JP2013151646A - 遮熱性塗料組成物及びその遮熱性塗料組成物で被覆された被塗装物 - Google Patents

遮熱性塗料組成物及びその遮熱性塗料組成物で被覆された被塗装物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた遮熱効果を有し、しかも薄く軽量であり、照り返しを生じることがない遮熱性塗料組成物及びその遮熱性塗料組成物で被覆された被塗装物を提供する。
【解決手段】アクリル樹脂エマルジョン、変性アクリル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンから選ばれるエマルジョン塗料、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンゴムラテックス及びクロロプレンゴムラテックスから選ばれるラテックス塗料、或いはアクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる溶剤型塗料の中から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上からなる塗膜成分中に熱エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有するエネルギー変換材料が含まれていることを特徴とする遮熱性塗料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば建築物の屋根、外壁、窓ガラス、円筒状又は球状タンクの外装面、車両や航空機の外装、或いは船舶の甲板表面に被覆することにより、太陽光の日射によるこれら構造物内部の温度上昇を抑え、或いは道路や飛行場の表面、鉄道の軌道表面に被覆することにより、太陽光の反射による照り返しを効果的に低減することができる遮熱性塗料組成物及びその遮熱性塗料組成物で被覆された被塗装物に関する。
従来より、建築物の屋根や車両等の外装を遮熱塗料で被覆することで、太陽光の日射による建築物や車両等の内部の温度上昇を防いで空調費用の削減を図ったり、タンクの外装面に遮熱塗料を塗布してタンク内の揮発成分の蒸散量を低減したりする試みがなされていた。
これらの用途、目的に使用される遮熱塗料としては、例えば酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化インジウム、チタン酸ナトリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化セリウム或いは酸化亜鉛などからなる遮熱顔料、或いは三酸化アンチモン、ジクロム酸アンチモン、アルカリ金属ジクロム酸塩等を含有する熱反射エナメルが用いられていた(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
ところが、酸化チタンや酸化ジルコニウムなどのセラミック系の遮熱顔料は優れた遮熱効果を有するものの、比重が重いことから用途が限定され、しかも遮熱顔料によって形成される遮熱層は、十分な遮熱効果を得るには一定の厚みを必要とすることから、経時と共に劣化して塗装表面からの脱落したり、クラックが生じたりするなどの不具合を生じることがあった。一方、三酸化アンチモンなどの熱反射エナメルの場合、重金属を含むことから環境衛生上、望ましくないのと指摘もあった。
そこで、軽量であり、しかも環境に悪影響を与える恐れがない酸化珪素や酸化アルミニウムなどを用いた遮熱塗料も提案されるに至っている(特許文献3参照)。
特開2000−212475号公報 特開2003−238897号公報 特開2008−303438号公報
ところが、酸化珪素や酸化アルミニウムなどの材料を用いた遮熱塗料の場合、酸化ジルコニウムや酸化チタンなどを用いた従来の遮熱塗料に比べて軽量であるものの、太陽光からの熱を反射させて塗装の裏面側への熱の伝播を抑えるという遮熱システムを採っていた。このため、例えばその遮熱塗料を建築物や道路に適用した場合には、太陽光が遮熱材料に当たって反射して照り返すことになるため、その眩しさについての対策が求められていた。
本発明は、上述の技術的課題に鑑みなされたものであり、優れた遮熱効果を有し、しかも薄く軽量であり、照り返しを生じることが少ない遮熱性塗料組成物及びその遮熱性塗料組成物で被覆された被塗装物を提供することをその目的とするものである。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、塗膜成分中に熱エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有するエネルギー変換材料が含まれていることを特徴とする遮熱性塗料組成物をその要旨とした。
請求項2に記載の発明は、エネルギー変換材料が、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンの中から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の遮熱性塗料組成物をその要旨とした。
請求項3に記載の発明は、塗膜成分が、アクリル樹脂エマルジョン、変性アクリル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンから選ばれるエマルジョン塗料、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンゴムラテックス及びクロロプレンゴムラテックスから選ばれるラテックス塗料、或いはアクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる溶剤型塗料の中から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遮熱性塗料組成物をその要旨とした。
請求項4に記載の発明は、エネルギー変換材料が塗膜成分100重量部に対して1〜200重量部の割合で含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遮熱性塗料組成物をその要旨とした。
請求項5に記載の発明は、塗膜成分中に蓄熱フィラー、遮熱フィラー及び放射線吸収フィラーのうち少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遮熱性塗料組成物をその要旨とした。
請求項6に記載の発明は、蓄熱フィラーが、蓄熱性材料を内包するマイクロカプセルからなることを特徴とする請求項5に記載の遮熱性塗料組成物をその要旨とした。
請求項7記載の発明は、遮熱フィラーが、中空粒子又は真空粒子からなることを特徴とする請求項5に記載の遮熱性塗料組成物をその要旨とした。
請求項8記載の発明は、放射線吸収フィラーが原子番号が10以上の金属、その金属イオン、金属化合物及び2種以上の原子番号が20以上の金属からなる金属アロイのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の遮熱性塗料組成物をその要旨とした。
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の遮熱性塗料組成物が被覆された表面を有することを特徴とする被塗装物をその要旨とした。
請求項10記載の発明は、蓄熱フィラーを含む遮熱性塗料組成物が被覆された表面を有する被塗装物であって、補償用の加熱手段または加温手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の被塗装物をその要旨とした。
本発明の遮熱性塗料組成物(以下、単に組成物という)にあっては、塗膜成分中に熱エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有するエネルギー変換材料が含まれていることから、優れた遮熱効果を有し、しかも薄く軽量であり、照り返しを生じることが少ない。本発明の組成物は、例えば建築物の屋根瓦や下地材、外壁、窓ガラス、石油や天然ガスなどの揮発性物質を収蔵するタンクの外面、自動車、バス、トラック、シャベルカーなどの産業機械、飛行機やヘリコプターなどの航空機の外装、タンカーなどの船舶の甲板に適用することができ、この場合、太陽光の日射によるこれら構造物の内部温度の上昇を抑えることができる。また本発明の組成物にあっては、道路や飛行場、鉄道の軌道表面などに適用することもでき、この場合、太陽光の日射による照り返しを確実に低減することができ、照り返しによる眩しさに起因する事故の発生を効果的に防止できる。
また本発明の組成物は、蓄熱性材料を内包するマイクロカプセルからなる蓄熱フィラーをさらに含む形態を採ることもできる。蓄熱フィラーは、例えば夜間の冷気を効率的にエネルギーとして蓄熱することができる。このため、夜間の冷気を効率的に熱エネルギーとして蓄熱した塗膜中の蓄熱フィラーが、昼間の太陽光の日射による温度上昇を緩和するように作用し、上述の熱エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー変換材料による遮熱効果と相俟って太陽光の日射による温度上昇をより効果的に抑制することができる。
また、本発明の組成物における蓄熱フィラーは、例えば昼間の暖気を効率的にエネルギーとして蓄熱することもできる。このため、例えば本発明の組成物を冬季の道路表面に適用した場合、道路表面の塗膜中の蓄熱フィラーが、昼間の太陽光からの暖気を効率的にエネルギーとして蓄熱し、夜間の路面上の温度低下を緩和するように作用し、融雪または路面の凍結を効果的に抑制することができる。さらに、道路や屋根などの被塗装物には面状発熱体やヒーターなどの加熱手段、或いは温泉や温水による加温手段を配置することもでき、このような手段を設けることで、悪天候が続いた場合でも蓄熱塗膜への補償用エネルギーの供給が可能となる。
また本発明の組成物は、塗膜成分中に中空粒子又は真空粒子からなる遮熱フィラーをさらに含む形態を採ることもできる。遮熱フィラーは、きわめて軽量であり、しかも日射による太陽光からの熱を表面反射と内部中空面で2重に反射することから反射効率が高く、また、フィラーの中空空間が断熱層となり、熱エネルギーの伝播を効果的に抑制する働きがある。このため、この遮熱フィラーを上述のエネルギー変換材料と共に、或いは蓄熱フィラーと共に併用することで、該組成物の遮熱効果は一層向上することになる。
以下、本発明の組成物及びその組成物で被覆された被塗装物についてさらに詳しく説明する。本発明の組成物は、塗膜成分中に熱エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有するエネルギー変換材料が含まれていることで特徴づけられたものである。塗膜成分としては、アクリル樹脂エマルジョン、変性アクリル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンから選ばれるエマルジョン塗料、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンゴムラテックス及びクロロプレンゴムラテックスから選ばれるラテックス塗料、或いはアクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる溶剤型塗料の中から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上の混合物を用いることができる。
尚、塗膜を構成するポリマーの選択に際しては、後述するエネルギー変換材料との相溶性のほか、該塗料が適用される用途や使用形態、取り扱い性、成形性、入手容易性、温度性能(耐熱性や耐寒性)、耐候性、価格なども考慮するのが望ましい。
エネルギー変換材料は、低分子ポリマーからなるものであり、上述の塗膜を構成するポリマー中に混合されて、ポリマーマトリックス相中にミクロ相分離した分散相として、或いは完全相溶した分散相として存在している。このエネルギー変換材料に熱エネルギーが加わることで、該エネルギー変換材料の位相のズレ、回転が生じ、このときにエネルギー変換が起こるものと考えられる。
このような作用効果を持つエネルギー変換材料としては、例えばp−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンの中から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上を挙げることができる。
このエネルギー変換材料は、塗膜を構成するポリマー100重量部に対して1〜200重量部の割合で含まれていることが望ましい。エネルギー変換材料の含有量が1重量部を下回る場合、十分なエネルギー変換能を得ることができず、200重量部を上回る場合には、範囲を超える分だけの効果が得られず不経済となるからである。
また、本発明の組成物は、蓄熱性材料を内包するマイクロカプセルからなる蓄熱フィラーをさらに含む形態を採ることができる。蓄熱フィラーにおける蓄熱性材料は、本発明の組成物に適用したとき、例えば夜間の冷気を熱エネルギーとして蓄熱し、昼間の太陽光熱による温度上昇を抑制する機能、或いは例えば昼間の暖気を熱エネルギーとして効率的に蓄熱し、夜間の温度低下を緩和する機能を持たせるため、その用途や使用状態、適用場所の気候などに応じて融点が5〜60℃の範囲に設定されている。この蓄熱性材料には、パラフィン系炭化水素、天然ワックス、石油ワックス、ポリエチレングリコール、無機化合物の水和物などを用いることができ、これらの中から目標温度に適合する相転移温度を有する1種を選択し、若しくは2種以上を組合せて使用することができる。上記蓄熱性材料の中でも、入手容易性、取扱い性、安定性の点から、パラフィン系炭化水素を使用することが好ましい。具体的には、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ドコサンなどを好ましい例として挙げることができる。これらパラフィン系炭化水素は、炭素数の増加と共に融点が上昇するため、目的に応じた融点を有する炭化水素を選択したり、2種以上の炭化水素を混合して使用することが可能である。また上記材料には、マイクロカプセルの熱伝導性、比重を調節する目的で、カーボン、金属粉、アルコール等を添加しても良い。
蓄熱性材料を封入するマイクロカプセルのシェル材料としては、その耐熱温度が上記蓄熱性材料の融点に比べて十分に高いもの、例えば40℃以上、好ましくは50℃以上であって、該組成物の用途や使用状態に応じた強度を有する材質を適宜選択すればよく、具体的には、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等を好ましい例として挙げられる。
この蓄熱フィラーを含有することで、本発明の組成物を例えば道路表面に適用したとき、道路上に適用された塗膜中の蓄熱フィラーには夜間の冷気が熱エネルギーとして蓄熱されることになる。そして、夜間の冷気を熱エネルギーとして蓄熱した塗膜中の蓄熱フィラーは、昼間の太陽光の日射による温度上昇を緩和するように作用するようになり、上述のエネルギー変換材料による遮熱効果と相俟って太陽光の日射による温度上昇をより効果的に抑制することができるようになる。また、本発明の組成物における蓄熱フィラーは、例えば昼間の暖気を効率的にエネルギーとして蓄熱することもできる。このため、例えば本発明の組成物を冬季の道路表面に適用した場合、道路表面の塗膜中の蓄熱フィラーが、昼間の太陽光からの暖気を効率的にエネルギーとして蓄熱し、夜間の路面上の温度低下を緩和するように作用し、融雪または路面の凍結を効果的に抑制することができる。さらに、道路や屋根などの被塗装物には面状発熱体やヒーターなどの加熱手段、或いは温泉や温水による加温手段を配置することもでき、このような手段を設けることで、悪天候が続いた場合でも蓄熱塗膜への補償用エネルギーの供給が可能となる。
また本発明の組成物は、遮熱フィラーをさらに含む形態を採ることができる。遮熱フィラーとしては、球状又は楕円形状をした粒子であって、中心に空洞又は真空の空洞がある中空粒子や真空粒子を挙げることができる。中空粒子や真空粒子としては、シラスバルーン、セラミックバルーン或いはムーンセラミックスなどを例示することができる。これら中空粒子や真空粒子からなる遮熱フィラーを含有する組成物にあっては、遮熱フィラーがきわめて軽量であり、しかも日射による太陽光からの熱を表面反射と内部中空面で2重に反射することから反射効率が高く、また、フィラーの中空空間が断熱層となり、熱エネルギーの伝播を効果的に抑制する働きがある。このため、この遮熱フィラーを上述のエネルギー変換材料と共に、或いは蓄熱フィラーと併用することで、該組成物の遮熱効果は一層向上することになる。
遮熱フィラーの粒子径としては20〜200μmであることが好ましく、60〜120μmであることがより好ましい。粒子径が20μm未満であると、十分な遮熱効果が得られず、200μmを超えると、塗膜に隙間を生じやすくなるからである。
また本発明の組成物は、放射線吸収フィラーをさらに含む形態を採ることができる。放射線吸収フィラーは、α線やβ線、γ線やX線などの放射線の吸収能に優れる材料であり、具体的には、原子番号が10以上の金属、例えばクロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、銀或いはタングステン、それらの金属イオン、それらの酸化物などの金属化合物、並びに2種以上の原子番号が10以上の金属からなる金属アロイなどを挙げることができる。放射線吸収フィラーの形態としては、特に限定されないが、50μm以下の粒径を持つ粉末が好ましい。
尚、本発明の組成物中には、上述の成分の他に、例えばマイカ鱗片、ガラス片、グラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カルシウム、バライト、沈降硫酸バリウム等の物質や、腐食防止剤、染料、酸化防止剤、制電剤、安定剤、湿潤剤などを必要に応じて適宜加えることができる。
塗膜成分としてアクリル系エマルジョンを用い、このエマルジョン中にエネルギー変換材料としてオクチル化ジフェニルアミンをエマルジョン中の固形分100重量部に対して20重量部、融点が31℃のパラフィン系炭化水素からなる蓄熱材料をメラミン樹脂をシェル材料として封入したマイクロカプセルを40重量部、平均粒子径が8μmの中空ビーズからなる遮熱フィラーを10重量部の割合で配合して塗料を調製した。
得られた塗料を試料(30cm×30cm×0.2cmの塩化ビニル樹脂製タイル)の表面に300g/mの塗布量となるように塗布し、これを実施例とし、その遮熱効果を評価した。尚、遮熱効果は、試料の塗膜側面上方で約20cm離れた位置に熱源となるハロゲンランプを設置し、このハロゲンランプから試料に光を照射し、5分経過後の試料の塗膜表面と塗料が塗布されていない裏面の温度を測定し、試料の塗膜表面の温度と裏面の温度の大小から評価した。尚、対比のために塗料を塗布していない試料(比較例)についても、同様にハロゲンランプを照射し、5分経過後の試料の表裏の温度を測定した。
塗料を塗布していない比較例の5分後の表面温度は90℃であり、その裏面側の温度は約64℃であった。これに対し、塗料を塗布した実施例の塗膜表面の温度は約79℃であり、その裏面側の温度は49℃であった。実施例の塗料を塗布している試料の塗膜表面の温度と塗料を塗布していない比較例の試料表面の温度の差は11℃であり、塗膜によって試料表面の温度上昇が抑えられていることが確認された。
また、比較例の試料裏面側と実施例の裏面側の温度差は15℃であり、実施例に係る試料の塗膜の作用により効果的な遮熱がなされていることが確認された。また、ハロゲンランプから試料に光を照射したとき、実施例に係る試料の塗膜表面からの照り返しを目視により確認したところ、照り返しは確認されなかった。
本発明の遮熱性塗料組成物は、例えば建築物の屋根、外壁、窓ガラス、円筒状又は球状タンクの外装面、車両や航空機の外装、或いは船舶の甲板表面に被覆することにより、或いは道路や飛行場の表面、鉄道の軌道表面に被覆することにより、太陽光の反射による照り返しを効果的に防止し、さらには、蓄熱効果、遮熱効果及び放射線吸収効果を兼ね備えた被塗装物を得ることができる。

Claims (10)

  1. 塗膜成分中に熱エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を有するエネルギー変換材料が含まれていることを特徴とする遮熱性塗料組成物。
  2. エネルギー変換材料が、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、及びN,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンの中から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の遮熱性塗料組成物。
  3. 塗膜成分が、アクリル樹脂エマルジョン、変性アクリル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョンから選ばれるエマルジョン塗料、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリルニトリル−ブタジエンゴムラテックス及びクロロプレンゴムラテックスから選ばれるラテックス塗料、或いはアクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、ウレタン樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる溶剤型塗料の中から選ばれるいずれか1種若しくは2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遮熱性塗料組成物。
  4. エネルギー変換材料が塗膜成分100重量部に対して1〜200重量部の割合で含まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遮熱性塗料組成物。
  5. 塗膜成分中に蓄熱フィラー、遮熱フィラー及び放射線吸収フィラーのうち少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮熱性塗料組成物。
  6. 蓄熱フィラーが、蓄熱性材料を内包するマイクロカプセルからなることを特徴とする請求項5に記載の遮熱性塗料組成物。
  7. 遮熱フィラーが、中空粒子又は真空粒子からなることを特徴とする請求項5に記載の遮熱性塗料組成物。
  8. 放射線吸収フィラーが原子番号が10以上の金属、その金属イオン、金属化合物及び2種以上の原子番号が10以上の金属からなる金属アロイのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の遮熱性塗料組成物。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の遮熱性塗料組成物が被覆された表面を有することを特徴とする被塗装物。
  10. 蓄熱フィラーを含む遮熱性塗料組成物が被覆された表面を有する被塗装物であって、補償用の加熱手段または加温手段をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載の被塗装物。
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