JP2013179984A - 古紙管芯無しトイレットロール及び古紙管芯無しトイレットロールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】古紙を再生したトイレットペーパー2を管芯無しに巻いた古紙管芯無しトイレットロールX1であって、紙厚が70〜90μm、乾燥引張強度の縦横比(縦/横)が3.5以下、古紙由来の填料を含み、灰分が3〜10重量%であるトイレットペーパー2が190m以上巻かれ、巻径が100〜118mm、ロール幅が105〜116mm、内径が30〜45mmである、古紙管芯無しトイレットロールX1により解決される。
【選択図】図1
Description
このような古紙管芯無しトイレットロールは、多くが各種施設向けの業務用製品として取引されており、シングルで60m程度の一般消費者向け製品とは求められる品質や価格が異なっている。
そして、近年、古紙管芯無しトイレットロールを利用している施設等では、特に外食産業の飲食店を中心に、雑務作業の削減、人件費削減、保管スペース削減のために、取り替え頻度が少なく、より長巻きであり、しかもコンパクトなものが求められるようになってきた。トイレットロールの巻き長さを増加させるには、巻径を大径にしたり、内径を小径にすれば可能であり、コンパクト化もロール幅を狭くすれば可能である。
しかし、トイレットロールは、JIS規格にその大きさが定められており、市販のペーパーホルダー(紙巻器)は、そのJIS規格のトイレットロールを基準に作られている。管芯無しトイレットロールの中には、業務用製品であるがゆえに、ホルダーとセット販売されるような独自規格で巻き長さが極めて長く大径のものやロール幅が幅狭のものが存在するが、そのようなものは一般のJIS規格に即した形状を想定した紙巻器(ペーパーホルダー)を利用している飲食店などでは互換性がなく利用できない。
古紙を再生したトイレットペーパーを管芯無しに巻いた古紙管芯無しトイレットロールであって、
紙厚が70〜90μmであり、乾燥引張強度の縦横比(縦/横)が3.5以下であり、古紙由来の填料を含み、灰分が3〜10重量%であるトイレットペーパーが190m以上巻かれ、
巻径が100〜118mm、ロール幅が105〜116mm、内径が30〜45mmである、
ことを特徴とする芯無しトイレットロール。
前記トイレットペーパーの伸び率が、6%〜9%である請求項1記載の芯無しトイレットロール。
前記トイレットペーパーの乾燥引張強度が、縦方向250cN/25mm以上、横方向70cN/25mm以上である、請求項1又は2記載の芯無しトイレットロール。
トイレットロールの密度が、0.17〜0.21g/cm3である請求項1〜3の何れか1項に記載の芯無しトイレットロール。
灰分を含む上質古紙を原料として古紙パルプを得て、その古紙パルプをパルプ原料として95%以上用い、かつ、クレーピングドクターでのクレープ率を7〜11%として抄紙して、紙厚70〜90μmとしたトイレットペーパー原紙を用いる、ことを特徴とする古紙芯無しトイレットロールの製造方法。
但し、上質古紙のなかでもシュレッダーゴミは、繊維の分断が進んでいる傾向にあるため、シュレッダーゴミを過度に含む(概ね3割以上含む)上質古紙を使用する場合には、適宜配合割合を調整する。
また、古紙としては、新聞紙やダンボール等のライナー紙は、紫外線により変色しやすい機械パルプや未晒・半晒パルプを多く含むためトイレットロール用原料としては好ましくない。
まず、古紙を常法により離解したのちスクリーンやクリーナーを用いて粗異物を除去する粗選を行う。離解は高せん断力が得られるパルパー、ファイバーフローと称される古紙高濃度離解装置、地球釜等の設備を用いる。
次いで、粗選後の原料を濃縮処理し、既知の薬品等を加え、混錬(ニーディング) 、熟成(ソーキング) を行なう。
濃縮処理は、例えば、遠心分離機やデカンター等を用いて行なうことができる。この際、粗選後の原料を濃縮処理した後の濃度は3〜30% になるように脱水するのがよい。
濃縮処理した後の濃度が3% 未満の濃度であると、後段のニーディングによる物理的せん断を施したても、主に填料である灰分原を微細に分散させる効果が小さく、反対に30 % を超える濃度であると、硬くなりすぎて所望のニーディング処理(物理的せん断)を施すことが困難となる。
ニーディングは、例えば、デフレーカー、高速ニーダー(例えば、(株)石川島産業機械製マイカプロセッサー(商品名)や(株)進展機械製作所のスーパーデフレーカー(商品名))、ニーダー、ディスパーザー等を用いて行なうことができる。
ニーディング後、熟成(ソーキング)によりパルプ繊維からインキの離脱を進行させた後には、洗浄・精選工程でフローテーションによる脱墨処理を行なって古紙パルプとする。なお、濃縮処理からフローテーションまでの処理は適宜複数回繰り返して行なうことができる。
フローテーションを行なうにあたっては処理原料に水を加えて、原料濃度を3 % 未満にして行なう。この時の原料濃度が3% を超えると必要な灰分原も脱墨フロスとして排出され、泡立ちも悪くなり洗浄効率が低下するおそれがある。通常は1%程度の原料濃度で行う。このフローテーションで発生した脱墨フロスはカーボンブラックがその主成分となるので系外に排出する。
この古紙パルプ中の灰分原の量の調整は、濃縮から洗浄・精選工程の回数の調整や、フローテーションや洗浄・精選工程で調整、フローテーション等の精選工程の一部を省略、フローテーションの際に排出される洗浄後のろ水中の原料を濃縮処理して適宜の前段工程に返送する或いは系外排出することで、行なうことができる。
なお、本発明における好適な古紙パルプの灰分率は10〜15重量%である。抄紙工程における灰分原のロスを考慮すれば、上記灰分率の古紙パルプを用いて抄紙すると、灰分率3〜10重量%のトイレットペーパーを得ることができる。
本発明にかかるトイレットペーパーの紙厚、縦横比などを考慮して、ヘッドボックスからの紙料の吐出量、搬送速度等を適宜調整する。
なお、抄紙に際しては、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
本発明にかかるトイレットペーパーを製造するにあたっては、柔らかさを維持する観点から、カレンダー処理は行わない方が好ましく、上記のクレープ率のみで紙厚を調整するようにするのがよい。このようにすることで、本発明に係るトイレットペーパーの伸び率となるとともに所望の風合いとすることができる。
巻径は、πゲージ(ムラテックKDS製:ダイヤルメータールール F10−02DM)を用いてロールの周長を測定した。値は5回測定の平均値である。
〔内径〕
内径は、芯部分に定規をあて径を測定した。値は5回測定の平均値である。
〔製品米坪〕
製品米坪は、JIS P 8124(1998)に準じて測定した。
〔紙厚〕
紙厚は、JIS P 8111(1998)の条件下で試験片を調湿した後、ダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所)を用いて測定した。値は10回測定の平均値である。
なお、紙厚の具体的な測定手順は、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリがないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、前記ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと紙面に対し垂直に下ろしそのときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーをのせるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。
乾燥引張強度は、JIS P 8113(1998)の引張試験方法に準じて測定した。その中でJIS P 8111(1998)に規定された標準条件下で、縦方向及び横方向に幅25mmに裁断し測定した。測定結果は、cN/25mmを単位とする。
伸び率は、JIS P 8113(2006)に規定される3.定義 e)「引張破断伸び(stretch at break)」のことである。この伸び率(%)は、ミネベア株式会社製「万能引張圧縮試験機 TG−200N」を用いて測定した。
ソフトネスは、JIS L 1096 E法に記載のハンドルオメータ法に準じて測定した。
なお、試験片は100mm×100mmの大きさとし、クリアランスは5mmで測定した。値は、縦方向、横方向の各々5回(全10回)の平均値を小数点1桁で表したものである。単位はcN/100mmである。
MMDは、静摩擦係数の平均偏差である。MMDは滑らかさの指標の一つであり、数値が小さいほど滑らかであり、数値が大きいほど滑らかさに劣る。
MMDの測定方法は、摩擦子の接触面を、所定方向に20g/cmの張力が付与された測定試料であるトイレットペーパーの表面に対して、25gの接触圧で接触させながら、張力が付与された方向と略同じ方向に速度0.1cm/sで2cm移動させて行なう。
このときの摩擦係数を、摩擦感テスター(カトーテック株式会社製:KES−SE)を用いて測定し、その摩擦係数の積算値を摩擦距離(移動距離=2cm)で除した値がMMDである。
なお、摩擦子は、直径0.5mmのピアノ線Pを20本隣接させてなり、長さ及び幅がともに10mmとなるように形成された接触面を有するものを用いる。接触面には、先端が20本のピアノ線P(曲率半径0.25mm)で形成された単位膨出部が形成されている。
ここでの水解性とは、ほぐれやすさ試験(JIS P 4501で規定される、ほぐれやすさの試験方法に基づく)における秒数で表したものである。
製品の密度は、JIS P 8111 条件下において調湿したトイレットペーパーの米坪の値(C)を、「PEACOCK G型」によるトイレットペーパーの紙厚(D)で除した値である。単位はg/cm3である。
巻き長さ(m)をロール断面積(m2)で割った値である。ロール断面積は製品径(表中の巻径)と管芯径(表中の内径)をそれぞれ円と見立て、製品径から求めた断面積を、管芯径から求めた断面積で引いた値。
柔らかさや滑らかさを総合的に官能評価で判断した。10人に対して3段階(×:1点、△:2点、○:3点)で評価を取り、その平均とした。×:0以上1未満、△:1以上2未満、○:2以上3未満である。
JIS P 8251(2003)に定められた灰分試験方法に準じて行った。但し処理温度は600℃で行った。
クレープ率は、次式より算出した値である。
クレープ率=((製紙時のドライヤーの周速)−(リール周速))/(製紙時のドライヤーの周速)×100(%)
対して、比較例1は、紙厚を厚くしたものである。90μmを超えると、JIS規格の巻径120mm以内に収めるのが困難となる。また、紙厚増加にともないソフトネスの値も高くなり、柔らかさも不十分な結果となっている。
比較例2は、JIS規格のホルダーを利用できる外形としたものの、実施例と比較して、灰分が少なく、縦横比を大きくしたものである。この比較例2では、ソフトネスの値が大きく、柔らかさが十分に発現されない結果となった。また、風合いも低い評価となった。
Claims (5)
- 古紙を再生したトイレットペーパーを管芯無しに巻いた古紙管芯無しトイレットロールであって、
紙厚が70〜90μmであり、乾燥引張強度の縦横比(縦/横)が3.5以下であり、古紙由来の填料を含み、灰分が3〜10重量%であるトイレットペーパーが190m以上巻かれ、
巻径が100〜118mm、ロール幅が105〜116mm、内径が30〜45mmである、
ことを特徴とする古紙管芯無しトイレットロール。 - 前記トイレットペーパーの伸び率が、6%〜9%である請求項1記載の古紙管芯無しトイレットロール。
- 前記トイレットペーパーの乾燥引張強度が、縦方向250cN/25mm以上、横方向70cN/25mm以上である、請求項1又は2記載の古紙管芯無しトイレットロール。
- トイレットロールの密度が、0.17〜0.21g/cm3である請求項1〜3の何れか1項に記載の古紙管芯無しトイレットロール。
- 灰分を含む上質古紙を原料として古紙パルプを得て、その古紙パルプをパルプ原料として95%以上用い、かつ、クレーピングドクターでのクレープ率を7〜11%として抄紙して、紙厚70〜90μmとしたトイレットペーパー原紙を用いる、ことを特徴とする古紙芯無しトイレットロールの製造方法。
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