが使用できる。
【0045】有機粒子としては、ポリ(メタ)アクリレ
ート系樹脂、シリコン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ベン
ゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、更にポリオレフ
ィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリイミド系樹脂、ポリ弗化エチレン系樹脂等が使用で
きる。
【0046】これらのうちでも、本発明の目的の一つで
ある視認性を達成するには、シリカなどの酸化珪素が特
に好ましく用いられる。ここで好ましく用いられる酸化
珪素粒子は、合成非晶質シリカのなかでも湿式法によっ
て作られる超微粉含水珪酸が光沢度を下げる効果が大き
く好ましい。湿式法とは珪酸ソーダと鉱酸及び塩類を水
溶液中で反応させる方法で、例えば富士シリシア化学
(株)製のサイリシアや日本シリカ(株)製のNips
il Eなどがある。
【0047】本発明に係る微粒子の分散液を調製する方
法としては、例えば以下に示すような3種類が挙げられ
るが特にこれらに限定されるものではない。
【0048】(調製方法A)溶剤と微粒子を撹拌混合し
た後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とす
る。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
【0049】(調製方法B)溶剤と微粒子を撹拌混合し
た後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とす
る。別に溶剤に少量の樹脂を加え、撹拌溶解する。これ
に前記微粒子分散液を加えて撹拌する。これを微粒子添
加液とする。微粒子添加液をインラインミキサーでドー
プ液と十分混合する。
【0050】(調製方法C)溶剤に少量の樹脂を加え、
撹拌溶解する。これに微粒子を加えて分散機で分散を行
う。これを微粒子添加液とする。微粒子添加液をインラ
インミキサーでドープ液と十分混合する。
【0051】調製方法Aは微粒子の分散性に優れ、調製
方法Cは微粒子が再凝集しにくい点に優れている。調製
方法Bは微粒子の分散性と、微粒子が再凝集しにくい
等、両方に優れているため好ましい調製方法である。
【0052】(分散方法)微粒子を溶剤などと混合して
分散するときの微粒子の濃度は5質量%〜30質量%が
好ましく、10質量%〜25質量%がさらに好ましく、
15質量%〜20質量%が最も好ましい。
【0053】使用される溶剤は、アセトン、メチルエチ
ルケトンなどのケトン類、或いは酢酸メチル、酢酸エチ
ル等のエステル類、アルコール類が用いられ、特に低級
アルコール類が好ましく、メチルアルコール、エチルア
ルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール等が挙げられるが特にこれらに限
定されるものではない。
【0054】分散機は通常の分散機が使用できる。分散
機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機
に分けられる。
【0055】メディア分散機としてはボールミル、サン
ドミル、ダイノミルなどがあげられる。
【0056】メディアレス分散機としては超音波型、遠
心型、高圧型などがある。高圧分散装置は、微粒子と溶
媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させること
で、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置で
ある。高圧分散装置で処理する場合、例えば、管径1〜
2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が10
MPa以上であることが好ましい。更に好ましくは20
MPa以上である。またその際、最高到達速度が100
m/秒以上に達するもの、伝熱速度が418kJ/時間
以上に達するものが好ましい。
【0057】上記のような高圧分散装置にはMicro
fluidics Corporation社製超高圧
ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいは
ナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴー
リン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホ
モジナイザ、三和機械(株)社製UHN〜01等が挙げ
られる。
【0058】本発明に係るヘイズについて説明する。本
発明に記載の効果(視認性向上)を得る為に、本発明の
セルロースエステルフィルムのヘイズは、3%〜30%
未満であることが必須要件である。
【0059】ここで、ヘイズの測定は、詳細は実施例に
記載するが、ASTM−D1003−52に準じて測定
することができる。
【0060】本発明のセルロースエステルフィルムを上
記記載のヘイズ値の範囲に調整する為の手段としては、
上記記載の有機微粒子及び/または、無機微粒子を微粒
子をセルロースエステルフィルムの表面層に含有させる
ことが好ましいが、中でも、中でも二酸化ケイ素がフィ
ルムのヘイズを小さく出来るので好ましい。
【0061】また、二酸化ケイ素のような微粒子を有機
物により表面処理したものは、フィルムのヘイズを上記
の範囲に調整するために好ましく用いられる。
【0062】本発明に係る活性線硬化樹脂層について説
明する。本発明に係る活性線硬化樹脂層は、バインダと
して活性線硬化性樹脂を含有し、更に好ましくは、塗布
後活性線照射により前記酸化珪素粒子や酸化珪素微粒子
含有活性線硬化樹脂層を形成させることが好ましい。
【0063】本発明で用いられる活性線硬化性樹脂とは
紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応など
を経て硬化する樹脂として定義される。
【0064】活性線硬化性樹脂としては、紫外線硬化性
樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的具体例として挙げ
られるが、紫外線や電子線以外の活性線照射によって硬
化する樹脂であってもよい。
【0065】紫外線硬化性樹脂の例としては、紫外線硬
化性ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化性ア
クリルウレタン系樹脂、紫外線硬化性アクリル酸エステ
ル系樹脂、紫外線硬化性メタクリル酸エステル系樹脂、
紫外線硬化性ポリエステルアクリレート系樹脂及び紫外
線硬化性ポリオールアクリレート系樹脂などが挙げられ
る。
【0066】紫外線硬化性ポリオールアクリレート系樹
脂としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタエリ
スリトール等の光重合モノマーオリゴマーである。これ
らのポリオールアクリレート系樹脂は高架橋性で硬化性
が大きい、硬度が大きい、硬化収縮が小さい、又低臭気
性で低毒性であり安全性も比較的高いので好ましく用い
られる。
【0067】上記の紫外線硬化性ポリオールアクリレー
ト系樹脂には、その効果を損なわない範囲で他の紫外線
硬化性樹脂、例えば紫外線硬化性エポキシ系樹脂を含有
して使用してもよい。アクリレート系樹脂は厚膜塗布し
た硬化塗膜は、硬化収縮によりカーリングが強くなり、
取り扱い作業上支障をきたす場合がある。エポキシ系樹
脂はアクリレート系樹脂と比べて一般に硬化収縮が小さ
く硬化塗膜のカーリングも小さい。ここで言う紫外線硬
化性エポキシ系樹脂とはエポキシ基を分子内に2個以上
含む化合物で、カチオン重合開始剤を含有し、紫外線を
照射することにより架橋反応するエポキシ樹脂である。
【0068】電子線硬化性樹脂の例としては、好ましく
は、アクリレート系の官能基を有するもの、例えば、比
較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッ
ド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、
ポリチオールポリエン樹脂などが挙げられる。
【0069】本発明の効果を顕著に、また簡易に発揮す
るためには、紫外線硬化性樹脂を用いることが好まし
い。
【0070】アクリル基またはメタクリル基を有する上
記活性エネルギー線硬化性樹脂としては、紫外線硬化型
アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルア
クリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート
系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂等
を挙げることが出来る。
【0071】紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、
一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマ
ー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物
に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタ
クリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表
示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水
酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させるこ
とによって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59
−151110号公報)。
【0072】紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系
樹脂は、一般にポリエステル末端の水酸基やカルボキシ
ル基に2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル
アクリレート、アクリル酸のようなのモノマーを反応さ
せることによって容易に得ることが出来る(例えば、特
開昭59−151112号公報)。
【0073】紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂
は、エポキシ樹脂の末端の水酸基にアクリル酸、アクリ
ル酸クロライド、グリシジルアクリレートのようなモノ
マーを反応させて得られる。
【0074】紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹
脂としては、エチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性
ジペンタエリスリトールペンタエリスリトール等を挙げ
ることが出来る。
【0075】本発明に使用される上記活性エネルギー線
反応性化合物を光重合あるいは光架橋反応を開始させる
には、上記活性エネルギー線反応性化合物のみでも開始
するが、重合の誘導期が長かったり、重合開始が遅かっ
たりするため、光増感剤や光開始剤を用いることが好ま
しく、それにより重合を早めることが出来る。これらの
光増感剤や光開始剤は公知のものを使用し得る。具体的
には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベ
ンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエス
テル、テトラメチルウラムモノサルファイド、チオキサ
ントン等及びこれらの誘導体を挙げることが出来る。
【0076】また、エポキシアクリレート基を有する活
性エネルギー線反応性化合物の場合は、n−ブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等
の増感剤を用いることが出来る。この活性エネルギー線
反応性化合物に用いられる光反応開始剤または光増感剤
は紫外線反応性化合物の100質量部に対して0.1〜
15質量部で光反応を開始するには十分であり、好まし
くは1〜10質量部である。この増感剤は近紫外線領域
から可視光線領域に吸収極大のあるものが好ましい。
【0077】本発明には活性エネルギー線反応性エポキ
シ樹脂も好ましく用いられる。活性エネルギー線反応性
エポキシ樹脂としては、芳香族エポキシ化合物(多価フ
ェノールのポリグリシジルエーテル)、例えば、水素添
加ビスフェノールAまたはビスフェノールAとエピクロ
ルヒドリンとの反応物のグリシジルエーテル、エポキシ
ノボラック樹脂、脂肪族エポキシ樹脂としては、脂肪族
多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物
のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリ
グリシジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシ
ジルメタクリレートのホモポリマー、コポリマーなどが
あり、その代表例としては、エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、
ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプ
ロピレングリコールグリシジルエーテル、1,4−ブタ
ンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジ
オールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテ
ル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセ
ロールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロ
パントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールト
リグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグ
リシジルエーテル、ソルビトールのポリグリシジルエー
テル、脂環式エポキシ化合物、例えば、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロ
ヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル−5,5−スピロ−3′,4′−エポキ
シ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニル
シクロヘキセンジオキサイド、ビス(3,4−エポキシ
−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,
4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3′,4′
−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレー
ト、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)
ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコ
ールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エ
ーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート)、ジシクロペンタジエンジエポキ
サイド、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレートのトリグリシジルエーテル、
ポリグリシジルアクリレート、ポリグリシジルメタクリ
レート、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタ
クリレートと他のモノマーとの共重合物、ポリ−2−グ
リシジルオキシエチルアクリレート、ポリ−2−グリシ
ジルオキシエチルメタクリレート、2−グリシジルオキ
シエチルアクリレート、2−グリシジルオキシエチルア
クリレートまたは2−グリシジルオキシエチルメタクリ
レートと他のモノマーとの共重合物、ビス−2,2−ヒ
ドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル
等を挙げることが出来、または単独または2種以上組み
合わせた付加重合物を挙げることが出来る。本発明は、
これらの化合物に限定せず、これらから類推される化合
物も含むものである。
【0078】活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹
脂は、エポキシ基を分子内に2つ以上有するもの以外
に、モノエポキサイドも所望の性能に応じて配合して使
用することが出来る。
【0079】活性エネルギー線反応性化合物エポキシ樹
脂は、ラジカル重合によるのではなく、カチオン重合に
より重合、架橋構造または網目構造を形成する。ラジカ
ル重合と異なり反応系中の酸素に影響を受けないため好
ましい活性エネルギー線反応性樹脂である。
【0080】エチルスルホン酸銀、ポリ硼素酸銀等も好
ましく用いることが出来る。有用な活性エネルギー線反
応性エポキシ樹脂は、活性エネルギー線照射によりカチ
オン重合を開始させる物質を放出する化合物を、光重合
開始剤または光増感剤により重合する。照射によりカチ
オン重合させるルイス酸を放出するオニウム塩での複塩
の一群が特に好ましい。
【0081】例えば、下記一般式(III)で表される化
合物が一例として挙げられる。 一般式(III) 〔(R1a(R2b(R3c(R4dZ〕+w〔Me
v-w 式中、カチオンはオニウムであり、ZはS、Se、T
e、P、As、Sb、Bi、O、ハロゲン(例えばI、
Br、Cl)、またはN=N(ジアゾ)であり、R1
2、R3、R4は同一であっても異なっていてもよい有
機の基である。a、b、c、dはそれぞれ0〜3の整数
であって、a+b+c+dはZの価数に等しい。Meは
ハロゲン化物錯体の中心原子である金属または半金属
(metalloid)であり、B、P、As、Sb、
Fe、Sn、Bi、Al、Ca、In、Ti、Zn、S
c、V、Cr、Mn、Co等である。Xはハロゲンであ
り、wはハロゲン化錯体イオンの正味の電荷であり、v
はハロゲン化錯体イオン中のハロゲン原子の数である。
vから中心原子Meの価数を減じたものがwである。
【0082】上記一般式の陰イオン〔MeXv-wの具
体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘ
キサフルオロホスフェート(PF4 -)、ヘキサフルオロ
アンチモネート(SbF4 -)、ヘキサフルオロアルセネ
ート(AsF4 -)、ヘキサクロロアンチモネート(Sb
Cl4 -)等を挙げることが出来る。
【0083】更に一般式MeXv(OH)-の陰イオンも
用いることが出来る。また、その他の陰イオンとしては
過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル亜硫
酸イオン(CF3SO3 -)、フルオロスルホン酸イオン
(FSO3 -)、トルエンスルホン酸イオン、トリニトロ
ベンゼン酸陰イオン等を挙げることが出来る。
【0084】このようなオニウム塩の中でも特に芳香族
オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが、
特に有効であり、中でも特開昭50−151996号、
同50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウ
ム塩、特開昭50−151997号、同52−3089
9号、同59−55420号、同55−125105号
公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−
8428号、同56−149402号、同57−192
429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム塩、特
公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニ
ウム塩、米国特許第4,139,655号明細書等に記
載のチオピリリュム塩等が好ましい。また、アルミニウ
ム錯体や光分解性ケイ素化合物系重合開始剤等を挙げる
ことが出来る。上記カチオン重合開始剤と、ベンゾフェ
ノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサント
ンなどの光増感剤を併用することが出来る。
【0085】本発明に有用な活性エネルギー線硬化樹脂
組成物において、重合開始剤は、一般的には、活性エネ
ルギー線硬化性エポキシ樹脂(プレポリマー)100質
量部に対して好ましくは0.1〜15質量部、より好ま
しくは1〜10質量部の範囲で添加される。またエポキ
シ樹脂を上記ウレタンアクリレート型樹脂、ポリエーテ
ルアクリレート型樹脂等とも併用することも出来、この
場合、活性エネルギー線ラジカル重合開始剤と活性エネ
ルギー線カチオン重合開始剤を併用することが好まし
い。
【0086】本発明に用いる活性エネルギー線硬化樹脂
含有層には、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるい
はゼラチンなどの親水性樹脂等のバインダーを上記活性
エネルギー線硬化樹脂に混合して使用することが出来
る。これら樹脂にはその分子中に極性基を持っているこ
とが好ましく、極性基としては、−COOM、−OH、
−NR2、−NR3X、−SO3M、−OSO3M、−PO
32、−OPO3M(ここで、Mは水素原子、アルカリ
金属またはアンモニウム基を、Xはアミン塩を形成する
酸を、Rは水素原子、アルキル基を表す)等を挙げるこ
とが出来る。
【0087】本発明に係る活性線硬化性樹脂の硬化は、
電子線または紫外線のような活性線照射によって硬化す
ることができる。例えば、電子線硬化の場合にはコック
ロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁
コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等
の各種電子線加速器から放出される50〜1000Ke
V、好ましくは100〜300KeVのエネルギーを有
する電子線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧
水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キ
セノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発す
る紫外線等が利用できる。
【0088】また、活性線照射時に付与されるエネルギ
ー量としては、50mJ/cm2〜1000mJ/cm2
が好ましく、更に好ましくは、100mJ/cm2〜5
00mJ/cm2である。
【0089】活性線硬化樹脂層の膜厚としては、0.3
μm以上10μm以下であることが好ましく、更に好ま
しくは、0.5μm以上5μm以下である。
【0090】また、活性線硬化樹脂層の、JIS B
0601で規定される、中心線平均粗さ(Ra)が、
0.1μm〜0.5μmであることが好ましく、更に好
ましくは、0.2μm〜0.4μmである。
【0091】本発明に係る反射防止層について説明す
る。本発明においては、活性線硬化樹脂層を有する防眩
フィルムの活性線硬化樹脂層上に反射防止層が設けられ
ることが好ましい。反射防止層としては、通常SiO2
やTiO2、ZrO2、Y23等の屈折率の異なる金属酸
化物の薄膜や有機高分子薄膜等を3〜4層積層した構成
が好ましいが、単層で屈折率が1.25以下の低屈折率
皮膜も好ましく用いられる。反射防止層は、複数層で構
成されていても良く、その場合、各層の屈折率や膜厚が
最適な値に調整される。
【0092】反射防止層の膜厚は、通常1nm〜200
nmの範囲であり、各層の屈折率に応じて、適切な膜厚
が選択される。
【0093】反射防止層の構成としては、単層、多層の
各種知られているが、多層のものとしては高屈折率層、
低屈折率層を交互に積層した構造のものを用いても良
い。
【0094】構成の例としては、高屈折率層/低屈折率
層の2層の順のものや、屈折率の異なる3層を、中屈折
率層(透明基材あるいはハードコート層よりも屈折率が
高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層
/低屈折率層の順に積層されているもの等があり、更に
多くの反射防止層を積層してもよい。
【0095】上記の活性線硬化樹脂層上に、反射防止層
として高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層(基材フィ
ルムよりも屈折率が低い層)の順に塗布することも出来
る。
【0096】屈折率はそこに含まれる金属あるいは化合
物によってほぼ決まり、例えばTiやZrは高く、Si
は低く、Fを含有する化合物は更に低く、このような組
み合わせによって屈折率が設定される。
【0097】反射防止層は、Ti、Zr、Si、Sn等
の金属酸化物微粒子、または、これらの金属アルコキシ
ドまたは、その加水分解物、Fを含む有機物微粒子、重
合性含フッ素化合物等を有する塗布膜を用いて各屈折率
層を塗設して設けることが出来る。
【0098】本発明の防眩フィルムの活性線硬化樹脂層
上に設けられる反射防止層は、450nm〜650nm
における平均反射率が1%以下であることが好ましく、
特に好ましくは0.5%以下である。
【0099】本発明に係る反射防止層は、プラズマ処理
により形成することが好ましく、特に好ましいのは、大
気圧プラズマ法による金属酸化物層或いは含フッ素化合
物層を有する反射防止層を形成することである。
【0100】大気圧プラズマ法による金属酸化物層の形
成においては、対向する電極間に、100kHzを越え
た高周波電圧で、且つ、1W/cm2以上の電力を供給
し、反応性ガスを励起してプラズマを発生させることが
好ましい。
【0101】このようなハイパワーの電界を印加するこ
とによって、緻密で、膜厚均一性の高い金属酸化物層を
生産効率高く得ることが可能である。
【0102】本発明において、電極間に印加する高周波
電圧の周波数は、好ましくは150MHz以下である。
【0103】また、高周波電圧の周波数としては、好ま
しくは200kHz以上、さらに好ましくは800kH
z以上である。
【0104】また、電極間に供給する電力は、好ましく
は1.2W/cm2以上であり、好ましくは50W/c
2以下、さらに好ましくは20W/cm2以下である。
尚、電極における電圧の印加面積(/cm2)は、放電
が起こる範囲の面積のことを指す。
【0105】また、電極間に印加する高周波電圧は、断
続的なパルス波であっても、連続したサイン波であって
も構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続
したサイン波であることが好ましい。
【0106】本発明では、このようなハイパワーの電圧
を印加して、均一なグロー放電状態を保つことができる
電極をプラズマ放電処理装置に用いることが好ましい。
【0107】このような電極としては、金属母材上に誘
電体を被覆したものであることが好ましい。少なくとも
対向する印加電極とアース電極の片側に誘電体を被覆す
ること、更に好ましくは、対向する印加電極とアース電
極の両方に誘電体を被覆することである。誘電体として
は、比誘電率が6〜45の無機物であることが好まし
く、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等
のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸
塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。
【0108】また、基材を電極間に載置あるいは電極間
を搬送してプラズマに晒す場合には、基材を片方の電極
に接して搬送出来るロール電極仕様にすることが好まし
く、更に、電極の誘電体表面を研磨仕上げし、電極の表
面粗さRmax(JIS B0601により規定され
る)を10μm以下にすることで、誘電体の厚み及び電
極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安
定化できること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひ
び割れを無くし、かつポーラスで無い高精度の無機誘電
体を被覆することで大きく耐久性を向上させることがで
きる。
【0109】また、高温下での金属母材に対する誘電体
被覆による電極製作において、少なくとも基材と接する
側の誘電体を研磨仕上げすること、更に電極の金属母材
と誘電体間の熱膨張の差をなるべく小さくすることが必
要であり、そのため、母材表面に、応力を吸収出来る層
として泡混入量をコントロールして無機質の材料をライ
ニングすることが好ましく、特に材質としては琺瑯等で
知られる溶融法により得られるガラスであることが良
く、更に導電性金属母材に接する最下層の泡混入量を2
0〜30体積%とし、次層以降を5体積%以下とするこ
とで、緻密でかつひび割れ等が発生しない良好な電極が
出来る。
【0110】また、電極の母材に誘電体を被覆する別の
方法として、セラミックスの溶射を空隙率10体積%以
下まで緻密に行い、更にゾルゲル反応により硬化する無
機質の材料にて封孔処理を行うことであり、ここでゾル
ゲル反応の促進には、熱硬化やUV硬化が良く、更に封
孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返
すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密
な電極が出来る。
【0111】このような電極を用いたプラズマ放電処理
装置について、図4〜9を参照しながら説明する。図
4、5及び9で示されるプラズマ放電処理装置は、アー
スされたロール電極25と、対向する位置に配置された
印加電極である固定電極26または36との間で放電さ
せ、当該電極間に反応性ガスを給気口52より導入して
プラズマ状態とし、前記ロール電極に巻回された長尺フ
ィルム状の基材を前記プラズマ状態の反応性ガスに晒す
ことによって、基材の表面に薄膜を形成するものである
が、本発明の薄膜形成方法を実施する装置としてはこれ
に限定されるものではなく、グロー放電を安定に維持
し、薄膜を形成するために反応性ガスを励起してプラズ
マ状態とするものであればよい。
【0112】他の方式としては、基材を電極間ではない
電極近傍に載置あるいは搬送させ、発生したプラズマを
当該基材上に吹き付けて薄膜形成を行うジェット方式等
がある。
【0113】図4は、本発明の薄膜形成方法に用いられ
るプラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【0114】図4において、長尺フィルム状の基材Fは
搬送方向(図中、時計回り)に回転するロール電極25
に巻回されながら搬送される。固定されている電極26
は複数の円筒から構成され、ロール電極25に対向させ
て設置される。ロール電極25に巻回された基材Fは、
ニップローラ65、66で押圧され、ガイドローラ64
で規制されてプラズマ放電処理容器31によって確保さ
れた放電処理空間に搬送され、放電プラズマ処理され、
次いで、ガイドローラ67を介して次工程に搬送され
る。
【0115】また、仕切板54は前記ニップローラ6
5、66に近接して配置され、基材Fに同伴する空気が
プラズマ放電処理容器31内に進入するのを抑制する。
【0116】この同伴される空気は、プラズマ放電処理
容器31内の気体の全体積に対し、1体積%以下に抑え
ることが好ましく、0.1体積%以下に抑えることがよ
り好ましい。前記ニップローラ65および66により、
それを達成することが可能である。
【0117】尚、放電プラズマ処理に用いられる混合ガ
ス(不活性ガスと、反応性ガスである有機フッ素化合
物、チタン化合物または珪素化合物等を含有する有機ガ
ス等)は、給気口52からプラズマ放電処理容器31に
導入され、処理後のガスは排気口53から排気される。
【0118】図5は、図4と同様に、本発明の製造方法
に用いられるプラズマ放電処理装置に設置されるプラズ
マ放電処理容器の一例を示す概略図であるが、図4にお
いては、ロール電極25に対向する固定されている電極
26は円柱型の電極が用いられているのに対し、角柱型
電極36に変更した例を示している。
【0119】図4に示した円柱型の電極26に比べて、
図5に示した角柱型の電極36は、放電範囲を広げる効
果があり、金属酸化物層形成に好ましく用いられる。
【0120】図6(a)、(b)は各々、上述の円筒型
のロール電極の一例を示す概略図、図7(a)、(b)
は各々、円筒型で固定されている電極の一例を示す概略
図、図8(a)、(b)は各々、角柱型で固定されてい
る電極の一例を示す概略図である。
【0121】図6(a)及び図6(b)において、アー
ス電極であるロール電極25cは、金属等の導電性母材
25aに対しセラミックスを溶射後、無機材料を用いて
封孔処理したセラミック被覆処理誘電体25bを被覆し
た組み合わせで構成されているものである。セラミック
被覆処理誘電体を片肉で1mm被覆し、ロール径を被覆
後750mmとなるように製作し、アースに接地してあ
る。または、金属等の導電性母材25Aへライニングに
より無機材料を設けたライニング処理誘電体25Bを被
覆した組み合わせ、ロール電極25Cで構成してもよ
い。ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸
塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラ
ス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジ
ン酸塩ガラス等が好ましく用いられるが、この中でもホ
ウ酸塩系ガラスが加工し易いので、更に好ましく用いら
れる。金属等の導電性母材25a、25Aとしては、
銀、白金、ステンレス、アルミニウム、鉄等の金属等が
挙げられるが、加工の観点からステンレスが好ましい。
また、溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ
・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアル
ミナが加工し易いので、更に好ましく用いられる。尚、
本実施の形態においては、ロール電極の母材は、冷却水
による冷却手段を有するステンレス製ジャケットロール
母材を使用している(不図示)。
【0122】図7(a)、(b)および図8(a)、
(b)は、印加電極である固定の電極26c、電極26
C、電極36c、電極36Cであり、上記記載のロール
電極25c、ロール電極25Cと同様な組み合わせで構
成されている。すなわち、中空のステンレスパイプに対
し、上記同様の誘電体を被覆し、放電中は冷却水による
冷却が行えるようになっている。尚、セラミック被覆処
理誘電体の被覆後12φまたは15φとなるように製作
され、当該電極の数は、上記ロール電極の円周上に沿っ
て14本設置している。
【0123】印加電極に電圧を印加する電源としては、
特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200k
Hz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日
本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業
製高周波電源(150MHz)等が使用できる。
【0124】図9は、本発明に用いられるプラズマ放電
処理装置の一例を示す概念図である。図9において、プ
ラズマ放電処理容器31の部分は図5の記載と同様であ
るが、更に、ガス発生装置51、電源41、電極冷却ユ
ニット60等が装置構成として示されている。電極冷却
ユニット60の冷却剤としては、蒸留水、油等の絶縁性
材料が用いられる。
【0125】図9に記載の電極25、36は、図6、
7、8等に示したものと同様であり、対向する電極間の
ギャップは、例えば、1mm〜2mm程度に設定され
る。
【0126】上記電極間の距離は、電極の母材に設置し
た固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利
用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に
固体誘電体を設置した場合の固体誘電体と電極の最短距
離、上記電極の双方に固体誘電体を設置した場合の固体
誘電体同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電
を行う観点から0.5mm〜20mmが好ましく、特に
好ましくは1mm±0.5mmである。
【0127】前記プラズマ放電処理容器31内にロール
電極25、固定されている電極36を所定位置に配置
し、ガス発生装置51で発生させた混合ガスを流量制御
して、給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に入
れ、前記プラズマ放電処理容器31内をプラズマ処理に
用いる混合ガスで充填し排気口53より排気する。
【0128】特に、基材Fの幅手方向で混合ガスの濃
度、流量、流速にムラが発生しないように均一に供給す
ることが好ましい。次に、電源41により電極36に電
圧を印加し、ロール電極25はアースに接地し、放電プ
ラズマを発生させる。ここでロール状の元巻き基材61
より基材Fを供給し、ガイドローラ64を介して、プラ
ズマ放電処理容器31内の電極間を片面接触(ロール電
極25に接触している)の状態で搬送され、基材Fは搬
送中に放電プラズマにより表面が放電処理され、その後
にガイドローラ67を介して、次工程に搬送される。こ
こで、基材Fはロール電極25に接触していない面のみ
放電処理がなされる。
【0129】電源41より固定されている電極36に印
加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が
0.5〜10kV程度で、電源周波数は100kHzを
越えて150MHz以下に調整される。ここで電源の印
加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状
の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OF
Fを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても
良いが連続モードの方がより緻密で良質な膜が得られ
る。
【0130】プラズマ放電処理容器31はパイレックス
(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、
電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能であ
る。例えば、アルミニウムまたは、ステンレスのフレー
ムの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金
属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとっても
良い。
【0131】また、放電プラズマ処理時の基材への影響
を最小限に抑制するために、放電プラズマ処理時の基材
の温度を常温(15℃〜25℃)〜200℃未満の温度
に調整することが好ましく、更に好ましくは常温〜12
0℃に調整することである。上記の温度範囲に調整する
為、必要に応じて電極、基材は冷却手段で冷却しながら
放電プラズマ処理される。
【0132】本発明に係る大気圧プラズマ処理において
は、放電プラズマ処理が大気圧または大気圧近傍で行わ
れるが、ここで大気圧近傍とは、20kPa〜200k
Paの圧力を表すが、本発明に記載の効果を好ましく得
るためには、90kPa〜110kPaが好ましく、特
に好ましくは、93kPa〜107kPaである。
【0133】また、金属酸化物層の形成に係る放電用電
極においては、電極の少なくとも基材と接する側のJI
S B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(R
max)が10μm以下になるように調整されることが
好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μ
m以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整する
ことが好ましい。
【0134】本発明に係る金属酸化物層の形成に係る混
合ガスについて説明する。金属酸化物層を形成するにあ
たり、使用するガスは、不活性ガスと、薄膜を形成する
ための反応性ガスの混合ガスであることが好ましく、反
応性ガスは、混合ガスに対し、0.01〜10体積%含
有させることが好ましい。金属酸化物層の膜厚として
は、0.1nm〜1000nmの範囲の薄膜が好ましく
得られる。
【0135】上記不活性ガスとは、周期表の第18属元
素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプ
トン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、本発明に記
載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好まし
く用いられる。
【0136】反応性ガスとして有機金属化合物を添加す
る場合、例えば、有機金属化合物としてLi、Be、
B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、G
a、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、
In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、T
a、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、
Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
uから選択される金属を含むことができる。より好まし
くは、これらの有機金属化合物が金属アルコキシド、ア
ルキル化金属、金属錯体から選ばれるものが好ましい。
【0137】上記または上記以外の反応性ガスを適宜選
択して、反射防止層に用いる金属酸化物層の形成に使用
することにより様々な高機能性の金属酸化物層を得るこ
とができる。その一例を以下に示すが、本発明はこれら
に限定されない。
【0138】電極膜 Au、Al、Ag、Ti、Ti、
Pt、Mo、Mo−Si 誘電体保護膜 SiO2、SiO、Si34、Al
23、Al23、Y23 透明導電膜 In23、SnO2 エレクトロクロミック膜 WO3、IrO2、MoO3
25 蛍光膜 ZnS、ZnS+ZnSe、ZnS+CdS 磁気記録膜 Fe−Ni、Fe−Si−Al、γ−Fe
23、Co、Fe34、Cr、SiO2、AlO3 超導電膜 Nb、Nb−Ge、NbN 太陽電池膜 a−Si、Si 反射膜 Ag、Al、Au、Cu 選択性吸収膜 ZrC−Zr 選択性透過膜 In23、SnO2 反射防止膜 SiO2、TiO2、SnO2 シャドーマスク Cr 耐摩耗性膜 Cr、Ta、Pt、TiC、TiN 耐食性膜 Al、Zn、Cd、Ta、Ti、Cr 耐熱膜 W、Ta、Ti 潤滑膜 MoS2 装飾膜 Cr、Al、Ag、Au、TiC、Cu 例えば、反応性ガスとしてジンクアセチルアセトナー
ト、トリエチルインジウム、トリメチルインジウム、ジ
エチル亜鉛、ジメチル亜鉛、エトラエチル錫、エトラメ
チル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テ
トラオクチル錫などから選択された少なくとも1つの有
機金属化合物を含む反応性ガスを用いて、導電性膜ある
いは帯電防止膜、あるいは反射防止膜の中屈折率層とし
て有用な金属酸化物層を形成することができる。
【0139】また、有機フッ素化合物、珪素化合物また
はチタン化合物を含有する反応性ガスを用いることによ
り、反射防止膜の低屈折率層または高屈折率層を設ける
ことが出来る。本発明では、反射防止層の上に防汚層を
設けることが好ましい。
【0140】また、フッ素含有化合物ガスを用いること
によって、基材表面にフッ素含有基を形成させて表面エ
ネルギーを低くし、撥水性表面を得る撥水膜を得ること
が出来る。
【0141】有機フッ素化合物としては、フッ化炭素ガ
ス、フッ化炭化水素ガス等が好ましく用いられる。フッ
化炭素ガスとしては、4フッ化炭素、6フッ化炭素、具
体的には、4フッ化メタン、4フッ化エチレン、6フッ
化プロピレン(CF3CF=CF2)、8フッ化シクロブ
タン、C48等が挙げられる。前記のフッ化炭化水素ガ
スとしては、2フッ化メタン、4フッ化エタン、4フッ
化プロピレン、3フッ化プロピレン等が挙げられる。
【0142】更に、1塩化3フッ化メタン、1塩化2フ
ッ化メタン、2塩化4フッ化シクロブタン等のフッ化炭
化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン
等の有機化合物のフッ素置換体を用いることが出来るが
これらに限定されない。また、これらの化合物が分子内
にエチレン性不飽和基を有していても良い。前記の化合
物は単独でも混合して用いても良い。
【0143】混合ガス中に上記記載の有機フッ素化合物
を用いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な
薄膜を形成する観点から、混合ガス中の有機フッ素化合
物の含有率は、0.1体積%〜10体積%であることが
好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%であ
る。
【0144】また、本発明に係る有機フッ素化合物が常
温、常圧で気体である場合は、混合ガスの構成成分とし
て、そのまま使用できるので最も容易に本発明の方法を
遂行することができる。しかし、有機フッ素化合物が常
温・常圧で液体又は固体である場合には、加熱、減圧等
の方法により気化して使用すればよく、また、又、適切
な溶剤に溶解して用いてもよい。
【0145】また、分子内に親水性基と重合性不飽和結
合を有するモノマーの雰囲気下でプラズマ処理を行うこ
とにより、親水性の重合膜を堆積させることもできる。
上記親水性基としては、水酸基、スルホン酸基、スルホ
ン酸塩基、1級若しくは2級又は3級アミノ基、アミド
基、4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、カルボン酸
塩基等の親水性基等が挙げられる。又、ポリエチレング
リコール鎖を有するモノマーを用いても同様に親水性重
合膜を堆積が可能である。
【0146】上記モノマーとしては、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、アクリル酸ナトリウム、メ
タクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリ
ル酸カリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリル
アルコール、アリルアミン、ポリエチレングリコールジ
メタクリル酸エステル、ポリエチレングリコールジアク
リル酸エステルなどが挙げられ、これらの少なくとも1
種が使用できる。
【0147】混合ガス中に上記記載のチタン化合物を用
いる場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜
を形成する観点から、混合ガス中のチタン化合物の含有
率は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更
に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0148】また、上記記載の混合ガス中に水素ガスを
0.1〜10体積%含有させることにより薄膜の硬度を
著しく向上させることが出来る。
【0149】上記記載の珪素化合物、チタン化合物とし
ては、取り扱い上の観点から金属水素化合物、金属アル
コキシドが好ましく、腐食性、有害ガスの発生がなく、
工程上の汚れなども少ないことから、金属アルコキシド
が好ましく用いられる。
【0150】また、上記記載の珪素化合物、チタン化合
物を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温
常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わ
ない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入できる
が、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の
手段により気化させて使用される。珪素化合物、チタン
化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキ
シシラン、テトライソプロポキシチタンなど、常温で液
体で、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが反
射防止膜の形成に好適に用いられる。上記金属アルコキ
シドは、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒
は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機
溶媒及びこれらの混合溶媒が使用できる。尚、これらの
希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原
子状に分解される為、基材上への薄膜の形成、薄膜の組
成などに対する影響は殆ど無視することが出来る。
【0151】上記記載の珪素化合物としては、例えば、
ジメチルシラン、テトラメチルシランなどの有機金属化
合物、モノシラン、ジシランなどの金属水素化合物、二
塩化シラン、三塩化シランなどの金属ハロゲン化合物、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシランなどのアルコキシシラン、オルガノ
シランなどを用いることが好ましいがこれらに限定され
ない。また、これらは適宜組み合わせて用いることが出
来る。
【0152】混合ガス中に上記記載の珪素化合物を用い
る場合、放電プラズマ処理により基材上に均一な薄膜を
形成する観点から、混合ガス中の珪素化合物の含有率
は、0.1〜10体積%であることが好ましいが、更に
好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0153】上記記載のチタン化合物としては、テトラ
ジメチルアミノチタンなどの有機金属化合物、モノチタ
ン、ジチタンなどの金属水素化合物、二塩化チタン、三
塩化チタン、四塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物、
テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、
テトラブトキシチタンなどの金属アルコキシドなどを用
いることが好ましいがこれらに限定されない。
【0154】また、混合ガス中に酸素、オゾン、過酸化
水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択さ
れる成分を0.01〜5体積%含有させることにより、
反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成すること
ができる。
【0155】本発明において、反射防止層(金属酸化物
層そのものでもよい)の高屈折率層及び低屈折率層の炭
素含有率は、ともに0.2質量%〜5質量%であること
が下層との密着性と膜の柔軟性のために好ましく、更に
好ましくは、0.3質量%〜3質量%である。すなわ
ち、プラズマ処理によって形成された層は有機物(炭素
原子)を含んでいるため、その範囲が膜に柔軟性を与え
るため、膜の密着性を向上するため好ましい。大気圧プ
ラズマ処理は、特に微細な凹凸を有する本発明の防眩フ
ィルム上に均一な膜厚を有する薄膜を形成することが出
来るため好ましく用いることが出来る。
【0156】本発明のセルロースエステルフィルムの製
造に用いられるセルロースエステルについて説明する。
【0157】本発明に係るセルロースエステルとして
は、セルロースエステルが低級脂肪酸エステルであるこ
とが好ましい。セルロースエステルの低級脂肪酸エステ
ルにおける低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪
酸を意味し、例えば、セルロースアセテート、セルロー
スプロピオネート、セルロースブチレート等がセルロー
スの低級脂肪酸エステルの好ましい例として挙げられ
る。
【0158】また、上記以外にも、特開平10−458
04号、同08−231761号、米国特許第2,31
9,052号等に記載のセルロースアセテートプロピオ
ネート、セルロースアセテートブチレート等の混合脂肪
酸エステルを用いることが出来る。
【0159】上記記載の中で、特に好ましく用いられる
セルロースの低級脂肪酸エステルはセルローストリアセ
テートである。
【0160】更に、ベース強度の観点から、特に重合度
250〜400、結合酢酸量が54〜62.5%が好ま
しく用いられ、更に好ましいのは、結合酢酸量が58〜
62.5%のセルローストリアセテートである。
【0161】本発明に係るセルローストリアセテート
は、綿花リンターから合成されたセルローストリアセテ
ートと木材パルプから合成されたセルローストリアセテ
ートのどちらかを単独あるいは混合して用いることがで
きる。ベルトやドラムからの剥離性がもし問題になれ
ば、ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花リンターか
ら合成されたセルローストリアセテートを多く使用すれ
ば生産性が高く好ましい。
【0162】木材パルプから合成されたセルローストリ
アセテートを混合し用いた場合、綿花リンターから合成
されたセルローストリアセテートの比率が40質量%以
上で、剥離性の効果が顕著になるため好ましく、60質
量%以上がさらに好ましく、単独で使用することが最も
好ましい。
【0163】樹脂の性質によって、溶液流延法によって
製膜する方法とエクストルーダ等による溶融押出し成型
にて溶融状態で樹脂を押し出し製膜する方法が可能であ
るが、光学異方性が少ないフィルムを得るためや、高い
膜厚精度、面品質を得るには溶液流延法によって製膜す
ることがより好ましい。
【0164】本発明のセルロースエステルフィルムは、
可塑剤を含有するのが好ましい。可塑剤としては特に限
定はないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステ
ル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメ
リット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エ
ステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく
用いることが出来る。リン酸エステル系では、トリフェ
ニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジ
ルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフ
ェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオク
チルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル
酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエ
チルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシル
フタレート、ブチルベンジルフタレート等、トリメリッ
ト酸系可塑剤として、トリブチルトリメリテート、トリ
フェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート
等、ピロメリット酸エステル系可塑剤として、テトラブ
チルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、
テトラエチルピロメリテート等、グリコール酸エステル
系では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリル
エチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレー
ト、ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エ
ステル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−
n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレー
ト、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルト
リ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好まし
く用いることができる。
【0165】その他のカルボン酸エステルの例には、オ
レイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシ
ン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれ
る。
【0166】ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基
酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグ
リコールの共重合体を用いることが出来る。脂肪族二塩
基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシ
ン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシ
ルジカルボン酸などを用いることが出来る。グリコール
としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなど
を用いることが出来る。これらの二塩基酸及びグリコー
ルはそれぞれ単独で用いても良いし、二種以上混合して
用いても良い。
【0167】これらの可塑剤の使用量は、フィルム性
能、加工性等の点で、セルロースエステルに対して1〜
20質量%であることが好ましい。
【0168】また、本発明のセルロースエステルフィル
ムは、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
【0169】紫外線吸収剤としては、波長370nm以
下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観
点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないも
のが好ましく用いられる。好ましく用いられる紫外線吸
収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系
化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エス
テル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系
化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系
化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
又、特開平6−148430号記載の高分子紫外線吸収
剤も好ましく用いられる。
【0170】又、本発明の支持体に用いることのできる
紫外線吸収剤は特願平11−295209号に記載され
ている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤を含むこと
が、プラズマ処理工程の汚染が少なく、また、各種塗布
層の塗布性にも優れる為好ましく、特に分配係数が1
0.1以上の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
【0171】可塑剤や紫外線吸収剤吸収剤を含むセルロ
ースエステルフィルムを基材として用いた場合、これら
がブリードアウトするなどによって、プラズマ処理部に
付着するなどして工程を汚染し、これがフィルムに付着
する可能性が考えられる。この問題を解決するために
は、支持体がセルロースエステルと可塑剤を有し、80
℃、90%RHで48時間処理した前後の質量変化が±
2質量%未満である支持体を用いることが好ましい(保
留性)。このようなセルロースエステルフィルムは特願
2000−338883号記載のセルロースエステルフ
ィルム等が好ましく用いられる。又、この目的のために
特開平6−148430号、特願2000−15603
9号記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポ
リマー)が好ましく用いることができる。高分子紫外線
吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)
製)などが市販されている。特開平6−148430号
の一般式(1)あるいは一般式(2)あるいは特願20
00−156039の一般式(3)(6)(7)記載の
高分子紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0172】本発明のセルロースエステルフィルムの光
学特性としては、面内リターデーションR0は0〜10
00nmのものが好ましく用いられ、厚味方向のリター
デーションRtは0〜300nmのものが用途に応じて
好ましく用いられる。又、波長分散特性としてはR
0(600)/R0(450)は0.7〜1.3であるこ
とが好ましく、特に1.0〜1.3であること好まし
い。
【0173】ここで、R0(450)は波長450nm
の光による3次元屈折率測定に基づいた面内リターデー
ション、R0(600)は波長600nmの光による3
次元屈折率測定に基づいた面内リターデーションを表
す。
【0174】本発明のセルロースエステルフィルムの製
造方法について説明する。少なくとも2種以上のドープ
を使用し、該ドープを支持体上に同時または、逐次流延
した後、剥離後乾燥させて、ヘイズが3%〜30%未満
のフィルムを作製するには、流延する支持体側(B面
側)に用いられるドープBと空気側(A面側)に用いら
れるドープAの少なくとも一方に微粒子を添加すること
が必要であり、ドープAまたはドープB中の前記微粒子
の含有量が固形分当たり、0.5質量%を超え70質量
%以下になるように調整することが好ましく、更に好ま
しくは1質量%を超え、50質量以下である。
【0175】本発明のセルロースエステルフィルムの製
造方法を図10及び図11で示される工程図を参照しな
がら、説明する。
【0176】図10は、本発明のセルロースエステルフ
ィルムの製造装置の一例を示す工程図であり、図11
は、図10のスリットダイ6の断面図を示す。
【0177】セルロースエステルドープ液を調液するド
ープ液タンク1には、ドープ液1aが投入されており、
微粒子添加液タンク2、2’には、微粒子添加液2a、
2a’が各々、投入されている。(ここで、微粒子添加
液2a、2a’は同一組成でもよく、異なる組成でもよ
い)。
【0178】ドープ液1aは送液ポンプ4b、4c、4
eにより、インラインミキサー5a、5b5cまで送ら
れ、微粒子添加液2aはポンプ4aによってインライン
ミキサー5aに、微粒子添加液2a’は、ポンプ4fに
よってインラインミキサー5cに各々、送られる。イン
ラインミキサー5aでドープ液1aと微粒子添加液2a
は充分混合され、スリットダイ6のスリットaに送られ
る。また、インラインミキサー5cでドープ液1aと微
粒子添加液2a’は充分に混合され、スリットダイ6の
スリットcに送られる。
【0179】同様に、インラインミキサー5bで、ドー
プ液1aと紫外線吸収剤添加液3aは充分混合され、ス
リットダイ6のスリットbに送られる。
【0180】スリットダイ6により、真ん中の層は、ド
ープ液1aと微粒子添加液2aの混合液で構成され、上
下表面の層は、ドープ液1aと微粒子添加液2aの混合
液、ドープ液1aと微粒子添加液2a’の混合液と混合
された状態で流延口11から共流延され、ドラム7より
連続的に移動する流延ベルト8上に流延される。流延さ
れた3層からなるセルロースエステルドープ層は、乾燥
後、セルロースエステルフィルム10として、ローラ9
により流延ベルトから、剥離される。
【0181】本発明において、樹脂が溶解しているドー
プ液とは、セルロースエステル等の樹脂が溶剤(溶媒)
に溶解している状態であり、前記ドープ液には、可塑剤
等の添加剤を加えることが望ましく、勿論、必要により
この他の添加剤を加えることも出来る。ドープ液中の樹
脂の濃度としては、10質量%〜30質量%が好まし
く、更に好ましくは、15質量%〜25質量%である。
【0182】本発明で用いられる溶剤は、単独でも併用
でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用すること
が、生産効率の点で好ましく、更に好ましくは、良溶剤
と貧溶剤の混合比率は良溶剤が70質量%〜95質量%
であり、貧溶剤が30〜5質量%である。
【0183】本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、
使用する樹脂を単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨
潤するかまたは溶解しないものを貧溶剤と定義してい
る。そのため、セルロースエステルの置換度によって
は、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセトンを溶剤と
して用いるときには、セルロースアセテートの場合の酢
化度55%では良溶剤になり、酢化度60%では貧溶剤
となってしまう。
【0184】本発明に用いられる良溶剤としては、メチ
レンクロライド等の有機ハロゲン化合物や、酢酸メチ
ル、アセトン、ジオキソラン類が挙げられる。
【0185】また、本発明に用いられる貧溶剤として
は、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノー
ル、シクロヘキサン等が好ましく用いられる。
【0186】上記記載のドープ液を調製する時の、セル
ロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用
いることができるが、好ましい方法としては、セルロー
スエステルを貧溶剤と混合し、湿潤あるいは膨潤させ、
さらに良溶剤と混合する方法が好ましく用いられる。こ
のとき加圧下で、溶剤の常温での沸点以上でかつ溶剤が
沸騰しない範囲の温度で加熱し、攪拌しながら溶解する
方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を
防止するため、より好ましい。
【0187】キャスト工程における支持体はベルト状も
しくはドラム状のステンレスを鏡面仕上げした支持体が
好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の温度は一
般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で、流延す
ることができるが、0〜30℃の支持体上に流延するほ
うが、ドープをゲル化させ剥離限界時間をあげられるた
め好ましく、5〜15℃の支持体上に流延することがさ
らに好ましい。剥離限界時間とは透明で平面性の良好な
フィルムを連続的に得られる流延速度の限界において、
流延されたドープが支持体上にある時間をいう。剥離限
界時間は短い方が生産性に優れていて好ましい。
【0188】流延(キャスト)される側の支持体の表面
温度は、10〜55℃、溶液の温度は、25〜60℃、
更に溶液の温度を支持体の温度より0℃以上高くするの
が好ましく、5℃以上に設定するのが更に好ましい。溶
液温度、支持体温度は、高いほど溶媒の乾燥速度が速く
できるので好ましいが、あまり高すぎると発泡したり、
平面性が劣化する場合がある。
【0189】支持体の温度の更に好ましい範囲は、20
〜40℃、溶液温度の更に好ましい範囲は、35〜45
℃である。
【0190】また、剥離する際の支持体温度を10〜4
0℃、更に好ましくは、15〜30℃にすることでフィ
ルムと支持体との密着力を低減できるので、好ましい。
【0191】製造時のセルロースエステルフィルムが良
好な平面性を示すためには、支持体から剥離する際の残
留溶媒量は、10%〜150%が好ましく、更に好まし
くは、20%〜120%であり、特に好ましくは、30
%〜110%である。
【0192】本発明においては、残留溶媒量は下記式で
定義される。 残留溶媒量=(加熱処理前質量−加熱処理後の質量)/
(加熱処理後質量)×100% 尚、残留溶媒量を測定する最の、加熱処理とは、フィル
ムを115℃で1時間、加熱処理を行うことを表す。
【0193】支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力
は、通常200〜250N(Newton)/mで剥離
が行われるが、セルロースエステルの単位質量あたりの
紫外線吸収剤の含有量が多く、且つ、従来よりも薄膜化
されている本発明のセルロースエステルフィルムは、剥
離の際にシワが入りやすいため、剥離できる最低張力〜
170N/mで剥離することが好ましく、更に好ましく
は、最低張力〜140N/mで剥離することである。
【0194】また、セルロースエステルフィルムの乾燥
工程においては、支持体より剥離したフィルムを更に乾
燥し、残留溶媒量を3質量%以下にすることが好まし
い、更に好ましくは、0.5質量%以下である。
【0195】フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方
式か、ピンテンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥
する方式が採られる。液晶表示部材用としては、ピンテ
ンター方式で幅を保持しながら乾燥させることが、寸法
安定性を向上させるために好ましい。特に支持体より剥
離した直後の残留溶剤量の多いところで幅保持を行うこ
とが、寸法安定性向上効果をより発揮するため特に好ま
しい。フィルムを乾燥させる手段は特に制限なく、一般
的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行う。
簡便さの点で熱風で行うのが好ましい。乾燥温度は40
〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分けて、段々高
くしていくことが好ましく、80〜140℃の範囲で行
うことが寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
【0196】流延する支持体側(B面側)に用いられる
ドープまたは、空気側(A面側)に用いられるドープに
も少量の微粒子を添加することができ、フィルム表面の
すべり性を高める効果も期待される。すべり性は動摩擦
係数によって表現されるが、動摩擦係数としてはフィル
ム表面と裏面間の動摩擦係数で、JIS−K−7125
(1987)に準じて測定した場合に、1.5以下であ
ることがさらに好ましく、1.0以下であることがさら
に好ましく、0.5以下であることがさらに好ましい。
マット剤添加量を増やすことによって動摩擦係数は低く
することができる。
【0197】本発明のセルロースエステルフィルムの製
造では流延後剥離した後にテンター等の手段によって横
方向に延伸されることが好ましく、これによりより高い
平面性を維持させることができ、好ましい。これによっ
て、長期に渡って反りが発生しない防眩フィルムを得る
ことができる。テンターは残留溶媒量が3質量%〜40
質量%の範囲でかけることが望ましい。更に好ましく
は、10質量%〜35質量%である。残留溶媒量は前述
した式により溶媒を含むフィルムを115℃で1時間処
理した際の前後の質量変化と加熱処理後のフィルムの質
量から求められる。
【0198】又、本発明の方法で製造されたセルロース
エステルフィルムは光学的等方性にも優れ、膜厚方向の
リターデーション(Rt)値で100nm以下の光拡散
フィルムが得られ、50nm以下の光拡散フィルムも得
ることができ、更に、0〜30nmの光拡散フィルムも
得ることができる点で優れている。更に、本発明の方法
は均一なリターデーションが得られる点でも優れてい
る。
【0199】リターデーション(Rt)値は、以下の式
で表される。 Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d 式中、Nxはフィルムの製膜方向に平行な方向における
フィルムの屈折率、Nyは製膜方向に垂直な方向におけ
るフィルムの屈折率、Nzは厚み方向におけるフィルム
の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)を各々表す。
【0200】例えば、リターデーションの測定は自動複
屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)
製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で590n
mの波長において、3次元屈折率測定を行い、Nx,N
y,Nzを測定し、これによりRt値を算出することが
できる。
【0201】本発明の偏光板及び偏光板の作製について
説明する。本発明の偏光板は、請求項1のセルロースエ
ステルフィルム或いは、請求項2〜5のいずれか1項ま
たは請求項13に記載の防眩フィルムを用いて作製され
る。まず、防眩フィルムを、水酸化ナトリウム水溶液を
用いて表面鹸化処理を行う、ここで、防眩フィルムの反
射防止層や防汚層が設けられている面は、再剥離出来る
保護フィルム等を貼合する等の方法を用いてアルカリか
ら保護することが好ましい。
【0202】別に用意した偏光膜を用意し、鹸化処理し
た防眩フィルム面(反射防止層や防汚層の反対側の面)
に接着剤を用いて貼合し、偏光膜のもう一方の面にも、
適宜、セルロースエステルフィルムを貼合し、本発明の
偏光板を作製する。
【0203】尚、偏光板作製の詳細は、実施例に記載す
る。
【0204】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0205】実施例1 《ドープFの調製》まず、4kgの酸化珪素微粒子(1
次平均粒径1.0μm)、6kgの酸化珪素微粒子(1
次平均粒径2.5μm)をエタノール10kgに添加し
て分散し、微粒子分散液を調製した。次いで、微粒子分
散液の調製に用いた残りのエタノールと酸化珪素微粒子
以外の材料を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温
し撹拌しながら完全に溶解した後、濾過し、ここに上記
で調製した。微粒子分散液を添加して十分に混合した
後、再度濾過を行ない、ドープFを調製した。
【0206】《ドープA〜E、ドープG〜Iの調製》ド
ープ調製に用いる材料を表1に記載のように変更した以
外は、ドープFの調製と同様にして、ドープA〜E、ド
ープG〜Iを各々、調製した。
【0207】得られたドープA〜Iの組成物を表1に示
す。
【0208】
【表1】
【0209】《セルロースエステルフィルム1〜9の作
製》次に、各ドープA〜Iを各々、冷却して33℃に保
ち、表2に記載のように、3つのドープを組み合わせ
て、図11に記載のダイを用いて、3層構成となるよう
にステンレスバンド上に均一に流延して形成したウェブ
を33℃で5分間乾燥した。乾燥後の各層の膜厚(μ
m)は表2に示した。
【0210】ステンレスバンド上からウェブを剥離後、
80℃のロール搬送乾燥ゾーンで乾燥させた後、100
℃に維持されたテンターを用いて残留溶媒量が5質量%
になるように調整し、且つ、幅方向に1.06倍となる
ように延伸処理を施した。
【0211】更に、120℃で多数のロールで搬送させ
ながら乾燥させ、表2に示すようにセルロースエステル
フィルム1〜8を得た。また、ドープIのみを用いて、
単層構成となるようにした以外は同様にしてセルロース
エステルフィルム9を得た。又、ヘイズはASTM−D
1003−52に従って測定した。
【0212】
【表2】
【0213】《防眩フィルム1〜12の作製》上記で得
られたセルロースエステルフィルム1〜9の各々のB面
(流延の際にステンレスバンド側だった面をフィルムの
B面とし、その反対側をA面とする)に、下記の塗布組
成物(1)をウェット膜厚が13μmとなるように押し
出しコートして乾燥温度80℃で乾燥させてバックコー
ト層を設け、次いで、表3に記載のように、A面に、活
性線硬化樹脂層を各々設け、更に、下記に記載の活性線
硬化樹脂層の上に各々、下記に記載にように反射防止層
を設けて、防眩フィルム1〜12を得た。
【0214】 塗布組成物(1)(バックコート層用塗布組成物) アセトン 30質量部 酢酸エチル 45質量部 イソプロピルアルコール 10質量部 ジアセチルセルロース 0.5質量部 超微粒子シリカ2%アセトン分散液(アエロジル200V: 日本アエロジル(株)製) 0.11質量部 《活性線硬化樹脂層の塗設》表3に記載の各々のセルロ
ースエステルフィルム上への活性線硬化樹脂層の塗設は
下記の記載のように行った。
【0215】(活性線硬化樹脂層1の作製)セルロース
エステルフィルムのA面側に下記の塗布組成物(2)を
押し出しコートし、次いで80℃に設定された乾燥部で
乾燥した後、120mJ/cm2で紫外線照射し、膜厚
3μmの活性線硬化樹脂層1を設けた。
【0216】 塗布組成物(2) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20質量部 ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤 4質量部 メチルエチルケトン 75質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部 (活性線硬化樹脂層2の塗設)セルロースエステルフィ
ルムのA面側に下記の塗布組成物(3)を押し出しコー
トし、次いで80℃に設定された乾燥部で乾燥した後、
120mJ/cm2で紫外線照射し、膜厚2.5μmの
活性線硬化樹脂層2を設けた。
【0217】 塗布組成物(3) ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20質量部 ジメトキシベンゾフェノン光反応開始剤 4質量部 メチルエチルケトン 75質量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 75質量部 酸化珪素微粒子(アエロジルR972V: 日本アエロジル(株)製、1次平均粒径0.016μm) 3質量部 《反射防止層の形成:大気圧プラズマ放電処理により形
成》図9に記載のようなプラズマ放電処理装置(但し、
図9ではプラズマ放電処理容器の設置は一つだが、本実
施例では3つ使用する)を用い、下記に記載の反応性ガ
スを使用して大気圧プラズマ放電処理を行い、活性線硬
化樹脂層上に反射防止層を形成した。
【0218】以下にプラズマ放電処理装置の具体的な設
置条件を示す。ロール電極25として、冷却水による冷
却機能を有するステンレス製ジャケットロール母材(冷
却機能は図9には図示していない)に、セラミック溶射
によりアルミナを1mm被覆し、その後テトラメトキシ
シランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外
線照射により硬化させて封孔処理を行った誘電体を有す
るロール電極を製作しアース(接地)した。
【0219】一方、印加電極として用いる固定電極36
としては、中空角形のステンレスに対し、上記同様の誘
電体を同条件にて被覆し、対向する電極群とし、低屈折
率層、高屈折率層共に必要な膜厚が各々得られるように
調整した。
【0220】また、放電プラズマ発生に用いる使用電源
は、パール工業製高周波電源(800kHz)とし、1
2W/cm2の電力を供給した。但し、ロール電極は、
ドライブを用いて基材の搬送に同期して回転させた。
【0221】《反応性ガス》下記にプラズマ処理に用い
た混合ガス(反応性ガス)の組成を以下に記す。
【0222】(酸化錫層形成用) 不活性ガス:アルゴン(98.7体積%) 反応ガス1:水素ガス(1体積%) 反応ガス2:テトラブチル錫蒸気(0.3体積%) (酸化チタン層形成用) 不活性ガス:アルゴン(98.7体積%) 反応ガス1:水素ガス(1体積%) 反応ガス2:テトライソプロポキシチタン蒸気(0.3
体積%) (酸化珪素層形成用) 不活性ガス:アルゴン(98.7体積%) 反応ガス1:水素ガス(1体積%) 反応ガス2:テトラメトキシシラン蒸気(0.3体積
%) 反射防止層としては、活性線硬化樹脂層の上に連続的に
大気圧プラズマ処理して、順に、酸化錫層(屈折率1.
7、膜厚67nm、炭素含有量0.3質量%)、酸化チ
タン層(屈折率2.14、膜厚110nm、炭素含有量
0.4質量%)、酸化珪素層(屈折率1.44、膜厚8
7nm、炭素含有量0.2質量%)の3層を設けた。上
記の炭素含有量は、下記のように測定した。
【0223】《炭素含有率の測定》上記の反射防止層の
構成層である、酸化錫層、酸化チタン層、酸化珪素層の
各々の炭素含有率は、XPS(X線光電子分光)表面分
析装置を用いてその値を測定した。XPS(X線光電子
分光)表面分析装置としては、特に限定なく、いかなる
機種も使用することができるが、本発明では、VGサイ
エンティフィックス社製ESCALAB−200Rを用
いた。
【0224】測定において、X線アノードにはMgを用
い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電
流40mA)で測定した。エネルギー分解能は、清浄な
Ag3d5/2ピークの半値幅で規定したとき、1.5
〜1.7eVとなるように設定した。
【0225】また、測定前に、汚染による影響を除くた
めに、各防眩フィルム試料の膜厚の10〜20%の厚さ
に相当する表面層をエッチング除去を行った。表面層の
除去には、希ガスイオンを利用したイオン銃を用いるこ
とが好ましく、イオン種としては、He、Ne、Ar、
Xe、Krなどを適宜利用できるが、本測定では、Ar
イオンエッチングを用いて表面層を除去した。
【0226】先ず、結合エネルギー0eVから1100
eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定
し、いかなる元素が検出されるかを求めた。次に、検出
された、エッチングイオン種を除く全ての元素につい
て、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最
大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンを
おこない、各元素のスペクトルを測定した。得られたス
ペクトルは、測定装置、あるいは、コンピューターの違
いによる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするた
めに、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMO
N DATA PROCESSING SYSTEM
(Ver.2.3)上に転送した後、同ソフトで処理を
おこない、炭素含有率の値を原子数濃度(atomic
concentration)として求めた。
【0227】定量処理をおこなう前に、各元素について
Count Scaleのキャリブレーションをおこな
い、5ポイントのスムージング処理をおこなった。定量
処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強
度(cps*eV)を用いた。バックグラウンド処理に
は、Shirleyによる方法を用いた。Shirle
y法については、D.A.Shirley,Phys.
Rev.,B5,4709(1972)を参考にするこ
とができる。
【0228】《防眩フィルム13〜15の作製》防汚層
の作製に下記の反応性ガスを用い、全ての層で11W/
cm2の電力を印加してプラズマ放電処理した以外は、
上記の防眩フィルム1〜12と同様にして、反射防止層
上に防汚層を有する防眩フィルム13〜15を作製し
た。
【0229】ここで、大気圧プラズマ処理によって活性
線硬化樹脂層の上に形成された、各層の屈折率、膜厚
(μm)、炭素含有量は下記のように、順に、酸化錫層
(屈折率1.7、膜厚68nm、炭素含有量0.4質量
%)、酸化チタン層(屈折率2.14、膜厚106n
m、炭素含有量0.5質量%)、酸化珪素層(屈折率
1.46、膜厚75nm、炭素含有量0.4質量%)、
防汚層(屈折率1.33、膜厚10nm)である。
【0230】《反応性ガス》下記にプラズマ処理に用い
た混合ガス(反応性ガス)の組成を以下に記す。
【0231】(酸化錫層形成用) 不活性ガス:アルゴン(98.7体積%) 反応ガス1:水素ガス(1体積%) 反応ガス2:テトラブチル錫蒸気(0.3体積%) (酸化チタン層形成用) 不活性ガス:アルゴン(98.7体積%) 反応ガス1:水素ガス(1体積%) 反応ガス2:テトライソプロポキシチタン蒸気(0.3
体積%) (酸化珪素層形成用) 不活性ガス:アルゴン(98.7体積%) 反応ガス1:水素ガス(1体積%) 反応ガス2:テトラメトキシシラン蒸気(0.3体積
%) (防汚層形成用) 不活性ガス:アルゴン(98.7体積%) 反応ガス1:水素ガス(1体積%) 反応ガス2:6フッ化プロピレン(0.3体積%) 防汚層の形成は、セルロースエステルフィルム3または
5のA面側(凹凸面を有する側)に設けた酸化珪素層の
上に行った。使用電源として、日本電子製高周波電源を
使用し、連続周波数を13.56MHz、15W/cm
2の電力を供給し、プラズマ処理に用いた混合ガス(反
応ガス)の組成を上記のようにした以外は同様にして、
防汚層を形成した。
【0232】《防眩フィルム16の作製》下記の酸化錫
層形成用の反応性ガスを用い、大気圧プラズマ処理によ
り、膜厚100nmの酸化錫層を帯電防止層として形成
した。その上に活性線硬化樹脂層1を膜厚が2μmにな
るように塗設した。更にその上に、順に酸化チタン層
(屈折率2.2、膜厚13nm、炭素含有量0.3質量
%)、酸化珪素層(屈折率1.46、膜厚35nm、炭
素含有量0.3質量%)、酸化チタン層(屈折率2.
2、膜厚122nm、炭素含有量0.3質量%)、酸化
珪素層(屈折率1.46、膜厚88nm、炭素含有量
0.3質量%)の4層を設け、反射防止層とした。更に
その上に膜厚10nmの防汚層を設け、防眩フィルム1
6とした。このフィルムの表面の比抵抗は1010Ω/c
2であった。
【0233】(酸化錫層形成用) 不活性ガス:アルゴン(97.7質量%) 反応ガス1:酸素ガス(2質量%) 反応ガス2:テトラブチル錫蒸気(0.3質量%) (酸化チタン層形成用) 不活性ガス:アルゴン(97.7質量%) 反応ガス1:酸素ガス(2質量%) 反応ガス2:テトライソプロポキシチタン蒸気(0.3
質量%) (酸化珪素層形成用) 不活性ガス:アルゴン(97.7質量%) 反応ガス1:酸素ガス(2質量%) 反応ガス2:テトラメトキシシラン蒸気(0.3質量
%) (防汚層形成用) 不活性ガス:アルゴン(98.7質量%) 反応ガス1:水素ガス(1質量%) 反応ガス2:6フッ化プロピレン(0.3質量%) 《表面比抵抗》防眩フィルム16を23℃、55%RH
の条件のもとで、6時間調湿した後、同条件で塗膜の表
面の表面比抵抗値を絶縁抵抗測定器(川口電気社製VE
−30型)を用いて測定した。測定に用いた電極は、2
本の電極(試料と接触する部分が1cm×5cm)を間
隔を1cmで平行に配置し、該電極に試料を接触させて
測定し、測定値を5倍にした値を表面比抵抗値Ω/cm
2とした上記の防眩フィルム1〜16について、下記の
ような評価を行った。
【0234】《ヘイズ(濁度)の測定》フィルム試料1
枚で、ASTM−D1003−52に従って測定した。
【0235】《反射率の測定》分光反射率は分光光度計
U−4000型(日立製作所製)を用いて、5度正反射
の条件にて反射率の測定を行った。測定は、観察側の裏
面を粗面化処理した後、黒色のスプレーを用いて光吸収
処理を行い、フィルム裏面での光の反射を防止して、反
射率(400nm〜700nmの波長について)の測定
を行った。また、450〜650nmの平均反射率を求
めた。
【0236】《耐擦傷性の測定》スチールウール#00
0を、250g/cm2の荷重をかけて押し付け10回
往復運動後、擦り傷の入る本数を測定し、下記のように
ランク評価した。
【0237】 A:0〜3本 B:4〜10本(実用可) C:11〜20本 D:21本以上 《中心線平均粗さ(Ra)》:JIS B 0601に
規定の数値 光学干渉式表面粗さ計RST/PLUS(WYKO社
製)を使用して、1.2mm×0.9mmの面積に対し
て、活性線硬化樹脂層面の中心線平均粗さRaを求め
た。
【0238】《視認性評価》防眩フィルムの視認性につ
いては、防眩フィルム1〜16を用いて下記のようにし
て偏光板1〜16を各々作製し、それらの偏光板を液晶
表示パネルに組み込み、視認性を評価した。
【0239】(偏光板1の作製) (a)厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルム
をヨウ素1kg、ヨウ化カリウム2kg、ホウ酸4kg
を含む水溶液100kgに浸漬し50℃で4倍に延伸し
偏光膜を作製した。
【0240】(b)長手方向30cm、巾手方向18c
mに切り取った防眩フィルム1及びセルロースエステル
フィルム9の試料を2mol/lの水酸化ナトリウム溶
液に60℃で1分間浸漬し、さらに水洗、乾燥させた。
防眩フィルムの反射防止層または、防汚層面はポリエス
テル製の保護フィルム(膜厚30μm)を張り付けてア
ルカリから保護した。
【0241】(c)防眩フィルムと同サイズの上記偏光
膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中
に1〜2秒間浸漬させた。
【0242】(d)上記の偏光膜に付着した過剰の接着
剤を軽く取り除き、上記の防眩フィルム試料の反射防止
層の反対面にのせて、さらに、セルロースエステルフィ
ルム9と接着剤とが接する様に積層し配置した。
【0243】(e)ハンドローラで上記で積層された偏
光膜と防眩フィルム、セルロースエステルフィルムとの
積層物の端部から過剰の接着剤及び気泡を取り除きはり
合わせる。ハンドローラの圧力は約0.2〜0.3MP
a、ローラスピードは約2m/分とした。
【0244】(f)80℃の乾燥器中に(e)で得た試
料を2分間放置し、偏光板1を作製した。
【0245】防眩フィルム1を防眩フィルム2〜16に
変更した以外は同様にして、防眩フィルム2〜16を用
いた偏光板2〜16を作製した。ここで、比較の偏光板
は、防眩フィルム8、9(比較)を用いて作製した、偏
光板8、9である。
【0246】得られた偏光板1〜16を下記のように評
価した。MultiSync LCD1525J 型名
LA−1529HMの最表面の偏光板を注意深く剥離
し、ここに偏光方向を合わせた本発明の偏光板1〜16
を張り付けた。それぞれの液晶表示パネルについて、目
視にて観察した結果、本発明の偏光板を用いた液晶表示
パネルは、比較例の偏光板8、9を用いた液晶表示パネ
ルに対し反射光のむらもなく、下記のように細かい文字
まで読みとりやすく、表示性能に優れていることが確認
された。特に比較の偏光板8、9はぎらつきの為に文字
の読み取りが困難であった。
【0247】(視認性評価方法)画面上にワープロソフ
ト(MS Word(マイクロソフト社製))で文字フ
ォントの大きさを変更して表示させて、画面の放線方向
に対して横に50゜の角度から50cm離れて文字の読
みとりを行ない、下記のようにランク評価した。
【0248】 A:フォントのサイズ8まで鮮明に読みとれた B:フォントのサイズ8でなんとか読みとれた C:フォントのサイズ10でなんとか読みとれた D:フォントのサイズ10で読みとれない文字があった 得られた結果を表3に示す。
【0249】
【表3】
【0250】表3から、本発明の試料は、耐擦傷性が良
好であり、且つ、優れた視認性を示すことが明らかであ
る。
【0251】
【発明の効果】本発明により、良好な耐擦傷性を有し、
且つ、優れた視認性を示すセルロースエステルフィル
ム、それを用いた防眩フィルム、それらの製造方法及び
偏光板を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防眩フィルムの一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の防眩フィルムの一例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の防眩フィルムの一例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明に用いられるプラズマ放電処理装置の一
例を示す概略図である。
【図5】本発明に用いられるプラズマ放電処理装置の一
例を示す概略図である。
【図6】(a)、(b)は各々、本発明に係るプラズマ
放電処理に用いられる円筒型のロール電極の一例を示す
概略図である。
【図7】(a)、(b)は各々、本発明に係るプラズマ
放電処理に用いられる固定型の円筒型電極の一例を示す
概略図である。
【図8】(a)、(b)は各々、本発明に係るプラズマ
放電処理に用いられる固定型の角柱型電極の一例を示す
概略図である。
【図9】本発明に用いられるプラズマ放電処理装置の一
例を示す概念図である。
【図10】本発明のセルロースエステルフィルムの製造
装置の一例を示す工程図である。
【図11】本発明のセルロースエステルフィルムの製造
方法で用いられるスリットダイの一例の断面図を示す。
【符号の説明】 1 ドープ液タンク 1a ドープ液 2、2’ 微粒子添加液タンク 2a、2a’ 微粒子添加液 3 タンク 3a 紫外線吸収剤添加液 4a、4b、4c、4d、4e、4f ポンプ 5a、5b、5c インラインミキサー 6 スリットダイ 7 ドラム 8 流延ベルト 9 ローラ 10 セルロースエステルフィルム 11 流延口 12 スリット 13 スリット 25、25c、25C ロール電極 26、26c、26C、36、36c、36C 電極 25a、25A、26a、26A、36a、36A 金
属等の導電性母材 25b、26b、36b セラミック被覆処理誘電体 25B、26B、36B ライニング処理誘電体 31 プラズマ放電処理容器 41 電源 51 ガス発生装置 52 給気口 53 排気口 60 電極冷却ユニット 61 元巻き基材 65、66 ニップローラ 64、67 ガイドローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2H049 BA02 BB33 BB63 BC09 BC22 2K009 AA02 AA12 BB28 CC01 CC03 CC09 DD02 DD17 4F100 AA17C AA37C AJ06A AK01B AR00C BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA44 DE01A EH90A EJ86A GB90 JB14B JK15B JN01A JN06C JN10 JN30 YY00A YY00B 4F205 AA01 AB11 AC05 AE10 AF15 GA07 GB26 GC07 GW05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の面が微粒子含有層を表
    層として有し、且つ、ヘイズが3%〜30%未満である
    ことを特徴とするセルロースエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のセルロースエステルフ
    ィルムの微粒子含有層上に、直接またはその他の層を介
    して活性線硬化樹脂層を有することを特徴とする防眩フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】 活性線硬化樹脂層上に反射防止層を有す
    ることを特徴とする請求項2に記載の防眩フィルム。
  4. 【請求項4】 反射防止層が炭素含有量0.2質量%〜
    5質量%の金属酸化物層を含むことを特徴とする請求項
    3に記載の防眩フィルム。
  5. 【請求項5】 活性線硬化樹脂層の、JIS B 06
    01で規定される、中心線平均粗さRaが0.1μm〜
    0.5μmであることを特徴とする請求項2〜4のいず
    れか1項に記載の防眩フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか1項に記載の防
    眩フィルムを有することを特徴とする偏光板。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のセルロースエステルフ
    ィルムを製造するに当たり、少なくとも2種のドープ
    A、Bを使用し、ドープA、Bを支持体上に同時または
    逐次流延してウェブを形成する工程、次いで、該ウェブ
    を剥離後乾燥させる工程を有し、且つ、該支持体側(B
    面側ともいう)に接しているドープBと空気側(A面側
    ともいう)に位置しているドープAの少なくとも一方に
    微粒子を添加する工程を有することを特徴とするセルロ
    ースエステルフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 ドープAまたはB中の微粒子の含有量
    が、ドープ中に含まれる固形分の0.5質量%を超え7
    0質量%以下であることを特徴とする請求項7に記載の
    セルロースエステルフィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のセルロースエステルフ
    ィルムを製造するに当たり、樹脂と微粒子とを含有する
    ドープをセルロースエステル支持体上に流延する工程を
    経て製造されたことを特徴とするセルロースエステルフ
    ィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれか1項に記載の
    製造方法で製造されたセルロースエステルフィルム上
    に、直接または、他の層を介して、JIS B0601
    で規定される、中心線平均粗さRaが0.1μm〜0.
    5μmである活性線硬化樹脂層を形成することを特徴と
    する防眩フィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 活性線硬化樹脂層上にプラズマ処理に
    より金属酸化物層を形成することを特徴とする請求項1
    0に記載の防眩フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 対向する電極間に電源周波数が100
    kHzを超える周波数で、1W/cm2以上の電力で放
    電させて形成されたプラズマを用いて大気圧プラズマ処
    理を行うことを特徴とする請求項11に記載の防眩フィ
    ルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12のいずれか1項に記
    載の防眩フィルムの製造方法を用いて製造されたことを
    特徴とする防眩フィルム。
JP2001216657A 2001-07-17 2001-07-17 セルロースエステルフィルム、防眩フィルム、それらの製造方法及び偏光板 Pending JP2003025504A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001216657A JP2003025504A (ja) 2001-07-17 2001-07-17 セルロースエステルフィルム、防眩フィルム、それらの製造方法及び偏光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001216657A JP2003025504A (ja) 2001-07-17 2001-07-17 セルロースエステルフィルム、防眩フィルム、それらの製造方法及び偏光板

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011047300A Division JP2011187445A (ja) 2011-03-04 2011-03-04 誘電体被覆電極及びプラズマ放電処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003025504A true JP2003025504A (ja) 2003-01-29

Family

ID=19051109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001216657A Pending JP2003025504A (ja) 2001-07-17 2001-07-17 セルロースエステルフィルム、防眩フィルム、それらの製造方法及び偏光板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003025504A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005125771A (ja) * 2003-09-30 2005-05-19 Nippon Paper Industries Co Ltd ハードコートフィルム及びその製造方法
JP2005234554A (ja) * 2004-01-23 2005-09-02 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置
JP2006145736A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Konica Minolta Opto Inc 防眩性反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置
WO2008140283A1 (en) 2007-05-16 2008-11-20 Lg Chem, Ltd. Composition for anti-glare film and anti-glare film prepared using the same
JP2009098666A (ja) * 2007-09-27 2009-05-07 Fujifilm Corp 反射防止フィルム、偏光板、画像表示装置、および反射防止フィルム用透明支持体の製造方法
JP2010256888A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Fujifilm Corp 防眩フィルムの製造方法、防眩フィルム、偏光板、画像表示装置及び透過型/半透過型液晶表示装置
JP2011008296A (ja) * 2010-09-29 2011-01-13 Konica Minolta Opto Inc 防眩性反射防止フィルムの製造方法
JP2011142260A (ja) * 2010-01-08 2011-07-21 Ulvac Japan Ltd エッチング装置
US8325293B2 (en) 2009-03-30 2012-12-04 Fujifilm Corporation Production method of light scattering film, light scattering film, polarizing plate, image display device, and transmissive/semi-transmissive liquid crystal display device
US8325296B2 (en) 2009-03-30 2012-12-04 Fujifilm Corporation Light-transmitting substrate, optical film, polarizing plate and image display device
US8643808B2 (en) 2009-04-30 2014-02-04 Fujifilm Corporation Light-scattering substrate, method for manufacturing light-scattering substrate, polarizing plate and image display device
US9297933B2 (en) 2012-04-19 2016-03-29 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Antiglare film, polarizer and image display device
JP2020056866A (ja) * 2018-10-01 2020-04-09 Agc株式会社 ガラス積層体、ディスプレイ用前面板および表示装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000214302A (ja) * 1999-01-20 2000-08-04 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止フィルム及びその製造方法
JP2001071418A (ja) * 1999-09-07 2001-03-21 Fuji Photo Film Co Ltd セルロースエステルフィルム及びその製造方法
JP2001091705A (ja) * 1999-07-22 2001-04-06 Konica Corp 光学用フィルム及びその製造方法
JP2001100006A (ja) * 1999-09-29 2001-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性反射防止フィルムおよび画像表示装置
JP2002131507A (ja) * 2000-10-24 2002-05-09 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性反射防止フィルムおよび偏光板
JP2002267814A (ja) * 2001-03-14 2002-09-18 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性フィルムおよび画像表示装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000214302A (ja) * 1999-01-20 2000-08-04 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止フィルム及びその製造方法
JP2001091705A (ja) * 1999-07-22 2001-04-06 Konica Corp 光学用フィルム及びその製造方法
JP2001071418A (ja) * 1999-09-07 2001-03-21 Fuji Photo Film Co Ltd セルロースエステルフィルム及びその製造方法
JP2001100006A (ja) * 1999-09-29 2001-04-13 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性反射防止フィルムおよび画像表示装置
JP2002131507A (ja) * 2000-10-24 2002-05-09 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性反射防止フィルムおよび偏光板
JP2002267814A (ja) * 2001-03-14 2002-09-18 Fuji Photo Film Co Ltd 防眩性フィルムおよび画像表示装置

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005125771A (ja) * 2003-09-30 2005-05-19 Nippon Paper Industries Co Ltd ハードコートフィルム及びその製造方法
JP2005234554A (ja) * 2004-01-23 2005-09-02 Fuji Photo Film Co Ltd 反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置
JP2006145736A (ja) * 2004-11-18 2006-06-08 Konica Minolta Opto Inc 防眩性反射防止フィルム、偏光板および画像表示装置
KR101044839B1 (ko) 2007-05-16 2011-06-28 주식회사 엘지화학 눈부심 방지 필름용 조성물 및 이를 이용하여 제조된눈부심 방지 필름
WO2008140283A1 (en) 2007-05-16 2008-11-20 Lg Chem, Ltd. Composition for anti-glare film and anti-glare film prepared using the same
EP2147073A1 (en) * 2007-05-16 2010-01-27 LG Chem, Ltd. Composition for anti-glare film and anti-glare film prepared using the same
JP2010527046A (ja) * 2007-05-16 2010-08-05 エルジー・ケム・リミテッド アンチグレアフィルム用組成物およびそれを用いて製造したアンチグレアフィルム
US8216669B2 (en) 2007-05-16 2012-07-10 Lg Chem, Ltd. Composition for anti-glare film and anti-glare film prepared using the same
EP2147073A4 (en) * 2007-05-16 2011-11-09 Lg Chemical Ltd COMPOSITION FOR ANTIREFLECTION FILM AND ANTIREFLECTION FILM THUS OBTAINED
JP2009098666A (ja) * 2007-09-27 2009-05-07 Fujifilm Corp 反射防止フィルム、偏光板、画像表示装置、および反射防止フィルム用透明支持体の製造方法
JP2010256888A (ja) * 2009-03-30 2010-11-11 Fujifilm Corp 防眩フィルムの製造方法、防眩フィルム、偏光板、画像表示装置及び透過型/半透過型液晶表示装置
US8325293B2 (en) 2009-03-30 2012-12-04 Fujifilm Corporation Production method of light scattering film, light scattering film, polarizing plate, image display device, and transmissive/semi-transmissive liquid crystal display device
US8325296B2 (en) 2009-03-30 2012-12-04 Fujifilm Corporation Light-transmitting substrate, optical film, polarizing plate and image display device
US8330895B2 (en) 2009-03-30 2012-12-11 Fujifilm Corporation Method of making antiglare film, antiglare film, polarizing plate, image display device, and transmissive/semi-transmissive liquid crystal display
US8643808B2 (en) 2009-04-30 2014-02-04 Fujifilm Corporation Light-scattering substrate, method for manufacturing light-scattering substrate, polarizing plate and image display device
JP2011142260A (ja) * 2010-01-08 2011-07-21 Ulvac Japan Ltd エッチング装置
JP2011008296A (ja) * 2010-09-29 2011-01-13 Konica Minolta Opto Inc 防眩性反射防止フィルムの製造方法
US9297933B2 (en) 2012-04-19 2016-03-29 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Antiglare film, polarizer and image display device
JP2020056866A (ja) * 2018-10-01 2020-04-09 Agc株式会社 ガラス積層体、ディスプレイ用前面板および表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4254236B2 (ja) 薄膜形成方法
JP2002322558A (ja) 薄膜形成方法、光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP4419407B2 (ja) 防眩性反射防止層の形成方法及び防眩性反射防止フィルムの製造方法
JP2005208290A (ja) 防汚性光学薄膜、防汚性反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板、表示装置
JP2003025504A (ja) セルロースエステルフィルム、防眩フィルム、それらの製造方法及び偏光板
JP4000830B2 (ja) プラズマ放電処理装置
JP2009025604A (ja) 偏光板保護フィルム、その製造方法及び製造装置、並びに偏光板、その製造方法及び表示装置
JP4281304B2 (ja) 光学フィルム、その製造方法、それを用いた偏光板及び表示装置
JP2003201570A (ja) 大気圧プラズマ処理装置、大気圧プラズマ処理方法及びそれを用いて作製した長尺フィルム
JP2006299000A (ja) 表面処理方法、プラズマ放電処理装置、防眩性フィルム及び防眩性低反射フィルム
JP4556357B2 (ja) 低反射偏光板及びそれを用いた表示装置
JP2004258348A (ja) 防汚処理された光学フィルムおよび該光学フィルムを表面に有する画像表示装置
JP4356278B2 (ja) 表面処理方法、防眩層の形成方法、防眩層フィルム及び防眩性低反射フィルム
JPWO2008050576A1 (ja) 防眩性フィルム、防眩性フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置
JP2003053882A (ja) 光学フィルム、その製造方法、反射防止フィルム、偏光板
JP4325183B2 (ja) プラズマ放電処理装置及びプラズマ放電処理方法
JP4572499B2 (ja) 光学フィルム及びその製造方法、それを用いた偏光板、表示装置
JP2003337202A (ja) 反射防止フィルム、それを有する表示装置及び光学フィルムの製造方法
JP2006306909A (ja) 表面処理方法、表面処理装置、防眩層の形成方法、防眩性フィルム、及び、防眩性低反射フィルム
JP2002228803A (ja) 低反射積層体の製造方法及び低反射積層体
JP2011187445A (ja) 誘電体被覆電極及びプラズマ放電処理装置
JP2003231765A (ja) 反射防止フィルムの製造方法、その方法で製造された反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板
JP2003232920A (ja) 光学フィルム及びその製造方法
JP2003154615A (ja) 機能性薄膜を有するポリエステルフィルム及び機能性薄膜の形成方法、機能性薄膜積層体、光学フィルム及び画像表示素子
JP4110777B2 (ja) 積層体とそれを用いた楕円偏光板及び表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110510