JP2013173841A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘電率、誘電正接および熱膨張率のいずれもが十分に小さい樹脂組成物、特に、誘電率および低誘電正接が十分に小さく、かつ、150℃以上の熱膨張率が十分に低い樹脂組成物を提供すること
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、中空シリカ、溶融シリカを含有する樹脂組成物において、本発明を完成するに至った。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。また、該樹脂組成物により得られる接着フィルム、プリプレグ等の絶縁樹脂シート、並びに該樹脂組成物の硬化物により絶縁層が形成された多層プリント配線板、半導体装置に関する。
近年、電子機器の小型化、信号の高速化および配線の高密度化が求められている。この要求を満たすために、ビルドアップ基板においては、低誘電率化、低誘電正接化、低熱膨張率化および多層化が必要となっている。これらの要求を満たすために、特許文献1では低誘電正接樹脂に中空粒子を配合することによる低誘電正接化、低熱膨張率化が検討されている。しかし、中空粒子の配合量が少ないために、樹脂組成物の誘電正接および熱膨張率は十分に小さくなっているとはいえない。また、ブロードな粒径分布の中空シリカをわざわざ分級して使用していることや、中空粒子の中空構造が破損しやすいという問題点もあった。また、樹脂組成物の硬化物は、一般的に150℃から250℃の間にガラス転移点が存在し、150℃以上の熱膨張率を低くすることは困難である。
特開2008−31409号公報
本発明が解決しようとする課題は、誘電率、誘電正接および熱膨張率のいずれもが十分に小さい樹脂組成物、特に、誘電率および誘電正接が十分に小さく、かつ、150℃以上の熱膨張率が十分に低い樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討したところ、中空シリカと溶融シリカを併用することで、中空シリカを配合することによる樹脂組成物の溶融粘度上昇を抑えつつ、樹脂組成物の硬化物の誘電率、誘電正接および熱膨張率を十分に小さくできることを知見し、該知見に基いてさらに研究を進めることで本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含むものである。
[1] (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)中空シリカ、および(D)溶融シリカを含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(C)中空シリカの含有量が5〜22質量%であり、(C)中空シリカと(D)溶融シリカとの合計含有量が50〜70質量%であることを特徴とする樹脂組成物。
[2] (D)溶融シリカに対する(C)中空シリカの配合比率「(C)中空シリカ/(D)溶融シリカ」が質量比率で0.070以上、0.67以下である、上記[1]記載の樹脂組成物。
[3] (C)中空シリカが、ゾルゲル法を用いて製造されたことを特徴とする、上記[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (C)中空シリカの空孔率(%)が15%以上、90%以下であり、平均粒径が0.1μm以上、5μm以下である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[5] 中空シリカの粒子径の変動係数が50%以下である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[6] 中空シリカの平均粒径に対するシリカ骨格の平均厚みの比率(中空シリカのシリカ骨格の平均厚み/中空シリカの平均粒径)が0.02以上、0.3以下である、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[7] 中空シリカのBET比表面積が、0.5m/g以上、30m/g以下である、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[8] 樹脂組成物の硬化物の誘電正接(測定周波数5.8GHz)が0.0005〜0.007であり、150℃から250℃までの平均の熱膨張率が1ppm〜80ppmであることを特徴とする、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[9] 樹脂組成物の硬化物の25℃から150℃までの平均の熱膨張率をα1とし、150℃から250℃までの平均の熱膨張率をα2とした場合に、α2/α1の値が1.0〜3.3であることを特徴とする、上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
[10] 上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の樹脂組成物が支持体上に層形成された接着フィルム。
[11] 上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の樹脂組成物がシート状補強基材中に含浸されたプリプレグ。
[12] 上記[1]〜[9]のいずれか1つに記載の樹脂組成物の硬化物により絶縁層が形成された多層プリント配線板。
[13] 上記[12]に記載の多層プリント配線板を用いることを特徴とする、半導体装置。
エポキシ樹脂、硬化剤、中空シリカ、溶融シリカを含有する樹脂組成物により、誘電率および誘電正接が十分に小さく、かつ、150℃以上の熱膨張率が十分に低下した樹脂組成物を提供できるようになった。
本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)中空シリカおよび(D)溶融シリカを含有することを特徴とする樹脂組成物である。
本明細書中、誘電率、誘電正接及び熱膨張率は、それぞれ樹脂組成物の硬化物の誘電率、誘電正接及び熱膨張率を意味する。
<(A)エポキシ樹脂>
本発明において使用される(A)エポキシ樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なかでも、樹脂組成物を接着フィルムの形態で使用する場合に、十分な可撓性を示し、取扱い性に優れた接着フィルムを形成することができるという観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。なお、エポキシ当量(g/eq)とは、JIS K7236に規定の1g当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数である。
市販されているエポキシ樹脂としては、例えば、三菱化学(株)製「jER828EL」(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、DIC(株)製「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型2官能エポキシ樹脂)、DIC(株)製「HP4700」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂)、東都化成(株)製「ESN−475V」、「ESN−185V」(ナフトール型エポキシ樹脂)、ダイセル化学工業(株)製「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)、日本化薬(株)製「NC3000H」、「NC3100」、「NC3000L」、「NC3000」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製「YX4000」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、東都化成(株)製「GK3207」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製「YX8800」(アントラセン骨格含有型エポキシ樹脂)等が挙げられる。
樹脂組成物中の(A)エポキシ樹脂の含有量は特に限定されるものではないが、熱膨張率を低下させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、11質量%以上が更に好ましく、14質量%以上が更に一層好ましい。一方、硬化物が脆くなるのを防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、35質量%以下が更に一層好ましい。
<(B)硬化剤>
本発明において使用される(B)硬化剤は特に限定されるものではなく、例えば、シアネートエステル系硬化剤、活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。これらの中でも、誘電特性の向上という観点から、シアネートエステル系硬化剤、活性エステル系硬化剤が好ましい。
シアネートエステル系硬化剤としては、特に制限はないが、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル系硬化剤、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル系硬化剤、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル系硬化剤、及びこれらの一部がトリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。具体的には、下式(1)で表されるフェノールノボラック型多官能シアネートエステル系硬化剤(ロンザジャパン(株)製、「PT30」、「PT60」)、下式(2)で表されるビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー(ロンザジャパン(株)製、「BA230」)、下式(3)で表されるジシクロペンタジエン型シアネートエステル系硬化剤(ロンザジャパン(株)製、「DT−4000」、「DT−7000」)等が挙げられる。シアネートエステル系硬化剤は1種又は2種以上を併用してもよい。
Figure 2013173841
(式中、nは平均値として任意の数(好ましくは0〜20)を示す。)
Figure 2013173841
Figure 2013173841
(式中、nは平均値として0〜5の数を表す。)
活性エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物エステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましい。当該活性エステル系硬化剤は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性等の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られるものがより好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物又はナフトール化合物とから得られるものが更に好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、カテコール、α−ナフトール、β−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
なかでも、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含む活性エステル系硬化剤が更に一層好ましく、より具体的には下式(4)のものが挙げられる。
Figure 2013173841
(式中、Rはフェニル基、ナフチル基であり、kは0又は1を表し、nは繰り返し単位の平均で0.05〜2.5である。)
樹脂組成物の誘電正接を低下させ、耐熱性を向上させるという観点から、Rはナフチル基が好ましい。また、同様の観点からkは0が好ましく、nは0.25〜1.5が好ましい。
活性エステル系硬化剤の製造方法は特に制限はなく、公知の方法により製造することができ、中でも、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物との縮合反応として、(a)カルボン酸化合物又はそのハライド、(b)ヒドロキシ化合物、(c)芳香族モノヒドロキシ化合物を、(a)のカルボキシル基又は酸ハライド基1モルに対して、(b)のフェノール性水酸基が0.05〜0.75モル、(c)が0.25〜0.95モルとなる割合で反応させて得られるものが好ましい。また、特開2004−277460号公報に開示されている活性エステル系硬化剤を用いてもよく、また市販の活性エステル系硬化剤を用いることもできる。市販されている活性エステル系硬化剤としては、例えば、ジシクロペンタジエニルジフェノール構造を含むものとして、EXB−9451、EXB−9460、HP−8000(DIC(株)製)、フェノールノボラックのアセチル化物としてDC808(三菱化学(株)製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物としてYLH1026(三菱化学(株)製)、などが挙げられる。活性エステル系硬化剤は1種又は2種以上を併用してもよい。
フェノール系硬化剤としては、特に制限はないが、フェノールノボラック樹脂、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル型樹脂、トリアジン骨格含有ナフトール樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂等が挙げられる。例えば、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂として、「MEH−7700」、「MEH−7810」、「MEH−7851」(明和化成(株)製)、「NHN」、「CBN」、「GPH」(日本化薬(株)製)、ナフトールアラルキル型樹脂として、「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN375」、「SN395」(東都化成(株)製)、フェノールノボラック樹脂として「TD2090」(DIC(株)製)、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂として「LA3018」、「LA7052」、「LA7054」、「LA1356」(DIC(株)製)等が挙げられる。フェノール系硬化剤は1種又は2種以上を併用してもよい。
ベンゾオキサジン系硬化剤としては、特に制限はないが、具体的に、F−a、P−d(四国化成(株)製)、HFB2006M(昭和高分子(株)製)などが挙げられる。
樹脂組成物中の(B)硬化剤の含有量は特に限定されるものではないが、樹脂組成物の誘電正接を低下させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、5質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、11質量%以上が更に好ましく、14質量%以上が更に一層好ましい。一方、硬化物が脆くなるのを防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対して、50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましく、35質量%以下が更に一層好ましい。
(A)エポキシ樹脂のエポキシ基数を1とした場合、(B)硬化剤の反応基数は、0.2〜2が好ましく、0.3〜1.5がより好ましく、0.4〜1が更に好ましい。かかるエポキシ樹脂のエポキシ基数に対する硬化剤の反応基数の比率が上記範囲外であると、樹脂組成物の機械特性が劣る傾向となる。ここで、「エポキシ樹脂のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在する各エポキシ樹脂の固形分質量をエポキシ当量で除した値をすべてのエポキシ樹脂について合計した値である。また、「反応基」とはエポキシ基と反応することができる官能基のことを意味し、「硬化剤の反応基数」とは、樹脂組成物中に存在する各硬化剤の固形分質量を反応基当量で除した値をすべての硬化剤について合計した値である。
<(C)中空シリカ>
本発明における(C)中空シリカは特に限定されるものではなく、各種中空シリカが使用できる。中空シリカは粒径分布の揃ったものを得るという観点から、ゾルゲル法によって製造されるのが好ましい。ゾルゲル法は金属アルコキシドや金属ハライドを原料とし、溶液中で加水分解・重縮合させることによりセラミックス粒子を得る方法を指し、一例として以下の工程(a)〜(d)によれば効率的に中空シリカが得られる。
工程(a):中空部を形成可能な物質、及び塩基性化合物を含む水溶液を調整する工程
工程(b):前記水溶液にアルコキシシランを添加して0℃〜100℃で撹拌し、シリカ粒子を析出させる工程
工程(c):工程(b)により得られたシリカ粒子から中空部を形成可能な物質を除去し、中空シリカ前駆体を得る工程
工程(d):工程(c)により得られた中空シリカ前駆体を900℃を超える温度で焼成し、中空シリカを得る工程
以下、各工程の詳細について説明する。
工程(a)
中空部を形成可能な物質としては前記水溶液に不溶の金属、金属酸化物、金属塩及びポリマー等の微粒子、疎水性有機化合物の油滴等が挙げられる。金属不純物の汚染を避ける観点から、ポリマー微粒子、疎水性有機化合物の油滴が好ましい。具体的には、ポリマー微粒子としてはカチオン性アクリルポリマー等、また疎水性有機化合物としてはヘキサン等が挙げられる。塩基性化合物は工程(b)におけるアルカリ触媒として作用することに加え、生成する中空シリカ粒子の凝集を防ぐ作用をする。塩基性化合物としてはアルカリ金属の水酸化物、アミン、アンモニア、四級アンモニウム化合物等が挙げられる。金属不純物の汚染を避ける観点から、アミン、アンモニア、四級アンモニウム化合物が好ましく、均一な粒子を得るという観点から、アンモニア、四級アンモニウムが更に好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
水溶液の溶媒としては蒸留水、イオン交換水、超純水等の水性媒体単独でもよいが、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン等の水溶性有機溶媒と混合してもよい。
工程(b)
アルコキシシランは前記塩基性化合物の触媒作用により加水分解し、ゾル状態を経て、シリカ粉末のシリカ成分を構成する。アルコキシシランとしては加水分解によりシラノール化合物を生成可能なものであればよく、下記一般式(5)〜(9)で示される化合物を挙げることができる。
SiY4 (5)
SiY (6)
SiY (7)
SiY (8)
Si−R−SiY (9)
(式中、Rはそれぞれ独立して、ケイ素原子に直接炭素原子が結合している有機基を示し、Rは炭素原子を1〜4個有する炭化水素基又はフェニレン基を示し、Yはそれぞれ独立して加水分解によりヒドロキシ基になる1価の加水分解性基を示す。)
均一なシリカ粒子を得るという観点から、アルコキシシランは一般式(5)であることが好ましく、中でもYがメトキシ基またはエトキシ基である、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランが特に好ましい。
工程(c)
工程(a)で用いた中空部を形成可能な物質を除去する方法としては、塩酸等の酸、トルエン等の有機溶媒等による抽出処理、または加熱、UV照射等の分解処理が挙げられる。中空部を形成可能な物質を完全に除去するという観点から、該物質の分解温度以上での加熱による分解処理が好ましい。加熱温度としては、500〜700℃が好ましい。
工程(d)
900℃を超える温度で焼成することにより、シリカ骨格が緻密化され、後述のBET比表面積が30m/g以下の中空シリカを得ることができる。焼成温度は900℃以上が好ましく、930℃以上がより好ましく、960℃以上が更に好ましい。工程(c)において加熱による分解処理を行う場合においては、工程(d)と区別することなく、連続して行っても良い。
ゾルゲル法により得られる中空シリカの一例としては、例えば、特開2011−21068号公報に記載の製造例1により得られる中空シリカなどが挙げられる。
本発明において、中空シリカの平均粒径とは体積基準の平均粒径をいう。(C)中空シリカの平均粒径は特に限定されるものではないが、誘電正接及び誘電率を低下させるという観点から、5μm以下が好ましく、4μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましく、2μm以下が更に一層好ましく、1.5μm以下が殊更好ましく、1μm以下が特に好ましい。一方、樹脂組成物中での分散性を向上させるという観点から、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましく、0.4μm以上が更に一層好ましく、0.5μm以上が殊更好ましい。中空シリカ粒子の粒子径の変動係数は、中空構造の破損を防ぐという観点から、好ましくは50%以下、より好ましくは45%以下、更に好ましくは40%以下、特に好ましくは35%以下であり、非常に揃った粒子径の粒子群から構成されていることが望ましい。
中空シリカの平均粒径及び粒子径の変動係数は、走査型電子顕微鏡により撮影した粒子画像を直接実測することにより測定することができる。具体的には50〜500個程度の粒子が含まれる倍率で走査型電子顕微鏡観察を行い、中空シリカ粒子を球として仮定して視野内の全粒子について直径の実測及び体積の算出を行う。この操作を複数視野で行い、以下の式により平均粒径及び粒子径の変動係数を算出できる。
平均粒径(nm)=Σ(φ×v÷Σ(v))
粒子径の変動係数(%)=(Σ(φ−平均粒径(nm))÷(v÷Σ(v)))0.5÷平均粒径(nm)×100
ここでφは各粒子の直径(nm)、vは各粒子の体積(nm)を示す。
走査型電子顕微鏡としては日立製作所製S−4000等を使用することができる。
本発明において中空シリカのシリカ骨格とは、中空シリカ粒子の中空部を除いた外殻のシリカシェル部をいう。中空シリカの平均粒径に対するシリカ骨格の平均厚みの比率は粒子の破損を防ぐという観点から、0.02以上が好ましく、0.04以上がより好ましい。一方、低誘電率、低誘電正接の発現の観点から、0.3以下が好ましく、0.2以下がより好ましい。中空シリカのシリカ骨格の平均厚みは透過型電子顕微鏡により撮影した粒子画像のシリカ骨格の厚みを直接実測することにより測定することができる。具体的には複数視野を撮影し、50個程度の中空シリカ粒子の外殻厚みを実測し、平均値を求めることにより、中空シリカのシリカ骨格の平均厚みを測定できる。測定した中空シリカのシリカ骨格の平均厚みを、中空シリカの平均粒径で除することにより、中空シリカの平均粒径に対するシリカ骨格の平均厚みの比率を算出できる。透過型電子顕微鏡としては日本電子(株)製JEM−2100等を使用することができる。
中空シリカのBET比表面積は、樹脂組成物中への分散性、低誘電率、低誘電正接の発現等の観点から、30m/g以下が好ましく、20m/g以下がより好ましく、15m/g以下が更に好ましい。一方、樹脂組成物の取り扱い性の観点から、中空シリカのBET比表面積は0.5m/g以上が好ましく、1m/g以上がより好ましく、1.5m/g以上が更に好ましい。BET比表面積の測定には島津製作所製フローソーブIII等を使用することができる。
本発明の中空シリカに対する中空部の体積割合である空孔率(%)は、中空シリカ粒子の強度の観点から、90%以下が好ましく、80%以下がより好ましい。一方、低誘電率、低誘電正接の発現の観点から15%以上が好ましく、25%以上がより好ましい。空孔率(%)は具体的には真密度測定装置を用いて、窒素を測定ガスとして測定した密度により、以下の式に従い算出できる。真密度測定装置としてはQUANTACHROME社製のULTRAPYCNOMETER1000等を使用することができる。また、シリカの物質密度は2.2(g/cm)とする。
空孔率(%)=(測定した密度(g/cm)/シリカの物質密度(g/cm))×100
(C)中空シリカは、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等の表面処理剤で表面処理し、その耐湿性を向上させたものが好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。具体的に表面処理剤としては、アミノプロピルメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン系カップリング剤、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等のシラン系カップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、トリシラザン、シクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン等のオルガノシラザン化合物、ブチルチタネートダイマー、チタンオクチレングリコレート、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシチタンビスラクテート、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。
カップリング剤による中空シリカの表面処理は、例えば、未処理の中空シリカを混合機で常温にて攪拌分散させながら、シランカップリング剤を添加噴霧して5〜15分間攪拌することによって行なうことができる。なお、かかる攪拌の後、必要に応じて60〜80℃程度の加熱を行ってもよい。混合機としては、公知の混合機を使用することができ、例えば、Vブレンダー、リボンブレンダー、バブルコーンブレンダー等のブレンダー、ヘンシェルミキサー及びコンクリートミキサー等のミキサー、ボールミル、カッターミル等が挙げられる。以上の乾式法に対して一般に湿式法と呼ばれる溶媒にシリカを加えたスラリーを攪拌しながら該スラリーにカップリング剤をさらに添加し、攪拌後、濾過、洗浄、乾燥する方法であってもよい。カップリング剤の処理量はカップリング剤の種類等によっても異なるが、中空シリカに対して0.1〜200質量%が好ましく、0.2〜150質量%がより好ましく、0.3〜100質量%が更に好ましい。
(C)樹脂組成物中の中空シリカの含有量としては、樹脂組成物の誘電正接を低下させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、5質量%以上であり、6質量%以上がより好ましく、7質量%以上が更に好ましく、8質量%以上が更に一層好ましく、9質量%以上が殊更好ましく、10質量%以上が特に好ましく、11質量%以上がとりわけ好ましい。一方、樹脂組成物の粘度上昇による取り扱い性の低下を防止するという観点、接着フィルムの形成性向上という観点等から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、22質量%以下であり、20質量%以下がより好ましい。なお、シランカップリング剤で表面処理した中空シリカを使用する場合、「中空シリカの含有量」は「シランカップリング剤で表面処理した中空シリカの含有量」を意味する。
<(D)溶融シリカ>
本発明における(D)溶融シリカは特に限定されるものではなく、各種溶融シリカが使用できる。なかでも、球状溶融シリカが好ましい。ここで(D)溶融シリカとはシリカ原料を高温で溶融させて得られた、無孔質状のシリカをいう。(D)溶融シリカを使用することで、樹脂組成物の粘度を大きく上昇させることなく、樹脂組成物の熱膨張率を低下させることが可能になる。(D)溶融シリカの具体的な一例(銘柄)としてはSC−2050(アドマテックス(株)製)等が挙げられる。
(D)溶融シリカの平均粒径は特に限定されるものではないが、回路基板の絶縁性を向上させるという観点から、5μm以下が好ましく、4μm以下がより好ましく、3μm以下が更に好ましく、2μm以下が更に一層好ましく、1.5μm以下が殊更好ましく、1μm以下が特に好ましい。一方、樹脂組成物中の分散性を向上させるという観点から、0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上がより好ましく、0.3μm以上が更に好ましく、0.4μm以上が更に一層好ましく、0.5μm以上が殊更好ましい。(D)溶融シリカの平均粒径は上記と同様にして測定することができる。また、(D)溶融シリカは中空シリカと同様にシランカップリング剤で表面処理して、その耐湿性を向上させたものが好ましい。カップリング剤の処理量はカップリング剤の種類等によっても異なるが、溶融シリカに対して0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜4質量%がより好ましく、0.3〜3質量%が更に好ましい。シランカップリング剤の種類および処理方法等は中空シリカにおけるそれらが踏襲される。
樹脂組成物中の(C)中空シリカと(D)溶融シリカとの合計含有量としては、樹脂組成物の熱膨張率を低下させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%以上であり、52質量%以上がより好ましく、54質量%以上が更に好ましく、56質量%以上が更に一層好ましく、58質量%以上が殊更好ましく、60質量%以上が特に好ましい。一方、樹脂組成物の取り扱い性を向上させるという観点、接着フィルムの形成性向上という観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、70質量%以下であり、68質量%以下がより好ましい。なお、シランカップリング剤で表面処理した溶融シリカを使用する場合、「溶融シリカの含有量」は「シランカップリング剤で表面処理した溶融シリカの含有量」を意味する。
樹脂組成物中の(D)溶融シリカの含有量に対する(C)中空シリカの含有量の比率、すなわち、樹脂組成物中の(D)溶融シリカに対する(C)中空シリカの配合比率「(C)中空シリカ/(D)溶融シリカ」(質量比率)は樹脂組成物の硬化物の誘電正接を低下させるという観点から、0.070以上が好ましく、0.080以上がより好ましく、0.090以上が更に好ましく、0.10以上が更に一層好ましく、0.11以上が殊更好ましく、0.12以上が特に好ましく、0.13以上がとりわけ好ましい。一方、樹脂組成物の取り扱い性を向上させるという観点、樹脂組成物の硬化物の熱膨張率を低下させるという観点、接着フィルムの形成性向上という観点から、0.67以下が好ましく、0.64以下がより好ましく、0.61以下が更に好ましく、0.58以下が更に一層好ましく、0.55以下が殊更好ましく、0.52以下が特に好ましく、0.49以下がとりわけ好ましい。
本発明において、誘電率は、後述の<誘電率(εr)の測定>に記載の測定方法により把握することができる。本発明の樹脂組成物の硬化物の誘電率の上限値は、薄膜化した場合に絶縁層の静電容量が大きくなるのを防止するという観点から、3.3以下が好ましく、3.2以下がより好ましく、3.1以下が更に好ましく、3.0以下が更に一層好ましい。本発明の樹脂組成物の硬化物の誘電率の下限値は、2.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、1.5以上が更に好ましく、1.0以上が更に一層好ましい。
本発明において、誘電正接は、後述する<誘電正接の測定及び評価>に記載の測定方法により把握することができる。本発明の樹脂組成物の硬化物の誘電正接の上限値は、高周波での発熱防止、信号遅延および信号ノイズの低減という観点から、0.007以下が好ましく、0.0069以下がより好ましく、0.0067以下が更に好ましく、0.0065以下が更に一層好ましく、0.0063以下が殊更好ましく、0.0061以下が特に好ましく、0.0058以下がとりわけ好ましく、0.0054以下がなおさら好ましい。本発明の樹脂組成物の硬化物の誘電正接の下限値は、0.0005以上が好ましく、0.001以上がより好ましく、0.002以上が更に好ましく、0.003以上が更に一層好ましく、0.0035以上が殊更好ましく、0.004以上が特に好ましく、0.005以上がとりわけ好ましい。
本発明において、25℃から150℃までの平均の熱膨張率は、後述する<熱膨張率の測定及び評価>に記載の評価方法により把握することができる。本発明でいう「熱膨張率」は「線熱膨張率」のことである。樹脂組成物の硬化物の25℃から150℃までの平均の熱膨張率の上限値は、32ppm以下が好ましく、30ppm以下がより好ましく、28ppm以下が更に好ましく、26ppm以下が更に一層好ましく、24ppm以下が殊更好ましく、22ppm以下が特に好ましく、20ppm以下がとりわけ好ましく、18ppm以下がなおさら好ましい。樹脂組成物の硬化物の25℃から150℃までの平均の熱膨張率の下限値は、1ppm以上が好ましく、3ppm以上がより好ましく、5ppm以上が更に好ましく、7ppm以上が更に一層好ましく、9ppm以上が殊更好ましく、11ppm以上が特に好ましい。
本発明において、150℃以上での平均の熱膨張率は、後述する<熱膨張率の測定及び評価>に記載の評価方法により把握することができる。樹脂組成物の硬化物の150℃以上での平均の熱膨張率を測定するのは、リフロー時の硬化物の熱膨張が基板の反りに影響を与えるためである。なお、150℃以上での平均の熱膨張率には、代表値として、150℃から250℃までの平均の熱膨張率を採用する。樹脂組成物の硬化物の150℃以上での平均の熱膨張率の上限値は、基板の反り防止という観点から、80ppm以下が好ましく、70ppm以下がより好ましく、60ppm以下が更に好ましく、50ppm以下が更に一層好ましく、45ppm以下が殊更好ましく、42ppm以下が特に好ましく、39ppm以下がとりわけ好ましく、36ppm以下がなおさら好ましい。樹脂組成物の硬化物の150℃以上での平均の熱膨張率の下限値は、基板の反り防止という観点から、1ppm以上が好ましく、3ppm以上がより好ましく、5ppm以上が更に好ましく、10ppm以上が更に一層好ましく、15ppm以上が殊更好ましく、20ppm以上が特に好ましい。
本発明では、樹脂組成物の硬化物の25℃から150℃までの平均の熱膨張率をα1とし、150℃から250℃までの平均の熱膨張率をα2とした場合、「α2/α1」を熱膨張率の上昇率として特定する。かかる熱膨張率の上昇率は、後述する<熱膨張率の測定及び評価>に記載の評価方法により把握することができる。本発明の樹脂組成物の硬化物の熱膨張率の上昇率の上限値は、3.3以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.7以下が更に好ましく、2.4以下が更に一層好ましく、2.1以下が殊更好ましく、1.8以下が特に好ましく、1.5以下がとりわけ好ましい。また、下限値は、1.1以下が好ましく、1.0以下がより好ましい。
<(E)硬化促進剤>
本発明の樹脂組成物には、更に(E)硬化促進剤を含有させる事によりエポキシ樹脂と硬化剤を効率的に硬化させることができる。このような(E)硬化促進剤としては、金属系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
金属系硬化促進剤としては、特に制限されるものではなく、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体などが挙げられる。有機金属塩としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。金属系硬化促進剤としては、硬化性、溶剤溶解性の観点から、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート、亜鉛(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛、鉄(III)アセチルアセトナートが好ましく、特にコバルト(III)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛が好ましい。金属系硬化促進剤は1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂組成物中の金属系硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物の保存安定性の低下を防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対し、金属系硬化促進剤に基づく金属の含有量が500ppm以下となる量が好ましく、200ppm以下がより好ましい。一方、硬化を促進させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対し、金属系硬化促進剤に基づく金属の含有量が20ppm以上となる量が好ましく、30ppm以上となる量がより好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、特に制限はないが、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。イミダゾール系硬化促進剤は1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
アミン系硬化促進剤としては、特に制限はないが、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン(以下、DBUと略記する。)などのアミン化合物などが挙げられる。アミン系硬化促進剤は1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤の含有量は、特に制限はないが、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対し、0.001〜1質量%の範囲が好ましく、0.005〜0.5質量%の範囲がより好ましい。0.001質量%未満であると、硬化促進剤の効果を十分に発揮できない傾向にあり、1質量%を超えると樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向となる。
<(F)熱可塑性樹脂>
本発明の樹脂組成物には、更に(F)熱可塑性樹脂を含有させる事により硬化物の可とう性を向上させることができ、更に接着フィルムの形態で使用する場合のフィルム成形能を向上させることもできる。このような(F)熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。熱可塑性樹脂の重量平均分子量は5000〜200000の範囲であるのが好ましい。この範囲よりも小さいとフィルム成形能向上の効果が十分発揮されない傾向にあり、この範囲よりも大きいと樹脂組成物との相溶性が低下する傾向にある。なお本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレンン換算)で測定される。GPC法による重量平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
本発明の樹脂組成物に、(F)熱可塑性樹脂を配合する場合、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対し、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。熱可塑性樹脂の含有量が少なすぎるとフィルム成形能向上の効果が発揮されない傾向にあり、多すぎると樹脂組成物の粘度上昇により取り扱い性が低下する傾向にある。
<他の成分>
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて他の成分を配合することができる。他の成分としては、ビニルベンジル化合物、アクリル化合物、マレイミド化合物のような熱硬化性樹脂、シリコンパウダー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー、ゴム粒子等の有機充填剤、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー等の無機充填材、有機リン化合物、窒素化合物、シリコーン系化合物、金属水酸化物等の難燃剤、オルベン、ベントン等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シラン系カップリング剤等の密着性付与剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤等を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、回転ミキサーなどを用いて混合する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物の用途は、特に限定されないが、接着フィルム、プリプレグ等のシート状積層材料、ソルダーレジスト、アンダ−フィル材、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂、回路基板(積層板、多層プリント配線板等)、半導体装置等、樹脂組成物が必要とされる用途の広範囲に使用できる。なかでも、多層プリント配線板の製造において、絶縁層を形成するための樹脂組成物として好適に使用することができ、メッキを形成するための樹脂組成物としてより好適に使用することができる。本発明の樹脂組成物は、ワニス状態で回路基板に塗布して絶縁層を形成することもできるが、工業的には一般に、接着フィルム、プリプレグ等のシート状積層材料の形態で用いるのが好ましい。樹脂組成物の軟化点は、シート状積層材料のラミネート性の観点から40〜150℃が好ましい。
<接着フィルム>
本発明の接着フィルムは、当業者に公知の方法、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて、支持体に塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下「MEK」と略称する。)、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができる。有機溶剤は1種又は2種以上を組みわせて用いてもよい。
乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層への有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。ワニス中の有機溶剤量、有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30〜60質量%の有機溶剤を含むワニスを50〜150℃で3〜10分乾燥させることにより、樹脂組成物層が形成することができる。
接着フィルムにおいて形成される樹脂組成物層の厚さは、導体層の厚さ以上とするのが好ましい。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層は10〜100μmの厚さを有するのが好ましい。
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称する。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルムなどの各種プラスチックフィルムが挙げられる。また離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを使用してもよい。支持体及び後述する保護フィルムには、マッド処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。また、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤で離型処理が施してあってもよい。
支持体の厚さは特に限定されないが、10〜150μmが好ましく、25〜50μmがより好ましい。
樹脂組成物層の支持体が密着していない面には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。接着フィルムは、ロール状に巻きとって貯蔵することもできる。
<接着フィルムを用いた積層板及び多層プリント配線板>
次に、上記のようにして製造した接着フィルムを用いた積層板及び多層プリント配線板を製造する方法の一例を説明する。
積層板は、接着フィルムの樹脂組成物層を対向させ、積層、硬化させることで作製することができる。また、多層プリント配線板は、接着フィルムを真空ラミネーターを用いて回路基板の片面又は両面にラミネートすることで作製することができる。回路基板に用いられる基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。なお、ここで回路基板とは、上記のような基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成されたものをいう。また導体層と絶縁層とを交互に積層してなる多層プリント配線板において、該多層プリント配線板の最外層の片面又は両面がパターン加工された導体層(回路)となっているものも、ここでいう回路基板に含まれる。なお導体層表面には、黒化処理、銅エッチング等により予め粗化処理が施されていてもよい。
上記ラミネートにおいて、接着フィルムが保護フィルムを有している場合には該保護フィルムを除去した後、必要に応じて接着フィルム及び回路基板をプレヒートし、接着フィルムを加圧及び加熱しながら回路基板に圧着する。本発明の接着フィルムにおいては、真空ラミネート法により減圧下で回路基板にラミネートする方法が好適に用いられる。ラミネートの条件は、特に限定されるものではないが、例えば、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10N/m)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートするのが好ましい。また、ラミネートの方法は、バッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。真空ラミネートは、市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニチゴー・モートン(株)製バキュームアップリケーター、(株)名機製作所製真空加圧式ラミネーター、(株)日立インダストリイズ製ロール式ドライコータ、日立エーアイーシー(株)製真空ラミネーター等を挙げることができる。
また、減圧下、加熱及び加圧を行う積層工程は、一般の真空ホットプレス機を用いて行うことも可能である。例えば、加熱されたSUS板等の金属板を支持体層側からプレスすることにより行うことができる。プレス条件は、減圧度を通常1×10−2MPa以下、好ましくは1×10−3MPa以下の減圧下とする。加熱及び加圧は、1段階で行うことも出来るが、樹脂のしみだしを制御する観点から2段階以上に条件を分けて行うのが好ましい。例えば、1段階目のプレスを、温度が70〜150℃、圧力が1〜15kgf/cmの範囲、2段階目のプレスを、温度が150〜200℃、圧力が1〜40kgf/cmの範囲で行うのが好ましい。各段階の時間は30〜120分で行うのが好ましい。市販されている真空ホットプレス機としては、例えば、MNPC−V−750−5−200((株)名機製作所製)、VH1−1603(北川精機(株)製)等が挙げられる。
接着フィルムを回路基板にラミネートした後、室温付近に冷却してから、支持体を剥離する場合は剥離し、熱硬化することにより回路基板に絶縁層を形成することができる。熱硬化の条件は、樹脂組成物中の樹脂成分の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは150℃〜220℃で20分〜180分、より好ましくは160℃〜200℃で30分〜120分の範囲で選択される。
絶縁層を形成した後、硬化前に支持体を剥離しなかった場合は、ここで剥離する。次いで必要により、回路基板上に形成された絶縁層に穴開けを行ってビアホール、スルーホールを形成する。穴あけは、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等の公知の方法により、また必要によりこれらの方法を組み合わせて行うことができるが、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等のレーザーによる穴あけが最も一般的な方法である。
次いで、乾式メッキ又は湿式メッキにより絶縁層上に導体層を形成する。乾式メッキとしては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の公知の方法を使用することができる。湿式メッキの場合は、まず、硬化した樹脂組成物層(絶縁層)の表面を、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等)、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等の酸化剤で粗化処理し、凸凹のアンカーを形成する。酸化剤としては、特に過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等の水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性過マンガン酸水溶液)が好ましく用いられる。次いで、無電解メッキと電解メッキとを組み合わせた方法で導体層を形成する。また導体層とは逆パターンのメッキレジストを形成し、無電解メッキのみで導体層を形成することもできる。その後のパターン形成の方法として、例えば、当業者に公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを用いることができる。
<プリプレグ>
本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物をシート状繊維基材にホットメルト法又はソルベント法により含浸させ、加熱して半硬化させることにより製造することができる。すなわち、本発明の樹脂組成物がシート状繊維基材に含浸した状態となるプリプレグとすることができる。シート状繊維基材としては、例えば、ガラスクロスやアラミド繊維等のプリプレグ用繊維として常用されている繊維等を用いることができる。
ホットメルト法は、樹脂を、有機溶剤に溶解することなく、該樹脂との剥離性の良い塗工紙に一旦コーティングし、それをシート状繊維基材にラミネートする、あるいは樹脂を、有機溶剤に溶解することなく、ダイコーターによりシート状繊維基材に直接塗工するなどして、プリプレグを製造する方法である。またソルベント法は、接着フィルムと同様にして樹脂を有機溶剤に溶解して樹脂ワニスを調製し、このワニスにシート状繊維基材を浸漬し、樹脂ワニスをシート状繊維基材に含浸させ、その後乾燥させる方法である。
<プリプレグを用いた積層板及び多層プリント配線板>
次に、上記のようにして製造したプリプレグを用いて多層プリント配線板を製造する方法の一例を説明する。
積層板は、プリプレグ1枚あるいは必要により数枚重ね、離型フィルムを介して金属プレートで挟み、積層、硬化させることで作製することができる。また、多層プリント配線板は、回路基板に本発明のプリプレグを1枚あるいは必要により数枚重ね、離型フィルムを介して金属プレートで挟み、加圧・加熱条件下で真空プレス積層することで作製することができる。加圧・加熱条件は、好ましくは、圧力が5〜40kgf/cm(49×10〜392×10N/m)、温度が120〜200℃で20〜100分である。また接着フィルムと同様に、プリプレグを真空ラミネート法により回路基板にラミネートした後、加熱硬化することも可能である。その後、上記で記載した方法と同様にして、硬化したプリプレグ表面を粗化した後、導体層をメッキにより形成して多層プリント配線板を製造することができる。
<半導体装置>
さらに本発明の多層プリント配線板を用いることで本発明の半導体装置を製造することができる。多層プリント配線板上の接続用電極部分に半導体素子を接合することにより、半導体装置を製造する。半導体素子の搭載方法は、特に限定されないが、例えば、ワイヤボンディング実装、フリップチップ実装、異方性導電フィルム(ACF)による実装、非導電性フィルム(NCF)による実装などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<誘電率(εr)の測定>
誘電率測定用サンプルを長さ80mm、幅2mmに切り出し評価サンプルとした。この評価サンプルについてアジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)社製HP8362B装置を用い空洞共振摂動法により測定周波数5.8GHz、測定温度23℃にて誘電率を測定した。誘電率が2.9以下の場合を「◎◎」とし、3.0の場合を「◎○」とし、3.1の場合を「◎」とし、3.2の場合を「○」とし、3.3以上の場合を「△」とした。また、測定できなかったものは「−」と表示した。
<誘電正接の測定及び評価>
実施例及び比較例において、支持体としてフッ素樹脂系離型剤(ETFE)処理したPET(三菱樹脂(株)製「フルオロージュRL50KSE」)を用いた以外は同様にして、各実施例、比較例と同じ樹脂組成物層を有する接着フィルムを得た。得られた接着フィルムを190℃で90分間加熱することで熱硬化させ、支持体を剥離することによりシート状の硬化物を得た。その硬化物を長さ80mm、幅2mmに切り出し評価サンプルとした。この評価サンプルについてアジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)社製HP8362B装置を用い空洞共振摂動法により測定周波数5.8GHz、測定温度23℃にて誘電正接を測定した。2本の試験片について測定を行い、平均値を算出した。誘電正接が0.0055未満の場合を「◎◎」とし、0.0055以上0.0059未満の場合を「◎○」とし、0.0059以上0.0063未満の場合を「◎」とし、0.0063以上0.0067未満の場合を「○」とし、0.0067以上0.0071未満の場合を「△」とし、0.0071以上の場合を「×」とした。また、測定できなかったものは「−」と表示した。
<熱膨張率の測定及び評価>
実施例及び比較例において、支持体としてETFE処理したPET(三菱樹脂(株)製「フルオロージュRL50KSE」)を用いた以外は同様にして、各実施例、比較例と同じ樹脂組成物層を有する接着フィルムを得た。得られた接着フィルムを190℃で90分間加熱することで熱硬化させ、支持体を剥離することによりシート状の硬化物を得た。その硬化物を、幅約5mm、長さ約15mmの試験片に切断し、熱機械分析装置Thermo Plus TMA8310((株)リガク製)を使用して、引張加重法で熱機械分析を行った。試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における25℃から150℃までの平均の熱膨張率(α1という。)(ppm)と150℃から250℃までの平均の熱膨張率(α2という。)(ppm)を算出した。α2を150℃以上の熱膨張率とした。また、熱膨張率の上昇率として、「α2/α1」を算出した。25℃から150℃までの平均の熱膨張率は、25ppm以上を「○」とし、20ppm以上25ppm未満を「◎」とし、20ppm未満を「◎○」とした。150℃以上の熱膨張率は、30ppm未満を「◎◎」とし、30ppm以上40ppm未満を「◎○」とし、40ppm以上50ppm未満を「◎」とし、50ppm以上60ppm未満を「○」とし、60ppm以上82ppm未満を「△」とし、82ppm以上を「×」とした。また、熱膨張率の上昇率は、1.6未満を「◎◎」とし、1.6以上1.9未満を「◎○」とし、1.9以上2.2未満を「◎」とし、2.2以上2.5未満を「○」とし、2.5以上3.4未満を「△」とし、3.4以上を「×」とした。また、測定できなかったものは「−」と表示した。
<製造例1(中空シリカ粒子の製造)>
20L反応槽に、メタノール4kg、固形分25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液33g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド68g、ヘキサン40gを入れて撹拌し、溶解した。そのメタノール溶液に、イオン交換水12kgを添加し、ヘキサンの乳化滴を析出させた。その後、テトラメトキシシラン85gをゆっくりと加え、室温(25℃)で5時間撹拌した後、12時間熟成させた。次いで、得られた白色沈殿物を、アドバンテック製ろ紙(5C)でろ過した後、10Lの水で洗浄し、100℃の温度条件で5時間乾燥し、シリカ粒子の乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末を、高速昇温電気炉((株)モトヤマ製、商品名:SK−2535E)を用いて、エアーフロー(3L/min)しながら1℃/分の速度で600℃まで昇温し、600℃で2時間焼成することにより有機成分を除去し、中空シリカ前駆体粒子を得た。この中空シリカ前駆体粒子50gをアルミナ製るつぼに移し、前記電気炉を用いて、空気下1000℃で72時間焼成することで中空シリカ(平均粒径0.96μm、変動係数22%、平均粒径に対するシリカ骨格の平均厚みの比率0.13、BET比表面積6.5m/g、空孔率38%)を得た。1Lガラス容器にトルエン150g、中空シリカ50g、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)「KBM573」)5gを入れ、撹拌しながら110℃で12時間反応させた。反応後の溶液をアドバンテック製メンブランフィルター(PTFE、孔径0.2μm)でろ過した後、エタノールにより洗浄を行った。得られた粉末を100℃で12時間乾燥させることにより表面処理をした中空シリカを得た。
<製造例2(中空シリカ粒子の製造)>
20L反応槽に、水16kg、固形分25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液66g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド68g、及びカチオン性アクリルポリマー粒子(平均粒子径0.75μm、日本ペイント製)144gを入れて撹拌し、その水溶液に、テトラメトキシシラン136gをゆっくりと加え、室温(25℃)で5時間撹拌した後、12時間熟成させた。次いで、得られた白色沈殿物を、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過した後、10Lの水で洗浄し、100℃の温度条件で5時間乾燥し、ポリマー粒子をコアとし、シリカ粒子をシェルとするコアシェル型シリカ粒子の乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末を、高速昇温電気炉((株)モトヤマ製、商品名:SK−2535E)を用いて、エアーフロー(3L/min)しながら1℃/分の速度で600℃まで昇温し、600℃で2時間焼成することにより有機成分を除去し、中空シリカ前駆体粒子を得た。この中空シリカ前駆体粒子50gをアルミナ製るつぼに移し、前記電気炉を用いて、空気下1000℃で72時間焼成することで中空シリカ(平均粒径0.65μm、変動係数7%、平均粒径に対するシリカ骨格の平均厚みの比率0.075、BET比表面積15m/g、空孔率62%)を得た。1Lガラス容器にトルエン150g、中空シリカ50g、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)「KBM573」)50gを入れ、撹拌しながら110℃で12時間反応させた。反応後の溶液をアドバンテック製メンブランフィルター(PTFE、孔径0.2μm)でろ過した後、エタノールにより洗浄を行った。得られた粉末を100℃で12時間乾燥させることにより表面処理をした中空シリカを得た。
<実施例1>
液状ビスフェノールA 型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、三菱化学(株)製「jER828EL」)12質量部と、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量225、日本化薬(株)製「NC3100」)13質量部、フェノキシ樹脂(重量平均分子量38000、三菱化学(株)製「YL6954BH30」不揮発成分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)5質量部とをMEK10質量部、シクロヘキサノン5質量部、ソルベントナフサ10質量部に攪拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却後、そこへ、ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)「BA230S」、シアネート当量232、不揮発成分75質量%のMEK溶液)16質量部、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル系硬化剤(ロンザジャパン(株)製「PT30」、シアネート当量124、不揮発成分80質量%のMEK溶液)6質量部とともに攪拌混合し、さらに活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HP8000−65T」、活性基当量223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)12質量部、硬化促進剤として4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の1質量%のMEK溶液2質量部、コバルト(III)アセチルアセトナート(東京化成(株)製、コバルト含有量16.5質量%)の1質量%のMEK溶液4.5質量部、及び溶融シリカ((株)アドマテックス製「SC2050−SXF」、平均粒径0.5μm)88質量部と、中空シリカ(製造例1により製造された表面処理をした中空シリカ、平均粒径0.96μm)8質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作成した。次に、かかる樹脂ワニスをPETフィルム(厚さ38μm)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜110℃(平均95℃)で6分間乾燥した(樹脂組成物層中の残留溶媒量:1.5質量%)。次いで、樹脂組成物層の表面に厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取った。ロール状の接着フィルムを幅507mmにスリットし、507×336mmサイズのシート状の接着フィルムを得た。
<実施例2>
中空シリカを15質量部とし、溶融シリカを81質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法にて接着フィルムを得た。
<実施例3>
中空シリカを22質量部とし、溶融シリカを74質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法にて接着フィルムを得た。
<実施例4>
中空シリカを30質量部とし、溶融シリカを66質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法にて接着フィルムを得た。
<実施例5>
中空シリカを9質量部とし、溶融シリカを110質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法にて接着フィルムを得た。
<実施例6>
中空シリカを34質量部とし、溶融シリカを85質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法にて接着フィルムを得た。
<実施例7>
中空シリカを5質量部とし、溶融シリカを47質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法にて接着フィルムを得た。
<実施例8>
実施例1の中空シリカを20質量部とし、溶融シリカを31質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法にて接着フィルムを得た。
<実施例9>
実施例1で使用した製造例1により製造された中空シリカに代えて、製造例2により製造された中空シリカ(平均粒径0.65μm)8質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法にて接着フィルムを得た。
<実施例10>
液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量180、三菱化学(株)製「jER828EL」15質量部と、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量225、日本化薬(株)製「NC3100」)15質量部、フェノキシ樹脂(重量平均分子量38000、三菱化学(株)製「YL6954BH30」不揮発成分30質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)7質量部とをMEK10質量部、シクロヘキサノン5質量部、ソルベントナフサ10質量部に攪拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却後、そこへ、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HP8000−65T」、活性基当量223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)20質量部及びトリアジン含有クレゾールノボラック樹脂(DIC(株)製「LA−7054」、不揮発成分60質量%のMEK溶液、フェノール当量125)10質量部、及び溶融シリカ((株)アドマテックス製「SC2050−SXF」、平均粒径0.5μm)82質量部と、中空シリカ(製造例1により製造された表面処理をした中空シリカ、平均粒径0.96μm)12質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法にて接着フィルムを得た。
<比較例1>
実施例1の溶融シリカを96質量部に変更し、中空シリカを配合しないこと以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法で接着フィルムを作成した。
<比較例2>
実施例1の溶融シリカを93質量部とし、中空シリカを3質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成した。次に、実施例1と同様の方法で接着フィルムを作成した。
<比較例3>
実施例1の溶融シリカを60質量部とし、中空シリカを37質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成したが、樹脂ワニスの粘度が上昇し取り扱い性が低下したため、接着フィルムを作成することができなかった。
<比較例4>
実施例1の溶融シリカを140質量部とし、中空シリカを10質量部に変更した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニスを作成したが、樹脂ワニスの粘度が上昇し取り扱い性が低下したため、接着フィルムを作成することができなかった。
結果を表1に示す。
Figure 2013173841
表1の結果から、実施例では、誘電正接が低く、かつ150℃以上の熱膨張率も低くなっていることがわかる。一方、比較例1、2では、中空シリカの配合量が少ないため、誘電正接が高く、かつ150℃以上の熱膨張率も高くなっていることがわかる。比較例3では、中空シリカの配合量が多くなっているため、樹脂ワニスの粘度が上昇し各種測定を行うことができなかった。比較例4では、中空シリカと溶融シリカの合計配合量がおおくなっているため、樹脂ワニスの粘度が上昇し各種測定を行うことができなかった。
本発明において、誘電率、誘電正接および熱膨張率のいずれもが十分に小さい樹脂組成物、特に、誘電率および低誘電正接が十分に小さく、かつ、150℃以上の熱膨張率が十分に低い樹脂組成物、更には接着フィルム、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、半導体装置を提供できるようになった。更にこれらを搭載した、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ、テレビ、等の電気製品や、自動二輪車、自動車、電車、船舶、航空機、等の乗物も提供できるようになった。

Claims (13)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)中空シリカ、および(D)溶融シリカを含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(C)中空シリカの含有量が5〜22質量%であり、(C)中空シリカと(D)溶融シリカとの合計含有量が50〜70質量%であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. (D)溶融シリカに対する(C)中空シリカの配合比率「(C)中空シリカ/(D)溶融シリカ」が質量比率で0.070以上、0.67以下である、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. (C)中空シリカが、ゾルゲル法を用いて製造されたことを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. (C)中空シリカの空孔率(%)が15%以上、90%以下であり、平均粒径が0.1μm以上、5μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 中空シリカの粒子径の変動係数が50%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 中空シリカの平均粒径に対するシリカ骨格の平均厚みの比率(中空シリカのシリカ骨格の平均厚み/中空シリカの平均粒径)が0.02以上、0.3以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 中空シリカのBET比表面積が、0.5m/g以上、30m/g以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 樹脂組成物の硬化物の誘電正接(測定周波数5.8GHz)が0.0005〜0.007であり、150℃から250℃までの平均の熱膨張率が1ppm〜80ppmであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 樹脂組成物の硬化物の25℃から150℃までの平均の熱膨張率をα1とし、150℃から250℃までの平均の熱膨張率をα2とした場合に、α2/α1の値が1.0〜3.3であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物が支持体上に層形成された接着フィルム。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物がシート状補強基材中に含浸されたプリプレグ。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物により絶縁層が形成された多層プリント配線板。
  13. 請求項12に記載の多層プリント配線板を用いることを特徴とする、半導体装置。
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