JP6302518B2 - 遮熱塗料、遮熱性積層塗膜および塗装物品 - Google Patents

遮熱塗料、遮熱性積層塗膜および塗装物品 Download PDF

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Description

本発明は、遮熱塗料、遮熱性積層塗膜および塗装物品に関する。
建築物などには様々な塗装が施される。例えば、内装や外装において、各種の塗料を塗布して塗膜を形成することで、躯体の保護や意匠性の向上を図ることが頻繁に行われている。
そして、近年、建築物の屋根や外壁などに用いられる塗料として、空調費用低減などの省エネルギーの観点から、遮熱塗料の需要が高まっている。
このような遮熱塗料は、熱源となる太陽光の近赤外線を吸収しにくい処方にしたり、断熱性能を付与したりすることで、遮熱性能を高めている。遮熱性に優れた塗料としては、例えば、本願共同出願人の1人である大橋化学工業株式会社などが提案した、下記特許文献1記載の「建築物屋根材補修用塗料」がある。
特開平11‐21509号公報
しかしながら、近年、より一層の省エネルギーの観点から、従来に増して遮熱性の高い遮熱塗料などが求められていた。
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、遮熱性および隠蔽性に優れた遮熱塗料および遮熱性積層塗膜などを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、粒子径が0.4〜2.5μmの大径酸化チタンと、粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の小径酸化チタンを、重量比で4:6〜6:4の割合で含む、遮熱塗料とした。
この遮熱塗料は、大径酸化チタンと小径酸化チタンを所定割合で含むことにより、遮熱性および隠蔽性に優れたものとなる。
粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の小径酸化チタンは、一般的に白色顔料として用いられている顔料級酸化チタンであり、可視光の反射または散乱作用に優れている。また、粒子径が0.4〜2.5μmの大径酸化チタンは、赤外線の反射または散乱作用に優れている。
上記大径酸化チタンと上記小径酸化チタンを、重量比で4:6〜6:4の割合で、両者合わせて塗料固形分中に20〜60重量%含むことが好ましい。両者合わせた塗料固形分中の含有量は、より好ましくは30〜50重量%、最も好ましくは、35〜45重量%である。
粒子径が30〜300μmの中空粒子をさらに含む、遮熱塗料とすることができる。
この遮熱塗料は、より優れた遮熱性を有する。中空粒子は断熱材としての特性を有するため塗膜に断熱性を付与する。中空粒子としては、アクリルニトリル系樹脂からなるものを用いることが好ましい。
このとき、中空粒子を、塗料固形分中に0.2〜5重量%含む、遮熱塗料とすることが好ましい。
この遮熱塗料は、より優れた遮熱性と良好な塗布作業性を有する。
バインダー樹脂としてアクリルシリコーン系樹脂を用いた、遮熱塗料とすることもできる。
この遮熱塗料は、耐候性に優れた塗膜を成膜することができる。
これら遮熱塗料が成膜されてなる塗装物品は、成膜された遮熱塗料の遮熱効果により温度上昇が抑えられる。遮熱塗料が塗布、成膜される被塗物としては、建築物の屋根や外壁に加え、キュービクルを初めとする屋外設置の電気設備、ケミカルタンクを初めとする屋外設置タンク、アスファルト道路等の路盤、自動車や船舶等、陽光に曝される建物や設備機器や機械が挙げられる。これらに本遮熱塗料を塗布し成膜することは、空調エネルギーの低下、ランニングコストの低下、内容物の安定性やロス解消に資するものである。被塗物の素材としてはガルバリウム鋼板やトタン等の各種金属、スレート、コンクリート等のセラミック材、FRP等の複合材などが挙げられる。
また、上記課題は、基材の表面に形成された第一の塗膜と、この第一の塗膜の表面に形成された第二の塗膜と、を備え、前記第一の塗膜および前記第二の塗膜は、粒子径が0.4〜2.5μmの大径酸化チタンと粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の小径酸化チタンを重量比で4:6〜6:4の割合で含む、遮熱性積層塗膜によっても解決される。
ここで、第一の塗膜が、粒子径が30〜300μmの中空粒子を含む、遮熱性積層塗膜とすることができる。
この遮熱性積層塗膜は、さらに遮熱性能が向上する。
このとき、第二の塗膜が、中空粒子を含んでいない、遮熱性積層塗膜とすることが好ましい。
この遮熱性積層塗膜は、より一層、遮熱性能が向上する。第二の塗膜(上層)が特定の粒子径範囲にある中空粒子を含んでいると、日射反射率が小さくなる傾向がある。即ち、遮熱性積層塗膜の構成として、基材側に位置する第一の塗膜(下層)にのみ中空粒子を含み、外側に位置する第二の塗膜(上層)には中空粒子を含まないことが、より一層、遮熱性能が向上して好ましいのである。
さらに、上記課題は、基材の表面に形成された第一の塗膜と、この第一の塗膜の表面に形成された第二の塗膜と、を備え、前記第一の塗膜および前記第二の塗膜は、粒子径が0.4〜2.5μmの大径酸化チタンと粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の小径酸化チタンを重量比で4:6〜6:4の割合で含み、前記第一の塗膜は、アクリルニトリル系樹脂からなる、粒子径が30〜300μmの中空粒子を0.2〜5重量%含み、前記第二の塗膜は、中空粒子を含んでいない、遮熱性積層塗膜によっても解決される。
これら遮熱性積層塗膜が形成されてなる塗装物品は、遮熱性積層塗膜の遮熱効果により温度上昇が抑えられる。
本発明により、遮熱性および隠蔽性に優れた遮熱塗料、遮熱性積層塗膜および塗装物品を提供することが可能となる。
遮熱性積層塗膜を説明するための側面図である。 遮熱性試験評価用サンプルを示す図である。 耐候性試験結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を例示説明する。本発明の遮熱塗料は、大径酸化チタンと小径酸化チタンを所定範囲の重量比で含む。また、本発明の遮熱性積層塗膜は、第一の塗膜と第二の塗膜に、大径酸化チタンと小径酸化チタンを特定範囲の重量比で含む。
なお、本発明は以下の実施形態などに限定されるものではない。
1.遮熱塗料
遮熱塗料は、粒子径が0.4〜2.5μmの大径酸化チタンと、粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の小径酸化チタンを、重量比で4:6〜6:4の割合で含むものである。
(a)大径酸化チタン
大径酸化チタンは、粒子径が0.4〜2.5μmの酸化チタンであり、白色顔料として一般的に用いられる酸化チタン(顔料級酸化チタン)よりも粒子径が数倍から十数倍程度の大きなものである。このような大径酸化チタンは、赤外線の反射または散乱作用に優れている。
大径酸化チタンには、針状酸化チタンまたは棒状酸化チタンと呼ばれる酸化チタンが含まれる。針状または棒状酸化チタンとしては、石原産業株式会社製「PFR−404」などが挙げられる。また、大径酸化チタンとして、例えば、テイカ株式会社製「チタニックスJR−1000」が挙げられる。また、大径酸化チタンには、アルミナ処理などの表面処理を施したものを用いることができる。
ここで、大径酸化チタンの粒子径が0.4μm未満であると、十分な遮熱性能が得られにくくなる。一方、大径酸化チタンの粒子径が2.5μmを超えると、塗料中の分散性が低下する傾向がある。大径酸化チタンの粒子径は、好ましくは0.4〜2.5μmであり、さらに好ましくは0.5〜1.5μmである。
本発明において、酸化チタンの粒子径は、透過型電子顕微鏡により写真を撮影し、自動画像処理解析装置にて体積基準の水平方向等分径を測定したものである。測定用の装置としては、市販品を使用することができる。
(b)小径酸化チタン
小径酸化チタンは、粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の酸化チタンであり、白色顔料として一般的に用いられる酸化チタン(顔料級酸化チタン)である。このような小径酸化チタンは、可視光の反射または散乱効果に優れている。
小径酸化チタンは、高耐候性の観点からアルミナ‐ジルコニア処理を施したものであることが好ましい。このような小径酸化チタンとして、例えば、テイカ株式会社製「チタニックスJR‐901」が挙げられる。
小径酸化チタンの粒子径は、好ましくは0.2〜0.3μmである。小径酸化チタンの粒子径が0.15μm未満になると可視光の反射または散乱効果が薄れてくる。
(c)大径酸化チタンと小径酸化チタンの配合割合
そして、大径酸化チタンと小径酸化チタンを併用することで高い遮熱性を確保することが可能となる。大径酸化チタンと小径酸化チタンの割合は、重量比で4:6〜6:4である。大径酸化チタンと小径酸化チタンの割合は、好ましくは重量比で5.5:4.5〜4.5:5.5であり、さらに好ましくは重量比で概ね5:5である。
(d)バインダー樹脂
遮熱塗料に用いるバインダー樹脂の材質や種類は、特に制限されない。例えば、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、ウレタン樹脂などを用いることができる。耐候性を考慮すると各種変性シリコーン樹脂を用いることが好ましい。なかでもアクリルシリコーン系樹脂、例えば、アクリルシリコーン樹脂やセラミック変性アクリルシリコーン樹脂は好適である。アクリルシリコーン樹脂の例としては、例えば、旭化成株式会社製「ポリデュレックスH−7650」が挙げられる。
バインダー樹脂としては、溶剤系のものよりも環境負荷が低い水性エマルションタイプのものを用いることが好ましいが、溶剤タイプを用いることもできる。
(e)中空粒子
遮熱塗料には、粒子径が30〜300μmの中空粒子を配合することができる。中空粒子は内部に存在する空孔に気体が充填されており、内部の気体と外部の空気が接するような欠損のないものを用いることが好ましい。中空粒子の粒子径は、より好ましくは40〜150μmであり、最も好ましくは50〜100μmである。本発明において、中空粒子の粒子径は、レーザー回折散乱法により測定したものである。測定装置としては市販品を使用することができる。
遮熱塗料に上記中空粒子を配合することで、断熱性能が向上し、その結果、被塗物の温度上昇(室内温度上昇など)を抑えることができる。
中空粒子としては、断熱性能を追求した場合、比重が小さいほうが有利である。また、中空粒子の構造を保持する為には、外力に対して柔軟性を有する有機系であることが望ましい。有機系の素材としては、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸エステル等のモノマーのうち1種以上からなるポリマーから選ぶことができる。特に、中空に充填してあるガスのバリア性の観点からアクリルニトリル系の樹脂製であることが好ましい。中空に充填してあるガスのバリア性が高いことは中空粒子の構造を保持する点で有利となる。
さらに取扱いやすくする為に、有機中空粒子の表面に炭酸カルシウムの様な無機化合物が担持されていてもよい。このような有機中空粒子として、例えば、松本油脂製薬株式会社「マツモトマイクロスフィアF‐65DE」が挙げられる。
中空粒子の配合量としては、塗料固形分中に0.2〜5重量%とすることが好ましい。中空粒子の配合量が0.2重量%未満であると配合による断熱効果が得られにくい。また、中空粒子の配合量が5重量%を超えると塗料の分離や塗装作業性の低下などの問題が生じやすい。中空粒子の配合量は、より好ましくは、塗料固形分中に0.5〜4重量%である。
(f)遮熱塗料の作成
上記各材料を配合し、ディスパーなどの分散手段を用いることで遮熱塗料を作成することができる。上記材料の他、必要に応じて、造膜助剤、溶剤、増粘剤、消泡剤、分散剤などを添加してもよい。
また、分散工程においては、弾性が低い中空粒子を用いる場合、その構造が破壊されないように注意することが好ましい。例えば、大きな剪断力をかけて二種類の酸化チタンをバインダー樹脂に十分に分散させた後、これに中空粒子を添加してマイルドな分散を行うことなどができる。
遮熱塗料の製造工程は、粒子径が0.4〜2.5μmの大径酸化チタンと、粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の小径酸化チタンを、重量比で4:6〜6:4の割合でバインダー樹脂に配合する工程を含むものである。ここで、大径酸化チタンと小径酸化チタンを、両者合わせて塗料固形分中に20〜60重量%配合することが好ましい。両者合わせた塗料固形分中の配合量は、より好ましくは30〜50重量%、最も好ましくは、35〜45重量%である。
2.遮熱性積層塗膜
上記遮熱塗料を用いて遮熱性積層塗膜を形成することができる。遮熱性積層塗膜は、図1に例示するように、基材1(被塗物)の表面に形成された第一の塗膜(下層)2と、この第一の塗膜2の表面に形成された第二の塗膜(上層)3と、を備える。そして、第一の塗膜および第二の塗膜は、粒子径が0.4〜2.5μmの大径酸化チタンと粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の小径酸化チタンを重量比で4:6〜6:4の割合で含むものである。
ここで、基材の表面に形成されたプライマー層の上に第一の塗膜が形成されていてもよい。プライマー層としては、必要に応じて、例えば、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、塩化ゴム系等から選択することができる。遮熱塗料の塗布方法は特に制限されない。また、第二の塗膜の表面に防汚性を付与する目的で光触媒塗料などのトップコートを施してあってもよい。
そして、第一の塗膜(下層)には、粒子径が30〜300μmの中空粒子を含むことが好ましい。これにより、遮熱性能が向上する。中空粒子は、アクリルニトリル系樹脂からなるものを0.2〜5重量%含むことが好ましい。
このとき、第二の塗膜(上層)には、中空粒子を含んでいないことが好ましい。これにより、さらに遮熱性能が向上する。
以下、検討例を用いて、本発明の内容をさらに具体的に説明する。
[検討例1]
本検討例1は、大径酸化チタンと小径酸化チタンの配合比率が遮熱性能に与える影響を明確化するためのものである。
バインダー樹脂として、水性エマルション樹脂を用いた。詳細には、固形分が40.5%のアクリルシリコーン系樹脂(旭化成株式会社製ポリデュレックスH−7650)を用いた。
そして、大径酸化チタンとして、粒子径が0.5〜1.5μmのもの(テイカ株式会社製チタニックスJR‐1000)、小径酸化チタン(顔料級酸化チタン)として、粒子径が0.2〜0.3μmのもの(テイカ株式会社製チタニックスJR‐901)を用いた。
そして、大径酸化チタンと小径酸化チタンの配合比率を変化させて複数の遮熱塗料を作成した。遮熱塗料の固形分中における酸化チタン(大径酸化チタン+小径酸化チタン)の割合は各実施例および各比較例で揃えてある(42.3重量%)。
得られた各遮熱塗料をそれぞれ基材(JFE鋼板株式会社製 ガルバニウム鋼板(登録商標) 厚0.8mm)に二度塗りして遮熱性積層塗膜を形成した。具体的には、基材の表面に各遮熱塗料を塗布(塗布量0.2kg/m)して第一の塗膜を形成した後、この第一の塗膜上に各遮熱塗料を再度塗布(塗布量0.2kg/m)して第二の塗膜を形成し、第一の塗膜と第二の塗膜からなる遮熱性積層塗膜とした。そして、遮熱性積層塗膜が形成された基材を評価サンプルとし、日射反射率の評価と遮熱性試験を行った。
日射反射率は、(1)JIS K5675と(2)東京都クールルーフ推進事業に準ずる方法の二種類で評価した。測定機器は、岡山県工業技術センター所有の株式会社島津製作所製「UV‐3100PC」を使用した。
日射反射率の評価のうち、(2)東京都クールルーフ推進事業に準ずる方法は以下の通りである。硫酸バリウムを白色基準とし、各塗料を塗布した試験板を用いて分光反射率を測定し、JIS R3102付表2に示す重価係数を乗じた加重平均を積算し算出した。
ランプ照射による遮熱性試験の評価手順は以下の通りである。遮熱塗料を塗装した基材(30cm×20cm)の表面から30cmの距離で陽光を想定した光源(キャスターライティングジャパン株式会社製 ハロゲン投光器「CHT‐500S」)からの光を60分間照射し、照射を止めた後30分間放置した。そして、図2のP部の裏面を温度計(株式会社FUSO製 SDカード式12チャンネル温度記録計「BTM‐4208SD」)で測定した。温度測定を行った90分間の平均温度を算出し、この温度を裏面温度として比較した。上記一連の作業は、気温を23℃に設定した室内で行った。
検討例1の塗料配合および評価結果を表1に示す。なお表中の←は、左欄と同じ数値であることを示す。
上記表1から、遮熱性試験における裏面温度は、大径酸化チタンと小径酸化チタンの配合割合が重量比で6:4〜4:6の範囲で、相対的に低い温度を示し、遮熱性能が向上することが判明した。
なお、僅かながらではあるものの、大径酸化チタンの配合割合が高いほど日射反射率(JIS)が高くなり、小径酸化チタンの配合割合が高いほど日射反射率(東京都)が高くなる傾向が確認された。
[検討例2]
本検討例2は、中空粒子などの各種フィラーの配合が遮熱性能に与える影響を明確化するためのものである。
バインダー樹脂(水性エマルション樹脂)、大径酸化チタン、小径酸化チタンのほか、造膜助剤、溶剤、増粘剤、消泡剤、分散剤は前記検討例1と同じものを用いた。
各種フィラーとして、有機中空粒子を三種類(アクリルニトリル系の樹脂製で粒子径違い、いずれも球状)と、無機中空粒子(株式会社アクシーズケミカル社製「ウィンライトMSB−5011」)、放熱フィラー(テイカ株式会社製「TCM‐002」)、炭酸カルシウムを用いた。フィラーを配合していない実施例1を除いて、フィラーの配合量は塗料固形分中の0.5重量%で揃えてある。なお、フィラーを配合してある系では、遮熱塗料の固形分中における酸化チタン(大径酸化チタン+小径酸化チタン)の割合は42重量%である。
そして、前記検討例1と同様、各実施例および比較例の遮熱塗料を作成後、それぞれ基材に二度塗り(塗布量:第一の塗膜および第二の塗膜ともに0.2kg/m)して遮熱性積層塗膜を形成し、日射反射率の評価と遮熱性試験を行った。
検討例2の塗料配合および評価結果を表2に示す。
上記表2から、粒子径が60〜70μmの有機中空粒子または粒子径が140μmの有機中空粒子を配合することで、日射反射率は低下する傾向があるものの、遮熱性試験の裏面温度が低下し遮熱性能が向上することが判明した。特に、粒子径が60〜70μmの有機中空粒子を添加した場合(実施例4)は、遮熱性能が高い。
粒子径が15〜30μmの有機中空粒子は反射率の低下はないが、裏面温度の低下も見られない。粒子径60〜70μmや140μmと比較して反射率の低下が見られないのは、粒子径が小さい為に塗膜表面に露出していない為と考えられる。
なお、無機中空粒子、放熱フィラーや炭酸カルシウムを添加したものは、遮熱性試験の裏面温度に有意な変化はなく、有機中空粒子を用いることの優位性が裏付けられた。
[検討例3]
本検討例3は、前記検討例2で遮熱性能の向上効果が高いことが確認された粒子径60〜70μmの有機中空粒子を用いて、その配合量と遮熱性能の関係を明確化するためのものである。
バインダー樹脂(水性エマルション樹脂)、大径酸化チタン、小径酸化チタンのほか、造膜助剤、溶剤、増粘剤、消泡剤、分散剤は前記検討例1と同じものを用いた。
有機中空粒子は、アクリルニトリル系の樹脂製で、前述した通り粒子径が60〜70μmの球状で、真比重が0.02〜0.1g/cmである。この有機中空粒子について、配合なしも含めて七水準の配合で遮熱塗料を作成した。
そして、前記検討例1と同様、各実施例および比較例の遮熱塗料を作成後、それぞれ基材に二度塗り(塗布量:第一の塗膜および第二の塗膜ともに0.2kg/m)して遮熱性積層塗膜を形成し、日射反射率の評価と遮熱性試験を行った。
検討例3の塗料配合および評価結果を表3に示す。
上記表3から、有機中空粒子(粒子径が60〜70μm)を塗料固形分中に0.25〜4.83重量%配合した場合に、遮熱性試験の裏面温度が低下し遮熱性能が向上することが確認された。
なお、有機中空粒子(粒子径が60〜70μm)を塗料固形分中に5重量%を超える量で配合すると、塗料の分離や塗装作業性の低下などの問題が生じた。
[検討例4]
本検討例4は、遮熱性積層塗膜の構成に関する検討である。具体的には、第一の塗膜と第二の塗膜からなる遮熱性積層塗膜において、有機中空粒子(粒子径が60〜70μmの球状)をどちらの塗膜に含有させることが好ましいか検討したものである。
バインダー樹脂(水性エマルション樹脂)、大径酸化チタン、小径酸化チタンのほか、造膜助剤、溶剤、増粘剤、消泡剤、分散剤は前記検討例1と同じものを用いた。
そして、前記検討例1と同様、各実施例、参考例および比較例の遮熱塗料を作成後、それぞれ基材に二度塗り(塗布量:第一の塗膜および第二の塗膜ともに0.2kg/m2)して遮熱性積層塗膜を形成し、日射反射率の評価と遮熱性試験を行った。
本検討例4の塗料配合および評価結果を表4に示す。なお積層塗膜の実施例等Noは、第一の塗膜(下層)の塗料実施例等Noを一桁目、第二の塗膜(上層)の塗料実施例等Noを二桁目としてある。例えば、積層塗膜の実施例14には、第一の塗膜(下層)に塗料実施例4、第二の塗膜(上層)に塗料参考例1の塗料を用いてある。
上記表4から、有機中空粒子を第一の塗膜(下層)に配合すると、遮熱性試験の裏面温度が低下し遮熱性能が向上することが判明した。
驚くべきことに、有機中空粒子を第一の塗膜(下層)にのみ配合する(上層には配合しない)と、遮熱性能がより一層向上することも判明した(積層塗膜実施例14)。
このような現象が生じるメカニズムについて詳細は不明であるが、第二の塗膜に有機中空粒子を配合すると日射反射率が低下する現象が確認されたことから、有機中空粒子を第二の塗膜に配合すると有機中空粒子に入った赤外線が、反射、散乱せずに、有機中空粒子内を透過し大気側でなく裏面側へ抜けていくことで裏面温度を上昇させているのではと推察する。
[検討例5]
本検討例5は、本発明の遮熱塗料を用いた遮熱性積層塗膜と各種市販品を用いた積層塗膜との比較評価を行ったものである。
上記表5から、開発品である実施例14の遮熱性積層塗膜は、現在汎用的に市場に流通している遮熱塗料と比較しても遮熱性試験の裏面温度が低く遮熱性能が優れていることが確認された。
また、開発品である実施例14の遮熱性積層塗膜についてメタルウエザー(大日本プラスチツクス株式会社の登録商標)を用いた耐候性試験を実施した。その結果を図3に示す。本図より、開発品の遮熱性積層塗膜は、1250時間(積算光量1700MJ/m)でも高い光沢保持率を維持し、色差変化も0.8以内と僅かであり高い耐候性が確認された。
以上実例を挙げて説明したように、本願発明者は、遮熱塗料の遮熱性能を高めるために鋭意研鑽し、効果的な反射材と断熱材の配合と効果を高める層構成を見出した。
遮熱塗料は、赤外線の反射が性能の優劣を左右する。本願発明者は、大小2種類かつ可視光と赤外線領域の波長とほぼ同等の粒子径を持つ酸化チタンを適量混合することで、可視光から赤外線までの日射反射率が高い塗膜を提供することができることを発見した。
これは大径酸化チタンの隙間に小径酸化チタンが入り込み、酸化チタン間の隙間が減少していわゆる最密充填に近い状態となり、隠ぺい性が高まったことが高反射の要因として考えられる。
また、反射させたい波長と概ね同径としたことで反射させたい光の散乱が高まったものと考えられる。
さらに、断熱性能を高めるために断熱性の高い球状の中空バルーン(中空粒子)を配合した。そして驚くべきことに、配合しない層を上層とし、配合する層を下層とすることで遮熱性能が高まることを発見した。
これは、陽光を直接受ける上面に中空粒子を配合すると、中空粒子の反射性能は酸化チタンより低いため、中空粒子を透過する赤外線が多くなる為と考えられる。
つまり、上層に酸化チタンを混合した反射層、下層に中空粒子を混合した断熱層の構成とすると、上層で赤外線を効果的に反射し、反射しきれず塗膜内を伝わってきた熱を下層で断熱するという効果が生じ、遮熱性能が高まることを見出したのである。
以上、特定の実施形態及び実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
1 基材
2 第一の塗膜(下層)
3 第二の塗膜(上層)

P 測定点

Claims (5)

  1. 粒子径が0.4〜2.5μmの大径酸化チタンと、
    粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の小径酸化チタンを、
    重量比で4:6〜6:4の割合で、両者合わせて塗料固形分中に35〜45重量%の割合で含むとともに、
    粒子径が60〜300μmのアクリルニトリル系樹脂からなる中空粒子を塗料固形分中に0.2〜5重量%含む、
    遮熱塗料。
  2. バインダー樹脂としてアクリルシリコーン系樹脂を用いた、
    請求項1記載の遮熱塗料。
  3. 請求項1または2記載の遮熱塗料が成膜されてなる、
    塗装物品。
  4. 基材の表面に形成された第一の塗膜と、
    この第一の塗膜の表面に形成された第二の塗膜と、を備え、
    前記第一の塗膜および前記第二の塗膜は、
    粒子径が0.4〜2.5μmの大径酸化チタンと粒子径が0.15μm以上0.4μm未満の小径酸化チタンを重量比で4:6〜6:4の割合で、両者合わせて塗料固形分中に35〜45重量%の割合で含み、
    前記第一の塗膜は、
    アクリルニトリル系樹脂からなる、粒子径が60〜300μmの中空粒子を0.2〜5重量%含み、
    前記第二の塗膜は、
    中空粒子を含んでいない、
    遮熱性積層塗膜。
  5. 請求項4記載の遮熱性積層塗膜が形成されてなる、
    塗装物品。
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