JP2009221631A - 衛生用薄葉紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
基材紙に対して薄葉紙処理剤を含有してなる衛生用薄葉紙であって、前記薄葉紙処理剤が、柔軟剤を含みかつ前記柔軟剤以下の質量比で柔軟剤定着補助剤を含み、前記柔軟剤が、アルキル基及び/ 又はアルケニル基を有する非イオン性界面活性剤(A 成分)とアルキル基及び/ 又はアルケニル基を有するカチオン性界面活性剤(B成分) とを含有し、かつ、前記柔軟剤定着補助剤が、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂である衛生用薄葉紙により解決される。
【選択図】なし
Description
そして、この種の衛生用薄葉紙は、かかる用途に用いられるため、例えば、花粉症の時期等、頻繁に鼻をかむ際に皮脂が奪われて鼻を赤くしてしまうという問題や、口周りなどの皮膚の弱い部分を拭く際に摩擦によって皮膚を痛めるおそれがあるという問題を抱える。従って、この種の衛生用薄葉紙においては、摩擦による皮膚への影響を低減すべく、柔らかであることが重要とされており、その改善に努められてきた。
しかし、上記皮膚に対する問題点においては、柔軟性を高めるだけでは改善しきれず、滑らかな肌触りも重要なファクターであることが知見された。
そしてこのような滑らかさは、柔軟剤を基材紙に多量に含有させることで改善されるが、柔軟性を高めるべく柔軟剤を多量に用いると、余剰の柔軟剤の発泡等や余剰柔軟剤の凝集等によるカスの発生に起因する操業上のトラブルが生じたり、紙力の低下を招くおそれがあった。
<請求項1記載の発明>
基材紙に対して薄葉紙処理剤を含有してなる衛生用薄葉紙であって、
前記薄葉紙処理剤が、柔軟剤を含みかつ前記柔軟剤以下の質量比で柔軟剤定着補助剤を含み、
前記柔軟剤が、アルキル基及び/ 又はアルケニル基を有する非イオン性界面活性剤(A 成分)とアルキル基及び/ 又はアルケニル基を有するカチオン性界面活性剤(B成分) とを含有し、
前記柔軟剤定着補助剤は、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂である、
ことを特徴とする衛生用薄葉紙。
前記衛生用薄葉紙は、柔軟剤を0.1〜3.0kg/t含む、請求項1記載の衛生用薄葉紙。
前記衛生用薄葉紙は、柔軟剤定着補助剤を0.1〜3.0kg/t含む請求項1又は2記載の衛生用薄葉紙。
前記ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂は、分子量が10万以上100万以下である請求項1記載の衛生用薄葉紙。
前記薄葉紙処理剤は、柔軟剤と柔軟剤定着補助剤の質量比が1:1〜10:1である請求項1〜4の何れか1項に記載の薄葉紙。
本発明の衛生用薄葉紙は、基材紙に対して薄葉紙処理剤が含有されているものである。
〔基材紙〕
前記基材紙は、そのプライ数は限定されず、衛生用薄葉紙の用途等に応じて適宜選択することができる。
ただし、1プライ当たりの米坪(JIS P 8124)は10.0〜25.0g/m2が望ましい。米坪が10.0g/m2よりも小さいと、十分な強度を保つことができず製造時に破れ、断紙等の原因となる。また米坪が25.0g/m2よりも大きいと紙力を下げる事ができなくなるだけでなく、柔軟剤を添加した際の効果が分かりにくくなる。
他方、前記薄葉紙処理剤は、柔軟剤と柔軟剤定着補助剤を含む。
(柔軟剤)
本発明にかかる柔軟剤は、アルキル基及び/ 又はアルケニル基を有する非イオン性界面活性剤(A 成分)とアルキル基及び/ 又はアルケニル基を有するカチオン性界面活性剤(B成分) とを含有する。
R1−A1−(EO)m(PO )n−CO−R2 ・・・( 1 )
R1−O−(EO m(PO)n−R2 ・・・( 2 )
R1−A1−(EO)m(PO)nH ・・・( 3 )
( 但し、式中、−A1−は−O−又は−COO−を示し、R1とR2とは炭素数6〜24、好ましくは10〜22のアルキル基又は炭素数6〜24、好ましくは10〜22のアルケニル基を示し、かつR1とR2とは同一又は相異していてもよく、E はエチレン基を示し、Pはプロピレン基を示し、mとnとの合計は1〜60、好ましくは2〜40である。なお、m及びnは平均付加モル数である。)
R8−NH2 ・・・( 6 )
( 但し、式中、R8は、炭素数6〜24のアルキル基、炭素数6〜24のアルケニル基から選ばれる1 種を示す。)具体例としてはオレイルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミンが挙げられる。
R9R10−NH ・・・( 7 )
( 但し、式中、R9は、炭素数6〜24のアルキル基、炭素数6〜24のアルケニル基から選ばれる1種を示し、R10は(EO)m(PO)nH、炭素数1〜24のアルキル基、炭素数1〜24のアルケニル基から選ばれる1種を示し、前記Eはエチレン基を示し、前記Pはプロピレン基を示し、mとnとの合計は1〜60である。なお、m及びnは平均付加モル数である。)
具体例としてはジオレイルアミン、モノオレイルモノメチルアミンが挙げられる。
R11R12R13N ・・・( 8 )
( 但し、式中、R11は、炭素数6〜24のアルキル基、炭素数6〜24のアルケニル基から選ばれる1種を示し、R12とR13とは(EO)m(PO)nH、炭素数1〜24のアルキル基、及び炭素数1〜24のアルケニル基から選ばれる1種を示し、かつR12とR13とは同一であっても相違していてもよく、前記E はエチレン基を示し、前記P はプロピレン基を示し、mとnとの合計は1〜60である。なお、m及びnは平均付加モル数である。)
この第3 級アミン類の具体例としてはポリオキシアルキレンジオレイルアミン、ポリオキシアルキレンエチレングリコールラウリルアミン、ジメチルモノオレイルアミン、モノメチルジオレイルアミンが挙げられる。
上記一般式(4)で表される第4 級アンモニウム塩としては、具体的にはトリメチルモノラウリルアンモニウムクロライド、トリメチルモノセチルアンモニウムクロライド、トリメチルモノパルミチルアンモニウムクロライド、トリメチルモノステアリルアンモニウムクロライド、トリメチルモノオレイルアンモニウムクロライド、トリメチルモノベヘニルアンモニウムクロライド、ジメチルジラウリルアンモニウムクロライド、ジメチルジセチルアンモニウムクロライド、ジメチルジパルミチルアンモニウムクロライド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロライド、ジメチルジベヘニルアンモニウムクロライド、ポリアルキレンオキシモノメチルジオレイルアンモニウムクロライド、ビス( ポリアルキレンオキシ) モノメチルモノオレイルアンモニウムクロライドが挙げられる。
このなかでもトリメチルモノステアリルアンモニウムクロライド、トリメチルモノオレイルアンモニウムクロライド、ジメチルジラウリルアンモニウムクロライド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロライド、ポリアルキレンオキシモノメチルジオレイルアンモニウムクロライド、ビス( ポリアルキレンオキシ) モノメチルモノオレイルアンモニウムクロライドが好ましい。
モノメチルエステル4級塩としては、トリエタノールアミンを炭素数7〜25 、好ましくは11〜23の脂肪酸、例えばステアリン酸でジエステル化し、ジメチル硫酸塩で4 級化したものが挙げられ、ジメチルジエステル4級塩としては、N−メチルジエタノールアミンを炭素数7 〜25、好ましくは11〜23の脂肪酸、例えばオレイン酸でジエステル化し、メチルクロライドで4級化したものが挙げられ、トリメチルジエステル4級塩としては、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオールを炭素数7〜25、好ましくは11 〜23の脂肪酸、例えばオレイン酸でジエステル化し、メチルクロライドで4級化したものが挙げられ、エステルアミド型3級塩としては、N−(2−ヒドロキシエチル)−N − メチル−1,3−プロパンジアミンを炭素数7〜25、好ましくは11〜23の脂肪酸、例えばオレイン酸でエステル化、アミド化し、塩酸で中和して3 級アンモニウム塩としたものなどが挙げられる。
前記溶媒としては例えば水、イソプロピルアルコール等のアルコール等を挙げることができる。
他方、本発明にかかる柔軟剤定着補助剤は、柔軟剤の定着率を高めるものであり、添加によって基剤紙への柔軟剤の定着率が向上する物質全般を意味する。好適な例としては、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂を有効成分とするものであり、特には、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂である。
他方、前記薄葉紙処理剤における柔軟剤と柔軟剤定着補助剤との配合割合は、少なくとも柔軟剤が質量割合で多く含み、好ましくは、質量比で、柔軟剤:柔軟剤定着補助剤=1:1から10:1である。柔軟剤に対して柔軟助剤の量が少ないと、基材紙への定着率が十分でなく、柔らかさと滑らかさが十分に発現しない。柔軟剤定着補助剤の量が多いと、紙力が高まりすぎて、風合い悪化を招く恐れがある。
他方、本発明の衛生用薄葉紙においては、前記柔軟剤の含有量が、0.1〜3.0kg/tであることが望ましい。0.1kg/t未満であると、柔軟性、滑らかさ、紙力の発現が十分ではなく、3.0kg/tを超えると、拭き取りに必要な紙力を確保することが難しく、パルプの叩解や米坪を増やす等の処置が必要となる。その結果、風合いが硬くなる傾向にある。なお、この含有量は、上記柔軟剤定着補助剤の併用により確実に達成可能である。
本発明の薄葉紙処理剤を抄紙原料に添加して使用する場合、その使用方法は特に制限はなく、工業水などにより希釈して添加することもでき、そのまま添加することもできる。
他方、本発明の紙用柔軟剤を表面塗工に適用する好ましい方法としては、スプレー法による塗工、フレキソ法又はグラビア法による印刷機による塗工、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター又はカレンダーなどでの塗工などが挙げられるが、いずれの場合も、本発明の紙用柔軟剤を用いること以外は、一般的な紙の製造方法と同様の方法を採用できる。
他方、本発明の衛生用薄葉紙の構造は、基材紙に応じて1プライであっても、2プライ(2枚重ねで一組)、3プライ、4プライ又はそれ以上の複数プライであってもよい。複数プライとする場合、表面を構成する基材紙のみに薬液が含有されていても、全ての基材紙に薬液が含有されていてもよい。
これらの乾燥紙力は、本発明においては、乾燥紙力剤の必要なく達成できる。従って、本発明の衛生用薄葉紙においては乾燥紙力剤を含有しないほうが好ましい。
以上詳述の本発明の衛生用薄葉紙は、紙力の低下なく、また、滑らかさと柔らかさが従来例と比較して十分に向上され、使用において優れた利点を有する。
「柔らかさ」
被験者30人の官能評価とした。評価は、試料となる薄葉紙を触る、顔にあてる、鼻をかむ等して柔らかさについて、どのように感じるかを基準例を基準として、点数付けすることで行った。点数は、1点:基準例と比べると明らかに風合いの劣ることがわかる、2点:基準例と比べると風合いが若干劣ることがわかる、3点:基準例比較例1と同等、4点:基準例と比べると若干風合いが勝ることがわかる、5点:基準例と比べると明らかに風合いの勝ることがわかる。表中の点数は30人の平均である。
被験者30人の官能評価とした。評価は、試料となる薄葉紙を触る、顔にあてる、鼻をかむ等して滑らかさについて、どのように感じるかを基準例を基準として、点数付けすることで行った。点数は、1点:基準例と比べると明らかに風合いの劣ることがわかる、2点:基準例と比べると風合いが若干劣ることがわかる、3点:基準例と同等、4点:基準例と比べると若干風合いが勝ることがわかる、5点:基準例と比べると明らかに風合いの勝ることがわかる。表中の点数は30人の平均である。
被験者30人の官能評価とした。評価は、試料となる薄葉紙を触る、顔にあてる、鼻をかむ等してふんわり感について、どのように感じるかを基準例を基準として、点数付けすることで行った。点数は、1点:基準例と比べると明らかに風合いの劣ることがわかる、2点:基準例と比べると風合いが若干劣ることがわかる、3点:基準例と同等、4点:基準例と比べると若干風合いが勝ることがわかる、5点:基準例と比べると明らかに風合いの勝ることがわかる。表中の点数は30人の平均である。
また、薄葉紙処理剤における、柔軟剤は、T−FS301(星光PMC株式会社製)及びこれの主成分分子量を調製したものを用いた。また、柔軟剤定着補助剤は、T−FS371(星光PMC株式会社製)を用い、抄紙原料に対して内添して用いた。また、澱粉はDD−4280(星光PMC株式会社製)を用いた。
また、各試験にかかる測定方法は、上記詳細な説明にて説明した測定方法に従い、ソフトネスは、JIS L1096 E法に準じたハンドルオメータ法に基づいて測定した。
なお、実施例11及び12は柔軟剤定着補助剤の添加量比率を変更している。また、実施例13は乾燥紙力増強剤として澱粉を添加している。
また、実施例14及び15は実施例1からクレープ率の変更を行った例である。その結果、クレープ率を下げることにより滑らかさ、肌触りの良さは向上し、クレープ率を上げることで滑らかさ、肌触りの良さは低下することが確認できた。これはクレープ率を下げることで紙の表面の凹凸が少なくなるために起こったことと推測する。従って、当該クレープ率についても、適宜の範囲とするのが望ましい。
実施例23、24は数値的に大きな向上が見られなかった。
Claims (5)
- 基材紙に対して薄葉紙処理剤を含有してなる衛生用薄葉紙であって、
前記薄葉紙処理剤が、柔軟剤を含みかつ前記柔軟剤以下の質量比で柔軟剤定着補助剤を含み、
前記柔軟剤が、アルキル基及び/ 又はアルケニル基を有する非イオン性界面活性剤(A 成分)とアルキル基及び/ 又はアルケニル基を有するカチオン性界面活性剤(B成分) とを含有し、
前記柔軟剤定着補助剤は、ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂である、
ことを特徴とする衛生用薄葉紙。 - 前記衛生用薄葉紙は、柔軟剤を0.1〜3.0kg/t含む、請求項1記載の衛生用薄葉紙。
- 前記衛生用薄葉紙は、柔軟剤定着補助剤を0.1〜3.0kg/t含む請求項1又は2記載の衛生用薄葉紙。
- 前記ポリアミド・エピクロロヒドリン樹脂は、分子量が10万以上100万以下である請求項1記載の衛生用薄葉紙。
- 前記薄葉紙処理剤は、柔軟剤と柔軟剤定着補助剤の質量比が1:1〜10:1である請求項1〜4の何れか1項に記載の薄葉紙。
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