JPH07173783A - 磁気記録古紙を原料とする再生パルプ - Google Patents

磁気記録古紙を原料とする再生パルプ

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JPH07173783A
JPH07173783A JP31984993A JP31984993A JPH07173783A JP H07173783 A JPH07173783 A JP H07173783A JP 31984993 A JP31984993 A JP 31984993A JP 31984993 A JP31984993 A JP 31984993A JP H07173783 A JPH07173783 A JP H07173783A
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JP
Japan
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pulp
paper
ink
magnetic recording
raw material
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JP31984993A
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Hiroichi Hara
普一 原
Fumiaki Nishino
文昭 西野
Mitsuhiro Matsuhashi
光弘 松橋
Kazuhiro Nakamura
和広 中村
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/64Paper recycling

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録古紙を漂白を行わずに脱墨処理し、
元の紙製に使用可能な再生パルプを提供することであ
る。 【構成】 磁気記録古紙を離解、ニーディング、フロー
テーションを繰り返し行い、インキ及び磁性体の合計の
面積を500mm2 /m2 、鉄分50ppm以下、濾水
度450ml以上にした再生パルプ。 【効果】 この再生パルプを用いると、残存した磁性体
は新しく塗布された磁性体へ影響を及ぼさず、また、抄
紙適性も良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録古紙を原料と
する再生パルプに関し、さらに詳しくは、磁気記録紙を
脱墨処理し、インキ及び磁性体が少なく、濾水度の高い
再生パルプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の上質系古紙の利用先は、主たるも
のがトイレットペ−パ−であり、次いで、白板紙、雑誌
等下級紙への混入、フェイシャルティシュ−への利用で
あった。
【0003】近年、磁性体を塗布した各種の廃キップ等
の廃棄物処理、あるいはその製造工場における損紙の処
理が問題となり、急速にその再利用が叫ばれている。
【0004】また、一方では、環境保護、森林保全の観
点からの企業イメ−ジの向上を狙いとした上質系脱墨パ
ルプの上質紙への利用が脚光を浴びている。
【0005】このような脱墨パルプの本質的な面から、
漂白したクラフトパルプに代替して上質系の紙に脱墨パ
ルプを用いるには白色度、残インキ、残磁性体等の品質
の維持が行わなければならない。
【0006】各種用紙向けへの古紙の処理工程で、その
基本となる繊維の分散、インキの剥離、インキの分散、
パルプサスペンジョンからのインキの除去、漂白は同じ
であるが、実際上はかなりの差があり、設備、処理条件
を考えなければならない。
【0007】下級紙用の場合には、脱墨性や強度はそれ
ほど厳しい条件を要求されないが、上級紙用の場合高脱
墨と高強度が要求されるためハイポ等による強い漂白を
行うことができない。
【0008】これまでの磁気記録古紙処理のシステムで
は、離解後に磁石を利用した分別方法としては、例え
ば、特開昭64−56156号公報、特開平1−184
048号公報等に記載されている。しかし、これらの方
法では、パルプ濃度が高いと(例えば、10%以上)磁
性体の除去率が著しく低下し、除去率を上げるためパル
プ濃度を十分下げると膨大な設備を要する。何れも磁石
を利用する方法であり、従来の一般的な設備と全く異な
るため新しい設備が必要となる。
【0009】また、叩解で除去する方法もあるが(例え
ば、特開平2−221497号公報)、叩解を進め過ぎ
て濾水度を下げると抄紙適性は低下する。
【0010】これらの処理によって得られる再生パルプ
は、残磁性体が多く家庭紙用としては使用可能である
が、上質紙向けパルプの代替としては残磁性体が多いた
め、例えば、切符等に再生した場合の残磁性体によって
情報が混乱し、これらの原料パルプとしては不向きであ
るという問題があった。
【0011】特開平3−279481号公報には、鉄分
による着色を招く薬品を使用せず、離解、精選後脱墨薬
品を加えて熟成し、希釈後離解、浮遊選別を行なって、
白色度70%以上、残磁性体面積率が0.05%以下で
ある再生パルプ、という記載があるが、この方法では磁
性体の除去は出来ても残インキの除去は不十分で製紙原
料としての価値は低い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、使用される再生パ
ルプのインキ及び磁性体の面積が500mm2 /m2
下、鉄分が50ppm以下、濾水度が450ml以上で
あれば使用に十分耐えられる事を発見するに至った。こ
の発明の目的は、磁気記録古紙を漂白を行わずに脱墨処
理し、元の紙製品の原料パルプとして提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録古紙を
原料とする再生パルプは、磁気記録古紙をアルカリ性水
溶液中で離解して得たパルプスラリーをパルプ濃度20
〜40%でニーダー処理後、浮遊選別及び洗浄を行なう
一連の操作を1回以上繰り返すことで、インキ及び磁性
体の合計の面積を500mm2 /m2 以下、鉄分50p
pm(対パルプ)以下、濾水度450ml以上にしたこ
とを特徴とするものである。
【0014】本発明の再生パルプの特徴は、磁気記録古
紙を原料とし、インキ及び磁性体の面積500mm2
2 以下、鉄分50ppm以下、濾水度450ml以上
にすることである。
【0015】この再生パルプは、例えば、鉄道の切符等
の原料として使用されても、パルプ中の残磁性体が新し
く塗布された磁性体へ影響を及ぼさないことである。ま
た、濾水度450ml以上であるため抄紙適性も損なわ
ない。また、直接染料による着色パルプを用いた単一の
古紙原料の場合、漂白を行っても直接染料は漂白されな
いためインキ及び磁性体のみを除去して元の製品の原料
パルプとして使用できるという利点がある。
【0016】磁気記録古紙の離解時に添加するアルカリ
性水溶液としては、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等
が使用でき、その添加量は、対絶乾パルプ0.5〜1.
0%が良く、離解条件としては、パルプ濃度10〜15
%、温度40〜60℃で20〜30分間行うことが好ま
しい。
【0017】ニーダー処理、浮遊選別及び洗浄操作の繰
り返し回数は2回以上が好ましい。洗浄操作の洗浄水の
量はできるだけ多くの水で洗浄することが好ましいが、
少なくとも対絶乾パルプ当り50倍の水または温水で洗
浄することが好ましい。
【0018】ニーダー処理前に行うパルプの濃縮は、2
0〜40%にすることが機械の処理効率およびインキま
たは磁性体の剥離の点から好ましく、濃縮装置は適正な
濃度に濃縮できる装置であれば特に限定するものではな
い。
【0019】漂白剤としてはH22 等が使用され、H
22 の添加量は対絶乾パルプ当り1〜3重量%であ
り、同時に使用される苛性ソーダの添加量は対絶乾パル
プ当り1〜3重量%が好ましい。
【0020】脱墨剤としては、脂肪酸系、アロマ系等が
使用でき、その添加量は対絶乾パルプ当り0.1〜0.
5重量%が好ましい。
【0021】浮遊選別処理条件としては、温度20〜4
0℃が好ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0023】磁気記録古紙より再生されたパルプの評価
は以下の方法で行った。
【0024】[インキ面積率]高解像度画像処理解析装
置測定法により、残存するインキ及び磁性体の面積(m
2 /m2 )を示す。
【0025】[鉄分]灰分中の鉄分の量(ppm対パル
プ)を示す。
【0026】再生パルプより製造した紙の評価は、以下
の方法で行った。 1.供紙パルプスラリーに硫酸バンドを添加しpHを4
〜5に調整し200g/m2 の手抄きシートを作成し供
試する。 2.インキ面積率 1)シートの一部をプレパラートにして光学顕微鏡にセ
ットする(×5倍のレンズ)。 2)CCDカメラより画像解析装置(ニレコ社製)に取
り込んでモニターに表示しピントを合わせる。 3)濃淡レベル設定,濃度ムラ補正後二値化画像処理し
面積を測定する。 4)位置を変え数十回測定し平均値を求める。 3.鉄分 1)絶乾5g相当量の試料を700℃、1時間で灰化後
塩酸に溶解する。 2)原子吸光分析装置(島津製作所製)で鉄分の濃度を
測定する。
【0027】実施例1〜6 磁気記録古紙に、対古紙0.5%のNaOHと水を加え
て濃度15%になるようにして、パルパー(相川鉄工
製、ラボ高濃度パルパー)を用い、温度20℃にて20
分間離解した。離解したパルプスラリーを100メッシ
ュの金網上で、剥離したインキ及び磁性体と残NaOH
を十分な流水で洗浄分離を行った。洗浄したパルプを遠
心脱水機を用いてパルプ濃度30%に濃縮した。該濃縮
パルプに漂白薬品として対絶乾パルプ当りH22
1.7%、NaOHを2.0%、脱墨剤として花王DI
800を0.1%各々添加してニ−ダー処理(熊谷理機
製、PFIミル)を行い、処理パルプをポエチレン袋に
脱気して詰め、このまま恒温水槽で60℃で2時間保持
し熟成反応を行った。
【0028】熟成パルプを濃度1%に希釈し、フロ−テ
−ター(極東振興社製ラボフロ−テ−タ−)を用い、4
0℃、15分間フローテーションを行い、ニーダー処理
及び熟成で剥離したインキ及び磁性体の浮上分離を行っ
た。次いで、100メッシュの金網上で十分な流水でイ
ンキ及び磁性体と残薬品を洗浄分離を行った。その後、
パルプを手抄マシンにてシートを作成し、インキ面積と
鉄分を測定した。また、この再生パルプを使用して、ラ
ボペーパーマシンで抄紙し、得られた紙質特性の評価を
した。結果を表1に示す。
【0029】比較例1〜7 比較例1〜7において、ニーダー処理の回転数を低くす
る以外は実施例1と同一条件で古紙処理を行った。結果
を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例において、鉄分50ppm以下であ
るとS/N比が良好であり、濾水度は450mlである
と抄紙適性が良好であることが判る。一方、比較例をみ
ると、ニーダーによる負荷を変え濾水度を保持すると鉄
分が増加してS/N比が不良になり、また、鉄分を低下
させる濾水度も低下して抄紙適性が不良になる。以上の
ことから、今回の発明による磁気記録古紙を原料として
得られる再生パルプは非常に有効なものである。
【0032】
【発明の効果】本発明のインキ及び磁性体の面積率50
0mm2 /m2 以下、鉄分50ppm対パルプ以下、濾
水度450ml以上の再生パルプを用いれば、従来と比
較して、例えば、鉄道等の切符の原料として使用されて
も、パルプ中の残存磁性体が、新しく塗布された磁性体
へ影響を及ぼさず、抄紙適性も良好であるという利点が
ある。また、直接染料による着色パルプを用いた単一の
古紙原料の場合、漂白を行わずにインキ及び磁性体のみ
を除去し、元の製品の原料パルプとして使用できるとい
う利点がある。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録古紙を原料と
する再生パルプに関し、さらに詳しくは、磁気記録紙を
脱墨処理し、インキ及び磁性体が少なく、濾水度の高い
再生パルプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の上質系古紙の利用先は、主たるも
のがトイレットペ−パ−であり、次いで、白板紙、雑誌
等下級紙への混入、フェイシャルティシュ−への利用で
あった。
【0003】近年、磁性体を塗布した各種の廃キップ等
の廃棄物処理、あるいはその製造工場における損紙の処
理が問題となり、急速にその再利用が叫ばれている。
【0004】また、一方では、環境保護、森林保全の観
点からの企業イメ−ジの向上を狙いとした上質系脱墨パ
ルプの上質紙への利用が脚光を浴びている。
【0005】このような脱墨パルプの本質的な面から、
漂白したクラフトパルプに代替して上質系の紙に脱墨パ
ルプを用いるには白色度、残インキ、残磁性体等の品質
の維持が行わなければならない。
【0006】各種用紙向けへの古紙の処理工程で、その
基本となる繊維の分散、インキの剥離、インキの分散、
パルプサスペンジョンからのインキの除去、漂白は同じ
であるが、実際上はかなりの差があり、設備、処理条件
を考えなければならない。
【0007】下級紙用の場合には、脱墨性や強度はそれ
ほど厳しい条件を要求されないが、上級紙用の場合高脱
墨と高強度が要求されるためハイポ等による強い漂白を
行うことができない。
【0008】これまでの磁気記録古紙処理のシステムで
は、離解後に磁石を利用した分別方法としては、例え
ば、特開昭64−56156号公報、特開平1−184
048号公報等に記載されている。しかし、これらの方
法では、パルプ濃度が高いと(例えば、10%以上)磁
性体の除去率が著しく低下し、除去率を上げるためパル
プ濃度を十分下げると膨大な設備を要する。何れも磁石
を利用する方法であり、従来の一般的な設備と全く異な
るため新しい設備が必要となる。
【0009】また、叩解で除去する方法もあるが(例え
ば、特開平2−221497号公報)、叩解を進め過ぎ
て濾水度を下げると抄紙適性は低下する。
【0010】これらの処理によって得られる再生パルプ
は、残磁性体が多く家庭紙用としては使用可能である
が、上質紙向けパルプの代替としては残磁性体が多いた
め、例えば、切符等に再生した場合の残磁性体によって
情報が混乱し、これらの原料パルプとしては不向きであ
るという問題があった。
【0011】特開平3−279481号公報には、鉄分
による着色を招く薬品を使用せず、離解、精選後脱墨薬
品を加えて熟成し、希釈後離解、浮遊選別を行なって、
白色度70%以上、残磁性体面積率が0.05%以下で
ある再生パルプ、という記載があるが、この方法では磁
性体の除去は出来ても残インキの除去は不十分で製紙原
料としての価値は低い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、使用される再生パ
ルプのインキ及び磁性体の面積が500mm2 /m2
下、鉄分が50ppm以下、濾水度が450ml以上で
あれば使用に十分耐えられる事を発見するに至った。こ
の発明の目的は、磁気記録古紙を漂白を行わずに脱墨処
理し、元の紙製品の原料パルプとして提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録古紙を
原料とする再生パルプは、磁気記録古紙をアルカリ性水
溶液中で離解して得たパルプスラリーをパルプ濃度20
〜40%でニーダー処理後、浮遊選別及び洗浄を行なう
一連の操作を1回以上繰り返すことで、インキ及び磁性
体の合計の面積を500mm2 /m2 以下、鉄分50p
pm(対パルプ)以下、濾水度450ml以上にしたこ
とを特徴とするものである。
【0014】本発明の再生パルプの特徴は、磁気記録古
紙を原料とし、インキ及び磁性体の面積500mm2
2 以下、鉄分50ppm以下、濾水度450ml以上
にすることである。
【0015】この再生パルプは、例えば、鉄道の切符等
の原料として使用されても、パルプ中の残磁性体が新し
く塗布された磁性体へ影響を及ぼさないことである。ま
た、濾水度450ml以上であるため抄紙適性も損なわ
ない。
【0016】磁気記録古紙の離解時に添加するアルカリ
性水溶液としては、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等
が使用でき、その添加量は、対絶乾パルプ0.5〜1.
0%が良く、離解条件としては、パルプ濃度10〜15
%、温度40〜60℃で20〜30分間行うことが好ま
しい。
【0017】ニーダー処理、浮遊選別及び洗浄操作の繰
り返し回数は2回以上が好ましい。洗浄操作の洗浄水の
量はできるだけ多くの水で洗浄することが好ましいが、
少なくとも対絶乾パルプ当り50倍の水または温水で洗
浄することが好ましい。
【0018】ニーダー処理前に行うパルプの濃縮は、2
0〜40%にすることが機械の処理効率およびインキま
たは磁性体の剥離の点から好ましく、濃縮装置は適正な
濃度に濃縮できる装置であれば特に限定するものではな
い。
【0019】脱墨剤としては、脂肪酸系、アロマ系等が
使用でき、その添加量は対絶乾パルプ当り0.1〜0.
5重量%が好ましい。
【0020】浮遊選別処理条件としては、温度20〜4
0℃が好ましい。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0022】磁気記録古紙より再生されたパルプの評価
は以下の方法で行った。
【0023】[インキ面積率]高解像度画像処理解析装
置測定法により、残存するインキ及び磁性体の面積(m
2 /m2 )を示す。
【0024】[鉄分]灰分中の鉄分の量(ppm対パル
プ)を示す。
【0025】再生パルプより製造した紙の評価は、以下
の方法で行った。 1.供紙パルプスラリーに硫酸バンドを添加しpHを4
〜5に調整し200g/m2 の手抄きシートを作成し供
試する。 2.インキ面積率 1)シートの一部をプレパラートにして光学顕微鏡にセ
ットする(×5倍のレンズ)。 2)CCDカメラより画像解析装置(ニレコ社製)に取
り込んでモニターに表示しピントを合わせる。 3)濃淡レベル設定,濃度ムラ補正後二値化画像処理し
面積を測定する。 4)位置を変え数十回測定し平均値を求める。 3.鉄分 1)絶乾5g相当量の試料を700℃、1時間で灰化後
塩酸に溶解する。 2)原子吸光分析装置(島津製作所製)で鉄分の濃度を
測定する。
【0026】実施例1〜6 磁気記録古紙に、対古紙0.5%のNaOHと水を加え
て濃度15%になるようにして、パルパー(相川鉄工
製、ラボ高濃度パルパー)を用い、温度20℃にて20
分間離解した。離解したパルプスラリーを100メッシ
ュの金網上で、剥離したインキ及び磁性体と残NaOH
を十分な流水で洗浄分離を行った。洗浄したパルプを遠
心脱水機を用いてパルプ濃度30%に濃縮した。該濃縮
パルプに漂白薬品として対絶乾パルプ当脱墨剤とし
て花王DI800を0.1添加してニ−ダー処理(熊
谷理機製、PFIミル)を行い、処理パルプをポエチレ
ン袋に脱気して詰め、このまま恒温水槽で60℃で2時
間保持し熟成反応を行った。
【0027】熟成パルプを濃度1%に希釈し、フロ−テ
−ター(極東振興社製ラボフロ−テ−タ−)を用い、4
0℃、15分間フローテーションを行い、ニーダー処理
及び熟成で剥離したインキ及び磁性体の浮上分離を行っ
た。次いで、100メッシュの金網上で十分な流水でイ
ンキ及び磁性体と残薬品を洗浄分離を行った。その後、
パルプを手抄マシンにてシートを作成し、インキ面積と
鉄分を測定した。また、この再生パルプを使用して、ラ
ボペーパーマシンで抄紙し、得られた紙質特性の評価を
した。結果を表1に示す。
【0028】比較例1〜7 比較例1〜7において、ニーダー処理の回転数を低くす
る以外は実施例1と同一条件で古紙処理を行った。結果
を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例において、鉄分50ppm以下であ
るとS/N比が良好であり、濾水度は450mlである
と抄紙適性が良好であることが判る。一方、比較例をみ
ると、ニーダーによる負荷を変え濾水度を保持すると鉄
分が増加してS/N比が不良になり、また、鉄分を低下
させる濾水度も低下して抄紙適性が不良になる。以上の
ことから、今回の発明による磁気記録古紙を原料として
得られる再生パルプは非常に有効なものである。
【0031】
【発明の効果】本発明のインキ及び磁性体の面積率50
0mm2 /m2 以下、鉄分50ppm対パルプ以下、濾
水度450ml以上の再生パルプを用いれば、従来と比
較して、例えば、鉄道等の切符の原料として使用されて
も、パルプ中の残存磁性体が、新しく塗布された磁性体
へ影響を及ぼさず、抄紙適性も良好であるという利点が
ある。また、直接染料による着色パルプを用いた単一の
古紙原料の場合、漂白を行わずにインキ及び磁性体のみ
を除去し、元の製品の原料パルプとして使用できるとい
う利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 和広 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱 製紙株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録古紙をアルカリ性水溶液中で離
    解して得たパルプスラリーをパルプ濃度20〜40%で
    ニーダー処理後、浮遊選別及び洗浄を行なう一連の操作
    を1回以上繰り返すことで、インキ及び磁性体の合計の
    面積を500mm2 /m2 以下、鉄分50ppm(対パ
    ルプ)以下、濾水度450ml以上にしたことを特徴と
    する磁気記録古紙を原料とする再生パルプ。
JP31984993A 1993-12-20 1993-12-20 磁気記録古紙を原料とする再生パルプ Pending JPH07173783A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013179984A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Daio Paper Corp 古紙管芯無しトイレットロール及び古紙管芯無しトイレットロールの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013179984A (ja) * 2012-02-29 2013-09-12 Daio Paper Corp 古紙管芯無しトイレットロール及び古紙管芯無しトイレットロールの製造方法

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