JP2006255660A - 塗布方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘度が10cp以下の塗布液を、10cc/m2 以下のウエット塗布量で塗布する際に、塗布速度を高めることのできる塗布方法及び装置を提供する。
【解決手段】ダイ14は、ウエブ12の走行方向の下流側に設けられたリップが上流側に設けられたリップよりもウエブ側に突出して形成されるとともに、前記上流側のリップ先端のランドに、複数の凹凸からなる凹凸部が形成される。前記凹凸の凹凸の深さが5μm以上500μm以下、凹凸のピッチが50μm以上500μm以下で、ランドをマット化、又はセラミック溶射、或いは彫刻したダイを用いて塗布を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は塗布方法及び装置に係り、特にダイを用いて反射防止膜などの光学フィルムの塗膜を形成する塗布方法及び装置に関する。
ダイを用いた塗布方式では、帯状のベース(ウエブ)を一方向に移動させながら、ダイのスリットから塗布液を吐出し、ダイとベースとの間に塗布液架橋(ビード)を形成することによって、ベース上に均一な塗布膜を形成する。この塗布方法では、ビードの安定性が塗布精度に大きく影響するが、ベースの走行速度を早くすることによって、ビードがベースに引っ張られ、ダイの下リップの位置でビードが破断するという問題を発生する。このため、ビードの下部にサクションチャンバを設け、ビードを下方(ベースの走行方向と反対方向)に引っ張ることによってビードの安定性を保つことが一般に行われている。
また、別の方法として、特許文献1は、ダイのリップ部に撥水性樹脂を施こしている。これにより、特許文献1は、ビードを安定化させることができ、スジ、尾引き、液切れなどの故障を防止することができる。しかし、特許文献1はリップ部の高精度加工や樹脂の強度に問題がある。
そこで特許文献2では、単なる樹脂被覆をフッ素含有樹脂分散共析した複合メッキ被覆に変えることで、純テフロンの撥水性を維持しながらリップの精度を維持して硬度の高い皮膜を形成する方法が提案されている。
また、特許文献3では、加圧押し付け型のダイのリップ部表面が、塗布液に含まれる固形分によって磨耗することを防ぐために、硬度の高いセラミックを被覆する方法が提案されている。さらに、特許文献4では、上下のリップのエッヂに窪みを設け、ビードのメニスカスを幅方向で均一として安定化を図る方法が提案されている。
特許文献5には、ベースの走行方向の下流側リップを、上流側リップよりもベース側に突出させてオーバーバイト化する方法が提案されている。この方法によれば、ダイの下流側リップとベース間のクリアランスを出来るだけ狭くすることによって、薄膜塗布を行うことができる。
特公平1−57629号公報 特開平5−261330号公報 特開平6−121953号公報 特開平5−345161号公報 特開2003−211052号公報
しかしながら、上述した特許文献1〜5の発明は、低塗布量の場合や、低粘度の塗布液を用いた場合(特に塗布量が10cc/m2 以下で、粘度が10cp以下の場合)に、ベース速度が速くなるにつれてビードが不安定になり、幅方向に膜厚が不均一になって塗布面上にスジ状の塗布ムラが発生するという不具合があった。このため、引用文献1〜5は、僅かな外乱の影響を受けたり、塗布液とベースとの濡れ性が僅かに変化した際に、ビードがきれてしまうという問題があった。
さらに、特許文献5は、リップ先端とベースとのクリアランスを数十μmにしなければならないなど、ダイの製作精度を非常に高くしなければならないばかりでなく、ダイの設置精度も厳しくしなければならない。このため、設備コストが高くなったり、塗布前の準備に時間がかかるなど、生産性を下げる原因となっていた。
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、粘度が10cp以下の塗布液を、10cc/m2 以下のウエット塗布量で塗布する際に、塗布速度を高めることのできる塗布方法及び装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、バックアップローラに支持されて連続走行するウエブに、粘度10cp以下の塗布液をダイの吐出口から押し出すことによって、10cc/m2 以下のウエット塗布量で塗布を行う塗布方法において、前記ウエブの走行方向に対して前記吐出口の下流側のリップが上流側のリップよりも前記ウエブ側に突出して形成されるとともに、前記上流側のリップ先端のランドに、複数の凹凸から成る凹凸部が形成されたダイを用いて塗布を行うことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、上流側のランドに設けた凹凸部によって、塗布液とランドとの接触面積が増加し、ビードの安定性を向上させることができる。すなわち、請求項1の発明によれば、ダイをオーバーバイト形状にすることによって低下したビードの上流側の安定性を向上させることができる。これにより、10cp以下の低粘度の塗布液を10cc/m2 以下の低塗布量で塗布する場合にも、塗布ムラを発生させることなく、ウエブの速度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記凹凸部は、前記上流側のランドの全面に形成されることを特徴とする。請求項2の発明によれば、ランドの全面に凹凸部を設けたので、塗布液とランドの接触面積を大幅に増加させることができ、ビードをより安定させることができる。
請求項3に記載の発明は請求項1の発明において、前記凹凸部は、前記上流側のランドの幅方向の両端部に形成されることを特徴とする。請求項3の発明によれば、ビードが最も不安定になる幅方向の両端部に凹凸部を形成したので、ビードを効果的に安定させることができる。また、請求項3の発明によれば、幅方向の中央部に凹凸部を設けない構成なので、製品となる中央部の膜厚の変動を極力抑えることができる。したがって、請求項3の発明によれば、製品の膜厚の均一化を図りつつ、ビードを安定させてスジ故障などの発生を防止できる。
請求項4に記載の発明は請求項1〜3のいずれか1の発明において、前記凹凸部は、前記凹凸の深さが5μm以上500μm以下、前記凹凸のピッチが50μm以上500μm以下であることを特徴とする。深さが5μm未満の場合には、凹凸部による効果が十分に得られず、ビードが不安定になるという不具合を発生する。反対に深さが500μmを超えた場合には、リップの幅方向の真直度が低下するため、膜厚が不均一になるおそれがある。一方で、ピッチが50μm未満の場合には、リップ部の真直度が低下し、ビードが不安定になるという不具合を発生する。反対にピッチが500μmを超えた場合には、凹凸部による効果が十分に得られず、ビードが不安定になる。したがって、請求項4の発明によれば、凹凸の深さやピッチを上記の範囲に設定することによって、ビードを十分に安定させ、且つ、均一な塗膜を形成することができる。
請求項5に記載の発明は請求項1〜4のいずれか1の発明において、前記凹凸部は、前記上流側のランドをマット化、又はセラミック溶射、或いは彫刻して成ることを特徴とする。上述した凹凸部は請求項5に記載した方法で形成する事ができる。
請求項6に記載の発明は請求項1〜5のいずれか1の発明において、前記塗布液は、10nm以上10μm以下の粒子を含む有機溶剤であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は請求項6の発明において、前記塗布液が、アクリル系のUV硬化樹脂、又はエポキシ系の熱硬化樹脂を含むことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は前記目的を達成するために、連続走行するウエブを支持するバックアップローラと、前記バックアップローラに巻きかけられたウエブに近接して配置された塗布液の吐出口を有するダイとを備え、粘度が10cp以下の塗布液を10cc/m2 以下のウエット塗布量でウエブに塗布する塗布装置において、前記ダイは、前記ウエブの走行方向に対して前記吐出口の下流側のリップが上流側のリップよりも前記ウエブ側に突出して形成されるとともに、前記上流側のリップ先端のランドに、複数の凹凸から成る凹凸部が形成されたことを特徴とする。
請求項8の発明によれば、上流側のランドに設けた凹凸部によって、塗布液とランドとの接触面積が増加し、ビードの安定性を向上させることができる。すなわち、請求項8の発明によれば、ダイをオーバーバイト形状にすることによって低下したビードの上流側の安定性を向上させることができる。これにより、10cp以下の低粘度の塗布液を10cc/m2 以下の低塗布量で塗布する場合にも、塗布ムラを発生させることなく、ウエブの速度を向上させることができる。
本発明によれば、上流側のランドに設けた凹凸部によって、ビードを安定させることができるので、10cp以下の低粘度の塗布液を10cc/m2 以下の低塗布量で塗布する場合にも、ウエブの速度を高めて生産性を向上させることができる。
以下添付図面に従って本発明に係る塗布方法及び装置の好ましい実施の形態について説明する。
図1は、本発明が適用された塗布装置の構成を示す模式図である。同図に示すように、塗布装置10は主としてダイ14とバックアップローラ16とから成り、バックアップローラ16には、連続走行するウエブ12が巻きかけられて支持される。ウエブ12は矢印方向に連続走行するようになっており、このウエブ12と同じ速度でバックアップローラ16が回転するように構成される。バックアップローラ16の直径は例えば100mm以上400mm以下に設定され、その表面粗さは0.8S以下に設定される。また、バックアップローラ16は、例えば鉄等の金属で構成されるとともに、その表面にHCrメッキが施される。
ダイ14は、バックアップローラ16に巻きかけ支持られたウエブ12に対して近接して配置されており、ダイ14の内部には、ポケット18とスロット20が形成されている。ポケット18は、ダイ14の幅方向に形成された塗布液の液溜め空間であり、その断面形状は略円形に形成される。また、ポケット18の幅方向の長さは、塗布幅と同じか若干長めに設定される。さらに、ポケット18は、ダイ14の側面に設けた塗布液の供給口(不図示)に連通されており、この供給口からポケット18に塗布液が供給されるようになっている。なお、ポケット18の断面形状は円形に限定されるものではなく、台形等の他の形状であってもよい。また、ポケット18への塗布液の供給口の位置は、ダイ14の側面に限定されるものではなく、バックアップローラ16の反対側でダイ14の幅方向の中央部に設けてもよい。
スロット20は、ポケット18からウエブ12への塗布液の流路であり、ポケット18内の塗布液はスロット20を介して先端の吐出口20Aからウエブ12に向けて吐出される。このスロット20は、ダイ14の幅方向に形成されたスリット状に形成されており、その幅方向の長さは、幅規制板(不図示)によって塗布幅と略等しい寸法、例えば100mm以上400mm以下に設定される。また、スロット20のクリアランスCL1(図2参照)は例えば50μm以上500μm以下に設定される。
上記の如く構成されたダイ14の下方(すなわちウエブ12の走行方向の上流側)には、サクションチャンバ22が設けられる。サクションチャンバ22は、バックアップローラ16の下方に立設されたバックプレート22Aと、幅方向に立設されたサイドプレート22Bとを有し、このバックプレート22A、サイドプレート22B、及びダイ14などで囲むことによって、サクションチャンバ22を形成する。このサクションチャンバ22は不図示の減圧手段に接続されており、所定の減圧度に調節できるようになっている。前記バックプレート22Aは、その高さ位置を調節可能なように取り付けられている。そして、バックプレート22Aの上端と、バックアップローラ16に巻きかけられたウエブ12との隙間を調節できるようになっている。この隙間は、後述する下流ランド24とウエブ12との隙間CL2よりも大きくなるように設定される。これにより、バックアップローラ16の偏心に起因するビード近傍の減圧度変化を抑制することができる。なお、バックプレート22Aの上端とウエブ12との隙間は、100μm以上500μm以下に設定することが好ましい。
図2は、ダイ14の先端形状を示す側面図である。
同図に示すように、ダイ14は、吐出口20Aを挟んで、ウエブ12の走行方向の上流側のリップ23と下流側のリップ25とを備える。
ダイ14は、下流側のリップ25が上流側のリップ23よりもウエブ12側に突出したオーバーバイト形状に形成される。このようにオーバーバイト形状のダイ14を用いることによって、サクションチャンバ22での減圧度を下げることができ、薄膜塗布に適したビードを形成することができる。
リップ25の先端とリップ23の先端との距離(以下、オーバーバイト量という)L1は、30μm以上100μm以下が好ましく、30μm以上80μm以下がより好ましい。オーバーバイト量L1が上記の範囲よりも小さいと、サクションチャンバ22の減圧度を下げる効果が小さくなってビードが不安定になる。反対にオーバーバイト量L1が上記の範囲よりも大きいと、ビードの安定性がかえって低下する。
各リップ23、25の先端には、ランドと呼ばれる平坦部が形成される。以下、ウエブ12の走行方向の上流側の平坦部を上流側ランド24、下流側の平坦部を下流側ランド26と称す。
下流側ランド26は、バックアップローラ16に巻きかけ支持されたウエブ12との距離CL2が、30μm以上300μm以下、好ましくは30μm以上200μm以下に設定される。また、下流側ランド26は、ウエブ12の走行方向の長さL2が30μm以上200μm以下に設定される。下流側ランド26の長さL2が上記の範囲よりも小さい場合には、リップ25のエッジ或いはランド26が欠け易く、塗膜にスジが発生しやすくなる。また、下流側ランド26の長さL2が上記の範囲を超えると、ビードそのものが形成されにくくなり、薄膜塗布を行うことが困難になる。
一方、上流側ランド24は、ウエブ12の走行方向の長さL3が、300μm以上1500μm以下に設定される。
図3は上流側ランド24を示す正面図である。同図に示すように、上流側ランド24の全面に凹凸部30が形成される。この凹凸部30は、微細な複数の凹凸から成り、例えばグラビア彫刻形状である斜線、格子、或いはピラミッド型に形成される。
凹凸部30は、凹凸の深さ(高さ)が5μm以上500μm以下、好ましくは10μm以上200μm以下になるように形成される。凹凸部30の深さが上記の範囲より小さいと、凹凸部30を設けたことによる効果、すなわちビード安定化の効果が薄くなる。反対に、凹凸部30の深さが上記の範囲を超えると、リップ23の真直度が5μm以上になってしまい、スジ故障等を発生する原因になる。さらに、凹凸部30の深さが大きいと、ダイ14の製作コストが極端に高くなるという問題も発生する。
また、凹凸部30は、凹凸のピッチが50μm以上500μm以下、好ましくは75μm以上250μm以下になるように形成される。凹凸部30のピッチが上記の範囲よりも小さいと、リップ部23の真直度が低下し、均一な塗膜の形成ができなくなる。反対に、凹凸部30のピッチが上記の範囲よりも大きいと、凹凸部30による効果が十分に得られず、ビードが不安定になる。なお、凹凸部30は凹凸のピッチが小さい場合に、凹凸の深さも小さくすることが好ましい。
次に上記の如く構成された塗布装置10の作用について説明する。
上述したダイ14のスロット20から塗布液が吐出されると、ダイ14の先端とバックアップローラ16上のウエブ12との間にビードが形成される。このビードは、スジ故障の発生を防止するために安定して形成することが必要であり、ビードを安定させるためには、ビードの上流側のメニスカスを上流側ランド24上に確実にピン(固定)させることが重要となる。その際、上流側ランド24の上流側端部でビードをピンすることが好ましい。
従来の塗布装置(すなわち、上流側ランド24に凹凸部30がないダイを用いた場合)では、ダイ14の素材によってビードの安定性が決定される。このため、金属製のダイを用いると、ビードを安定させることができないという不具合が発生する。また、樹脂製のダイを用いた場合には、金属製のダイよりもビードの安定化を図ることができる反面、強度や加工精度の面で不具合が発生する。また、樹脂製のダイを用いた場合にも、粘度が10cp以下の塗布液をウエット塗布量10cc/m2 以下で塗布する際にはビードが不安定になる。このため、従来の塗布装置では、ウエブ12の同伴風やウエブ12上の微小な異物等の外乱の影響を受けた際にビードが液切れを生じやすく、特にウエブの速度を高めた場合にはビードの液切れが発生しやすくなる。したがって、従来の塗布装置では、スジ故障等の塗布ムラが発生するだけでなく、連続塗布ができなくなるという問題があった。さらに、従来の塗布装置では、ウエブ12の速度を高めることができず、生産性が低いという問題があった。
これに対して、本実施の形態では、上流側ランド24の表面に凹凸部30を形成している。このように凹凸部30を形成することによって、塗布液と上流側ランド24の接触面積が増加し、ビードのグリップ力が上昇し、ビードを安定させることができる。これにより、ビードの下部に設けたサクションチャンバ22で減圧した際に、ビードの上流側のメニスカスを安定させることができ、ビードのメニスカスを上流側ランド24上に確実にピンすることができる。
このように本実施の形態によれば、上流側ランド24に凹凸部30を設けたので、粘度が10cp以下の塗布液を10cc/m2 のウエット塗布量で塗布する場合にもビードを安定させることができる。特に本実施の形態によれば、凹凸部30を上流側ランド24の全面に設けたので、塗布液と上流側ランド24の接触面積を大幅に増加させることができ、ビードの安定性を大幅に向上させることができる。したがって、本実施の形態によれば、ウエブ12の走行速度を、例えば20m/min以上に高めて高速塗布を行うことができ、生産性を大幅に向上させることができる。
なお、凹凸部30の形成方法は、上述したグラビア彫刻に限定されるものではなく、上流側ランド24上に微細な凹凸を形成する方法であればよい。したがって、例えば金属製の上流側ランド24をマット化して凹凸を形成してもよい。また、上流側ランド24にセラミック素材や他の金属を溶射して凹凸を形成するようにしてもよい。さらには、セラミックや他の金属の粒子を上流側ランド24に接着又は埋め込むようにしてもよい。
なお、上述した凹凸部30の深さやピッチは必ずしも均一でなくてもよく、リップ幅1mm以内において分布をもっていてもよい。ただし、分布幅については隣の1mmとの差がないようにすることが好ましい。
また、上述した実施形態では、上流側ランド24の全面に凹凸部30を形成したが、これに限定するものではなく、上流側ランド24の一部に凹凸部30を形成するようにしてもよい。例えば、図4に示すように、上流側ランド24の上流側半分(すなわち、図4の下半分)に凹凸部30を形成するようにしてもよい。このような凹凸部30を形成することによって、ビードの上流側のメニスカスを幅方向に直線状にピンすることができる。
また、図5に示すように、上流側ランド24の幅方向の両端部のみに凹凸部30を設けるようにしてもよい。ビードは、幅方向の端部から切れやすいという特性を有するため、このように端部のみに凹凸部30を形成することによって、ビードの安定化を図ることができる。また、幅方向の中央部をフラットに形成することによって、製品となる部分が、凹凸部30の悪影響を受けて不均一な膜厚を形成することを防止できる。したがって、図5のダイを用いると、膜厚のより均一な塗膜を形成することができる。なお、図5に示すように両端部に凹凸部30を形成する場合には、凹凸部30が、ウエブ12の耳部(製品とならない部分)に対応した範囲内に配置されることが好ましい。
さらに図6に示すように、上流側ランド24に二種類の凹凸部30A、30Bを形成してもよい。この場合、幅方向の両端部の凹凸部30Aは、幅方向の中央部の凹凸部30Bよりも、凹凸の深さが大きくなるように、或いは凹凸のピッチが細かくなるように形成する。これにより、ビードの切れやすい両端部では、ビードを確実にピンすることができるとともに、製品となる中央部では、膜厚の変動に影響がない程度に確実にピンすることができる。
なお、本発明で使用される塗布液としては、例えば、光学機能層を形成する際に使用される10nm〜10μmの粒子を含み、アクリルやエポキシ系の樹脂・含フッ素モノマー或いはポリマーを含む有機溶剤系が好ましい。なお、塗布液は、固形分を分散した水系の液でもよい。
また、本発明においてウエット塗布量は、小さいほど好ましい。これは、ウエット塗布量が小さいほど、本発明の効果(すなわちビード安定化)が大きくなり、特にウエット塗布量が10cc/m2 以下の場合にビード安定化の効果が大きくなるためである。
さらに、本発明において塗布液は粘度が低いほど好ましい。これは、粘度が低いほど本発明の効果が大きくなり、特に10cp以下の粘度を用いた場合にはビード安定化の効果が大きくなるためである。なお、ウエット塗布量が10cc/m2 を超える場合や粘度が10cpを超える場合にも、本発明の効果は得られる。
本発明で使用されるウエブ(支持体)12は厚みが40μm以上200μm以下のPETやTAC等のほか、WP紙や他の紙、さらには、他の樹脂フイルムでも本発明の効果を得ることができる。
<試験1>
ダイ14として、スリットクリアランス(CL1)200μm、リップクリアランス(CL2)100μm、下流側ランド長(L2)50μm、上流側ランド長(L3)1000μm、下流側ランド26の表面粗さ0.3S、オーバーバイト量(L1)100μm、幅1000mm、のものを用いた。
バックアップローラ16は、直径200mmで、表面にHCrメッキを施して表面粗さを0.3Sとしたものを用いた。サクションチャンバ22は、減圧度が0.05〜1.0kPaとした。ウエブ12は、厚さが100μm、幅が1100mmのPETを用いた。塗布液は、アクリル系樹脂をMEKやシクロヘキサノン溶剤に溶かしたもので、粘度が5cp、表面張力が25dyn/cm、塗布量が7.5cc/m2 のものを用いた。
上述した条件の下、ダイ14の上流側ランド24の全面に5μm〜50μmの深さでマット化加工して凹凸30を設けた実施例と、ダイ14の上流側ランド24が平坦な比較例とで試験を行い、ウエット塗布量を5cc/m2 に固定し、液粘度を変えた際の上限塗布速度を調べた。上限塗布速度は、サクション圧を調整し、ビードの液切れを起こさなかった上限の塗布速度とした。結果を表1に示す。
Figure 2006255660
表1から分かるように、凹凸部30を有する実施例は、凹凸部30のない比較例と比較して、粘度に依らず常に上限塗布速度を高くすることができた。また、実施例と比較例との上限塗布速度の差(すなわち本発明の効果)は、塗布液の粘度が高くなるほど大きくなることが明らかになった。さらに、塗布粘度が10cp以下の場合に特に上限塗布速度の差が大きくなるという結果が得られた。
<試験2>
上述した試験1に対して、液粘度を5cpで固定し、ウエット塗布量を変化させて試験を行った。試験結果を表2に示す。
Figure 2006255660
表2から分かるように、凹凸部30を有する実施例は、凹凸部30のない比較例と比較して、ウエット塗布量に依らず常に上限塗布速度を高くすることができた。また、実施例と比較例との上限速度の差(すなわち本発明の効果)は、ウエット塗布量が少なくなるほど大きくなることが明らかになった。さらに、ウエット塗布量が10cc/m2 以下の場合に特に上限塗布速度の差が大きくなるという結果が得られた。
<試験3>
実施例3は、上流側ランド24の幅方向の両端部10mmに凹凸部30を形成したダイ24を用いた。凹凸部30は、凹凸のピッチを50μmで固定し、深さを変えて試験を行った。なお、ウエット塗布量は5cc/m2 、液粘度は5cpで固定した。また、比較例として、凹凸のないもので試験を行った。試験結果を表3に示す。
Figure 2006255660
表3から分かるように、凹凸部30を設けた実施例では、凹凸の深さを大きくするほど、上限塗布速度を高くすることができた。また、凹凸の深さが5μmを下回ると、上限塗布速度を高める効果が殆ど得られないことが明らかになった。さらに、凹凸部30の深さが500μmを超えると、上限塗布速度を高めることができる反面、スジ故障等の塗布ムラが発生するという結果が得られた。
<試験4>
試験3に対して、凹凸の深さを50μmで固定するとともに、凹凸のピッチを変えて試験を行った。なお、比較例は、凹凸部のないダイで試験を行った結果である。試験結果を表4に示す。
Figure 2006255660
表4から分かるように、凹凸部30を設けた実施例では、凹凸のピッチを小さくするほど、上限塗布速度を高くすることができたが、凹凸のピッチが50μmを下回ると上限塗布速度がかえって低下するという結果になった。また、凹凸のピッチが500μmを上回ると、上限速度を高める効果が小さくなるという結果になった。
本発明に係る塗布装置の構成を示す模式図 ダイの先端形状を示す側面断面図 ダイの上流側ランドを示す正面図 図3と異なる凹凸部を有するダイの上流側ランドを示す正面図 図3と異なる凹凸部を有するダイの上流側ランドを示す正面図 図3と異なる凹凸部を有するダイの上流側ランドを示す正面図
符号の説明
10…塗布装置、12…ウエブ、14…ダイ、16…バックアップローラ、18…ポケット、20…スロット、20A…吐出口、22…サクションチャンバ、23…リップ、24…上流側ランド、25…リップ、26…下流側ランド、30…凹凸部

Claims (8)

  1. バックアップローラに支持されて連続走行するウエブに、粘度10cp以下の塗布液をダイの吐出口から押し出すことによって、10cc/m2 以下のウエット塗布量で塗布を行う塗布方法において、
    前記ウエブの走行方向に対して前記吐出口の下流側のリップが上流側のリップよりも前記ウエブ側に突出して形成されるとともに、前記上流側のリップ先端のランドに、複数の凹凸から成る凹凸部が形成されたダイを用いて塗布を行うことを特徴とする塗布方法。
  2. 前記凹凸部は、前記上流側のランドの全面に形成されることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  3. 前記凹凸部は、前記上流側のランドの幅方向の両端部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の塗布方法。
  4. 前記凹凸部は、前記凹凸の深さが5μm以上500μm以下、前記凹凸のピッチが50μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の塗布方法。
  5. 前記凹凸部は、前記上流側のランドをマット化、又はセラミック溶射、或いは彫刻して成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の塗布方法。
  6. 前記塗布液は、10nm以上10μm以下の粒子を含む有機溶剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の塗布方法。
  7. 前記塗布液が、アクリル系のUV硬化樹脂、又はエポキシ系の熱硬化樹脂を含むことを特徴とする請求項6に記載の塗布方法。
  8. 連続走行するウエブを支持するバックアップローラと、前記バックアップローラに巻きかけられたウエブに近接して配置された塗布液の吐出口を有するダイとを備え、粘度が10cp以下の塗布液を10cc/m2 以下のウエット塗布量でウエブに塗布する塗布装置において、
    前記ダイは、前記ウエブの走行方向に対して前記吐出口の下流側のリップが上流側のリップよりも前記ウエブ側に突出して形成されるとともに、前記上流側のリップ先端のランドに、複数の凹凸から成る凹凸部が形成されたことを特徴とする塗布装置。
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