JP2003231765A - 反射防止フィルムの製造方法、その方法で製造された反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板 - Google Patents

反射防止フィルムの製造方法、その方法で製造された反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板

Info

Publication number
JP2003231765A
JP2003231765A JP2002033859A JP2002033859A JP2003231765A JP 2003231765 A JP2003231765 A JP 2003231765A JP 2002033859 A JP2002033859 A JP 2002033859A JP 2002033859 A JP2002033859 A JP 2002033859A JP 2003231765 A JP2003231765 A JP 2003231765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antireflection film
cellulose ester
film
antireflection
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002033859A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroto Ito
博人 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2002033859A priority Critical patent/JP2003231765A/ja
Publication of JP2003231765A publication Critical patent/JP2003231765A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平面性に優れ、カールの少ない平らな、且つ
生産性の高い反射防止フィルムを製造する方法、それに
より製造された反射防止フィルム及び該反射防止フィル
ムを用いた偏光板を提供する。 【解決手段】 有機溶媒可溶性の添加剤を含有し、該添
加剤の少なくとも1種が厚さ方向に濃度勾配を有するセ
ルロースエステルフィルムの該添加剤濃度の高い側の面
に、大気圧プラズマ放電処理装置を用いて、プラズマ状
態とした反応ガスに、該セルロースエステルフィルム面
をさらすことによって反射防止層を形成させて反射防止
フィルムを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面性に優れ、カ
ールの小さなセルロースエステルフィルムの上に反射防
止層を有する反射防止フィルムの製造方法、それによっ
て製造された反射防止フィルム、及びそれを使用した平
面性に優れ、安定な偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、液晶画像表示装置、プラズマディ
スプレイ、有機EL画像表示装置等において、反射防止
フィルムが多く使用されるようになって来た。従来の反
射防止フィルムとしては、塗布方式によるものと蒸着方
式によるものとがある。前者は有機溶媒を使用するため
塗布後にセルロースエステルフィルム中の添加剤の分布
が変化してしまい、反射防止フィルムのカール及び平面
性の挙動が変化してしまうことがあり、また、有機溶媒
の放出など環境的な課題もある。後者はバッチ式である
ため、真空にする減圧時間及び常圧へ戻す時間が非常に
かかり生産性に課題がある。特に平面性が悪く、またカ
ールが大きなセルロースエステルフィルムを使用した反
射防止フィルムを、表示素子として組み込んだ場合に、
見る角度によって反射性が異なって見えたり、画像がゆ
がんで見えたりし出来るだけ平らな、平面性に優れたセ
ルロースエステルフィルムを使用するが求められてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の課題に鑑み検討したものであり、平面性に優れ、カー
ルの少ない平らな反射防止フィルムを生産性高く製造出
来る方法、製造された反射防止フィルム、更に該反射防
止フィルムを組み込んだ偏光板を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等はセルロース
エステルフィルムに含まれる添加剤の量をフィルムの厚
さ方向で分布を持たせることで、平面性に優れ、カール
の小さい平らなセルロースエステルフィルムを得ること
が出来ることを見出した。
【0005】先に本出願人により(特開2001−13
1301)、添加剤の厚さ方向に分布を有することによ
りセルロースエステルフィルムが透湿性、寸法安定性、
製造時の剥離性を向上させることが明らかになってい
る。
【0006】本発明は、上記特開2001−13130
1に記載されていることより更に分析技術が進み、添加
剤のうちリン酸系の可塑剤の濃度分布が物性に影響を与
え、リン酸エステル系以外の可塑剤はセルロースエステ
ルフィルムの製膜中に移動しにくく濃度分布が形成され
にくいということがわかって来た。また添加剤の1種と
しての紫外線吸収剤はむしろ動きにくい化合物であるこ
ともわかって来た。このようなセルロースエステルフィ
ルムを使用して、反射防止フィルムの製造方法を検討し
ていた過程で、大気圧プラズマ放電処理装置を用いてセ
ルロースエステルフィルムの上に反射防止層を形成する
ことが他の方法に比べ優れた反射防止フィルムを得るこ
とが出来ることがわかった。
【0007】本発明は下記の構成よりなる。 (1) 大気圧もしくはその近傍の圧力で対向する電極
間に高周波電圧を印加し、該電極間に希ガス及び反応性
ガスを含有する反応ガスを導入してプラズマ状態となっ
た反応ガスに基材をさらすことによって、反射防止層を
形成する反射防止フィルムの製造方法において、基材が
セルロースエステルフィルムであって、該セルロースエ
ステルフィルムが有機溶媒可溶性の添加剤を含有し、該
添加剤の少なくとも1種が該セルロースエステルフィル
ムの厚さ方向に濃度勾配を有し、該濃度勾配を有する添
加剤の濃度の高い側の面に該反射防止層を形成すること
を特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
【0008】(2) 大気圧もしくはその近傍の圧力で
対向する電極間に高周波電圧を印加し、該電極間に希ガ
ス及び反応性ガスを含有する反応ガスを導入してプラズ
マ状態となった反応ガスに基材をさらすことによって、
反射防止層を形成する反射防止フィルムの製造方法にお
いて、基材がセルロースエステルフィルムであって、該
セルロースエステルフィルムが有機溶媒可溶性の添加剤
を含有し、該添加剤の少なくとも1種が該セルロースエ
ステルフィルムの厚さ方向に濃度勾配を有し、また他の
少なくとも1種の添加剤の該セルロースエステルフィル
ムの厚さ方向の濃度がほぼ均一な分布を有し、該濃度勾
配を有する添加剤の濃度の高い側の面に該反射防止層を
形成することを特徴とする反射防止フィルムの製造方
法。
【0009】(3) 大気圧もしくはその近傍の圧力で
対向する電極間に高周波電圧を印加し、該電極間に希ガ
ス及び反応性ガスを含有する反応ガスを導入してプラズ
マ状態となった反応ガスに基材をさらすことによって、
反射防止層を形成する反射防止フィルムの製造方法にお
いて、基材がセルロースエステルフィルムであって、該
セルロースエステルフィルムが有機溶媒可溶性の添加剤
を含有し、該添加剤の少なくとも1種が該セルロースエ
ステルフィルムの両表面で異なった濃度を有し、該添加
剤の濃度の高い側の面の反対面に該反射防止層を形成す
ることを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
【0010】(4) 前記有機溶媒可溶性の添加剤の濃
度が高い面側の濃度がその反対面側に対し1.05〜1
0.0の濃度比を有することを特徴とする(1)乃至
(3)の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方
法。
【0011】(5) 前記濃度比が1.1〜5であるこ
とを特徴とする(4)に記載の反射防止フィルムの製造
方法。
【0012】(6) 前記濃度比が1.3〜3であるこ
とを特徴とする(4)または(5)に記載の反射防止フ
ィルムの製造方法。
【0013】(7) 前記濃度が高い面側の有機溶媒可
溶性の添加剤がリン酸エステル系の可塑剤であることを
特徴とする(1)乃至(6)の何れか1項に記載の反射
防止フィルムの製造方法。
【0014】(8) 前記厚さ方向の濃度がほぼ均一で
ある有機溶媒可溶性の添加剤が非リン酸エステル系の可
塑剤または紫外線吸収剤であることを特徴とする(2)
乃至(7)の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製
造方法。
【0015】(9) 前記セルロースエステルフィルム
に含まれる全可塑剤濃度が1〜30質量%であることを
特徴とする(7)または(8)に記載の反射防止フィル
ムの製造方法。
【0016】(10) 前記セルロースエステルフィル
ムの上に直接または他の層を介してセルロースエステル
フィルム側から中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層
の順に反射防止層を積層することを特徴とする(1)乃
至(9)の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製造
方法。
【0017】(11) 前記中屈折率層が少なくとも酸
化錫を含有していることを特徴とする(10)に記載の
反射防止フィルムの製造方法。
【0018】(12) 前記高屈折率層が少なくとも酸
化チタンを含有していることを特徴とする(10)また
は(11)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0019】(13) 前記低屈折率層が少なくと酸化
珪素を含有していることを特徴とする(10)乃至(1
2)の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方
法。
【0020】(14) 前記低屈折率層が少なくともフ
ッ素を含有していることを特徴とする(10)乃至(1
3)の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方
法。
【0021】(15) 該反射防止層の最上層に防汚層
を有することを特徴とする(1)乃至(14)の何れか
1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0022】(16) 前記高周波電圧を、100kH
zを超え、150MHz以下の周波数とし、且つ電力を
1〜50W/cm2で供給することを特徴とする(1)
乃至(15)の何れか1項に記載の反射防止フィルムの
製造方法。
【0023】(17) 前記高周波電圧が、連続したサ
イン波であることを特徴とする(1)乃至(16)の何
れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0024】(18) 前記電極に供給する全電力を、
15kWを越え、300kW以下とすることを特徴とす
る(1)乃至(17)の何れか1項に記載の反射防止フ
ィルムの製造方法。
【0025】(19) (1)乃至(18)の何れか1
項に記載の方法で製造されたことを特徴とする反射防止
フィルム。
【0026】(20) (19)に記載の反射防止フィ
ルムを使用した偏光板。以下本発明を詳述する。
【0027】先ず、本発明に係るセルロースエステルフ
ィルムについて説明する。セルロースエステルフィルム
に使用するセルロースエステルのアシル基は炭素原子数
は4以下が好ましい。本発明におけるセルロースエステ
ルのアシル基の置換度は、2.50〜2.98である。
アシル基が、セルロースの水酸基を無水酢酸及びまたは
無水プロピオン酸、または無水酢酸及び/または無水酪
酸を用いて常法の反応によりアセチル基及び/またはプ
ロピオニル基、またはアセチル基及び/またはブチリル
基の全アシル基を上記の範囲内に置換したものである。
具体的には、セルロースジアセテート、セルロースアセ
テート(本発明ではセルロースジアセテートとセルロー
ストリアセテートとの間にある置換度のものをいう)、
セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロ
ピオネート、セルロースプロピオネート、セルロースア
セテートブチレート、セルロースブチレート等が挙げる
ことが出来、何れも好ましく用いることが出来る。セル
ロースアセテートプロピオネートまたはセルロースアセ
テートブチレートの場合、アセチル基の置換度として
は、フィルムの機械的強度の点から1.4以上が好まし
い。セルロースエステルの合成方法は、特に限定はない
が、例えば、特開平10−45804号公報に記載の方
法で合成することが出来る。アシル基の置換度の測定方
法は、ASTM−D817−96により測定することが
出来る。
【0028】本発明に用いられるセルロースエステルの
原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リ
ンターや木材パルプ(広葉樹または針葉樹からの)、ケ
ナフなどいずれの原料セルロースから得られるセルロー
スエステルでも使用出来るし、任意の比率で混合使用し
てもよい。綿花リンターからのセルロースエステルは、
溶液流延製膜において、ウェブの流延支持体からの剥離
が容易であることから、セルロースエステルの主成分と
して使用されてきたが、若干高価であるため、より安価
な木材パルプからのセルロースエステルを主として綿花
リンターからのものと混合したり、あるいは木材パルプ
からのもののみで製膜することが行われる場合がある。
木材パルプからのセルロースエステルを主として使用し
て製膜するとウェブの剥離がスムースでないが、製膜方
法を工夫すれば容易に剥離することが出来る。ここで、
木材パルプからのセルロースエステルを主として使用す
るということは、セルロースエステルフィルムの全セル
ロースエステルに対する木材パルプからのものを50質
量%以上含有することである。
【0029】本発明に係るセルロースエステルの数平均
分子量は、反射防止フィルムとして好ましい機械的強度
を得るためには、70,000〜300,000が好ま
しく、更に80,000〜200,000が好ましい。
【0030】本発明に係るセルロースエステルフィルム
は上記セルロースエステルを有機溶媒に溶解したドープ
を用いて溶液流延製膜方法により製膜される。
【0031】上記のセルロースエステルドープは、これ
らに対して溶解性を有する良溶媒に溶解したセルロース
エステル溶液、また良溶媒とセルロースエステルに対し
て溶解性のない貧溶媒の混合溶媒に溶解したセルロース
エステル溶液をベースに組み立てられたものである。本
発明に有用なセルロースエステルの良溶媒としては、メ
チレンクロライドやエチレンクロライドのようなハロゲ
ン化炭化水素類、酢酸メチル、蟻酸メチルのような低級
脂肪酸エステル類、ジオキサン、3,5−ジオキソラン
のような、環状エーテル類、2,2,2−トリフルオロ
エタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プ
ロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル
−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサ
フルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペ
ンタフルオロ−1−プロパノール等のフッ化脂肪アルコ
ール類、ニトロメタン、ニトロエタンのようなニトロ炭
化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等の脂肪族ケ
トン類等を挙げることが出来る。貧溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低
級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコールのようなジオール
類、シクロヘキサン、シクロペンタン等の環状炭化水素
類等を挙げることが出来る。良溶媒と貧溶媒のドープと
なった時の比率としては、99:1〜70:30程度が
よく、製膜の目的によって、適宜選択すればよい。
【0032】ここで、本発明に係わるセルロースエステ
ルフィルムを作製する一般的な溶液流延製膜法について
工程ごとに説明する。
【0033】溶解工程:セルロースエステル(フレー
ク状の)に対する上記のような良溶媒と、また上記のよ
うな貧溶媒を混合した有機溶媒に溶解釜中で該セルロー
スエステルや添加剤を攪拌しながら溶解し、ドープを形
成する工程である。セルロースエステル溶液を調製する
には、セルロースエステルに対する良溶媒を主とする有
機溶媒に溶解釜中でフレーク状のセルロースエステルと
有機溶媒可溶性の添加剤を攪拌しながら溶解する。溶解
には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、
主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95
544号、同9−95557号または同9−95538
号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11
−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々
の溶解方法がある。ドープ中のセルロースエステルの濃
度は10〜35質量%程度がよい。更に好ましくは、1
5〜25質量%である。溶解後ドープを濾材で濾過し、
脱泡してポンプで次工程に送る。
【0034】流延工程:ドープを加圧型定量ギヤポン
プを通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金
属ベルト、例えばステンレススティールベルト、あるい
は回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、
加圧ダイからドープを流延する工程である。金属支持体
の表面は鏡面となっている。加圧ダイは口金部分のスリ
ット形状を調製出来、膜厚を均一にし易く好ましい。加
圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、
何れも好ましく用いられる。製膜速度を上げるために加
圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割
して重層してもよし、一つのダイで二つ以上の口金を有
する共流延方式も好ましい。
【0035】溶媒蒸発工程:ウェブ(金属支持体上に
ドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとす
る)を金属支持体上で加熱し金属支持体からウェブが剥
離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。溶媒を
蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/
または金属支持体の裏面から液体により伝熱させる方
法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏
面液体伝熱の方法が乾燥効率がよく好ましい。またそれ
らを組み合わせる方法も好ましい。裏面液体伝熱の場合
は、ドープ使用有機溶媒の主溶媒または最も低い沸点を
有する有機溶媒の沸点以下で加熱するのが好ましい。
【0036】剥離工程:金属支持体上で溶媒が蒸発し
たウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離され
たウェブは次工程に送られる。剥離する時点でのウェブ
の残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難
かったり、逆に金属支持体上で充分に乾燥させてから剥
離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
【0037】製膜速度を上げる方法(残留溶媒量が出来
るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが
出来る)としてゲル流延法(ゲルキャスティング)があ
る。それは、ドープ中にセルロースエステルに対する貧
溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、金属支
持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。金属支持
体上でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことに
よって、剥離を早め製膜速度を上げることが出来るので
ある。金属支持体上でのウェブの乾燥が条件の強弱、金
属支持体の長さ等により5〜150質量%の範囲で剥離
することが出来るが、残留溶媒量がより多い時点で剥離
する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損な
ったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易く、経
済速度と品質との兼ね合いで剥離残留溶媒量を決められ
る。従って、本発明においては、該金属支持体上の剥離
位置における温度を10〜40℃、好ましくは15〜3
0℃とし、且つ該剥離位置におけるウェブの残留溶媒量
を10〜120質量%とすることが好ましい。本発明に
おいては、剥離残留溶媒量は下記の式で表わすことが出
来る。
【0038】 残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100 ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMのもの
を110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
【0039】乾燥及び延伸工程:剥離後、一般には、
ウェブを千鳥状に配置したロールに交互に通して搬送す
る乾燥装置及び/またはクリップでウェブの両端をクリ
ップして搬送するテンター装置を用いてウェブを乾燥す
る。乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一
般的であるが、風の代わりにマイクロウエーブを当てて
加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりの
フィルムの平面性を損ね易い。全体を通して、通常乾燥
温度は40〜250℃の範囲で行われる。使用する溶媒
によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、
使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥条件を適宜選べば
よい。
【0040】有機溶媒可溶性の添加剤として可塑剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤等を挙げることが出来、また有
機溶媒に不要の添加剤としてマット剤等を挙げることが
出来、本発明に係るドープには、何れも含有することが
出来る。
【0041】本発明に係るセルロースエステルフィルム
に使用する可塑剤としては特に限定はないが、リン酸エ
ステル系可塑剤及び非リン酸エステル系可塑剤があり、
非リン酸エステル系可塑剤としては、フタル酸エステル
系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリ
ット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エス
テル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用
いることが出来る。リン酸エステル系では、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジル
ジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェ
ート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチ
ルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸
エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチ
ルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフ
タレート、ブチルベンジルフタレート等、トリメリット
酸系可塑剤として、トリブチルトリメリテート、トリフ
ェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等、
ピロメリット酸エステル系可塑剤として、テトラブチル
ピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テト
ラエチルピロメリテート等、グリコール酸エステル系で
は、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチ
ルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、
ブチルフタリルブチルグリコレート等、クエン酸エステ
ル系可塑剤として、トリエチルシトレート、トリ−n−
ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、ア
セチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n
−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用い
ることが出来る。
【0042】その他のカルボン酸エステルの例には、オ
レイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシ
ン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれ
る。
【0043】ポリエステル系可塑剤として脂肪族二塩基
酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグ
リコールの共重合体を用いることが出来る。脂肪族二塩
基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシ
ン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシ
ルジカルボン酸などを用いることが出来る。グリコール
としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなど
を用いることが出来る。これらの二塩基酸及びグリコー
ルはそれぞれ単独で用いても良いし、二種以上混合して
用いても良い。
【0044】また、可塑剤の全体の使用量は、セルロー
スエステルに対して1〜30質量%含有されることが好
ましく、2〜25質量%が更に好ましく、2〜15質量
%が更に好ましく、特に好ましくは3〜12質量%であ
る。
【0045】本発明の反射防止フィルムには、液晶等の
表示素子に該フィルムを組み込んだ場合、劣化防止の観
点からセルロースエステルフィルム中に紫外線吸収剤を
含有することが好ましい。
【0046】紫外線吸収剤としては、波長370nm以
下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観
点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないも
のが好ましく用いられる。好ましく用いられる紫外線吸
収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系
化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エス
テル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリ
レート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げるこ
とが出来るが、これらに限定されない。
【0047】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ
−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ter
t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″
−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス
(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−
(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノー
ル)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−
5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6
−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、
オクチル−3−〔3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フ
ェニル〕プロピオネート、2−エチルヘキシル−3−
〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−
クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニ
ル〕プロピオネート等を挙げることが出来、チヌビン
(TINUVIN)109、チヌビン171、チヌビン
326(チバ・スペッシャリティ・ケミカル社製)等が
市販されており、好ましく用いることが出来る。
【0048】また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤も本
発明に係わるセルロースエステルフィルムに有用なもの
の一つである。例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホ
ベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ
−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることが出
来る。
【0049】本発明の光学フィルムには、紫外線吸収剤
として透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に
優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤を好ましく用いることが出来、不要
な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
が特に好ましい。また、紫外線吸収剤においても、製膜
工程でブリードアウトしたり、揮発しないものが好まし
い。中でも光に対しする安定性を有するベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が
好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤が特に好ましい。例えばチバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製のチヌビン109(UV−
1とする)、チヌビン171(UV−2とする)、チヌ
ビン326(UV−3とする)、チヌビン327(UV
−4とする)、チヌビン328(UV−5とする)等を
好ましく用いることが出来る。また、特開平6−148
430号記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられ
る。
【0050】また、本発明の支持体に用いることの出来
る紫外線吸収剤は特願平11−295209号に記載さ
れている分配係数が9.2以上の紫外線吸収剤を含むこ
とが、後述の大気圧プラズマ放電処理工程の汚染が少な
く、また、各種塗布層の塗布性にも優れる為好ましく、
特に分配係数が10.1以上の紫外線吸収剤を用いるこ
とが好ましい。
【0051】可塑剤や紫外線吸収剤吸収剤を含むセルロ
ースエステルフィルムを基材として用いた場合、これら
がブリードアウトするなどによって、大気圧プラズマ放
電処理部に付着するなどして工程を汚染し、これがフィ
ルムに付着する可能性が考えられる。この問題を解決す
るためには、支持体がセルロースエステルと可塑剤を有
し、80℃、90%RHで時間処理した前後の質量変化
が±2質量%未満である支持体を用いることが好ましい
(保留性)。このようなセルロースエステルフィルムは
特願2000−338883記載のセルロースエステル
フィルム等が好ましく用いられる。また、この目的のた
めに特開平6−148430号、特願2000−156
039記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性
ポリマー)が好ましく用いることが出来る。高分子紫外
線吸収剤としては、PUVA−30M(大塚化学(株)
製)などが市販されている。特開平6−148430号
の一般式(1)あるいは一般式(2)あるいは特願20
00−156039の一般式(3)(6)(7)記載の
高分子紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0052】更に、本発明のセルロースエステルフィル
ム中には、酸化防止剤を含有させることが好ましく、酸
化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が
好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3
−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチ
ルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チ
オ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレン
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒド
ロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を
挙げることが出来る。特に2,6−ジ−t−ブチル−p
−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3
−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,
N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラ
ジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチ
ルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併
用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロース
エステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が好ま
しく、10〜1000ppmが更に好ましい。
【0053】本発明に係る反射防止フィルムにおいて
は、セルロースエステルフィルムの裏面の動摩擦係数を
調整するため、マット剤としての微粒子を添加すること
が好ましく、搬送や巻き取りをし易くすることが出来
る。マット剤は出来るだけ微粒子のものが好ましく、微
粒子としては、例えば二酸化珪素、二酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、カ
オリン、タルク、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カ
ルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、
リン酸カルシウム等の無機微粒子や、ポリメタアクリル
酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹
脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン
系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカーボネー
ト樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系
樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系
樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉
末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を挙げるこ
とが出来るが、特に架橋高分子微粒子が好ましい。本発
明においては、これらに限定されるものではない。
【0054】上記のうちでも二酸化珪素が動摩擦係数の
調整するのに特に好ましく、またフィルムのヘイズを小
さく出来るので好ましい。微粒子の一次粒子または二次
粒子の平均粒径は0.01〜1.0μmの範囲で、その
含有量はセルロースエステルに対して0.005〜0.
5質量%が好ましい。二酸化珪素のような微粒子は有機
物により表面処理されている場合が多いが、このような
ものはフィルムのヘイズを低下出来るため好ましい。表
面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アル
コキシシラン類、シラザン、シロキサンなどがあげられ
る。微粒子の平均粒径が大きい方が滑り性効果は大き
く、反対に平均粒径の小さい方は透明性に優れるため、
好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は20nm以下が
好ましく、好ましくは、5〜16nmであり、特に好ま
しくは、5〜12nmである。これらの微粒子はセルロ
ースエステルフィルム中では、セルロースエステルフィ
ルム表面に0.01〜1.0μmの凹凸を生成させるこ
とが好ましい。二酸化珪素の微粒子としては日本アエロ
ジル(株)製のアエロジル(AEROSIL)200、
200V、300、R972、R972V、R974、
R202、R812、OX50、TT600等を挙げる
ことが出来、好ましくはアエロジル200V、R97
2、R972V、R974、R202、R812であ
る。これらの微粒子は2種以上併用してもよい。2種以
上併用する場合、任意の割合で混合して使用することが
出来る。この場合、平均粒径や材質の異なる微粒子、例
えばアエロジル200VとR972Vを質量比で0.
1:99.9〜99.9〜0.1の範囲で使用出来る。
酸化ジルコニウムとして、例えばアエロジルR976ま
たはR811(日本アエロジル(株)製)等市販品も使
用出来る。
【0055】有機物微粒子として、例えば、シリコーン
樹脂として、トスパール103、105、108、12
0、145、3120、240(東芝シリコーン(株)
製)等市販品も使用出来る。
【0056】本発明に係る微粒子の1次平均粒子径の測
定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)で
粒子の観察を行い、粒子100個を観察し、その平均値
をもって、1次平均粒子径とした。
【0057】微粒子の見掛比重としては、70g/L以
上が好ましく、更に好ましくは、90〜200g/Lで
あり、特に好ましくは、100〜200g/Lである。
見掛比重が大きい程、高濃度の分散液を作ることが可能
になり、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましく、ま
た、本発明のように固形分濃度の高いドープを調製する
際には、特に好ましく用いられる。
【0058】1次粒子の平均径が20nm以下、見掛比
重が70g/L以上の二酸化珪素微粒子は、例えば、気
化させた四塩化珪素と水素を混合させたものを1000
〜1200℃にて空気中で燃焼させることで得ることが
出来る。本発明において、上記記載の見掛比重は二酸化
珪素微粒子を一定量メスシリンダーに採り、この時の重
さを測定し、下記式で算出した。
【0059】見掛比重(g/L)=二酸化珪素質量
(g)÷二酸化珪素の容積(L) 本発明に有用な微粒子の分散液を調製する方法とそれを
ドープに添加する方法としては、例えば以下に示すよう
な三つの方法を挙げることが出来る。
【0060】《調製方法A》有機溶媒と微粒子を撹拌混
合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液と
する。微粒子分散液をドープ液に加えて撹拌する。
【0061】《調製方法B》有機溶媒と微粒子を撹拌混
合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液と
する。別に有機溶媒に少量のセルロースエステルを加え
撹拌溶解した液に微粒子分散液を加えて撹拌する。これ
を微粒子添加液とし、インラインミキサーでドープ液と
十分混合する。
【0062】《調製方法C》有機溶媒に少量のセルロー
スエステルを加え、撹拌溶解する。これに微粒子を加え
て分散機で分散を行う。これを微粒子添加液とする。微
粒子添加液をインラインミキサーでドープ液と十分混合
する。
【0063】調製方法Aは二酸化珪素微粒子の分散性に
優れ、調製方法Cは二酸化珪素微粒子が再凝集しにくい
点で優れている。中でも、上記記載の調製方法Bは二酸
化珪素微粒子の分散性と、二酸化珪素微粒子が更に再凝
集しにくい等、両方に優れている好ましい調製方法であ
る。
【0064】《分散方法》二酸化珪素微粒子を有機溶媒
などと混合して分散するときの二酸化珪素の濃度は5〜
30質量%が好ましく、10〜25質量%が更に好まし
く、15〜20質量%が最も好ましい。
【0065】セルロースエステルに対する二酸化珪素微
粒子の添加量はセルロースエステル100質量部に対し
て、二酸化珪素微粒子は0.01〜0.5質量部が好ま
しく、0.05〜0.2質量部が更に好ましく、0.0
8〜0.12質量部が最も好ましい。添加量は多い方
が、セルロースエステルフィルムの動摩擦係数に優れ、
添加量が少ない方がヘイズが低く、凝集物も少ない点が
優れている。
【0066】分散液に使用される有機溶媒は低級アルコ
ール類が好ましく、低級アルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルア
ルコール、ブタノール等を挙げることが出来、好ましく
用いることが出来る。低級アルコール以外の有機溶媒と
しては特に限定されないが、ドープ調製時に用いられる
有機溶媒が好ましい。
【0067】分散機は通常の分散機が使用出来る。分散
機は大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機
に分けられる。二酸化珪素微粒子の分散には後者がヘイ
ズが低くなるので好ましい。メディア分散機としてはボ
ールミル、サンドミル、ダイノミル等を挙げることが出
来る。また、メディアレス分散機として、超音波型、遠
心型、高圧型等があるが、本発明においては高圧型が好
ましく、高圧分散装置が好ましい。高圧分散装置は、微
粒子と有機溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過
させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作り
出す装置である。高圧分散装置で処理する場合、例え
ば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧
力条件が9.8MPa以上であることが好ましい。更に
好ましくは19.6MPa以上である。またその際、最
高到達速度が100m/秒以上に達するもの、伝熱速度
が420kJ/時間以上に達するものが好ましい。
【0068】上記のような高圧分散装置にはMicro
fluidics Corporation社製超高圧
ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)あるいは
ナノマイザ社製ナノマイザがあり、他にもマントンゴー
リン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホ
モジナイザ、三和機械(株)社製UHN−01等があ
る。
【0069】本発明において、上記微粒子を含有させる
際、セルロースエステルフィルムの厚さ方向に均一に分
布していることが好ましいが、主に表面近傍に存在する
ように分布させることがより好ましく、例えば、一つの
ダイから共流延法により、2種以上のドープを同時に流
延し、微粒子を含有するドープを表層側に配置させるよ
うにすることが好ましい。このようにすることによっ
て、ヘイズを少なくし、且つ動摩擦係数を低めることが
出来る。更に好ましくは3種のドープを使用して表層側
の両層に微粒子を含有するドープ配置させることが望ま
しい。
【0070】本発明に係わる反射防止フィルムの動摩擦
係数を調整するため、裏面側に微粒子を含有するバック
コート層を設けるのが好ましく、添加する微粒子の大き
さや添加量、材質等によって動摩擦係数を調整すること
が出来る。バックコート層に含ませる微粒子としては、
無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子を挙げる
ことが出来、前述のセルロースエステルフィルムに含有
させる微粒子、微粒子の粒径、微粒子の見かけに比重、
分散方法等ほぼ同様である。
【0071】バックコート層のバインダーに対する微粒
子の添加量は樹脂100質量部に対して、微粒子は0.
01〜1質量部が好ましく、0.05〜0.5質量部が
更に好ましく、0.08〜0.2質量部が最も好まし
い。添加量は多い方が、動摩擦係数が低くなり、また少
ない方がヘイズが低く、凝集物も少なくなる。
【0072】本発明において、反射防止フィルムに使用
するセルロースエステルフィルムの光学特性としては、
面内レターデーションR0は0〜1000nmのものが
好ましく用いられ、厚味方向のレターデーションRt
0〜300nmのものが用途に応じて好ましく用いられ
る。また、波長分散特性としてはR0(600)/R
0(450)は0.7〜1.3であることが好ましく、
特に1.0〜1.3であること好ましい。ここで、R0
(450)は波長450nmの光による3次元屈折率測
定に基づいた面内レターデーション、R0(600)は
波長600nmの光による3次元屈折率測定に基づいた
面内レターデーションを表す。
【0073】本発明は、セルロースエステルフィルムが
有機溶媒可溶性の添加剤を含有し、その少なくとも1種
の有機溶媒可溶の添加剤を厚さ方向に濃度勾配を持たせ
るせるか、またはセルロースエステルフィルムの両表面
の少なくとも1種の有機溶媒可溶の添加剤の濃度が異な
ることで前記の課題を解決せんとしたものである。ここ
でいう少なくとも1種の有機溶媒可溶の添加剤というの
は、上述の可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等であっ
て、更に、例えば、可塑剤が複数添加されている場合に
は、複数の可塑剤のうちの少なくとも1種でもよい。ま
た、他の有機溶媒可溶の添加剤で厚さ方向で濃度勾配を
持たず、ほぼ均一の濃度となっているものもある。
【0074】本発明において、セルロースエステルフィ
ルムの厚さ方向に濃度勾配を持つということは、一方の
表面に対する他方の表面の少なくとも1種の有機溶媒可
溶の添加剤の濃度比が1.05〜10あることで、好ま
しくは1.1〜5、より好ましくは1.3〜3である。
本発明における有機溶媒可溶の添加剤の濃度勾配を持つ
というのは、セルロースエステルフィルムの表面から1
0μmまでの部分の濃度勾配を生ずる有機溶媒可溶性の
添加剤の平均含有量をいう。また、本発明における内部
とは表面から10μmより内側の部分をいう。そして、
本発明において、濃度が両表面の間で連続的に変化する
状態を濃度勾配があるといい、一方、濃度が両表面の間
で非連続的に変化する状態は濃度勾配があるとは言わ
ず、単に両表面の濃度が異なるという表現を使用する。
【0075】本発明において、セルロースエステルフィ
ルム表面から内部の有機溶媒の添加剤の濃度を測定する
方法は、測定出来る方法であれば特に限定はないが、フ
ィルムの断面を顕微赤外分光法や電子プローブマイクロ
アナライザー、飛行時間型二次イオン質量分析計等で測
定したり、表面をカミソリで一定の厚さに削り取ったも
のをガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー
で測定する等の方法がある。
【0076】本発明に係る濃度勾配を発現する有機溶媒
可溶な添加剤は、可塑剤のうち、リン酸エステル系の化
合物によく現れ、一方濃度勾配を発現しない有機溶媒可
溶な添加剤は、リン酸エステル以外の可塑剤や紫外線吸
収剤、燐を含有しない酸化防止剤等に多い。ある種の添
加剤が何故濃度勾配を発現し、ある種の添加剤が発現し
ないのかその原理的なことは定かではないが、無端の金
属支持体上でのウェブの乾燥に関係があり、濃度の高い
側は金属支持体と接している側であり、空気側は濃度が
低くなり易い。また、金属支持体上でのウェブの乾燥の
方法、例えば、出来得る限り急激に金属支持体側から加
熱したり、空気側に加熱空気を当てることにより濃度勾
配をより大きくすることも出来る。両表面の濃度を変化
させるには、かかる添加剤の濃度を変えた2種以上のド
ープを2個以上の口金から流延する方法である。そのド
ープ層の位置は金属支持体側でも空気側でもよいが、金
属支持体側が好ましい。別々の組成の二つ以上のドープ
を別々の2個以上のダイを別位置に設置して重層流延す
るいわゆる別位置重層方法、また1個のダイに2個以上
の口金を有し、別々の組成の二つ以上のソープをそれぞ
れの口金から同時に流延する、いわゆる共流延方法によ
り行うことが出来、本発明においては何れも好ましく用
いられる。これら別位置重層でも共流延でも、同じ組成
の二つのドープを流延重層した場合には、上記と同じよ
うな乾燥方法を行うことによって濃度勾配を付けること
も出来る。
【0077】本発明に係る表裏の有機溶媒可溶性の添加
剤の濃度が異なるセルロースエステルフィルムは、平面
性に優れ、カールが小さく、このフィルムを用いて反射
防止フィルムとした場合においても平面性が良く、カー
ルが小さいを得ることが出来る。更にこの反射防止フィ
ルムを偏光板に組み込んだ場合には平面性が優れ、カー
ルが小さいことから偏光板からのフィルムの剥がれがな
く良好な偏光板を得ることが出来る。
【0078】本発明において、セルロースエステルフィ
ルムは、例えば1m四方くらいの大きさの試料を平らな
面の机に置いた場合、波打ち、ツレ、凹凸等がなく机の
平面と同様であるような均一な平面性を有しており、使
用する際に何処を切り出してもよいほど選ぶ必要のない
ような均一な平面を有している。
【0079】本発明にけるセルロースエステルフィルム
のカール値は大カールと小カールとによって表され、大
カールは20cm程の直径の円または一辺を持つ四角形
を机の上に置いた時のフィルムの端が机から立ち上がる
高さ、また小カールは幅3mm長さ50mmの小さなフ
ィルム片の曲がる度合いを示すものとで測られるカール
値であって、前者であれば、立ち上がり高さが10mm
以下、後者であれば、カール値で30(m-1)以下であ
あることが好ましく、より好ましくは前者が5mm以
下、後者が、20(m-1)以下、更に好ましくは、前者
が3mm以下、後者が10(m-1)以下である。カール
値は曲率半径の逆数で単位はm-1によって表される。一
般にセルロースエステルフィルムの何れかの面を+と
し、逆面を−として表すが、上記の数値は±30
(m-1)を意味する。
【0080】次に、本発明の反射防止フィルムについて
述べる。本発明の反射防止フィルムは、大気圧もしくは
その近傍の圧力で対向する電極間に高周波電圧を印加
し、該電極間に希ガス及び反応性ガスを含有する反応ガ
スを導入してプラズマ状態となった反応ガスに本発明に
係るセルロースエステルフィルムをさらすことによっ
て、反射防止層が形成された反射防止フィルムである。
本発明において、このような大気圧もしくはその近傍の
圧力下においてプラズマ放電処理について、これより以
降を大気圧プラズマ放電処理と言うことがある。
【0081】本発明に係る大気圧プラズマ放電処理装置
について説明する。大気圧プラズマ放電処理装置は、ア
ース電極であるロール電極と、対向する位置に配置され
た印加電極である複数の固定電極との間で放電させ、当
該電極間に希ガスと反応性ガスを含有する反応ガスを導
入してプラズマ状態とし、該ロール電極に巻回されたセ
ルロースエステルフィルムを該プラズマ状態の反応ガス
に晒すことによって、反射防止層の薄膜を形成するもの
である。ここでは、長尺のセルロースエステルフィルム
搬送方向と直交する幅手方向において、電極の長さは、
長尺のセルロースエステルフィルムの長さと同じであ
る。薄膜形成後、長尺セルロースエステルフィルムの幅
手方向の端部を裁断することを前提として、薄膜を形成
する領域が長尺フィルムの幅手の長さより内側で短い場
合には、この薄膜を形成する領域の長さを基準として、
電極の放電面の同長さが同じか、それ以上であればよ
い。
【0082】本発明の薄膜形成方法を実施する大気圧プ
ラズマ放電処理装置としてはこれに限定されるものでは
なく、グロー放電を安定に維持し、薄膜を形成するため
に反応ガスを励起してプラズマ状態とするものであれば
よいが、このようにセルロースエステルフィルムを電極
間に載置し、該電極間に反応ガスを導入する方法が、放
電面積を大きくとることが出来、膜厚を均一に、且つ、
高性能な薄膜を形成することが出来て好ましい。他の方
式としては、セルロースエステルフィルムを電極間では
ない電極近傍に載置あるいは搬送させ、発生したプラズ
マを当該セルロースエステルフィルム上に吹き付けて薄
膜形成を行うジェット方式等がある。
【0083】図1は、本発明に係る大気圧もしくはその
近傍の圧力下でのプラズマ放電処理装置の一例を示す図
である。図1はプラズマ放電処理装置30、ガス充填手
段50、電圧印加手段40、及び電極温度調節手段60
から構成されている。図3は図1の対向する固定されて
いる平板状電極3及び4を、ロール回転電極25と角筒
型固定電極群36として、基材Fをプラズマ放電処理す
るものである。基材Fは図示されていない元巻きから巻
きほぐされて搬送して来るか、または前工程から搬送さ
れて来てガイドロール64を経てニップロール65で基
材に同伴して来る空気等を遮断し、ロール回転電極25
に接触したまま巻き回されながら複数の角筒型固定電極
群36との間を移送され、ニップロール66、ガイドロ
ール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取られ
るか、次工程に移送する。反応ガスはガス充填手段50
で、ガス発生装置51で発生させた反応ガスGを、流量
制御して給気口52より放電処理室32のプラズマ放電
処理容器31内に入れ、該プラズマ放電処理容器31内
を反応ガスGで充填し処理排ガスG′を排気口53より
排出するようにする。次に電圧印加手段40で、高周波
電源41により角筒型固定電極群36に電圧を印加し、
ロール回転電極25にはアースを接地し、放電プラズマ
を発生させる。ロール回転電極25及び角筒型固定電極
群36を電極温度調節手段60を用いて媒体を加熱また
は冷却し電極に送液する。電極温度調節手段60で温度
を調節した媒体を送液ポンプPで配管61を経てロール
回転電極25及び角筒型固定電極群36内側から温度を
調節する。電極からの帰りの配管については省略されて
いる。プラズマ放電処理の際、基材の温度によって得ら
れる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対
して適宜制御することが好ましい。媒体としては、蒸留
水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ
放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温
度ムラが出来るだけ生じないようにロールを用いた回転
電極の内部の温度を制御することが望まれる。なお、6
8及び69はプラズマ放電処理容器31と外界を仕切る
仕切板である。
【0084】上記同伴される空気は、プラズマ放電処理
容器31内の気体の全体積に対し、1体積%以下に抑え
ることが好ましく、0.1体積%以下に抑えることがよ
り好ましい。前記ニップローラ65および66により、
それを達成することが可能である。
【0085】尚、放電プラズマ処理に用いられる反応ガ
ス(希ガスガスと、錫化合物、有機フッ素化合物、チタ
ン化合物または珪素化合物等を含有する反応性ガス)
は、給気口52からプラズマ放電処理容器31に導入さ
れ、処理後のガスは排気口53から排気される。
【0086】図2は、ロール電極の金属等の導電性母材
とその上に被覆されている誘電体の構造を示す一例を示
す見取り図である。
【0087】図2において、アース電極であるロール電
極35aは、金属等の導電性の母材35Aに対し、誘電
体被覆層として、セラミックスを溶射後、無機化合物の
封孔材料を用いて封孔処理したセラミックス被覆処理誘
電体35Bを被覆した組み合わせで構成されているもの
である。セラミックス被覆処理誘電体を片肉で1mm被
覆し、アースに接地してある。また、溶射に用いるセラ
ミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく
用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、
更に好ましく用いられる。
【0088】または、誘電体層として、ガラスライニン
グにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であっ
てもよい。
【0089】金属等の導電性母材としては、チタン金属
またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、
アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの
複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材
料を挙げることが出来るが、電極の安定性という観点か
らはチタン金属またはチタン合金が好ましい。
【0090】導電性の母材及び誘電体についての詳細に
ついては後述する。尚、本実施の形態においては、ロー
ル電極の母材は、冷却水による温度調節手段を有するチ
タン合金製ジャケットロール母材を使用している(不図
示)。
【0091】図3は、印加電極としての角筒型固定電極
群の1個を取り出した角筒型固定電極の母材とその上に
被覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図
である。
【0092】図3において、角筒型電極36aは、金属
等の導電性の母材に対し、図2同様の誘電体被覆層を有
している。すなわち、中空の金属パイプに対し、上記同
様の誘電体を被覆し、放電中は冷却水による冷却が行え
るようになっている。尚、角筒型固定電極の数は、上記
ロール電極の円周より大きな円周上に沿って14本設置
されている。
【0093】図3に示した角筒型電極36aは、円筒型
電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があ
るので、本発明の薄膜形成方法に好ましく用いられる。
【0094】印加電極に電圧を印加する電源としては、
特に限定はないが、パール工業製高周波電源(200k
Hz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、日
本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業
製高周波電源(150MHz)等が使用出来る。
【0095】上記電極間の距離は、電極の導電性母材に
設けた固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマ
を利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一
方に誘電体を設けた場合の誘電体表面と電極の最短距
離、上記電極の双方に誘電体を設けた場合の誘電体表面
同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う
観点から0.5〜20mmが好ましく、特に好ましくは
1mm±0.5mmである。
【0096】電源41より角筒型固定電極群36に印加
される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が1
0V〜10kV程度で、電源周波数は100kHzを越
えて150MHz以下に調整される。ここで電源の印加
法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の
連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFF
を断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良
いが連続モードの方がより緻密で良質な膜が得られる。
【0097】プラズマ放電処理容器31はパイレックス
(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、
電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能であ
る。例えば、アルミニウムまたは、ステンレスのフレー
ムの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金
属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとっても
良い。
【0098】また、放電プラズマ処理時のセルロースエ
ステルフィルムへの影響を最小限に抑制するために、放
電プラズマ処理時のセルロースエステルフィルムの温度
を常温(15℃〜25℃)〜300℃以下の温度に調整
することが好ましく、更に好ましくは常温〜150℃に
調整することである。上記の温度範囲に調整するため、
必要に応じて電極、セルロースエステルフィルムは温度
調節手段で冷却や加熱をしながら放電プラズマ処理され
る。
【0099】本発明においては、上記の放電プラズマ処
理が大気圧または大気圧近傍で行われるが、ここで大気
圧近傍とは、20kPa〜110kPaの圧力を表す
が、本発明に記載の効果を好ましく得るためには、93
kPa〜104kPaが好ましい。
【0100】また、本発明の薄膜形成方法に係る放電用
電極においては、電極の少なくともセルロースエステル
フィルムと接する側のJIS B 0601で規定され
る表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下にな
るように調整されることが、本発明に記載の効果を得る
観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大
値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に
調整することであり、このような範囲のRmaxとする
ためには、表面を研磨処理することが好ましい。また、
JIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ
(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは
0.1μm以下である。
【0101】本発明の反射防止フィルムの反射防止層薄
膜を形成する反応ガスについて説明する。
【0102】本発明の薄膜形成を実施するにあたり、使
用する反応ガスは、基本的に、希ガスと、薄膜を形成す
るための反応性ガスの反応ガスである。反応性ガスは、
反応ガスに対し、0.01〜10体積%含有させること
が好ましい。薄膜の膜厚としては、0.1〜1000n
mの範囲の薄膜が得られる。
【0103】本発明に使用する反応ガスは希ガスと反応
性ガスを含有する混合ガスである。希ガスとは、周期表
の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アル
ゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等を挙げることが
出来るが、本発明に記載の効果を得るためには、ヘリウ
ム、アルゴンが好ましく用いられる。緻密で、高精度の
薄膜を形成するためには、希ガスとしてアルゴンを用い
ることが最も好ましい。アルゴンを用いると、高密度プ
ラズマを発生しやすいのではないかと推定している。ア
ルゴンガスは、反応ガス(希ガスと反応性ガスの混合ガ
ス)100体積%に対し、90.0〜99.9体積%含
有されることが好ましい。
【0104】本発明の薄膜形成を実施するにあたり、使
用する反応ガスは、基本的に、希ガスと、薄膜を形成す
るための反応性ガスの反応ガスである。反応性ガスは、
反応ガスに対し、0.01〜10体積%含有させること
が好ましい。薄膜の膜厚としては、0.1〜1000n
mの範囲の薄膜が得られる。
【0105】反応性ガスは、放電空間でプラズマ状態と
なり、薄膜を形成する成分を含有するものであり、有機
金属化合物、有機化合物、無機化合物等である。
【0106】反応性ガスは、薄膜を形成するのに用いら
れるガスであり、直接薄膜を形成する化合物と水素ガ
ス、酸素ガス、窒素ガス、炭酸ガス等補助的に使用する
ガスとがある。
【0107】本発明の反射防止フィルムの反射防止層は
中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層それぞれの薄膜が
積層されたものである。
【0108】本発明に係る反射防止層形成用反応性ガス
の高屈折率層を形成するチタン化合物、中屈折率層を形
成する錫化合物、低屈折率層を形成する珪素化合物につ
いて述べる。反射防止層を有する本発明の光学フィルム
は、各屈折率層を基材上に直接または他の層を介して積
層して得られるものであるが、積層は、例えば、図1の
ような大気圧もしくはその近傍の圧力下で反応ガス雰囲
気内でプラズマ放電処理装置を直列に例えば3基(中屈
折率層/高屈折率層/低屈折率層)の3層積層するとし
て並べて連続的に処理することが出来、この連続的積層
処理は品質の安定や生産性の向上等から本発明の光学フ
ィルムの作製に適している。また積層せずに、1層処理
ごと、処理後巻き取り、逐次処理して積層してもよい。
本発明において、反射防止層の上に防汚層を設ける場合
は、上記のプラズマ放電処理装置を更にもう1基続けて
設置し、4基並べて最後に防汚層を積層してもよい。
【0109】本発明に係る反射防止フィルムの反射防止
層用形成反応性ガスには、適切な屈折率を得ることの出
来る化合物であれば制限なく使用出来るが、本発明にお
いて、高屈折率層形成用反応性ガスとしてはチタン化合
物を、中屈折率層形成用反応性ガスとしては錫化合物ま
たはチタン化合物と珪素化合物の混合物(または高屈折
率形成用のチタン化合物で形成した層と低屈折率層を形
成する珪素化合物で形成した層を積層してもよい)を、
また低屈折率層形成用反応性ガスとしては珪素化合物、
フッ素化合物、あるいは珪素化合物とフッ素化合物の混
合物を好ましく用いることが出来る。これらの化合物を
屈折率を調節するために、何れかの層の形成用反応性ガ
スとして2種以上混合して使用してもよい。
【0110】本発明に有用な高屈折率層形成用反応性ガ
スに使用するチタン化合物としては、有機チタン化合
物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、有
機チタン化合物としては、例えば、トリエチルチタン、
トリメチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリブチ
ルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピルチ
タン、テトラブチルチタン、トリエトキシチタン、トリ
メトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリブト
キシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポ
キシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリエト
キシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、テトラ
ジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジアセトアセト
ナート、エチルチタントリアセトアセトナート等、チタ
ン水素化合物としてはモノチタン水素化合物、ジチタン
水素化合物等、ハロゲン化チタンとしては、トリクロロ
チタン、テトラクロロチタン等を挙げることが出来、何
れも本発明において好ましく用いることが出来る。また
これらの反応性ガスを2種以上を同時に混合して使用す
ることが出来る。
【0111】本発明に有用な中屈折率層形成用反応性ガ
スに用いる錫化合物としては、有機錫化合物、錫水素化
合物、ハロゲン化錫等であり、有機錫化合物としては、
例えば、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−
n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テ
トラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエ
トキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、
ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキ
シ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ
錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル
錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナー
ト、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物
等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等を挙
げることが出来、何れも本発明において、好ましく用い
ることが出来る。また、これらの反応性ガスを2種以上
同時に混合して使用してもよい。なお、このようにし
て、形成された酸化錫層は表面比抵抗値を1011Ω/c
2以下に下げることが出来るため、帯電防止層として
も有用である。
【0112】本発明に有用な低屈折率層形成用反応性ガ
スに使用する珪素化合物としては、有機珪素化合物、珪
素水素化合物、ハロゲン化珪素化合物等を挙げることが
出来、有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチル
シラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラ
ン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テト
ライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ
エチルシランジアセトアセトナート、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化
シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合
物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシ
ラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることが出来、
何れも本発明において好ましく用いることが出来る。ま
た、前記フッ素化合物を使用することが出来る。これら
の反応性ガスを2種以上を同時に混合して使用すること
が出来る。また、屈折率の微調整にこれら錫化合物、チ
タン化合物、珪素化合物を適宜2種以上同時に混合して
使用してもよい。
【0113】上記の有機錫化合物、有機チタン化合物ま
たは有機珪素化合物は、取り扱い上の観点から金属水素
化合物、金属アルコキシドが好ましく、腐食性、有害ガ
スの発生がなく、工程上の汚れなども少ないことから、
金属アルコキシドが好ましく用いられる。また、上記の
有機錫化合物、有機チタン化合物または有機珪素化合物
を放電空間である電極間に導入するには、両者は常温常
圧で、気体、液体、固体何れの状態であっても構わな
い。気体の場合は、そのまま放電空間に導入出来るが、
液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の手段
により気化させて使用される。有機錫化合物、有機チタ
ン化合物または有機珪素化合物を加熱により気化して用
いる場合、金属テトラエトキシド、金属テトライソプロ
ポキシドなどの常温で液体で、沸点が200℃以下であ
る金属アルコキシドが反射防止膜の形成に好適に用いら
れる。上記金属アルコキシドは、溶媒によって希釈して
使用されても良く、この場合、希ガス中へ気化器等によ
り気化して反応ガスに使用すればよい。溶媒としては、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒
が使用出来る。
【0114】反応性ガスについて、放電プラズマ処理に
より基材上に均一な薄膜を形成する観点から、反応ガス
中の含有率は、0.01〜10体積%で有することが好
ましいが、更に好ましくは、0.01〜1体積%であ
る。
【0115】なお、中屈折率層については、上記珪素化
合物、上記チタン化合物または上記錫化合物を、目標と
する屈折率に合わせて適宜混合することによっても得る
ことが出来る。
【0116】更に、反応性ガスとして酸素、オゾン、過
酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選
択される成分を0.01〜5体積%含有させることによ
り、反応促進され、且つ、緻密で良質な薄膜を形成する
ことが出来る。
【0117】本発明の反射防止フィルムには反射防止層
の上に更に防汚層を形成してもよい。
【0118】本発明に係る防汚層の反応性ガスは、フッ
素化合物と珪素化合物の混合物とフルオロシラン化合物
のようなフッ素と珪素を有する化合物のガスが有用であ
る。
【0119】フッ素化合物としては、有機フッ素化合物
として、フッ化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等を好ま
しく用いることが出来る。フッ化炭素ガスとしては、例
えば、テトラフルオロメタン、テトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、オクタフルオロシクロ
ブタン等を挙げることが出来る。前記のフッ化炭化水素
ガスとしては、例えば、ジフルオロメタン、テトラフル
オロエタン、テトラフルオロプロピレン、トリフルオロ
プロピレン等を挙げることが出来る。更に、例えば、ク
ロロトリフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、ジ
クロロテトラフルオロシクロブタン等のフッ化炭化水素
化合物のハロゲン化物やトリフルオロメタノール、ペン
タフルオロエタノール等のフルオロアルコール、トリフ
ルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸等のフッ素化
脂肪酸、ヘキサフルオロアセトン等のフッ素化ケトン等
の有機フッ素化合物を用いることが出来るが、これらに
限定されない。また、これらの化合物が分子内にフッ素
化エチレン性不飽和基を有していても良い。
【0120】また、珪素化合物としては、有機珪素化合
物、珪素水素化合物、ハロゲン化珪素化合物等を挙げる
ことが出来、有機珪素化合物としては、例えば、テトラ
エチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピ
ルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシ
ラン、ジエチルシランジアセトアセトナート、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチル
トリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テト
ラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等を挙げること
が出来、何れも本発明において好ましく用いることが出
来る。
【0121】更に、本発明において、フッ素と珪素を有
する化合物も好ましく用いることが出来る。例えば、テ
トラ(トリフルオロメチル)シラン、テトラ(ペンタフ
ルオロエチル)シラン、テトラ(セプタフルオロプロピ
ル)シラン、ジメチルジ(トリフルオロメチル)シラ
ン、ジエチルジ(ペンタフルオロエチル)シラン、テト
ラ(トリフルオロメトキシ)シラン、テトラ(ペンタフ
ルオロエトキシ)シラン、メチルトリ(トリフルオロメ
トキシ)シラン、パーフルオロオクチルエチルトリエト
キシシラン、ビニルトリ(トリフルオロメチル)シラ
ン、トリパーフルオロメチルアクリロイルオキシシラン
等のフルオロシラン化合物を挙げることが出来、これら
の化合物を2種以上混合して使用してもよい。また重合
性のシランモノマーのオリゴマーも使用出来る。
【0122】上記フッ素化合物、珪素化合物、フッ素及
び珪素を有する化合物を適宜2種以上混合して使用して
もよい。
【0123】なお、本発明にフッ素化合物、珪素化合
物、フッ素及び珪素を有する化合物が常温、常圧で気体
である場合は、混合ガスの構成成分として、そのまま使
用できるので最も容易に本発明の方法を遂行することが
できる。しかし、フッ素化合物、珪素化合物、フッ素及
び珪素を有する化合物が常温・常圧で液体または固体で
ある場合には、加熱、減圧等の方法により気化して使用
すればよく、また、適切な溶剤に溶解して用いてもよ
い。
【0124】本発明において、反射防止層を有する本発
明の反射防止フィルムにおいて、反射防止層をセルロー
スエステルフィルムに直接形成させてもよいが、他の層
を少なくとも1層設けた上に形成させてもよい。本発明
において、他の層として、防眩層やクリアハードコート
層等を好ましく用いることが出来、これらの層が紫外線
等活性線により硬化する活性線硬化樹脂層であることが
好ましく、このような紫外線で硬化された樹脂層の上に
本発明に係る反射防止層を形成させることによって耐擦
り傷性に優れた反射防止フィルムを得ることが出来る。
【0125】防眩層及びクリアハードコート層の活性線
硬化樹脂層は、エチレン性不飽和モノマーを含む成分を
重合させて形成した樹脂層で、活性線硬化樹脂層であ
る。ここで、活性線硬化樹脂層とは、紫外線や電子線の
ような活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹
脂を主たる成分とする層をいう。活性線硬化樹脂として
は紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的な
ものとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線
照射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂
としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹
脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫
外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型
ポリオールアクリレート系樹脂、または紫外線硬化型エ
ポキシ樹脂等を挙げることが出来る。
【0126】紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、
一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマ
ー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物
に更に2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(以下アクリレートと記載し
た場合、メタクリレートを包含するものとする)、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するア
クリレート系のモノマーを反応させることによって容易
に得ることが出来る(例えば、特開昭59−15111
0号等を参照)。
【0127】紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系
樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系
のモノマーを反応させることによって容易に得ることが
出来る(例えば、特開昭59−151112号を参
照)。
【0128】紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂
の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマー
とし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反
応させたものを挙げることが出来る(例えば、特開平1
−105738号)。この光反応開始剤としては、ベン
ゾイン誘導体、オキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン
誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もし
くは2種以上を選択して使用することが出来る。
【0129】また、紫外線硬化型ポリオールアクリレー
ト系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレート等を挙げることが出
来る。
【0130】これらの樹脂は通常公知の光増感剤と共に
使用される。また上記光反応開始剤も光増感剤としても
使用出来る。具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェ
ノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、
α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれ
らの誘導体を挙げることが出来る。また、エポキシアク
リレート系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、
トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増
感剤を用いることが出来る。塗布乾燥後に揮発する溶媒
成分を除いた紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる光反応
開始剤また光増感剤は該組成物の通常1〜10質量%添
加することが出来、2.5〜6質量%であることが好ま
しい。
【0131】樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二
重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニ
ル、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることが出来
る。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとし
て、エチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−
シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシ
ルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリルエステル等を挙げることが出来る。
【0132】例えば、紫外線硬化樹脂としては、アデカ
オプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−
410、KR−550、KR−566、KR−567、
BY−320B(以上、旭電化工業株式会社製)、ある
いはコーエイハードA−101−KK、A−101−W
S、C−302、C−401−N、C−501、M−1
01、M−102、T−102、D−102、NS−1
01、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−
106、M−101−C(以上、広栄化学工業株式会社
製)、あるいはセイカビームPHC2210(S)、P
HC X−9(K−3)、PHC2213、DP−1
0、DP−20、DP−30、P1000、P110
0、P1200、P1300、P1400、P150
0、P1600、SCR900(以上、大日精化工業株
式会社製)、あるいはKRM7033、KRM703
9、KRM7130、KRM7131、UVECRYL
29201、UVECRYL29202(以上、ダイセ
ル・ユーシービー株式会社)、あるいはRC−501
5、RC−5016、RC−5020、RC−503
1、RC−5100、RC−5102、RC−512
0、RC−5122、RC−5152、RC−517
1、RC−5180、RC−5181(以上、大日本イ
ンキ化学工業株式会社製)、あるいはオーレックスN
o.340クリヤ(中国塗料株式会社製)、あるいはサ
ンラッドH−601(三洋化成工業株式会社製)、ある
いはSP−1509、SP−1507(昭和高分子株式
会社製)、あるいはRCC−15C(グレース・ジャパ
ン株式会社製)、アロニックスM−6100、M−80
30、M−8060(以上、東亞合成株式会社製)ある
いはこの他の市販のものから適宜選択して利用出来る。
【0133】本発明において、活性線硬化樹脂層は公知
の方法で塗設することが出来る。活性線硬化性樹脂を光
硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源として
は、紫外線を発生する光源であれば何れでも使用出来
る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ等を用いることが出来る。照射条件
はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20
〜10000mJ/cm2程度あればよく、好ましく
は、50〜2000mJ/cm2である。近紫外線領域
〜可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増
感剤を用いることによって使用出来る。
【0134】活性線硬化樹脂層を塗設する際の溶媒とし
て前述のバックコート層や導電性微粒子を含有する樹脂
層を塗設する溶媒、例えば、炭化水素類、アルコール
類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、そ
の他の溶媒の中から適宜選択し、あるいはこれらを混合
し利用出来る。好ましくは、プロピレングリコールモノ
(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテル出来は
プロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル
基)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに
好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられ
る。
【0135】紫外線硬化性樹脂組成物塗布液の塗布方法
としては、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイ
ヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコータ
ー、押し出しコーター、エアードクターコーター等公知
の方法を用いることが出来る。塗布量はウェット膜厚で
0.1〜30μmが適当で、好ましくは、0.5〜15
μmである。塗布速度は好ましくは10〜60m/分で
行われる。
【0136】紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された
後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒
〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率
とから3秒〜2分がより好ましい。
【0137】こうして得た硬化皮膜層に、ブロッキング
を防止するため、また対擦り傷性等を高めるために無機
あるいは有機の微粒子を加えることが好ましい。例え
ば、無機微粒子としては酸化ケイ素、酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等を挙
げることが出来、また有機微粒子としては、ポリメタア
クリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリルスチレ
ン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シ
リコン系樹脂粉末、ポリスチレン系樹脂粉末、ポリカー
ボネート樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラ
ミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエス
テル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系
樹脂粉末、あるいはポリ弗化エチレン系樹脂粉末等を挙
げることが出来、紫外線硬化性樹脂組成物に加えること
が出来る。これらの微粒子粉末の平均粒径としては、
0.005μm〜1μmが好ましく0.01〜0.1μ
mであることが特に好ましい。
【0138】紫外線硬化樹脂組成物と微粒子粉末との割
合は、樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜10
質量部となるように配合することが望ましい。
【0139】このようにして形成された紫外線硬化樹脂
を硬化させた層は中心線平均粗さ(Ra)が1〜50n
mのクリアハードコート層であっても、Raが0.1〜
1μm程度の防眩層であってもよい。
【0140】本発明の反射防止フィルムの製造方法にお
ける薄膜形成方法では、対向する電極間に、100kH
zを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm2以上の電
力(出力密度)を供給し、反応性ガスを励起してプラズ
マを発生させることが好ましい。
【0141】本発明において、電極間に印加する高周波
電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHz以下
である。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、
好ましくは200kHz以上、更に好ましくは800k
Hz以上である。
【0142】本発明において、電極間に供給する電力の
下限値は、好ましくは1.2W/cm2以上であり、上
限値としては、好ましくは50W/cm2以下、更に好
ましくは20W/cm2以下である。尚、放電面積(1
/cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積の
ことを指す。本発明におけるように、高い周波数で、且
つ、高い出力密度でハイパワーの電圧を印加する場合に
は、放電面積は片側の電極の放電面の総面積に相当す
る。この総面積で、前記電極に接続した電源から供給さ
れるトータル電力(W)を割り算すると、出力密度を算
出することが出来る。
【0143】また、本発明において、特に大面積におい
て均一な膜厚を得るには、一組の対向する電極に印加す
るトータル電力は、15kWを越えることが好ましく、
より好ましくは30kW以上、更に好ましくは50kW
以上である。発熱の観点からは、300kW以下である
ことが好ましい。尚、トータル電力は、前記一組の電極
に接続された電源から供給される電力(W)に相当す
る。前記一組の電極に対し、電源が2以上接続されてい
る場合には、これら電源全ての供給電力を足し算した値
である。具体的には、前述の図1の大気圧プラズマ放電
処理装置において、ロール電極25と角筒型固定電極群
36を一組の対向する電極とし、それに接続された電源
41から供給される電力のことになる。固定電極群が角
筒型でなく、円筒型固定電極の場合には、円筒型固定電
極の上記のようなロール電極への投影面積の総和が放電
面積となる。本発明においてトータル電力の範囲を満た
すには、放電面積がある程度大きいことが必要となって
くる。
【0144】また、電極間に印加する高周波電圧は、断
続的なパルス波であっても、連続したサイン波であって
も構わないが、本発明の効果を高く得るためには、連続
したサイン波であることが好ましい。
【0145】また、電極の放電面は、セルロースエステ
ルフィルムの薄膜を形成する面と向かい合わせに配置す
ることが、均一でムラがなく、緻密な膜を形成するとい
う本発明の目的に有利である。このため、セルロースエ
ステルフィルムは電極間に位置させることが好ましい。
【0146】また、本発明において、電極の放電面の少
なくとも一方向の長さは、セルロースエステルフィルム
上の薄膜を形成する領域の同方向の長さと同じか、また
は、それ以上であることが、高性能で、且つ、均一なム
ラのない薄膜を形成するのに好ましい。電極と相対的に
セルロースエステルフィルムを移動させて薄膜形成を行
う場合には、この移動方向と直交する幅手方向につい
て、電極の放電面の長さと、セルロースエステルフィル
ム上の薄膜を形成する領域の長さとが同じ、またはそれ
以上であることが好ましい。このように電極と相対的に
セルロースエステルフィルムを移動させて薄膜形成を行
う方法によれば、電極とセルロースエステルフィルムと
を一方向に動かすだけで、大面積の薄膜形成を、高速に
行うことも可能である。図1の大気圧プラズマ放電処理
装置においては、ロール電極25および角筒型固定電極
群36の幅手方向(紙面に垂直な方向)における放電面
の長さが、セルロースエステルフィルムFと同じか、そ
れ以上ということである。図1においては、同じにして
ある。
【0147】また、本発明の反射防止フィルム製造方法
の薄膜形成では、電極と相対的にセルロースエステルフ
ィルムを移動させて薄膜形成を行う場合には、電極の放
電面の幅手方向の長さに対する、電極の放電面の移動方
向の長さが、10分の1以上であることが好ましい。更
に好ましくは、5分の1以上、特に好ましくは2分の1
以上である。これは電極の放電面の移動方向の長さが長
い方が好ましいことを意味し、このようにすることで膜
厚が均一で、ムラがなく、高性能な薄膜を形成出来る。
また、電極の移動方向の長さが長いということは、必然
的に放電面積が大きくなり、トータル電力も大きく出来
る。
【0148】例えば、本発明の反射防止フィルム製造方
法において、例えば、幅100cmの長尺セルロースエ
ステルフィルムを搬送しつつ反射防止層薄膜を形成する
ことになるが、このときの電極の放電面の搬送方向と直
交する幅手方向の長さを100cmとすると、電極の放
電面の搬送方向の長さは10cm以上、好ましくは1
2.5cm以上、特に好ましくは30cm以上というこ
とである。この放電面がセルロースエステルフィルム上
の薄膜を形成する面と対向しているとより好ましい。前
記観点から、電極の放電面積は、1000cm2以上で
あることが好ましい。より好ましくは、1300cm2
以上、更に好ましくは1800cm2以上、特に好まし
くは3000cm2以上である。
【0149】上記述べたようにハイパワーの電界を、大
面積に印加することによって、緻密で、膜厚均一性が高
く、ムラのない高性能な薄膜を、生産効率高く得ること
が可能とすることが出来る。この優れた効果について、
本発明者は上記放電方法をとることにより、高密度プラ
ズマを、大面積にわたって均一に発生させることが可能
となったことに起因していると推定している。
【0150】本発明においては、大気圧または大気圧近
傍の圧力下において、このようなハイパワーの電界を、
大面積の電極に印加しても、均一な放電状態を保つこと
が出来る高耐久電極をプラズマ放電処理装置に採用する
必要がある。
【0151】このような電極としては、金属等の導電性
母材上の少なくとも放電面に誘電体を被覆したものであ
ることが好ましい。少なくとも対向する印加電極とアー
ス電極のどちらか片側に誘電体を被覆すること、好まし
くは、印加電極とアース電極の両方に誘電体を被覆する
ことである。
【0152】誘電体被覆電極は、金属等の導電性母材
と、セラミックスやガラス等の誘電体素材の複合部品で
あり、供給する電力、特にトータル電力が大きい場合に
は、誘電体の脆弱な部分から破壊されやすく、安定した
プラズマ放電を維持することが難しい。特に、大きい放
電面積を有する誘電体被覆電極においては、それが顕著
であり、本発明におけるハイパワーを用いる薄膜形成方
法を実施するためには、それに耐え得る誘電体被覆電極
が必要となる。
【0153】本発明において、誘電体被覆電極に用いら
れる誘電体としては、具体的には、比誘電率が6〜45
の無機化合物であることが好ましく、また、このような
誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミック
ス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等
のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセ
ラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設
けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘
電体が好ましい。
【0154】誘電体被覆電極において、上述のような大
電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10
体積%以下、好ましくは8体積%以下であることが好ま
しく、より好ましくは0体積%を越えて5体積%以下で
ある。なお、誘電体の空隙率は、誘電体の厚み方向に貫
通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(例え
ば島津製作所製のポロシメーター)により測定すること
が出来る。誘電体が、低い空隙率を有することにより、
高耐久性が達成される。このような空隙を有しつつも空
隙率が低い誘電体としては、後述のプラズマ法等による
高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げること
が出来る。更に空隙率を下げるためには、封孔処理を行
うことが好ましい。
【0155】また、誘電体被覆電極の他の好ましい仕様
としては、誘電体を、溶融法により得られるガラスを用
いてガラスライニング法で形成したものである。ガラス
ライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系
ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜
テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジン酸塩
ガラス等が好ましく用いられるが、この中でもホウ酸塩
系ガラスが加工しやすく特に好ましい。このときの誘電
体は、泡混入量の異なる2層以上の層からなることがよ
り耐久性を高めることが出来好ましい。前記泡混入量と
しては、導電性母材に接する最下層が20〜30体積%
であり、次層以降が5体積%以下であることが好まし
い。泡混入量は、ガラス自体の固有密度と、ガラスライ
ニング層の密度との関係から算出することが出来る。ガ
ラスへの泡混入量の制御方法としては、もともとガラス
の溶融物には泡が混入しているため、脱気を行うが、該
脱気度合いを変化させることによって所望の値と出来
る。このような泡混入量をコントロールし、層状に設け
たガラスライニング法による誘電体も、耐久性の高い電
極が得られる。また、このときの誘電体層のトータル厚
みは0.5〜2.0mmであり、更に最下層の膜厚が、
0.1mm以上あり次層以降のトータル膜厚が0.3m
m以上あることが好ましい。
【0156】また、本発明の誘電体被覆電極において、
大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が
100℃以上であることである。更に好ましくは120
℃以上、特に好ましくは150℃以上である。尚、耐熱
温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態
において耐えられる最も高い温度のことを指す。このよ
うな耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量
の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用
したり、下記導電性母材と誘電体の線熱膨張係数の差の
範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせるこ
とによって達成可能である。
【0157】また、本発明の誘電体被覆電極において、
別の好ましい仕様としては、誘電体と導電性母材との線
熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わ
せのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、更に
好ましくは5×10-6/℃以下、更に好ましくは2×1
-6/℃以下である。尚、線熱膨張係数とは、周知の材
料特有の物性値である。
【0158】線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電
性母材と誘電体との組み合わせとしては、 1)導電性母材がチタンを70質量%以上含有するチタ
ン金属またはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射
被膜 2)導電性母材がチタンを70質量%以上含有するチタ
ン金属またはチタン合金で、誘電体がガラスライニング 3)導電性母材がステンレススティールで、誘電体がセ
ラミックス溶射被膜 4)導電性母材がステンレススティールで、誘電体がガ
ラスライニング 5)導電性母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、
誘電体がセラミックス溶射被膜 6)導電性母材がセラミックスおよび鉄の複合材料で、
誘電体がガラスライニング 7)導電性母材がセラミックスおよびアルミの複合材料
で、誘電体がセラミックス溶射皮膜 8)導電性母材がセラミックスおよびアルミの複合材料
で、誘電体がガラスライニング 等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記1)
及び2)または5)〜8)が好ましいが、特に1)及び
2)が好ましい。
【0159】上記チタン金属またはチタン合金は、チタ
ンを70質量%以上含有していれば、問題なく使用出来
るが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有してい
るものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチ
タン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタ
ン等として一般に使用されているものを用いることが出
来る。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TI
C、TID等を挙げることが出来、何れも鉄原子、炭素
原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有し
ているもので、チタンの含有量としては、99質量%以
上を有している。耐食性チタン合金としては、T15P
Bを好ましく用いることが出来、上記含有原子の他に鉛
を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以
上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の
原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウム
や錫を含有しているT64、T325、T525、TA
3等を好ましく用いることが出来、これらのチタン含有
量としては、85質量%以上を含有しているものであ
る。これらのチタン合金またはチタン金属は熱膨張係数
がステンレススティール、例えばAISI316に比べ
て、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属母材としてチ
タン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体
との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐える
ことが出来る。
【0160】また、本発明の誘電体被覆電極において、
大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚
みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動
は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以
下、更に好ましくは1%以下である。
【0161】上記、導電性母材に対し、セラミックスを
誘電体として高密度に、高密着に溶射する方法として
は、大気プラズマ溶射法が挙げられる。大気プラズマ溶
射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ
熱源中に投入し、溶融または半溶融状態の微粒子として
被覆対象の母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術であ
る。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解
離させ、更にエネルギーを与えて電子を放出させた高温
のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は
大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶
射材料が高速で母材に衝突するため、密着強度が高く、
高密度な被膜を得ることが出来る。詳しくは、特開20
00−301655号公報に記載の高温被曝部材に熱遮
蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することが出来る。こ
の方法によれば、被覆する誘電体(セラミック溶射膜)
の空隙率を10体積%以下、更には8体積%以下とする
ことが可能である。
【0162】誘電体の空隙率をより低減させるために
は、セラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封
孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物として
は、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素
(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
【0163】封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応に
より硬化して形成したものであることが好ましい。封孔
処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものであ
る場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セ
ラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化す
る。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合に
は、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ま
しい。
【0164】ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギ
ー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理として
は、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、UV照射な
どがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈
し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、より
いっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極が出
来る。
【0165】本発明の誘電体被覆電極の金属アルコキシ
ド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティン
グした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場
合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上
であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとし
てアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiO
x(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが
好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPSにより誘
電体層の断層を分析することにより測定する。
【0166】また、誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨
仕上げする等の方法により、電極の表面粗さRmax
(JIS B 0601)を10μm以下にすること
で、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つこ
とが出来、放電状態を安定化出来ること、更に熱収縮差
や残留応力による歪やひび割れを無くし、かつ、高精度
で、耐久性を大きく向上させることが出来る。誘電体表
面の研磨仕上げは、少なくともセルロースエステルフィ
ルムと接する側の誘電体において行われることが好まし
い。
【0167】上述の大気圧プラズマ放電処理により反射
防止層の薄膜を形成する際、本発明に係る両表面の有機
溶媒可溶性の添加剤の濃度の異なるセルロースエステル
フィルムを用いることによって、薄膜形成が均一であ
り、反射率にムラを生ぜず優れた反射防止フィルムを製
造することが出来る。
【0168】本発明の反射防止フィルムの分光反射率は
分光光度計により測定を行うが、セルロースエステルフ
ィルムの上の反射防止層の反対側を(観察側の裏面)を
粗面化処理した後、黒色のスプレーを用いて光吸収処理
を行ってから、400〜700nmの波長について反射
光を測定する。反射率は400〜700nmの波長にお
ける平均値が0.4%以下であることが好ましく、最低
の反射率は0.2%未満であることが好ましく、測定波
長の範囲内において、反射率がほぼ平坦な反射スペクト
ルを有することが好ましく、反射光のムラがないことが
好ましい。
【0169】偏光板は、一般的な方法で作製することが
出来る。先ず、セルロースエステルフィルムと反射防止
フィルムをアルカリケン化処理し水洗し乾燥しておく、
一方、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に
浸漬、長さ方向に一軸延伸して作製した偏光膜の両面
に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて
上記フィルムの鹸化された面を貼り合わせることによっ
て偏光板を得ることが出来る。
【0170】この偏光板を作製する過程において、鹸化
処理したセルロースエステルフィルムの何れかの面、ま
た反射防止フィルムの反射防止層のある面の反対面を貼
り合わせる際、本発明に係るセルロースエステルフィル
ム及び本発明の反射防止フィルムを使用することによっ
て、貼り合わせが良好に行うことが出来、また貼り合わ
せたフィルムが剥離することもなく安定した偏光板を得
ることが出来る。
【0171】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0172】〔評価〕 〈可塑剤の含量の測定〉セルロースエステルフィルムの
両表面をそれぞれカミソリで1μmずつ削り、削り取っ
た質量を測定し、試料をアセトンに溶解し、溶液中のト
リフェニルホスフェート(略してTPP)を下記の方法
で測定し、製膜時、ウェブがステンレススティールベル
ト側(ベルト側)と空気側との含有量の比、ベルト側/
空気側として表した。
【0173】ヒューレットパッカード性のガスクロマト
グラフ5890シリーズ2を用い、カラムにはJ&B社
製DB−1(内径0.25mm、長さ25m)を用い
た。キャリアガスにはヘリウムを用い、線流速30cm
/秒で通し、検出器には水素炎イオン化検出器(FI
D)を用いた。内部標準としては、ステアリン酸メチル
を用い、検量線法にて、TPP及びエチルフタリルエチ
ルグリコレート(略してEPEG)の定量を行った。
【0174】〈平面性評価〉長さ1200m、幅110
0mmの反射防止フィルム1〜4について、200mお
きに全幅、長さ1mにサンプリングし、各6枚の試料を
平坦な机の上に置き、4本の40Wの直管蛍光灯を10
cm間隔に配置した蛍光灯から斜めに試料に光を当て、
試料に反射する直管蛍光灯のの見え具合を下記のように
評価した。なお、6枚のうち最も評価の悪かったものを
そのランクとした。
【0175】A:4本の蛍光灯が等間隔にしかも真っ直
ぐ平行に見え、ゆがみやツレも観察されず平面性が優れ
ている B:4本の蛍光灯がほとんど等間隔、ほとんど真っ直ぐ
に平行に見えたが、ごく僅かゆがみが感じられた C:4本の蛍光灯がほとんど真っ直ぐに見えたが、若干
のゆがみが観察された D:4本の蛍光灯が若干曲がって見え、フィルム全体的
が丸みを帯びているのがわかるし、またその丸みを押さ
えるとゆがみやツレが若干目立つ E:4本の蛍光灯が、全くゆがんで見え、所々大きな窪
み(平面性を保てずに)が観察される F:蛍光灯が全く曲がって見え、フィルムが平らではな
い。
【0176】〈カールの測定〉平面性評価に使用した試
料の両端から200mm及び中央部分の5箇所から2m
m×50mmの大きさに流延方向及び幅方向の向きで2
個、1種類の反射防止フィルムについて合計120個の
カール測定用試料を切り出した。これらのカール測定用
試料の真ん中辺を軽く切り込みのある試料立てに立て、
23℃、55%RHの雰囲気中に24時間放置し後、同
雰囲気中でカールスケールを用いてカールを測定し、最
大値と平均値を下記の基準で評価した。なお、セルロー
スエステルフィルムのカールについては、セルロースエ
ステルフィルムを製膜し終わった時点で、全幅、長さ1
mの大きさにサンプリングして、同様に5箇所の10個
の試料についてカールを測定した。
【0177】A:最大値20(m-1)以下、平均値は1
5(m-1)以下 B:最大値21〜30(m-1)、平均値21〜30(m
-1)以下 C:最大値31〜40(m-1)、平均値31〜40(m
-1) D:最大値41(m-1)以上、平均値41(m-1)以上 〈平均反射率の測定〉平面性評価に使用した試料を用
い、反射モードの日立製作所製分光光度計U−4000
型により、5度正反射の条件で400〜750nmの範
囲で反射率の測定し、その範囲の反射率の平均値を平均
反射率とした。なお、反射防止層のない側の反射防止フ
ィルム面を粗面化した後、黒色のスプレーを用いて光吸
収処理を行い、反射防止フィルム裏面の光の反射を防止
した。
【0178】〈偏光板からの反射防止フィルムの剥がれ
と平面性の評価〉偏光板を80℃、90%RHの雰囲気
中に50時間放置し、該雰囲気内から偏光板を取り出
し、23℃、55%RHの雰囲気中に移し、24時間後
の偏光板表面の反射防止フィルム面の平面性と剥がれ具
合を下記のように評価した。
【0179】 A:平面性良好で、剥がれなし B:平面性かなり良好、剥がれなし C:やや反りがあるが、剥がれなし D:反りがあり、角が若干剥がれている E:反りがやや大きく、角がかなり剥がれている F:ほとんどが剥がれている 実施例1 〔セルロースエステルフィルム1の作製〕 〈ドープAの調製〉 《ドープ原液Aの調製》 メチレンクロライド 440kg エタノール 35kg セルローストリアセテート(アセチル置換度:2.65) 100kg TPP 8kg EPEG 3kg チヌビン326 0.4kg チヌビン109 0.9kg チヌビン171 0.9kg 上記素材を溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら素材
を投入し、加熱、撹拌しながら、完全に溶解、混合し
た。ドープを流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡
操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙N
o.244を使用して濾過し、ドープ原液Aを調製し
た。
【0180】 《酸化珪素分散液の調製》 アエロジル200V 1kg エタノール 9kg 上記素材をディゾルバで30分間撹拌混合した後、マン
トンゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行った。
【0181】 《添加液の調製》 セルローストリアセテート(アセチル置換度:2.65) 6kg メチレンクロライド 140kg 上記素材を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、
完全に溶解、濾過した。これに10kgの上記酸化ケイ
素分散液を撹拌しながら加えて、さらに30分間撹拌し
た後、濾過し、添加液を調製した。
【0182】更にドープ原液A100kgあたり添加液
を2kgの割合で添加し、インラインミキサー(東レ静
止型管内混合機H−Mixer、SWJ)で十分混合
し、濾過し、ドープAを調製した。
【0183】〈セルロースエステルフィルム1の製膜〉
ドープAを濾過した後、溶液流延装置(幅1500mm
無端のステンレススティールベルトを2個の金属製のに
張り、上側に位置するステンレススティールベルトの裏
側から温水を用いて加熱し、下側に位置するステンレス
スティールベルトの裏側からはベルトの幅と同じ長さの
複数のスリットノズルから温風を吹きつけ、ベルトの表
面側からはベルトの幅と同じ長さの複数のスリットから
温風をベルト走行方向に向かって30度の角度になるよ
うに当てるようになっている)を用い、ドープ温度33
℃で前半の温水温度を30℃、後半の温水温度を38℃
どし、ステンレススティールベルト上に均一に流延し
た。ベルト表側からは33℃の風を当てた。その後、下
側に位置するステンレススティールベルトの裏側のスリ
ットから吹き付ける温度を40として、残留溶媒量が2
5質量%となるまでウェブの乾燥を行い、次いで、剥離
付近は15℃の風で冷やし、剥離張力30N/m幅で、
ステンレススティールベルトからウェブを剥離した。剥
離した後、幅方向に保持しながら115℃で乾燥させた
後、幅保持を解放して、ロール搬送しながら120℃の
乾燥ゾーンで乾燥を終了させた。冷却後、フィルム両端
に幅10mm、高さ5μmのナーリング加工を施して、
膜厚40μmのセルロースエステルフィルム1を作製し
た。フィルム幅は1100mm、巻き取り長は1300
mとした。
【0184】〔セルロースエステルフィルム2の作製〕
上側に位置する無端ステンレススティールベルトの両端
に2個のダイを設置し、セルロースエステルフィルム1
で調製したドープAを該2個のダイに分けて導入し、1
/2の量ずつ重層流延を行った以外は実施例1と同様に
製膜し、セルロースエステルフィルム2を得た。
【0185】〔セルロースエステルフィルム3の作製〕
図4に示したような共流延ダイを用意し、下記ドープB
及びドープCを2個の口金を通して無端のステンレスス
ティールベルトの上に同時重層流延を行った。
【0186】 〈ドープBの調製〉 《ドープ原液Bの調製》 メチレンクロライド 440kg エタノール 35kg セルローストリアセテート(アセチル置換度:2.65) 100kg TPP 12kg EPEG 3kg チヌビン326 0.4kg チヌビン109 0.9kg チヌビン171 0.9kg 上記素材を溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら素材
を投入し、加熱、撹拌しながら、完全に溶解、混合し
た。ドープを流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡
操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙N
o.244を使用して濾過し、ドープ原液Bを調製し
た。
【0187】 〈ドープCの調製〉 《ドープ原液Cの調製》 メチレンクロライド 440kg エタノール 35kg セルローストリアセテート(アセチル置換度:2.65) 100kg TPP 4.6kg EPEG 3kg チヌビン326 0.4kg チヌビン109 0.9kg チヌビン171 0.9kg 上記素材を溶剤を密閉容器に投入し、攪拌しながら素材
を投入し、加熱、撹拌しながら、完全に溶解、混合し
た。ドープを流延する温度まで下げて一晩静置し、脱泡
操作を施した後、溶液を安積濾紙(株)製の安積濾紙N
o.244を使用して濾過し、ドープ原液Cを調製し
た。
【0188】酸化珪素分散液と添加液は実施例1と同様
なものを用い、それぞれをドープ原液B及びCに実施例
1と同様に混合し、ドープB及びドープCを調製した。
下記共流延ダイで流延した。
【0189】図4は共流延ダイの断面図の一例を示し、
更に2種のドープを共流延した様子を模式的に示した図
である。共流延用ダイ100には2個のドープ導入口1
02及び103があり、ダイの中央部にそれぞれのドー
プ導入口102及び103が設置されてある。ドープ導
入口102及び103にはそれぞれ110のドープB及
び111のドープCが導入され、ダイの幅全体に広がる
ようになっているマニホールド104及び105におい
て、それぞれのドープはダイ幅全体に広がり、スリット
106及び107を通り、リップ(口金)108及び1
09においてドープB及びドープCがそれぞれ吐出さ
れ、ステンレススティールベルト120上に同時重層共
流延される。流延されたウェブは121は重層されたま
ま乾燥される。
【0190】ドープB及びドープCをそれぞれ流量1/
2にして導入した。その後のベルト上の乾燥条件、剥離
条件、延伸条件及び乾燥条件は実施例1と同様に行い、
セルロースエステルフィルム3を作製した。
【0191】〔セルロースエステルフィルム4の作製〕
特開平4−284211号明細書に記載されている方法
を参考にして、5℃に冷却した鏡面を有するドラムの上
に上記ドープAを流延してゲル化させ、ドラムが1回転
する前にほとんど乾燥せずにゲル化したウェブ剥離し
た。剥離後、すぐにクリップでウェブの両端を把持して
0〜10%の間に幅保持及び延伸しながら両面から11
5℃の熱風を当てて乾燥させ、クリップを解放させた
後、更にロール搬送しながら120℃の乾燥ゾーンで乾
燥を終了させた。冷却後、フィルム両端に幅10mm、
高さ5μmのナーリング加工を施して、膜厚40μmの
セルロースエステルフィルム4を作製した。フィルム幅
は1100mm、巻き取り長は1300mとした。
【0192】実施例2 実施例1で作製したセルロースエステルフィルム1〜4
に図1に示したような大気圧プラズマ放電処理装置を用
いて、セルロースエステルフィルムのTPPが多く存在
する面に(セルロースエステルフィルム4については面
については指定しない)反射防止層の薄膜を形成して反
射防止フィルム1〜4を作製した。
【0193】ロール回転電極及び角筒型固定電極には、
保温水による保温機能を有するチタン合金製ジャケット
付きのチタン合金金属母材(ロール回転電極は値rたん
合金ロール及び角筒型固定電極は角形のチタン合金パイ
プ)を用いた。これらに溶射によりアルミナセラミック
スを1mm被覆し、その上にテトラメトキシシランを酢
酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射によ
り硬化させて封孔処理を行いRmaxが1μmの誘電体
を有するロール電極及び複数の角筒型固定電極を製作し
た。ロール回転電極をアース(接地)した。一方の対向
電極としての角筒型固定電極群に高周波電源を設置し
た。4層の薄膜を形成させるため、第1のプラズマ放電
処理装置を中屈折率層用に、第2のプラズマ放電処理装
置を高屈折率層用に、更に第3のプラズマ放電処理装置
を低屈折率層用として、それぞれ必要な膜厚が各々得ら
れるように調整した。第4のプラズマ放電処理装置は防
汚層用である。また、放電プラズマ発生に用いる使用高
周波電源は、パール工業製高周波電源(2MHz)によ
り、20W/cm2の放電電力を印加した。但し、ロー
ル電極を、ドライブを用いて回転させ、基材を同期して
20m/分の速度で移送させた。なお、電極間隙は1.
0mm、反応ガスの圧力を103kPaとして行った。
【0194】大気圧プラズマ放電放電処理に用いた反応
ガスの組成を以下に記す。 〈中屈折率層形成用反応ガス:酸化錫層〉 希ガス(アルゴン) 99.3体積% 反応性ガス(酸素ガス) 0.5体積% 反応性ガス(テトラブチル錫蒸気) 0.2体積% 〈高屈折率層形成用反応ガス:酸化チタン層〉 希ガス(アルゴン) 99.3体積% 反応性ガス(酸素ガス) 0.5体積% 反応性ガス(テトライソプロポキシチタン蒸気) 0.2体積% 〈低屈折率層形成用反応ガス:酸化珪素層〉 希ガス(アルゴン) 99.3体積% 反応性ガス(酸素ガス) 0.5体積% 反応性ガス(テトラエトキシシラン蒸気) 0.3体積% 〈防汚層形成用反応ガス〉 希ガス(アルゴン) 99.0体積% 反応性ガス(ヘキサフルオロプロパン) 1.0体積% なお、上記反応ガス蒸気はリンテック(株)製の気化器
を使用して気化後、アルゴンガス中に混合した。
【0195】連続的に大気圧プラズマ処理して、順に酸
化錫層(屈折率1.7、膜厚67nm)、酸化チタン層
(屈折率2.14、膜厚110nm)、酸化珪素層(屈
折率1.44、膜厚87nm)、防汚層(膜厚30n
m)の4層を設け、反射防止フィルム1〜4を得た。ま
た、反射防止フィルム1〜4の平均反射率はいずれも
0.4%であった。
【0196】実施例3 〔偏光板1〜4の作製〕反射防止フィルム1〜4を用い
て、以下に述べる工程に従って、偏光板1〜4を作製
し、評価した。
【0197】1.偏光膜の作製 厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一
軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨ
ウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gか
らなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム
6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水
溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光膜を得た。
【0198】2.偏光板の作製 次いで、下記工程1〜5に従って、偏光膜の両面にセル
ロースエステルフィルム1〜4の片面を、また反射防止
フィルム1〜4の反射防止層と反対側の面をそれぞれ貼
り合わせて偏光板1〜4を作製した。
【0199】工程1:偏光板用保護フィルムを、長手方
向30cm、巾手方向18cmのサイズで2枚切り取
り、2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に60℃で9
0秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。
【0200】工程2:長手方向30cm、巾手方向18
cmサイズに断裁した前記偏光膜を固形分2質量%の完
全鹸化ポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸
漬した。
【0201】工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の
接着剤を軽く取り除き、それを工程1で処理した反射防
止フィルム1〜4の上に積層し、更にその反対側の偏光
膜の表面にセルロースエステルフィルム1〜4の片面を
接着剤で積層体を形成し、配置した。(防汚層、低屈折
率層が外側になるように配置) 工程4:ハンドローラにて工程3で積層した偏光膜と偏
光板用保護フィルム11〜12との積層体の端部から過
剰の接着剤及び気泡を取り除き貼り合わせた。ハンドロ
ーラの圧力は20〜30N/cm2、ローラスピードは
約2m/minとした。
【0202】工程5:80℃の乾燥機中にて工程4で作
製した試料を2分間乾燥処理し、偏光板1〜4を作製し
た。
【0203】実施例1〜3の結果について表1に示し
た。
【0204】
【表1】
【0205】(結果)本発明の厚さ方向に可塑剤TPP
が濃度勾配を有しているセルロースエステルフィルムを
用いた反射防止フィルムは、平面性が良好で、カールが
小さく、それらのフィルムを偏光板を作製した際のフィ
ルムの剥がれもなく平面性も良好であった。また、厚さ
方向に濃度勾配を有しない可塑剤EPEGが共存してい
てもその傾向は変わらなかった。これに対して本発明に
おいて濃度勾配があった可塑剤を使用してほとんど濃度
勾配のないように製膜したセルロースエステルフィルム
の比較例は平面性が悪く、平面性も劣っており、そのフ
ィルムを用いて偏光板を作製した場合、膜剥がれが起こ
ったり、平面性が悪かった。
【0206】
【発明の効果】本発明の有機溶媒可溶性の添加剤の少な
くとも1種が両表面における含量が異なるセルロースエ
ステルフィルムの含量の多い方に反射防止層の薄膜を形
成させることによって、平面性の優れた反射防止フィル
ムを提供出来、その結果安定で画像にゆがみのない偏光
板を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る大気圧もしくはその近傍の圧力下
でのプラズマ放電処理装置の一例を示す図である。
【図2】ロール電極の金属等の導電性母材とその上に被
覆されている誘電体の構造を示す一例を示す見取り図で
ある。
【図3】印加電極としての角筒型固定電極群の1個を取
り出した角筒型固定電極の母材とその上に被覆されてい
る誘電体の構造を示す一例を示す見取り図である。
【図4】共流延ダイの断面図の一例を示し、更に2種の
ドープを共流延した様子を模式的に示した図である。
【符号の説明】
35、35a ロール回転電極 35A、36A 金属母材 35B、36B 誘電体 30 プラズマ放電処理装置 31 プラズマ放電処理容器 32 放電処理室 36 角筒型固定電極群 36a 角筒型電極 40 電圧印加手段 50 ガス充填手段 51 ガス発生装置 60 電極温度調節手段 100 共流延用ダイ 102、103 ドープ導入口 104、105 マニホールド 106、107 スリット 108、109 リップ(口金) 110 ドープB 111 ドープC 120 ステンレススティールベルト 121 ウェブ F 基材、セルロースエステルフィルム G 反応ガス G′ 処理排ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/11 G02B 5/30 5/30 C08L 1:08 // C08L 1:08 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2H049 BA02 BB12 BB33 BB51 BB65 BC14 BC22 2K009 AA07 BB28 CC02 CC03 CC21 CC42 DD04 EE05 4F073 AA14 BA03 BB01 CA01 CA04 4F100 AA20D AA21C AA28B AJ06A AT00A BA05 BA07 BA10E BA44A CA00A CA04A GB41 JL05E JN06 JN18B JN18C JN18D JN30 4G075 AA24 AA61 BB05 BB08 BB10 CA25 CA51 CA52 CA57

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧もしくはその近傍の圧力で対向す
    る電極間に高周波電圧を印加し、該電極間に希ガス及び
    反応性ガスを含有する反応ガスを導入してプラズマ状態
    となった反応ガスに基材をさらすことによって、反射防
    止層を形成する反射防止フィルムの製造方法において、
    基材がセルロースエステルフィルムであって、該セルロ
    ースエステルフィルムが有機溶媒可溶性の添加剤を含有
    し、該添加剤の少なくとも1種が該セルロースエステル
    フィルムの厚さ方向に濃度勾配を有し、該濃度勾配を有
    する添加剤の濃度の高い側の面に該反射防止層を形成す
    ることを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 大気圧もしくはその近傍の圧力で対向す
    る電極間に高周波電圧を印加し、該電極間に希ガス及び
    反応性ガスを含有する反応ガスを導入してプラズマ状態
    となった反応ガスに基材をさらすことによって、反射防
    止層を形成する反射防止フィルムの製造方法において、
    基材がセルロースエステルフィルムであって、該セルロ
    ースエステルフィルムが有機溶媒可溶性の添加剤を含有
    し、該添加剤の少なくとも1種が該セルロースエステル
    フィルムの厚さ方向に濃度勾配を有し、また他の少なく
    とも1種の添加剤の該セルロースエステルフィルムの厚
    さ方向の濃度がほぼ均一な分布を有し、該濃度勾配を有
    する添加剤の濃度の高い側の面に該反射防止層を形成す
    ることを特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 大気圧もしくはその近傍の圧力で対向す
    る電極間に高周波電圧を印加し、該電極間に希ガス及び
    反応性ガスを含有する反応ガスを導入してプラズマ状態
    となった反応ガスに基材をさらすことによって、反射防
    止層を形成する反射防止フィルムの製造方法において、
    基材がセルロースエステルフィルムであって、該セルロ
    ースエステルフィルムが有機溶媒可溶性の添加剤を含有
    し、該添加剤の少なくとも1種が該セルロースエステル
    フィルムの両表面で異なった濃度を有し、該添加剤の濃
    度の高い側の面の反対面に該反射防止層を形成すること
    を特徴とする反射防止フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記有機溶媒可溶性の添加剤の濃度が高
    い面側の濃度がその反対面側に対し1.05〜10.0
    の濃度比を有することを特徴とする請求項1乃至3の何
    れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記濃度比が1.1〜5であることを特
    徴とする請求項4に記載の反射防止フィルムの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記濃度比が1.3〜3であることを特
    徴とする請求項4または5に記載の反射防止フィルムの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記濃度が高い面側の有機溶媒可溶性の
    添加剤がリン酸エステル系の可塑剤であることを特徴と
    する請求項1乃至6の何れか1項に記載の反射防止フィ
    ルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記厚さ方向の濃度がほぼ均一である有
    機溶媒可溶性の添加剤が非リン酸エステル系の可塑剤ま
    たは紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項2乃至
    7の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記セルロースエステルフィルムに含ま
    れる全可塑剤濃度が1〜30質量%であることを特徴と
    する請求項7または8に記載の反射防止フィルムの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記セルロースエステルフィルムの上
    に直接または他の層を介してセルロースエステルフィル
    ム側から中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の順に
    反射防止層を積層することを特徴とする請求項1乃至9
    の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記中屈折率層が少なくとも酸化錫を
    含有していることを特徴とする請求項10に記載の反射
    防止フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記高屈折率層が少なくとも酸化チタ
    ンを含有していることを特徴とする請求項10または1
    1に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記低屈折率層が少なくと酸化珪素を
    含有していることを特徴とする請求項10乃至12の何
    れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記低屈折率層が少なくともフッ素を
    含有していることを特徴とする請求項10乃至13の何
    れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 該反射防止層の最上層に防汚層を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記
    載の反射防止フィルムの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記高周波電圧を、100kHzを超
    え、150MHz以下の周波数とし、且つ電力を1〜5
    0W/cm2で供給することを特徴とする請求項1乃至
    15の何れか1項に記載の反射防止フィルムの製造方
    法。
  17. 【請求項17】 前記高周波電圧が、連続したサイン波
    であることを特徴とする請求項1乃至16の何れか1項
    に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記電極に供給する全電力を、15k
    Wを越え、300kW以下とすることを特徴とする請求
    項1乃至17の何れか1項に記載の反射防止フィルムの
    製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至18の何れか1項に記載
    の方法で製造されたことを特徴とする反射防止フィル
    ム。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の反射防止フィルム
    を使用した偏光板。
JP2002033859A 2002-02-12 2002-02-12 反射防止フィルムの製造方法、その方法で製造された反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板 Pending JP2003231765A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002033859A JP2003231765A (ja) 2002-02-12 2002-02-12 反射防止フィルムの製造方法、その方法で製造された反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002033859A JP2003231765A (ja) 2002-02-12 2002-02-12 反射防止フィルムの製造方法、その方法で製造された反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003231765A true JP2003231765A (ja) 2003-08-19

Family

ID=27776529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002033859A Pending JP2003231765A (ja) 2002-02-12 2002-02-12 反射防止フィルムの製造方法、その方法で製造された反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003231765A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005266231A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP2005266232A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
US7486020B2 (en) * 2002-09-11 2009-02-03 General Electric Company Diffusion barrier coatings having graded compositions and devices incorporating the same
WO2009113433A1 (ja) * 2008-03-14 2009-09-17 コニカミノルタエムジー株式会社 有機圧電材料、それを用いた超音波振動子、その製造方法、超音波探触子及び超音波医用画像診断装置
US8034419B2 (en) 2004-06-30 2011-10-11 General Electric Company Method for making a graded barrier coating
US8227984B2 (en) 2002-09-11 2012-07-24 General Electric Company Barrier coatings
WO2016133062A1 (ja) * 2015-02-18 2016-08-25 富士フイルム株式会社 ポリマーフィルム、積層フィルムおよびその製造方法、偏光板、ならびに画像表示装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7486020B2 (en) * 2002-09-11 2009-02-03 General Electric Company Diffusion barrier coatings having graded compositions and devices incorporating the same
US8227984B2 (en) 2002-09-11 2012-07-24 General Electric Company Barrier coatings
US8383214B2 (en) 2002-09-11 2013-02-26 General Electric Company Diffusion barrier coatings having graded compositions and devices incorporating the same
JP2005266231A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP2005266232A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
US8034419B2 (en) 2004-06-30 2011-10-11 General Electric Company Method for making a graded barrier coating
WO2009113433A1 (ja) * 2008-03-14 2009-09-17 コニカミノルタエムジー株式会社 有機圧電材料、それを用いた超音波振動子、その製造方法、超音波探触子及び超音波医用画像診断装置
WO2016133062A1 (ja) * 2015-02-18 2016-08-25 富士フイルム株式会社 ポリマーフィルム、積層フィルムおよびその製造方法、偏光板、ならびに画像表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7220460B2 (en) Thin film forming method, optical film, polarizing film and image display method
JPWO2002048428A1 (ja) 薄膜形成方法、薄膜を有する物品、光学フィルム、誘電体被覆電極およびプラズマ放電処理装置
JP4419407B2 (ja) 防眩性反射防止層の形成方法及び防眩性反射防止フィルムの製造方法
JP4000830B2 (ja) プラズマ放電処理装置
JP2003302503A (ja) 人工照明用反射防止フィルム、人工照明用反射防止層の形成方法、人工照明用偏光板、表示装置及び表示装置の反射防止方法
JP2003201570A (ja) 大気圧プラズマ処理装置、大気圧プラズマ処理方法及びそれを用いて作製した長尺フィルム
JP4281304B2 (ja) 光学フィルム、その製造方法、それを用いた偏光板及び表示装置
JP2002339075A (ja) 長尺基材の表面処理方法及びその方法により製造された光学フィルム
JP2003025504A (ja) セルロースエステルフィルム、防眩フィルム、それらの製造方法及び偏光板
JP2003231765A (ja) 反射防止フィルムの製造方法、その方法で製造された反射防止フィルム及びそれを用いた偏光板
JP2006299000A (ja) 表面処理方法、プラズマ放電処理装置、防眩性フィルム及び防眩性低反射フィルム
JP2003121602A (ja) 光学フィルム及びその製造方法
JP4556357B2 (ja) 低反射偏光板及びそれを用いた表示装置
JP2004258348A (ja) 防汚処理された光学フィルムおよび該光学フィルムを表面に有する画像表示装置
JP4356278B2 (ja) 表面処理方法、防眩層の形成方法、防眩層フィルム及び防眩性低反射フィルム
JP2002228803A (ja) 低反射積層体の製造方法及び低反射積層体
JP2003098303A (ja) 光学フィルム、その製造方法
JP2003053882A (ja) 光学フィルム、その製造方法、反射防止フィルム、偏光板
JP2006306909A (ja) 表面処理方法、表面処理装置、防眩層の形成方法、防眩性フィルム、及び、防眩性低反射フィルム
JP4273728B2 (ja) 光学フィルム、および光学フィルムの製造方法
JP2004189958A (ja) プラズマ放電処理装置、プラズマ放電処理方法、その方法で製造された薄膜及び積層体、及び光学フィルム、光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置
JP2003183836A (ja) 大気圧プラズマ放電薄膜形成方法、光学フィルム、反射防止フィルム及び画像表示素子
JP4581366B2 (ja) 放電プラズマ処理方法
JP2004075738A (ja) 高機能フィルムの製造方法及び製造装置
JP4288915B2 (ja) 光学フィルムの製造方法