JP2013169539A - 塗布バーおよび塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塗布装置における塗布バー1として、円筒状軸心の表面に、塗布バー1と基材3との接点から、進行方向およびその逆方向に向かう溝2を軸心の幅方向に並べて設けることにより、反りやうねりがあり、剛性が高い基材3に対しても、安定して均一な膜を塗布することができる。
【選択図】図1
Description
例えば、基材に塗布薄膜を形成する方法として特許文献1のようなバーコート法が用いられている。図6は従来のバーコート法を説明する概略図である。
図7(a)から分かるように、バーコート法を適用する必要条件として、バー111の表面に巻きつけられたワイヤ116によって生じた凹凸部と基材113とが接触し、隙間117のみが開口している必要がある。成膜精度を損なうためである。そのためには、塗布される基材113がフィルムのように剛性が弱くバー111に基材113が沿う場合、もしくは、基材113自体の平面性が高い、またはステージへの吸着などにより基材113の反りを矯正することができ、バー111全体が基材113に接する場合に限られる。
また、前記被覆材はゴムであり、前記円筒体の表面を前記円筒体の断面円の円周方向に移動可能であることが好ましい。
また、前記円筒体の軸心から前記表面を結ぶ直線を基準とした際、前記溝の一端は第1の方向に90°以上120°以下の位置まで形成され、他端は前記第1の方向と逆方向である第2の方向に0°より大きく60°以下の位置まで形成されることが好ましい。
さらに、本発明の塗布装置は、基材を保持する基材保持ステージと、前記基材上に塗布液を前記基材の幅方向にわたって供給する吐出機構と、前記塗布バーとを有することを特徴とする。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1における塗布バーの形状を示す概略図であり、図1(a)は図1(b)のX−X’断面図、図1(b)は側面図を示す。図1において、塗布バー1の軸芯表面には塗布幅全域にわたって、円周方向の溝2が並べて複数形成されている。またこの溝2は、軸芯の断面図において、軸芯の外周の一部分のみに形成されていることが特徴的である。つまり、1つの溝2は円周上を1周せず円周長より短く形成される。ここで、上記溝2の形成方法は特に限定されるものではなく、軸芯の切削や、軸芯へ電鋳、メッキなどで形成することが可能である。
図8は塗布バーを用いる塗布装置の構成を例示する斜視図である。図8において、塗布装置は、基材203を搬送する手段としても機能する基材保持ステージ202に設置された基板203上に、基材203の幅方向に必要な量だけ塗布液204を供給する供給手段201を具備している。また、塗布液204を基材203の塗布面に幅方向にわたって供給する供給手段201は、供給手段201を基材203の幅方向に移動させる手段として、上下動する支持部材207に両端が保持されたボールネジ208に連結されており、基材203の幅方向に塗布できる機構になっている。ここで、図8の供給手段201の先端は、シリンジ205の先に供給針206を取付けたディスペンサーを用いた図であるが、ディスペンサーの替わりに基材幅方向に長い塗布液吐出ノズル(例えばダイコート)を用いても良い。
実施の形態2の塗布装置に用いる塗布バーでは、塗布バーに巻きつけられたワイヤ間の隙間を実施の形態1における溝とし、樹脂やゴム等の被覆材により溝として機能する隙間の露出領域を形成する。
図3は実施の形態2における樹脂を付加した塗布バーの形状を示す概略図であり、図3(a)は断面、図3(b)は側面を示す。また、図4は実施の形態2におけるゴムを付加した塗布バーの形状を示す概略図であり、図4(a)は初期状態を示す断面図、図4(b)はゴム移動後の状態を示す断面図である。
実施の形態2における塗布バー12は、塗布バー12の基材3との接触部を含む外周表面に所定の径の断面がほぼ円形のワイヤ8を巻いたものを用意し、そのワイヤ8同士の隙間9の一部を塞ぐように樹脂10でコーティングする構成である。樹脂10をコーティングしない領域にはワイヤ8が露出し、ワイヤ8とワイヤ8との間の隙間9が実施の形態1の溝2(図1参照)と同様の作用・効果を奏する。そして、樹脂10を設けない領域を、実施の形態1と同様に、塗布バー12が基材3と接触する箇所から塗布バー12の相対的進行方向側(上流側)の領域(図における角度αの範囲の領域)と、塗布バー12が基材3と接触する箇所から塗布バー12の相対的進行逆方向側(下流側)の領域(図における角度βの範囲の領域)に設ける。特に、実施の形態1と同様に、塗布液が乾燥・焼成後に反射防止膜を形成する材料を含有し、主溶剤として粘度2〜10mPa・sの溶剤を用いた溶液を用い、塗布速度として、塗布バー12と基材3の相対的移動速度を10〜50mm/sで走引させた場合には、角度αを90°以上120°以下とし、角度βを0°より大きく60°以下とすることが望ましい。
以上のように、塗布装置における塗布バー12として、断面円の直径が小さな円筒状軸心の表面にワイヤ8を巻きつけ、塗布バー12と基材3との接点から、塗布時の基材3との相対的な進行方向およびその逆方向に向かう領域を開口して樹脂10を設けることにより、塗布時の基材3との相対的な進行方向およびその逆方向に向かう領域にワイヤ8間の隙間9を露出することができ、樹脂10により塗布液の流れを抑止して塗布液の回り込みや液溜りによる塗布膜厚のバラツキや塗布ムラが発生することを抑制できるため、反りやうねりがあり、剛性が高い基材3に対しても、安定して均一な膜を塗布することができる。さらに、ワイヤ8の巻きつけや樹脂10の形成は軸心に溝を形成するより容易であるので、実施の形態1で説明した塗布バーより、低コストで容易に塗布ムラがない均一な膜を塗布することが可能となる。
2 溝
3 基材
4 塗布液
5 溝端部
6 溝端部
7 液溜り
8 ワイヤ
9 隙間
10 樹脂
11 接触部
12 塗布バー
13 ゴム
14 塗布バー
15 表面
16 表面
また、前記円筒体の軸心から、走引き時に前記基材と接触する前記表面の接触部を結ぶ直線を基準とした際、前記溝の一端は第1の方向に90°以上120°以下の位置まで形成され、他端は前記第1の方向と逆方向である第2の方向に0°より大きく60°以下の位置まで形成されることが好ましい。
さらに、本発明の塗布装置は、基材を保持する基材保持ステージと、前記基材上に塗布液を前記基材の幅方向にわたって供給する吐出機構と、前記塗布バーと、で構成され、前記塗布バーは、走引き時に前記円筒体は回転せず、前記円筒体の円周表面のそれぞれの前記溝の間隔における特定の接触部のみで前記基材と接することを特徴とする。
Claims (8)
- 円筒体の塗布バーであって、
その表面に複数の溝が形成されており、
前記溝は、前記円筒体の断面円周よりも短く設けられてなることを特徴とする塗布バー。 - 前記溝は、
断面形状が略円形のワイヤと、
前記ワイヤ上の一部上を覆う被覆材と
で構成され、前記ワイヤ間の隙間のうちの、前記被覆材から露出する領域を前記溝とすることを特徴とする請求項1記載の塗布バー。 - 前記被覆材は樹脂またはゴムであることを特徴とする請求項2記載の塗布バー。
- 前記被覆材はゴムであり、前記円筒体の表面を前記円筒体の断面円の円周方向に移動可能であることを特徴とする請求項2記載の塗布バー。
- 前記円筒体の断面径が2mm〜6mmであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の塗布バー。
- 前記円筒体の軸心から前記表面を結ぶ直線を基準とした際、前記溝の一端は第1の方向に90°以上120°以下の位置まで形成され、他端は前記第1の方向と逆方向である第2の方向に0°より大きく60°以下の位置まで形成されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の塗布バー。
- 前記溝の端部領域において、端部に近づくほど前記溝の深さが浅くなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の塗布バー。
- 基材を保持する基材保持ステージと、
前記基材上に塗布液を前記基材の幅方向にわたって供給する吐出機構と、
前記請求項1〜請求項7のいずれかに記載の塗布バーと
を有することを特徴とする塗布装置。
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